PBL

2023年1月30日 (月)

2023年首都圏中学入試動向(13)工学院 予想通り出願が増加中 その理由は?

昨年12月10日に、工学院の大学院生と高3生が、「八王子市民フォーラム・未来を語る ゼロカーボンシティの実現に向けて」でのパネルディスカッションに登壇し、脱炭素社会の実現に向けた意識の醸成に協力しました。中学1年から八王子プロジェクトというフィールドワークを行っていて、八王子のいろいろな産業について調べ、経済や理工系の学問に興味と関心を広げています。

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(写真は、同校サイトから)

★工学院のグローバル教育(ケンブリッジインターナショナルスクールやラウンドスクエアとの連携など)はもはや有名ですね。ですから経済や教育などの文科系の進学は目覚ましい実績をおあげています。そして今女子生徒が理系を志望するという時代の風が吹き、女子の理系志望者が工学院を目指すようになりました。

★特に工学院のフィールドワークは、社会課題を身近なところから結びつけて発見して解決していくデザイン思考などのPBLを行っています。自ずとSDGsに関係してきます。したがって、その課題解決には、デジタルや工学などの実践的なテクノロジーを実装したものを提案できるほどなのです。

★説明会などで在校生のその姿を見てしまった受験生は、俄然工学院となります。

★田中歩先生とそんな話を先日していたら、たしかに中学受験生は、同日比で昨年を、教頭奥津先生の予測シミュレーション通り増えているというのです。1月28日段階で、昨年1/31時点の実人数を超えたということです。

★すでに、総出願者数も、昨年を超えたようです。昨年は700名強だったのですが、今年の勢いでは、800を超えるのではないかと予想します。2020年400強→2021年500弱→2022年700強→2023年800強という出願総数の成長曲線を描くことでしょう。ちなみに、定員は105名です。

 

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2023年1月28日 (土)

第113回GWE 星の杜 チェンジメーカーが生まれる教育環境デザイン

第113回GWEは、2023年から共学化、校名変更、特異点ともいうべき新しい教育カリキュラム及びプログラムを実施するという先進的な教育改革を果たす星の杜中学校高等学校(以降「星の杜」)の校長石塚千恵先生が出演されました。Zoomの背景が星の杜を包み込む美しい豊かな自然を写した写真でした。GWEを主宰する鈴木さんが、その美しい光景について尋ねると、1995年の1月17日に起こった阪神・淡路大震災のことに想いを馳せ学校全体で祈りをささげるその日に撮った写真ということでした。石塚先生は、星の杜の教育環境デザインの真髄をさりげなく語るところから始めたのです。

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(GLICC Weekly EDU 第113回「星の杜中学校高等学校~未来を変える星」)

★昨年グリーンスクール(インドネシアにある今世界が注目している学校です)に研修に行った中3生のポテンシャルの大きさやそのポテンシャルを顕在化するパワーに、生徒は自分たちが思っている以上に才能が豊かだというのを改めて知ったというストーリーは、4月からスタートする星の杜の改革が成功する予告編さながらでした。

★4月からPBLやデザイン思考が繰り広げられるということですが、すでに今の在校生が、それを主体的に広げ深めているわけです。

★改革をする学校の先生方のお話は、一般に改革スタート後、どのようなコースにするのか、そこでどんな授業が展開するのか、どんなグローバルでイノベーティブなプログラムを用意しているのかという未来の話が多いわけです。

★なぜなら、まだ実施していないから具体的な生徒の様子は今の段階では話せないのでということなのでしょう。

★ところが、石塚先生の話は、いまここですでにプレ改革がラディカルに実施されているという話です。4月からの星の杜は、このような生徒の活動がもっと深まっていくという期待が高まります。

★それにしても石塚先生の確信を持ったトークには感動です。たとえば、「ふつうの授業をやっていては、まったくみえていない生徒の未来の世界がある」とか「私がもっているものだけを提供していては、生徒の未来をサポートできない」というまさに核心を言い当てる確信を石塚先生はお持ちであることが伝わってきました。その気概が革新的な教育を導いているのだということでしょう。

★その革新的な教育をいかにプロデュースされているのか、多くの外部ディレクターと学内の先生方と生徒のみんさんが見事にコラボレーションされている状況があることも了解できます。これは、これまでの学校ではなかなかうまくできなかった組織デザインです。

★東京の私立中高一貫校は、相対的に先見性・先進性が特徴的で革新的なのですが、星の杜程先進的・革新的かといえば、それはなかなか難しいわけです。

★宇都宮に星の杜という教育の特異点が出現したというイメージを抱きました。具体的なお話は、ぜひご視聴ください。星の杜の先進的で革新的な教育モデルは、東京の私立中高一貫校選択の際に明快な基準になると思います。

 

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2023年1月24日 (火)

今日は♯Education Day 質の高い教育とは?

★今日は、ユネスコはSDGsのリマインダーとして、♯EducationDayとして設定しているようです。Fasebookで次のような表現をしています。中学入試のこの時期、質の高い教育環境をデザインしている学校はどこかと探していることでしょう。

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★このステッカーには、質の高い教育は、贅沢なんてものではなく、人権なのだと。具体的には、ユネスコは、今回のパンデミック「過去2年間で、1億4,700万人の子どもたちが授業中の半分以上を欠席したと推定されています。この世代の子どもたちは、現在価値で合計17兆円の生涯所得を失う可能性がある。」と語っています。

★現在の私立中学入試で、こんな切実な緊迫感を感じることはないと思いますが、ここには教育の本質があります。つまり、「すべての人に質の高い教育を提供することは、平和で豊かな世界を実現するための基本です。教育は、人々が健康を維持し、仕事に就き、寛容さを育むために必要な知識と技能を提供します。」ということなのだと。

★このことを生徒1人ひとりにシェアできる教育環境が必要だとしたら、パワハラやいじめや垂直的序列価値観などがあってはならないということです。こういうことが1つもない教育環境デザインをしている学校を探すと、クリエイティブダイアローグ、クリエイティブラーニング、言語の多様性、教師や生徒の多様性などの意味でグローバルでイノベーティブな環境があるところだとなるでしょう。

★朝、そんなことを考えて学校についたら、未明に強迫ファックスが送られていました。「300万円送金しないと教師や生徒に危害を加える」というのです。すぐに警察がやってきてくださり、相談した結果、ランチを早めにとる午前授業にして午後速やかに全員下校することにしました。

★ネットを見ると、八王子市、埼玉、神奈川、大阪、奈良、徳島などに同じファックスが送られているということです。うちと同じ対応をとった県や通常授業を注意しながら行ったところもあるようです。

★いずれにしても、教育や学びに集中できないわけです。人権侵害は明白です。

★そして、ウクライナや中東などで戦争が続いている国の子どもたちのことが思い浮かびました。私たちの緊迫感以上の想像を絶する圧迫感や恐怖の中で学びたいという意欲を持ち続けている子どもたち。

★私たちになにができるのだろう。Quality Educationは、その意味でも平和を目指すものであることは言うまでもないということでしょう。教育の改革が、そこに結びつくかどうか、私たちは問われています。

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2023年1月23日 (月)

パウロのクリエイティブダイアローグ 父母の会のワークショップで

★先日父母の会の方と「パウロの対話について」というテーマでワークショップ(WS)を行いました。2カ月ごとに父母の会があります。父母の会の始まる前90分間、毎回テーマを変えてワークショップを行ってきました。毎回順番で9人から12人が順番に参加します。お忙しい中、毎回盛り上げていただいて大感謝です。今回が今年度最後でした。パウロの教育で大事にしているものの1つ黄金律をコアに愛と創造が生徒の内面から湧き出る対話について行いました。

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★WSのメインは「ぐるぐるトーク」です。9人が輪になってすわり、クロス・クエスチョン(多角的な発想が生まれる問い)のうち、今回は、ブラックボックス問題(得体のしれない未知のものを提示)で、感じたことや思いついたこと考えたことをどんどん話していくのです。

★ブラックボックス問題は感じたことや認識したことを直接問うダイレクトクエスチョンとぐるぐる順番に話している様子から感じたことや気づいたことは何かを問うモニタリングクエスチョンの2つのタイプがあります。

★また、ぐるぐるトークの中で、共通して関心のあることについて、この2種類の問いをまたぐるぐるするなど、ずっと続けていくわけです。

★親と子の対話については、参加者みな体験していることです。ですが、同じような体験なのに参加者それぞれ違う感じ方や考え方を知り、結構サプライズです。

★パウロの教育では、体験を大事にしています。生徒は同じ体験をしても、みなそれぞれ違います。その違いを対話することで、また新しいものの見方や感じ方、考え方を発見したりします。

★今回のワークショップは、生徒と同じ感覚をもっていただき、それがパウロの対話教育だという実感をシェアすることが目的でした。それぞれが新しいものの見方や感じ方考えかたを生み続ける、共有し続ける中で、クリエイティビティがぱっと広がるという体験でした。

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★そして、3人ずつに分かれて、対話をします。そのとき、なんらかの道具を用意します。レゴとか粘土とかポストイットとかいろいろですが、今回はカードにしました。もっとも、父母の会のWSでは、各種カードを使う場合が多かったですね。

★そうそう、それからぐるぐるトークのときに、今回は保護者の方の話に対応する生徒のエピソードをこまめに挟みました。解決策とかではなく、エピソードはそれぞれの参加者が自身で考えるきっかけとしてリアリティがあるからです。

★そのようなぐるぐるトークの後、今回は「オープンダイアローグ」という痛みや病を解消する時の対話のコツ30が書かれているカードを使いました。

★ぐるぐるトークで体験した対話を、理屈という視点で眺めてみるセッションです。そして、時間があれば、もう一度ブラックボックス問題で、新たな理解が生まれることを再体験していただきたかったのですが、時間が足りませんでした。しかし、新たな理解ができていることは、チームの対話の時にすでに生まれていましたからある程度目的は達成されたと思います。

★このオープンダイアローグという心の痛みを解消する方法は、ふだんの対話にも重なります。私たちは、程度の差はあれ、みな何らかの痛みを持っています。完全な解決はできませんが、一時的に解消することはできます。ですから、オープンダイアローグ、私はむしろクリエイティブダイアローグだと思うのですが、このような対話を持続可能にし得るチームや組織を創っていくことが大事で、そのためには父母の会の方々の協力が欠かせないのです。

★オープンでクリエイティブなダイアローグは、フリー、フラット、フェアー、フラタニティーな雰囲気をつくれるチームや組織にすることです。そんなことを言えるパウロの先生方の対話力に感謝です。

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2023年1月22日 (日)

2023年首都圏中学入試動向(07)和洋九段女子 小さくて大きな動き

★和洋九段女子の帰国生入試の出願数の前年対比は300%。出願数自体は、6人(前年2人)で、少ないように感じる人もいるかもしれません。しかし、一般入試(2月1日以降)の受験生が約50,000人なのに対して、東京の帰国生受験生は約900人です。6人というのは決して少なくないのです。

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★大事なことは、前年対比が300%ということです。このことは何を意味するのか。それは帰国生が和洋九段女子を見つけ始めたということなのです。

★和洋九段女子の教育が帰国生にとって居心地が良い環境であることが伝わり始めたということなのです。たとえば、和洋九段女子のPBL入試(SDGs型)などは、教師と生徒がいっしょになって作っています(動画参照)。

★このような生徒がいっしょに学校づくりに参加できるという雰囲気は、帰国生は共感するものです。フリーで、フェアーで、フラットで、それでいてフラタニティ―がいっぱいという雰囲気は何より大切なのです。

★もちろん、これは国内生にとっても同じはずです。ところが、実際には、国内ではまだまだ、学校は校則が厳しかったり、ランキングや序列競争に疑問を持たれなかったり、様々な問題があるにもかかわらず、なかなかみな感じなくなっています。

★しかし、最近の帰国生の多くは、そのことに敏感に反応するのです。かつては、英語を話すと、ひかれるなんて現象もあったりして、「帰国生外来」などという帰国生の心の痛みのカウンセリングがメディアで取り上げられたことも多かったのです。

★ところが、最近では、私立中高一貫校のグローバルな意識が高まり、帰国生にとって過ごしやすい環境ができつつあります。

★その環境の一番大事なところは、ディスカッションやオープンダイアローグがあることです。それに言うまでもなく主体的関係性がある環境ですね。そして、このような環境があると国内生もまた、世界に通じる思考力と行動力を身に付けられます。

★和洋九段女子の生徒のSDGsに対する取り組みは、その仕組みを知るだけではなく、自分たちにできることは何かを話し合い、行動に移すところまで実施されているのです。そして、その過程で多くの外部ネットワークと結び付き、SDGsへのアクションを共に行っていくインパクトを与えているのです。

★もちろん、タイをはじめ多くの海外の同年代の生徒と交流もします。高大連携でフィールドワークにも繰り出します。要するに年中行事以外に多様なアクティビティが生まれています。

★そんなことが和洋九段女子の生徒にとっては、当たり前なわけですが、帰国生が外から色々な学校を視て比較した場合、とても得難い環境のように見えるわけです。

★とはいえ、和洋九段女子は海外にまで出張して帰国生に説明会活動を頻繁に行っているわけではないので、かなりアクティブな帰国生でなければ、和洋九段女子の帰国生入試にたどりつかないということもあるでしょう。

★だからこそ、前年対比300%は小さくて大きな動きを示しているのです。今後が楽しみです。

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2023年1月 2日 (月)

ドネラ・プロジェクト(27)ウサギアヒル 未来思考のC‐Question

★2023年はウサギ年。干支がウサギですから、除夜の鐘がなるや、低迷した政治経済、そして生活世界が飛躍すること・転換することが願われていますね。次の図は、ウィトゲンシュタインが「哲学探究」で、心理学者ジャストローの図版から引用したウサギアヒルを書き写したものです(もとはなめらかな曲線なんですが、書き写したので、ぶれています 汗)。ものの見方・考え方・感じ方を変えることについてウィトゲンシュタインが考察する契機とした幾つかの図版を使っているのですが、ウサギ年の2023年には、こちらがよいかと。

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★未来思考や主体的関係性を生み出す体験のうちの1つC-Question体験として年始にはなかなかよい問題かと。新学習指導要領で「探究」が騒がれていますが、このトリックアートを使っているウィトゲンシュタインの「哲学探究」を読むのもいいかもしれませんね。もちろん、哲学ではなくて、「錯視」を扱う心理学に興味を持つのもよいですね。

★しかし、未来思考や主体的関係性は、要するにものの見方・考え方・感じ方を多角的に多義的に考察する場であり、そこから主体的関係性がその関係性を持続可能にするwell-beingな状況を創るアクションを起こせるとよいわけです。

★このウサギアヒルは、この図にこだわるのではなく、森を歩いていても、渋谷を歩いていても、共に体験する者どうしが語り合うと、ものの見方・考え方・感じ方が違うという日常経験を言語化・記号化・象徴化・・・なんでもよいのですが、ハッと気づかせてくれるCross Boundaryな問題だし、Critical Thinkingを刺激する問題だし、Criativityを開放する問題です。思考コードでいう、C軸問題です。

★このようなC-Questionは世の中には山ほどあります。それを集積し、あるいは新たに創り、未来思考×主体的関係性WSをやろうと今年は仲間とプロジェクトをつくりはじめています。

★このウサギアヒルから、子どもたちは、うさぎとかめのイソップ童話を連想するかもしれません。こどもたちは、STEAM体験も並行して体験していきますから、そもそもなぜウサギカメなのかと。ウサギアヒルと同様にものの見方・考え方・感じ方に変化が起こります。ウィトゲンシュタインにならってアスペクトの変化(アスペクトトランスフォーメンションだとしてATと呼びましょう)が起こります。

★いろいろな角度から考えるわけです。文化人類学的記号論的に考えれば、イソップ物語の世界中への伝播の痕跡を巡る壮大な旅に想いを馳せるかもしれません。その前に、日本文化に根づく資料がありますから、それをたどってみるのもよいかもしれませんね。

★あるいは、うさぎとかめのアルゴリズムについて考察するかもしれません。すでにプログラミングの世界にはあるわけですから、そこから自分もやってみてもよいかもしれません。テクノロジーやエンジニアリングの前に、それは数学だとなってもおもしろいかもしれません。中学受験では速さの交差問題でもよく出題されています。

★あるいは、その速度の違いが、生存年数の違いに結びつくと気づくかもしれません。ネットで調べると、すでにカメが長生きすることを研究しているバイオロジー世界が広がっています。AIによる計算はすごいですね。

★当然遺伝子というかゲノムの解析ですから、分子や原子や陽子や電子などなどの話になるわけですが、もし数学的発想が発動すれば、つまり分解と統合と変形という思考が発動すれば、あらゆるものは分解でき統合できるのではないかと。

★ただ、それにはエネルギーが関係しています。そして、そのエネルギーが、気候変動に関連するような話に飛ぶし、そのエネルギー源の1つ光合成の解析もしたくなるでしょう。

★もっとも、そういう先行研究はすでにあります。とはいえこれらの先行研究はまだまだ成功はしていません。みんなで研究したいものです。

★しかし、いずれにしてもこうして眺めていくと、世界はすでに未来をよくしようとして進む未来思考が作動し、そこからうまれた発想を協働して主体的関係性を作りながら、進めているということが見えてきます。

★でも、まだまだみながそのことに気づいているわけではないのです。新しいものというより、すでに生まれている、いや人類とは誕生以来、未来思考と主体的関係性を作ってきたからこれだけサバイブしてきたし、それを一握りの人間だけが稼働させていたから、持続可能を破壊するような事態が起きてもいるわけです。

★ルソーのいう自然状態は仮説的論理の問題ではなく、実存的問題としてすでにあったし、今もあるわけです。ただ、それを阻害する実利的問題がやはりあるのですね。ルソーが人間不平等起源論で示したC-Question「鹿狩りの寓話」にまたまた戻ってしまいます。

★C-Questionは始まりであり終わりでもあるのかもしれません。興味と関心から始まる探究とかPBLとか未来思考。1人ひとりがC-Questionの響きを奏でるアートなのかもしれません。

★そうそう、「鹿狩りの寓話」にはうさぎが登場します。ウサギシカ問題だったわけですね。。。まったく世界は不思議の国のアリスです。

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2022年12月26日 (月)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(20)帰国生入試の動向から見える新しい動き

★2023年度帰国生入試の志願者数が出そろってきました。まだまだ中間澎湖港段階ですが、大まかな傾向は見えます。日能研倍率速報2022年12月23日現在のデータを使って、志願者数順位と前年対比順位を出してみました。志願者数10人以上の学校に絞ってみました。慶應義塾中等部や三田国際など未公開のところもありますから、あくまで中間報告です。

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★常連の学校が45校という感じですが、この45校の志願者総数は、前年より減少しています。なぜでしょう?帰国生乳牛人気が減退というわけではなく、あくまで予想ですが、パンデミックとロシアのウクライナ侵攻などのグローバルクライシスの影響があるのだと思います。

★にもかかわらず、三輪田、湘南白百合、大妻中野、海城、順天など21世紀型教育をしっかり推進している学校は順調ですね。

★森村学園が帰国生の志願者を伸ばしているのは、大胆な体制変更によるものと予測します。注目していきたいと思います。

★かえつ有明は相変わらず志願者は多いですが、前年対比は減っています。これは敬遠されているということもありますが、おそらく帰国生の条件を少し絞っているのだと思います。さらにハイクオリティを静かに目指しているというわけでしょう。

★中央大学付属もグローバル教育に力を入れているのでしょうが、他校と違い、大学で実施しているELSI関連のグローバルプロジェクトが影響しているのかもしれません。ELSIは、医学部で話題になっていますが、倫理と法制度の側面からは、文系も大いに参加できる社会課題解決プロジェクトなのです。

★このプロジェクトは文理問わず全学部で研究できるし、実用的な研究になります。2050年のムーンショット計画にもつながる可能性があります。

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2022年12月25日 (日)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(19)21世紀型教育を実施している私立中高一貫校 とりあえず114校

★前回、鈴木さん(GLICC代表)とGWEで対話した内容を少しお伝えしました。2023年は、首都圏の私立中高一貫校が21世紀型教育にどんどんシフトしていくダイナミズムが起こると。そして、当然21世紀型教育のそれぞれの特色が魅力となって、人気もでてくると。ある意味、21世紀型教育か20世紀型教育かの競争ではなく、21世紀型教育のそれぞれの魅力の競争ということになるのではと仮説をたてているわけです。

★具体的にどれくらい21世紀型教育にシフトしているのかというと、GWEで私が典型例として挙げた40校強と首都圏模試センターが下記の写真の冊子で紹介している90校強の学校です。114校(両者で重なてっている学校もあるため、そこは調整をしました)となりました。とりあえず、その学校を五十音順に並べてみます。

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跡見
市川
上野学園
浦和実業学園
江戸川女子
桜美林
鷗友学園女子
大妻
大妻多摩
大妻中野
大妻嵐山
海城学園
開智日本橋
かえつ有明
川村
神田女学園
関東学院六浦
北鎌倉女子学園
北豊島
共立女子
共立女子第二
京華
京華女子
啓明学園
麹町学園女子
光英VERITAS
工学院大学附属
国府台女子学院
國學院大學久我山
駒込
駒場東邦
相模女子
桜丘
サレジアン国際学園
サレジアン国際世田谷
静岡聖光学院
実践学園
品川翔英
品川女子学院
芝浦工大附属
渋谷教育学園グループ
十文字
淑徳
順天
城西大学城西
聖徳学園
湘南学園
湘南白百合
昭和学院
昭和女子大附属昭和
女子聖学院
白梅学園清修
水都国際
巣鴨
聖学院
聖光学院
成城学園
聖セシリア女子
聖ドミニコ学園
西武学園文理
聖ヨゼフ学園
成立
聖和学院
世田谷学園
専修大学松戸
洗足学園
創価
瀧野川女子学園
玉川学園
多摩大学附属聖ヶ丘
多摩大学目黒
鶴見大学附属
田園調布学園
東京家政学院
東京純心女子
東京女子学院
東京成徳
東京電機大学
桐朋女子
東洋大学京北
豊島岡女子学園
ドルトン東京学園
中村
南山女子部
二松学舎大学附属柏
日本大学第二
日本学園
日本工業大学駒場
日本大学豊山女子
八王子学園八王子
八王子実践
日出学園
広尾学園グループ
富士見丘
藤村女子
文化学園大学杉並
文京学院大学女子
宝仙理数インター
聖園女学院
三田国際学園
武蔵野東
目黒日本大学
目白研心
八雲学園
山脇学園
横須賀学院
横浜女学院
横浜翠陵
立正大付属立正
麗澤
和洋九段女子
和洋国府台女子 

★しかし、桐朋や武蔵は、入っているべきです。前回のGWEで22世紀型教育を先取りしていると位置付けた麻布や女子学院もとりあえずいれると、118校になります。まだまだ入れることができますが、これらの学校がことさら21世紀型教育や22世紀型教育を標榜しているわけではありません。114校は、あくまで首都圏模試センターのコンセプトレンズや私のコンセプトレンズで眺めたらというわけです。

★そして、首都圏模試センターや私と対話の中で、21世紀型教育を行っていると語っても違和感がほとんどないという暗黙の了解が取れている学校ということもあります。とはいえ、外から観察してその学校が21世紀型教育のカテゴリーはいるかはいらないかを判断することは、自由ですから、114校以外も見ていきたいわけです。

★なぜかというと、私立中高一貫校は、日本の教育のモデルであるし、そのモデルが21世紀型教育を行い、2030年SDGs問題や2050年ムーンショット構想問題で活躍する人間力を生み出すことは、日本にとって世界にとって重要な教育モデルになるからです。

★教育モデルができると、数学的思考が働き、世に広まっていくわけです。文科省も同じようなことを考えていますが、公立学校の現場の具体的多様な状況に配慮し、実現のシナリオを描くのは、なかなか困難なのです。やはり、自由度が相対的に高い私立学校がまず21世紀型教育モデルを作る方がはやいでしょう。

★となると、そのコンセプトレンズで眺める21世紀型教育の定義はしておかなければなりません。それで、前回のように定義というか指標をご紹介したのです。これについては、動画をご覧になっていただけると幸いです。 

★それから、私は、配信時、あとで語りますと言って時間がなかったため語れなかった、21世紀型教育の4つのタイプに対応する思考コード領域について補足しようと思います。

★首都圏模試センターと私のコンセプトレンズの共通点は、21世紀型教育はC3の領域の授業をなんらかの形で行っているという点です。

★そこは外せないわけですが、そこをコアに私はもう少し具体的に(抽象的なのですが)述べてみたいと思います。ちょうど年末年始は時間がありますから。(つづく)

 

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2022年12月24日 (土)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(18)私立中高一貫校が21世紀型教育にどんどんシフトしている

★21世紀型教育は2011年に発足した21世紀型教育機構(当時は「21世紀型教育を創る会」)の加盟校の動きから始まりましたが、今では私立中高一貫校はどんどん21世紀型教育にシフトしています。まだまだ公立学校は1部ですから、私立中高一貫校の21世紀型教育のシフトは着実に日本の教育を変えていきます。もちろん、私立中高一貫校が同機構の加盟校になるというのではなく、それぞれ独自の21世紀型教育を展開しています。それをどのようにカテゴライズするか?それについて、昨日GLICC代表鈴木裕之さんが主宰するGWEで対話をしました。

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(GLICC Weekly EDU 第109回「2023年中学入試が拓く未来~4つの21世紀型教育のダイナミズム」)

★21世紀型教育の定義は定まってはいないようですが、概ね次の点は共通しています。

❶2030年、2050年の未来社会を見据えて、さらには2089年あたりの22世紀型教育の準備段階が始まる未来社会を見据えて、そこで活躍できる人間像を想定しながら教育環境デザインをしている。

❷20世紀を貫く、実存主義的な主体性概念を主体的関係性にアップデートして生徒指導と教科指導、探究指導などを統合している。

➌その際の授業は「主体的・対話的で深い学び」をそれぞれに捉えて独自の展開をしている。

★❶と❷は、すでに2030年SDGs問題や2050年ムーンショット構想問題が広く展開されているので、予測不能でありながら、イメージはかなり世間に共有されています。これを否定して、20世紀型の社会を維持しようと考える私立中高一貫校はないと思います。

★GWEでは、最近メディアが取り上げないムーンショット構想2050を少し解説しました。、メディアが取り上げないので、陰謀説みたいなネガティブな発信がSNSではありますが、そこは冷静に見たほうがよいですね。すでにこの様々な開発プロジェクトに2000億円は投入されています。内閣府のサイトにはいれば、詳しくしかもアニメーションなども使って説明されています。内閣府のメンバーに進捗を聴くこともできます。

★そんな話をして、結構驚くべき大変化について鈴木さんと対話しました。ご視聴していただければ幸いです。

★そのうえで、そのような未来にマッチングする人材育成はどうするのかというと、それは今回の新学習指導要領で、やはり未来を見据えた授業「主体的・対話的で深い学び」が源泉になります。

★それはなぜか?についても少し話しています。

★そして、この「主体的・対話的で深い学び」のデザインの仕方が4タイプあります。これによって、21世紀型教育を4つのカテゴリーに分けました。

1.21世紀型教育機構タイプ

2.プログレッシブ教育タイプ

3.グローバル教育タイプ

4.DH型コミュニティタイプ

★このタイプは、「主体的・対話的で深い学び」をさらに4つに分けて、その組み合わせで定義づけています。それについて、具体的に40校強の学校を例に鈴木さんと対話しました。最終的には22世紀型教育にいちはやく到達するであろう学校についても語っています。

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★詳細は、ぜひ第109回GWEをご視聴ください。

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2022年12月23日 (金)

生徒指導提要(改訂版)公表される(2)主体的・対話的で深い学びが必要なわけ 見えないゆらぎに気づく

★今回の生徒指導提要改訂版で記述されている生徒指導と教科指導の一体化、あるいは相互補完関係づくりなどが進むことは生徒1人ひとりの成長を生み出す最強のサポートになると思います。そのとき、「主体的・対話的で深い学び」を生徒自身が主体的にできるようになる環境づくりを教師がするのは、もはや説明するまでもないでしょう。

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★提要の図にあるように、まずは生徒全員が主体的・対話的で深い学びを経験し、そこで成長の兆しがみえれば、ファシリテートしていくわけです。そのとき、しかし、成長の兆しとは反対の不安や鬱屈した気持ちや安定しない行動が目立ち始めると、逆成長につながる可能性がありますから、図にあるように課題未然防止教育を行います。

★しかし、これは必ずしも主体的・対話的で深い学びを行わなくても目に見える形なので、教師は対応できます。おそらく提要が改訂される前からこのことは行ってきたでしょう。ところが、うまくいかないことが多かったわけですね。なぜでしょう。

★それは気づいていても対応が遅れるということがあったからとされることが多いですね。ですから学校組織を隠ぺい体質からオープンに情報を共有できるようにしようという話が多かったですね。これは確かにそうなのです。とても大事なことです。

★ただ、この図の課題予防的生徒や困難課題対応的生徒は、どんなにオープンな組織にしたとしても、主体的・対話的で深い学びの環境をつくっていない環境が、実は生み出していたということが見過ごされているかもしれません。

★しかも、それは生徒が通っている学校だけの話ではなくて、世の中がずっと主体的・対話的で深い学びの環境をつくってこなかったために、大人もまたそのような生徒を生み出してしまう危険性をもってきた可能性があります。

★提要には、未然に防ぐ対応について、こう書いてあります。

課題早期発見対応では、課題の予兆行動が見られたり、問題行動のリスクが高まったりするなど、気になる一部の児童生徒を対象に、深刻な問題に発展しないように、初期の段階で諸課題を発見し、対応します。例えば、ある時期に成績が急落する、遅刻・早退・欠席が増える、身だしなみに変化が生じたりする児童生徒に対して、いじめや不登校、自殺などの深刻な事態に至らないように、早期に教育相談や家庭訪問などを行い、実態に応じて迅速に対応します。
特に、早期発見では、いじめアンケートのような質問紙に基づくスクリーニングテストや、SC やスクールソーシャルワーカー(以下「SSW」という。)を交えたスクリーニング会議によって気になる児童生徒を早期に見いだして、指導・援助につなげます。
また、早期対応では、主に、学級・ホームルーム担任が生徒指導主事等と協力して、機動的に課題解決を行う機動的連携型支援チームで対応することとなります。しかし、問題によっては、生徒指導主事や生徒指導担当、教育相談コーディネーター(教育相談担当主任等)や教育相談担当、学年主任、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、SC、SSW 等の教職員が協働して校内連携型支援チームを編成し、組織的なチーム支援によって早期に対応することが望まれます。

★これは基本的にはそうだと思います。しかし、予兆行動の前に見えない生徒の心のゆらぎを見つけるところが、もう一つ加われば最強だと思います。それには、一方通行的な授業ではなかなか見つけることができません。

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★では、主体的・対話的で深い学びの環境を創れば見つけられるかというと、実はそうではない場合もあります。むしろ、現状の主体的・対話的で深い学びは、スタイルとしてはペアワークやディスカッション、プレゼンテーションを行っているかもしれませんが、意外と主体的に生徒は行動していなかったり、対話も誘導的だったり、深さも問題の難しさだったり、一方通行より生徒の見えないゆらぎが見える確率はあがるかもしれませんが、なかなか。。。

★生徒が主体的になり、多様で複眼的な思考をしながら対話ができたり、難しいのではなく、本質的なところに目が向くような深い学びの環境を創ることはいかにしたら可能なのでしょうか?

★実はみえないゆらぎは、そういう環境ができない場合に生まれてきます。生まれてくるというより、教師が見ることができないマスクがかかってしまっているのです。

★そのことに気づくのが、本来の主体的・対話的で深い学びなのです。なんか堂々巡りですね。

★しかし、ここをなんとかする教師のマインドとスキルをトレーニングするチームが日大文理学部にあります。いずれご紹介したいと思いますが、このことに格闘してきたのが、キエルケゴールをルーツとする実存主義者、とくにウィトゲンシュタインだったりするのでしょう。またフッサールに代表される現象学派でしょう。しかし、なかなか乗り越えることができなかったわけです。結局はデューイの系譜に立ち戻るのかもしれません。いずれにしても、これらの人びとの発想だけではなく、もっと多くの発想をいかに統合するかが問われているのかもしれません。

★今のところ、ドネラ・メドウズーピーター・センゲの系譜に期待したいとは思っています。

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