聖パウロ学園

2025年12月16日 (火)

縄文式土器と弥生式土器と生成AI

★昨日聖パウロ学園の情報と国語の教諭高橋先生と生成AIの効率性だけではなく、本質を回復する可能性について立ち話をしました。生成AIに限らず、道具の実用性と意味性は古典的な問題ですが、この背景には、機械などの道具が、近代社会の影の増幅装置という側面ばかりが強調されてきた経緯があります。生成AIもその延長上で語られることが多いのですが、高橋先生は生徒と美学的な使い方をしているので、このようなゴーレム的な発想は生徒と共有していません。

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★家路に向かう電車の中で、生成AIに問いかけながら、最終的に縄文式土器と弥生式土器の違いのアナロジーを生成AIに活用するとどうなるのか問うてみました。ちょこちょこ対話しながら、最終的には、生成AIは、次のような文章にまとめてきました。それをGooglenotebookLMに一枚の絵にしてもらったのが上記の図です。文章もそうですが、生成AIはどうしてもわかりやすい二項対立の構図にしてきます。

「縄文式土器と弥生式土器の違いは、日本文明の進歩を象徴しています。縄文式土器は厚手で装飾性が高く、狩猟採集社会の精神性や自然との交感を体現した「本質的存在」でした。一方、弥生式土器は薄手で高温焼成され、壺や甕など用途別に分化し、食料の保存や調理に適した「効率性」を追求しました。これにより農耕社会が成立し、人口増加や定住化、階層社会の形成が進み、文明の基盤が整えられました。つまり、縄文土器は文化の象徴としての存在意義を示し、弥生土器は効率的な生産と分配を可能にする道具として文明を前進させたのです。このアナロジーを現代に重ねると、生成AIは弥生土器のように効率性を高める技術であると同時に、縄文的な人間の本来性を回復する可能性を秘めています。具体的には、①失われた自然観や伝統知を再構築し人々に提示する、②人間と協働して詩や物語など共同創造を促す、③効率化だけでなく精神性や意味を問い直す場を提供する、といった方法です。したがって生成AIは、効率と本質を統合し、文化と文明を同時に進歩させる新しい「器」として位置づけられるのです。」 

★正ー反ー合というダイアローグ(弁証法)的な流れを作ってきますが、どのように融合するのかどうも言葉だけにおわりがちです。プロンプトをどのようにせっていすべきか?それとも、そこは人間が考えるということなのか?

★いずれにしても、今度また高橋先生と立ち話をしなくてはと。。。

★ああ、それから、縄文文化が本質的という設定はもう少し考えなくてはと思うのですが。。。

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2025年6月14日 (土)

通信制高校をめぐる状況 個別最適化と協働的学びの一体化や主体的・対話的で深い学びの設定をメタ認知するサインを送っている

★次期学習指導要領に向けて通信制を巡る状況について整理をしようという動きがあります。このことはこれからの日本の教育の在り方を考えるうえでとても重要です。学習指導要領では、個別最適化と協働的学びの一体化や主体的・対話的で深い学びが推進されていますが、よくよく考えるとすべての生徒が学ぶ枠組みが学習指導要領という同じもので、個別最適化を行うことや、与えられた教材で主体的であれとか、検定教科書で限られたコンテンツを設定していながら、それを超えて深い学びを行いなさいとは、ミニマムの基準を示したものであるといいながら、なかなかの矛盾でもあります。

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★通信制に通う子供たちは、発達障害や自閉症の側面から語られることが多いのですが、私自身は、ハワード・ガードナー博士の多重知能の理論で理解しようと試みてきました。多重知能は8つに分かれていますが、博士自身そのカテゴライズは迷っていたわけです。

★ですから、この8つの知能が必ずしも正解ではないと思っています。

★全日制高校に通う多くの子どもは、この8つの知能のどれもが優れているというわけでもなくどれも極端に不得意だというわけでもない生徒が多いのです。それを前提にしながら、その平均的な段階からどれか1つか2つ自分の得意な才能を開花するのが中高時代の学びの経験の重要なポイントです。これに応じて、進路も決まっていくというわけです。

★中には、その一つがぶっちぎり優れているいわゆるギフテッドがいます。万能者というギフテッドもいます。後者は全日制の中でいわゆる優等生として認められることが多いでしょう。前者は、全日制ではあまり居心地が良くないという生徒もいます。そういう生徒は通信制高校に通うことが確かにあります。しかし、このタイプの通信制高校生はそれほど多くはないでしょう。にもかかわらず、通信制を巡る話は、このタイプの生徒を想定しているかのような議論が多いのです。

★しかし、実態は、8つのの能力のほとんどがうまく表現されていない生徒が多いのです。その原因はいろいろあります。その原因のいくつかが発達障害とか自閉症とかパーソナリティー障害という身体現象として現れてきますが、これは本当の原因ではないのではないかと私は仮説を立てています。

★というのも、学習指導要領が設定した枠組みからはみ出ているだけで、設定外の才能はある可能性があるのです。多重知能なのですから8つではなく100であってもよいのです。

★ただ、現状それが見つかっていないだけだというのが私の仮説です。

★私が理事として経営をサポートしている学校も通信制コースを持っています。そこで奮闘している先生方は、学習指導要領で設定された学力の個別最適化もサポートしますが、フッサールの現象学的な哲学の研修を日大文理の先生方に定期的に受けながら、学力というものや才能というものや性格というものなどを現象学的還元をしながら、世の中ではなかなか認められていない生徒独自の才能を見出すサポートをしています。

★制度上週に3日通学するとか、オンラインで行うとかありますが、それはそれぞれの生徒の全日制の生徒のようにはいかない身体的・心理的な状況に合わせてカリキュラムの時空も個別最適化し、さらにその生徒の持っている才能を発見する個別最適化もサポートしています。

★次期学習指導要領に向けていくら審議がなされても、ミニマムのカリキュラムコンテンツを前提にしていると、まったく見えないものが現場にはあることを見落としてしまう可能性があるのです。

★ギフテッドと2Eギフテッド以外にもまだ見ぬ才能者であるギフテッドというのが、本当は全日も通信も関係なく全員の生徒が当てはまるのです。ただ、全日制は、身体的にも精神的にも人間関係的にも、今の学習指導要領が設定している時空で生活することが困難ではないということだけなのです。もちろん、収まりながら個々には微妙な違和感があるわけですが、そこは自己調整機能が働いているわけです。

★ところが、ギフテッドや2Eギフテッドや発達障害という状況にある生徒は学習指導要領が前提とする時空に収まることができないのです。しかし、それは学習指導要領の設定自体に問題があるという見方をするほうがよいでしょう。プロクルーステースの神話を思い浮かべなさいというメタ認知を示唆しているのが通信制を巡る状況でしょう。

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2025年6月12日 (木)

聖パウロ学園の20%ルール授業 目からウロコ!

★聖パウロ学園は本当に小規模校。1学年の定員が80名で、全学年の生徒は240名。各学年3クラス体制だから、1クラス30名いかないわけです。東京ドーム5個分の広いパウロの森の中にキャンパスはあるし、馬術部もあります。米国では、このような私立学校は学費年間1000万円のエスタブリッシュスクールです。日本では、東大の数で学校の格付けランキングがあり、そんなすてきな学園であることは気づかれない密やかな学校です。

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★しかも高校無償化です。学校説明会に来た時に、知らなかったあ!見つけたあ!生徒が愛されてる~!と目からウロコなのです。この目からウロコは聖パウロが体験したときに生まれた言葉ですから、この感動体験を聖パウロ学園の先生方は大切にしています。

★20%ルールの授業も目からウロコです。たいていは、授業と探究をtなぎ、授業から探究に広がっていくというイメージでしょう。しかし、聖パウロは、探究で広がり、授業で深まっていくというつながり方なのです。その深まりの駆動力が授業の20%ギミックにあるのです。

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★この20%ギミックは、先生によって様々です。ですから分かち合い、共通部分と差分に気づき和集合にしていきます。そのような先生同士の分かち合い対話から新しいギミックが生まれてくる、まさに目からウロコ体験の研修を先生方は内製・内省しています。

★外部の講師も招きますが、ベースは内製・内省です。先生同士が互いにアップデートしていく学習する組織が日々バージョンアップしています。

★先日も最終的に8人の先生方(小さな学校なので、専任の先生方の40%が合間を調整して集合。校外学習に出かけている先生方もいるので、これだけ集合するのは熱が半端ないですね)が集まって、一色先生の講義とあとは分かち合い。生成AIを交えてメタローグもして、フィナーレは明日の授業のイメージをそれぞれが5分くらいで一気呵成に考えてシェアしていくという研修をやっていました。

★小島校長が研修環境をデザインするその技術は、森の教室を運営するときと同じです。教務部長であり数学科主任でもある松本先生が、数学的に20%ルール授業の解説をしたりして、フラットな対話は心地よかったですね。私も同校の理事なので、いっしょに交えてた楽しませてもらいました。

★世の中、何が起こるかわかりません。学校のシンプルな究極の役割は、言うまでもなく授業です。生徒一人ひとりの知の軸をデザインするのは、多様な教科のコンセプトが和集合になった時です。松本先生の集合論と社会や自然の現象を結びつける数学的思考が興味深かったですね。

★インタレストの語源は、inter-esseだそうです。相互にかかわることという本質的な存在の原点です。何せ、カトリックにおいて、愛の反対語は無関心ですから。探究で好奇心や興味を大事にし、それを発展させるのは20%ルール授業。探究だけで自己完結するのでも、授業だけで自己完結するのでもなく、探究と授業のinter-esse。

★パウロの先生方のミッション、ビジョン、パッション、イノベーション、トランスフォーメーション。希望です。

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聖パウロ学園 森の教室と探究と20%ルールの授業の希望

★聖パウロ学園高等学校は、中学時代自らの才能に気づかないまま、自分が変わりたいと思って入学してくる生徒がほとんどです。好奇心や自分のやりたいこと、自ら問いを創ることなどまだ覚醒していない生徒です。カトリック学校は、すべての生徒に賜物(タラント)があると確信しています。

★ですから、そのような生徒が、わずか3年間で互いに協力して自分物語を描いて自分の才能に気づいたり開発したりして卒業していきます。物語というのは、葛藤や壁、境界線をどう乗り越えていくか感情を震わせながらも、友情を育みながら高みに上っていきます。もちろん、人生のゴールへの道は、卒業してからまだまだ長いでしょう。

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★しかし、その紆余曲折の悲喜こもごもを互いに愛し愛される関係性の中でアップデートさせていく感動は、何にも代えがたい永遠の瞬間です。カトリック校であるパウロにとって、その瞬間は祝福される時間です。

★この体験をパウロの森の教室で学ぶ中で、静かな木々の葉音や風の音や鳥の鳴き声に包まれながら、同時にwifiの飛ぶ中で、デジタルネイチャーの時空を思索の中で広げていきます。

★自然の中の自分、そしてチーム、この幸せや希望は、しかし、森の向こうの世界では、果たされていない悲しみに転じます。この落差やギャップが、生徒の内面にゆらぎを引き起こします。問いが生まれる瞬間です。

★探究ゼミの意義の響きが内側で鳴り始めます。

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★そして、その意義と問いの連鎖を持続可能にする技術や概念の創出を教科の授業でさらに柔らかく剛よくトレーニングしていきます。知のコーチングとセルフトレーニング。パウロのこの授業を先生方は20%ルール授業と呼んでいます。

★最低でも20%は自らが問うゆらぎの響きに耳を傾ける思索の時間を設定します。それは自らの思索の時間ですから、画一的にゴールを設定するわけではないのです。あるときは、教師のイメージするゴールを軽快に超えていくときもあります。パウロChatGPTというAIツールを活用すると、教師も生徒も思ってもいない概念の結びつきを発見するときがあるからです。

★生成AIに回答を問うのではなく、自らの思索をメタローグする使い方をするのが20%ルールの授業の面目躍如なのかもしれません。メタローグ(メタ対話)。聖パウロ学園の教師と生徒と生成AIの対話の生み出す世界の広がりの果てから発想が響いてくるのです。

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2025年5月25日 (日)

聖パウロ学園 グローバル×探究(PBL)×生成AI×パウロの森

★昨日聖パウロ学園では、理事会がありました。その中で、本日の京王プラザホテル八王子で行われた東京私立中高第11支部合同相談会にパウロも参加しているので、パウロの先生方の活躍ぶりを見て欲しいと小島校長に誘われました。東京私立中学高等学校協会の11支部が主催しているということもあり、仲間の学校の様子も見学しようと訪れました。何せ東京と言っても23区と多摩エリアでは、立地や生徒の数、帰国生の数など違いがあります。その難局を11支部の学校がこのように協力して説明会を行うことはとてもすばらしいことです。善い意味で競争的共在をしていき、各学校が輝きながら、多摩エリアを教育中心都市にしていくことがグローカルな時代に必要なソフトパワーを生み出す重要な使命でしょう。

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(若き聖パウロ学園の教頭大久保先生。広報部長でもあり、校長小島先生と共に東京私学教育研究所でもリサーチしています。)

★そんなわけで、聖パウロ学園の理事でもあって東京私学教育研究所の所員でもある私は訪れることにしたのですが、百聞は一見に如かずでした。11支部全体が盛り上がっていました。知り合いの仲間の先生もたくさんいて、それぞれの学校ブースで柔らかい情熱をもって受験生・保護者と対話していました。その良い雰囲気が全体を包んでいました。

★聖パウロ学園も広報部長大久保教頭のチームが、心理的安全を生み出すパウロの教育のベースである柔らかい対話をしていました。パウロのメンバーは若々しく言語能力というコンピテンシーも豊かでした。受験生・保護者の対応をしているので、瞬間的にしか対話できませんでしたが、小島校長もそこにはいて、一瞬にして教育の軸づくりのワークショップをやろうと盛り上がりました。

★パウロは、東京ドーム5個分の学校森「パウロの森」を所有しています。その中に野球部や馬術部もあり、特徴的なキャンパスです。小島校長は、生徒と森の教室を開発しました。地域の農林水産業関係の方々も協力してくれています。建築家や東京農大や青山学院大学などとの連携も行って、パウロの森教室を探究の拠点にしています。

★パウロの生徒は、農作業やネイチャー体験、部活などのフィールドとして使っているだけではなく、パウロの森の保水量をリサーチし、数理モデルを作って自然と社会と人間の心の循環が持続可能になる保水量を持っている森のモデルを描いて、新しい自然に優しい都市創りの一歩を歩んでいます。

★八王子市とも協力していますから、2050年までに地球上の70%は都市化すると言われていますが、その都市のあり方に寄与できるアイデアと政策を探究活動によって生徒が自ら創発しているわけです。

★森の教室はインスピレーションも生み出すので、作家やアーティストも生まれる可能性があります。

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★DXハイスクール認定校でもありますから、森の教室はwifiも完備しています。パウロGPTも作成して生成AIも活用しています。落合陽一さんではないですが、パウロ生もデジタルネイチャーの発想を触発されているかもしれません。

★大学進学率は年によって違いますが、80%前後です。そしてその60%は総合型選抜で進学します。本物の経験重視だし、八王子エリアの公立小中学校やNPOの活動を応援するボランティアに参加する生徒が全校生徒やはり80%を超えます。パウロの森に隣接する農家の方々と協力して梅干しを実際に生産し、販売もするアントレプレナーシップも行っています。

★しかし、総合型選抜や海外の大学は、経験は大切ですが、それを基に自分の生き方の軸を言語表現しなくてはなりません。論理的で他者を自分の世界に巻き込む創造的思考力が必要です。共感力や発想のインパクトもです。

★言語表現力は論文編集力、ストーリーテリングの力量、交渉力など総合的な言語能力です。それは、各教科の授業がそのような思考型の軸がトレーニングされる場になっています。学校設営会では、この生徒自身が自分軸を生み出すミニ授業体験も実施。感動の渦を生み出すイベントです。

★偏差値50前後の生徒が入学してきて、卒業するときには目を見張る伸び方をしていますが、それはそれぞれの生徒が自分物語を描く中でのいろいろなシーンの1つです。どのシーンも生徒1人ひとりにとっては感動的なシーンです。

★その現在進行形の感動を卒業後も語ってくれるOG・OB。チーム大久保先生の受験生との対話の姿にその感動が生まれる理由があると感じました。

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2025年4月30日 (水)

多摩エリアの11支部の私学が注目されはじめる❶~もし白洲次郎が多摩エリアの教育に影響を与えたとしたら(微笑)?

★東京私立中学高等学校協会に加盟している私立学校はあまりに多いので、12の支部に分かれ、それぞれの支部の理事長・副理事長などが毎月2回、東京私学会館(市ヶ谷アルカディア)で開催される理事会に集まって、情報共有しています。その中で、多摩エリアの11支部に属する私立学校がダイナミックに動き始めています。東京の私学と言っても23区と多摩エリアでは、中学入試の市場の成熟度に差があります。しかし、ここにきて、その差を埋める動きがでてきました。そんなわけで、ちょっと多摩エリアの幾つかの私立学校について観てみたいと思います。

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★その際、その観る視点の仮説をたてたいと思います。白洲次郎は戦後日本の復興に大きく貢献した人物で、晩年の居住地が多摩エリアです。とはいえ、多摩地区との関わりについては限定的だったようです。彼はGHQとの交渉を担当し、日本国憲法の制定や講和条約締結に尽力しました。また、東北電力の会長として、尾瀬の水資源を守るために東京電力と対立した逸話もあるようです。

★また、多摩大学の研究では、彼の活動が新中間層の形成と多摩地域の発展に影響を与えた可能性が指摘されています。ただし、教育分野での直接的な貢献についての記録は少ないようです。なんてもったいないのかと思いつき、生成AI(Bing)に聞いてみました。「もし白洲次郎が多摩地区の教育によい影響を与えたとしたらどう活躍したと思いますかすか?」

★すると、こう回答してきました。

白洲次郎の信念や行動力を考えると、もし彼が多摩地区の教育に積極的に関わっていたとしたら、大胆かつ革新的な改革を推進していたかもしれません。彼の「ノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)」の精神を持ち、多摩地区の教育を変革するために以下のような活躍が考えられます。

➊実学重視の教育改革 白洲次郎は実践的な知識と行動力を重視する人物でした。もし彼が教育分野に深く関わっていたとすれば、座学だけでなく、実社会で役立つ教育を推進した可能性があります。例えば、多摩地区の大学や高校で実業家や国際交渉の経験を活かした「リアルワールドカリキュラム」を作り上げていたかもしれません。

➋国際教育の推進 英国留学の経験を持ち、流暢な英語を話していた白洲次郎は、多摩地区の教育に国際的視点を取り入れた可能性があります。例えば、海外の優れた教育機関との交流プログラムや、留学支援制度の創設に力を入れていたかもしれません。これにより、多摩地区の学生たちが世界へ羽ばたく機会を増やしていたかも?

❸教育機関の独立性強化 GHQとの交渉経験を活かし、教育機関の自主性を重視する改革を推進した可能性があります。例えば、政府主導の一律教育ではなく、地域ごとに特色あるカリキュラムを整え、自由な発想を持つ人材を育てる教育を目指していたのではないでしょうか。

➍起業支援・ビジネス教育の拡充 戦後日本の経済再建にも関わった白洲次郎は、教育と経済の関係を重視した可能性があります。多摩地区には多くの大学がありますが、彼が関与していたら、ビジネスリーダー育成プログラムや、地域の企業と連携したインターンシップ制度を整備し、学生の実践的なスキル向上に力を入れていたかもしれません。

このように、もし白洲次郎が多摩地区の教育に関与していたら、より実践的で国際的な視点を持つ教育改革を推進していた可能性がありますね!彼の行動力を考えると、「型にはまらない教育」を生み出していたのではないでしょうか。

★実学重視、国際教育推進、独立性強化、起業支援というわけです。あくまで生成AIの平均的な仮説ですが、これが大胆かつ革新的な改革だとすると、11支部の私立学校の中には、この4つをすでに満たしている学校がたくさんあります。そもそも、ノーブレス・オブリージュの精神だけなら、すべての私立学校がその精神を基盤にしています。

★というわけで、ノーブレス・オブリージュの精神と上記の4つの構成要素のある学校をいくつか見ていきたいと思います。東京を含め、日本全体を見渡すと、意外と➊と➋と❸に力が入っていないというところもあります。市場のニーズが、➊と➋と❸に向かわないという理由もあるからです。

★ただ、中学入試市場の30%は、すべてを求めます。そして、2030年には、これが当たり前になるでしょう。

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2025年4月 4日 (金)

2024年度の流れから見えるコト③アクセス数21位から30位

★ホンマノオト21の2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日/ユニークユーザー数約7万人/3,541記事)のアクセス数21位から30位までみてみます。

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(写真は同校サイトから)

21:2025年変化する中学入試(02)佼成学園 出願総数爆増 2030年が見...
22:2024年東京大学と社会(05)海城学園のポジショニングの不思議。受けれ...
23:聖パウロ学園 対話が生み出す物語思考と編集思考
24:豊島岡女子 新タイプ入試「算数・英語資格入試」の中学入試における影響大:...
25:工学院大学附属中高 世の偏差値神話を無化してしまう教育
26:2027年から移行措置が始まる新学習指導要領がヤバイ!?
27:2021年変わる中学入試(14)海外大学へそして偏差値至上主義の無化へ加...
28:2024年東京大学と社会(02)湘南白百合 今年も東大理Ⅲ合格
29:2024年中学入試(71)サレジアン国際 出願総数前年を超える
30:2025年変化する中学入試(26)日駒 総出願数 前年を上回る そのイン...

★21位に佼成学園。男子が成長する学校という頼りになるメッセージが飛び込んでくるサイト。東大をはじめ大学合格実績が年々上がっています。通信制高校が、不登校の生徒を受け入れるだけではなく、高校の単位をさっさととって、自分のやりたいことを探究したい生徒も受け入れ始めています。大学合格実績も飛躍し始めています。したがって、全日制の私立学校は、大学合格実績は出せなくては論外という時代になってしまいました。では、通信制高校との違いはということになります。それは教育環境やその質が全く違うというところで、受験生や保護者がその価値の違いのどちらを選択するかということになります。

★その点、佼成学園は理数モデルと共感力をベースにした探究プロジェクトがしっかりと根付いています。これは通信制高校ではダイナミックにはできません。というのも、全日制ではオープンマインドで対話をする学びのスタイルがどんどん広がっていますが、通信制では個人で好きなことや関心を深めることが中心です。どちらがよいかということではありません。どちらを選ぶかという問題です。

★また、佼成学園はボストンでグローバルアントレプレナーシップのプログラムを実施しています。探究と英語の融合した究極かつ東大の藤井総長が推奨する大学時代からスタートアップを立ち上げることに直結します。アイデアとコラボレーションとコミュニティシップが重要な起業家精神が必要です。スタートアップか個人事業主か。もちろんこんな簡単に分けられませんが、確率の問題です。そして、これもどちらがいいではなく、選択の問題です。

★とはいえ、公平性の観点から言えば、通信制に本来通う理由がある生徒とそうでない生徒がいる場合、そうでない生徒が、通信制を利用して高校卒業資格をとることは、どうなのかは疑問が残ります。将来様々な社会課題に直面します。公平性というコンセプトレンズは必要ですね。

★ともあれ、佼成学園は、未来を創るリーダーが逞しく育つ男子校です。

★22位に海城学園のポジショニングについての記事が入っています。本来教育の質と大学合格実績の両方を考慮すれば、評判は、いわゆる御三家を超えていいのですが、聖光学院の東大の圧倒的な合格者数に隠れてしまっているのはもったいないという私の感想です。私にとって海城の顔だった先生が退職されたので、残念でもあり、その先生が新たな大挑戦に立ち臨むので、さすがは海城をここまでにしてきたことはあると。そしてぜひ新天地でも大活躍されることを期待しています。

★23位に聖パウロ学園の対話型組織の記事が入っています。スモールサイズですが、パウロの森の教室でデジタルとネーチャーの融合教育を着々と進めています。パウロの森は東京ドーム5個分の大きさの学校森です。

★24位に豊島岡女子の英語を取り入れた入試改革の記事が入っています。校長自身がOGですからOGコミュニティによる豊島岡女子の応援はすばらしいものがあります。グローバルでイノベーティブな世界で活躍しているOGの応援はさすがです。

★25位にまたも工学院の記事が入っています。工学院は、東京の西という中学受験ではアドバンテージが高くないエリアで、定員充足率を100%超えている完全にすでに未来の学校です。未来の学校の条件は脱偏差値ということですね。偏差値という価値が通用しないグローバルな世界で活躍する人間力を育成する学校です。2027年から高偏差値の筑駒の生徒と卒業時には追いつくことになるでしょう。すでに追いついている生徒は誕生していますが、もっとたくさんん生まれることになります。西の工学院か東の筑駒かという時代が来るでしょう。東大の数の話ではありません。海外大学も含めての話です。

★このことは27位の海外大学に関連する記事でも述べています。

★26位の次期学習指導要領のモデルは、文部科学省が意識しているかどうかはわかりませんが、佼成学園と工学院の教育環境デザインにすでにあります。

★28位から30位までは、湘南白百合、サレジアン国際、日駒の記事です。それぞれ独自の教育改革で注目を浴びている学校です。

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2024年8月31日 (土)

聖パウロ学園高等学校 愛ある若き教師チーム(2)生徒1人ひとりの思考動のコンセプトレンズが生まれる愛の教育

★聖パウロ学園高等学校は、中学はありません。したがって、3年間で私立中高一貫校以上の教育を行うにはどうしたらよいのかを小島校長は試行錯誤/思考錯誤しています。その気概を愛ある若き教師チームも引き受けているということを、WSを通して改めて知り、頼もしいと感じました。

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★私立中高一貫校以上の教育になる必然性は、入学してくる生徒の思考動(想いやものの考え方、行動力)の資質能力が、圧倒的に潜在的な状態であるからです。偏差値はどうでもよいのですが、わかりやすいので偏差値でこの状態を考えてみましょう。中学受験の偏差値というのは、同年代の小6の10%の母集団が対象です。高校受験の偏差値はのこりの90%の母集団が対象です。するとたとえば、偏差値50前後というのは、中学受験と高校受験では同じ生徒のレベルを現しているわけではないのです。

★よく中学受験の時の偏差値50は、高校受験の時には65以上だといわれるのはそういうわけです。

★聖パウロ学園は、このような格差をふっとばすために、3年間で生徒の思考動を図にあるように拡大します。そのためには、一方的に知識を教え込んでいたのでは、何も変わらないのです。

★そこうで思考動を揺さぶる教育を行い、思考動を駆動させるコンセプトレンズを、生徒1人ひとりが見出し組み立て磨いていく教育環境デザインを小島校長率いる教師集団が創意工夫し世界を奔走してつくっているわけです。

★それには、愛と経験と挑戦が必要なのだと若き教師チームは熱く語るのです。そして、それを実現する多様な授業デザインや探究プログラムなどを日々追究しているわけです。

★この思考動のコンセプトレンズが駆動すれば、私立中高一貫校の生徒以上に想いやものの考え方や行動力がパワフルになるのです。もちろん、私立中高一貫校がこの思考動コンセプトレンズを身につけられる環境をつくれば、それは可能ですが、まだまだこの存在に気づいている学校は少ないのです。IBスクールは、この思考動コンセプトレンズを身につけるコアカリキュラムがありますが、聖パウロ学園にも同じような教育環境デザインが今組み立てられています。

★もっとも、このことは、パウロの先生方は自分たち自身では気づいていないのですが、高大連携のプログラムを実施していく中で、そこに立ち会った大学教授や有識者の方々に指摘されてハッとするようです。私がいくら言っても、身内ですから誰も納得しないのですが(汗)。

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2024年8月29日 (木)

聖パウロ学園高等学校 愛ある若き教師チーム

★聖パウロ学園は、夏期講習の真っ最中。9月の学校説明会の参加者も満員御礼。15時までの講習授業が終了後、若き5人の教師と小島校長とパウロの教育や授業の相互主観を生み出すワークショップを行いました。70近い私がファシリテーターでしたから、先生方の気遣いは身に染みました。

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★聖パウロの教育の特色をグルグルアクティビティで、1人ひとり語り続けていきます。聞く側の寛容な姿勢が、パウロの教師らしいなと思いつつ、ウェルビーイングの主観的な想いや哲学的な側面や公衆衛生的な側面から、各教科の専門領域からアプローチして語っていきました。

★こうして言語化を共有することで、相互主観の質が深まっていきます。

★トウールミンモデルをプロンプトエンジニアリングで活用したり、三角ロジックのうちアブダクションを共有したり、思考のスキル的なことも少し共有しました。

★しかし、そのスキルも愛というマインド以上のマインドがあるから、単なる技術として授業で生徒と共有するわけではない本質的な淵にたどりついたところで、チェックアウトとなりました。

★今回のワークショップの雰囲気自体がウェルビーイングな状態でした。本当にありがとうございました。

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2024年4月 4日 (木)

聖パウロ学園 なぜ人気があるのか 「経営と教育」について教員研修

★先週の理事会、評議員会に続き、昨日教員研修を行いに聖パウロ学園に行きました。先週はまだ開花していなかった桜も、雨の中静かに咲き始めていました。入学式まで咲き続いてくれればよいなと思いつつ、研修に向かいました。

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★4月1日からパウロでは様々な研修が行われているようですが、私のはその中の1つで、90分の機会をいただきました。理事長、外部講師、校長と続いて私なのですが、何を教師のみんなとワークショップをやろうかと。建学の精神や理念的なことは理事長が語るし、探究の方法論は外部講師が行うし、今年度の教育事業の目標やビジョン、および包括的な教育課程などの戦略については小島校長が語るでしょう。

★なぜか副理事長の私です。初任者の先生もいるので、もう一度「経営と教育と入試問題」の3つの基本的なものの見方・考え方を確認するピアインストラクション型のアクティビティとレクチャー(ほとんど先生方が対話)にしました。理念は理事長、教育プランニングは校長はやっているので、私は東京の私立学校との関係性の中でのパウロの 現実的な経営的位置づけや教育的位置づけについて。要するに現実問題の話をどうするかという対話です。

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★東京都生活文化スポーツ局の作成した東京の私学の収支のざっくりとした内訳のグラフをもとに経営の対話をしました。東京の私学の平均的な収支をみて、何を考えるのか感じたのか対話していくと、生徒募集がいかに重要か、助成金がいかに重要か改めて分かったというのような模範解答がでてくるのですが、私は、パウロの理事会は、大学もないし、修道会も経済的支援はないよと指摘すると、みな給与はどうやって上昇するのかということに気づいたようです。

★こんなに人気がある聖パウロ学園でも、先生方は若いし、結婚している場合は、教師同士(どちらかはほかの学校の場合が多いです)のケースが多いので、そういう先生方は定着しますが、未婚の若者は30を超えるとライフシフトを考え始めます。これは時代の流れからいって当然です。

★しかし、一方で無形資産を大切にする若者もいます。というか残る先生方はみなこの無形資産に魅力を感じています。それがにじみ出たいるから人気が持続可能になります。その心の勢いは確かに魅力です。

★そうはいっても、給料は大事です。理事会は完全ボランティアですから、私財を投じるメンバーはいないのです。ということは、経営はみんなでやっていくしかないのです。パウロの経営こそある意味新しいアントレプレナー型私立学校として動けます。

★まあ、そこまで話を大きくしませんでしたが、給料を上げるにはどうするのかアイデアについて対話しました。もう答えは2つしかないのですが、そのためには、教育の質をとなるのは必然です。

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★そこで、上記のような多くの私立学校が実施している教師の実践と生徒の学びの共感図を描き、どこの学校もこれらは行っている。だから、この中で、特に突出した何かがパウロにはあるから人気があるのだろうと。では、それは何か?ピアインストラクション型対話をしていきました。大いに盛り上がったので、やはり魅力に気づいています。

★すばらしいと笑顔になったところで、それを続けて自分たちの給料は上げられるのか?と問うと。たしかにと。そこで、では新しい何かをあるいはもっと質を上げるには?という対話があふれ出たわけです。

★答えは出しませんでした。それはこの1年、先生方が折に触れ考えていくことだし、そのマネジメントをするのは校長・副校長・教頭・主幹・部長・主任です。私は、給料が企業のように上がらない原因を共有し、その原因を解消する動きをしてもよいのだと。ただし、長時間生徒を残してというのはやめようよというのは条件です。

★そのあと、250字の小論文、言語は日本語と英語の問題、キリスト教史の記述問題(東大)、数学(東大文系)の問題をグループに分けて、この問題を通して生徒は何を学ぶのか、さらにはどんな視点を身に着けるのかについて対話。

★それぞれ自分だったらこうするという対話になっていました。それぞれの経験値が語られ、解き方ではなく、その前提になる学び方の話が多かったですね。この3つの領域をつなぐものは何か?メタクエスチョンやコンセプトレンズは何か?それは主幹の松本先生によれば、暗黙知として先生方には身についているけれど、それを可視化して共有するのはこれから大事だと。

★エンカレッジの阿部先生は、自分の経験をいったんカッコにいれてみるとよいですよねと、あとで振り返ってくれました。さすがフッサールやメルロポンティの作法を生徒指導などに生かしている先生です。

★この3つの領域をつなげられれば、アントレとしてはうまくいくでしょう。そこまでいかなくても、この心の勢いで当面は学校はうまくいくでしょう。そして3年後、教師一人ひとりと組織としての成長が指数関数的になったとき、この3つをすべての先生方がつないでいることでしょう。

★ウグイスの声がこだまする桜並木を後に帰途につきました。頼もしい次世代の教師数人と話せたし、教育は大丈夫。自分の役目は、資金調達のみだなと途方に暮れながら(汗)。

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