高校入試

2023年9月23日 (土)

成立学園 見えない学力で非認知能力が豊かに育つ 見える学力で認知能力も万全

★成立学園の人気はここ数年右肩上がり。入学生も定員を少し上回っているので、自ずと生徒のレベルも上がってしまいます。しかし、認知能力だけではなく非認知能力でチャレンジできる入試も設定しています。そして、すべての入試で英語の資格スコアが加点されるといういわば見えない英語入試も行われています。実によく考えられた入試制度を構築しています。つまり、IQや認知能力だけで競争勝利主義的な入試に偏ることなく、非認知能力や生徒の才能でチャレンジできる多様性を受容する入試制度なのです。なぜそのような制度を構築できたのでしょうか?

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 (GLICC Weekly EDU 第144回「成立学園ー見えない学力の仕掛け」)

★その理由が、昨夜のGWE(GLICC Weekly EDU)で、宇田川先生が丁寧に詳しく語ってくれました。つまり、中学開設してやがて15年になろうとしています。中高全体では100年を迎えようとしています。この歴史の中で積み上げてきた「見えない学力」の壮大な教育環境デザインと細心の注意を先生方が気遣った生徒の脳内思考と感情を豊かにする内的学びのシステムの構築が、成果を出し続けているからです。

★進学実績が右肩上がりというのは、その成果の1つのエビデンスです、最高の成果は口だけの理論家ではなく、経験の中で気づいた課題を解決する社会貢献をする人間力とその成果をローカルからグローバルにつなげていく世界的アクションを起こせる地球市民力が育っているということだと、宇田川先生のお話から感じ入りました。

★見えない学力を生成する仕掛けは、代表的には3つの大きなプログラムがあります。それ以外に伝統の中で積み上げられてきた建学の精神という世界精神もあります。何より教師力、先輩後輩の同窓力、同学年の仲間力など豊かな人間関係が非認知能力を生み続けるという心理的安全性というものもあると思います。

★これらのはすべて具体的に実践されていますから、一体どういうものなのか、ぜひご視聴ください。

★そうそう、世界のエスタブリッシュな私立学校は、どこも見えない学力を生み出す自然体験やアドベンチャープログラムがあります。つまり、成立学園と同じということです。世界の教育を見渡して、日本の私立学校を観ると、また私立学校の選択の方法が変わると思います。世界のエスタブリッシュな私立学校は、年間の学費が500万から1000万かかります。

★それと同質あるいはそれ以上の私立学校に、その10分の1から5分の1の年間の学費で行けるとしたら、みなさんはどんな選択判断をするでしょう。秋を迎えるにあたり、私学の選択の視点を新しく加えてみてはいかがでしょうか。

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2023年9月22日 (金)

文教大学付属中学校オシの友人から

★最近、文教大学付属中学校オシの友人から、本間さんは最近Awe体験についてコメントしているから、文教大付属のサイトを見るとよいですよと薦められました。早速開くと、なるほど感動しました。まずすぐに飛び込んでくるアイキャッチ画像のメッセージがすてきです。

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(写真は同校サイトから)

★「ここへ来て、深呼吸が増えた気がする」「強さとは力じゃない、絆だと思う」「今日のランチは『おいしい』と『たのしい』のセットです」「読書というより、夢を追いかけている」などこのメッセージにマッチした画像が重ねあわされています。なかでも「誰もいない休日の教室って、どんな顔をしているのだろう」(上記社員)は、私のお気に入りです。

★どのメッセージからも、いろいろな美しい意味があふれています。創造性、好奇心、勇敢さ、熱意、愛情、チームワーク、希望などが思い浮かびます。これらの言葉は、同校の生徒の皆さんの強みでありメンタルモデルでしょう。

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’(写真は、同校サイトから)

★また、上記写真の木々の葉は、サイトを開いてみてください。そのページでそよ風に揺れているのです。シネマグラフの技術が使われている、つまりAI技術がさりげなく使われているわけです。テクノロジーによって、豊かな感性を覚醒してくれるそんな仕掛けが織り込まれているのでしょう。

★認知能力と非認知能力の両方に、同校の学びの場が開かれているのが、こういうところからも了解できます。先生方のすてきな心意気が気持ち良いですね。

★それから、先週理事長クラスの方々数人とミーティングをしていたのですが、ブレイクの時に、ある理事長が、孫が〇〇大学でがんばっているよと満面笑みで語ってくださったのです。お互い孫の自慢話をするオールドクラスのミーティングですが、そういえば、お孫さん文教大学付属高校でしたよねと尋ねると、そうそう、非常に丁寧な教育を先生方がまじめに実施してくれている学校でね、孫も楽しいし進学に向けてチャレンジする指導も丁寧に行ってくれると言っていたなあと。教育は教師の対話力を介しての思考型教育だよ、そう思うだろうと誇らしげに語ってくれたのです。

★たしかに、その理事長の学校もそこを大事にしています。

★こんなふうに、わずか2週間の間に、ポジティブな意味で話題になる学校は、すてきです。教育や学校は、ネガティブなニュースばかりか流される昨今、このような希望が持てる同校のエピソードには、どこかホッとするものがあります。なるほど、マインドフルネスな学校です。「人生のステージは、美しいに決まっている」サイトからこのメッセージを皆様に贈ります。

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工学院の魅力➂ 生徒は体験とリフレクションとメタローグの次元を往還する

★明日23日(土)から2日間、工学院は夢工祭。正面玄関にあるビッグモニター(一般には中高にはない代物ですね)で生徒が自ら躍動感あふれるPR動画を作成して流しています。さすがSTEAM教育が日常化・自分ごとになっている工学院。その夢工祭に向けて準備をしている超忙しい中、5人の生徒が入れ代わり立ち代わり対話撮影のためにMAKE ROOMにやってきていました。

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★その5人は、21世紀型教育研究センターが主催した3校合同プロジェクトのメンバーです。工学院と聖学院、和洋九段女子の生徒がお互いに学校フィールドワークをして、感じたことや発見したことについて対話し、共に居心地の良い学校を創るアイデアを出し合っています。そのプロジェクトのリフレクションの対話をしていました。

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★場所はやはりMAKE ROOMで、3F(フラット・フェアー・フリー)な雰囲気をアフォードしてくれる環境でした。話を聞いていて、グローバルなエッセイライティングの基本ができているなあと。それぞれが気になった各校の空間のファクトについて語りながら、それに対する素直な自分の感情を語っていきます。当たり前のように思うかもしれませんが、自分の気持ちをさらけ出すということは、自分の価値観やメンタルモデルを公開することですから、実は意外と臆病になるものです。それがまったくないのです。もちろん、カメラが5台くらい囲んでいたので、最初はそれに対して少し緊張はしていました。しかし、これは人間当然です。

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★おもしろかったのは、八王子の学校と都心の男子校と女子校の違いを意識していたアンコンシャスバイアスを互いに対話し、それぞれの良さを受け入れながら、自分たちの学校の良さに改めて気づいたという展開です。

★ほかの2校の生徒が、工学院の校舎の吹き抜けを見てAwe体験している姿に、この空間の機能の良さに改めて気づいたのだと。教師と先生の距離が居心地の良いのは、このような吹き抜けのオープンスペースが関係しているのではないかと。たしかに、反対側の廊下を歩いている先生に、「いまいいですか」と声をかけても通じてしまうわけです。グーグルクラスルームと同じような機能のソフトに慣れている生徒ですが、リアルに声を掛け合うことができるこの空間の大切さに気付いていたのです。

★中野校長が、うちの生徒はメタ認知ができるようになっていますからねと語っていたのを思い出しました。工学院のキャンパスもAwe体験できる大自然をシミュレーションした空間があったのです。

★ファクトーオピニオンーリフレクションーアウェアネスという一連の対話が、新たな問いを共に開いてく工学院の生徒。体験とメタ認知の循環。いったいそれはいかにして可能なのだろうか?実は5分間くらいのアンケートにフォームで回答してもらったときに、その秘密が顔をのぞかせたのです。ダイアローグとメタローグを往還できる教育環境デザインのなせる業だったのです。(つづく)

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2023年9月21日 (木)

工学院の魅力② 信頼は非認知能力が豊かに育成されるから

★工学院の魅力の大きなベースは、教師と教師、教師と生徒、生徒と生徒、教師と保護者、保護者と保護者、学校と卒業生などまずは学内に信頼関係が広がっていることです。そんなことはどこの学校でも当たり前ではないかと言われるかもしれません。たしかに、そうであってほしいのですが、そうでないことは昨今のニュースを見聞きすれば明らかです。学内全体に信頼関係が広がるのは、言うは易く行うは難しなのは、受験生・保護者もわかっているはずです。ですから、自分にとって信頼できる、そして自分を信頼してくれる教育環境を探しているのです。

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★中野校長先生と田中歩先生(高校教務主任)の対話を聞いていて、それを身に染みて感じました。そもそも校長と学校の先生方のフラットな対話を公開するということ自体、レアケースでしょう。どこの学校も校長が前面に出て話したり、インタビューを受ける動画はよく見ますが、インタビュアーなしで、自由にのびのびと1時間もなごやかにそれでいて未来を共に創るにはどうしたらよいか対話するのです。

★しかも、校長室とかではなく、Make RoomというSTEAMの拠点の一つ(学内に幾つかある)を選ぶのが校長らしい選択です。中野校長自信がICT関連教育の第一人者です。ICTというグローバルイノベーションは、フラットでフェアーでフリーという3Fに象徴されます。このことはご自身の発想そのものです。ですから、学校組織の人間関係もその3Fを自ずと体現しています。

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★この3Fは、田中歩先生ともシンクロします。同校のグローバルな教育の総合力を先生方と共に生徒と共に創っていますが、その真価/進化が止まりません。それはやはり互いに信頼しあい、自分たちのやりたいことを英語とイノベーションとで形にしているからです。

★しかも人間関係を豊かにするもその反対にしてしまうのも、言語の使い方次第です。それはICTの使い方次第と同じですね。人間関係を豊かにする使い方ができているのが工学院です。

★つまり、信頼関係をつくるのに、言語教育とICT教育が相乗効果を生み出し、工学院の魅力を増幅しています。

★それにしても中野校長先生と田中歩先生の対話は、互いにリスペクトし、気遣い、相手の立場に立って思考をめぐらす共感的コミュニケーションが展開していました。

★つまり、言語もICTも専門的な認知能力が必要ですが、大前提として相手の立場に立って具体的な状況や文脈に対するイマジネーションを膨らませて語り合えるかどうか、すなわち「非認知能力」を豊かにできる環境が必要です。

★その環境の条件が3Fであることは間違いないでしょう。

★この共感的なセンス。実はイギリスの文化にも根付いているコモンセンスとアダム・スミスが語っている公平な観察者を心の中に生み出すことなのですが、この感覚を持っていた人が、工学院の道を開いたジョサイア・コンドルだったのです。

★ジョサイア・コンドルは英国人で建築家であり、実はイマジネーション豊かな若きアーティストでした。すでに3Fはジョサイア・コンドルの生きざまに重なるのです。

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工学院の魅力① 先進的教育のベースに開国当時の素晴らしい精神性が今も流れている

★鹿鳴館時代、イギリスから若き建築家というかアーティストがやってきました。ジョサイア・コンドルがその人です。開国まもないころ明治政府が招聘しました。コンドルは、今の東大工学部のルーツの工部大学校で、日本初の建築士を育てた人です。その弟子たちが創設にかかわったのが工学院大学です。

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★その創設にかかわった辰野金吾の設計が今復元されている東京駅の丸の内駅舎です。赤レンガでなかなか壮観でありそれでいて風情もあり、観光客の人気のスポットです。そこから歩いて10分くらいのところにこれも復元されて赤レンガ造りの建物があります。三菱1号館で今は美術館として使われていますが、コンドルとその弟子との多分共作でしょう。

★この地は、当時の政府と岩崎家と渋沢家の巧妙なというか絶妙な競争的共在関係が繰り広げられた地で、本人は意識していたかどうかは知らないですが、コンドルも巻き込まれていました。

★いずれにしても、まさかと思われるかもしれないですが、このコンドルの精神が、工学院大学附属中高に美しく輝いているのです。もちろん、私の妄想かもしれません。

★しかし、昨日、中野校長と田中歩先生(高校教務主任)のお二人が対話するシーンに立ち会ったり、21世紀型教育研究センターの学校越境プロジェクトに参加した生徒のリフレクション対話に立ち会ったりして、そう感じたのです。その生徒の対話を見守っている宮井先生(数学科教諭)の話に耳を傾けてそう感じたのです。

★そして、奥津先生(中学校教頭・教務主任)と久しぶりにお会いすることができ対話をしてそう感じたのです。

★さらに、OBの仲野想太郎さんと少しでしたが対話をしてそう感じたのです。仲野さんは後輩の学びをサポートするファシリテーターとしてきていました。ふだんは、仲野さんがもう一人の同期生など仲間と起業している活動の中で、対話をしていますが、そこでもやはりそう感じているのです。(つづく)

 

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2023年9月20日 (水)

八雲学園 シン・グローバル活動

★八雲学園のサイトにこんな記事が掲載されています。「吹奏楽部、氷川神社例大祭にてミニステージ!」

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(写真は同校サイトから)

★サイトの記事内容をご紹介します。

「八雲学園の近くにある氷川神社で行われた例大祭にて、吹奏楽部が演奏を行いました。氷川神社の例大祭は、4年ぶりに御神輿渡御が復活し、活気溢れる雰囲気の中、吹奏楽部としては初めて、神楽殿での発表の場を頂きました。ステージに上がれる人数が限られた中、普段とは違った緊張感を味わいつつも、たくさんの方々から温かい手拍子、ご声援をいただき、充実した本番となりました。10月の文化祭でも演奏を披露しますので、ぜひお越しください。」

★各地で、アフターコロナとあって、お祭りが繰り広げられています。外国人も参加し始めています。その姿を見て、お祭りは国を超えて何か共通する胸を打つものがあるし、ある意味異次元へのアドベンチャーなのではないかと感じました。

★八雲の生徒の皆さんは、国内外の異次元の境界線を越えて挑戦します。ある意味この活動は越境するシン・グローバルな活動として再発見されてもよいのかもしれません。

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2023年9月19日 (火)

探究とか総合型選抜とか~「経験する自己」と「物語る自己」の接点を見つける

★探究とか総合型選抜とか、極めて重要な学びの活動であるにもかかわらず、疑問を持つ人も少なくないですね。この疑問を持っている人は、必ずしも知識詰込み型教育オシの方ばかりではない。一般選抜オシの方ばかりでもないのです。この疑問に応えられるかどうかはわからないのですが、ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」に書かれている「経験する自己」と「物語る自己」という2つの自己の関係の着想はそのヒントになると思います。

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★もちろん、私の理解は、ハラリの意味するところとは違うかもしれません。あくまで、ハラリの着想を自分なりに転用して話をしたいと思います。物語る自己とは、端的に言うと事実から離れて物語という幻想を創り出す自己です。神話などは物語る自己によるものでしょう。また、ハラリは、ダニエル・カーネマン教授のピーク・エンドの法則も持ち出しています。

★たとえば、行列ができるラーメン屋。行列ができるからと高揚感をもって並ぶわけです。並ぶのは結構つらいですよね。しかし、終わり良ければ総て良しという言葉もあります。並んだすえについにおいしいラーメンにありつけた。その最後の喜びがいいわけです、並んだ時の経験は忘れ、ピークの高揚感とエンドの喜びが、そのラーメン屋の物語を生み出すのです。

★しかし、そもそもそんな行列に並ぶことよりも、自分でおいしいラーメンをつくる経験で十分幸せという人もいます。こちらを「経験する自己」と呼びましょう。ハラリがそう考えているかどうかは、ちょっと不明ですが、私は、「物語る自己」と対照的に「経験する自己」という位置づけにしました。

★「物語る自己」は、成長し続ける神話を生み出します。成長が崩れそうになるとカンフル剤を打ち続けます。要するに対症療法になりがちです。「経験する自己」は自分の経験という事実から物事を積み上げていきます。ですから、そのような対症療法にはならない可能性が大ですが、物語る力がないと組織を生み出すことができません。市場を創ることができません。

★根本的な問題を発見していながら、解決できないで時間は過ぎていきます。

 

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★やはり、社会課題は協働して根本問題を発見し、改善していかなければ、やがて社会は悪化し、衰退していくでしょう。「物語る自己」と「経験する自己」が協力し合うことが大切だということになりそうです。

★探究や総合型選抜がどこか疑わしいと懸念する人がいるのは、経験する自己のない物語る自己だけが活動したり論文を描いたり志望理由書を描いたりするケースを心配してのことでしょう。

★では、経験をすればよいかというと、物語る自己は、ピークエンドの法則が作動することが多いのです。この経験ああおもしろかったとなるわけですね。

★経験も、世界と自分が切実に結びつくAwe体験のようなものが必要だということでしょう。そのとき、経験する自己は、リフレクションし、いったい自分が経験したことは世界にとってどう転用できるのか抽象化することになります。つまり、物語る自己にシフトするわけです。

★このとき、探究や総合型選抜は、ようやく意味のあるものになるでしょう。

★しかし、これは探究や総合型選抜だけの話ではないのです。あらゆる政治、経済、制度などの枠組みも同じことが言えるのです。経験する自己と物語る自己は2つであって1つであるというコトですね。なんかオチが平和すぎますかね。

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2023年9月13日 (水)

聖学院 豊富なAwe体験学習と内省的Awe空間

★Awe体験とは、結局実るほど頭を垂れる稲穂かなというメンタリティ。大自然や天空の星々を見て、自分の存在の小ささに畏敬の念を持てる存在を感じるわけです。すると、自分は何ができるのか素直に深い内省にはいっていくという体験ですね。多くの学校でこのAwe体験ができるプロジェクトがデザインされているし、キャンパスそのものがAwe空間であるということもあります。

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★聖学院は北区中里の丘の上にあります。それゆえ、正門から坂を上り、さらに階段を登っていくキャンパス空間になっています。毎朝その階段を登り切った右手に講堂があり、そこで生徒全員が朝の礼拝に参加します。実に清々しい聖なる空間です。内省的Awe体験が毎日なされているのです。

★さらに中2では、蝶ケ岳登頂、中3では小糸川農村体験に全員がいきます。修学旅行や多様な海外研修、そして究極のタイ研修があります。外界的Awe体験とOne Earthの中で内省的Awe体験ができるのです。

★それゆえ、聖学院の生徒の島皮質は豊かになり、クリエイティビティとセルフレスなボランティアやソーシャルアントレプレナーシップも発揮します。まさにOnly One for Othersのメンタルモデルを生徒は共有しているのです。

★卒業生が社会貢献活動で活躍しているのは必然なのでしょう。

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グローバルアイランド教育 すでに私立学校は行っている

★私立学校は、グローバルと名のつく多くの教育を行っています。“Think globally, Act locally.”という精神はその通底にあるコアコンテキストですね。この精神は、実はAwe体験がベースになっています。One Earthという本来境界線のない一つの地球という大自然を感じてAwe体験をし、それなのに、政治的な分断線、経済的な分断線、身体的な分断線、メンタルな分断線、人間関係の分断線、気候変動的な分断線など多くの人間がつくった境界線が多重分断を生み出しているなんてとクリティカルシンキングを発動し、解決へと活動していくのです。

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(イラストはBongが作成)

★そして、このAwe体験は、二種類が結合していることが了解できます。One Earthという大自然、もしかしたら、その背景にある宇宙まで感じ取り、自分の小さな存在に気づき圧倒されます。しかし、そのあとに深く内省し、この小さな自分が何ができるかクリエイティブに発想するわけです。つまり、外界的Awe体験と内省的Awe体験。その結合が“Think globally, Act locally.”というメンタルモデルです。

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★この大自然と内省を結びつけるものは、しかし何でしょう。それが脳科学的には、人間の島皮質なのです。この島皮質がOne Earthと結びつき、Awe体験が起こり、内省的精神が生まれてくるわけです。

★ですから、このグローバルな島皮質をトレーニングする教育が必要です。私立学校は、上記の図のように、いろいろなグローバル教育を行っています。当然<Think globally, Act locally>のメンタルモデルはプロジェクト型の活動や探究活動になります。英語はグローバルシチズンと意思疎通をはかるには最低必要でしょう。マクルーハン的発想からはDXネットワークは当然必要です。

★そして、私立学校がこれらの様々なグローバル教育を行っているのをより効果的に、多くの生徒が自分事として活動していくには、グローバルアイランド教育を暗黙知の状況から形式知化し、多くの学校で共有することが大切ですね。

★すでにいろいろなプログラムの事例ケースの共有セミナーは頻繁に行われています。この事例ケースがどのようにグローバルアイランド教育になっているのかメタローグできるセミナーがあるとよいなあと。

★ここでいうアイランドは、“insula”で島皮質のことを言っています。島資質は、セルフレスで多くの問題をケアしようとする非認知能力が発動すると同時に、他の多重知能を生み出す大脳皮質と連合する位置にあります。

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2023年9月12日 (火)

グローバルアイランドの時代 AI地球時代を豊かに生きる

★岩崎一郎先生の本に出合って、大脳皮質に関する論文なども読んでみました。やはり島皮質は重要だなと。大脳皮質はいろいろな皮質に分類されていますが、知性と感性と倫理性などにかかわる位置にあるというか接しているのが島皮質です。ですから、セルフレスの倫理観というか謙虚な状態の中から創造性を生み出す皮質のようだということがわかりました。

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★そして岩崎先生は、島皮質を豊かにするトレーニングをいろいろ考えていますが、多くは外界からの刺激の受け方です。その中で京セラのフィロソフィーや論語を大事にしている側面もあるというコトを知りました。

★なんと内面から島皮質を磨き上げるのですね。

★森の中で大自然のシャワーを浴びながら、瞑想したり哲学したりというわけですね。

★システム思考とSELとブレークスルーなどを掛け合わせて、誰でもが内面から島皮質を豊かにする創造的思考力を養うコンセプトレンズの地図を描いてみました。この地図を自らの駆動力にするための問いのトレーニングを伊藤竜さんと福島の研修でやってきたのですが、その時にはこのような図にはまだなっていませんでした。思考コードと変形の視点をむずびつけることはまだしていなかったのです。結合することで、SELのチェンジメーキングの最終段階の規格外の領域が浮かび上がってきたのです。そう、この図を描きながら思いついたのです。

★実は、今日のランチタイムの時に伊東竜さんとチャットでほかの件でアイデアを出し合っていたら、伊東さんのレンズがこんな感じだったので、絵がイメージできたということもあります。

★新しいというより、これが今まで生徒と対話しながら、彼らが成長の翼を広げていく姿に立ち会っていたのだと。そのときの対話の仕掛けを可視化するとこんな感じというわけです。

★そうそう、グローバルアイランドのアイランドは、insulaを置き換えました。insulaといってもピンとこないので。insulaとは島皮質のことを意味します。島皮質がOne Earthと結びつくことによって、規格外のAwe体験をする。ゆえに、世界で通じるクリエイティビティを生み出せる子供たちでいっぱいになるというわけです。言語野には生成AIはめっぽう強いでしょうが、島皮質の豊かさには、まだまだ追いつけないでしょう。

★もし追いつけたなら、生成AIは人造人間にでもなっていることでしょうね。

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