グローバル教育3.0

2026年10月17日 (土)

期待が高まる変容する私学(05)なぜグローバル教育が必要か 文化によって違う思考タイプを知る

★ある意味、私立学校においてグローバル教育が当たり前になっています。高度な英語力を学ぶ段階から異文化理解の段階へ、そして高度な英語力を支えたり、文化の違いを生み出したりする思考のタイプの違いをしるところまで来ています。たしかに、どこの学校も高度な英語力を学ぶ授業は行われています。海外研修で異文化理解も進んでいます。しかし、実際のところ、海外の生徒とディスカッションすることによる教育効果を生徒1人ひとりの最高の学びに結び付けている学校は少なく、いよいよその段階に進み始めているというのが現状です。グローバル教育の必要性の理由が、今その段階にあるからということでしょう。

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★その象徴的な本が、2015年に翻訳された「異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養」という本でしょう。2015年段階では、教育の世界では、まだピンとこなかったと思老います。何せ、そのときCEFRや4技能というのは教育の世界では広まっていませんでしたし、探究というプロジェクトも教育の中では行われていなかったのですから当然です。

★ところが、それから10年以上たって、CEFRでC1英語を目指す学校がでてきたり、探究活動が頻繁に実施されるようになったり、STEAMベースのアントレプレナーシップ教育が行われるようになると、このエリン・メイヤーさん(「次世代の最も有望な経営思想家」 (「Thinkers50」2015) に選出。フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクール、INSEAD客員教授。異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学が専門。)の考え方がグローバル教育の軸として大いに参考になってきました。

★特にコロナ以降、オンラインで生徒たちが海外の生徒と対話やディスカッションをするのが当たり前になってきたし、ラウンドスクエアのような国際会議で海外の生徒たちがディスカッションする機会が増えてくると、生活文化の違いだけでなく、その文化を生み出し持続可能にしていくための思考タイプが違うことに気づき始めます。

★日本では、批判的思考は居郁の世界では敬遠されますが、欧米では当たり前です。そして、そのクリティカルな論理の流れも、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカでは違います。

★どれがよいということは実はないのですが、一つの思考タイプがあたかも普遍的な思考タイプだとし、他の思考タイプをなんちゃって思考だという人もまだまだいますよね。それが文化的軋轢を生み、解消しないのだということを、海外で多くの外国の生徒と対話してきたときに気づくてくるのです。

★なぜ対話が必要か?合意形成をするためとか、安心安全をつくるためとか、もちろんあるのですが、思考タイプの違いを明らかにしながら、共通点や相違点を整理しながら互いを理解していくには、オープンに話さないとわからないからです。

★学習する組織を対話によって、瞬間的にそこに作るには、このような思考のタイプの違いを互いに知り、自分の思考タイプを押し付けていたのでは先に進まないとメンタルモデルを変更するということも目的の一つです。

★エリン・メイヤーさんは、経営思想家というのですから、アブダクションのような仮説推理型のような文化としてではなく、新しくプラグマティズムが発見した思考タイプについては多分言及が少ないと思います。パースが当初学問の世界で認めあっれなかったのは、思考のタイプが新しすぎたからですね。

★しかし、今後は、従来の思考タイプを整理しながら、突破口を見出す新しい思考タイプをどうやってつくり広めていくかというイノベーション思考も重要になってくるでしょう。グローバル教育からグローバル探究教育へとシフトしている私立学校も増えてきましたが、それは次の次元に進んでいるのだと思います。

★私立学校はまだまだ変容しますね。それが現状のマーケットにマッチングするかどうかは、また別の問題です。ですから、戦略的な対話が得意な経営者は、現状にマッチングする教育デザインを行いつつ、小さなプロジェクトを走らせているものです。教育の中の余白というのは、この小さなプロジェクトのための余白でもあるのですが、そう考えている学校はどこでしょう。いずれ、タイミングが来たら話しましょう。

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期待が高まる変容する私学(03)文大杉並 大胆かつ綿密な教育デザイン

★ONETESのサイトで、「【文化学園大学杉並中学・高等学校】武蔵大学との高大連携協定で広がる、10年間を見通した国際教育」という記事を見ました。同校の大胆かつ緻密な教育デザインがまた展開しているなあと感動しました。というのも、文大杉並は、DDコースで有名です。2015年から準備をしてDDコースを立ち上げました。それから10年の間進化し続け、今年の春、海外大学合格者も60名でるに至りました。DDコースへの進化は完成したかと思っていたのですが、まだまだ変化するよというメッセージが、この武蔵大学との高大連携です。絶え間なくアップデートする文大杉並に驚愕せざるを得ません。

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★最初は、DDコースは高校だけで開設されていました。カナダのBC州の国際的に評価の高いグローバル市民を生み出す教育と文大杉並のこれまた国際的に評価の高いアートスクールのエッセンスを日本の文化の一環として取り入れている教育が融合したわけです。

★そして、このDDコースのエッセンスを学内全体に浸透すべく、ルーブリックで生徒の学び方を共に創り上げていく授業に転換しつつ、同時に中学段階でDDコースへの準備コースも整備していきました。昨日GLICCの代表鈴木さんとZOOMで話し合った「日本の学校のインターか!?」の先駆けの学校の一つが文大杉並です。このZOOM公開されています。11時間前現在で419人がアクセスしているのは、なかなかの反響です。やはり、本格的なグローバル教育に関心が高い国際生(GLICCは英語と国算で中学受験をしようという生徒と大学受験を目指す帰国生、自分の通う中高で海外大学を目指すカリキュラムが充実していない生徒が通うグローバル教育ベースの塾です)が増えてきている手ごたえを感じました。

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★同校のサイトに、2026年度の中学のDD準備教育としての英語授業の人数の移り変わりが公表されています。中1の段階では、英語教育を小学校で学習するだけの生徒が圧倒的に多いのですが、中3になると逆転します。

★つまり、他の国際教育を行っている学校と違い、中学から英語を本格的に学んで、高校卒業するときには海外大学も合格していまうというカリキュラムがデザインされているのです。

★もちろん、DD準備教育を受けながら、高校ではまた興味深いコースが設定されているので、それぞれ自分の道を実現するコースに進みますが、英語の力は重要なのです。国内大学でさえ、英語力がものをいうということもありますが、少子化日本は、すでにイギリスやアメリカがそうであるように、多くの外国人が日本で働くようになるのは必然的です。まして、オンラインで仕事をする分野も拡大しています。英語は必須になります。

★ところが現状の日本の中高の教育では、海外の大学の様子を知るのはなかなか難しいという国際的広がりの学びの情報の非対称性があります。

★それゆえ、武蔵大学と高大連携し、特に同大学のロンドン大学の学位も取れてしまうPDPとの連携は、その非対称性を払しょくできる環境です。DDコースの生徒にとっては、自分が海外大学で何をどのように学ぶのか、その意味は何かをリアルに体験するには実に優れた環境でしょう。

★そして、海外大学を目指してはいないけれど、大学に行ったら海外での学びを体験しようと思っているDDコース以外の生徒にとっては、他の国際系の学部を持っている大学で1年間留学するだけではなく、ロンドン大学の学位も取得できるのは魅力的です。

★学校教育法で定めらr手ている1条校としての私立学校は、インターナショナルスクールを学内に併置するのは、条件が難しいのですが、文部科学省が認定する形の文大杉並の教育デザイン戦略は大胆で緻密な実務の取り決めに奔走する優れたそしてタフな交渉力を持った教師の力が必要なのは、あまり世の中では知られていないかもしれません。

★文大杉並自体、提携している寮を活用して、留学生も通っている環境にしています。一般のインターナショナルスクールは年間学費が300万から1000万まで幅がありますが、非常に高額です。しかし、文大杉並は、私立中高一貫校の普通の学費です。インターナショナルスクール以上の教育をその学費で享受できるとしたら、どんなにそれは凄いことか。

★しかも中学入学段階では、英語を本格的に学んでいなくても、卒業するときは、インターナショナルスクールを卒業するのと変わらないいやそれ以上の力と最高の自分の学び方を獲得できるのです。もちろん、自分次第です。そして、高校卒業時にそこまでいかなくても、武蔵大学の環境を使えば、大学卒業時にはロンドン大学の学位を取得して、追いつく可能性が大なのです。

★文大杉並の毎年のアップデートは、引き受けた生徒が、最高の未来を開くための環境を、生徒の具体的な状況にきちんと対応する緻密な教育デザインを開発する教師がいるからですが、このような教師を育成する研修制度やイベント、他団体の連携を大胆にプロデュースする理事長・校長がいるということが決定的ですね。

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2026年10月14日 (水)

大妻中野中学校 入試関連 近況報告

★大妻中野の諸橋校長から入試関連の近況報告のメールを頂きました。同校のグローバル教育の国内外の活動が受験生・保護者に支持されている様子がわかりますので、次にご紹介します。

1 シンガポール会場 帰国生入試・編入学試験(10月17日(土)実施)
出願を締め切りました。出願者数はコロナ以降で最多です。前年対比130%です。

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2 文部科学省WWL事業 生徒成果発表会(11月7日(土)開催)
・ 文部科学省WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の採択校として、生徒が主体となる成果発表会を開きます。
・ 会場は大妻中野です。
・ 全国のWWL校に加え、大妻中高・大妻多摩からも生徒が集まります。
・ 基調講演は元国際連合事務次長の赤坂清隆氏です。
・ 会場の定員の関係で、中学受験関係者の招待は見送ります。内容紹介とパンフレットは別途添付で共有します。

3 受験生の動向
・ 模試での志願者数がここ数年で最多になっています。
・ 説明会の参加者数も、学内実施・学外実施ともにここ数年で増えています。
・ アドバンスト(一般入試)関連の説明会参加者も増えています。
・ 特に増えているのは、グローバル入試(英語・国語・算数)でGLC(グローバルリーダーズコース)への入学を希望する層です。

★以上から、次のことが明快になります。海外入試、模試の志願者数、説明会の参加者数のいずれも増えており、人気が高まっています。中でもグローバル教育への関心が目立ち、WWL採択校としての取り組みやGLCが受験生に支持されていることがうかがえます。 

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2026年10月12日 (月)

工学院 グローバル探究学習モデルが生徒1人ひとりに内面化される こんなところがあったんですね

★9日前にZoomで工学院の田中歩教頭と対話をしました。600人以上がアクセスしています。主に中学受験生の保護者対象で、本質的な話をしていく番組なので、爆発的に見に来る番組ではありません。しかし、中学の生徒募集定員105人の同校に対して、これだけ興味と関心を持っている方がいるわけです。教育に対する意識が高い方が多いことに子供たちの未来に光が見えます。

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(Geminiによる作成)

★工学院と言えば、グローバル(ケンブリッジインター&ラウンドスクエア)と理工系の進路で有名です。海外大学も20人以上合格しているし、国内の難関大学も着々と実績を上げています。重要なことは、このような結果がでていくプロセスです。

★大学合格実績だけを出すことを目的とするならば、余計な学びをしないで、受験勉強に集中するとよいわけです。ですが、私立学校はそういう教育はあまりしないのです。それぞれ創意工夫をして教育環境をデザインします。ですから、そのデザインされたプログラムを見るのがおもしろいのです。

★工学院の場合は、まず教師と教師、教師と生徒、生徒と生徒という関係の質が学習者中心主義的です。心理的安全性を土台に、試行錯誤にどんどん挑戦し、創造性と社会貢献へのマインドが育ちます。

★思考の質も、ケンブリッジ出版の英語の教科書を全員が使いますから、高次思考まで学ぶことが大前提で、それを明快に生徒に共有されています。他の教科や行事でも、工学院はそれを思考コードというオリジナルのメタルーブリックにして共有しています。

★そして、何より外に出てフィールドワークやアントレプレナーのプロジェクトを企画運営する行動の質の密度が高いのです。

★その結果は、大学入試につながるのですが、そこに行くまでに、すでに多くの探究の成果を中学で、高校で全員が出していくのです。それを全員がプレゼンする機会もあります。英語の資格試験のスコアを上げる機会もたっぷりあります。

★英語とIBLとICTが軸となって6年間教科学習と世界的視野の探究活動、海外研修などがトルネードになって大きくなっていきます。

★そして、決定的に他校と違うところは、そのトルネードが教育活動という外側から生徒1人ひとりの内面にコア・ループとして回転するようになるということです。教育活動の中で、動いているだけではなく、その動きが自らの内面から生まれるようになります。

★このコア・ループを内面の軸とするという教育の本質を実践している様子を説明会に訪れた保護者が見て、「こんなところがあったのですね」と感嘆の声をあげるのです。

★教育学の世界でも、まだまだ行動としての学習モデルが中心です。生徒1人ひとりがそれぞれ自分のコア・ループを生み出す実践はまだまだこれからなのです。工学院の説明会や文化祭などの行事に参加して、このことに気づいた保護者は、感動するのです。

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2026年10月 2日 (金)

工学院 生徒を動かす鮮烈なRSIC(ランドスクエア国際会議)体験

★工学院は、中1から高3まで、毎月のように多くの体験の機会が用意されています。基本的には国内にいようと海外にいようと、じぶん事とみんな事とちきゅう事が循環する体験です。どの体験も生徒の心を揺さぶり動かしはじめます。ただ、体験の機会が多いというのは、どの体験がどの生徒を動かすかは、予測できないからでしょう。学習者中心主義というより生徒中心主義な同校の教育環境デザインは、生徒1人ひとりがコア・ループとして自分の内面で回っている自律分散協調系は、1人ひとり違うのです。

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★今回同校のブログを読んでいて、この生徒を動かす鮮烈なRSIC(ラウンドスクエア国際会議)体験に感動しました。RSICに参加した生徒は、英語でこう書いています。

RSIC has already given me so many new friendships, perspectives, and ideas. I came here excited for the experience, but I did not expect it to motivate me this much to actually do something when I return. I want to take everything I have learned here back to my school and hopefully make Round Square a bigger and more active part of our school community.(RSICはすでに、たくさんの友情、視点、そしてアイデアを私にくれました。わくわくした気持ちでここに来ましたが、帰ってから実際に行動したいと思えるほど心を動かされるとは、思ってもいませんでした。ここで学んだことをすべて学校に持ち帰って、Round Squareが私たちの学校コミュニティの中で、より大きく、より活発な存在になるようにしたいです。)

★そして、このようなインパクトはなんだったのか。こう書いています。

 One of my favorite things about RSIC has definitely been the people.

★やはり人との出会いであり、それは英語会話のための出会いではありません。カルチュアルイマ―ジョンという、多様な人々の考え方や生活、文化など地球丸ごとの体験だったのでしょう。

★この生徒は、こうも書いています。

 Coming to RSIC has also completely changed the way I see Round Square. Before coming here, I knew about the Round Square IDEALS, but I do not think I fully understood what they could actually look like in real life. Being here and learning about what other Round Square schools are doing made me realize that there are so many possibilities and so much more that we could do at our own school too.(RSICに参加したことで、Round Squareに対する見方もすっかり変わりました。ここに来る前から、Round SquareのIDEALS(理念)については知っていましたが、それが実際の生活の中でどのような形になるのかは、きちんと理解できていなかったと思います。ここで他のRound Squareスクールの取り組みについて学び、自分たちの学校でもできることがもっとたくさんあるのだと気づきました。)

★IDEALSというRSの理念のリアリティを知り、それを工学院に帰ってから共有しようというわけです。そのために自分は動く、RS委員会も作ると別の箇所で語っています。RSの理念をより広く共有したいのだと。工学院は、基本的に一握りのための特別な学びではなく、できる限り全員が体験できる機会を作っています。その工学院の文化と世界各国の私立学校が集結するRSの文化が融合した瞬間ですね。

★いずれにしても、私の話はどうでもよく、まずは、生徒の言葉を直接読んでください。

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2026年9月27日 (日)

富士見丘 文化祭同時開催の中学校説明会 満席が意味するもの

★昨日本日と富士見丘は文化祭を開催。日曜の今日は13時から中学校の説明会も開かれました。最近どの回の説明会もたくさん集まると聞き及んでいますが、文化祭ではそうはならないだろうと思い立ち寄りました。しかし、満席でした。たしかに、いつもの説明会では生徒の姿はそれほど見ることができませんが、説明会では多くの溌溂とした生徒の姿を見ることができます。一石二鳥ですから、集まるのは当然だったのです。

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★説明会が開催の10分前からは、テレ東の「ザ名門校」で紹介された富士見丘の学校の様子が流されていました。何度見てもインパクトあるという感じで参加者は真剣に見ていました。

★13時になると時間通りに吉田晋理事長・校長の挨拶から始まりました。日本私立中学高等学校連合会の会長でもありますから、今の日本の教育の現状を話されて、富士見丘の方針や在校生のキャリアデザインについて話されるかと思っていました。しかし、いきなり、富士見丘は女子校ですから始まったのですから衝撃でした。

★女子校の優位性は、男子の生徒に気を使う必要はないので、自由にのびのびと学園生活を送れるという話なのです。未来志向の吉田校長がそこから話すのは、少し不思議でした。しかし、話が進むとすぐにめちゃくちゃ新鮮な話だったのです。

★進路選択においてアンコンシャスバイアスにとらわれなくてよいのだと。女子は文系だではなく、理系に行きたければ応援するし、海外大学に行きたければやはり応援する。もちろん、文系にいきたければ文系にいくための応援をすると。

★今年コロンビア大学に入学した卒業生は理工学部に進んだと。中学の時はテニスをやりたいからと入学してきて、けがもあって高1から海外大学に行くことを決めた。生徒会活動でも大いに貢献してくれた。そんな生徒が富士見丘から巣立っていったのは、その生徒の努力や視野の広い活動がすごかったからだが、私たちも自信を持てたのだというわけです。

★たしかにネイティブスピーカーの教員が8人も入る環境を整えているのは、東京の私立学校の15%しかありません。生成AI憲章もつくり、STEAM教育にも力を入れる環境も着々とできています。スタディー7で、中3が東大の数学の問題を、中学まで学んだ数学の発想や理科の発想を使って挑む講座まで開催しています。

★吉田校長が、コロンビア大学に合格するのは東大より難しいかもしれないと語る背景には、いよいよ東大への道も開くよということだったのでしょう。

★吉田校長のあいさつの後、佐藤教頭が語りました。なんと富士見丘の分厚い突出したグローバル教育の話に特化していました。グローバル探究とB2(英検の場合だと準1級)のレベルの生徒が高3段階で30%いるけれど、これからは、ここを70%にできるという話は圧巻でした。

★総合型選抜と学校推薦型入試、海外大学入試にチャレンジする生徒が70%だから、各教科の話ではなく、教科横断型の学びの話がメインだったわけです。

★このような話にこれだけの受験生の保護者が参加するとは、中学入試はやはり変わってきたのでしょう。しかも、さらに驚いたのは、説明会の終わりに、本日の文化祭の見どころを中学在校生がプレゼンし終わったあと拍手が巻き起こったこともそうでしたが、そのあと佐藤教頭が静かに説明会は終わりますが、この後も文化祭は続いています。お時間の許す限りご覧になっていってくださいと締めた時のことです。ふわっと拍手が広がったのです。もちろん、吉田校長や佐藤教頭に対する拍手だったのでしょうが、タイミング的には、富士見丘という学校に対してだったのではないでしょうか。

★説明の内容がこれほどパーフェクトに実態と一致しているという実感に安心しましたという拍手だったのだと思います。

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2026年8月25日 (火)

【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院

★IB(国際バカロレア)のサイトを見て、驚きました。革新的なカリキュラムを2028年にIB認定校に広めるというのです。いったいそれは何かというと、STPであり、要はPBLです。このことについて、工学院の田中歩教頭と対話をしていて、工学院は10年以上前から開始して、いつの間にかIBの革新を先取りしていたのかと、二人で驚嘆していました。同サイトにはこうあります。

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国際バカロレア(IB)と共同で先駆的に開発された「システム変革パスウェイ(Systems Transformation Pathway:STP)」 は、生徒が完全なIBディプロマ資格を取得しながら、気候変動、生物多様性の喪失、エネルギー転換、大規模な移住、水資源の不足といった地球規模の課題に取り組むことを可能にする、新しく革新的な教育課程です。

本プログラムの最初の2期の卒業生たちは、ケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、ブラウン大学、プリンストン大学、スタンフォード大学、香港大学 をはじめとする世界各国の大学への進学を果たしています。

STPは目覚ましい成果を示しています。ケンブリッジ大学 はSTPの影響を研究するために本プログラムに参画しており、その報告書ではSTPを「教育の未来のための設計図(blueprint for the future of education)」として高く評価しています。

さらに、2023年に本校とともにこのパイロット・プログラムを開始した国際バカロレア(IB) は、2028年までにSTPをすべてのIB認定校へ展開する計画を発表しており、これを「IBのイノベーションにおいて数十年ぶりの最も重要な節目」と位置づけています。

★このIBが考える「教育の未来のための設計図」は、すでに工学院では、10年以上前にデザインされ、今や中1から高3まで、学年に応じたPBLが国内外で実施されています。もちろん、テーマは様々ですが、基本SDGsはカバーしていますから、IBが考える地球規模の課題には当たり前のように取り組んでいます。

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★田中歩教頭は、「世界の最高の学びに追いつき、独自の境地に達しようと、生徒中心主義の学びを行ってきましたが、すでにそこに達している可能性があると改めて感動です。たしかに海外大学進学実績も伸びてきています。質を高め続けることがこれからのミッションです」と。

★中学受験生の多くは、このIBの革新性を先取りしている工学院の偉業についてまだまだ気づいていません。私が田中歩先生と10年以上も対話をし続けてこれたのは、なんて凄いことなのか!感動です。

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2026年8月 9日 (日)

海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(3)首都圏中学受験市場に拮抗する2つのカテゴリー市場

★従来の首都圏中学受験市場は、東大・医学部・難関校進学の実績の競争がメインの市場でした。ところが、海外大学進学準備教育校が増え、仮に準備教育を行っていなくても、在校生自身が対策を講じることで一人でも海外大学に合格する学校を含めると、首都圏私立中高一貫校の約40%強は、海外大学に合格させています。したがって、東大・医学部・難関大学進学校と海外大学進学準備教育校の二つのカテゴリー市場が、首都圏私立中高一貫校受験市場に併存するようになったと言えます。そのことは、サンデー毎日という従来国内大学合格のランキングばかり掲載していた雑誌もが海外大学合格に強い100校のランキングを掲載するようになったことからもうかがえます。

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★もちろん、開成や海城、渋谷教育学園グループのように、両カテゴリーの共通集合に位置する学校もあります。

★それぞれのカテゴリーには、上記の図のように、魅力が際立っているブランディングの細分化ができます。そのことについては、以前も本ブログで紹介しています。

★広尾学園や三田国際科学学園は、一見すると海外大学合格数が圧巻なために、海外大学進学準備校のカテゴリーに入る感じますが、教育環境は、むしろ共通集合に属しています。そして、東大・医学部・難関大学への教育もしっかり行っていますが、この領域はすでに大量に合格させている私立学校が多く、レッドオーシャンのため、徐々に浸食する形になっているため、今のところ目立たないのですが、それも時間の問題でしょう。

★それは、開成が、圧倒的に東大・医学部をメインに進路指導しているように見えますが、実は海外大学進学準備教育も魅力的で、ただ東大以上の世界大学ランキングの海外大学を志望する傾向にあるため、量的には目立たないだけです。ですから広尾学園や三田国際科学学園と開成は目に見える量の多い大学のカテゴリーが真逆なだけです。

★2030年以降は、上記の共通集合の領域が増えていくことになるでしょう。

★現状では、東大・医学部・難関大学の入試は、まず知識が大事で、そのうえで思考力を育成するという学びで対応できます。海外大学進学準備教育では、経験から学んだ情報を自ら新しい知識に仕立て上げる創造的思考力とその正当性・信頼性・妥当性を検証する論理的思考力が求められます。

★2030年以降は、両方の学びを統合する形になっていくので、自ずと2つのカテゴリーは融合されていきます。

★どちらの道からアプローチしても、最終的には融合されるので、今は子供たちは自分にとって適合する学びをしていればよいだけです。

★ただ、そのときに自分の学びが、未知の分野にも適用できる「転移学習」の方法を体得しておくことが将来差がつくことになるので、そこは注意しておきましょう。そのためには、哲学的な対話が大事になってきますが、これについてはまた。哲学対話というと難しそうですが、実は哲学者という専門家がいなくては哲学的対話はできないという規制主義の哲学的対話ではない、市民に開かれたアプローチも最近開発されているのです。

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2026年8月 8日 (土)

海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(2)海外大学合格20名以上の首都圏私立中高一貫校

★前回ご紹介したサンデー毎日に掲載されている海外大学合格に強い100校の中から首都圏の私立中高一貫校を抜き出してみました。20名以上合格させている学校は次の通りです。なお、海外大学合格は7月くらいまで未定のところもあるため、同誌のランキングの中に入ってくる私立中高一貫校もいくつかありますが、今回は同誌のランキングの中から抜き出しました。合格者数多い順に並べています。

 
321:広尾学園
167:三田国際科学学園
73:渋谷教育学園渋谷
63:八雲学園
60:北豊島
58:文化学園大学杉並
56:渋谷教育学園幕張
50:茗溪学園
43:佼成学園
37:かえつ有明
33:浅野
32:公文国際
24:開智日本橋
23:学習院
20:工学院
20:芝国際
20:玉川学園
20:横浜女学院

★渋谷教育学園グループ、浅野、公文国際、学習院などは、「東大・医学部・難関進学校」と「海外大学進学準備校」の両カテゴリーの共通集合に入っています。多くの「学校は、今後この共通集合に属するようになっていくでしょう。

★というのも、すでに、インターナショナルスクールやIB校、ケンブリッジ国際教育認定校など海外からの波がやってきているため、教育における国際競争力を各学校が模索しているからです。

 

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海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(1)~中学受験進路の自由の時代到来

★サンデー毎日 2026年8/16・23合併号で、「2026年 海外名門大学に強い学校世界大学ランキング トップ100 合格高校一覧」が掲載されました。かつて、国内大学合格校のランキングばかり掲載されていましたが、ようやく海外大学合格校のランキングも掲載されるようになりました。受験市場で、海外大学合格の意義が支持されるようになったのです。

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★また、「シン・名門校ルポ 海外大合格者が倍増! 八雲学園 驚異的伸びの真実」という記事も出ました。東大・医学部合格校ランキングの特集だと開成をはじめとする高偏差値校の記事が載るのですが、海外大学合格ランキングの特集になると、海外大学合格の伸びが驚異的な八雲学園が取り上げられるのです。

★この海外大学にたくさん合格する学校が増えたことは、従来の偏差値という一つの価値で選ばれてきたのが、多様な選択価値で選ばれる時代になった象徴なのです。

★つまり、「東大・医学部・難関進学校」と「海外大学進学準備校」という大きな二つのカテゴリーが受験業界で認識されるようになったわけです。そして、前者が学力向上駆動型教育であるのに対して、後者は好奇心駆動型教育です。もちろん、両カテゴリーともこのように単純にわけられません。ルビンの壺です。どちらが「図」として前面に現れるかの違いですが、好奇心駆動型教育が前面に出るグループの方が、2科4科入試以外に多様な才能発見のための新タイプ入試が実施される傾向にあります。

★そういう意味で、受験生の側からとってみれば、自分の好きなことややりたいこと、自分の潜在的才能を生かせる学校選びが可能になったということです。

★今までもそうだったのすが、そのためには、世の中の偏差値神話主義の流れに確固たる意志をもって抗うストレスが高かったのですが、今後は、そのストレスはある意味軽減されるわけです。

★「中学受験進路の自由の時代」の到来ともいえるでしょう。

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