PBL

2026年10月17日 (土)

期待が高まる変容する私学(05)なぜグローバル教育が必要か 文化によって違う思考タイプを知る

★ある意味、私立学校においてグローバル教育が当たり前になっています。高度な英語力を学ぶ段階から異文化理解の段階へ、そして高度な英語力を支えたり、文化の違いを生み出したりする思考のタイプの違いをしるところまで来ています。たしかに、どこの学校も高度な英語力を学ぶ授業は行われています。海外研修で異文化理解も進んでいます。しかし、実際のところ、海外の生徒とディスカッションすることによる教育効果を生徒1人ひとりの最高の学びに結び付けている学校は少なく、いよいよその段階に進み始めているというのが現状です。グローバル教育の必要性の理由が、今その段階にあるからということでしょう。

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★その象徴的な本が、2015年に翻訳された「異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養」という本でしょう。2015年段階では、教育の世界では、まだピンとこなかったと思老います。何せ、そのときCEFRや4技能というのは教育の世界では広まっていませんでしたし、探究というプロジェクトも教育の中では行われていなかったのですから当然です。

★ところが、それから10年以上たって、CEFRでC1英語を目指す学校がでてきたり、探究活動が頻繁に実施されるようになったり、STEAMベースのアントレプレナーシップ教育が行われるようになると、このエリン・メイヤーさん(「次世代の最も有望な経営思想家」 (「Thinkers50」2015) に選出。フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクール、INSEAD客員教授。異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学が専門。)の考え方がグローバル教育の軸として大いに参考になってきました。

★特にコロナ以降、オンラインで生徒たちが海外の生徒と対話やディスカッションをするのが当たり前になってきたし、ラウンドスクエアのような国際会議で海外の生徒たちがディスカッションする機会が増えてくると、生活文化の違いだけでなく、その文化を生み出し持続可能にしていくための思考タイプが違うことに気づき始めます。

★日本では、批判的思考は居郁の世界では敬遠されますが、欧米では当たり前です。そして、そのクリティカルな論理の流れも、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカでは違います。

★どれがよいということは実はないのですが、一つの思考タイプがあたかも普遍的な思考タイプだとし、他の思考タイプをなんちゃって思考だという人もまだまだいますよね。それが文化的軋轢を生み、解消しないのだということを、海外で多くの外国の生徒と対話してきたときに気づくてくるのです。

★なぜ対話が必要か?合意形成をするためとか、安心安全をつくるためとか、もちろんあるのですが、思考タイプの違いを明らかにしながら、共通点や相違点を整理しながら互いを理解していくには、オープンに話さないとわからないからです。

★学習する組織を対話によって、瞬間的にそこに作るには、このような思考のタイプの違いを互いに知り、自分の思考タイプを押し付けていたのでは先に進まないとメンタルモデルを変更するということも目的の一つです。

★エリン・メイヤーさんは、経営思想家というのですから、アブダクションのような仮説推理型のような文化としてではなく、新しくプラグマティズムが発見した思考タイプについては多分言及が少ないと思います。パースが当初学問の世界で認めあっれなかったのは、思考のタイプが新しすぎたからですね。

★しかし、今後は、従来の思考タイプを整理しながら、突破口を見出す新しい思考タイプをどうやってつくり広めていくかというイノベーション思考も重要になってくるでしょう。グローバル教育からグローバル探究教育へとシフトしている私立学校も増えてきましたが、それは次の次元に進んでいるのだと思います。

★私立学校はまだまだ変容しますね。それが現状のマーケットにマッチングするかどうかは、また別の問題です。ですから、戦略的な対話が得意な経営者は、現状にマッチングする教育デザインを行いつつ、小さなプロジェクトを走らせているものです。教育の中の余白というのは、この小さなプロジェクトのための余白でもあるのですが、そう考えている学校はどこでしょう。いずれ、タイミングが来たら話しましょう。

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期待が高まる変容する私学(03)文大杉並 大胆かつ綿密な教育デザイン

★ONETESのサイトで、「【文化学園大学杉並中学・高等学校】武蔵大学との高大連携協定で広がる、10年間を見通した国際教育」という記事を見ました。同校の大胆かつ緻密な教育デザインがまた展開しているなあと感動しました。というのも、文大杉並は、DDコースで有名です。2015年から準備をしてDDコースを立ち上げました。それから10年の間進化し続け、今年の春、海外大学合格者も60名でるに至りました。DDコースへの進化は完成したかと思っていたのですが、まだまだ変化するよというメッセージが、この武蔵大学との高大連携です。絶え間なくアップデートする文大杉並に驚愕せざるを得ません。

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★最初は、DDコースは高校だけで開設されていました。カナダのBC州の国際的に評価の高いグローバル市民を生み出す教育と文大杉並のこれまた国際的に評価の高いアートスクールのエッセンスを日本の文化の一環として取り入れている教育が融合したわけです。

★そして、このDDコースのエッセンスを学内全体に浸透すべく、ルーブリックで生徒の学び方を共に創り上げていく授業に転換しつつ、同時に中学段階でDDコースへの準備コースも整備していきました。昨日GLICCの代表鈴木さんとZOOMで話し合った「日本の学校のインターか!?」の先駆けの学校の一つが文大杉並です。このZOOM公開されています。11時間前現在で419人がアクセスしているのは、なかなかの反響です。やはり、本格的なグローバル教育に関心が高い国際生(GLICCは英語と国算で中学受験をしようという生徒と大学受験を目指す帰国生、自分の通う中高で海外大学を目指すカリキュラムが充実していない生徒が通うグローバル教育ベースの塾です)が増えてきている手ごたえを感じました。

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★同校のサイトに、2026年度の中学のDD準備教育としての英語授業の人数の移り変わりが公表されています。中1の段階では、英語教育を小学校で学習するだけの生徒が圧倒的に多いのですが、中3になると逆転します。

★つまり、他の国際教育を行っている学校と違い、中学から英語を本格的に学んで、高校卒業するときには海外大学も合格していまうというカリキュラムがデザインされているのです。

★もちろん、DD準備教育を受けながら、高校ではまた興味深いコースが設定されているので、それぞれ自分の道を実現するコースに進みますが、英語の力は重要なのです。国内大学でさえ、英語力がものをいうということもありますが、少子化日本は、すでにイギリスやアメリカがそうであるように、多くの外国人が日本で働くようになるのは必然的です。まして、オンラインで仕事をする分野も拡大しています。英語は必須になります。

★ところが現状の日本の中高の教育では、海外の大学の様子を知るのはなかなか難しいという国際的広がりの学びの情報の非対称性があります。

★それゆえ、武蔵大学と高大連携し、特に同大学のロンドン大学の学位も取れてしまうPDPとの連携は、その非対称性を払しょくできる環境です。DDコースの生徒にとっては、自分が海外大学で何をどのように学ぶのか、その意味は何かをリアルに体験するには実に優れた環境でしょう。

★そして、海外大学を目指してはいないけれど、大学に行ったら海外での学びを体験しようと思っているDDコース以外の生徒にとっては、他の国際系の学部を持っている大学で1年間留学するだけではなく、ロンドン大学の学位も取得できるのは魅力的です。

★学校教育法で定めらr手ている1条校としての私立学校は、インターナショナルスクールを学内に併置するのは、条件が難しいのですが、文部科学省が認定する形の文大杉並の教育デザイン戦略は大胆で緻密な実務の取り決めに奔走する優れたそしてタフな交渉力を持った教師の力が必要なのは、あまり世の中では知られていないかもしれません。

★文大杉並自体、提携している寮を活用して、留学生も通っている環境にしています。一般のインターナショナルスクールは年間学費が300万から1000万まで幅がありますが、非常に高額です。しかし、文大杉並は、私立中高一貫校の普通の学費です。インターナショナルスクール以上の教育をその学費で享受できるとしたら、どんなにそれは凄いことか。

★しかも中学入学段階では、英語を本格的に学んでいなくても、卒業するときは、インターナショナルスクールを卒業するのと変わらないいやそれ以上の力と最高の自分の学び方を獲得できるのです。もちろん、自分次第です。そして、高校卒業時にそこまでいかなくても、武蔵大学の環境を使えば、大学卒業時にはロンドン大学の学位を取得して、追いつく可能性が大なのです。

★文大杉並の毎年のアップデートは、引き受けた生徒が、最高の未来を開くための環境を、生徒の具体的な状況にきちんと対応する緻密な教育デザインを開発する教師がいるからですが、このような教師を育成する研修制度やイベント、他団体の連携を大胆にプロデュースする理事長・校長がいるということが決定的ですね。

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2026年10月12日 (月)

工学院 グローバル探究学習モデルが生徒1人ひとりに内面化される こんなところがあったんですね

★9日前にZoomで工学院の田中歩教頭と対話をしました。600人以上がアクセスしています。主に中学受験生の保護者対象で、本質的な話をしていく番組なので、爆発的に見に来る番組ではありません。しかし、中学の生徒募集定員105人の同校に対して、これだけ興味と関心を持っている方がいるわけです。教育に対する意識が高い方が多いことに子供たちの未来に光が見えます。

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(Geminiによる作成)

★工学院と言えば、グローバル(ケンブリッジインター&ラウンドスクエア)と理工系の進路で有名です。海外大学も20人以上合格しているし、国内の難関大学も着々と実績を上げています。重要なことは、このような結果がでていくプロセスです。

★大学合格実績だけを出すことを目的とするならば、余計な学びをしないで、受験勉強に集中するとよいわけです。ですが、私立学校はそういう教育はあまりしないのです。それぞれ創意工夫をして教育環境をデザインします。ですから、そのデザインされたプログラムを見るのがおもしろいのです。

★工学院の場合は、まず教師と教師、教師と生徒、生徒と生徒という関係の質が学習者中心主義的です。心理的安全性を土台に、試行錯誤にどんどん挑戦し、創造性と社会貢献へのマインドが育ちます。

★思考の質も、ケンブリッジ出版の英語の教科書を全員が使いますから、高次思考まで学ぶことが大前提で、それを明快に生徒に共有されています。他の教科や行事でも、工学院はそれを思考コードというオリジナルのメタルーブリックにして共有しています。

★そして、何より外に出てフィールドワークやアントレプレナーのプロジェクトを企画運営する行動の質の密度が高いのです。

★その結果は、大学入試につながるのですが、そこに行くまでに、すでに多くの探究の成果を中学で、高校で全員が出していくのです。それを全員がプレゼンする機会もあります。英語の資格試験のスコアを上げる機会もたっぷりあります。

★英語とIBLとICTが軸となって6年間教科学習と世界的視野の探究活動、海外研修などがトルネードになって大きくなっていきます。

★そして、決定的に他校と違うところは、そのトルネードが教育活動という外側から生徒1人ひとりの内面にコア・ループとして回転するようになるということです。教育活動の中で、動いているだけではなく、その動きが自らの内面から生まれるようになります。

★このコア・ループを内面の軸とするという教育の本質を実践している様子を説明会に訪れた保護者が見て、「こんなところがあったのですね」と感嘆の声をあげるのです。

★教育学の世界でも、まだまだ行動としての学習モデルが中心です。生徒1人ひとりがそれぞれ自分のコア・ループを生み出す実践はまだまだこれからなのです。工学院の説明会や文化祭などの行事に参加して、このことに気づいた保護者は、感動するのです。

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2026年10月 2日 (金)

工学院 生徒を動かす鮮烈なRSIC(ランドスクエア国際会議)体験

★工学院は、中1から高3まで、毎月のように多くの体験の機会が用意されています。基本的には国内にいようと海外にいようと、じぶん事とみんな事とちきゅう事が循環する体験です。どの体験も生徒の心を揺さぶり動かしはじめます。ただ、体験の機会が多いというのは、どの体験がどの生徒を動かすかは、予測できないからでしょう。学習者中心主義というより生徒中心主義な同校の教育環境デザインは、生徒1人ひとりがコア・ループとして自分の内面で回っている自律分散協調系は、1人ひとり違うのです。

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★今回同校のブログを読んでいて、この生徒を動かす鮮烈なRSIC(ラウンドスクエア国際会議)体験に感動しました。RSICに参加した生徒は、英語でこう書いています。

RSIC has already given me so many new friendships, perspectives, and ideas. I came here excited for the experience, but I did not expect it to motivate me this much to actually do something when I return. I want to take everything I have learned here back to my school and hopefully make Round Square a bigger and more active part of our school community.(RSICはすでに、たくさんの友情、視点、そしてアイデアを私にくれました。わくわくした気持ちでここに来ましたが、帰ってから実際に行動したいと思えるほど心を動かされるとは、思ってもいませんでした。ここで学んだことをすべて学校に持ち帰って、Round Squareが私たちの学校コミュニティの中で、より大きく、より活発な存在になるようにしたいです。)

★そして、このようなインパクトはなんだったのか。こう書いています。

 One of my favorite things about RSIC has definitely been the people.

★やはり人との出会いであり、それは英語会話のための出会いではありません。カルチュアルイマ―ジョンという、多様な人々の考え方や生活、文化など地球丸ごとの体験だったのでしょう。

★この生徒は、こうも書いています。

 Coming to RSIC has also completely changed the way I see Round Square. Before coming here, I knew about the Round Square IDEALS, but I do not think I fully understood what they could actually look like in real life. Being here and learning about what other Round Square schools are doing made me realize that there are so many possibilities and so much more that we could do at our own school too.(RSICに参加したことで、Round Squareに対する見方もすっかり変わりました。ここに来る前から、Round SquareのIDEALS(理念)については知っていましたが、それが実際の生活の中でどのような形になるのかは、きちんと理解できていなかったと思います。ここで他のRound Squareスクールの取り組みについて学び、自分たちの学校でもできることがもっとたくさんあるのだと気づきました。)

★IDEALSというRSの理念のリアリティを知り、それを工学院に帰ってから共有しようというわけです。そのために自分は動く、RS委員会も作ると別の箇所で語っています。RSの理念をより広く共有したいのだと。工学院は、基本的に一握りのための特別な学びではなく、できる限り全員が体験できる機会を作っています。その工学院の文化と世界各国の私立学校が集結するRSの文化が融合した瞬間ですね。

★いずれにしても、私の話はどうでもよく、まずは、生徒の言葉を直接読んでください。

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2026年9月29日 (火)

東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(2)

★コア・ループとは何かについては、田中歩先生と対話を積み重ね、授業実践をしながら、いくつも図式化しています。最近は次のような図を協働して描きました。生成AIでカッコよくデザインしようと思ったのですが、なかなかできないので、いずれまたチャレンジすることとして、いったんこの図を載せます。

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★この図の前に、学びの行動として「読み・書き・そろばん」をベースにした基礎学力についての図を描いて対照するとわかりやすいのですが、ごじゃごじゃするので、コア・ループの図をまずご紹介します。

★読み・書き・そろばんは、反復の行為をし、それを習慣化することで、読み・書き・そろばんの行為を身体化し、自動化することで身につけていきます。いくらいろいろな文章を読んだり、漢字などを書いたり、計算をするという行動をしても、それが身体化・内面化し、習慣化されていないと自分で学んでいくことができません。

★この行動を、どれだけ自分のものにできるのかによって、得点率、つまり偏差値の違いがでてきます。

★基礎学力として、この反復と習慣化の循環は、大事です。

★ところが、これでは、クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングにまでなかなか飛べません。

★最近では、未知の世界をどう認識し、まだ見ぬものをどう創っていくかが問われる激動の時代です。そこを突破するための環境や道具として探究と生成AIが登場してきています。

★しかし、これも探究やAIを使う行動だけ一生懸命行っても、生徒自身の内面に根付かなければ、やらされ感満載になります。ですから、好きから始めることは重要ですが、その好きが、自らもっと調べる、仲間と対話し、再編集する自律分散協調系のループにつながっていき、自分の内面で回転するようになって初めて、旺盛になるし、関心は広がります。

★複雑な学びの行動の関係を自分の中で回せるようになるには、言動化と心意化を何回も回していかなくてはなりません。これによって、内側で複雑な学びの行動を結びつけて循環できるようになっていきます。最初は、この循環も小さなつながりですが、言語化と心意化の回転を繰り返していくうちに広がっていくわけです。この環境をデザインするのが教師の腕の見せ所です。あるときは教師、ある時はコーチ、またある時はファシリテーター、またまたある時はプロデューサー・・・・。マルチなロールプレイを楽しめる教師がそこにいることがポイントですね。

★コア・ループとは、言動化と心意化を大車輪にしていくエネルギー体というわけです。このエネルギー体がなく、複雑な学びの行動の関係をやらされているうちは、学びはじぶんごとにもみんなごとにもちきゅうごとにもならないのです。

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2026年9月27日 (日)

東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(1)

★東京私学教育研究所の平方邦行所長の諮問機関として「フュージョン教育研究会」が昨年から来年度まで3年間という期間限定のチームが活動しています。その活動の一端をNotionでサイトをつくり発信し始めています。同研究所のサイトで告知されています。

★メンバーは、田中歩先生(工学院大学附属教頭・英語)、山口貴史先生(駒沢学園女子・数学)、本橋真紀子先生(聖学院・数学)です。次期学習指導要領がそうだからということもあるのですが、もともと平方所長は生成AIを教育にどう生かすか考えていました。

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★2015年ごろから、平方所長はシンギュラリティ―を迎える未来の子供の社会を想定し、そこで、子どもたちがどんな才能を発揮できるとよいのか、またその中でもクリエイティビティをどのように生み出すのか、工学院(当時校長でした)の先生方と授業実践の中で試行錯誤されてきました。またそのときからすでに一般財団法人東京私立中学高等学校協会の副会長(当時)として、私学の先生方とも議論してきました。

★そして、コロナ禍を乗りこえるのに、それまでにICTを使って授業を模索していたことが、貢献できたと実感し、さらにイノベーションを教育になじませるにはどうしたらよいのか、多くの私学の先生方と議論し、数々の研修も手掛けてきました。ポストコロナ時代に、急激に生成AIが広まり、それを教育に生かすにはどうしたらよいかを研修のテーマにもしてきました。

★昨年、平方所長は、その発想をいよいよ実現する段階に来たと決断し、フュージョン教育研究会を立ち上げたのです。コンテンツベースでつくっていくと、あまりにも専門的になりすぎるので、3年間では見通しが立ちにくいと考え、まずはコンセプトベースで試行錯誤しようということだったといいます。また、世界の教育はよしあしはひとまず置いておくとして、ケンブリッジの教育やオックスブリッジで研究したメンバーが大きく関わっているので、ケンブリッジ国際教育の日本初の認定校であり、その推進リーダーの一人である工学院の教頭田中歩先生に頼んだということです。

★また、社会課題と教科を結ぶ研究を同研究所の主催する数学の研修委員の姿をみていて、コンセプトベースには数学科がすぐに動けそうだと判断したということです。さらに、英語が堪能である数学の先生はということで、いろいろな縁の中で山口先生と本橋先生に行きついたたということのようです。

★次期学習指導要領では、背景に探究と生成AIがあるということは、昨年の段階で公開されている情報やデータから想定できていたので、シンプルにそれらの根っこ(コンセプトベースな学び)を見出すということが目的だったようです。

★そのコンセプトという種から、様々な探究や生成AIを活用した授業、教育活動等が生まれてくればよいという発想のようです。ただ、それは理論としてつくって実践するというトップダウンのスタイルではなく、あくまで授業実践報告の中からボトムアップ的に生まれてくるというスタイルをとったようです。

★そのため、3人の先生が互いの授業実践を見学したり、報告を聞いて議論しながらできてくるというあくまで仮説の段階のものです。固定された一つのコンセプトというよりは、生徒や教師の具体的な状況に応じて変幻自在に変わるものという感じですね。

★いい加減じゃないかと思われるかもしれませんが、3人の先生方は、転移学習とか圏論なども議論の背景に入れながら模索しています。その理論を前面に出すことはないし、必要もないと思っていますが、システム思考やデザイン思考など世の中で語られている理論ももちろん背景で議論しています。しかし、現場でより実践的な学びとは何かに目を向けています。

★昨年1年の議論の中で、生まれてきたのが「コア・ループ」というキーワードでした。フュージョン教育研究会のサイト第2章「AI時代に必要とされる人物像」を執筆している田中歩先生はこう書いています。

冒頭にも触れたように、「教師」「生徒」の枠組みをこえ、対話をしながら様々な思考スキルを使って学びを変化させてきたように、学びのコアがありさえすれば、その軸をループしていく中にAIを入れ、コア・ループを作ることが環境としてはとても重要になってくる。その環境で学ぶんだ!という、実は生徒たちに求められるのは、本来子どもたちが備えている興味関心・探究心なのではないだろうか。

生徒は小さいころからキラキラした眼差しで物事を見ている。そのキラキラを持ったまま未来へ向かって走っていく、その傍らに教師やAIが並走していく、生徒の走るエネルギーは興味関心・探究心であり、生徒はオープンマインドで対話に飛び込んでいくことが必要となる。 

★この中には、世の中で語られる、学習する組織、コーチング、ファシリテーション、リアリスティックなリフレクション、高次思考・対話、学習者中心主義などたくさんの理論が文脈背景にあって、わかりやすいけれど、圧倒されます。実践とはかくも理論の複合的な密度が高いのだと。理論は、それを分析的に引き出しているだけなのかもしれません。やはり、はじめに実践という経験ありきなのでしょう。イギリス的と言えばそれはそうなのですが。しかし、日本の武道にもまず型ありきだから、シンクロしているような。。。

★それは、ともかく探究や生成AIについては、そのメリットとデメリットは、文部科学省がすでに各国の情報も収集してまとめています。多くの論者が語っている懸念点もそこに網羅されています。

★フュージョン教育研究会の先生方は、それらは織り込み済みで、教師と生徒が授業の中で探究的なエッセンスと生成AIをサポーターとしてどう使っていくかという問題意識で授業実践をしています。そこは、現状、生徒が授業で探究的エッセンスを生かしたり生成AIを使ったりしていると学校がまだ少ない中での実践ですから、かなりチャレンジングです。そして、それらを、コア・ループをつくる環境が重要なのだというコンセプトに行きついているわけです。

★では、このコア・ループとは何か?それはまだまだこれからということのようですが、現段階でもかなりヒントはあります。私も生徒一人一人が独自の最高の学び方を回転できること、そしてそれがじぶんごととみんなごととちきゅうごとが循環できる最高の学び方であることが大事だと思っています。コア・ループはまさにそれなのでしょう。私なりに探っていきたいと思います。コア・ループは、一人ひとりちがってよいのですから。

 

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2026年9月19日 (土)

サレジアン国際学園世田谷 カトリック校としての21世紀型教育を構築 図書館LIBERAの戦略

★ONTESplusを読み進めていると、サレジアン国際学園世田谷の図書館LIBERAでの教育活動の記事に出遭いました。サレジアン国際学園世田谷の校長先生は、シスター・森下ワカヨ先生です。多くのカトリック学校の校長先生が、かつてのようにシスターや神父ではなく、一般人になっている、しかも必ずしも信者ではないケースが多くなっていますが、サレジアン国際学園世田谷は、シスター・森下校長です。

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★シスター・森下校長は、21世紀型教育が、PBLという対話ベースの学びやサレジアンのようなカトリック校のグローバルなリソースとマッチすることを見抜き、4年前に導入しました。しかし、21世紀型教育はカトリック学校以外でも実施されていますから、カトリックならではの21世紀型教育を追究しようとしていると思われます。

★いったい、そのカトリックとしての21世紀型教育とは何でしょう?すぐには思いつかないでいたのですが、今回の記事を読んで合点がいきました。、図書館LIBERAに、その思いが象徴されていたからです。

★図書館で、PBLベースのプロジェクトが行われています。どうやら図書館LIBERAは、知識や情報を知るメディア・センターであると同時に、真理を知り、それを実現する自由の翼を広げる、真理のスタジオでもあったのです。ヨハネの福音にこうあります。

"et cognoscetis veritatem, et veritas liberabit vos."

(あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。)――ヨハネによる福音書 8章32節(新共同訳)

★この聖書の文脈が、同学園の図書館LIBERAにはあるのだということが、記事の中に詳しく書かれている生徒たちのプロジェクト活動に現れていました。

★ただ、私は、LIBERAと聞くと、イギリスの有名な少年のボーカルグループ「リベラ」 の歌声を想い出してしまいます。彼らの美しいハーモニーは、まさに祈りそのものです。だから、むしろ、次の言葉を思い出します。

"...sed libera nos a malo."

(…わたしたちを悪から救い出してください。) 

★この言葉は、主の祈りの一節です。カトリック学校なら、どこでも日々唱える言葉です。

★21世紀型教育環境の中で、生徒は、学びにおいて信頼関係をつくりながら、グローバルな航海に出発します。しかし、そこにはグローバリゼーションという魔物がうようよいます。生成AIなどICTも大いに活用しますが、油断すると悪のささやきが忍びよります。この知の冒険に旅立つ生徒たちに、自らクリティカルシンキングとクリエイティブシンキングと12使徒よろしく協力し合って、世界を変える活躍をしてほしいという祈りがKIBERAに込められているような気がします。

★この聖書の12使徒の物語には、人間の普遍的ともいうべき、裏切りの物語も含まれています。現代小説でも必ずこの課題に直面します。裏切り者のユダの存在。そうならないように、LIBERAで学ぶのです。この学びは、すべての子どもたちにとって重要です。しかし、裏切り者のユダの存在を自覚しながらチームビルディングをするPBL型授業は、サレジアン国際学園世田谷の面目躍如だと私は思います。

★ともすれば、カトリック校も大学合格実績を出し、それによってブランドを作ることで満足するケースもあります。そうでなければ、サバイブできなのが現状ですから、しかたがないことかもしれません。7しかし、大学合格実績も大事ですが、その学歴ブランドを越えて、LIBERAのブランドを多くのカトリック校が共有してくれることを期待します。その意味で、サレジアン国際学園世田谷は希望の光です。

 

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2026年9月12日 (土)

2027中学入試動向(06)天体の部活のある学校は注目か 自律分散協調系のコア・ループ

★工学院大学附属中高のサイエンス部天文班の部員2名が、この夏「スターキャッチコンテスト関東大会」にて第3位に輝いたというインタビュー記事を読みました。感動的です。この記事を書かれた先生のストーリーテラーのパワーも凄いです。そして、なにより、そのストーリーは二人の生徒自身の実際の軌跡/奇跡であることが感動です。

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★そのストーリーについては、ぜひ記事をお読みください。ここでは、私の気づきを少し述べますね。

★天文班の2名は、協力してコンテストに向けてトレーニングをするわけです。どんなトレーニングかは天体のことを知らない私にはわからないのですが、自作の天体望遠鏡で、天の星々を自分たち感覚と脳内神経身体全体に最適かつ俊敏に結び付けるトレーニングのようです。

★このコツコツと努力しているというより、コミュニケーションを取りながら、悩みながらも創意工夫し、小さな達成感を積み上げていく感動の連続だったと思います。これってもう奇跡です。というのも、私も含めて多くの人がふだん星空を眺めないし、どの星がどんな由来があるのかその背景知識などは持ち得ていないわけです。しかし、コンテストで入賞するためには、その膨大な知識と天体望遠鏡を操作するテクノロジーと彼女たちなりのこの一連の関係性を導き出す方程式を創って結び付けているわけです。

★まさにクリエイティブクラスですよね。それにしても、天界の星空と自分たちの脳内の島皮質が反応するわけですから、それはたまあに星空を裸眼で眺めて感動することなどとは比べ物にならない大きな深い感動が全身に広がり、そして仲間と共感するでしょう。

★これは、結構人知を超えたすごい出来事を自分たちが手にしているのです。誰に指示されるわけでもなく自律して、そしてどちらが主導権を握るということなく分散し、それでいて協調する。これは外からみたら、一連の行動ですが、この行動が駆動する内的なコア・ループが出来上がっているということです。

★田中歩教頭が、IBLや探究で生徒が感じたり考えたり行動したりすることの出来を最終的に評価することというのは、プロダクトの出来栄えで終わるのではなく、生徒1人ひとりの内面に(脳神経身体全体に)どんなコア・ループが回りだしているのかを生徒と共有できることなのだと言っていることの実感ができました。

★もしかしたら、天体の部活を行っている学校では、同じような自律分散協調系の生徒が育つ環境があるのかと思い、調べてみました。東京の私立学校の17%は、天文部を持っているようです。しかし、工学院のように科学部や地学部の中に天体活動を行っているかもしれませんから、天体活動をしている部活動はもっと多いかもしれません。

★そういえば、桐朋の天体活動は有名だということや開成の地学の先生の授業実践報告会に参加したとき地学と宇宙の壮大な関係に感動したのを思いだしました。

★たしかに、自律分散協調系のコア・ループが生徒の内面に回っているし、アップデートしていく環境は天文にはあるなあと感じました。

★島皮質のAWE体験は、天体だけではなく、山に登ってでもできます。いや多くの部活がそうでしょう。今や部活はいろいろ言われていますが、日本の教育の新たな卓越性を示す学びの場かもしれません。自律分散協調系の創発の場だよと。もちろん、そうでない昔ながら部活は変わっていく必要はあるかもしれませんが。

★自律分散協調系という言葉は、私が中学受験業界に足を踏み入れた1980年代に一部で流行っていた言葉です。コンピューター系のテクノロジーやエンジニアリングで使われていました。現代思想でも脱中心とか周縁というキーワードがはやっていました。

★それが2000年代になって、工学関係で広がりはじめていたと思います。当時の東大の小宮山宏総長の講演に参加した時、教授から岩波新書「地球持続の技術」を頂いて驚愕したのを覚えています。今では、WEB3.0あたりで新たな意味や言葉で表現されているのでしょう。文理融合の時代に再び流行るかもしれません。

★そうそう、私がPBLを大事にしているのは、この自律分散協調系のコア・ループが生徒の内面に回りだすことを、もちろん狙ってですが、島皮質などの脳科学をちょっとだけかじることで、かじらなくてもちょっと考えれば、わかることですが、脳というのは、感動は同じ行動を繰り返すと順応して起きなくなります。ですから、それを防ぐには、環境を変えるのがポイントです。特に協働関係をつくることは、仮に同じメンバーでも複雑系なので、日々新鮮です。

★工学院の場合は、中1からIBLやPBLをやっているのですから、当然そうなるのですが、さらに高大連携や地域連携、外部団体連携、国際的アソシエーションなどとの連携が多く、生徒1人ひとりのコア・ループはアップデートしています。このような学校は他にもいっぱいあります。またお知らせします。

 

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2026年8月25日 (火)

【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院

★IB(国際バカロレア)のサイトを見て、驚きました。革新的なカリキュラムを2028年にIB認定校に広めるというのです。いったいそれは何かというと、STPであり、要はPBLです。このことについて、工学院の田中歩教頭と対話をしていて、工学院は10年以上前から開始して、いつの間にかIBの革新を先取りしていたのかと、二人で驚嘆していました。同サイトにはこうあります。

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国際バカロレア(IB)と共同で先駆的に開発された「システム変革パスウェイ(Systems Transformation Pathway:STP)」 は、生徒が完全なIBディプロマ資格を取得しながら、気候変動、生物多様性の喪失、エネルギー転換、大規模な移住、水資源の不足といった地球規模の課題に取り組むことを可能にする、新しく革新的な教育課程です。

本プログラムの最初の2期の卒業生たちは、ケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、ブラウン大学、プリンストン大学、スタンフォード大学、香港大学 をはじめとする世界各国の大学への進学を果たしています。

STPは目覚ましい成果を示しています。ケンブリッジ大学 はSTPの影響を研究するために本プログラムに参画しており、その報告書ではSTPを「教育の未来のための設計図(blueprint for the future of education)」として高く評価しています。

さらに、2023年に本校とともにこのパイロット・プログラムを開始した国際バカロレア(IB) は、2028年までにSTPをすべてのIB認定校へ展開する計画を発表しており、これを「IBのイノベーションにおいて数十年ぶりの最も重要な節目」と位置づけています。

★このIBが考える「教育の未来のための設計図」は、すでに工学院では、10年以上前にデザインされ、今や中1から高3まで、学年に応じたPBLが国内外で実施されています。もちろん、テーマは様々ですが、基本SDGsはカバーしていますから、IBが考える地球規模の課題には当たり前のように取り組んでいます。

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★田中歩教頭は、「世界の最高の学びに追いつき、独自の境地に達しようと、生徒中心主義の学びを行ってきましたが、すでにそこに達している可能性があると改めて感動です。たしかに海外大学進学実績も伸びてきています。質を高め続けることがこれからのミッションです」と。

★中学受験生の多くは、このIBの革新性を先取りしている工学院の偉業についてまだまだ気づいていません。私が田中歩先生と10年以上も対話をし続けてこれたのは、なんて凄いことなのか!感動です。

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2026年8月22日 (土)

本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質

★受験生の保護者が学校説明会に行ったとき、その学校の雰囲気を感じます。なんかよい雰囲気とかあるいはどこかちょっとなあとか。そして、説明会で先生方や生徒のプレゼンを聴いて、なるほどと確信をもつでしょう。また、合同説明会等のブースでは、直接対話ができます。するとより学校の雰囲気が伝わってきますね。

★もちろん、これは主観的なもので、客観的には判断できません。ですから、客観的な(というより物質化されたあるいはコモディティ化された)偏差値や大学合格実績などとその主観的な気持ちや考えを思いめぐらしながら、我が子に適合する学校はどこか思い悩むわけです。しかし、この熟慮の渦が最終的に最適なマッチングに行きつくわけです。

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★しかし、その主観的な価値判断の基準を自分なりに作ってみると、主観と客観の橋渡しのストレスがやや少なくなるかもしれません。たとえば、マサチューセッツ工科大学(MIT)の組織学習センター共同創始者であるダニエル・キムが提唱した、組織が成果を出し続けるためのフレームワークは参考になるかもしれません。組織を「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4つの要素から捉え、好循環(グッドサイクル)と悪循環(バッドサイクル)のどちらが回るかによって組織の成長が決まると説明しています。

★組織は戦略的な発想が反映しますから、この4つの質の循環をどのように作っているかは、説明会のプレゼンの中に現れます。どれか一つに偏っているプレゼンがされているか、ち密にデザインされているか意外とすぐにわかります。もちろん、保護者自身が、どれかに重きを置いている場合、同じような戦略的発想を語る学校と共鳴するのは自然です。

★グッドサイクルとかバッドサイクルとかは、偏りがあるからバッドだとかと判断するのは、その人の価値観です。いろいろあるのです。そこは私事の自己決定であることを確認した方がよいと私は思います。

★ところで、この4つの質は、学校組織だけではなく、授業を行うときのクラス組織にもあてはまります。授業がどのような質の循環になっているかは、ここは見えにくいところです。しかし、4つの質の循環は、対話によって回っています。ですから、どんな対話が行われているのかを、その学校の教員の語り方や説明会ブースで対話するときに洞察するとよいかもしれません。そのことは授業のクラス祖域だけではなく、学校組織にも結局は通じます。

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★それは、前回ご紹介した、探究の4つのレベルが参考になります。上記の図は、探究の4つのレベルを参考にして、5つに分けてみました。探究のレベルでは、問いと解答に導くプロセスと解答の3つの要素で、組み立てられていました。その3つのポイントが教師のガイドによるものなのか、生徒自身が自ら考え、判断し、アウトプットするのかの組み合わせでできています。

★その3つのポイントに、授業であれ、普段の会話であれ、事実や前提知識を確認しながら対話するのは当然ですから、それも加えました。Knowledge・Question・Process・Answerの4つですね。それを教師がガイドして進めていくのか、生徒が自律分散協働系でいくのか。それを表した図を上記に示しました。

★保護者によって、生徒によって、レベル1でよいという価値難を持っている場合もあるし、全部レベル5の対話で進めてほしいという保護者もいるでしょう。

★しかし、現実は限られた時間の中で私たちは生きているのですから、先人の知恵の肩を借りて思いめぐらすのです。したがって、レベル1からレベル5もまた循環するのです。ただ、どのレベルに重きを置いているかはその学校の戦略的発想によるわけです。

★普段の授業と探究では当然ちがってきます。しかし、それも学校によって違います。

★大学に行くと、レベル4と5の対話が多くなると思います。総合型選抜や海外大学進学のための学びも、レベル4と5の対話のトレーニングは必要です。

★そこにつながるように、中高の教育環境がデザインされているかどうかということでしょうか。もちろん、大学レベルの対話を行っている学校も実際にあります。こればかりは、直接その学校の先生と対話してみなければわかりませんが、その対話のリソースを私立学校は一部公開しています。

★それは、入試問題、生徒の論文集、教師の研究論文や紀要です。学校説明会や合同説明会などで配布されている場合もあります。自由に見てくださいと陳列されている場合もあります。ぜひ手に取ってみてください。驚愕や感動するケースが多いですね。

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