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2026年7月

2026年7月31日 (金)

開成に学ぶ 受験生も保護者も教育関係者も(1)知識か思考かの二項対立を超える

★いわゆる御三家ブランドの1つ開成学園。東大の合格者数ランキング1位も連続45年。そのような誰もが手が届くような学校ではない学園の教育に開成受験生や在校生、同窓生以外が学ぶことができるのでしょうか?そんなの私たちにとっては関係ないと思いますか?たしかに、直接関係はないのです。じゃあなぜ、本間はそんなことを言い出すのだと。そもそもおまえは新しい学びを推奨しているのに、もともと開成や麻布、武蔵を評価してきたから、そもそも日和見だと言われるかもしれません。

★どういわれてもいいのですが、開成学園が創立155年たった今も教育のみならず、同窓生が各方面で良いも悪いも影響を与えていることは否めません。この時代を作ってきたそしてまた作っていく人材がどういう学びをしているのかリサーチするのは、開成を直接受験しない子供や保護者、および開成学園とは違うところに立っている教育関係者にとっても無視できないはずです。

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★開成学園をリサーチする手立ては、どんな人材が活躍しているか、その活躍の様子を見てもある程度できますが、シンプルに入試問題と同校のサイトを見ることから始めるとよいですね。

★今春の理科の大問【2】を見てもらえるとわかりやすいです。降水量と気温と日照時間などの一日の推移の複数のグラフを読み解いていく問題ですが、回答は記憶して解答はできません。思考する大前提の地球と太陽の関係、地球の地軸による季節によって気候が変わること、熱が大気に伝わる特徴など教科書レベルの知識は必要ですが、それだけでは解くことはできません。それらの基礎知識を関係づけながら論理的に考えていくこととできれば日常の身の回りで体験するエアコンや湯沸かし、風呂などを結び付けるイマジネーションなどは有益です。

★つまり、開成に対する知識VS思考などという固定概念を、受験生や保護者、そして実は教育関係者も払拭した方がよいという学びに行きつくのが、開成の入試問題の特徴です。知識→論理→創造/想像の循環こそが思考なんです。これは開成独自の学びの方法論ではないのです。科学的思考の普通の考え方です。ところが、意外と知識VS思考という通念をメディアも広く浸透させています。通念ですから、無意識の思い込みってやつです。

★これが、中学受験を悪玉論にする小さなそれでいて大きな影響を与えています。暗記に費やし、忘却への不安や記憶を引き出す正確さや速さを競うハラスメントがまかり通っているという大前提で教育ジャーナリストは中学受験をバッシングします。その代表格が開成だとか東大だとか思い込んでいるジャーナリストもいます。ニーチェではないですが、ルサンチマンの横行は世の常ですから、しかたがないのですが、中学受験であれ何であれ、学びは知識か思考かの不毛の議論から解放されることが大切です。実は学数指導要領の変遷はこの両極を振り子のように往復している程です。次期学習指導要領は、ここから抜け出そうとしていますが、多面的・多角的な考察などと言ってきていますから、またしても二項対立から払拭はされないかもしれません。

★ぜひ開成の中学入試問題を見てみましょう。思考=知識×論理×創造/想像だということがわかるでしょう。

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2026年7月30日 (木)

東京電機大学中学 教科ルーブリックに重要な特徴を見つけられる

★東京電機大学中学(以下「TDU」)は、今春の入試においても実質倍率3.6倍と安定的な人気の学校。理系に強いイメージ、女子の志望者が増えている、基礎学力がしっかり身につくなどのイメージが受験業界で定着しています。ONETESのサイトに「大学生メンターに質問できる放課後学習支援を開始」という記事が掲載されているように、生徒1人ひとりの個性を生かす手厚い進路指導は受験生・保護者にとっては頼もしい限りです。

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(写真はONETESから)

★ただし、最近では、学校推薦型という多様な経験をしたり仲間と協力しながら、視野を広め、冒険心旺盛な探究活動に挑戦していく学びも進路指導でも支えられています。

★TDUの進路指導は、いわゆる受験勉強とは当然違います。では、どう違うのか?

★それを決定的に言語化しているのが、TDUの中学の教科ルーブリックと高校の教科ルーブリックです。

★中学と高校とでは、ルーブリックの中身が違っています。これは生徒の発達段階に合わせた作り方になっています。

★TDUのグラデュエーション・ポリシー(育成を目指す資質・能力に関する方針)は、「社会の中で自立し、生き方を主体的に選択できるように、次の5つの力を養います。視野の広さ・冒険心・専門性・共感力・向上心」とあります。この「視野の広さ」「冒険心」「専門性」「共感力」「向上心」は、すぐに身につけられるものではありません。

★したがって、中学段階の教育環境デザインと高校段階の教育環境デザインがシームレスに発達のカーブを支える条件設定になっています。

★この5つの力は、教科のみならず、探究活動やグローバルな教育活動にも浸透しているはずです。このTDUの教育活動すべてが建学の精神が運動体になるルーブリックによって有機的につながっているから、教育の質の高さが受験生・保護者に伝わるのでしょう。

★併願校を観ていくと、このような基礎学力と創造性に結びつく深い学びの統合を前提にする学校がずらりと並んでいます。TDUにもっと学んでみようと思います。

 

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2026年7月29日 (水)

教頭部会宿泊研修で感服したこと

★理事長校長会の宿泊研修の後は、引き続き教頭部会の1泊2日の研修でした。参加された教頭の数は定員を超え充足率は120%でした。2030年の少子化リスクマネジメントに対し、リスクの防衛と新しい取り組みへのリスクテイクの両方に立ち臨む教頭先生方でした。

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★この両極をそれぞれの教頭が判断して、断行していく気概に触れることができ感動しました。弁護士による講義や自分たちの迷いや言動の法的根拠のアドバイスをもらいながらとにかく学校を越えて対話を続けた宿泊研修となりました。

★迷いや悩み、問題の解決には、教頭は教頭自身の判断基準をつくりながらも、最終的判断は校長です。この基準のズレをなくすために、どれだけ、現場の教員と対話し、校長とも対話しなければならないか。しかし、背負っている実務業務の量は半端ではありません。優先順位とチーム教員を作って、教育と実務と経営の三位一体リーダーシップをいかに発揮していくか。

★答えはありません。100人教頭がいたら、100通りあるでしょう。教頭は思考力や表現力は抜群です。問題は判断力です。自分の判断力を持つことは当然ですが、その基準は現場の教員が納得のいくものではなりません。もちろん、校長も同様です。

★さて、説得型で行くのか、共感型で行くのか、戦略型で行くのか、それとも最高の判断力を発揮するのか?その最高の判断力とは一体なんでしょう。正解はありあmせんが、最高の判断力を発揮する教頭が参加されたいたわけです。その最高の判断力については、ここでは申し上げないことにして、いずれ保護者の方々とそっと共有しておきたいと思います。

★それは多くの信頼すべき教頭先生から私は学びました。

★さて、参加された教頭先生方の判断力の共通する3つの特徴をまとめてみました。

★一つ目は、危機管理の最前線に立つ判断力です。研修の場でも、生徒の事故や保護者対応、SNSトラブルといった想定事例に対し、多くの教頭が限られた時間の中で最善の選択を瞬時に導き出す姿が印象的でした。じっくり考える余裕がない状況でも、学校の信用と生徒の安全を守るための判断を下す力は、参加者に共通して培われている資質だと感じられました。

★二つ目は、複数の利害関係者をまとめるコーディネーターとしての判断力です。研修中のグループ討議でも、校長の方針、教員の意見、保護者の要望、生徒のニーズといった立場の異なる声を一つひとつ丁寧に受け止めながら、「学校として何を最も大切にするか」という明確な基準を持って議論を整理する姿が多く見られました。全員を完全に満足させられない状況でも、優先順位を見極める力に長けている点は、参加者共通の強みと言えます。

★三つ目は、経営的視点に基づく判断力です。私立学校は生徒募集が経営に直結するため、一つの判断が学校の評判を左右します。研修に参加された教頭先生方は、教育的な理想を大切にしながらも、予算や人員配置といった現実的な制約を踏まえ、学校の利益になる選択肢を冷静に評価する視点を備えていました。

★思考力や表現力に優れた方は多くいますが、今回の研修を通じて改めて感じられたのは、最終的に「見極めて選ぶ」判断力こそが、参加された教頭先生方に共通する優れた資質だということです。

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2026年7月26日 (日)

東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊研修で感じたこと(3)少子化リスクマネジメントの本質は唯一無二の経験ができる教育環境デザイン

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 ★10年前に現行学習指導要領の議論が始まったとき、私立も公立も、従来行われてこなかった教育内容や教育方法が教育現場に提示されました。英語でいえばCEFR基準の導入、授業でいえばアクティブラーニングの導入、一人一台のPCの導入、総合的な学習の時間から総合的な探究の時間へのシフトなど当時の現場は騒然となっていました。

★あれからコロナ禍を乗り越える経験をして、私立学校は、グローバル教育も、対話型授業の適切な導入も、探究活動も、ICTの充実も果たしています。各私立学校によって、それらの組み合わせや、どこまで広げて実施するのか、どこまで深めるかは、それぞれです。

★しかし、それがより各私立学校の独自の魅力のシグナルを世の中に認知させています。一方、公立学校は、私立学校レベルの学校もありますが、現実はなかなかうまくいっていないというのが本当のところです。

★したがって、次期学習指導要領の議論は、新しい教育内容や教育方法としては、生成AIを教育の中にどのように導入するか以外は新しいものはありません。むしろ、現行指導要領の中身の質の向上という方向性になっています。

★そして、不登校の生徒の増加や教師不足も相まって、質の向上を、量を適切に減らしながら達成しようという議論がされています。

★一方で私立学校は、質の向上はある程度量は必要であるという大前提はそのままで、密度を上げるということで質を高める教育環境デザインをしています。

★したがって、今年の夏の理事長校長部会の宿泊研修では、少子化リスクマネジメントの一環として、一方で法律問題に対する対応ともう一方でこの10年間で不易流行として伝統と革新をどのように統合してきたか、事例ケースを共有する講義を新たに行いました。

★男子校の例として芝の校長武藤先生が取り組みを語りました。女子校は東京女学館の校長木村先生、共学校は文化学園大学杉並の理事長松谷先生が講演をしました。

★東京の理事長・校長が参加する研修会ですから、3人の先生方は、学校説明会などでは話さない戦略的な話が多く、研修会は大いに盛り上がりました。

★要するにここだけの話がほとんどでしたから、ここでは共有できませんが、それぞれ独自の魅力を作りあげていることとそれゆえクリエイティブな教育環境デザインがなされていることが明快に共有できました。

★何より感動したのは、3つの学校の在校生は、それぞれの学校で唯一無二の体験をしながら成長していくということが伝わってきたことです。

★どんな生徒にも才能はあるわけですが、その開花の環境が3つの学校それぞれ全く違うのです。ですから、その唯一無二の経験は、それぞれの学校でしか体得できないのです。

★芝の生徒である、東京女学館の生徒である、文化学園大学杉並の生徒であるという付加価値は、それぞれ全く違うのです。

★建学の精神に基づき、不易流行として先見性・先進性をもって独自の魅力的な教育をアップデートし続ける私立学校の価値を改めて共有した時間でした。

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2026年7月25日 (土)

東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊研修で感じたこと(2)リスクを信頼に変えるガバナンス

私学経営権を守るためのリスクマネジメント

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★私学経営はシンプルに内外からの評判をつくることをベースにしています。ですから、教職員、生徒、保護者、ステークホルダーなどとの信頼関係を持続可能にする組織づくりと教職員の個の能力の質の向上に日々尽力しています。

★理事長・校長・副校長・教頭は、建学の精神に基づいた教育の理念及び倫理の学内浸透に尽力しますが、学校の周りには、法律というのがあります。私学のそのような高い志の遂行の自由を保障する法律と最低限これは行うようにという規制ルールがあります。

★また、保護者の方々の価値観に基づく判断ルールというのも多様です。

★したがって、ズレが起こる場合は当然あります。そのときに信頼をベースに対話ができるシステムと教職員の対話力を日ごろから充実していることが求められます。

★生徒な精神性とそれを実現す技術が必要ですが、その技術の中に法的知識が必要になってきています。

★最近は、双方の権利を守る法律もできていますから、その法律知識を理解し、使えるようにしておくことは大切ですし、法律知識を実際に使う局面も増えています。学校の法化現象の増加と呼んでいます。

★部活や修学旅行などの教育活動の事故、いじめ問題の対応、社会通念を著しく超える要望などの対応をどのようにしていくか情報共有すると同時に、昨今は法律的な問題に発展することもありますから、弁護士の方々と法律知識や判例などケースメソッドの学びも私立学校の理事長校長・教頭はしています。

★何よりも、そのようなトラブルが起きないような組織づくりや教職員の個の能力育成のシステムを構築することです。この作業はこれで完璧ということはなく、メンテナンスをし続けなければなりません。

★このように、学校法人ガバナンスと内部統治システムそして教学ガバナンスの研修は近年ますます重要になってきていますが、この3つが循環するには、結局、対話力がものを言います。ではいったいその対話とは何か?ソクラテス以来、人間の言動の土台であり続けています。そしていまだ解がないのです。それゆえ、「対話し続ける研修」が重要だという認識が私立学校の先生方にはあります。さらりと書きましたが、一般には対話よりも実務的にルールによる統治の話が前面にでるものです。

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2026年7月23日 (木)

東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊合宿で感じたこと(1)少子化リスクマネジメント高まる

少子化リスクマネジメントに伴う教育リフォメーションが先鋭化する

★2030年という年は、「親になり得る世代の数が、いよいよ決定的に足りなくなるデッドライン」であるという認識が政府をはじめ産業界、教育界でも広がっています。

★そのため、2023年に閣議決定された「こども未来戦略」は、年間約3.6兆円という前例のない規模の予算を投じています。「現時点では出生数の減少を食い止めるほどの直接的な効果は出ていない」というのが専門家や経済界の一般的な評価ですが、教育界においては経済的負担軽減など実施され、教育の質を上げる契機にはなっています。

★とはいえ、2030年から転がり落ちるように減る人口は15歳以上の若年人口の話ですから、私立中高一貫校にとっては、それは2027年から始まるのです。

★東京の私立学校は、それでもまだ猶予があるのですが、確実に大きな少子化の波はやってきますから、東京の私立中高一貫校も、少子化リスクマネジメントを本格的に実施しています。

★私立学校は、学費と補助金によって成り立っていますから、この費用を確実にするためには、生徒を集めるわけですが、その学校に入学するメンバーシップの資格を得ることの付加価値を生み出す努力をしています。つまり、この学校のメンバーであることの誇りを持てるようにすることです。

★そのためには、その学校というコミュニティのメンバーになることによって、他では得られない教育的成果が上げられるというブランディング戦略が考案され実施されるようになります。しかもその高い教育的効果は大学実績と大学に出てからも通じる一人ひとりの特色ある才能を実装できることです。

★この唯一無二の体験ができると学費プレミアムを実現できます。

★2030年から始まる本格的な少子化がやってきても、少人数で大きな経済豊かな文化を生める人間力を生み出す学校に変わるチャンスに転換しようと東京の私立中高一貫校はメンバーシップ、ブランディング、プレミアム、知的誠実の循環を生み出す教育リフォメーションを生み出しつつあります。

★少子化リスクマネジメントの一環として、東京の各私立学校は、それぞれの教育リフォメーションを展開し始めました。(つづく)

 

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2026年7月20日 (月)

私立中高一貫校は信頼される学校の存立基盤の質の時代に突入

★2030年に少子化の時代に本格的に突入するため、お受験から大学受験まで各学校は多様な戦略を打ち出してきています。中学受験もその例外ではなく、ここにきて目立っている戦略は、ブランドやプレミアムの水平展開です。カトリック学校がカトリック校でなくなるというケースもでてきました。MARCHクラスの大学の系属や系列になるというのもその水平戦略の典型です。

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★各学校がサバイバルするのに知恵を絞るということは、望ましいことであると同時に、結果的にもともとの建学の精神を守ってきた学校としてサバイバルできない学校もでてきます。受験生の保護者は、これまで以上に自分の目で説明会でしっかり観察していったり、情報を集めたりする必要があります。そのとき、今までとは違う学校の経営的な戦略を読み解くということもポイントになります。そこで、次のようにまとめてみてみました。参考になればと思います。

1. 学校を支える4つの要素

私立中高一貫校が「選ばれ続ける学校」であり続けるためには、まずは次の4つの要素が関わっています。

・ メンバーシップ(帰属意識とコミュニティ)
・ ブランディング(学校の独自性と社会からの評価)
・ プレミアム(選抜性や進学実績などの付加価値)
・ 知的誠実さ(インテグリティ)

ここでいちばん伝えたいのは、「メンバーシップ・ブランディング・プレミアムがどれだけ立派でも、知的誠実さがなければ、すべて土台から崩れてしまう」ということです。

◆メンバーシップと誠実さ
卒業生・在校生・保護者が共有する「誇り」や「一体感」がメンバーシップです。学校側が宣伝文句と実際の教育内容にズレなく向き合い、先生方が成績や属性で生徒を差別せず、一人ひとりの人間性を尊重して誠実に接することで、初めて強く健全な仲間意識が育ちます。

◆ブランディングと誠実さ
他校との違いを打ち出し、「この学校で学ばせたい」と思わせるためのイメージ戦略がブランディングです。ただし、実態の伴わない見栄えだけの発信は「誇大広告」にすぎません。学校が自校の強みだけでなく、改善すべき課題も含めて正直に発信することが、結果として長く続く本物の信頼につながります。

◆プレミアムと誠実さ
入試の難易度や高い進学実績、独自のカリキュラムといった「高い価値」がプレミアムです。進学実績や推薦枠の数字を実態以上に見せるような行為は、誠実さに反します。本当の意味でのプレミアムは、生徒の知的好奇心を偽りなく満たし、自分から学ぶ姿勢を育てているかどうかの上に、初めて成り立つものです。

◆知的誠実さが果たす役割
知的誠実さとは、事実をありのままに受け止め、自分の利益や見栄のためにごまかしをしない姿勢のことです。学校運営や教育の場でこうした「ごまかし」を排除することが、保護者や社会に対する説明責任を果たすことにつながります。また、先生が自分の間違いを認めたり、学問に真摯に向き合う姿を見せたりすること自体が、生徒にとって最高の倫理教育となり、学校の教育的価値を高めます。

2. 受験生の「やる気」との関係

4つの要素は、受験生の学習意欲(外的な刺激から、自分から学びたいという内的な動機への成長)を支えるエンジンとしても働きます。

◆ブランディング → 期待と憧れ
華やかなカリキュラムや社会的な評価は、「この学校の生徒になりたい」という入学前の強い憧れを生み、やる気の着火剤になります。

◆プレミアム → 自己効力感と競争心
高い進学実績や大学への内部推薦枠は、「努力が報われる環境にいる」という安心感を与えます。周囲と切磋琢磨する競争心が生まれる一方、確実な推薦枠があることで、目先の受験勉強にとらわれず、本当にやりたい研究や留学に挑戦する余裕も生まれます。

◆メンバーシップ → 心理的安全性と持続性
「この仲間と一緒なら頑張れる」という帰属意識は、やる気を長く支える「心の安全基地」になります。行き詰まったときに孤立せず、仲間と乗り越えようとする粘り強さが育ちます。

◆【最重要】知的誠実さとやる気
他の3つの要素がどれだけ優れていても、知的誠実さが欠けていると、生徒のやる気は一瞬で冷めてしまいます。偏差値の操作や見せかけの取り組みといった「ごまかし」に、多感な中高生はすぐに気づきます。「大人は口先だけで、結局は学校の実績のために利用されている」と感じた瞬間、やる気は「やらされる勉強」へと変わってしまいます。

反対に、先生が自分の過ちを認めたり、わからないことを一緒に調べたりする姿勢を見せる環境では、生徒も失敗を恐れずに挑戦できるようになります。これが、探究学習やPBL(課題解決型学習)における、もっとも大切なやる気の源泉です。

3. 4要素がかみ合ったときの生徒の姿

ブランディングに憧れて入学し、プレミアムな環境に刺激されて背伸びをし、メンバーシップ(最高の仲間)に支えられて安心して失敗し、知的誠実さ(嘘のない教育)に触れることで、損得抜きに学問を愛するようになる。これが、4つの要素がかみ合ったときに描かれる好循環です。

学校を選ぶ際は、パンフレットに並ぶ言葉(ブランド)だけでなく、「この学校の環境は、我が子の本気の学習意欲を本当に引き出してくれる誠実さがあるか」という視点を持つことが大切です。

4. 学校説明会・見学で「知的誠実さ」を見極めるチェックポイント

① 数字の出し方が具体的か
「難関大学合格者多数」のような曖昧な表現だけでなく、母数(卒業生全体の人数)や、実際にどのコースの生徒がその実績を出しているのかを、質問したときにきちんと答えてくれるかを確認してみてください。はぐらかされる場合は注意が必要です。

② 弱みや課題を語れるか
説明会や個別相談で「本校の課題は〜です」「まだ改善の途中です」と、良い面だけでなく正直に話す学校は、誠実さの現れといえます。良いことしか語らない学校には、少し警戒しておくとよいでしょう。

③ 先生の言葉に実感がこもっているか
パンフレット的な決まり文句ではなく、先生自身の言葉で、生徒とのエピソードや失敗談を話してくれるかどうかも一つの目安になります。

④ 在校生・卒業生の様子が「作られていない」か
文化祭や説明会での在校生の話しぶりが、台本通りではなく自然かどうかを見てみてください。生徒に直接質問したときの反応にも、その学校の空気が表れます。

⑤ 推薦枠やコース分けの説明に透明性があるか
指定校推薦や内部進学の条件を聞いたときに、条件や実態をぼかさずに説明してくれるかどうかも確認しておきたいポイントです。

5.それでもなお注意すべき点~5つ目の条件

それでもなお注意すべき点があるのです。それは学校の校長をはじめとする教職員の「言葉の選び方」です。言葉はどんなに巧んで選んでも、いつもの癖がでます。誠実に相手のことを配慮して使っているとしても、そうではないことがあります。コミュニケーション力の本来性は、人間の存在をどうとらえているかという考え方や感じ方、価値観と一致してしまうということです。

ここを見ぬけるかどうか?「哲学の目」が必要になるかもしれません。信頼される学校の存立基盤の条件の5つ目は「学校の中にあるコミュニケーションの質」です。これは、上記の図の中であえて表現しませんでした。4つの条件が発動しているときの内側で作用している質なので、見えないからです。

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2026年7月19日 (日)

「探究」は誰のものか?探究は自分の生き方の価値を発見しアップデートしていくもので、学校だけで行うものではないのに、コモディティ化してしまうのか?

★7月3日に「教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ(第8回)」が開催され、次期学習指導要領の「探究」に対する思いが強いことは、その膨大な資料から了解できます。でも、誰がこの膨大な資料を読み解くのかと少し戸惑います。

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★もしかして、学者や探究の達人、探究を行う塾などの教育関係者が読み解き、それに子供たちや保護者は従うというのでしょうか。問いの立て方や学びのプロセス、成果のアウトプットのし方、評価の仕方まで、きめ細かく議論されています。それ自体はいいのですが、その話は、全部子供たち一人一人が見出していくものでり、汎用商品を買うというものではないでしょう。

★緻密な資料やデータを読み込んでいるうちに、探究の楽しさ、やりたいからやる、作りたいから作るという自分にとっての価値の根源を見つけることの楽しさを見失っていくような気もします。

★もちろん、文科省の資料の中にも「価値」については書いてあるのですが、どうも市場価値に落ち着いてしまうような感じです。もちろん、市場で価値が支持されなければ、生きていくのにはたいへんなのですが。

★何か、自分の価値のプrミアム感やセルフブランディングのイメージからは遠いのです。

★みなが同じような価値を公平にもつ。つまりコモディティ化してしまう。

★最小限の必須知識とそれをいろいろな未知のものに置き換えて、転移して広げていく。その転移の方向性や広がりは、子ども一人ひとりによって違うから、独自の価値がそこに生まれるのです。

★ところが、この言い換えたり置き換えたりする認知は「低次」というカテゴリーに入れられているのです。自分の未来を、今の先入観に従ってしまうのではなく、自分で書き換えるコト、つまりリフレーミングは高次の認知能力だと思うのです。

★しかし、これを低次に位置づけてしまうことによって、自分の価値を見つけていく機能を阻害して染みます。

★置き換えたり、書き換えることは、方程式を作る思考作業です。決して低次ではないのです。文理融合の知は、この転移機能を自在に使えることなのになあと、どこかもったいないと感じた次第です。

★いずれにしても、独自のシンプルかつ強力な自分の価値を追求できる学びがある学校を探しましょう。知的に誠実な学校を。そして、学校で完結するのではなく、そこは契機であって、そこから羽ばたき、世界で自分の道を追求していける最高の学び方を獲得していけるチャンスをサポートしてくれる教師陣のいる学校を。

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2026年7月16日 (木)

東京都がニューヨーク大を誘致 グローバル教育の流れ強まる

★読売新聞(2026年7月15日)は、「東京都がニューヨーク大「新キャンパス」誘致へ、武蔵村山市周辺を軸に調整…米最大級の私大」という記事を掲載しました。

「ニューヨークへ出張中の小池百合子知事が15日(現地時間14日夕)に同大を訪れ、キャンパス新設に向けた合意書を交わす。実現すれば、数百人規模の学術拠点となる可能性がある。 」

★とあります。小池知事の教育にかける思いと投資は大胆です。2040年に向けて、東京都の世界の都市魅力ランキングをトップにしようという思いがあるのでしょう。そのためには、高度金融人材5万人を呼び込むという戦略にも出ています。

★その際、その人材の子弟の通う小中高と大学の誘致もセットで考えているようです。

★ですから、インターナショナルスクールの支援も都は積極的です。都立高校にIBを導入する計画も着々です。

★もちろん、その準備がすでにできている私立中高の支援も手厚いわけです。私立高校に通う生徒の方が都立高校よりも多いため、私立公立問わずワールドクラスの都市づくりの人材育成には積極的ということでしょう。

★私立中高一貫に絞れば、首都圏の私立中高一貫校の30%はすでに海外大学進学の道を開いています。

★東京大学も東京都立大学も英語で講義を行う体制を整えています。青山学院大学や立教大学も英語力に力をいれていることを示すに新しい入試を開発しています。この動きにも私立中高一貫校はすでに対応済みです。都立高校の教育行政も、この動きに追いつこうと新しい政策を打ち出しています。

★もちろん、私立中高一貫校にとってのグローバル教育というのは英語教育にとどまりません。デザイン思考の基盤になるリベラルアーツやアントレプレナーシップもセットです。

★そして、いうまでもなくAI世界に対応できる独自の発想力・思考力・判断力・表現力を養う多様なプログラムも鍛えています。インターナショナル以上の総合的な質の高い教育をアップデートしながら、海外から来る高度金融人材の子弟の教育の場にもなる可能性を着々と創っています。

★教育内容は全く問題がないのですが、どの授業も英語で実施するクラスを開設する必要があるのです。

★いずれにしてもニューヨーク大学が本当に誘致された場合、東大・医学部進学中心の私立中高一貫校と海外大学進学準備教育を行っている私立中高一貫校の両ブランドが輝きだします。

★東大自身、ニューヨーク大学と連携しながら切磋琢磨していくでしょう。ニューヨーク大学はすでに海外に大学を出しています。東大の3倍以上の規模の私立大学です。

★アジアの知の拠点が東京にシフトする可能性もあります。金融分野だけではなく、多様な才能の可能性づくり、つまりソフトパワーづくりが日本でも本格的に始まるかもしれません。

 

 

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2026年7月13日 (月)

学校説明会で、その学校の対話の質がわかる

★AI世界は、AIに代替されない自分の独自の発想や提案を思考し、判断し、最終的には解決のシステムや技術を実装する能力が必要です。このような人材のレベルを落合陽一さんは、クリエイティブ・クラスと言っています。では、どのような環境から、そのクラスは生まれるのでしょう。今では、グローバル教育もSTEAM教育も、多くの私立中高一貫校は行っています。しかし、必ずしもそのような学校すべてからクリエイティブ・クラスの創造的才能者がたくさん生まれるとは限りません。それはなぜ?

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★その秘密は、対話の質にあります。対話はミクロがゆえに外から見ているとなかなかわかりにくいので、どんな教育環境デザインをしているかというカタチを比較することで、学校選びをしたくなります。もちちろん、第1段階はそれでよいのです。

★第2段階は、その環境がどんな成果を生み出すかです。これも外から見ていてわかります。

★しかし、その成果がクリエイティブなものはそんなに多くないので、クリエいティブ・クラスが生まれる可能性の多寡は実はなかなかわかりません。

★では、どうするのか?

★それは学校説明会の時に、教師がどういう言葉を使っているかで、わかる場合が、意外と多いのです。

★教師が、生徒の選択判断について語るときに、面倒見がいいとはどこの学校でも語るのでしょう。

★しかも、コーチングだとかファシリテーションだとか、生徒と伴走するという話もよくするでしょう。

★しかし、問題は、その伴走の時の対話のスキームなのです。

★教えるとか教えないとかという表現もありますが、それは程度問題なので、惑わされないようにします。

★実は、丁寧にでもマイクロアグレッションという気づきにくいネガティブなフレーミングを語っている場合があります。

★これが、多くの生徒に自己肯定感やモチベーションを高められないもやっとした壁を感じさせます。先生は丁寧に君はこの点ができないから、こっちを選びなさいというのは、丁寧だし、その生徒のことを思っているけれど、どこか違います。

★こういう点が強みなのだから、ここを活かすとしたら?そして生徒が選択判断をしたら、そのときそれを実現するために、強みと弱みを、一緒にリフレクションしようと。自分で選択した目標を実現するために、強みをもっと活かし、弱みを強化するリフレーミングを生徒と共に作っていく対話をする先生をたくさん知っています。本ブログでも紹介している先生方はまさにそうです。

★そのような先生は、学校説明会でも同じです。ポジティブなフレーミングを設定し、それに対しネガティブな状況が生まれれば、それを書き直すリフレーミングの対話をしていきます。

★大事なことは、やがて、生徒自身がポジティブなフレーミングをしたり、自分でリフレーミングをできるようになっていくことです。このような生徒自身の成長物語を書き換えながら作っていく能力こそクリエイティブ・クラスの力であり、このような対話ができるチーム教師こそが、クリエイティブ・クラスが生まれるマインドの泉なのです。

 

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2026年7月10日 (金)

風の谷の中村中学校

★中村中学校・高等学校(以下「中村」)といえば、多様で深まりゆく探究の活動がすぐに思い浮かびます。もちろん、30年以上前からグローバル教育の実績も積み重ねられています。ずいぶん前ですが、フェニックスホールでの在校生の皆さんのフルートやピッコロなどの楽器による演奏のすばらしさは、今も鮮やかに記憶しています。

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★最上階のコリドール(図書館風)から一望できる大名庭園の清澄庭園の広がりは、心落ち着きます。毎年送っていただく中村の膨大な資料の中に、「データブック」があります。説明会で表現しきれない同校の教育のディテールが本当に緻密によくまとめられています。

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★これだけのものを毎年まとめていくには、一人の教師ではなくチーム教師で創り上げているということが伝わってきます。勢いのある学校は、優れた一人の教師がいればよいのではなく、教師同士の関係性が良好であることがポイントです。たしかに、データが詰まっている客観的な情報の冊子ですが、この冊子をどう作っているのか想像してみてください。チーム教師の熱い議論の様子やデータ作成自動化のシステム改善のために動いている先生方の姿が目に映し出されるでしょう。

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★そして、そのデータブックの中に、卒業生全員の入学時の偏差値と卒業時の偏差値の指数関数的な飛躍曲線を描いているページがあります。数値の表示ですが、ここまで一人ひとりのデータを集めているというのも実は稀有です。

★それに、言うまでもありませんが、この数値の背景にある生徒1人ひとりのストーリーを先生方は語り合いながら作っている様子がやはり目に浮かびます。

★このような教員同士、教員と生徒の関係性(おやじの会もあります:微笑)からは、風の谷のナウシカならぬ「風の谷の中村」という発想が生まれてきます。

 ★風の谷の人々が風の力を受け取りながら暮らしを守るように、中村も生徒のみなさんが安心して学び、力を蓄える「安全基地」として存在しています。しかし、ナウシカが風を読み、メーヴェで腐海へ飛び出していったように、中村の学びは谷にとどまることではありません。生徒のみなさんは外の世界へ踏み出し、社会の課題に向き合い、自ら未来をつくる力を育める教育環境をデザインしています。

★要するに、中村は、この「風の谷」のような学びの場です。安心して挑戦の準備ができる場所であり、同時に生徒が自分の風をつかんで外の世界へ飛び立つための発射台でもあります。

★では、この“風の谷のような学校”を支えるのは誰でしょうか。ナウシカのように、生徒が世界を恐れず飛び出せるよう「本質を見抜き、そっと背中を押す導き手」として関わる教師がいます。教室を出て社会の課題に挑む探究学習を通じて、生徒が自ら“風を読む力”を育てる教師がいます。中村は、子どもたちが「谷に守られるだけの存在」ではなく、「自分の風で未来へ飛び立つ存在」へ育つことを本気で目指しています。

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2026年7月 8日 (水)

工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校

★工学院大学附属中学校・高等学校(以下「工学院」)といえば、今やグローバル教育とSTEAM教育の最先端校というイメージが思い浮かびます。もちろん、その通りなのですが、本当はハワード・ガードナー教授の「多重知能理論(Multiple Intelligences)」をベースにした創造的才能者が生まれる、つまりクリエイティブクラスがどんどん生まれる学校なのです。

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★その多重知能とは、知能は一つの物差しでは測れず、論理数学的知能や言語的知能、身体運動的知能、対人的知能など、複数の独立した知能から成り立っているという理論です。この多重知能理論を土台として、ガードナー教授は創造性についても独自の考えを展開しています。

★その考えの中で、まさにこれぞ工学院のクリエイティブクラス育成のコンセプトだと思えるのは、<創造性は「超天才」だけのものではない>という言葉です。なるほど、同校の教育理念は「挑戦・創造・貢献」なのですが、その創造の意味は、一部の突出した天才だけが持つ特別な才能ではなく、誰にでも発揮できる可能性があるものだというガードナー教授の考え方に重なります。

★生徒中心主義の学校ですから、たとえある知能が平凡であっても、別の知能で高い創造性を発揮することを大いにサポートする教師がたくさんいます。先生方は、一つの知能だけで人の創造性を測ることはできないと考え行動しています。

★また、多様な多角的な経験プログラムが豊富です。ですから、いくつかの「そこそこ高い」知能を掛け合わせることで、独自の創造性を生み出せる機会が山ほどあります。単独では突出していなくても、複数の知能を組み合わせることで、他の誰も思いつかなかったユニークなアプローチが生まれます。この生徒たちのユニークな活動が、工学院のサイトには満ちています。

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★そして、ここが肝心なところですが、ガードナー教授は、創造性は「才能(知能)」「取り組む分野(ドメイン)」「それを評価する社会(フィールド)」の3つがうまく噛み合ったときに生まれると説いています。どれだけ優れた才能があっても、それを活かせる分野や、評価してくれる環境がなければ、創造性として発揮しにくいということです。ところが、工学院にはそれらがあるのです。

★私立中学に進学する生徒は、偏差値にかかわりなく、自分の才能を持っています。その才能を発揮できる教育活動が多様に生み出されているかがまず大事です。工学院はその活動が各学年本当に豊富です。同校の毎日のように更新されるブログを観れば、それは明らかです。そして、それを評価してくれる環境は、いろいろなイベントがあるたびにプレゼンテーションの機会が学内を満たしているし、学外でも活躍する機会を先生方は探しまくります。ラウンドスクエアの国際会議や高2が全員参加するグローバルプロジェクトなどは最高最大のものでしょう。

★教頭の田中歩先生は、このクリエイティブクラスがどんどん生まれる工学院の教育のクオリティや生徒に対する愛深き教師陣の存在を支持してくれる受験生の保護者が増えてきていると手ごたえを感じています。実際、学校説明会で語る田中歩先生の生徒中心主義の教育に感動したと中学受験生の保護者から私もメールを頂いたほどです。新しい私立中高一貫校のブランドが八王子の地に生まれ広がり始めています。その評判は新宿までは確実に届いています。

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2026年7月 5日 (日)

国学院久我山 7月12日授業体験 緻密でダイナミックな教育環境デザインを体験できる

★国学院久我山は、7月12日に授業体験を行います。同校は、伝統と革新を統合しています。グローバル教育やイノベーション教育など、多くの大学教授や専門家と連携するセミナーやワークショップも行っています。しかし、なんといっても要は、深堀する教科の授業と深堀するから探究や学びのイベントなので視野が拡大します。

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★一般に、教科授業と探究やそのほかの学びのイベントはつながったり循環したりしません。しかし、次期学習指導要領では、そこを結合させようとしています。

★どうやってか?そこが実は難問です。というのは、各教科で扱うテーマが類似しているものをつなげるパッチワーク的なものは、時間割の関係上うまくいかないのが常なのです。

★ではどうするのか?それは各教科の授業で知識から知恵へと深堀していくことなのです。すると知恵は教科を超えて横断しますから、あるいは転移しますから、各教科ごとや探究などの学びがつながり循環していくのです。

★この深堀と広がりの統合こそが国学院久我山の真骨頂です。論より証拠、授業体験に参加してみましょう。

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【速報】文化学園大学杉並 海外大学合格者数更新46名から58名に

★文大杉並の入試広報部長西田真志先生から連絡がありました。「今年3月に卒業したDD9期生51名の3月時点での海外大学合格は46でしたが、7月4日時点で58まで数値が伸びました。海外大学のレベルも過去最高を更新しました。今年もこの数値を越えられるように頑張ります。」と。


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★つまり、DDコース9期生の卒業生数に対し、海外大学合格者数の割合は、114%ということになります。その中で世界大学ランキング100位以内が27名ですから凄まじいのですが、他は200位以内です。これは、日本の大学に比べると非常にレベルが高い集団だということになります。しかも、イノベーティブで超優秀大学として評価されるWURIでは、世界大学ランキング1位のミネルバ大学にも合格しています。

★海外大学の合格者数は、日本の大学合格者より価値があるのは、生徒自身が豊かな教養と高い専門性を学び続けていることの証であると同時に、出身高校の教育環境の質も評価されたということなのです。

★日本の大学では、一般入試の場合、まだまだ高い教養はなくても高度な知識活用力でなんとかなりますし、出身高校の教育環境の質は全く関係がありません。ある意味、環境に左右されない公平な学力主義の入試ですが、それはドメスティックな枠の中だけの話です。

★ソフトパワーの国際競争力を考えた時、これからは、文大杉並のような教育環境が世界を変えるレバレッジポイントになるでしょう。DDコースの生徒がこれだけ海外大学に合格するということは、同校が世界基準で相当質の高い教育環境を作っていることの証です。

★その教育環境から日本の大学に進学した生徒は、そうでない環境から進学した生徒とは、一味も二味も違う活躍をすることになるでしょう。たしかに、大学合格実績の数は、ある程度学校選択の時に重要です。しかし、どのような教育環境で学んで大学に進学したかということが最も注視されなければならない時代がやってきました。

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2026年7月 1日 (水)

湘南白百合 理系進学に強い女子校 その理由

★湘南白百合学園の理系進学率は卒業生の約50%と非常に高い女子校です。特に医学部や薬学部などの医療系分野への進学が人気を集めています。同校の進路指導は実に特徴的です。文系・理系のコース分けのようにあらかじめクラスを分ける制度がなく、多様な希望を持つ生徒同士が刺激し合いながら進路を決定できる環境です。

★難関大学の医学部や歯学部、薬学部、看護学部といった医療系進学に強い実績があります。国公立大学の医学科をはじめ、東京大学の工学部など最難関の理系学部への合格実績が凄まじいのです。

★今年6月に発表された「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026」において、政府は2040年までに大学の工学系学部の女子学生割合を「倍増」させる(18%から36%へ引き上げる)明確な数値目標を打ち出していますが、湘南白百合は、すでにその数値を超えています。それは、なぜでしょう?

★その理由の一つに、独特の高大連携を多数結んでいるということがあります。

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(写真は湘南白百合のサイトから)

★つい先日も、東京電機大学との間で、新たな高大連携協定を締結しました。同校における大学との連携協定は、これで11大学目となります。

★そして、ここが肝心なのですが、すべての大学と探究的なプログラムを推進しているのです。

★同校では現在、未来を見据えた7つの柱から成る「グランドデザイン」を策定し、日々の教育活動を展開しています。今回の東京電機大学との連携は、そのなかでも特に「理数教育の充実」と「進路選択・支援の強化」を大きく推進するものです。

★東京電機大学とは、これまでも同校の探究講座において支援をしてもらってきたということですが、今後は協定を結んだことにより、さらに発展的な連携プログラムの実施が期待されます。

★湘南白百合の教頭水尾純子先生は、「中学生・高校生のうちから最先端の工学・科学技術に触れる機会を豊富に用意し、生徒たちが自らの可能性を広げ、将来の夢を具体的に描いていけるよう、これからも手厚くサポートしてまいります」と語ります。

★多くの高校生にとって理系に対するイメージは、情報の非対称性という壁があります。しかし、湘南白百合の女子生徒は、11の大学との高大連携で大学における研究活動に直接触れることができます。その壁を難なく乗り越えていると言えましょう。

■ 湘南白百合の中高大連携・提携大学(締結順。カッコ内は本校が推進している企画)
東京学芸大学(数学科を中心とした授業改革支援)
北里大学(医学部・薬学部講座)
上智大学(タイスタディツアー・副学長との対話)
順天堂大学(医学部講座・医師体験)
東京理科大学(学校インターンシップ協定。キャンパスツアー)
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーション研究所(中3探究への支援・探究講座・理科の授業改革支援)
昭和医科大学(医学部講座・保護者への健康講座)
東京農業大学(オホーツク学・探究講座)
神奈川歯科大学(デンタルキャンプ)
麻布大学(アカデミックキャンプ・探究講座)
東京電機大学(本協定。探究講座)

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酒井淳平先生の「教育課程の柔軟化」論

★「月刊高校教育2026年7月号」に、酒井淳平先生(立命館宇治教諭・Forbes JAPAN「10代とともに未来をひらく」先生100人の1人)の論考「探究を軸とした教育課程再構成の条件」が掲載されています。

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★いつもながら、酒井先生の熱いそして論理的で生徒愛への使命が伝わってくる言葉が敷き詰められています。

★酒井先生は、ご自身の学校で、そして多くの仲間とともに、「コア探究」を中核にカリキュラムをデザインしています。

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★単純に外延量として探究と教科をつなげるのでは、次期学習指導要領の肝であるless is moreというカリキュラムの柔軟化はなかなかできないと語ります。「カリキュラムは、科目の配置ではなく、学びの関係性としてとらえなおされる必要がある。カリキュラムの再構成は、教育課程全体を大きく組み替えるカタチで現れるとは限らない。むしろ、個々の実践の積み重ねの中で、教科と探究の関係性が徐々に変化していくことによって生じるものである。」と述べています。

★外延量としての組み替えではなく、内包量としての学びの関係性のとらえ返しなんだというのでしょう。

★それにはどうしたらよいのか?組織の関係性、思考、行動、そして「成果とは何か」という捉え方——これら多様な変容が、化学反応のように絡み合っていくということなのかもしれません。

★学校の場に参加している教職員、生徒、保護者、ステークホルダー、学びのツール、学びのフィールド、外部環境など、すべての関係性がダイナミックに変容していきます。まさにAIをオントロジー(アリストテレス以降の存在論の歴史)で見極めようという昨今の縦横無尽の関係性を生み出す座標軸としてのコア探究があってこそ成立するということなのでしょう。

★私たちが包まれる自然や社会や精神は、多彩な色や形を生み出しますが、それを映し出す光の速度は不変です。変容と不変のコア探究の座標軸。これが教育課程の柔軟化を生み出す重要な条件ですね。

★酒井先生の今回の論考は次期学習指導要領が実施されたとき、改めて読むとすでにここに本当の意図があったということを再確認することになるでしょう。予言書です。

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