高校入試

2022年5月13日 (金)

数学と情報のクロスオーバー 大事なことは物の見方の交差 聖パウロの数学ミーティングから気づいたこと

★聖パウロ学園の数学科は、月に1,2度MM(Math Meeting)を開催。大学入試問題を通して数学の学び方を分析する対話をしています。解き方を検討することもしますが、生徒がその解法に接近するまでの前提情報とか前提知識とか前提思考スキルとかをポストイットで出し合います。

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(左から伊東先生、松本先生、佐藤先生)

★パウロの授業はPBL20%ルールというのがあり、最低20%は思考を巡らす問いを考えるということになっています。思考を巡らすとは何でしょう。解き方とどう違うのでしょう。

★なかなかそれは分けにくいですね。

★ところが、数学科の中には情報の教師でもある佐藤先生がいます。

★順次分析と解法分岐に分けて、アルゴリズムを作ります。作っては主任の松本先生と詰める対話もしています。

★伊東先生は、東京私立教育研究所の研究委員でもあるので、そのような知見を他校の先生方と対話します。

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★こうして、より広い視野で数学科は、授業を形づくっていくわけです。

★現場と広い視野とを結びつけるものは、実はアルゴリズムという思考のバックステージと思考の踊り場を可視化する発想でした。

★毎回MMで大学入試問題1題を扱います。その対話のまとめを佐藤先生がアルゴリズムにしていきます。

★これが積もり積もれば、凄いことになりますが、松本先生は、だからといってマニュアルではない。なぜなら、あくまで出発点は、現場の生徒だから、その生徒が違えば、アルゴリズムも変わるからだと。

★一方、伊東先生は、その変容を関数化できれば、数学科でそのようなアルゴリズムの発想を共有できると。

★実におもしろいのです。

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八雲学園の教育の総合力をいかに表現するか

本日GWEで、八雲学園の副校長菅原先生と対話をします。八雲学園の教育の総合力が、VUCAの時代に極めて効力を発揮するということがメインテーマになると思います。今まで、八雲学園の教育の総合力を支える4つの柱と同校が加盟しているROUND SQUAREの教育理念は、結びついているけれど、どう結びついているかあまり論じられてきませんでした。

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★実は、上記のように表現することができます。これを見て、氷山モデルを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。

★その通りです。海面下は外から見ているとなかなか見えないのですね。

★しかし、こうしてみるとちゃんとつながっているのですね。

★もしつながっていないとすると、八雲学園はROUND SQUAREに加盟を認められないのです。ところが、加盟が認定されているわけですから、つながっているわけです。

★中学入試情報を発信するライターの方は、ノイタキュード代表北岡優希さんのように、このようなつながりをわかりやすく表現する挑戦をすると、世界を変えられるはずです。少なくとも日本の教育はようやく善い方向に向かうでしょう。

★よく売り物は何ですかと声高に質問する方もいますが、そもそもそのような点でみているといつまでたっても総合的なつながりが見えてこないのです。

★わかりやすくとは、本質をはぎ取るのではなく、本質をイメージできるように表現することです。それは確かに難しいですね。しかし、みなで協力して、本質を見極めましょう。その姿勢が共有できれば、希望は必ず現れてきます。

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2022年5月11日 (水)

高校の新学習指導要領によって際立つコト~聖パウロの国語の試みから

★今年の高校1年生から、新学習指導要領が実施されています。実際現場でやってみて、興味深いことと現実とのギャップがみえてきました。というのは、新学習指導要領と高大接続がまだまだマッチングしていないのです。教科書をやっているだけでは、従来と変わらない一般選抜の内容だと乗り切れないのです。一方で、総合型選抜はいけそうです。

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★たとえば、「現代の国語」では、論理的文章が中心なのですが、国語科主任の高橋先生は、文化人類学や文学などをクロスオーバーして、PBL型授業を展開します。グーグルクラスルームというプラットフォームを活用しながら、スライドや小論文をやりとりし、エンパワーメント評価とかフィードバックとかリアルでもサイバー上でも対話ができます。

★芥川龍之介などは、文学的なアプローチだけではなく、龍之介がその当時、つまり近代の読み解きをしていた法哲学的な視点があります。当時の社会情勢について、親友恒藤恭(当時京大教授)と夜を徹して話したそうです。それでも当時を2分していた社会価値観の両方に納得がいかず、第3の道を探っていたらしいのです。

★そのような論理的文章と文学的文章を背景にまで深めていけばたしかにクロスオーバーになります。

★しかし、一般選抜はそこまで求めないし、古典の勉強もしっかりやらねばなりません。ところが、この路線の学びが、新学習指導要領の国語の学びでは手薄になるかもしれません。

★そこで、進路指導部では、放課後でそこを補填する講座を開いているわけです。ヴェリタス、カリタス、100分学習という3つの体制が、すでにあったわけですが、進路指導部長は、この時間をさらに有効活用する仕組みを考えています。

★私立学校だから、柔軟に理想と現実を結び付ければよいのですが、果たしてそれでよいのかどうか。

★学習者中心主義でいくし、海外大学を希望する生徒もいるので、結局学習指導要領以上のことをやることになるので、現場は対応していきますが、学校の働き方改革を唱えていても、高大接続循環がうまくいかないと、結局はそんな改革もうまくいきません。

★はてさて、それぞれの学校で創意工夫してというのなら、もっと自由な設定をデザインすればよいのにと思うのは私だけでしょうか。

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2022年5月 7日 (土)

GWEで伊東先生が聖パウロ学園について語る パウロモデルの役割

今年の5月の連休の初日29日の夜、GLICC代表鈴木裕之さんに、GWEで聖パウロ学園の教育のエッセンスについて、同学園入試広報部長・企画戦略室長伊東竜先生と対話する機会を頂きました。想像を絶する多忙な鈴木さんが、久々にゆっくり過ごせる大事な時間をシェアしていただきありがとうございました。伊東先生とは、言うまでもなく聖パウロ学園の教育の真髄をいかに広報するのか、その戦略について毎日のように語っています。そして、話が盛り上がるのは、そのパウロモデルともいえる教育の真髄は、聖パウロ学園の生徒にとってのみ有益なのではなく、日本の高校生300万人にとっても有益なはずだという点です。

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★もちろん、聖パウロ学園だけで300万人を背負うというわけではありません。そうではなく、パウロモデルとしての教育の広報が、高校受験生とシェアするだけではなく、もっと広範囲に浸透させることによって可能になるわけです。パウロモデルをきっかけに多くの高校生が不安や悩みを脱して幸せな生き方ができる教育環境空間がたくさんできることを期待するわけです。その意味で、今回の<GLICC Weekly EDU 第77回「聖パウロ学園 伊東先生との対話ーZ世代に役立つパウロ・モデル」>という番組は大いに助かります。

★GLICCのGWEに登壇する先生方は、私立中高一貫校の先生方がほとんどです。この私立及び公立中高一貫校に通う生徒は、日本全国の中高生600万人の10%である60万人です。中高一貫を経験する高校生は30万人です。

★しかし、聖パウロ学園は高校だけの共学校ですから、残りの270万人の高校生が対象なのです。教育でメディアが大学進学実績で一喜一憂する情報を流していますが、対象は、中高一貫校と公立の進学重点校などに限られます。

★そして、そのような学歴社会的な価値観が教育格差を生んでいるわけですが、その格差を聖パウロ学園は、なくす奇跡を起こしているわけです。そんな大上段に構えるような話は、ふだんの説明会では時間の都合もあるし、知りたい情報の優先順位から言えば低いので、しませんが、教育における社会課題は、270万人の高校生にふりかかっているのですから、GWEのような番組では少し触れさせていただきました。

★そのようなパウロモデルを、プラグマティックにいかに実践しているかについて、伊東先生が語ってくれました。とはいえ、やはり説明会では詳しく触れない点についても伊東先生は丁寧に語ってくれました。

★探究ゼミのシステムや研究者と教科の教師と伊東先生のようにコンサルテーションができる教師のコラボレーションの探究コミュニティが出来ているという話は、そこまで学校説明会では語れません。

★また、パウロの森を活用したプログラムで生徒がどのような刺激を受けたり好奇心を旺盛にしたりするか目に浮かぶような具体的な話が聞けました。体育の乗馬プロラムは、もちろん鈴木さんも驚いてくれましたが、馬と生徒のコミュニケーションの状態についてもふだんは聞けないような心温まる話に思わず聞き入ってしまいました。

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★それから、夜のパウロの森を彷徨うシカの映像もちょっとおもしろいですよ。

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★さらに、鈴木さんは、伊東先生の「PBL授業」と「放課後学習のヴェリタス、カリタス、100分学習」の明快な比較に大いに興味を持っていただけました。PBL授業は、教科の授業ですが、教科書を超えて、常に社会課題や自然現象の課題を意識しながら課題解決の深い学びになっていきます。一方で進学のための自己陶冶として自己マスタリープロジェクトしての放課後学習のスイッチの切り替えのバランスのよさについて、鈴木さんは質問を伊東先生に投げかけていました。

★なぜそんな両方の合力を導くことができるのかという驚きだったようです。それについて伊東先生は丁寧に具体的な状況を挙げて語っていました。

★もともと寮制学校だったいうこともあり、自律分散協働系はある意味パウロの文化だし。スクールモットーが、「人にしてもらいたいことは何でも人にしなさい」という黄金律が日常化しているということだなと、ふだんは自分たちでは当たり前になっていて気づかないのですが、鈴木さんの視点に改めてここは形式知化をしておこうと気づきました。ありがとうございます。

★それから、伊東先生は数学科でもあり、MM(Math Meeting)において入試問題と思考コードとPBLを結び付けた対話や議論をしているという授業のバックステージについても語りました。これも鈴木さんは興味を抱いたようです。

★工学院の教務主任田中歩先生とお互いの学校のPBLの話についてよく語るのですが、工学院は、グローバル教育やPBLは最高を目指しますが、聖パウロ学園は20%を目指します。これが中高一貫校と高校だけの学校の典型的な違いだなと思います。

★中高一貫校は、市場の原理で競争が激しいわけです。最高レベルの鎬を削るわけです。ところが高校だけだと、市場の原理はあまり働かないので、誰もが手が届くというレベルからはじめて最終的に高いハードルを生徒自身がいつの間にか飛んでしまうという状況をつくることが大切です。

自律分散協働系というのは、寄り添いながらも手放して生徒自身が偏差値などの囚われ人から解放される状況を創り出すということです。このパウロモデルが思わぬ成果を生み出します。伊東先生は、それを、八王子・多摩エリアの教育関係者からパウロミラクルと呼ばれていると語りながら、具体的な教育の仕組みを語っています。このパウロモデルは、学校選びのみならず、日本の教育が幸せを作らないシステムではなく幸せをつくるシステムになることのヒントになればと思います。

★今、世界は軍事力と政治経済力と教育力の不均衡状態になっています。軍事力に頼らない幸せなシステムはいかにして可能か。教育に携わる私たちは、そのために、知恵を出し合いたいものです。鈴木さん主宰のGWEは、そのコミュニティ空間になっていると改めて実感しました。いつも本当にありがとうございます。

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2022年5月 5日 (木)

5月の連休で思ったこと メモ

★4月の20日以降から、体調を崩し、学校も3日間も休んでしまい、関係者の皆さんには本当にご迷惑をおかけしました。しばらくホンマノオトも書き込めない状態が続きました。15年書き込んできて、こんなに書かなかった日はありませんでした。書く意欲が湧かないなんて!あるのだと自分の事ながら驚きましたが、少し動けるようになって、久しぶりに和洋九段女子で行われた21世紀型教育機構の総会に参加し、仲間と対話でき、かなり刺激を得て、少し勇気が湧いてきました。翌日、GLICCの鈴木さんに励まされながら、同僚とGWEに登壇させていただき、また力を得ました。

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★その前週、成城学園の青柳先生と対話する予定が、そんな状態だったので、参加することができませんでしたが、後から動画を視聴し、またまた勇気を頂きました。健康を取り戻したときに再度青柳先生と対話をお願いしたいと切に思いました。

★もちろん、PCRの結果は陰性でしたから、まずは学校には迷惑はかけなくて済んで、ほっとしているわけですが、どうも昔の疾患が再発している感じでふと不安がよぎるのですが、とにかく少しずつホンマノオトに書き込み始められるようになりました。

★首都圏模試の山下さんや北さんにも元気づけられ、寄稿のための原案も考えられるようになりました。長野の森の中で、ビールを飲みながら、孫と戯れながら、ぼーっと空を眺め、風の音や虫の羽音、木々から色々なものが降ってくる音に耳を澄ましながら、八雲学園のトランジションについて思い巡らしているうちに、ふといろいろ降りてきました。近藤隆平先生、菅原先生と約束したアイデアを表現したいという意欲も湧いてきました。

★DISCOVERに向けて平方先生と私立学校の模索について一杯宿題をもらいましたが、それらは、21世紀型教育機構のメンバーとの対話や勤務校の同僚との対話ともだんだん結びついてきました。

★同時に、受験業界からの目線と学校からの目線の両方を公平に見られるようになっている自分にも気づきました。受験業界も学校も実はかなり変わってきていて、互いに批判している視点や価値観がかなり古くなっているということにも気づきました。

★やはり私立学校は、進路指導が大事だと。しかし、その進路指導は受験指導という狭い範囲に限られないから大事なのだと。一般に外から見た場合、進路先の結果が目立ちます。氷山の一角です。たしかに、かつては一般選抜のために受験指導をメインストリームとして受験業界も学校でさえもが行ってきたことがあるかもしれません。

★しかし、今では、海面下の見えない部分が重要で、受験業界も学校も、ここの学びの質の部分には力を入れているわけです。ただ、受験業界と学校は、得意不得意がそれぞれあって、たとえば、B社のような教育産業の情報と学校が連携することは必要です。

★その連携の際、氷山の一角の見える部分の情報だけを共有するか、海面下の教育の総合力を共有するのかでは、生徒の育ち方に差異がでます。

★そのことは、今や受験業界も学校も十分にわかってきています。

★進路先でそして社会や世界に出たとき活躍できる人的資本として成長するには、やはり教育の総合力が必要です。最近は学校の働き改革で、なんでも合理化して、この教育の総合力を圧縮しようとする動きがあります。

★そして逆説的なのですが、この合理化は、受験指導という狭い範囲に学校を導いてしまう結果になるわけです。そして、このことが大学合格実績は出せども、人的資源は枯渇するというディストピアを導くことにもなりかねないのです。

★授業をPBLにするだけで、総合的な探究の時間を行うだけで、教育の総合力ができるかというと、それはできませんね。

★合理的なことを推奨する人々の共通点は、自分が苦労して成功している人に多いですね。そんな苦労はしなくてよいという経験からくる考え方です。苦労しないで成功する人は、実は基本いないので、結局そういうことを言っている人々は、個性的というより一つの偏った見方ですね。

★むしろあれもこれもしたかったけれど、自分はできずに成功できなかったという人々の考え方も大事にした方がよさそうです。

★その発想こそがクリエイティビティを生み出すし、コラボレートなんてのは、一見するとあまり合理的ではないですから、やはり成功しなかった人の方が必要とするのです。また、ケアリングも成功者にはあまり湧いてこない発想です。

★学習指導要領は、合理的に考えてよといいながら、合理的にできない現場の時間性を物理的にしか再考しないから、いつまでたってもうまくいかないわけです。

★直線的時間と円環的時間の両方で考えていくと、片方から見ると不合理的に見えたり、非合理的に見えたりするものだということが了解できます。

★直線的に考えると収まり切れない仕事。円環的に考えると収納される仕事。前者は、氷山の一角で、後者は海面下にあるものです。

★それでいて、両者はつながっている。この両方をつなげてみると、今までの教育の議論が大きく変わるわけです。

★そのような氷山全体の諸関係を捉えている教育の総合力が進路先、社会、世界にでてC軸クラスとして活躍する人的資本を生み出すことになります。そのような世界環境をいかにしたら創れるのか。そのような世界環境とはいかなるものか。教育の総合力の出番です。

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2022年5月 2日 (月)

起業家の思考法 教育に逆転換してみるとおもしろい

<起業家の思考法――「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法 ダイヤモンド社>はおもしろい。この「別解力」とは思考コードでいえば、C3領域。起業家精神は「思考コード」に置換えることは可能で、教育と起業は脱偏差値的なトランジションを描けるなあと直感したそのとき、ふと著書平尾丈さんのプロフィールをググりました。すると、海城学園→SFCというまさに新しい学びのトランジションを歩んでいるということがわかりました。

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★前回ご紹介したように、C3思考力を有して、高邁な精神という理想と現実化する力の両立をするタイプは、年収が5000万以上は可能なわけです。年収という言う言い方はわかりやすいから使ったまでで、C3思考力を中等教育時代に身に着け、社会に出たら、年間5000万以上のひと・もの・かね・情報のネットワークをマネジメントしているよということです。5000万どころではないと思いますが。。。

★平尾さんが海城を卒業するころというのは、同校が激しく改革を行っている(このときから今もアップデート持続)ころでしたから、体験値を上げるPAプログラムや骨太小論文を編集するチャンスやコミュニケーション能力を高めるプログラムなどが矢継ぎ早に実現していた時代です。

★東大進学という優れたプログラムと別のプログラムも行い、多様な学びが並行進化し始めていました。そして平尾さんはSFCですから、そのころから別解力を発揮していたのでしょう。

★平尾さんの人生のトランジションを垣間見るだけで、中等教育と起業の結びつきは、東大進学プログラムとは別解のプログラムも存在していることが重要だということが了解できます。

★そして、この本を通して、思考コードは、学びのコンパスであると同時に資産・資本のコンパスでもあることが了解できます。

★well-beingと平和が希求されている喫緊の事態が起きている状況下では、理想の教育は平和を象徴する新しい経済社会を現実化する別解力=C3思考が必要だと理解できます。

★平尾さんは、同書のいろいろなところで、「誰もが思いつく実現可能な選択肢では人は無価値になる時代だ」「 誰もやらないような創造的な打ち手を繰り出さなければ、勝負にならなくなる」と語っています。同感です。ですから、教育の現場でも、学習指導要領の言説を振り回しているようでは、起業家は生まれないということです。

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21世紀型教育機構 新たな次元へ

★先週の木曜日(28日)、和洋九段女子のフューチャールームで2022年度の21世紀型教育機構の第1回総会が開催されました。各校のマネージャーとSGT(スーパーグローバルティーチャー)、及び首都圏模試センター、アクレディテーションチームなど協力団体が一堂に会しました。同機構教育情報センターの主席研究員の児浦先生や田中歩先生、主任研究員の新井先生、田代先生、染谷先生も参加し、熱くSGTの未来構想を語り合いました。

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★そして、理事の大橋清貫先生からは、本格的にSGM(スーパーグローバルマネージメント)部会の座長として、理事長・校長・マネージャーの資質能力向上のためのビジョンが示されました。

★SGTーSGMという21世紀の教育と経営の両輪をいよいよ走らせる段とななったわけです。

★VUCAの時代と言われて久しいですが、今まさにVUCAの真っ只中にいます。もともとVUCAは軍事用語です。それが経済の世界で語られるようになったのですが、現状はまさに軍事用語としてのVUCAの展開を毎日目にしています。私たちも対岸の火事では済まされません。教育で何ができるのかを問い返す総会の雰囲気が広がりました。

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★ですから、最後に八雲学園の副校長菅原先生が一本締めをする際に、この現状化において、グローバルリーダーを輩出することの重要性を説きました。各校well-beingを求めています。しかし、それは新しい平和を生み出すグローバルリーダーを育成してこそ達成できるでしょう。

★グローバルリーダーとはひと・もの・かね・情報を公平にかつ自由市場を持続可能にしながら活用し、民主主義的社会や世界をマネージメントしていく人的資本です。

★したがって、その高邁な精神という理想と活動資金という現実的な力を得る必要があります。理想と現実を一致させる資質能力ですね。グローバリリーダーになれば年収5000万以上は得ることになるでしょう。半分は家族という未来の世界を創る無形資産を持続可能にするために、そしてもう半分は未来を創る資本として自身の活動のために活用されるでしょう。

★教育の世界は、お金に対する正しい認識を教育することを少し怠ってきましたね。イマニュエル・カントでさえ、平和を創るには、金が市場で循環している環境を創ることだと語っていました。教育において道徳はカントが主役ですが、このカント経済循環のお話はほとんどマスクをかけられたままでした。いやいや金融教育をやっているではないかと。いやお金の光と影の両方のシステムをきちんとオープンにしていないのは誰も否定しないでしょう。

★しかも、ライフシフトの時代です。クリエイティブ資本と無形資産の新しいBS(バランスシート)をイメージする必要があるのです。この領域は思考コードでいえばC3の領域です。グローバルリーダーは、この領域を重視します。

★独断と偏見ですが、21世紀型教育機構は、資本と資産の関係を次の図のように描こうとしているように感じました。

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★こうして分類すると、思考コードのC3は年収5000万以上、B3は2000万以上、B2×C2は3000万以上、A3は1000万以上ということになるでしょう。根拠は、それぞれのカテゴリーで活躍する人的資本を想起してということです。具体的には、あまりに衝撃的なので、ここでは述べられませんが。

★起業家精神豊かな生徒はC3ですから、思い起こせば、そういうことになります。このC3人的資本を生み出す教師がSGT[だし、そのような環境を創るのがSGMです。では、SGTの年収は変わるのか?はい、ライフシフトの時代を引き寄せることができると、大転換が起こります。教師になりたいという状況が生まれるでしょう。ただし、SGTの資質能力が必要になります。

★いずれにしても、21世紀型教育機構の加盟校は、すべて海外の大学への道をたくさんの生徒に開いています。これはC3の道でもあるというわけです。中でも三田国際は、140名を超える生徒が海外大学へ進むパスポートをゲットしたということです。21世紀型教育機構は、この教育をはじめた1期生が2021年前後に海外大学進学率を飛躍させると予想していましたが、それは実現しました。

★同機構のSGM及びSGTは、理想と現実を一致させる資質能力を有していることが証明されたわけです。今後は、この高邁な精神と現実化力の両方が機構内で共有されるシステムができたわけです。新たなケミストリーに期待がかかります。

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2022年4月15日 (金)

変わるというコト(03)高校の生徒がカギ 首都圏模試も動く 日私研も動く 東私研も動く

★もはや予測不能な時代は遠くの話ではありません。VUCAの時代も遠くの話ではありません。コロナ、ウクライナ、フクシマというキーワードの背景には、すでに予測不能だとかVUCAとよばれる時代が来ています。すぐそこにというより、真っ只中というわけです。いまここでこの変化に対応するには、グローバル感覚、グリーン感覚、ゴールデンルール感覚、GRIT感覚は当たり前です。もちろん、そのいずれにもデジタル化は当たり前です。そしてこれらを統合するのは、哲学だった現代化リベラルアーツだったりというわけです。IBのTOKとかSTEAMなどは、この部分集合です。この4G1D×哲学あるいは現代化リベラルアーツを実践するコア領域は、中学や高校という場です。

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(2021年12月22日 一般財団法人日本私学教育研究所調べ)

★日本全国の中高でざっくり600万人の生徒がいます。シンガポールやフィンランドなど教育大国(?)の人口は、どちらも600万人いきません。にもかかわらず、1人当たりのGDP(2020年IMF)は、シンガポールは、日本の1.5倍、フィンランドは1.2倍です。

★別にGDP競争をしようというわけではありませんが、すべての国が豊かになるために、どんな教育にしていけばよいのか考えることは無駄ではありません。

★そのモデルを作るには、今の学習指導要領ではなかなかうまくいきません。だいぶ開かれてきましたが、まだまだ世界標準ではありません。

★やはり相対的ですが、学びの自由度が高い私立学校で始めるのが現実的です。私立中高一貫校は最も先進的ですが、ここに通っている生徒数は、全体の7.7%ですから、ここだけ頑張っても、なかなか変化は広がりません。

★私立高校に在籍している数は、全体の33.6%です。私立中高一貫校だけではなく、高校だけの学校に在籍している数は、全体の25.9%です。

★私立中高一貫校、私立高校が動き出せば、全体への広がりは加速するでしょう。

★ここに挑戦しようという気概を持っている集団が、首都圏模試センターとその仲間です。高校受験情報誌制作プロジェクトを進めています。

★昨日ご紹介した北岡優希さんもその1人です。このチームは数十校の私立高校を巻き込む動きをしています。

★聖パウロ学園ももちろん協力しています。

★GIGAスクール構想とCEFRの考え方の広がりもまた、この動きを支持してくれることでしょう。

★さらに、日本私学教育研究所(日私研)と東京私学教育研究所(東私研)も大胆に動き出しています。

★変化の波は、大きくなります。そうなると私は楽観的に感じています。

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2022年4月14日 (木)

ノイタキュード代表北岡優希さんとの対話 新しい学校の表現を開く

★ノイタキュード代表北岡優希さんは、首都圏模試センターが出版している中学受験情報誌「shuTOMO」の編集を手掛けています。また、しゅともしのオンディマンドプロデューサーなどでも活躍しています。私もよく知っている私学の先生方についても丁寧に取材編集がなされています。その記事をみると、なるほどよく特徴が映し出されているとグッときます。

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★対話をして、思った通り、よき傾聴者です。よき観察者です。そしてよき表現者です。デジタル技術も巧みです。

★北岡さんのような創造的才能者を味方につけた学校は幸いです。

★自分たちでは気づかない価値を見出してもらえるし、新しい学校の作り方のヒントももらえるからです。それが何かは、いずれ!

★それにしても、学校の空間の捉え方がアーティスティックです。そんなワクワクするような空間だったとは私たちは気づかないのです。

★アートな表現は、もっというと超ポストモダン的アートは、私たちが気づかないコト、見えていないコトを見える化してくれるだけではないのです。新たな発想を創出もしてくれるのです。

★5月には、北岡さんはGWE(GLICC Weekly EDU)にも登壇。柔らかく新しい表現をぜひ共有しましょう。今から楽しみです。

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2022年4月13日 (水)

変わるというコト(02)質を上げても次元が変わらないコトもある、質を上げなくても次元を上げるコトもできる

★学校は、教育の質を上げることは当然です。しかし、質を上げても全体としては何も変わらないというコトもあります。実に判断が難しいですね。質が変わっても次元というか組織の枠組みが変わらないということがあります。

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★タイプAが、そのタイプです。質を向上して、飽和状態になると次元がnからn+αになりそうなのですが、実は質の飽和状態とか沸点は読めないのです。多くの場合、携わっているメンバーの自己満足になりがちです。

★質が不十分でも、テクノロジーを加えると化学反応が起きそうですが、そうでもないというのが、Bタイプです。

★テクノロジーを使う場所をn+αの次元で行えば、実は現状の質が不十分でも、高い次元で質を充実できるということがあります。

★ここでいうテクノロジーとは、デジタル技術だけではなく、身体技術、心の技術、人間関係形成技術、ケアリング技術などを含みます。

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★タイプA´は理想的なように見えますが、コストがかかりすぎ、持続可能が難しいかもしれません。そもそもこのようなテクノロジーの使い方はあまり意味がないのです。

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★しかしながら、タイプDという場合もあります。というよりも、この場合が多いかもしれません。

★なぜこうなるのか?

★それは次元nと次元n+αの差異を明快に了解していないからです。

★「了解」?

★正解があるわけではないので、n+α次元は創造しなくてはなりません。構想力が必要です。

★それがなかなか難しいですね(汗)。

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