« 秋田の聖霊学園高等学校 白鳥に変容するとき | トップページ | 文大杉並 再び新しい学びを創出 高校入試を大きく変えるレバレッジポイント »

2025年11月 1日 (土)

制度と教育 高校無償化の三党合意の行方をウォッチしながら

★私たちは制度というと縛られるものとイメージしがちです。私も枠を超えるとかいうレトリックを平気で使ってきました。制度改革は時間がかかるから、制度に抵触しないように自由な精神的空間を作って、そのような呪縛から解放されようとつい考えがちです。でも、これはルソーの一面やニーチェの一部の思考に影響されているだけであって、制度に関してはもっと多くの知恵があふれています。自分の制度=呪縛的な発想は全くアンコンシャスバイアスになっているなあと、ここ数年内省しています。

Photo_20251101115001 

(Copilot作成)

★それは学校現場や私立中高協会に勤務するようになって、痛感しているのです。学校や教育現場では、ダイレクトに法制度がかかわってきます。一方で、寄付行為や就業規則などがあります。これらは、もちろん上位法である国の法律制度にのっとってなくてはなりませんが、これを動かすのに学校や協会の組織には内規があります。国の法律にのっとっているけれど、手順や重みづけなどは、その組織の独特のものです。しかも成文法的に言語化されているものばかりではなく、慣習法的な不文法のようなルールもたくさんあります。

★それに国の法律と組織の間には、省令や条例やガイドラインなど国会を通過しなくても制度として成り立つものがたくさんあります。たくさんというより、これがほとんどという感じです。

★ですから、今回の高校無償化が三党合意に至ったとしても、それが法制化されなくては、教育行政は動けないのです。税金を使うには法制度が必要なのは言うまでもありません。しかし、税金を使うには、財務省の予算編成の権限が極めて重要になります。財務省が反対したからといって、この三党合意を阻止する権限はもちろんありません。そんなことしたら三権分立を破壊してしまいます。

★しかし、財務大臣と財務省の関係によっては、財務省の影響が皆無ということは、むしろそんなことはないでしょう。それゆえ、閣僚の布陣は重要になってきます。今回はどうでしょう。

★近藤先生や吉田先生をはじめとして協会の役員、父母の会の役員の凄さは、政府や内閣、都議会、都知事に対し、きちんと要望する運動する組織を作っているところです。その制度が公正で信頼性があり妥当性があるかどうか議論をして、要望していきます。一つの学校単位ではそれはできません。

★今回の三党合意は、制度にしなくてはならないわけです。財務省が納得するように丁寧に説明していく必要があります。その行動を議員や閣僚がしてくれるように、要望するわけです。近藤先生方の働きの凄さというのは、そのタフな交渉術にあるわけです。そうすることが、公正さを持続可能にすることなわけです。ところが、そうでない法制化がなされ、それによって現場の信頼性や妥当性が危うくなるものがあったとしたら、それは制度を無視することはできません。無視すると必ず法化現象になってたいへんな法的手続きとコストが莫大にかかります。

★ですから、その時は制度の改善を丁寧にまた要望していかなくてはなりません。その姿を見ていて、私たち教育研究所ができることは、要望をサポートする良質の教育デザインと成果を先生方と協力して作っていく必要があります。そして、それを作る手続きはやはり研究所の内規として成文化されたものと良き慣習化したものを精査していく必要があります。

★真理と自由を持続可能にするには制度創造の思考力が必要なのです。市場の原理が実は制度上の自由であることを中高時代に学ぶ必要があります。

|

« 秋田の聖霊学園高等学校 白鳥に変容するとき | トップページ | 文大杉並 再び新しい学びを創出 高校入試を大きく変えるレバレッジポイント »

「創造的対話」カテゴリの記事

「創造的破壊」カテゴリの記事

「高校入試」カテゴリの記事