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2026年9月

2026年9月29日 (火)

東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(2)

★コア・ループとは何かについては、田中歩先生と対話を積み重ね、授業実践をしながら、いくつも図式化しています。最近は次のような図を協働して描きました。生成AIでカッコよくデザインしようと思ったのですが、なかなかできないので、いずれまたチャレンジすることとして、いったんこの図を載せます。

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★この図の前に、学びの行動として「読み・書き・そろばん」をベースにした基礎学力についての図を描いて対照するとわかりやすいのですが、ごじゃごじゃするので、コア・ループの図をまずご紹介します。

★読み・書き・そろばんは、反復の行為をし、それを習慣化することで、読み・書き・そろばんの行為を身体化し、自動化することで身につけていきます。いくらいろいろな文章を読んだり、漢字などを書いたり、計算をするという行動をしても、それが身体化・内面化し、習慣化されていないと自分で学んでいくことができません。

★この行動を、どれだけ自分のものにできるのかによって、得点率、つまり偏差値の違いがでてきます。

★基礎学力として、この反復と習慣化の循環は、大事です。

★ところが、これでは、クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングにまでなかなか飛べません。

★最近では、未知の世界をどう認識し、まだ見ぬものをどう創っていくかが問われる激動の時代です。そこを突破するための環境や道具として探究と生成AIが登場してきています。

★しかし、これも探究やAIを使う行動だけ一生懸命行っても、生徒自身の内面に根付かなければ、やらされ感満載になります。ですから、好きから始めることは重要ですが、その好きが、自らもっと調べる、仲間と対話し、再編集する自律分散協調系のループにつながっていき、自分の内面で回転するようになって初めて、旺盛になるし、関心は広がります。

★複雑な学びの行動の関係を自分の中で回せるようになるには、言動化と心意化を何回も回していかなくてはなりません。これによって、内側で複雑な学びの行動を結びつけて循環できるようになっていきます。最初は、この循環も小さなつながりですが、言語化と心意化の回転を繰り返していくうちに広がっていくわけです。この環境をデザインするのが教師の腕の見せ所です。あるときは教師、ある時はコーチ、またある時はファシリテーター、またまたある時はプロデューサー・・・・。マルチなロールプレイを楽しめる教師がそこにいることがポイントですね。

★コア・ループとは、言動化と心意化を大車輪にしていくエネルギー体というわけです。このエネルギー体がなく、複雑な学びの行動の関係をやらされているうちは、学びはじぶんごとにもみんなごとにもちきゅうごとにもならないのです。

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2026年9月27日 (日)

富士見丘 文化祭同時開催の中学校説明会 満席が意味するもの

★昨日本日と富士見丘は文化祭を開催。日曜の今日は13時から中学校の説明会も開かれました。最近どの回の説明会もたくさん集まると聞き及んでいますが、文化祭ではそうはならないだろうと思い立ち寄りました。しかし、満席でした。たしかに、いつもの説明会では生徒の姿はそれほど見ることができませんが、説明会では多くの溌溂とした生徒の姿を見ることができます。一石二鳥ですから、集まるのは当然だったのです。

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★説明会が開催の10分前からは、テレ東の「ザ名門校」で紹介された富士見丘の学校の様子が流されていました。何度見てもインパクトあるという感じで参加者は真剣に見ていました。

★13時になると時間通りに吉田晋理事長・校長の挨拶から始まりました。日本私立中学高等学校連合会の会長でもありますから、今の日本の教育の現状を話されて、富士見丘の方針や在校生のキャリアデザインについて話されるかと思っていました。しかし、いきなり、富士見丘は女子校ですから始まったのですから衝撃でした。

★女子校の優位性は、男子の生徒に気を使う必要はないので、自由にのびのびと学園生活を送れるという話なのです。未来志向の吉田校長がそこから話すのは、少し不思議でした。しかし、話が進むとすぐにめちゃくちゃ新鮮な話だったのです。

★進路選択においてアンコンシャスバイアスにとらわれなくてよいのだと。女子は文系だではなく、理系に行きたければ応援するし、海外大学に行きたければやはり応援する。もちろん、文系にいきたければ文系にいくための応援をすると。

★今年コロンビア大学に入学した卒業生は理工学部に進んだと。中学の時はテニスをやりたいからと入学してきて、けがもあって高1から海外大学に行くことを決めた。生徒会活動でも大いに貢献してくれた。そんな生徒が富士見丘から巣立っていったのは、その生徒の努力や視野の広い活動がすごかったからだが、私たちも自信を持てたのだというわけです。

★たしかにネイティブスピーカーの教員が8人も入る環境を整えているのは、東京の私立学校の15%しかありません。生成AI憲章もつくり、STEAM教育にも力を入れる環境も着々とできています。スタディー7で、中3が東大の数学の問題を、中学まで学んだ数学の発想や理科の発想を使って挑む講座まで開催しています。

★吉田校長が、コロンビア大学に合格するのは東大より難しいかもしれないと語る背景には、いよいよ東大への道も開くよということだったのでしょう。

★吉田校長のあいさつの後、佐藤教頭が語りました。なんと富士見丘の分厚い突出したグローバル教育の話に特化していました。グローバル探究とB2(英検の場合だと準1級)のレベルの生徒が高3段階で30%いるけれど、これからは、ここを70%にできるという話は圧巻でした。

★総合型選抜と学校推薦型入試、海外大学入試にチャレンジする生徒が70%だから、各教科の話ではなく、教科横断型の学びの話がメインだったわけです。

★このような話にこれだけの受験生の保護者が参加するとは、中学入試はやはり変わってきたのでしょう。しかも、さらに驚いたのは、説明会の終わりに、本日の文化祭の見どころを中学在校生がプレゼンし終わったあと拍手が巻き起こったこともそうでしたが、そのあと佐藤教頭が静かに説明会は終わりますが、この後も文化祭は続いています。お時間の許す限りご覧になっていってくださいと締めた時のことです。ふわっと拍手が広がったのです。もちろん、吉田校長や佐藤教頭に対する拍手だったのでしょうが、タイミング的には、富士見丘という学校に対してだったのではないでしょうか。

★説明の内容がこれほどパーフェクトに実態と一致しているという実感に安心しましたという拍手だったのだと思います。

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東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(1)

★東京私学教育研究所の平方邦行所長の諮問機関として「フュージョン教育研究会」が昨年から来年度まで3年間という期間限定のチームが活動しています。その活動の一端をNotionでサイトをつくり発信し始めています。同研究所のサイトで告知されています。

★メンバーは、田中歩先生(工学院大学附属教頭・英語)、山口貴史先生(駒沢学園女子・数学)、本橋真紀子先生(聖学院・数学)です。次期学習指導要領がそうだからということもあるのですが、もともと平方所長は生成AIを教育にどう生かすか考えていました。

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★2015年ごろから、平方所長はシンギュラリティ―を迎える未来の子供の社会を想定し、そこで、子どもたちがどんな才能を発揮できるとよいのか、またその中でもクリエイティビティをどのように生み出すのか、工学院(当時校長でした)の先生方と授業実践の中で試行錯誤されてきました。またそのときからすでに一般財団法人東京私立中学高等学校協会の副会長(当時)として、私学の先生方とも議論してきました。

★そして、コロナ禍を乗りこえるのに、それまでにICTを使って授業を模索していたことが、貢献できたと実感し、さらにイノベーションを教育になじませるにはどうしたらよいのか、多くの私学の先生方と議論し、数々の研修も手掛けてきました。ポストコロナ時代に、急激に生成AIが広まり、それを教育に生かすにはどうしたらよいかを研修のテーマにもしてきました。

★昨年、平方所長は、その発想をいよいよ実現する段階に来たと決断し、フュージョン教育研究会を立ち上げたのです。コンテンツベースでつくっていくと、あまりにも専門的になりすぎるので、3年間では見通しが立ちにくいと考え、まずはコンセプトベースで試行錯誤しようということだったといいます。また、世界の教育はよしあしはひとまず置いておくとして、ケンブリッジの教育やオックスブリッジで研究したメンバーが大きく関わっているので、ケンブリッジ国際教育の日本初の認定校であり、その推進リーダーの一人である工学院の教頭田中歩先生に頼んだということです。

★また、社会課題と教科を結ぶ研究を同研究所の主催する数学の研修委員の姿をみていて、コンセプトベースには数学科がすぐに動けそうだと判断したということです。さらに、英語が堪能である数学の先生はということで、いろいろな縁の中で山口先生と本橋先生に行きついたたということのようです。

★次期学習指導要領では、背景に探究と生成AIがあるということは、昨年の段階で公開されている情報やデータから想定できていたので、シンプルにそれらの根っこ(コンセプトベースな学び)を見出すということが目的だったようです。

★そのコンセプトという種から、様々な探究や生成AIを活用した授業、教育活動等が生まれてくればよいという発想のようです。ただ、それは理論としてつくって実践するというトップダウンのスタイルではなく、あくまで授業実践報告の中からボトムアップ的に生まれてくるというスタイルをとったようです。

★そのため、3人の先生が互いの授業実践を見学したり、報告を聞いて議論しながらできてくるというあくまで仮説の段階のものです。固定された一つのコンセプトというよりは、生徒や教師の具体的な状況に応じて変幻自在に変わるものという感じですね。

★いい加減じゃないかと思われるかもしれませんが、3人の先生方は、転移学習とか圏論なども議論の背景に入れながら模索しています。その理論を前面に出すことはないし、必要もないと思っていますが、システム思考やデザイン思考など世の中で語られている理論ももちろん背景で議論しています。しかし、現場でより実践的な学びとは何かに目を向けています。

★昨年1年の議論の中で、生まれてきたのが「コア・ループ」というキーワードでした。フュージョン教育研究会のサイト第2章「AI時代に必要とされる人物像」を執筆している田中歩先生はこう書いています。

冒頭にも触れたように、「教師」「生徒」の枠組みをこえ、対話をしながら様々な思考スキルを使って学びを変化させてきたように、学びのコアがありさえすれば、その軸をループしていく中にAIを入れ、コア・ループを作ることが環境としてはとても重要になってくる。その環境で学ぶんだ!という、実は生徒たちに求められるのは、本来子どもたちが備えている興味関心・探究心なのではないだろうか。

生徒は小さいころからキラキラした眼差しで物事を見ている。そのキラキラを持ったまま未来へ向かって走っていく、その傍らに教師やAIが並走していく、生徒の走るエネルギーは興味関心・探究心であり、生徒はオープンマインドで対話に飛び込んでいくことが必要となる。 

★この中には、世の中で語られる、学習する組織、コーチング、ファシリテーション、リアリスティックなリフレクション、高次思考・対話、学習者中心主義などたくさんの理論が文脈背景にあって、わかりやすいけれど、圧倒されます。実践とはかくも理論の複合的な密度が高いのだと。理論は、それを分析的に引き出しているだけなのかもしれません。やはり、はじめに実践という経験ありきなのでしょう。イギリス的と言えばそれはそうなのですが。しかし、日本の武道にもまず型ありきだから、シンクロしているような。。。

★それは、ともかく探究や生成AIについては、そのメリットとデメリットは、文部科学省がすでに各国の情報も収集してまとめています。多くの論者が語っている懸念点もそこに網羅されています。

★フュージョン教育研究会の先生方は、それらは織り込み済みで、教師と生徒が授業の中で探究的なエッセンスと生成AIをサポーターとしてどう使っていくかという問題意識で授業実践をしています。そこは、現状、生徒が授業で探究的エッセンスを生かしたり生成AIを使ったりしていると学校がまだ少ない中での実践ですから、かなりチャレンジングです。そして、それらを、コア・ループをつくる環境が重要なのだというコンセプトに行きついているわけです。

★では、このコア・ループとは何か?それはまだまだこれからということのようですが、現段階でもかなりヒントはあります。私も生徒一人一人が独自の最高の学び方を回転できること、そしてそれがじぶんごととみんなごととちきゅうごとが循環できる最高の学び方であることが大事だと思っています。コア・ループはまさにそれなのでしょう。私なりに探っていきたいと思います。コア・ループは、一人ひとりちがってよいのですから。

 

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2026年9月25日 (金)

9月合格ONEテスト 志望者数動向

★9月に実施された合格ONEテストの首都圏の志望者数の動向を調べてみました。昨年より2科で受験する生徒も4科で受験する生徒も増えている学校を五十音で並べます。

【男子受験生の志望者数動向】

海城
京華
日本大学豊山
サレジオ学院
聖光学院
藤嶺藤沢
武相
上野学園
吉祥寺湧水
国立音大附属
国士舘
サレジアン国際学園
品川翔英
芝浦工業大学附属
渋谷教育学園渋谷
千代田
日本工業大学駒場
日本大学第一
八王子実践
羽田国際
文化学園大学杉並
文教大学付属
明星学園
明星institution
和光
アレセイア湘南
開智横浜国際
鎌倉国際文理
関東学院六浦
横須賀学院
横浜翠陵
光英VERITAS
渋谷教育学園幕張
東海大学付属浦安
日出学園
浦和実業学園
埼玉栄
埼玉平成
秀明
獨協埼玉
星野学園
細田学園

 

【女子受験生の志望者数動向】

大妻多摩
国本女子
晃華学園
品川女子学院
東京純心
富士見
法政大学千代田三番町
神奈川学園
鎌倉女学院
北鎌倉女子
聖和学院
日本女子大学附属
横浜女学院
青山学院
英明フロンティア
吉祥寺湧水
国立音楽大学附属
サレジアン国際学園
品川翔英
芝国際
自由学園
聖徳学園
成蹊
玉川学園
多摩大学附属聖ヶ丘
千代田
八王子実践
文教大学付属
武蔵野大
明治学院
明星institution
明法
開智横浜国際
関東学院六浦
相洋
東海大学付属相模
桐光学園
日本大学藤沢
横須賀学院
横浜隼人
浦和実業学園
秀明
西部大新座
細田学園
江戸川学園取手
開智望
土浦日本大学中等教育学校

★単純に増えているから人気があるということではありませんが、注目されている可能性があるというこということです。湘南白百合のように2科目受験生の志望者数は減っていますが、4科目受験生の志望者数が増えているというケースもあります。

 

 

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2026年9月24日 (木)

[思考」を「思」×「考」と捉え返してみる(3)意欲を生み出す思考コード 新たな学校選択のヒントかも

★思考を「思」×「考」と捉え返すことによって、モチベーションとか意欲というのが、考える行為に切り離せないということに気づきました。

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★今でも、学校でも塾でも、次のような言葉を大切にしています。

成長マインドセット
知的謙虚さ
開放性
粘り強さ(グリット)
レジリエンス
自己効力感
メタ認知
内省(リフレクション)
批判的思考
主体性・自律性
アンラーニング
失敗への寛容さ

★これらは、みな思考の「思」=マインドの多様な側面です。考えるということの行為ですから、子どもが考えているときに、どのようなマインドで考えているのか、観察することが大切だということなのでしょう。

★逆に、得意な考え方を使うとき、そこに他のマインドが生まれる問いかけなどのコミュニケーションというフィードバックができるわけです。

★そういえば、思考コードは9領域あります。この領域をあっちこっち飛び回りながら考えている私たちですが、このコンパスがあれば、どんなマインドで他の領域に転移するかがわかるかもしれません。

★あの領域に転移するためにどんなマインドが生まれるのか。それを観察しながらフィードバックしていく。対話をする。

★達人の教師は、すでに、この「思」×「考」の塩梅を実践しているのでしょう。そんな達人がいる学校とはどんな学校か?受験生のマインドとスキルにマッチングする学校選びの新たなヒントがここにはあるかもしれません。

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2026年9月23日 (水)

[思考」を「思」×「考」と捉え返してみる(2)ポマト思考(?) 失敗のイノベーティブなエネルギー

★ONETESplus9月号の特集で思考コードで入試問題を読み説いているページが載っています。その中で、ポマトの例を挙げて、思考コード9領域を解説している部分が興味深かったです。

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★ジャガイモとトマトは、本来異質な物同士です。それを細胞融合という科学的操作で一つにし、「ポマト」を生み出すことを、知識やその生み出す論理的道筋、そしてそれが生産物として成立するのかどうクリティカルな計算や同じような発想で新物質ができるというストーリーを9領域にマッピングしていっているのです。

★中学入試では、この異質のもののつながりは、メタファー思考ではよく使われます。また、算数の等積変形などでは、一見違うけど同じというレベルで重要な視点です。

★このような異質なものつながりを見つけるコトの重要性を説明するのに「ポマト」はわかりやすく、「ポマト思考」とよべばよいなあと感じました。

★そして、ポマト思考と呼ぶことによって、実はこの思考の重要性がも一つ加わります。それは、ポマトはできたけれど、期待通りの果実にはならなかったので、どうやらその後消えてしまったようです。

★失敗作というわけですね。ところが、ここが重要なのです。この細胞融合の失敗のおかげで、バイオテクノロジーは「遺伝子組み換え」というイノベーションを進化させるのです。

★というわけで、「ポマト思考」は成功すれば新しい物を生み出しますが、失敗したら失敗したで、新しい方法をは生み出す動機づけになるというわけです。

★ポマト思考は、異質な物を結び付ける発想として重要であり、その発想はイノベーションをさらに進化させるエネルギーにもなるということでしょう。

★そうそう、そういう意味では、「思考」もポマトですね。

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[思考」を「思」×「考」と捉え返してみる(1)

★連休中ゆっくりONETESplus9月号を読み進んでいるときに、楠見孝教授(教育学研究科)の最終講義の動画「教育認知心理学:軌跡と未来」の動画をたまたま見ました。この動画は楠見教授の生涯の研究をコンパクトにまとめていてわかりやすく、感動しましたが、特にクリティカルシンキングがスキルとマインドの両方を発動していると(私は捉えました)いう実証実験をされてきたことに惹かれました。しかもクリティカルシンキングが日本で本格的に研究されるようになったのは、2000年に入ってからだというのです。思考コードが新鮮に見えました。

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★というのも、「Thinking」と「思考」は、少し違いがあるのかもしれないと感じたからです。つまり、「思」=マインド、「考」=スキルと捉えると、日本人にとって、「思考する」とは、熱いマインド(思)を持ちながら、冷静なスキル(考)を働かせる行為だといえるのではないかと。

★そう気づくと、ONETESplusの特集号が、「思考コード9領域」と「4つの圏」と「5つの目」の3軸を使って、中学入試問題を読み解いていっているのが改めてわかるような気がしました。

★和洋九段女子、国学院久我山、市川、鴎友学園女子の問題を取り上げていましたが、解くだけなら、入試問題解答解説ですから、特集ということにはならないのですが、一問一問に向き合う受験生が頭脳をどう回転させるのか、どう広げるのか、どう深めるのかについて解読していたのです。

★なるほど、入試問題という「問い」に向き合う思考の姿勢が書かれていたのです。頭脳を回転させるわけですが、自動的に回転するわけではないのです、どこまで回転させるのかは、スキルだけではうまくいきません。そのエンジンであるマインドが必要です。

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★それで、思考を形成する「3つの軸」というわけなのですね。

★入試問題は、学校の顔というのは受験業界では人口に膾炙されています。その学校の先生方は一問一問にマインドとスキルの核を埋め込みます。受験勉強をしながら、生涯かけて自分の軸となる学びの方法を体得できるとしたら、それは本当に価値あることです。

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2026年9月21日 (月)

田園調布学園 女子校の新しいカタチ

★ONETESplus9月号には、田園調布学園の記事も載っています。「女子校の新しいカタチ」を追っているシリーズもののようです。私立女子校のイメージは、もはや「良妻賢母」ではなくなっています。「妻」と「母」の部分は、今では「人間」というシフトが起きているのは、時代の流れでもありましょう。では、最近の女子校はどんなイメージでしょう。少なくとも、男子校や共学校とは、肌感覚では違います。

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★最近の女子校は、グローバル教育、探究、STEAM、理系というキーワードが示す教育をどんどん行っています。しかし、これだけならば新興勢力の共学校とあまり変わらないかもしれません。やはりそれだけではなく、雰囲気が明快に違うような気がします。では、それはいったい何でしょう?

★ONERTESplusは、そこを追っているような気がしました。田園調布学園も、グローバル教育に力を入れています。海外大学合格者も多数出ています。探究、STEAMにも力を入れています。特に教科横断のプジェクトは受験・教育業界で注目を浴びています。そして卒業生の約半分は理系の大学に合格しています。女子校の最先端の教育を行っています。

★そういう意味で、他の女子校に比べ、最先端のレベルが卓越しているといえます。しかし、これが女子校の新しいカタチの本質ではなさそうです。というのも、これらの教育は技術的な側面が強いので、いずれ他の女子校も追いついてきます。清水校長は、そんなことは百も承知のはずです。

★では、いったい何が違うのか?それは、この記事を読んでいて、一つの屋台骨が明示されている点だと思います。清水校長は、田園調布学園のルーブリックを創っています。たしかに、ルーブリックをつくる手続きは技術的ですが、清水校長は、田園調布学園のマインドを言語化し、そのマインドを学内隅々にまで浸透させるいわばルーブリック実装組織マネジメントをしているのです。

★このマネジメントは、もちろん前面にでるわけではありません。教育を生成するエネルギー体が循環する仕組みですから、土台として表には見えていません。ただ、それを見ようと思えば見えるのです。

★学内では、教師のみならず、生徒もその仕組みを見ることができます。言語化されているからです。授業や探究、行事などに、その仕組みが活用されているのが見えるということは、実は革命的です。というのも、見えるということは共有できるということです。従来はその仕組みは教師が暗黙知として発揮していました。

★暗黙知ですから、伝わる生徒と伝わらない生徒に分かれます。伝わらない生徒の方が圧倒的に多かったでしょう。ですから、作法とか習慣という行動の型で教育活動が行われてきたのです。暗黙知ですから、教師どうしの共有の対話も行われませんから、そのクオリティはバラバラです。

★ところが、田園調布学園では、教育理念を表現する言葉をリフレーミングし、言語化し、カリキュラム、授業、活動ごとに具体的に作っていきます。その過程は対話なくしては不可能です。清水校長が一人でその詳細まで作りこむことは物理的に不可能です。

★教職員が、それぞれの具体的状況において協力し合いながら作成していくわけです。そんなことは当たり前だろうと思いますか?この過程を展開できるには、心理的安全を学内の文化にしなくてはなりません。それが簡単でないことは、他の学校の先生方が常に悩んいるところから明らかです。

★この心理的安全は、田園調布学園の文化でもあったと思います。中学に入学するとエンカウンターの研修がすぐに行われていました。ですからプロジェクト型の活動も伝統としてあったと思います。清水校長は、おそらくそのリソースをうまく汲み上げ、ルーブリックを学内共創したのでしょう。

★そして、そのテコが、記事の中にあるデザイン思考のプロセスの導入だったと思います。多くの学校で探究を行うときに、デザイン思考を活用するケースがありますが、それは田園調布学園のように学校全体で取り組んでいるわけではありません。担当教師によるわけです。

★学校全体で取り組むには、清水校長のように、理想を具体的に実現するスタートアップ型のマネジメントと共感を広げる社会起業家的マネジメントの二刀流が必要です。そして、それを支える教頭の学校運営マネジメント力との三位一体。これが田園調布学園では展開しているのでしょう。

★IBのDPが大きく変わろうとしています。2030年本格稼働のために、パイロット校を中心に企画実装の実験をしているところです。その新しいプログラムを遂行する方法論の一つにデザイン思考を使うということになっています。

★IBはルーブリック型の学びの評価と改善をしているのは土台にあります。それにデザイン思考などの探究を展開する際の学習科学としての方法論が活用されます。驚愕なのは、田園調布学園は、すでにそのプロセスを積み上げてきているということです。

★従来の教育は、女子校に限らず、行動主義的美学でしたが、今後は行動×学習科学によって教育の美学が実現していくのでしょう。そのフロントランナーが田園調布学園であり、女子校の新しいカタチがけん引していくのかもしれませんね。

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2026年9月19日 (土)

サレジアン国際学園世田谷 カトリック校としての21世紀型教育を構築 図書館LIBERAの戦略

★ONTESplusを読み進めていると、サレジアン国際学園世田谷の図書館LIBERAでの教育活動の記事に出遭いました。サレジアン国際学園世田谷の校長先生は、シスター・森下ワカヨ先生です。多くのカトリック学校の校長先生が、かつてのようにシスターや神父ではなく、一般人になっている、しかも必ずしも信者ではないケースが多くなっていますが、サレジアン国際学園世田谷は、シスター・森下校長です。

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★シスター・森下校長は、21世紀型教育が、PBLという対話ベースの学びやサレジアンのようなカトリック校のグローバルなリソースとマッチすることを見抜き、4年前に導入しました。しかし、21世紀型教育はカトリック学校以外でも実施されていますから、カトリックならではの21世紀型教育を追究しようとしていると思われます。

★いったい、そのカトリックとしての21世紀型教育とは何でしょう?すぐには思いつかないでいたのですが、今回の記事を読んで合点がいきました。、図書館LIBERAに、その思いが象徴されていたからです。

★図書館で、PBLベースのプロジェクトが行われています。どうやら図書館LIBERAは、知識や情報を知るメディア・センターであると同時に、真理を知り、それを実現する自由の翼を広げる、真理のスタジオでもあったのです。ヨハネの福音にこうあります。

"et cognoscetis veritatem, et veritas liberabit vos."

(あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。)――ヨハネによる福音書 8章32節(新共同訳)

★この聖書の文脈が、同学園の図書館LIBERAにはあるのだということが、記事の中に詳しく書かれている生徒たちのプロジェクト活動に現れていました。

★ただ、私は、LIBERAと聞くと、イギリスの有名な少年のボーカルグループ「リベラ」 の歌声を想い出してしまいます。彼らの美しいハーモニーは、まさに祈りそのものです。だから、むしろ、次の言葉を思い出します。

"...sed libera nos a malo."

(…わたしたちを悪から救い出してください。) 

★この言葉は、主の祈りの一節です。カトリック学校なら、どこでも日々唱える言葉です。

★21世紀型教育環境の中で、生徒は、学びにおいて信頼関係をつくりながら、グローバルな航海に出発します。しかし、そこにはグローバリゼーションという魔物がうようよいます。生成AIなどICTも大いに活用しますが、油断すると悪のささやきが忍びよります。この知の冒険に旅立つ生徒たちに、自らクリティカルシンキングとクリエイティブシンキングと12使徒よろしく協力し合って、世界を変える活躍をしてほしいという祈りがKIBERAに込められているような気がします。

★この聖書の12使徒の物語には、人間の普遍的ともいうべき、裏切りの物語も含まれています。現代小説でも必ずこの課題に直面します。裏切り者のユダの存在。そうならないように、LIBERAで学ぶのです。この学びは、すべての子どもたちにとって重要です。しかし、裏切り者のユダの存在を自覚しながらチームビルディングをするPBL型授業は、サレジアン国際学園世田谷の面目躍如だと私は思います。

★ともすれば、カトリック校も大学合格実績を出し、それによってブランドを作ることで満足するケースもあります。そうでなければ、サバイブできなのが現状ですから、しかたがないことかもしれません。7しかし、大学合格実績も大事ですが、その学歴ブランドを越えて、LIBERAのブランドを多くのカトリック校が共有してくれることを期待します。その意味で、サレジアン国際学園世田谷は希望の光です。

 

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東海大学菅生高等学校中学部 布村進二校長 学校起業家精神 

★ONETESplus9月号を見ていて、また驚きました。東海大学菅生高等学校中学校の布村進二校長のインタビュー記事が載ってたからです。インタビュアーは、数々の個別指導塾を経営している立石哲也さん。立石さんはONETES株式会社の教育統括コネクターで、同誌のライターであり、「体当たりインタビュー」という書籍も執筆。いわゆる起業家です。

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★布村校長とは、少し面識があります。東京私学教育研究所の生成AI関連の研修に参加してくださったりして、精力的かつアクティブな動きをされているので、そもそも驚愕していました。校長先生が、自ら現場の授業のワークショップ型の研修に参加されるとは普通ないなあと思っていました。

★しかし、この記事を読んで、布村校長が起業家精神をもち、今でいう「キャリア・チェンジ」をされながら、活躍されていた方だったということがわかり、合点がいったのです。布村校長は、ビジネスの起業家というより生徒の才能を引き出す学校を支援するいわば「学校起業家」です。英語圏では、デジタルツールを使いながら教育アドバイスをしている起業家を、エデュプレナー(Edupreneur / Education Entrepreneur)と呼んでいるそうです。布村先生も生成AIなどもツールとして用います。まさに「学校起業家」です。立石さんとはフィールドが違う起業家ですが、その進取の気性を根っこに持った起業家精神は共通しています。

★ですからインタビューは共鳴共振して展開していきます。実に面白い記事です。

★多摩エリアの学校は、23区に比べ、中学受験生の数が少なく、苦戦を強いられてきました。東海大菅生をはじめ野球の巻頭大会では8強にはいる私立学校が勢ぞろいしているし、甲子園んも出場している学校があります。したがって、知名度はあるのです。そんな中、布村先生のような学校起業家精神を持った校長や教頭が各学校に現れ始め、中学入試も盛り返しているのです。

★ピンチをチャンスに変える発想や技術、戦略はいったい何なのか?立石さんは、そこを鋭く布村校長に問いかけ、布村校長もオープンマインドで戦略の手の内を明かしてくれています。立石さんは、元ラガーマン経営者という肩書も持っています。ラグビーというのは、まさに私学の魂のルーツの一つです。読後感は山頂から広がる自然を見ているときの感動に近いものがありました。

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2026年9月18日 (金)

成城学園の次のステージへの期待

★先日、成城学園の青柳校長とちょっとしたチャットをしていました。お忙しいにもかかわらず、東京私学教育研究所の研修委員を務めていてくださり、大変お世話になっておりますが、いつもすれ違って瞬間対話しかできないので、ときどきチャットで対話すると勇気づけられます。

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★常に教師と生徒が現場で最適に学べる環境をいかにデザインするかに目配り気配りしながらも、そこから未来を開くベクトルを、研修に参加された先生方に示されます。そのような研修を委員の先生方とコラボして企画運営してくださっているのです。

★ですから、ご自身の学校も同じような教育環境なのだと思っていましたし、その充実した教育は知っているつもりでいました。ところが、チャットによると、もちろん現場の教育や組織の充実した環境を持続可能にするけれど、そのためには、さらに次のステージ進むことなのだとおっしゃるのです。まったく驚きでした。どんなステージが待っているのか?それはこれから映し出されるということで期待して待っています。

★そんな気持ちでいたら、ONETES株式会社から中学受験情報誌「ONETESplus9月号」を頂きました。ページを開いていくと、なんと青柳校長と生徒に、石坂先生がインタビューされた記事が掲載されていました。青柳校長と中学生2人と高校生2人に丁寧にインタビューしています。

★そこで、青柳校長は「生徒が『みんなで何かを成し遂げる』ことを第一に応援できる教育集団をつくりたい」と語っています。

★なるほど、次のステージに進むわけだと感じました。生徒1人ひとりが未来に向かってみんなで成し遂げることは、常に新しい何かです。それを応援するのですから、教師も学ぶし、そのような教師の成長をサポートする開かれたウェルビーイングな祖域づくりに青柳校長は力を注ぐわけです。なるほど。

★先日、3人の成城学園の先生方と対話する機会を得ました。そのとき、先生方は、青柳校長は視野が広いし、学内外のネットワークも広い。これからどんどん学内外で化学変化が起きるのではないかとワクワクしていました。そもそもその3人の先生方がすでに走っていたのです。いったいそれが何なのかは、青柳先生に今度お聞きしてみたいと思います。

★それにしても、石坂先生の生徒インタビューは、成城学園の教育の根っこにある、教育に真善美をという理念が、生徒の皆さんに息づいていることを引き出しています。SAILやアントレプレナーシップのプログラムなど、魅力的な教育環境デザインの中で生徒が何を感じ、何を考え、何に気づき、そしてどんなキャリアプランニングをしているのか、生き生きと生徒が語っています。

★具体的な中身は、ONETESplusをご購読ください。

★そうそう、SAILはSeijo Academiv Interactive Learningの略。いわゆる探究プロjyクトなのでしょうが、SAILは帆や航海を表す言葉でもあります。中高生が人生を冒険をしながら学園生活を送っている様子が目に浮かびます。教育は人生の準備ではなく、人生そのものだとは、デューイが言った言葉だったでしょうか。大正自由教育を時代を超えた普遍教育に次元を上げた成城学園の創設者澤柳政太郎の気概があふれでている言葉ですね。

 

 

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2026年9月17日 (木)

偏差値の誤用は回避しましょう

★池上彰さんが、日本経済新聞で「偏差値の意味を考える、数値で測れぬ学びの姿勢」(池上彰の大岡山通信 日経新聞2026年9月16日)を掲載しています。その通りだと思います。偏差値を誤用すると多くのマイナスの影響を生徒個人も社会も受けます。その点に関しては、広く常識として知られていますから、私が論じる必要もありません。とはいえ、どこかにまとまって書いてあるわけでもなさそうなので、生成AIClaudeにインターネット内の標準的な情報を集めてもらい、まとめてもらいました。偏差値の誤用をしないためにも参考になると思います。ここに公開しておきます。イラストはGemininotebookで制作。

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 偏差値の誤用がもたらす影響

―― 統計技術という本質からの逸脱 ――

偏差値の本質
偏差値とは、本来「ある特定の集団(母集団)の中で、自分がどのあたりに位置しているか」を示すための、単なる統計上の技術にすぎません。平均を50とし、そこからのばらつき(標準偏差)を基準に相対的な位置を数値化しただけのものであり、絶対的な学力や人間としての価値を表す指標では本来ありません。ましてや学校の教育力を測る指標ではありません。

誤用が生じる仕組み
ところが、この「母集団が変われば数値の意味も変わる」という前提が忘れられ、異なる試験・異なる受験者層で算出された偏差値同士を、あたかも同じ物差しであるかのように比較してしまうところから、誤用が始まります。ある模試での偏差値と別の模試での偏差値を単純に並べて優劣を語ったり、時期や集団の異なる数値を横並びにして序列をつけたりする表面的な扱いが、道具としての偏差値を実態以上の「絶対的な能力値」へとすり替えてしまうのです。
この誤用は、いったん定着すると個人・組織・社会のさまざまな層に歪みを及ぼしていきます。

個人への影響

個人のレベルでは、「合格可能性が低い」という数字だけで本人の資質や将来性を無視した進路選択が行われたり、点数や順位のみで自己の価値を測るような錯覚に陥り自己肯定感が下がったりします。学びたい内容ではなく「自分の偏差値に合う」という理由だけで進学先を選び、後になって後悔するミスマッチも起こりやすくなります。心理学的に見れば、これは「高偏差値=優秀」という一つの目立った属性に引きずられて他の能力まで過大・過小評価してしまうハロー効果そのものであり、さらに「お前はダメだ」というラベルを貼られ続けることで本人が実際にその通りになってしまう予言の自己成就も重なってきます。

教育・組織への影響

教育・組織のレベルでは、特定の試験対策が得意な同質的な人材ばかりが集まり多様性が失われたり、本質的な思考力の育成そっちのけで「偏差値を上げるテクニック」ばかりが重視されたりする形骸化が進みます。これは、本来は学力を測るための一手段だったはずの指標が、いつの間にか「その数値を上げること自体」が目的化してしまう現象であり、測定基準が目標にすり替わった瞬間にその基準はもはや良い基準ではなくなる、という古典的な法則の一例といえます。加えて、数値は一見公平で客観的に見えるため、人物を丁寧に見極める手間や、その結果に伴う責任から逃れるための便利な言い訳として、選考する側に都合よく使われてしまう面もあります。

社会への影響

社会全体のレベルでは、学校や組織そのものが特定の数値でレッテル貼りされてブランドが固定化し、いわゆる「高偏差値」の一部の機関に人気が集中する一方で、独自の強みを持つ他の機関が埋もれて衰退していく一極集中と過疎化が生じます。さらに視野を広げれば、家庭の経済力や教育投資といった環境的な要因が偏差値という数値に姿を変え、それが「本人の実力・努力の結果」という体裁を得て社会的地位に転換されることで、格差がそのまま世代を超えて再生産されてしまう構造も指摘されています。

まとめ

つまり偏差値の問題とは、数字そのものが悪いのではなく、「特定の母集団内でしか意味を持たない相対的な位置づけ」という統計技術としての限界を無視し、異なる文脈の数値を表面的に比較・絶対視してしまうところに根があります。その誤用が、個人の自己認識から組織の評価のあり方、さらには社会構造の格差にまで、連鎖的に影響を広げていくのです。

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2026年9月12日 (土)

2027中学入試動向(10)神奈川の共学校の女子志望者数傾

★神奈川県の共学校の女子志望者数については次の通り。

アレセイア湘南、鎌倉国際文理、公文国際学園、慶應義塾湘南藤沢、自修館中等教育学校、湘南学園、聖ヨゼフ学園、相洋、中央大学附属横浜、東海大学付属相模、桐光学園、日本大学、日本大学藤沢、横浜隼人

★28校のうち増加校は14校。神奈川の共学校で女子志望者数が増えた学校シェアは50%。

 

 

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2027中学入試動向(09)神奈川の女子校志望者数傾

★神奈川女子校は次の通り。

神奈川学園、鎌倉女学院、北鎌倉女子、清泉女学院、日本女子大学附属、横浜共立学園、横浜女学院

★17校のうち増加校は、7校。神奈川女子校の志望者数増加校シェアは41%。

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2027中学入試動向(08)神奈川共学校の男子志望者数傾向

★神奈川の共学校の男子志望者数の傾向を前回同様に並べます。

青山学院横浜英和、大西学園、鎌倉国際文理、鶴見大学附属、東海大学付属相模、桐光学園、日本大学、森村学園、横須賀学院、横浜翠陵、横浜隼人

★28校のうち11校増加。神奈川の共学校で男子志望者数が増加した学校シェアは、39%。

★2教科グループは増加しているという学校は、

神奈川大学附属、関東学院、関東学院六浦、湘南学園、相洋、法政大学第二、横須賀学院

 

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2027中学入試動向(07)神奈川男子校の志望校傾向

★これまで同様、ONETESの7月の集計で、神奈川の中学受験生のうち男子の2科目の受験生・4科目の受験生両方の志望登録者数が増えている男子校を五十音順で並べます。

鎌倉学園、慶應普通部、サレジオ学院、藤嶺学園藤沢

★10校のうち4校が増加。男子校増加校のシェアは40%。

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2027中学入試動向(06)天体の部活のある学校は注目か 自律分散協調系のコア・ループ

★工学院大学附属中高のサイエンス部天文班の部員2名が、この夏「スターキャッチコンテスト関東大会」にて第3位に輝いたというインタビュー記事を読みました。感動的です。この記事を書かれた先生のストーリーテラーのパワーも凄いです。そして、なにより、そのストーリーは二人の生徒自身の実際の軌跡/奇跡であることが感動です。

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★そのストーリーについては、ぜひ記事をお読みください。ここでは、私の気づきを少し述べますね。

★天文班の2名は、協力してコンテストに向けてトレーニングをするわけです。どんなトレーニングかは天体のことを知らない私にはわからないのですが、自作の天体望遠鏡で、天の星々を自分たち感覚と脳内神経身体全体に最適かつ俊敏に結び付けるトレーニングのようです。

★このコツコツと努力しているというより、コミュニケーションを取りながら、悩みながらも創意工夫し、小さな達成感を積み上げていく感動の連続だったと思います。これってもう奇跡です。というのも、私も含めて多くの人がふだん星空を眺めないし、どの星がどんな由来があるのかその背景知識などは持ち得ていないわけです。しかし、コンテストで入賞するためには、その膨大な知識と天体望遠鏡を操作するテクノロジーと彼女たちなりのこの一連の関係性を導き出す方程式を創って結び付けているわけです。

★まさにクリエイティブクラスですよね。それにしても、天界の星空と自分たちの脳内の島皮質が反応するわけですから、それはたまあに星空を裸眼で眺めて感動することなどとは比べ物にならない大きな深い感動が全身に広がり、そして仲間と共感するでしょう。

★これは、結構人知を超えたすごい出来事を自分たちが手にしているのです。誰に指示されるわけでもなく自律して、そしてどちらが主導権を握るということなく分散し、それでいて協調する。これは外からみたら、一連の行動ですが、この行動が駆動する内的なコア・ループが出来上がっているということです。

★田中歩教頭が、IBLや探究で生徒が感じたり考えたり行動したりすることの出来を最終的に評価することというのは、プロダクトの出来栄えで終わるのではなく、生徒1人ひとりの内面に(脳神経身体全体に)どんなコア・ループが回りだしているのかを生徒と共有できることなのだと言っていることの実感ができました。

★もしかしたら、天体の部活を行っている学校では、同じような自律分散協調系の生徒が育つ環境があるのかと思い、調べてみました。東京の私立学校の17%は、天文部を持っているようです。しかし、工学院のように科学部や地学部の中に天体活動を行っているかもしれませんから、天体活動をしている部活動はもっと多いかもしれません。

★そういえば、桐朋の天体活動は有名だということや開成の地学の先生の授業実践報告会に参加したとき地学と宇宙の壮大な関係に感動したのを思いだしました。

★たしかに、自律分散協調系のコア・ループが生徒の内面に回っているし、アップデートしていく環境は天文にはあるなあと感じました。

★島皮質のAWE体験は、天体だけではなく、山に登ってでもできます。いや多くの部活がそうでしょう。今や部活はいろいろ言われていますが、日本の教育の新たな卓越性を示す学びの場かもしれません。自律分散協調系の創発の場だよと。もちろん、そうでない昔ながら部活は変わっていく必要はあるかもしれませんが。

★自律分散協調系という言葉は、私が中学受験業界に足を踏み入れた1980年代に一部で流行っていた言葉です。コンピューター系のテクノロジーやエンジニアリングで使われていました。現代思想でも脱中心とか周縁というキーワードがはやっていました。

★それが2000年代になって、工学関係で広がりはじめていたと思います。当時の東大の小宮山宏総長の講演に参加した時、教授から岩波新書「地球持続の技術」を頂いて驚愕したのを覚えています。今では、WEB3.0あたりで新たな意味や言葉で表現されているのでしょう。文理融合の時代に再び流行るかもしれません。

★そうそう、私がPBLを大事にしているのは、この自律分散協調系のコア・ループが生徒の内面に回りだすことを、もちろん狙ってですが、島皮質などの脳科学をちょっとだけかじることで、かじらなくてもちょっと考えれば、わかることですが、脳というのは、感動は同じ行動を繰り返すと順応して起きなくなります。ですから、それを防ぐには、環境を変えるのがポイントです。特に協働関係をつくることは、仮に同じメンバーでも複雑系なので、日々新鮮です。

★工学院の場合は、中1からIBLやPBLをやっているのですから、当然そうなるのですが、さらに高大連携や地域連携、外部団体連携、国際的アソシエーションなどとの連携が多く、生徒1人ひとりのコア・ループはアップデートしています。このような学校は他にもいっぱいあります。またお知らせします。

 

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2026年9月11日 (金)

2027中学入試動向(05)結局自分にとって最高の学びを体得できる学校を探す

★中学受験勉強はその仕方によっては、飯田 史也さんが書いている「あなたの一生を支える 世界最高峰の学び」を得る入り口に立てます。そして、その入り口に立ったら、その自分にとっての最高峰の学びを体得できる学校を探すこともできるでしょう。飯田さんは、奇跡はそこかしこに埋まっていることを忘れないでほしいと。そのために、「コミュニケーション」を中心に据えて学ぶことだねと。そして「大切なのは、膨大な知識の中から、自分だけの文脈を見出し、その文脈に基づいて日々の生活や人生を形づくっていくことです。このようなプロセスこそが、『最高峰の学び』といえます」と同書で語っています。

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★このプロセスは、具体的にどういうものなのか?それはぜひ本書をご覧ください。

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★飯田さんとは一見違うアプローチのコミュニケーションを大切にする方法を語っているのは、内田樹さんです。同書は、教師にエールを贈っている書ですが、受験生の保護者が読むと、教師がいかに制度によって感じるときがある不自由さの中で、創意工夫して教育に取り組んでいるのkがわかります。教育に取り組むとは、学びの方法論や知識を教え込むのではないのです。真剣に知に向き合う姿勢を形作っていくことです。

★この点は、飯田さんと同じです。身近なところも真剣に向き合うと、そこには普段気づかなった知識が溢れています。向き合うということはコミュニケションです。向き合う相手が人であれ、ものであれ、自然であれ、コミュニケーションをとるわけです。いったい何を言い出すのだとお思いでしょう。

★この極意を内田さんは、弓道などの道に向き合う武道を引き合いに出します。弓道は何に向き合いコミュニケーションをとるのでしょう。自分の身体と的までの空間とそれらすべての時間の流れなどとコミュニケーションするらしいのです。

★身体と自然と社会ととなるとWHOの健康を維持する3要素です。これらすべてが良好で互いに好循環する状況をwell-beingだとWHOは行っているわけですが、このwell-beingを生み出すコミュニケーションができたら、それはもう最高峰の学びを体得したことになります。そして、その学びを生涯続けることがwell-beingも生み出し続けることでしょう。

★飯田さんが、そこかしこに奇跡が埋まっているのを忘れるなと言っています。それは中学受験勉強の中にも埋まっています。

 

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2027中学入試動向(04)東京共学校の女子の志望者数傾向

★東京の共学校を志望する女子の傾向を、前回同様にデータを見て、女子の2科目受験生・4科目受験生の両方が増えている共学校を五十音で並べます。

青山学院、郁文館、上野学園、英明フロンティア、桜美林、開智日本橋、吉祥寺学園、吉祥寺湧水、国立音楽大学附属、啓明学園、駒込、サレジアン国際、実践学園、品川翔英、芝国際、自由学園、淑徳、聖徳学園、成蹊、清稜、玉川学園、多摩大学附属聖ヶ丘、中央大学附属、千代田、東京成徳大学、日本工業大学駒場、羽田国際、広尾学園、文教大学付属、武蔵野大学、明治大学付属世田谷、明星institution、明法、mrグロ学院、安田学園、立正大学付属立正

★90校のうち36校が増加で、増加校のシェアは40%。女子校の36%に比べて、少し高いが、女子中学受験生は女子校より共学を志向するという最近のイメージは、それほど強いものではないかもしれません。

★男子に比べ、女子校の選択校は、1.3倍ですから増加校が減って見えるのは当然です。実は、男子が志望する学校で増えた数は、女子に対し、1.3倍です。この数字の一致はたまたまですが、もしかしたら女子が苦戦し得ちるという見方もそれほど強い根拠があるわけではないかもしれません。

★ただ、狭いところでパティーをするのと、同じ人数が広いところでパーティーを行うのとでは、見かけの勢いは違います。もしかしたら、男子と女子の志望校の勢いは、そのアナロジーがあたっているかもしれません。

★結局、受験生は、自分にとって最高の場所を探せばよいということです。これは、中学受験の世界では大鉄則でした。今もこれからもそれは変わりません。何せ、どの私立中高一貫校も、毎年学びの環境の創意工夫の手を止めませんし、コンプライアンス体制の仕組みを整えることに尽力しています。偏差値による最高の学び舎ではなく、自分にとって最高の奇跡の学びの場を見つけましょう。

 

 

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2026年9月10日 (木)

2027中学入試動向(03)東京女子校の志望者数傾向

★東京の女子校の傾向を、前回同様見て、女子の2科目受験生・4科目受験生の両方が増えている女子高を五十音で並べます。

江戸川女子、大妻、大妻中野、川村、神田女学院、吉祥女子、共立女子、共立女子第二、国本女子、小石川淑徳学園、晃華学園、品川女子、頌栄女子学院、女子聖学院、白梅学園清修、東京純心女子、桐朋女子、富士見、富士見丘、雙葉、法政大学千代田三番町

★59校のうち増加校は21校。増加校のシェア36%。単純に増加校の数だけ見ても、女子校が苦戦しているかどうかはわからいが、傾向として女子校を選ぶ志向性が弱くなっている。その状況下にあって、志望者が増えている上記の女子校のリサーチは突破口を見出すために重要です。

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2027中学入試動向(02)東京共学校の男子の志望者数傾向

★東京の共学校の男子の傾向を、前回同様見て、男子の2科目受験生・4科目受験生の両方が増えている共学校を五十音で並べます。

青山学院、郁文館、英明フロンティア、かえつ有明、吉祥寺湧水、共栄学園、国立音楽大学附属、慶應義塾中等部、啓明学園、工学院大学附属、国士館、駒込、桜丘、サレジアン国際、実践学園、品川翔英、芝浦工大附属、芝国際、修徳、城西大学附属城西、駿台学園、成蹊、成城学園、成立学園、青稜、多摩大学附属聖ヶ丘、多摩大学目黒、中央大学附属、千代田、東海大学菅生、東京都市大学等々力、東京農業大学第一、東洋大学京北、日本工業大学駒場、日本大学第一、日本大学第二、八王子学園八王子、八王子実践、羽田国際、文教大学付属、三田国際科学学園、明星学園、武蔵野、武蔵野大学、明治大学付属八王子、明治大学付属明治、明星institution、明法、目黒学院、安田学園、立正大学付属立正、早稲田実業

★90校のうち、増加校は52校。シェア58%。男子校に比べ、共学を選ぶ男子の勢いは低い。

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2027中学入試動向(01)東京男子校の勢い

★9月から首都圏中学入試に対する受験生の準備は本格化します。それに伴い、学校選択の最終的な意思決定のために保護者のリサーチの内容も深くなっていきます。小6の少子化はすでに始まっていますが、首都圏の中学入試人口は横ばいです。いやむしろ少し多くなっている可能性もあると業界人から聞き及びます。政府は日本の経済の調子は悪くないと判断していますが、急激な物価高騰で生活者にはピンとこないギャップがあります。それでも、中学受験のダメージはないというのは、生活者の二極化が進んでいるということでしょうか。

★私立中高一貫校は、やはり学費はかかります。それゆえ万人のための学校ではないのですから、一般的な生活者の教育志向とは違うということが鮮明に表れるようになるのかもしれません。ONETES(旧首都圏模試センター)の合判ONEテスト(7月実施)の志望校の登録者数の集計を見ると、東京の男子校の勢いがよいのです。これは、男子のいる保護者の経済感覚が反映している可能性があります。

★株価など金融指標では悪くないのですが、日本全体の経済状況は果たしてどうなのか?少なくともこのグローバル時代に国際競争力は右肩上がりという感覚はないわけです。社会貢献をしながらも経済的にサバイバルする人生設計を合理的に冷静にプランするのは当然です。よい大学に行って一流企業に入るという方程式は、多様な変化の時代には成り立たないのは、言われなくてもわかっています。

★にもかかわらず、一般によいと評価されている大学を選択するのは、チャンスがたくさんある、あるいはサバイバルの確率が高いからです。今や東大生も一流企業だとか官僚だとかに人生を絞っている学生はいないでしょう。もちろん、他の大学に比べればその傾向は高いかもしれないですが、スタートアップも在学中に立ち上げる数も他に比べれば多いわけです。クリエイティブっクラスへのチャンスが多く、成功する確率が高い大学を選択するのは当然です。

★それには、東京の男子校はアドバンテージが高いのは事実です。ジェンダーの問題はどうするのか?抑圧的な環境はどうなのだと言われるときもありますが、現状の男子校は、当然そのことについて、組織としてきっちり対応しています。何せ教育関連法規で、その辺りは遵守するようになっています。法令遵守において、男子校だけ例外ということはあり得ないのです。現状の男子校は、全体的にかつてのバンカラとか硬派などのイメージはもはやないといってよいでしょう。スマートな紳士がたくさん羽ばたきます。保護者もまたそれを望んでいます。

★このような状況に対しては、中学受験熱が激しくなる原因だとか批判する教育ジャーナリストもいます。社会学者からは、経済格差について批判もされます。私は一市民として、グローバルな資本主義経済の枠内で、それぞれの生活環境の中で、幸せをゲットできるチャンネルをたくさん作る創意工夫ができるクリエイティブクラスが生まれる土壌をつくるのが教育だと思っています。ですから、男子校を思考する保護者が、自らキャリア形成してきた生活環境の中で、そのチャンネルがあると認識しているということでよいのではないかと思っています。

★男子校の勢いがよいというのが、どのような社会構造の影響を受けているのかまた影響を与えるのかなどそれを考えることは、今後の私立中高一貫校がどのような社会を共に作っていく人間力を想定しているのかにつながっていくと思います。その関係性全体の中で、ジャーナリストや学者が研究してくれるとよいなあと期待します。

★さて、長くなりましたが、ONETESの7月の集計で、2科目の受験生・4科目の受験生両方の志望登録者数が増えている男子校を五十音順で並べます。

麻布、足立学園、海城、開成、学習院、暁星、京華、攻玉社、駒場東邦、芝、城北、世田谷学園、高輪、東京都市大学付属、独協、日本大学豊山、武蔵、明治大学付属中野、早稲田大学高等学院

★28校のうち19校が昨年より合判ONEテストの志望者数が増えています。増加男子校のシェア68%は、勢いがあると、私は感じます。

★9月以降の合判ONEテストで、当然変わってくるでしょうから、今後の動向を観ていきたいと思います。

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2026年9月 9日 (水)

中学受験 学校の選び方の変化(6)生徒の学びが変わる今こそティーチングがカギ 学校におけるコーチングやファシリテーションはコンサルティングの手法とはまた違うので

★探究が大流行の今、私が21世紀直前から実践してきた生徒との学びは、たしかに一方通行型ではなかった。だから、ファシリテーションやコーチングを推奨もしてきたかもしれません。しかし、ティーチングを手放したことはありませんでした。子供たちはそれぞれ成長の仕方が異なるので、あるときは一方通行型で教えることもあるからです。

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★しかし、そこには、生徒との対話がありますよ。それにその前にチームワークをクラスに作る対話が必要。これこそが足場つくりのポイントだと私は思うし、それがうまい先生方から多くを学んできました。

★最近接発達領域の認知能力版と非認知能力版をクラスの中に作ることは、授業中に1対1のコーチングはできないから、助かります。この最近接発達領域チームを作っておけば、問答形式のティーチングは、結構有効です。

★ただ、そのティーチングのときに、どのように問いかけるか、どのように生徒自身が自問自答しながら授業を共に進めていけるかは、コーチングやファシリテーション、そして学習ツールの介在のさせ方は有効なんです。

★教えない授業とか教えない教育とかいう方法を推奨する先生もいるけれど、何もしなければ学校はいらないのです。ですから、その文言はメタファーですね。そもそも教えない授業が大切だと言いまくる姿勢はある意味従来型のティーチングですよ。

★コーチングやファシリテーションをやっている現場を見ていて、時々思うのは、傾聴と言いながら、傾聴の効果を長々と説明したり、傾聴しっぱなしで、最近接発達領域を見逃していたりしているケースもあります。

★問いが大事だと言いながら、詰問になって生徒を追い詰めていたり、問いを作るコトが大事だと、深い問いをつくれと言っていたりしている場面もあります。問いは自然と生まれるから放っておくというやり方の場面にも遭遇するときがあります。

★問いが生まれる瞬間をいっしょに経験することさえあればよいのです。たとえば、「走れメロス」を読む前に、なんか疑問持たないと聞くだけで、問いは生まれてきます。問題は、その問いについて真剣に対話できるかですね。

★これはクラスの中でもできます。なんでも精読してからではないのです。出遭ったとたんに思いうかぶ疑問というのを共有できるチームかです。

★外部との連携は大切ですが、たいていは、問いやデータは用意されたもので、それ以外の疑問やデータをいきなりかませることはできません。まず型からはいることは大切だと言われますが、その最初の型の質の見極めはだれがするんのでしょう。

★学校選びは、ティーチングそのもの、つまり教師のコミュニケーションの様子を見るのが一番早いのです。学校説明会で、オープンスクールで、体験学習で、合同説明会で、チャンスはたくさんあります。

 

 

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PISA2025 当たり前ながら文科省の政策に影響

★昨日8日、文部科学省 国立教育政策研究所は「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2025のポイント」を公開しました。日本はOECD加盟国の中で「読解力」「数学的リテラシー」「科学的コンピテンシー」すべて1位という結果でした。参加国・地域のうちでは「読解力」は4位、「数学的リテラシー」は5位、「科学的コンピテンシー」は5位で、アジアエリアの国の勢いが凄まじいですね。ですが、日本は、国際的に高い水準を維持していると文科省は認識しているようです。

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★PISAは、文科省が学習指導要領を改訂する際のエビデンスの一つとしていますから、今回の結果を受けて次期学習指導要領の根拠の一つとするでしょう。結果公開は、昨日となりましたが、いきなり国立教育政策研究所がとりまとめたのではなく、かなり以前から分析調査はされていますから、8月31日に文科省が公開した次期学習指導要領についてのまとめは、すでにPISA2025の分析結果も背景にあるでしょう。

★PISAの問題が、学力の3要素や主体的・対話的で深い学び、探究と親和性がある問題作成になっていますから、これらの点はますます質を高めようということになっている可能性があります。

★また、習熟度レベルについても、レベル1の割合がOECDの中では少ないが、以前より増えているという結果を受け、ますます全国学力テストを継続する根拠となるのでしょう。ジェンダーの開きも、女性の理系進出などを後押しするエビデンスとして活用されるのでしょう。

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★経済力がPISAの結果と相関するという結果も、国際競争力をもっと高めようということになるでしょう。

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★それから、習熟度がOECD平均を上回り、学習への関与はOECD平均を下回る(ここでいう関与度は、「Engaged learners」:好奇心、目標設定、忍耐力、助けを求めることに関する右の質問調査4問全てに肯定的回答をした生徒のことを示しているようです)という結果は、好奇心駆動型の探究型の学びに力を入れようということになるでしょう。

★日本全国の高校1年生のうちの0.7%がチャレンジしてくれたおかげで、従来型の一律受験勉強型の環境は、好奇心駆動型の学びに転換する大きな1歩になりそうです。本当にありがとうございました。

★そして、この結果を受けた私たちは、もっと本質的な学びに教育が向かうように考え行動することです。こんなに大掛かりで税金もつぎ込んでいるのです。大掛かりというのは、グローバルな世界での出来事なのですから、一部の「グローバル人材」を育成するだけではなく、それぞれの生徒の才能を見出し、そのすべての多様な才能がグローバルな世界で力を発揮できるグローバルクリエイティブクラスに成長できる教育を創りたいものです。

★国際競争力という経済的側面だけでは、それはできません。生徒1人ひとりの才能と人間力が豊かになる学びとは何か、そこがカギです。

 

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2026年9月 4日 (金)

中学受験 学校の選び方の変化(5)将来どんな起業家になるのか 私立学校によって違う

★私立学校の創設者は、元祖起業家といってもよいでしょう。私財をなげうって、生徒の未来を開く事業を起こしているからです。ただし、ビジネス界の起業家は、利潤を追求しますが、私学人は、非営利の事業です。ですからある意味社会起業家に近いかもしれません。

★だからといって、みなそうかとい言えばそうではないのです。前回紹介したように、ピーター・ティールのようなリバタリアンとしての起業家もちゃんといます。エッ!どこにと言われるかもしれません。

★それは私立学校の中学受験の入試広報戦略を見ていれば、わかります。たとえば、東京の場合、一つの学校法人の中学入試は、自分の学校で入試をします。これは東京の私立学校同士の紳士協定です。ですが、出張入試のように、自分の学校と別の会場で行うことを計画する場合もあります。もちろん、事前にそれはわかるので、東京の仲間同士注意喚起をします。

★また、定員の倍近く入学させてしまうという学校もあり、この場合は、次の年から注意するように仲間同士注意喚起があります。

★いわゆるビジネスにおける起業と違い、それほど莫大な利潤がうまれるわけではありません。それよりも私立学校同士の取り決めを破るという秩序破壊を行うということです。

★私立学校はゆるやかな理念共同体です。なぜ共同するのか?それは私学の歴史を見れば明らかなのですが、リバタリアンは、そんなの関係ないというのが信条です。

★私立学校間は、質の競争をして切磋琢磨しますが、出し抜こうということはしないのが通例です。

★しかし、基本私立学校は自由を標榜しますから、私立学校の私学経営権を守りながら、自由に独創的な教育を行っていきます。

★一方で、私学経営権を互いに尊重するというのは、ルールです。確かに国も自治体も決めてはいません。

★このルールを破ったところで、法律的なペナルティはないのです。ただし、市場の評判はどうなるかはわかりません。

★おそらく、市場では、そのようなことに気づきにくく、むしろそのような秩序を破壊する行為を、革新的と評価することもあるでしょう。

★互いの私学経営権を大事にする立場か、自分の学校さえよければいというリバタリアンか。

★これは、何も私立学校のケースにだけあることではなく、市場があるところ、すべてで起こりえます。

★論語とそろばんか、論語と論語か、そろばんとそろばんか。どの自由を選択するか。それは建学の精神がかかわります。

★子供たちの人生は、どの自由を手にするのでしょうか。学校教育という言うのは、そこに影響がないのかあるのか。

★科学的にはエビデンスはなさそうです。。。

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2026年9月 1日 (火)

中学受験 学校の選び方の変化(4)品川女子学院の起業マインド ONETESの記事が気づいたこと

★今やAIソロプレナーという起業家がでてくるほど、スタートアップや起業の大きなそして新しい動きが生まれrて来ています。それに伴い文理融合という考え方も大学の学部学科新設の中で生まれてきています。ONETESの品川女子学院の記事を読み、同校はずいぶん以前から生徒の起業マインドを育てるプログラムを実施ていたなあと思い出しました。そして、そのプログラムの充実が伝わってくる記事であることに気づきました。

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(ONETES記事から)

★昨今のAI時代にあって、起業家というとピーター・ティールを思い出すかもしれません。ニュース解説メディア『The HEADLINE』編集長の石田健さんは、ピーター・ティールらの動向や思想を「カウンターエリート」という言葉を使って解説しています。従来の「リベラルな秩序」(民主主義や資本主義を前提とし、政府・官僚機構・主要メディア・大学などの知的機関を信頼する体制)に対し、エリート的な出自や高い知性を持ちながらも、その既存システムを内側から破壊しようとする人々のことをいっているようです。

★しかし、品川女子学院の起業マインドは、共感力及び内省力を前提とする探究的資質・能力を身につけていくことを意味しています。もちろん基礎学力もしっかり身に着けますから、ある意味知的誠実性のあるエリート育成の教育環境でしょう。

★起業家と言っても、実はいろいろなタイプがあります。生成AIで、ピーター・ティールと違う起業家を挙げてほしいとプロンプトを書き込んだら、次のような表を出してくれました。

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★敵を作らない共感型や社会に貢献する利他主義的な起業マインドもあります。品川女子学院で身に着ける起業マインドはまさにそのような特徴を持っているでしょう。

★もともと私学人自体起業家でした。日本の資本主義の父である渋沢栄一も多くの私学の創立に関わっています。渋沢栄一の思想は「論語とそろばん」です。道徳経済合一論です。品川女子学院も、私学人のそのような起業精神を受け継いでいるのでしょう。

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