建学の精神をめぐる校長と教職員の思考
★私立学校が建学の精神を理念として教育に浸透させているのはいまさら言うまでもありません。しかし、建学の精神をめぐる思考スタイルは様々です。解釈が様々だという程度であれば、実は思考スタイルは一緒だったりするので、対話ですり合わせていけばなんとかなりますが、これは確認に終わり、学校自体が何か変わるかというとそういうことはあまりありません。
★ところが、ときに校長がローマ神話に出てくる守護神ヤヌス的思考をする方がいます。教職員が、この思考を理解していないと、大きく二つに価値観がわかれます。それゆえ、学校に何か変容が生まれてきます。
★ヤヌスというのは2つの顔AとBという方向性をもっています。校長がAの立場をとるのかBという立場をとるのか、それともAとBのフュージョンを行ってCという立場に立つのか。
★2つの顔を持たず、AだけBだけだと、教職員はわかりやすいわけです。あまり対話をする必要もありません。校長は、自分の考え方に適合する教職員を教頭や部長に据えるでしょうから、校長の考えにあっていない教職員は、建学の精神の解釈の違い程度である場合、仕事だからと割り切るでしょう。
★ところがヤヌス思考の場合、Aだと思ったらBなわけです。学内は混乱します。対話を通して、実はCであったということが理解できればよいのですが、Cの方向は、AとBの合力の効果や雰囲気ですから、可視化が難しいのです。
★ですが、このヤヌス思考を教頭などが、翻訳できた場合、学校全体が新しいものを生み出す創造的な学校の雰囲気を醸し出し、つまりエネルギーに満ちてきます。
★偏差値の高い学校は、ヤヌス的思考はしないので、偏差値の高い生徒を集めて、結果を出していきます。シンプルで分かりやすいので、受験市場は大歓迎です。
★このような学校がもしもヤヌス的思考を受け入れたら、どうなるのでしょう。ある意味偏差値の高い学校でもどっか例外的な麻布のような学校になるかもしれません。そこが魅力なのでしょう。
★だから偏差値が高くないにもかかわらず、もの凄いエネルギーがある学校は、校長がヤヌス的思考をしていて、それを学内に浸透させるチームがいる場合が多いですね。
★そして、ヤヌス的思考の雰囲気のある学校は、その学校だけではなく、社会を変える思考様式を生徒と共に創り上げていきますから、未来の社会にインパクトを与えるわけです。
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