文大杉並 再び新しい学びを創出 高校入試を大きく変えるレバレッジポイント
★今年4月、文化学園大学杉並の校長青井静男先生は、こう語っていました。「本校は常に社会の実情を見つめ、その先を見据えた新しい学びの創出を目指しています。2015年度にはダブルディプロマコースを立ち上げ、日本のグローバル教育のあり方について新しいビジョンを共有しました。その立ち上げから10年が経った今、本校はさらなる挑戦を始めます。これまで取り組んできた、STEAM教育やプロジェクト型学習、グローバル教育などの次世代教育ビジョンの集大成です。ぜひご注目ください。」と。
★青井校長こそが、ダブルディプロマコース立ち上げのリーダーですから、この言葉の重みにグッときます。この集大成が2026年4月から新しく設定される「ILコース(イノベーションリーダーズコース)」です。「ぜひご注目ください」の言葉通り、学内外で注目を浴びました。
★同コースの立ち上げのリーダーは理事長補佐の染谷昌亮先生ですが、先日大学通信の取材で、すでに行われた学内の応募状況についてこう公開しています。「ILコースの入試では一般的な学力検査ではなく、プロジェクト審査を実施。事前に授業体験会も行う。定員は30人で、内部生と高入生が混在するクラスになる。すでに、39人の内部生が応募し、16人が合格。」と。
★4月から7か月が経ち、早くも2026年の高校入試が間近んきなりました。青井校長が予言したように「注目を浴びて」いるのです。内部生だから進めるのではなく、チャレンジングなまさにイノベーターの選抜が成立しています。入試要項によると、外部の高校入試のILコースの募集人数は20名強ですから、これもまた激戦になるでしょう。
★ただ、いわゆる一般入試ではなく、3時間のプロジェクト型入試です。グループワークを行い、思考力・判断力・表現力、何より東大の2027年開設予定のCollege of Designが重視する「創造的思考」を診るのでしょう。それに協働はイノベーションの重要な足場ですから、チームワークも組み立てられるかも大事になるでしょう。何せイノベーションリーダーズですから。
★このような画期的な高校入試は、PBLをベースに行っているほかの学校でもなかなかチャレンジできません。すでにかえつ有明や聖学院は同じような高校入試をやってはいますが、両校とももともと高校入試はやっていなかったところなので、経営よりも新しい学びの確立に軸足を置いて創ったために、中学からの内部生がコースの実現の中心でした。そのため、高校入試では両校だからできると、高校入試市場に広まる契機にはなかなかなっていませんでした。
★ところが、文大杉並は、DDコースの成果が広く国内外の受験市場で支持され、中学も高校も応募者は右肩上がりの人気校です。しかも、DDコースは高校だけではなく、そこに接続する中学からのDDコースへのロードナップが明瞭になっていますから、DDコースの学びそのものの仕組みの有効性が受験市場に広まったのです。
★そして、このDDコースは、ある意味先進的カナダの教育そのものですから、たんに英語教育が充実しているというだけでないことは、もはや周知の事実です。そこには当然コンピュータサイエンスの学びがベースです。このベースは、DDコース以外にも共有されてきました。そこで満を持して、DDコース以外にもう一つコンピュータサイエンスベースのしかもスタートアップも視野に入れたILコースを作ったのでしょう。
★ですから、受験市場は文大杉並のILコースがどんな学びをやり効果的なチームを作りながら興味深い成果を出すか期待値大なわけです。
★このように教育の質だけではなく私学経営の戦略(理事会の大胆な戦略と緻密なプランニング力に脱帽なのです)が合力を生み出したとき、応募者を獲得できるだけではなく、その新しいILコースとその入試が受験市場に社会的インパクトを生み出します。世の中は、大学入試や中学入試が大きく変わっているときに、高校入試がなかなか変わらないので、半ばあきらめてきたのですが、もしかしたら、今回の文杉のILコース入試は、高校入試を変えるレバレッジポイントになるかもしれません。
| 固定リンク
「創造的才能」カテゴリの記事
- 工学院 生徒を動かす鮮烈なRSIC(ランドスクエア国際会議)体験(2026.10.02)
- 八雲学園 教育の総合力 圧巻(2026.10.01)
- 東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(2)(2026.09.29)
- 東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(1)(2026.09.27)
- [思考」を「思」×「考」と捉え返してみる(2)ポマト思考(?) 失敗のイノベーティブなエネルギー(2026.09.23)
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
- 本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る(2026.08.19)
- 本質ベース教育(2)圏論がIBLと集合と関数を結び付けるコア・ループを見つける(2026.08.17)
「グローバル教育3.0」カテゴリの記事
- 工学院 生徒を動かす鮮烈なRSIC(ランドスクエア国際会議)体験(2026.10.02)
- 富士見丘 文化祭同時開催の中学校説明会 満席が意味するもの(2026.09.27)
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(3)首都圏中学受験市場に拮抗する2つのカテゴリー市場(2026.08.09)
- 海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(2)海外大学合格20名以上の首都圏私立中高一貫校(2026.08.08)
「教育イノベーション」カテゴリの記事
- 東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊研修で感じたこと(2)リスクを信頼に変えるガバナンス(2026.07.25)
- 東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊合宿で感じたこと(1)少子化リスクマネジメント高まる(2026.07.23)
- 風の谷の中村中学校(2026.07.10)
- 工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校(2026.07.08)
- 富士見丘 超私学の理由(2026.06.22)
「PBL」カテゴリの記事
- 工学院 生徒を動かす鮮烈なRSIC(ランドスクエア国際会議)体験(2026.10.02)
- 東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(2)(2026.09.29)
- 東京私学教育研究所 フージョン教育研究会 「コア・ループ」へ(1)(2026.09.27)
- サレジアン国際学園世田谷 カトリック校としての21世紀型教育を構築 図書館LIBERAの戦略(2026.09.19)
- 2027中学入試動向(06)天体の部活のある学校は注目か 自律分散協調系のコア・ループ(2026.09.12)
「高校入試」カテゴリの記事
- 城西大城西 理念を社会実装する(2026.10.08)
- 偏差値の誤用は回避しましょう(2026.09.17)
- 2026東京都私立学校展 2日間で 参加者45,000人超える(2026.08.30)
- 2026東京都私立学校展 1日目 参加者22,000人超える(2026.08.30)
- 東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊研修で感じたこと(3)少子化リスクマネジメントの本質は唯一無二の経験ができる教育環境デザイン(2026.07.26)




最近のコメント