PBL

2026年7月20日 (月)

私立中高一貫校は信頼される学校の存立基盤の質の時代に突入

★2030年に少子化の時代に本格的に突入するため、お受験から大学受験まで各学校は多様な戦略を打ち出してきています。中学受験もその例外ではなく、ここにきて目立っている戦略は、ブランドやプレミアムの水平展開です。カトリック学校がカトリック校でなくなるというケースもでてきました。MARCHクラスの大学の系属や系列になるというのもその水平戦略の典型です。

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★各学校がサバイバルするのに知恵を絞るということは、望ましいことであると同時に、結果的にもともとの建学の精神を守ってきた学校としてサバイバルできない学校もでてきます。受験生の保護者は、これまで以上に自分の目で説明会でしっかり観察していったり、情報を集めたりする必要があります。そのとき、今までとは違う学校の経営的な戦略を読み解くということもポイントになります。そこで、次のようにまとめてみてみました。参考になればと思います。

1. 学校を支える4つの要素

私立中高一貫校が「選ばれ続ける学校」であり続けるためには、まずは次の4つの要素が関わっています。

・ メンバーシップ(帰属意識とコミュニティ)
・ ブランディング(学校の独自性と社会からの評価)
・ プレミアム(選抜性や進学実績などの付加価値)
・ 知的誠実さ(インテグリティ)

ここでいちばん伝えたいのは、「メンバーシップ・ブランディング・プレミアムがどれだけ立派でも、知的誠実さがなければ、すべて土台から崩れてしまう」ということです。

◆メンバーシップと誠実さ
卒業生・在校生・保護者が共有する「誇り」や「一体感」がメンバーシップです。学校側が宣伝文句と実際の教育内容にズレなく向き合い、先生方が成績や属性で生徒を差別せず、一人ひとりの人間性を尊重して誠実に接することで、初めて強く健全な仲間意識が育ちます。

◆ブランディングと誠実さ
他校との違いを打ち出し、「この学校で学ばせたい」と思わせるためのイメージ戦略がブランディングです。ただし、実態の伴わない見栄えだけの発信は「誇大広告」にすぎません。学校が自校の強みだけでなく、改善すべき課題も含めて正直に発信することが、結果として長く続く本物の信頼につながります。

◆プレミアムと誠実さ
入試の難易度や高い進学実績、独自のカリキュラムといった「高い価値」がプレミアムです。進学実績や推薦枠の数字を実態以上に見せるような行為は、誠実さに反します。本当の意味でのプレミアムは、生徒の知的好奇心を偽りなく満たし、自分から学ぶ姿勢を育てているかどうかの上に、初めて成り立つものです。

◆知的誠実さが果たす役割
知的誠実さとは、事実をありのままに受け止め、自分の利益や見栄のためにごまかしをしない姿勢のことです。学校運営や教育の場でこうした「ごまかし」を排除することが、保護者や社会に対する説明責任を果たすことにつながります。また、先生が自分の間違いを認めたり、学問に真摯に向き合う姿を見せたりすること自体が、生徒にとって最高の倫理教育となり、学校の教育的価値を高めます。

2. 受験生の「やる気」との関係

4つの要素は、受験生の学習意欲(外的な刺激から、自分から学びたいという内的な動機への成長)を支えるエンジンとしても働きます。

◆ブランディング → 期待と憧れ
華やかなカリキュラムや社会的な評価は、「この学校の生徒になりたい」という入学前の強い憧れを生み、やる気の着火剤になります。

◆プレミアム → 自己効力感と競争心
高い進学実績や大学への内部推薦枠は、「努力が報われる環境にいる」という安心感を与えます。周囲と切磋琢磨する競争心が生まれる一方、確実な推薦枠があることで、目先の受験勉強にとらわれず、本当にやりたい研究や留学に挑戦する余裕も生まれます。

◆メンバーシップ → 心理的安全性と持続性
「この仲間と一緒なら頑張れる」という帰属意識は、やる気を長く支える「心の安全基地」になります。行き詰まったときに孤立せず、仲間と乗り越えようとする粘り強さが育ちます。

◆【最重要】知的誠実さとやる気
他の3つの要素がどれだけ優れていても、知的誠実さが欠けていると、生徒のやる気は一瞬で冷めてしまいます。偏差値の操作や見せかけの取り組みといった「ごまかし」に、多感な中高生はすぐに気づきます。「大人は口先だけで、結局は学校の実績のために利用されている」と感じた瞬間、やる気は「やらされる勉強」へと変わってしまいます。

反対に、先生が自分の過ちを認めたり、わからないことを一緒に調べたりする姿勢を見せる環境では、生徒も失敗を恐れずに挑戦できるようになります。これが、探究学習やPBL(課題解決型学習)における、もっとも大切なやる気の源泉です。

3. 4要素がかみ合ったときの生徒の姿

ブランディングに憧れて入学し、プレミアムな環境に刺激されて背伸びをし、メンバーシップ(最高の仲間)に支えられて安心して失敗し、知的誠実さ(嘘のない教育)に触れることで、損得抜きに学問を愛するようになる。これが、4つの要素がかみ合ったときに描かれる好循環です。

学校を選ぶ際は、パンフレットに並ぶ言葉(ブランド)だけでなく、「この学校の環境は、我が子の本気の学習意欲を本当に引き出してくれる誠実さがあるか」という視点を持つことが大切です。

4. 学校説明会・見学で「知的誠実さ」を見極めるチェックポイント

① 数字の出し方が具体的か
「難関大学合格者多数」のような曖昧な表現だけでなく、母数(卒業生全体の人数)や、実際にどのコースの生徒がその実績を出しているのかを、質問したときにきちんと答えてくれるかを確認してみてください。はぐらかされる場合は注意が必要です。

② 弱みや課題を語れるか
説明会や個別相談で「本校の課題は〜です」「まだ改善の途中です」と、良い面だけでなく正直に話す学校は、誠実さの現れといえます。良いことしか語らない学校には、少し警戒しておくとよいでしょう。

③ 先生の言葉に実感がこもっているか
パンフレット的な決まり文句ではなく、先生自身の言葉で、生徒とのエピソードや失敗談を話してくれるかどうかも一つの目安になります。

④ 在校生・卒業生の様子が「作られていない」か
文化祭や説明会での在校生の話しぶりが、台本通りではなく自然かどうかを見てみてください。生徒に直接質問したときの反応にも、その学校の空気が表れます。

⑤ 推薦枠やコース分けの説明に透明性があるか
指定校推薦や内部進学の条件を聞いたときに、条件や実態をぼかさずに説明してくれるかどうかも確認しておきたいポイントです。

5.それでもなお注意すべき点~5つ目の条件

それでもなお注意すべき点があるのです。それは学校の校長をはじめとする教職員の「言葉の選び方」です。言葉はどんなに巧んで選んでも、いつもの癖がでます。誠実に相手のことを配慮して使っているとしても、そうではないことがあります。コミュニケーション力の本来性は、人間の存在をどうとらえているかという考え方や感じ方、価値観と一致してしまうということです。

ここを見ぬけるかどうか?「哲学の目」が必要になるかもしれません。信頼される学校の存立基盤の条件の5つ目は「学校の中にあるコミュニケーションの質」です。これは、上記の図の中であえて表現しませんでした。4つの条件が発動しているときの内側で作用している質なので、見えないからです。

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2026年7月13日 (月)

学校説明会で、その学校の対話の質がわかる

★AI世界は、AIに代替されない自分の独自の発想や提案を思考し、判断し、最終的には解決のシステムや技術を実装する能力が必要です。このような人材のレベルを落合陽一さんは、クリエイティブ・クラスと言っています。では、どのような環境から、そのクラスは生まれるのでしょう。今では、グローバル教育もSTEAM教育も、多くの私立中高一貫校は行っています。しかし、必ずしもそのような学校すべてからクリエイティブ・クラスの創造的才能者がたくさん生まれるとは限りません。それはなぜ?

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★その秘密は、対話の質にあります。対話はミクロがゆえに外から見ているとなかなかわかりにくいので、どんな教育環境デザインをしているかというカタチを比較することで、学校選びをしたくなります。もちちろん、第1段階はそれでよいのです。

★第2段階は、その環境がどんな成果を生み出すかです。これも外から見ていてわかります。

★しかし、その成果がクリエイティブなものはそんなに多くないので、クリエいティブ・クラスが生まれる可能性の多寡は実はなかなかわかりません。

★では、どうするのか?

★それは学校説明会の時に、教師がどういう言葉を使っているかで、わかる場合が、意外と多いのです。

★教師が、生徒の選択判断について語るときに、面倒見がいいとはどこの学校でも語るのでしょう。

★しかも、コーチングだとかファシリテーションだとか、生徒と伴走するという話もよくするでしょう。

★しかし、問題は、その伴走の時の対話のスキームなのです。

★教えるとか教えないとかという表現もありますが、それは程度問題なので、惑わされないようにします。

★実は、丁寧にでもマイクロアグレッションという気づきにくいネガティブなフレーミングを語っている場合があります。

★これが、多くの生徒に自己肯定感やモチベーションを高められないもやっとした壁を感じさせます。先生は丁寧に君はこの点ができないから、こっちを選びなさいというのは、丁寧だし、その生徒のことを思っているけれど、どこか違います。

★こういう点が強みなのだから、ここを活かすとしたら?そして生徒が選択判断をしたら、そのときそれを実現するために、強みと弱みを、一緒にリフレクションしようと。自分で選択した目標を実現するために、強みをもっと活かし、弱みを強化するリフレーミングを生徒と共に作っていく対話をする先生をたくさん知っています。本ブログでも紹介している先生方はまさにそうです。

★そのような先生は、学校説明会でも同じです。ポジティブなフレーミングを設定し、それに対しネガティブな状況が生まれれば、それを書き直すリフレーミングの対話をしていきます。

★大事なことは、やがて、生徒自身がポジティブなフレーミングをしたり、自分でリフレーミングをできるようになっていくことです。このような生徒自身の成長物語を書き換えながら作っていく能力こそクリエイティブ・クラスの力であり、このような対話ができるチーム教師こそが、クリエイティブ・クラスが生まれるマインドの泉なのです。

 

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2026年7月 8日 (水)

工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校

工学院大学附属中学校・高等学校(以下「工学院」)といえば、今やグローバル教育とSTEAM教育の最先端校というイメージが思い浮かびます。もちろん、その通りなのですが、本当はハワード・ガードナー教授の「多重知能理論(Multiple Intelligences)」をベースにした創造的才能者が生まれる、つまりクリエイティブクラスがどんどん生まれる学校なのです。

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★その多重知能とは、知能は一つの物差しでは測れず、論理数学的知能や言語的知能、身体運動的知能、対人的知能など、複数の独立した知能から成り立っているという理論です。この多重知能理論を土台として、ガードナー教授は創造性についても独自の考えを展開しています。

★その考えの中で、まさにこれぞ工学院のクリエイティブクラス育成のコンセプトだと思えるのは、<創造性は「超天才」だけのものではない>という言葉です。なるほど、同校の教育理念は「挑戦・創造・貢献」なのですが、その創造の意味は、一部の突出した天才だけが持つ特別な才能ではなく、誰にでも発揮できる可能性があるものだというガードナー教授の考え方に重なります。

★生徒中心主義の学校ですから、たとえある知能が平凡であっても、別の知能で高い創造性を発揮することを大いにサポートする教師がたくさんいます。先生方は、一つの知能だけで人の創造性を測ることはできないと考え行動しています。

★また、多様な多角的な経験プログラムが豊富です。ですから、いくつかの「そこそこ高い」知能を掛け合わせることで、独自の創造性を生み出せる機会が山ほどあります。単独では突出していなくても、複数の知能を組み合わせることで、他の誰も思いつかなかったユニークなアプローチが生まれます。この生徒たちのユニークな活動が、工学院のサイトには満ちています。

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★そして、ここが肝心なところですが、ガードナー教授は、創造性は「才能(知能)」「取り組む分野(ドメイン)」「それを評価する社会(フィールド)」の3つがうまく噛み合ったときに生まれると説いています。どれだけ優れた才能があっても、それを活かせる分野や、評価してくれる環境がなければ、創造性として発揮しにくいということです。ところが、工学院にはそれらがあるのです。

★私立中学に進学する生徒は、偏差値にかかわりなく、自分の才能を持っています。その才能を発揮できる教育活動が多様に生み出されているかがまず大事です。工学院はその活動が各学年本当に豊富です。同校の毎日のように更新されるブログを観れば、それは明らかです。そして、それを評価してくれる環境は、いろいろなイベントがあるたびにプレゼンテーションの機会が学内を満たしているし、学外でも活躍する機会を先生方は探しまくります。ラウンドスクエアの国際会議や高2が全員参加するグローバルプロジェクトなどは最高最大のものでしょう。

★教頭の田中歩先生は、このクリエイティブクラスがどんどん生まれる工学院の教育のクオリティや生徒に対する愛深き教師陣の存在を支持してくれる受験生の保護者が増えてきていると手ごたえを感じています。実際、学校説明会で語る田中歩先生の生徒中心主義の教育に感動したと中学受験生の保護者から私もメールを頂いたほどです。新しい私立中高一貫校のブランドが八王子の地に生まれ広がり始めています。その評判は新宿までは確実に届いています。

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2026年6月22日 (月)

富士見丘 超私学の理由

富士見丘の2026年度大学入試 合格実績も凄まじい。まず驚きなのは、アイビー・リーグの一角であるコロンビア大学(THE世界大学ランキング第20位)に合格していることです。しかも、奨学金も取得しているということです。University of the Pacificにも合格しています。同大学は、世界大学ランキングでは目立たないのですが、全米の大学の中では極めて評価が高いのです。

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(多様なグローバル探究の教育環境がある中で、中1~高2まで「自主研究」が日々行われています。この個人の研究の持続力が富士見丘の生徒1人ひとりの智慧を迫力あるものにしています)

★2026年春の卒業生139名のうち、国公立・早慶上理・GMARCHの合格者数は83名です。中でも上智大学は19名です。この83名は、どの生徒も高度な英語力を持ち、中1のころから5×2という「自主研究」を継続しています。平日5日間の通常授業からの「学び」と週末(土・日)2日間の自らの「研究」の相乗効果を期待して、「5×2」(ゴカケルニ)と名付けています。それぞれの興味・関心を掘り下げることを通じて「探究」の面白さに気づき、自身のオリジナリティを発見する好奇心駆動型の学びが、生徒1人ひとりにしっかり根付いています。

★昼休みや放課後は、この研究について先生方と対話や議論をしています。ある意味、イギリスの大学のチューターリング方式が広がっていると言えます。

★この土台の上に、デザイン思考によるグローバル基礎やグローバル演習、模擬国連などの多様なグローバルな探究活動が行われています。

★また、国語の小論文指導や英語のエッセイライティングのきめ細かい指導は、バイリンガル型の論理的思考、批判的思考、創造的思考の基盤を形成しています。

★このように、一条校でありながら、オールイングリッシュの授業やグローバルプログラムが広がり、チューター型の対話と議論によってバイリンガル型の論理的思考・批判的思考・創造的思考が定着していく教育環境があります。

★もはや日本の高校を超えている教育環境であると同時に大学レベルのチューター型の教育がなされているのです。

★したがって、先の83名が海外大学に挑戦するなら、多くの生徒が海外大学に合格するでしょう。つまり、60%以上の生徒が世界大学で高い評価を受けている海外大学に合格する能力が育っていると言えます。まさに超私学です。

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2026年6月 5日 (金)

G5(超私学5校) 工学院の場合

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★G5は中学受験市場においては、御三家のようなポジショニングブランディングを大手塾や予備校が作ったものとは違い、自らがグルーピングブランディングを創出し、受験生や保護者、塾、予備校に共感を勝ち取る戦略をとっているのです。

★G5の5つの学校は、教師同士が生徒の世界標準の学びについて研究し合い、そのうえで独自の教育環境をデザインしています。ベースは学び合いますが、それぞれの学校の入試にチャレンジしてくる生徒の価値志向性が違うので、生徒中心主義が原則ですから、当然教育の環境デザインは異なってきます。

★論より証拠、工学院の場合の5つの条件をみていきましょう。

➊生徒:論理的思考×批判的思考×創造的思考
 普段の授業がすべてIBL(Inquiry Based Learning)で、探究論文や様々な高大連携や海外研修などはPBLスタイルになっています。この学びの特徴は、知識を使う際に、論理的思考のみならず、批判的思考や創造的思考を使える環境になっているということです。
 しかも、ケンブリッジインターナショナルスクールと提携していますから、オックスブリッジの学びがベースです。この学びは論理的思考×批判的思考×創造的思考を身につけるプログラムシステムになっているので、工学院のすべての生徒がこの学びの環境にどっぷり浸っているのです。

➋生徒:コアループの学びを生徒自身がアップデートし続けるリフレクション力(キラーコンピテンシー)
 IBLやPBLは学びの作法として外的なプロセスであると同時に、その学び全体がコアループとして生徒自身の内的な学びのエンジンになっているわけです。外的なプロセスをたどっているうちは主体的な学びにはなっていません。学び全体をリフレクションしながら思考や発想を深め判断の材料を自分のリソースとして内面に蓄電していく必要があります。このリフレクションの座標軸が工学院の思考コードで、ルーブリックとしても使いますが、コアループのパフォーマンスを高める羅針盤です。

❸教師:海外大学合格潜在能力の生成教育環境デザイン力
 海外大学に行くには、当然CEFR基準でB2以上の英語力を身につけられるファシリテーションとコーチングを行える教師が潤沢にいます。そして、英文学や哲学などリベラルアーツも学ぶ環境をデザインする教師もいます。ケンブリッジのAレベルのプログラムがない日本のプログラムだけだと、この力は生徒全員に機会が開かれていないのですが、工学院は、全員に開かれているのです。インターナショナルコースの生徒だけがケンブリッジ国際教育の恩恵に浴しているのではないというフラットでフリーでフレンドシップな学びの環境が在校生全員に開かれているというのは日本の1条項では希少価値です。

➍教師:倫理的経営能力×創造的才能開発授業デザイン力(キラーコンピテンシー)
 ポジショニングブランディングという勝ち組負け組という市場競争を目的にするのではなく、学びの自由を保障する市場の倫理感覚をもった教師が工学院の特徴です。ですから、ポジショニングブランド戦略というレッドオーシャンでしのぎを削るのではなく、ブルーオーシャンとなる1人ひとりの才能を開発する学びの新市場を創出する能力を教師は持っています。中学入試が、2科、4科、1科目、英語入試だけ、思考力入試などバラエティに富んだ入試を行っています。英語だけが得意だという生徒が入って来て、中高の教育において困るということはないのです。なぜならコアループを生徒が内面で回せるようになるからです。
 生徒の脳神経の中では、国語の領域、数学の領域、英語の領域など別々になっていません。そのような多様な知的体験や非認知体験などすべて生徒自身が引き受けながら融合していくコアループの学びのエンジンがあるので、得意な教科やスキルを他の科目や体験にトランスフォーム(転移)していくことができるのですから。

❺組織:不易流行×世界制作×貢献のミッションをパッションとイノベーションで実現(キラーコンテンツ)
 工学院は、私立の工学大学のルーツです。イギリスの建築工学やデザイン工学に初めから出会っているのです。その分岐点を不易として時代に合わせて変化してきたのです。工学とは、日常を世界標準の生活体験に結びつける学問です。工学院の根っこには常に世界制作の感覚が文化遺伝子として引き継がれているのです。そして、それはまたウェルビーイングな生活世界をデザインする、つまり社会貢献型の学問なのです。

★このような学校は、公立学校では構築しようがないし、私立学校でも希少価値です。超私学と呼ぶに価する学校です。

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2026年6月 4日 (木)

超私学5校=G5 まだまだ知られていない教育の本質とその実践的魅力と生徒の未来

★以前「超私学5校=G5:首都圏中学受験の市場に新たなグループ現れる」についてメモしました。そのあと、中学受験市場が御三家を頂点とする偏差値階層構造から、多くのグループが登場して相対的にフラット化してきたと述べました。それが2027年いよいよ明快になってきます。その多くのグループの中で「超私学5校=G5」については、まだまだ知られていない教育の本質と実践的魅力と生徒の未来があります。

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★そのことについて、1校ずつ述べていこうと思います。そのG5とは五十音順にならべると、次の通りです。

工学院

富士見丘

文化学園大学杉並

八雲

和洋九段女子

★このG5の特徴は、国語とか数学とか社会とか理科とか英語などの教科は五感ではばらばらの教科ですが、生徒1人ひとりの脳神経身体全体に取り込んだ段階では融合される学びになっているという点が決定的に違うのです。

★脳神経の世界に、国語の領域、数学の領域、英語の領域・・・などと区分されているわけではないのは、少し考えるとわかります。しかし、このことはあまり意識されることはありません。

★教科だけではなく、五感から脳神経身体全体に取り込む体験が、思考や判断、表現のリソースとして融合態になっているのです。

★ものすごい内的エネルギーを生み出す最高の学び方を生徒は、教師のプロデュースする教育環境の中で生徒自身がマネジメントしていくのです。これこそ、教育の本質でありその実践的魅力は感動を日々生み出しています。そして、そこに生徒は自分の未来をつくり始めているのです。

★中学受験市場における各グループが様々なブランド戦略のゲーム(経済でいうゲーム)を繰り広げている中で、G5のブランドアクティビズムを観ていきましょう。

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2026年6月 3日 (水)

八雲学園の生徒とイエール大学の学生が共に作るコンサート 質があがる秘密

★昨日、めぐろパーシモンホールで、八雲学園の生徒とイエール大学の学生がいっしょにコンサートを開催しました。大ホールには、全校生徒と保護者が集まり、会場が一つになるすてきなコンサートとなりました。

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★イエール大学のアカペラグループの歌と八雲のグリー部(ミュージカル部)と声楽部の共演もあり、歌声と英語がホールいっぱいに広がりました。

★今年は、声楽部とイエールの学生とのコーラスの指揮は、吹奏楽部の一員が指揮をしてホール全体に歌声を響かせました。

★グリー部は、イエール大学の学生とオリジナルのディスニーメドレーをつくり、歌い上げました。

★司会は高3の女子生徒と男子生徒で、アドリブも交えながら見事なパフォーマンスを表現しました。前日、二人はシナリオを長い時間かけて考えていました。どのタイミングでイエール大学の学生に質問をして、場を盛り上げるのかなど話し合っていました。

★当日は、そのシナリオに沿ってコンサートを展開させていったのですが、イエールの学生がどう回答するかまでは決まっていないので、当然アドリブのやり取りが英語で行われます。ユーモアがあふれ、ホール全体がパッと笑顔と拍手で包まれました。

★八雲学園は最近帰国生入試も始めていますが、これまでは、基本帰国生入試はしてこなかったのです。にもかかかわらず、日本語より英語が得意という生徒も現れています。いかに八雲学園のグローバルな環境の中での英語教育が充実しているかがわかります。

★今年ペンシルベニア州立大学に進学した生徒に、UCサンタバーバラでの、3か月の英語の学びは、自分の英語力を覚醒させたと言わしめています。彼は、スピーチやエッセイは得意ですが、実はUCサンタバーバラの教授陣が教える文法の学びは実はとても大切で、自分の英語観を大きく変えたと語っていたそうです。

★海外大学に進むには、本物の英語の文法(たぶん日本の英語教育の英文法とは違う)に触れる必要があるということでしょう。

★これからは、八雲学園には、帰国生もますます増えます。ラウンドスクエアからの交換留学生も増えます(今回もスコットランド、ドイツ、コロンビアから交換留学生が来ていました)。八雲生が海外で学ぶ機会も増えます。

★スピーチ、ディスカッション、エッセイライティング、リーディングのベースになる本物の文法学(おそらく言語のルールの認識や発見の学び=リベラルアーツ)を学ぶ機会があることが、ますます強みとなるでしょう。

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2026年6月 1日 (月)

超私学5校=G5:首都圏中学受験の市場に新たなグループ現れる

★首都圏の中学受験市場には、御三家とか新御三家などの老舗のグルーピングがあります。これらは、国語、算数、社会、理科という受験科目の中での分け方です。しかし、2015年から新タイプ入試が開発され、英語入試もトレンドにねってきている新たな中学受験市場では、「超私学5校=G5」が突出してきました。

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★国語、算数、社会、理科の偏差値では測定できていない創造的思考力など、生徒1人ひとりの才能を開花し、その才能を自分で広げ深めていく自分だけの最高の学び方をそれぞれの生徒がゲットしていける学校が現れたのです。

★4教科の偏差値は50前後なのに、世界大学ランキング100位内の海外大学には合格してしまう。

★卒業時にはそのような成果が生まれています。もちろん、国内難関大学にも合格しています。もっとも、生徒は大学に入ることが目的ではなく、自分の探究や研究ができる最高の環境を求めているだけなのです。

★共学校が3校、女子校が2校あります。G5の条件は次の通りです。もちろん、このG5というグルーピングは、中学受験市場の枠内での話で、私学教育全般のお話ではありません。教育市場でもなく、あくまでも中学受験市場という限定付きです。「御三家」「新御三家」もそれ以上でもそれ以下でもないのですが、受験市場以外の領域でもそんpグルーピングはブランド価値を持ってしまっています。市場のメカニズムのなせるわざです。。。。ともあれ、

【 超私学の5つの条件】

➊生徒:論理的思考×批判的思考×創造的思考

➋生徒:コアループの学びを生徒自身がアップデートし続けるリフレクション力(キラーコンピテンシー)

❸教師:海外大学合格潜在能力の生成教育環境デザイン力

➍教師:倫理的経営能力×創造的才能開発授業デザイン力(キラーコンピテンシー)

❺組織:不易流行×世界制作×貢献のミッションをパッションとイノベーションで実現(キラーコンテンツ)

※倫理的経営能力とは、偏差値などの高学歴を支持する能力主義的発想で経営企画を立てたり、生徒を集めれば何でもありのリバタリアン的企画を立てたりせずに、生徒1人ひとりの才能を生み出す環境をデザインして生徒の未来に貢献する経営能力を磨けることを意味する。

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2026年5月26日 (火)

クルト・ハーンの文化遺伝子(2)八雲学園 ラウンドスクエアとイエール大学

★八雲学園は、ラウンドスクエア(ROUND SQUARE;以降「RS])に加盟しています。RSは世界60カ国180校からなる私立学校連盟で、I.D.E.A.L.S.という理念に基づいた交流プログラムや交換留学プログラム、そして年次国際会議などを中心としたグローバルな活動が実施されています。八雲学園は、いずれの交流も活発に行われています。

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(Gordonstounのサイトから、キャンパスの一部)

★このRSこそ、クルート・ハーンが設立した連盟体です。そして、ハーンがそのモデル校として設立したのがゴードンストウンスクールです。RSの交換留学の一環として、今八雲の生徒が同校に留学しています。

★また、6月にはイエール大学のアカペラグループが訪れ、八雲の生徒と国際音楽交流をします。もう10年以上続いています。イエール大学は直接クルト・ハーンと関係があるわけではないのですが、オックスブリッジの影響を受けて創立された大学です。根っこはクルト・ハーンと共通する教育理念があります。

★八雲学園は、このようなクルト・ハーンの文化遺伝子を受け入れながら、独自の私立学校教育をアップデート(伝統と革新の統合)し続けています。

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2026年5月11日 (月)

グローバル教育が目標ではなく土台となっている学校が増えつつある

★今年になって、多くの私学の先生方と対話をしていて、知らず知らずのうちにグローバル教育の学校における位置づけが変わってきているのに気づきました。グローバル教育を目標として掲げ教育デザインを行ってきた学校が、今やグローバル教育はその学校の土台になっているのです。英語教育の一環ではなく、新しいリベラルアーツの一環としてのグローバル教育の土壌ができているのです。

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★この土壌に、多様なプロジェクトが林立する構造になっています。そして、この新しいリベラルアーツとしてのグローバル教育の土壌のないところでプロジェクトや探究を行っても根付かない可能性が高いのではないのかという問いが今や私の中で生まれています。ですから、そのような土壌をつくらない学校は、東大、医学部にしっかりと進学させる土壌があれば、全くそれでよく、その土壌にプロジェクトや探究を構築していく必要はないのではないかと感じています。

★したがって、保護者も新しいリベラルアーツとしてのグローバル教育の土壌のある学校と東大・医学部にしっかり進学させる土壌のある学校とどちらを選択するか、まず思いめぐらしてみるとよいのではないかと思います。たんに海外大学に進学したいというのであれば、東大・医学部にしっかりいれている学校でも十分に対応できます。この2つのグループが今東京の私立学校のそれぞれの価値志向性の特徴になってきたかもしれません。

★上の図をGoogleNotebookLMで描いてもらうために、書いた気づきの文を以下に紹介します。

 グローバル教育はリベラルアーツがベースになるため、グローバル教育が土台の学校は、その上にミニプロジェクト型の授業=IBL(Inquiry based Learning)や本格的な3か月、半年、1年、2年など長期にわたるプロジェクト型の探究を行うことになる。

2011年から2020年ごろまでは、グローバル教育を構築することが目的だった学校が、それが土台として定着することによって、グローバル教育構築の過程で行ってきた対話型中心の授業が、IBLやPBLとしての授業に進化し、多様なプロジェクトが立ち上がるようになっている。

デザイン思考やアート思考、システム思考、ソーシャル・エモーショナル・ラーニングなど多様なメソッドを使いながら生徒1人ひとりの才能を生かした共創を生み出すプロジェクトが多くの領域、分野など学際的に展開している。中にはスタートアップにつながるアントレプレナーシッププロジェクトを地域社会と実践するに至るものまで登場してきた。

このプロジェクト学習は、大学の学部段階でも行っているレベルのものも出てきている。

そのため、生徒は自分の好奇心を深堀し、新しい問いを発見して、探究を深め、問題解決の提案や具体的なイノベーティブなプロダクトのプロトタイプまで作るようになり、その学びのプロセスとそのプロセスが大学でさらにどのように発展し、最終的にどのように社会に貢献するか、自身の考え方や感じ方、ものの見方を言語化できるよいうになっている。

さらに、そのアイデアが、限られた資源を有効に活用し、学問の領域を越境して役に立つ柔軟性や適応性を有する可能性を見出している。

そのような自分のものの見方・考え方・感じ方の座標軸を言語化することができるため、その座標軸を海外大学にも合格していく学びのパスポートとして活用することができる。キャリアデザインの幅が大きく広がってもいる。

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