変わりゆく世界(04)私立学校、公立学校、インターナショナルスクールの関係性がグローバル教育の変容と共に変わる
★今や日本の中等教育は、私立学校、公立学校、インターナショナルスクールのせめぎ合いになってきています。地政学的リスク回避とAI社会における新しい教育の開発、AI社会におけるone earth×one healthを包括した経済社会システムの変化が、その背景にあります。
★その変化が、教育の質の変容をもたらしているともいえるし、教育の質の変化が社会にインパクトを与えているということもあるかもしれません。
★世界の変容を導く影響力ある人材を育成しているインパクトのある教育環境の1つに国際バカロレア(IB)があります。英国やその連邦、及び米国は、このIBに相当する教育を公立学校でも行えるようにしています。
★しかし、英国や米国のその教育は、機会均等という意味では公平ですが、格差を生んでいることも確かです。何せ試験結果は学校ごとですがランキングを公表される場合も多いのです。切磋琢磨とか自由市場の考え方が前提にあるでしょうから、当然なのかもしれません。
★したがって、その勝ち組になりたいと思えば、IBを扱っているインターナショナルスクールや私立学校に入れたいと海外の富裕層が思うのも当然ですね。
★一方、日本は、IBレベルをやって、落ちこぼれがたくさん出た現代化カリキュラムをひっこめて、いわゆるゆとりカリキュラムにしました。反動もあありましたが、現代化カリキュラムに戻ることはないようです。機会均等だけではなく、教育の内容もみんながわかるレベルにしようと。しかし、理解というのは、人によって違いがあります。ですから個別最適化がよいということになっていますが、一方通行的に知識を注入してきた20世紀型教育では、それを偏差値という尺度で測定してきましたから、結局、教育の格差は是正できませんでした。
★しかし、そんな混乱や矛盾の中で、日本の経済社会も低迷し、人口も減少し、少子高齢化問題がまた経済を圧迫する状況になっています。
★それは教育のせいではないのですが、学びの構造を変えることによって、希望があるのではないかと。そこで、国もある自治体も思い切ったことを考えました。IBのようなシステムをすべての生徒に機会均等に与える環境を創ってしまおうと。
★日本だけではなく、世界のディストピア的情勢をみて、なんとかしようと私立学校は21世紀型教育を促進しました。すると、公立学校もそうすべきなのだという論調が、静かに広がっているのです。
★入試制度が、高校入試も大学入試も適性検査型にシフトし、実は小学校中学校段階で、全国学力テストをやり、小学校の英語教科化はその流れを下支えしています。
★そうすると、20世紀型教育を続けている私立学校は、まいってしまいます。そこで、どこの私立学校もICTを取り入れSTEAMをやったり、C1とまではいかないけれど、B2英語までは強化したり、授業ではなかなかできなくても、探究の時間などでプロジェクト型の授業を挿入しようと、結果的に多くの私立学校が21世紀型教育現在進行形になっています。
★それを見ていた公立側は、完全21世紀型教育はできないが、現在進行形の21世紀型教育は可能だと判断し、インターナショナルスクールと完全21世紀型教育私立学校は、寄付などで経営し、自立しなさいといわんばかりの、自治体も出現してきたのです。結果的にですが、あとの私立学校は公立学校化しなさいと。
★たしかに、学びの構造は、公立学校も現在進行形の21世紀型教育ができるのですが、私学の良さは、建学の精神の多様性であり、グローバルな視野がその背景にあるということです。
★ところが、これが公立学校は、現状の国ー自治体の制度では、一律になるのです。もちろん、憲法の普遍的原理によるのだから、いいんだという考えもありますが、建学の精神という魂は、文化を創り出します。文化の多様性をはく奪する行為は、その普遍的原理には反するんですね。ではその普遍的原理と称する理念はどういうものかというと、ルソーではないですが、一般意志ではなく全体意志になる危険性があるのです。
★このすり替えが起こると、極めて第二次世界大戦前夜の合法的に全体主義的体制が生まれるのと同じことが起きる危険性があります。
★IBやラウンドスクエアが生まれたのは、そのような世界を創らないために、見識ある卓越した人材を育成しようとするところに原点があります。しかし、そのようなグローバルな視野を無視しても、学びの構想だけはシステムとして真似できるのです。
★さて、はてどうしましょう。いずれにしても、ディストピアかユートピアか。。。世界は変わり目に立たされています。
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