期待が高まる変容する私学(05)なぜグローバル教育が必要か 文化によって違う思考タイプを知る
★ある意味、私立学校においてグローバル教育が当たり前になっています。高度な英語力を学ぶ段階から異文化理解の段階へ、そして高度な英語力を支えたり、文化の違いを生み出したりする思考のタイプの違いをしるところまで来ています。たしかに、どこの学校も高度な英語力を学ぶ授業は行われています。海外研修で異文化理解も進んでいます。しかし、実際のところ、海外の生徒とディスカッションすることによる教育効果を生徒1人ひとりの最高の学びに結び付けている学校は少なく、いよいよその段階に進み始めているというのが現状です。グローバル教育の必要性の理由が、今その段階にあるからということでしょう。
★その象徴的な本が、2015年に翻訳された「異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養」という本でしょう。2015年段階では、教育の世界では、まだピンとこなかったと思老います。何せ、そのときCEFRや4技能というのは教育の世界では広まっていませんでしたし、探究というプロジェクトも教育の中では行われていなかったのですから当然です。
★ところが、それから10年以上たって、CEFRでC1英語を目指す学校がでてきたり、探究活動が頻繁に実施されるようになったり、STEAMベースのアントレプレナーシップ教育が行われるようになると、このエリン・メイヤーさん(「次世代の最も有望な経営思想家」 (「Thinkers50」2015) に選出。フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクール、INSEAD客員教授。異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学が専門。)の考え方がグローバル教育の軸として大いに参考になってきました。
★特にコロナ以降、オンラインで生徒たちが海外の生徒と対話やディスカッションをするのが当たり前になってきたし、ラウンドスクエアのような国際会議で海外の生徒たちがディスカッションする機会が増えてくると、生活文化の違いだけでなく、その文化を生み出し持続可能にしていくための思考タイプが違うことに気づき始めます。
★日本では、批判的思考は居郁の世界では敬遠されますが、欧米では当たり前です。そして、そのクリティカルな論理の流れも、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカでは違います。
★どれがよいということは実はないのですが、一つの思考タイプがあたかも普遍的な思考タイプだとし、他の思考タイプをなんちゃって思考だという人もまだまだいますよね。それが文化的軋轢を生み、解消しないのだということを、海外で多くの外国の生徒と対話してきたときに気づくてくるのです。
★なぜ対話が必要か?合意形成をするためとか、安心安全をつくるためとか、もちろんあるのですが、思考タイプの違いを明らかにしながら、共通点や相違点を整理しながら互いを理解していくには、オープンに話さないとわからないからです。
★学習する組織を対話によって、瞬間的にそこに作るには、このような思考のタイプの違いを互いに知り、自分の思考タイプを押し付けていたのでは先に進まないとメンタルモデルを変更するということも目的の一つです。
★エリン・メイヤーさんは、経営思想家というのですから、アブダクションのような仮説推理型のような文化としてではなく、新しくプラグマティズムが発見した思考タイプについては多分言及が少ないと思います。パースが当初学問の世界で認めあっれなかったのは、思考のタイプが新しすぎたからですね。
★しかし、今後は、従来の思考タイプを整理しながら、突破口を見出す新しい思考タイプをどうやってつくり広めていくかというイノベーション思考も重要になってくるでしょう。グローバル教育からグローバル探究教育へとシフトしている私立学校も増えてきましたが、それは次の次元に進んでいるのだと思います。
★私立学校はまだまだ変容しますね。それが現状のマーケットにマッチングするかどうかは、また別の問題です。ですから、戦略的な対話が得意な経営者は、現状にマッチングする教育デザインを行いつつ、小さなプロジェクトを走らせているものです。教育の中の余白というのは、この小さなプロジェクトのための余白でもあるのですが、そう考えている学校はどこでしょう。いずれ、タイミングが来たら話しましょう。
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