聖パウロ学園

2022年5月13日 (金)

数学と情報のクロスオーバー 大事なことは物の見方の交差 聖パウロの数学ミーティングから気づいたこと

★聖パウロ学園の数学科は、月に1,2度MM(Math Meeting)を開催。大学入試問題を通して数学の学び方を分析する対話をしています。解き方を検討することもしますが、生徒がその解法に接近するまでの前提情報とか前提知識とか前提思考スキルとかをポストイットで出し合います。

Img_2097

(左から伊東先生、松本先生、佐藤先生)

★パウロの授業はPBL20%ルールというのがあり、最低20%は思考を巡らす問いを考えるということになっています。思考を巡らすとは何でしょう。解き方とどう違うのでしょう。

★なかなかそれは分けにくいですね。

★ところが、数学科の中には情報の教師でもある佐藤先生がいます。

★順次分析と解法分岐に分けて、アルゴリズムを作ります。作っては主任の松本先生と詰める対話もしています。

★伊東先生は、東京私立教育研究所の研究委員でもあるので、そのような知見を他校の先生方と対話します。

Img_2099

★こうして、より広い視野で数学科は、授業を形づくっていくわけです。

★現場と広い視野とを結びつけるものは、実はアルゴリズムという思考のバックステージと思考の踊り場を可視化する発想でした。

★毎回MMで大学入試問題1題を扱います。その対話のまとめを佐藤先生がアルゴリズムにしていきます。

★これが積もり積もれば、凄いことになりますが、松本先生は、だからといってマニュアルではない。なぜなら、あくまで出発点は、現場の生徒だから、その生徒が違えば、アルゴリズムも変わるからだと。

★一方、伊東先生は、その変容を関数化できれば、数学科でそのようなアルゴリズムの発想を共有できると。

★実におもしろいのです。

|

2022年5月11日 (水)

高校の新学習指導要領によって際立つコト~聖パウロの国語の試みから

★今年の高校1年生から、新学習指導要領が実施されています。実際現場でやってみて、興味深いことと現実とのギャップがみえてきました。というのは、新学習指導要領と高大接続がまだまだマッチングしていないのです。教科書をやっているだけでは、従来と変わらない一般選抜の内容だと乗り切れないのです。一方で、総合型選抜はいけそうです。

Photo_20220511085701

★たとえば、「現代の国語」では、論理的文章が中心なのですが、国語科主任の高橋先生は、文化人類学や文学などをクロスオーバーして、PBL型授業を展開します。グーグルクラスルームというプラットフォームを活用しながら、スライドや小論文をやりとりし、エンパワーメント評価とかフィードバックとかリアルでもサイバー上でも対話ができます。

★芥川龍之介などは、文学的なアプローチだけではなく、龍之介がその当時、つまり近代の読み解きをしていた法哲学的な視点があります。当時の社会情勢について、親友恒藤恭(当時京大教授)と夜を徹して話したそうです。それでも当時を2分していた社会価値観の両方に納得がいかず、第3の道を探っていたらしいのです。

★そのような論理的文章と文学的文章を背景にまで深めていけばたしかにクロスオーバーになります。

★しかし、一般選抜はそこまで求めないし、古典の勉強もしっかりやらねばなりません。ところが、この路線の学びが、新学習指導要領の国語の学びでは手薄になるかもしれません。

★そこで、進路指導部では、放課後でそこを補填する講座を開いているわけです。ヴェリタス、カリタス、100分学習という3つの体制が、すでにあったわけですが、進路指導部長は、この時間をさらに有効活用する仕組みを考えています。

★私立学校だから、柔軟に理想と現実を結び付ければよいのですが、果たしてそれでよいのかどうか。

★学習者中心主義でいくし、海外大学を希望する生徒もいるので、結局学習指導要領以上のことをやることになるので、現場は対応していきますが、学校の働き方改革を唱えていても、高大接続循環がうまくいかないと、結局はそんな改革もうまくいきません。

★はてさて、それぞれの学校で創意工夫してというのなら、もっと自由な設定をデザインすればよいのにと思うのは私だけでしょうか。

|

2022年5月 7日 (土)

GWEで伊東先生が聖パウロ学園について語る パウロモデルの役割

今年の5月の連休の初日29日の夜、GLICC代表鈴木裕之さんに、GWEで聖パウロ学園の教育のエッセンスについて、同学園入試広報部長・企画戦略室長伊東竜先生と対話する機会を頂きました。想像を絶する多忙な鈴木さんが、久々にゆっくり過ごせる大事な時間をシェアしていただきありがとうございました。伊東先生とは、言うまでもなく聖パウロ学園の教育の真髄をいかに広報するのか、その戦略について毎日のように語っています。そして、話が盛り上がるのは、そのパウロモデルともいえる教育の真髄は、聖パウロ学園の生徒にとってのみ有益なのではなく、日本の高校生300万人にとっても有益なはずだという点です。

Photo_20220507130901

★もちろん、聖パウロ学園だけで300万人を背負うというわけではありません。そうではなく、パウロモデルとしての教育の広報が、高校受験生とシェアするだけではなく、もっと広範囲に浸透させることによって可能になるわけです。パウロモデルをきっかけに多くの高校生が不安や悩みを脱して幸せな生き方ができる教育環境空間がたくさんできることを期待するわけです。その意味で、今回の<GLICC Weekly EDU 第77回「聖パウロ学園 伊東先生との対話ーZ世代に役立つパウロ・モデル」>という番組は大いに助かります。

★GLICCのGWEに登壇する先生方は、私立中高一貫校の先生方がほとんどです。この私立及び公立中高一貫校に通う生徒は、日本全国の中高生600万人の10%である60万人です。中高一貫を経験する高校生は30万人です。

★しかし、聖パウロ学園は高校だけの共学校ですから、残りの270万人の高校生が対象なのです。教育でメディアが大学進学実績で一喜一憂する情報を流していますが、対象は、中高一貫校と公立の進学重点校などに限られます。

★そして、そのような学歴社会的な価値観が教育格差を生んでいるわけですが、その格差を聖パウロ学園は、なくす奇跡を起こしているわけです。そんな大上段に構えるような話は、ふだんの説明会では時間の都合もあるし、知りたい情報の優先順位から言えば低いので、しませんが、教育における社会課題は、270万人の高校生にふりかかっているのですから、GWEのような番組では少し触れさせていただきました。

★そのようなパウロモデルを、プラグマティックにいかに実践しているかについて、伊東先生が語ってくれました。とはいえ、やはり説明会では詳しく触れない点についても伊東先生は丁寧に語ってくれました。

★探究ゼミのシステムや研究者と教科の教師と伊東先生のようにコンサルテーションができる教師のコラボレーションの探究コミュニティが出来ているという話は、そこまで学校説明会では語れません。

★また、パウロの森を活用したプログラムで生徒がどのような刺激を受けたり好奇心を旺盛にしたりするか目に浮かぶような具体的な話が聞けました。体育の乗馬プロラムは、もちろん鈴木さんも驚いてくれましたが、馬と生徒のコミュニケーションの状態についてもふだんは聞けないような心温まる話に思わず聞き入ってしまいました。

Photo_20220507141601

★それから、夜のパウロの森を彷徨うシカの映像もちょっとおもしろいですよ。

Photo_20220507132801

★さらに、鈴木さんは、伊東先生の「PBL授業」と「放課後学習のヴェリタス、カリタス、100分学習」の明快な比較に大いに興味を持っていただけました。PBL授業は、教科の授業ですが、教科書を超えて、常に社会課題や自然現象の課題を意識しながら課題解決の深い学びになっていきます。一方で進学のための自己陶冶として自己マスタリープロジェクトしての放課後学習のスイッチの切り替えのバランスのよさについて、鈴木さんは質問を伊東先生に投げかけていました。

★なぜそんな両方の合力を導くことができるのかという驚きだったようです。それについて伊東先生は丁寧に具体的な状況を挙げて語っていました。

★もともと寮制学校だったいうこともあり、自律分散協働系はある意味パウロの文化だし。スクールモットーが、「人にしてもらいたいことは何でも人にしなさい」という黄金律が日常化しているということだなと、ふだんは自分たちでは当たり前になっていて気づかないのですが、鈴木さんの視点に改めてここは形式知化をしておこうと気づきました。ありがとうございます。

★それから、伊東先生は数学科でもあり、MM(Math Meeting)において入試問題と思考コードとPBLを結び付けた対話や議論をしているという授業のバックステージについても語りました。これも鈴木さんは興味を抱いたようです。

★工学院の教務主任田中歩先生とお互いの学校のPBLの話についてよく語るのですが、工学院は、グローバル教育やPBLは最高を目指しますが、聖パウロ学園は20%を目指します。これが中高一貫校と高校だけの学校の典型的な違いだなと思います。

★中高一貫校は、市場の原理で競争が激しいわけです。最高レベルの鎬を削るわけです。ところが高校だけだと、市場の原理はあまり働かないので、誰もが手が届くというレベルからはじめて最終的に高いハードルを生徒自身がいつの間にか飛んでしまうという状況をつくることが大切です。

自律分散協働系というのは、寄り添いながらも手放して生徒自身が偏差値などの囚われ人から解放される状況を創り出すということです。このパウロモデルが思わぬ成果を生み出します。伊東先生は、それを、八王子・多摩エリアの教育関係者からパウロミラクルと呼ばれていると語りながら、具体的な教育の仕組みを語っています。このパウロモデルは、学校選びのみならず、日本の教育が幸せを作らないシステムではなく幸せをつくるシステムになることのヒントになればと思います。

★今、世界は軍事力と政治経済力と教育力の不均衡状態になっています。軍事力に頼らない幸せなシステムはいかにして可能か。教育に携わる私たちは、そのために、知恵を出し合いたいものです。鈴木さん主宰のGWEは、そのコミュニティ空間になっていると改めて実感しました。いつも本当にありがとうございます。

|

2022年4月11日 (月)

バックステージの対話が支える入学式・対面式・始業式などの教育活動(了)

★入学式は花曇りでしたが、次の日の対面式・始業式は晴天でした。今年の桜は、花吹雪一歩手前の状況で、全校生徒を迎えることができました。本格的に新年度が始まりました。

Img_1959

★対面式は、生徒会が主体となって進めました。新入生と在校生の対話が始まるのですが、新入生のプレゼンテーションも生徒会のパフォーマンスも短い時間でしたが、同窓力を生みだす人間関係づくりの響きが広まりました。ここにいたるまでの生徒会のメンバーのバックステージでの準備に敬意を表します。

Img_1964

(新進路指導部長小島嵩志教諭のレトリックが共感の輪を広げた)

★始業式では、新年度でもあるため、1年の見通しを立てる話を各教師がします。その中で、新進路指導部長の小島嵩志先生のスピーチは、短時間の中に、一年の見通しを圧縮し、しかも共感が広がるメタファーストーリー仕立てでした。

★副教頭で生徒指導部長の勝俣先生の話も、ルールに関する日常の感覚をひっくり返すレトリックが仕掛けられていました。

★聖パウロ学園は、対話型教育ですが、同時に、それぞれ独特の物語るスタイルを持っています。

★このことが何を意味しているのか。

★いずれにしても、各部長は、バックステージで、日々膨大な準備をしています。それをわずか10分前後で一気に語る時、メタファーなどのレトリックを自在に使います。

★もちろん、生徒がハッとしたり、あのことかあとピンときたり、瞬時に世界に移行できるコンテンツを適用します。

★このようなストーリーテラーがたくさん生まれてくる理由は何か。

★今年度もまた先生方に大いに学びたいと思います。

|

2022年4月10日 (日)

バックステージの対話が支える入学式・対面式・始業式などの教育活動②

★入学式を機に、久々に織り込んだのは、式に父母の会の会長に祝辞をいただくことと同窓会、理事会から来賓として参列していただくことでした。入学式の段取りプランの全体を教務部と企画戦略室でたててもらうときに織り込むには、父母の会と理事会との事前の対話が必要です。したがって、バックステージは、事務室ー理事会、教務ー父母の会というキャンパス以外の場に広がります。先月開いた理事会もバックステージです。父母の会はグループセッションの中の外部とやりとりできるメールがバックステージになりました。

Img_1949_20220410115301

★コロナ禍で、ここ2年間は、最小限度の参加者で行ってきました。当日、父母の会の会長、理事会、同窓会の方の参列ができなかったとしても、その絆が失われることはないのですが、新入生が自分たちを支えるネットワークが豊かなのだという実感を抱けるのは、やはり初回の段階では対面型が最適です。

★新年度からは、withコロナにおける行事や研修、部活をどのように運営していくか、具体的状況に応じて柔軟に適した対応をその都度考案していきます。入学式もその一環として、参加者の枠を少し広げました。

★式辞、祝辞は、校長→父母の会の会長→理事長という流れでした。来賓の理事や監事、同窓会の代表のみなさんも壇上に参列していただきました。

★聖パウロ学園は、神父もシスターもいないちょっと不思議なカトリック学校です。最初は修道会が経営していましたが、赤坂から高尾に移ってきて、やがて経営難に陥った時、今の理事長高橋先生が、校長になって復活経営を果たし、徐々に修道会は手を放していきました。

★したがって、復活した聖パウロ学園の建学の精神の創始者は高橋博理事長であると私は考えています。ですから、神父さんではないので、そのスクールモットーは、修道会の理念と共通するけれどもっと普遍的な黄金律にしたわけです。

★そして、聖人パウロの精神を学び続ける修道会を超越した普遍的カトリック学校として存在しています。

★さらに、入学式に登壇した、私をはじめ、父母の会の代表、理事長、理事、監事、同窓会の代表の方は、全員が信者です。

★そういう意味では、クリスチャン信者が経営・運営するカトリック学校なのかもしれません。特にパウロは、ルターや内村鑑三などが大好きな聖人です。プロテスタントでも人気ですから、パウロの精神に学ぶのは、普遍的かもしれません。

★もともと現代の法のあり方や経済システムのあり方について、あるいは経営マネジメントの方法の着想は、多くの学者がパウロの書簡に影響を受けていると言われています。パウロの精神を教職員、生徒、保護者、同窓会、理事会が共有することは、やがてパウロ生の出番に結びつくでしょう。入学式は、黄金律の言葉の響きがそれぞれの式辞、祝辞であふれていました。

★どんな言葉を語るかは、3人は打ち合わせをしません。なぜなら、私たちは自分の言葉を話すわけではないのです。黄金律が反映した話をするようになっています。私たちは、神の計画通りに話しましょうで、通じてしまうということもあります(汗)。

★しかし、ここに来るまでに、パウロの新しいカトリック学校のあり方について、理事長や理事会で多くの対話を重ねています。これもまたバックステージの対話ですね。また、父母の会の保護者の方々とも対話を重ね、入学式のプランをつくるときに、すぐに了解が広まるように、毎月のように行われる父母の会のミーティングに入試広報部長・企画戦略室室長・教務部副部長の伊東先生も参加する機会を創ってきました。

★入試広報は、外部への発信だけではなく、学内の情報共有も大事です。コロナ禍で、先生方が父母の方々と共に行事を運営する機会がなかったので、ときどき対話をする流れを父母の会の会長と対話しながら協力していただきました。

★会長の祝辞は、保護者の眼から見て、スクールモットである黄金律が具体的にどんなシーンで感じられるかという内容でした。保護者の方から、教育活動の評価を得る機会にもなり、新入生も保護者もさらに期待が高まったと思います。そして教職員も自信と勇気をいただきました。たいへんありがたい入学式になりました。

 

|

バックステージの対話が支える入学式・対面式・始業式などの教育活動①

★聖パウロ学園の校舎の1階のうち全日制の職員室は、オープンスペースをパーテンションで仕切って、教師スペースと会議室スペースに区分けしています。パーテーションはしっかりしていますが、天井が高いということもあり、仕切りの上部は空間が開いています。風通しがよいわけで、声も筒抜けです。もちろん、守秘義務が必要なミーティングがあるときは、別室にこもりますが、それはよほどのときがないとあまり使いません。

Img_1986

★ですから、授業、行事の準備であるバックステージの息づかいは響きとなって先生方みんなで共振しながら毎日を過ごしています。学校生活は喜びと苦難の山あり谷ありの連続ですが、その両方を体験して感動するスペースは舞台だけではなく、舞台裏であるバックステージでも同じです。

★ですから、私は、一日そのバックステージとしての職員室にいて、隣の会議室で議論している先生方のパッションと愛情を聴くのが大好きです。職員室で、教科の先生方が授業の企画運営やテストの作り方、評価の仕方について真剣に語り合っている姿、成績処理に集中して立ち臨んでいる姿を目にして、いいチームだなと心の中で微笑んでいるのもいい感じです。

★入学式を執り行うこの季節は、聖パウロ学園に限らず、どこの学校も対面式、始業式、オリエンテーション、模擬テスト、部活紹介などなどめちゃくちゃスケジュールが詰まっています。

★ですから、バックステージの息づかいは集中力と俊敏さの様相を呈します。ふだん私は朝一番に職員室に入り、グループセッション(イントラネット)にあるスケジュール関係を、ホワイトボードに書きます。一日のスケジュールを自己確認することと、誰が出張なのか有休をとっているのか、そして日々の生徒の出席状況のデータをまとめます。一日のメンバーの状況を確認することは基本です。

★どこの学校でも学校法規で定められている「学校日誌」をつくりますが、勤務校でも日直といっしょに作成するための準備が朝の時間でもあります。その準備を朝していると、7時ちょとすぎたところで、おはようございますと職員室に先生方がやってきはじめます。私は、それほど遅くまで残らないので、そこから先は、何かあれば朝連絡が入ります。朝の会で情報共有する内容を説明にくる先生方が8:05までに増えてきます。

★行事が目白押しになると、段取り表を持って、これでどうでしょう。ここは少し工夫しますがどうでしょうとなります。感染症対策のここがいまいちなんですが、情報共有しますがどうですか。家庭内感染の生徒の状況の報告もあります。行事の度に、確認に来るのは、ここで校長の話ですが5分でお願いします。今回は普通に話してくださいとか。。。

★そんな朝から始まりますが、佳境に入ると、私がつく前にすでに段取り準備をはじめに職員室に来ている先生方がいます。入る前にドア越しに漏れている光で、こんなに早く来てくれて、お疲れ様となるわけですが、何か事件があって私をまっているのかもしれないと一瞬思いながら、ドアを開けると、明るい挨拶が聴こえてホッとするわけです。

★入学式の準備の時は、まだ生徒は春休みですが、生徒会を中心に生徒も準備をしにやってきています。先生方と準備をしている息吹も響いてきます。授業が始まると、休み時間ごとに生徒が質問や行事の準備のために先生方を呼び出して話し合っています。昼休みや放課後はさらにヒートアップします。

★どの行事も、このようなバックステージの準備や会場設営(これがなかなか大変です)の時間に比べれば、一瞬です。密度が高ければ高いほど、先生方にとっては、バックステージにかけた力が感動に変わります。もっとも、感動している間もなく次々と教育活動を行っていくわけですが。

★4月新年度を迎える時に、1年の教育活動の見通しを立てるために、重要なコンパスは、「年間計画表」と「時間割」です。聖パウロ学園は、変形労働時間制をとっていますから、柔軟な勤務の時間を「年間計画表」に埋め込みます。それを「時間割」に反映します。部署の会議も時間割に埋め込みますが、柔軟な活動ができるように、企画戦略室による調整が日々見直されます。

★それから大事なことは、中期計画の準備をスケジュールの中や時間割に埋め込むことです。どうやってか?それは授業ーテストー評価ー指導要録の連続体に「思考コード」を埋め込み、それをモニタリングする新しい人事をスタートさせることによってです。つまり、スケジュール表の物理的な時間にはそれは見えないのですが、各部会や教科の活動の中に埋め込み、それをモニタリングする人事とその共有を既存の会議に包摂することによってです。スケジュールの立て方は、直線的時間と円環的時間の統合に拠るのが変形労働時間制の肝です。

★事務室のメンバーが、勤務状況の管理をしてくれますから、変形労働時間制を持続可能にするために、データを持ってきてモニタリングしてくれます。「学校日誌」を日直と一緒に作ることによって、そのモニタリングの共有もできます。マネジメントと生徒や先生方のメンタル・フィジカル・ソーシャル・スピリチュアリティの息吹を感じるために必要な行為です。このバックステージの息づかいの雰囲気でいろいろなことが洞察できます。

|

2022年4月 9日 (土)

Gのチカラ(06)創造的対話が「知識と思考を身に着ける」コンセプトレンズ=「対話思考コード」を生成する

★学校の毎日は、対話のフロー体験の連続です。この対話のフロー体験とはいったい何ものでしょう。これについて、語ることができる仲間は、学校だけではなく世の中でも、まだまだ少ないので、いろいろなところで葛藤や紛争が起こっています。遠くの国だけではなく、近くの生活でもそうです。特に今の学校教育は、教科の中に、あるいは最近の探究の中に収納されるジャーゴン(わかりやすく説明するという物象化言語)を使っての対話が対話だと物象化(先入観・固定概念化)されているため、なかなか大変です。学歴社会だとか高校受験の制度の偏差値主義は、そのような対話でますます強化されてしまいます。

Photo_20220409135101

★私たちの身の回り及び遠くの世界においても、常に「現象」というものが発生しています。この「現象」とは、自然と社会と精神の化学反応によるものであり、この3つの循環や関係性が不完全である場合が、今のところほとんんどで、そこから生成される現象は、それゆえ、精神の荒廃、身体へのダメージ、気候変動、戦争などの葛藤を常に含んでいます。

★この現象の背景にある、自然と社会と精神の関係性の循環度を感じることはできても知ることは常に限定的です。感じ取れればそれでよいという考え方もありますが、やはり具体的な変容を生み出す必要があります。知識や思考は、現象を直接つかむことはできず、常に「物象化」されたままです。世の通念としての物象Cをある人は物象Aとつかみ、他の人は物象Bとしてつかみとるわけです。

★日常の対話(A軸)によって、物象C=物象A=物象Bに修正される段階にいくのがやっとです。しかし、物象Cを生み出している3つの関係性が生み出している現象に接近しているかどうかは無自覚です。かりに直感的に感じたとしても、立ち尽くすだけか、心地よい心の安定を求めて現実をさけてしまう場合が多いのです。

Photo_20220409135801

★ですから、次のステージに進みましょう。そこを自覚的にリフレクションしていくモニタリング対話(c軸)では、物象化が起きていることに気づきます。しかし、ここでもまだ、物象化の分析で終わります。しかし、これは、対話が日常対話から始まるのをよしとするから、限界にたどりついたという自覚で終わるだけでなのです。ここまで来るのに膨大な時間を費やしていますから。

★ですから、最終的なステージだと思われているところから始める方が合理的です。もし、初めから物象化を紐解き、関係性の再構築をする脱システムを創ろうという創造的対話(C軸)を相互に行えるメンバーが増えれば、自然と社会と精神の循環度を上げるシステムへとコペルニクス的転回が起こるでしょう。

★今の受験システムでは、この創造的対話を身に着ける体験をして先に進める入試制度は、海外大学の入試制度やIBのTOKや欧米の哲学などの対話ぐらいかもしれません。

★そうはいっても、日本の受験業界では、そのような入試制度はないわけですから、忍び寄る物象化というウイルス以上に質の悪い生権力を寄せ付けない創造的対話をやりながら、日本の受験システムを自覚的に戦略的に見極めながら活用していくしかないでしょう。

★A軸対話やB軸対話は、偏差値ランキングがつきますが、創造的対話は信頼関係を勝ち得るかが評価です。物象Cという氷山の一角の水面下の自然と社会と精神の関係性の不足部分や弱みの部分を修復する新たなシステムを創造することが、葛藤や紛争を乗り越える対話です。

★聖パウロ学園では、創造的対話を忘却しない、つまり物象化された現存在的な知識を自覚的に身に着けることをしつつ、創造的対話によって装着の質を変容させる重層的な対話コードシステムが作動するようなシステム作りをしているわけです。あくまで、「身に着ける」であり、理論を知ることではないのですが、20%は、実践知のみならず理論知も学ぶ必要はあります。

★そのシステムが構築できれば、リーダーフルな状況をさらにアップデートできます。

★物象化言語で語るしかないので、それを使うわけですが、それをそれぞれが解体修復しながら創造的内省対話ができるようになればよいわけです。それには、メタファーと集合論とトポロジーとサイエンス(文理学際的)を日常の中であたかも日常対話として自在に活用できるストーリーテラーが必要です。このストーリーの創造は、各行事などの段取りの編集によって「身に着く」わけです。

★聖パウロ学園に希望があるのは、少人数が故に、教師も生徒も「段どる」実践知によって創造的対話を「身に着ける」ことができる機会があふれていることです。例年通り同じというマニュアル発想は捨て、変容させながら段どる文化を生み出すことによって、ワークショップ型研修にもなります。

★あらゆる段取りに小さな変化を挿入するコト。小さな変更が大きな変化を生み出します。もちろん、大事なことは、その小さな変更において創造的対話をすることなのです。これが伝統と革新の両ベクトルの合わせ技です。

★これであれば、すべての人々が限界を超えるウネリを創造することができます。教科書を使わない。既成の誰かが創った探究を捨てる。でも、教科の授業は行われているし、探究の授業は行われるわけです。そんな小さな変化が大きなウネリとなるでしょう。

|

2022年4月 6日 (水)

Gのチカラ(04)聖パウロ学園 体験の新しい概念と対話

★聖パウロ学園は、パウロの森と人間関係社会と1人ひとりの精神(黄金律)を結びつける教育環境にあります。自然を愛でながらも畏敬の念をもちつつ森の体験をし、その体験はPBLやアドベンチャーになり、互いに協力し、対話しながらの教育。これは、実際に森にはいらず、教室で授業をしていても同じです。体験とは、自然と社会と精神を結び付けて、生徒1人ひとりが何らかのケミストリーを起こすことです。そのときの触媒や刺激が対話です。

Img_1939

(教室の窓越しに見える風景です)

★しかし、問題はその対話の精度があまりよくないと、触媒にも刺激にもなりません。森の体験はああ楽しかったで終わります。人間関係は理解のズレに悩まされます。精神は、不安になったり自信がなくなったり愛されていないという妄想がただよったりします。

★生徒の中には、自分のメンタルモデルがなんであるかわからず、不安になって保健室に立ち寄ることがあります。怪我をしたり、体調が悪かったりするときに保健室に行くケースもありますが、メンタルモデルがわからずに、得体のしれないものに不安がったり恐れを抱いたりして、保健室の養護教諭島津先生に相談に来ることもしばしばです。

★島津先生は、そんな生徒とコーチング的な対話をすることで、生徒自身が自分に気づき、自分が囚われていたものを知り、自ら解放しようというイニシアチブを日々生み出しています。もちろん、度合いが強い生徒は、スクールカウンセラーと相談してごらんとアドバイスもします。

★つまり、リジリエンスを自ら生み出せるかできないかで、保健室コーチングで対応するかスクールカウンセラーによって対応していくかを見極めるのです。

Img_1941

(通学路、パウロ坂の風景)

★そして、非常に興味深いのは、不安という精神は、体調にも影響を与えます。つまり身体という自然です。そして、その不安という精神と体調不良の身体という自然は、友人関係にネガティブな関係を生み出すこともあります。どれが先かはわかりません。人間関係がズレはじめて、不安が生まれ体調を崩すということもあるでしょう。メンタルモデルが自分の気分に影響を与えるところから始まる場合もあるでしょう。寝不足など体調を崩すところから始まることもあるでしょう。

★いずれにしても、そんな自然と社会と精神の悪循環を好循環に、生徒自らが転換していくきっかけづくりをするのが、島津先生の保健室コーチングです。

★そのような話を聴き、実際保健室を活用して元気になっている生徒を見て、これはPBL型授業でも同じだなと気づいたわけです。そこで島津先生に頼んで研修を実施してもらいました。

Paul_20220406135301

★レクチャー50%、ワークショップ50%のPBL型研修です。普段きめ細かい面談や20%ルールのPBL型授業で創造的な対話をしている先生方が、自分自身の改善点に気づいたり、改めて同僚のメンタルモデルを了解したり、実りの多い80分でした。

Photo_20220406135701

★ネガティブな循環も好循環に転換するには、対話によって結びつきそのものを変容させなければなりません。私たちの対話は、いきなり循環しだすことは難しく、たいていは理解のズレ、つまり循環が滞っているところからスタートします。まずはグッドリスナーとして、どこがズレているのかどこが詰まっているからあるいはどこがつながっていないから循環しないのか見極めるところから対話を始めなければなりません。

★よく「がんばれ」という掛け声はストレスを高めると言われますが、それは、この言葉が循環を促すか切断するか相手の具体的状況やメンタルモデルを見極めたうえでの話でしょう。

★自然と社会と精神の循環体験と対話がマッチングした時に、ケミストリーは生まれ内側から探究心や好奇心が旺盛になり、集中力がでてきます。対話のない体験も、自然のない体験も、精神のない体験も、社会のない体験もありません。この3つの循環と対話の質によってネガティブにもポジティブにもなります。

★教育における体験と対話の何が重要なのか。改めて意味が豊かになりました。

|

2022年4月 5日 (火)

Gのチカラ(03)聖パウロ学園 パウロの言動の現代化 才能開花のコミュニティ

★今日本中の学校が、入学式、始業式に向けて、つまり新年度へ向けて準備に取り組んでいます。聖パウロ学園高等学校も日々化学反応を生み出しています。小さな学校がゆえに、教師一人一人がリーダーシップを発揮するし、実際何かしらのリーダーの役割を果たしますから、リーダーフルな雰囲気が一年中こんこんと湧いています。準備と研修がここ数日の動きです。実践知ー理論知ービジョンの循環(カトリック学校ではぶどうの木と呼んでいます)が生まれるのは、このリーダーフル状態が一番ですね。

516zwfypoml_sx317_bo1204203200_

★ダニエル・ゴールマンとピータ・センゲの共著の翻訳がでました。お二人のそれぞれの本は、2001年から2007年までHondaと共に取り組んできたPBL活動で随分参考にしました。原本はすでに2014年に出版されていて、2011年に私立学校の仲間と立ち上げた21世紀型教育機構のPBLを創り上げるときに当然参考にし、同機構のセミナーでもこのエッセンスをワークショップで共有もしました。当時の聖学院の内田先生がSELのファシリテーターでもあったということもあります。

41rtwcglmnl_20220405023001

★そんな経緯もあったので、邦訳本のタイトルが「21世紀の教育」となっているのを見て、密かに喜んでいます。

★今、聖パウロ学園で取り組んでいる教育は、研修や授業、面談、行事、部活の表舞台だけではなくそのバックステージを見ていると、この「21世紀の教育」をもはや自然体に行っているなあとつくづく思うわけです。そもそもパウロ学園は21世紀型教育機構の加盟校ですから当然と言えば当然ですが。

★新年度は、組織としては、教科横断チームとして「グローバル教育部」を新設。今まで「グローバル部」はあったのですが、それを英語的側面だけではなく、教科横断的視野、多角的視点、黄金律を織り込んだ発想をもつグローバルリーダーが育つ教育環境を創ろうというわけです。部長は主幹教諭の大久保先生が担い、研修のプレゼンで、そのことをコミットしていました。

★もう一つの新設部署は「企画戦略室」です。こちらは業務横断的な部署です。学内の年間スケジュールや臨機応変な変更ーたとえば、パンデミックがひどくなった時に、オンライン授業を速やかに始動したりー段取りを組んで実施したりするには、縦割りの仕事では瞬時にできません。それに、多様な学内外の情報収集とデータ分析をするデーターサイエンスをしてくれます。小さいがゆえにデジタル化は重要です。私立学校は経営と教育は両輪ですが、その調整と進化を進める具体的なチームが必要です。室長は入試広報部長の伊東先生が担い、そのことについてコミットしていました。

★研修というと、ワークショップと思われがちですが、スピーチだけとワークショップだけと日にちを替えて行っています。普段から先生方は対話していますから、日々グループワークやワークショップは行っているので、研修は各部署のリーダー1人5分のスピーチによるコミットメントを中心にするものと普段扱わないトピックはワークショップで研修するわけです。

★こう述べると、役割分担ができているように思われるかもしれませんが、ツリー構造にはなっていません。何せスーモールスクールですから教師の人数は少ないのです。それでいて、業務は学校法規に準じて行うものは、他校といっしょです。したがって、セミラティス構造になっています。

★みなマルチプレイヤーです。おのずとナチュラルなリーダーフル状態になるわけです。

★しかし、里山と同じで、ナチュラルな循環構造はマネジメントしないと崩れていきます。新年度は、このマネジメントの方法をビヨンド ピーターセンゲでいけるように稼働し始めました。SEL的な要素についてはパウロ学園は、黄金律の浸透でノーマルになっています。あとはシステム思考の包摂なのですが、その導入はパウロの言動の現代化によって行っていきます。

★ルターや内村鑑三もパウロの精神を大事にしました。米国の組織開発や人材開発にもパウロの精神は浸透しています。GRITなんていうのはパウロの精神がスーパーモデルです。ただ、パウロの言葉をただ読むだけでは浸透しません。現代化が肝です。現代化とは経験化と言ってもよいかもしれません。

★これによって、ただでさえ、才能開花の学園ですから、より才能開花スクールとなると思います。リーダーフルな先生方の息吹が生徒1人ひとりの奇跡を生み出す環境を創っています。新年度どんな奇跡が生まれるのか密かにワクワクしています。先生方と共に歩んで立ち会いたいと思います。

|

2022年3月30日 (水)

2089年から考える21世紀型教育(10)クリティカル&クリエイティブシンキングがカギ 入学時偏差値が低くても、大学に合格するケースはたくさんある❷

★クリティカルシンキングもクリエイティブシンキングもリベラルアーツの中にはいっていて昔からあるから新しいものではないと語る方もいらっしゃいます。まさに、その通りですね。ただ、昔々のリベラルアーツは、すべての人々のお話ではなかったのです。たとえば、かつて麻布の氷上校長先生が、新教養主義と名付けて土曜日の講座を始めようとしたときに、学内で、ものすごい議論がありました。結果的に今、土曜日は、「教養総合の時間」となっていますが、立ち上がり当初は、賛否両論の議論があったのです。

31qvrkinptl_sx333_bo1204203200_

(ハイデガーは、もしかしたらタイプⅣだったかもしれない。彼に限らず、アインシュタインなど世界に影響を与えた人々は、その可能性がある。東大の個別入試では合格しないけれど、東大の帰国生対象の小論文はクリアした可能性大である)

★21世紀型教育機構も、リベラルアーツの現代化を進めています。20世紀型教育は、中等教育段階で、リベラルアーツを授業の中で展開することは稀でした。灘の伝説の教師橋本武先生のような授業をどこの学校でも行っていたということはないでしょう。もちろん、氷上校長の授業もリベラルアーツの要素をいれていましたが、それもレアケースでした。

★しかし、クリティカルシンキングとクリエイティブシンキング(C軸思考)はリベラルアーツの領域だという認識が広まってくれると、20世紀には広く浸透していなかったという意味でC軸思考も包摂した新しい学びが展開することによって、リベラルアーツが授業の中で展開していくことになります。

★これは、麻布でさえも、議論になったくらいですから、20世紀末までは、広く行き渡っていた発想ではないのです。行っていたとしても、一握りの高偏差値校が実施していたというのが本当のところでしょう。前回ご紹介した日比谷高校の小論文の問題を見ればそれははっきりしますね。

★ところが、2014年以降中学入試では聖学院に代表される思考力入試のような新タイプ入試、高校入試の推薦入試、大学入試における総合型選抜(当時はAO入試)というC軸思考を織り込んだ入試問題が注目を浴びるようになってきたのです。偏差値が高いかどうかは関係ない世界です。

★募集人員でいえば、どれも20%程度ですが、大学入学ゾーンがA軸思考一色だったのに、そこに20%C軸思考の要素が生まれたのです。しかもこの20%は、だれにでもチャンスは開かれています。もちろん、高偏差値の大学の一般選抜も開かれていますが、結果的には、高偏差値10%の生徒で占められてしまいます。ところが、このC軸思考の生徒20%は、偏差値が低くても実際に合格を勝ち得る確率が高いわけです。

Photo_20220330112701

★なぜなら、C軸思考は、人生の存在価値がベースになっていますから、偏差値の高低にかかわりなく、C軸思考を身につけることは可能です。

★ところが、この人生の存在価値を誰でも持っているのですが、C軸思考を身に付けていないために、その価値に気づかない生徒もいるのです。一般選抜では、タイプⅡやタイプⅢの生徒もいて、合格します。一方タイプⅣは、一般選抜ではなかなか難しいのです。

★一般選抜であれ、総合型選抜であれ、大学にとって(あくまで大学にとって)理想型は、タイプⅠの生徒でしょう。しかし、実際には少ないですね。さて、大学はこの事態をどう考えたのでしょう。いうまでもなく、今や80%以上の大学が総合型選抜を実施しているということは、タイプⅣのように、偏差値という目では見えない人生の存在価値をベースにC軸思考を有している生徒を受け入れようとしているわけです。

★これが、「高校入学時は大学入学者ゾーンにいなくても、卒業時に、大学入学者ゾーンにシフトする生徒はたくさんいる」という事実を構成しているのです。偏差値それ自体は、実は卒業時にそれほど伸びていなくても、総合型選抜によってDソーンシフトが可能なわけです。

★それを偏差値が低いのに受かるのは、大学が青田買いしているからだという人もいるのですが、偏差値で見えない部分を評価する多面的評価をしているわけですから、別の評価レンズでは、実に高いわけです。

★立教大学の中原淳教授をはじめ多くの見識者が、このタイプⅠとタイプⅣの生徒が大学や社会でプロジェクトチームやコミュニティにおいて大いに活躍するという調査をしてきました。このタイプⅠとタイプⅣの生徒のように、C軸思考を身につけていくキャリアデザインを「トランジション」と呼び、その2タイプの人生の痕跡である「トランジション」研究がこれから重要になってくるでしょう。なぜなら、この「トランジション」によって、ライフシフト時代を乗り切る人生の存在価値を広め深めることができるという結果になりそうだからです。

|

より以前の記事一覧