高校入試

2021年3月 3日 (水)

New Power School(01)八雲学園 豊かで本質的なキャリアデザインを描く意志

★八雲学園の今年の中学入学生の男女の比は、ほぼ1:1。バランスのいい共学校になりました。またいよいよ高校入試でも男子が入学します。高校入試は、少人数定員ですが、高校から新しい自分にチャレンジしたいという生徒が入学してきます。今年もそうだということです。この高校入学者の覚悟こそ八雲学園の進路教育の真髄です。

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★実は中学入試及び高校入試は、キャリアデザインの分岐点です。学歴社会の中で勝ち組になろうとすれば、出来るだけ偏差値の高い学校を選択しようとするでしょう。世界に視点が向いている生徒は、これからはグローバルな社会の中でそれぞれの才能を生かしたリーダーになり、寛容な社会を創っていく道を選ぶでしょう。

★中学入試の時点で、あるいは高校入試の時点で八雲学園を選ぶというのは、学歴社会の中で勝ち組になる戦術を学ぼうとするのではなく、様々な問題を解決すれば解決するだけ新たな問題が噴出する予測不能な世界の中で自分の才能をどのように活かして貢献していけるのか希望と覚悟を抱くことです。

★Old Power Schoolの選択者だって学校当局だって、まさか勝ち組になろう、勝ち組を生み出そうなどと初めから思っているわけではないのですが、過去のデータばかり見て、現実志向ばかり追求して、希望と覚悟を持たない限り、現在の学歴社会に飲み込まれて、格差をつくる側、格差をつくられる側に振り分けられるのです。

★この現代社会の課題を根本のところで意識できるかどうかがポイントです。つまり、自分の内なる希望と覚悟によって選ぶ意志を大事にするのか、他人の決めた偏差値で学校を決めるのかが重要な人生の分かれ道なのです。

★八雲学園のラウンドスクエア体験をしたOGが次のようなエッセイを後輩に贈っています。一読していただければ、進路先のためのキャリアデザインではなく、世界の痛みを引き受け社会に貢献する自己実現のためのキャリアデザインを描いていることが了解できるでしょう。

 <RoundSquare国際会議を経て> 2019年度卒業 臼田千優


 私は、2018年にカナダの首都オタワで行われたRS国際会議と2019年に中国の深圳で行われたRS地域会議に参加した。この貴重な経験は私に沢山の気付きと発見を与え、私のやりたい事、将来目標とすることを確固たるものにした。。特にカナダでの国際会議は私にとって何ものにも変えがたいものであった。
 私は東京出身だが、毎年秋田県にある田舎で正月を過ごしたり、北海道でファームステイをしたりと地方との関わりが幼い頃から多かった。そのため、自然豊かで静かな地方での生活に憧れがあった。一方で、少子高齢化により地方の活気はなくなり、ますます人が減っている。その状況に以前から、こんなに素晴らしい所の魅力が沢山の人に知られず廃れていくのはなんとももどかしい、なんとかしたいという思いを心の底に抱いていた。
 高校1年生の時、八雲学園の9ヵ月プログラムに参加した際、異文化コミュニケーションに興味を持ち、高校2年生の10月に国際会議に参加した。周りの学生は当然のように英語が話せる状況でコミュニケーションには大変苦労した。その中でも自分の言いたい事を必死になって誰かに伝えたいと思い努力したことは非常に貴重な経験であり、勉学に対するモチベーションになった。私のこの会議での一番の気づきは、「地域文化の多様性」である。会議最終日に行われた交流会で各学校の生徒達がそれぞれの文化を表現したパフォーマンスを披露した。そこで一つの国の中でも地域ごとに全く違うパフォーマンスが披露された。こういった地域文化が海外に存在するということは47都道府県に分かれている日本にも存在し日本の財産であるという事を痛感した。
そこで、「日本の地域活性化をしたい」、過疎化によって失われつつある地域の活気を取り戻したい、これが私の軸となり進路の道筋になった。現在は明治大学にて地域の政治経済を重点的に学び、ゼミでは地方移住や地方への企業誘致政策について分析している。さらには文化人類学やジェンダー論など今まで触れてこなかった様々なことに興味を持って講義を受けている。コロナ禍のため留学など厳しい部分はあるが、英語のプレゼンテーション講義を受けるなど、工夫しながら大学生活を送っている。国際会議に参加したことは私の将来に大きな影響を与え、どんな時でもチャレンジしてみる勇気を与えてくれた。高校時代にこのような貴重な体験ができたことを嬉しく思うと同時に、チャンスを与えてくれた先生方、保護者に感謝している。
今世界中が大変な状況ではありますが、何か小さいことでも自分のやるべきことがあり、それを積み重ねれば必ず結果になります。皆さんも頑張ってください!

★「どんな時にでもチャレンジしてみる勇気」。これぞ覚悟ですね。

★今年の卒業生の中には、あのマンチェスター大学に合格した生徒もでています。イギリスの大学評価機関Quacquarelli Symondsによる2021年最新世界大学ランキング(QS World University Rankings)で27位です。東大が24位、京大が38位です。ところがです。その生徒は、マンチェスターと日本の私立大学が併願で、両方受かったら、日本の私大を選択するというのです。ランキングとか偏差値とか関係ないのです。あくまで、自分の自己実現のためのキャリアデザインなのです。

★もはや八雲学園は、日本の大学はいうまでもなく、世界の大学が自分のキャリアデザインのための選択肢になったのです。

★MARCH以上に何人はいっているかで学校を選ぶのは、Old Power Schoolでは有効ですが、New Power Schoolでは、自分自身の意志を大事にするということがポイントなのです。

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2021年2月15日 (月)

2022年に向けて動き出した私立学校(02)対話のシステムをきちんととらえるワークショップ言語のウネリ

★新学習指導要領で、「対話的・主体的で深い学び」が導入されようとしています。これは大変よいことです。今まで導入されてこなかったことが不思議です。なぜなら民主主義的国家なら、この対話や主体的ということはとても大切です。言論の自由だとか、その自由が保障されているからこそ主体的になれるわけで、制限されることなく深く思考できる自由が保障されるわけですから。そういう意味で、ようやく民主主義的な国家が熟してきたということでしょうか。

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★ところが、実際はなかなかそうはうまくいかないですね。世界の国々で民主国家の人口のシェアはイギリスのザ・エコノミストの調べによると48%だというのです。しかも、完全民主主義となると4%だというのです。もちろん、これはきちんと調べる必要がありますが、もしそうだとすると、なんとかしなくてはならないでしょう。

★しかしながら、民主主義の崩壊なんて言葉も叫ばれる昨今です。これも調べなければなりませんが、民主主義を形づくることは生半なことではないということを示唆していると考えるとよいですね。

★すると、やはり「対話」とは何かは重要です。対話が民主主義的価値を持続可能にするにはいかに可能かということです。小1から高3まで1200万人の生徒がいます。シンガポールやフィンランドの人口の倍いるわけです。

★この世代が教育によって民主主義を学び実装するならば、民主主義は守れるでしょう。

★では、その対話とは?対話というのは、「知識」「理解」「論理」「批判」「創造」という認知システムを自然体験の中で身につけながら、そのシステムを身体や感情などの人間全体にかかわることに結びつけていく過程です。

★それだけではなく、その経験の中で気づいたことを探究し、新しいアイデアを顕在化し、実現していくコミットメントをしていくことです。

★これらの多様なアプローチを一つに結びつけていく言語が述語論理で、ストーリーの構造やアナロジーの構造、メタファーの構造などの言語が活用されます。

★いったい何を言っているのかと思うかもしれません。こういうことをすべて包括して実践的に行うのが、ワークショップ言語です。今この対話の本質を哲学や社会学や文化人類学など学問的にアプローチするだけではなく、ワークショップ言語という新しい言語で学問をショートカットして実装してしまう動きがでてきています。

★学問的アプローチは必要です。しかし、すべてのグローバル市民が身につけるのは現実的ではありません。1200万人がみな身につけるためにもワークショップ言語の開発が必要だというウネリがいま生まれています。

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2021年2月13日 (土)

2022年に向けて動き出し私立学校(01)聖学院 ワークショップ言語という新しい言葉を使って

★聖学院は、中学入試と高校入試を終えたばかりだというのに、すでに次のステージに動き始めました。さすがです。こういう動きがとれるというのは、先生方にIN/OUTシートという「ワークショップ言語」が共有されているからです。

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★「ワークショップ言語」という新しい呼び方を思いついたのは、写真の書「今日から使えるワークショップのアイデア帳 会社でも学校でもアレンジ自在な30パターン」 2020/4/13 ワークショップ探検部 (著), 松場 俊夫 (著), 広江 朋紀 (著), 東 嗣了 (著), 児浦 良裕 (著)」の著の1人児浦先生(聖学院広報部長・国際教育部長・21教育企画部長)と対話しているときのことです。

★今日もそうでした。Zoomで対話しているときに、お互いに、IN/OUTシートを活用してストーリーを紡ぎ出す共同作業をしているわけです。この共通体験は、まさにこのワークシートがワークショップ言語として共有されているからだと実感したのです。

★昨年度→今年→来年→再来年のストーリをIN/OUTで情報をシンプルに整理しながら対話していきます。すると、このINとOUTの間に生まれる諸関係がシステムシンキング的には合理的にいかなかたところが見えてきます。その場の弱点を見出すだけではなく、その弱点の解決策をINしたら、どんなシステムが生まれ、OUTはどうなるいかが見えてきます。OUTがポジティブだったり、ネガティブだったりになりますから、ここは調整しながらシステムシンキングのアップデートをしていくわけです。

★このワークショップ言語を活用しながらの対話は、見通しを立てながら、しかし瞬間的にリファインして再構築していくスリリングな対話になるので、極めて生産的・創造的です。

★児浦先生と話していると、2022年までのストーリーが見えてきます。今年度もパンデミックという予測不能な要因がINPUTされましたが、それでも乗り切ってきたわけですが、それがこのワークショップ言語を活用して話していくと、予測不能な事態を乗り切る方法が一般化されて、応用可能なカタチとしてOUTPUTされるわけです。

★これが聖学院の自信となり有形無形の財産となっていきます。ポジティブストーリーが現実化していくわけですね。

★このようにワークショップ言語はリフレクション→アイデア→実現化を丸ごと循環させる新しい思考言語です。ワークショップ言語を使うことで、どんどん未来がいまここで実効性の高いアイデアになっていきます。

★ただデータを並べ、個々に気づいたことを述べ合っていただけでは、短時間で解決策をシステマティックに組み立てるのは時間がかかります。

★しかし、児浦先生と共同執筆者のワークショップ言語を活用すれば、組み立てながら分析も創造なども一石多鳥にできてしまいます。

★児浦先生は数学の教師でもあります。創意工夫すれば、瞬間的に解決する問題も、一つ一つ順番に計算していくと、時間もかかるし、途中で飽きてしまうということをよくよく知っています。世界をつくるときは、このショートカットをする構造言語が必要です。

★構造言語というと学問的過ぎてわかりにくいのですが、それがワークショップ言語となると、イメージもわきやすく、アイデアもからめとられるように引き出されてきます。

★今年の聖学院の成功理由とさらにアップデートした未来を、3/6(土) オンライン学校説明会ではやくも堪能できます。なんと予約は2021年2月6日(土)から始まっていました。

★なお、私たちがXSchoolコミュニティをゆるやかに結成し、ワークショップ言語を共有しながら、New Power School市場をもっと大きくしようと思っています。ワークショップ言語というアイデア生成言語を使って。乞うご期待!詳しくは新年度にはいって公開します。

★そうそう、一つ大事なことを忘れていました。ワークショップ言語は、チーミングを豊かに生み出していく言語です。

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GLICC Weekly EDU(22) 2021年中学入試のテーマは「思索」と「弱者に接する態度」

★昨日、鈴木裕之さんとGLICC Weekly EDU で対話しました。このシリーズも17回め、今回のトピクは「2021年中学入試問題分析2-首都圏難関中の国語と社会の出題を中心に、新時代を切り拓く思考力について考える」です。

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★入試問題が変わることで、中学入試市場も転換していく流れについて展望しつつ、今年の入試問題のディテールに進んでいきました。ただ、土台となるテーマは、2つでした。2つと言ってもコインの表裏で、一体ですが。

★その1つは、麻布学園の校長平秀明先生が、一回目の緊急事態宣言発令のときに、在校生向けて発信した「諸君へ」というメッセージにあります。最後のパラグラフを引用させていただきます。名文です。この中にある「思索」こそ、今年の麻布の入試問題の土台となるテーマだったし、多くの学校とも同期していました。

「自宅での勉学はふだん学校で受ける授業とは違い、自分の興味関心を広げたり、日頃読めなかった本を読んだり、弱点を鍛え直したり、また、関心のある事がらを深く追究する良い機会ともなります。英国の生んだ偉大な科学者アイザック・ニュートンは、学生時代にペストの流行で大学が閉鎖となり、ロンドンから離れた郊外でゆとりある思索のなかで万有引力の法則を発見したと言われています。
諸君に与えられたこの時間をぜひ有意義に過ごしてほしいと思います。」

★また、もう一つは、B面の岩波新書で発信された京都大学の藤原辰史准教授の文章です。それは「パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ」で、アップされて1週間で30万アクセスもあったそうです。

★多くの学校の先生方も共有した歴史的文章ですね。私も、Facebookでシェアしました。

★その中で、武漢の作家方方さんの文章を引用しているところがあります。一つの国が文明国家であるかどうかは、高層ビルだとか、車がたくさん走っているとか、軍事力が優れているとか、テクノロジーが進んでいるとか、派手なイベントを開く能力があるとか、そんなお金や物質的な豊かさではない、弱者に接する態度にこそあるのだという趣旨の文章でした。

★栄光学園の国語で、藤原さんの他の著書から文章が出題されていました。食に関するものですが、麻布の社会と通底するものでした。

★このように直接間接「弱者への態度」に思いめぐらす「思索」問題を例に挙げて鈴木さんと対話しました。ぜひご視聴いただければと思います

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2021年2月12日 (金)

東京の私立高校(07)聖学院 初めてのグローバルイノベーションクラス入試

★昨日11日(木)、聖学院は初めて「グローバルイノベーションクラス(GIC)」の入学試験を行いました。試験科目は英語と思考力そして面接です。英語と面接はともかく、思考力入試は対策のしようがないので、ファーストペンギンになる勇気のある生徒がチャレンジしました。その模様は同校サイトでアップされています。ぜひご覧ください

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(写真は、聖学院のサイトから)

★この思考力入試は、しかしながら、ふだんの興味と関心を広め深める学びを中学3年間行っていたならば、それがそのまま生かされるので、知識は不要です。

★だいいち、iPadが用意されているので、わからない知識などは調べることができます。

★では、いったい何を診・観る問いなのでしょう。それは事実だけを集積するのではなく、事実のコンセプトや事実の背景にある新しいアイデアを見ることができるかどうかなのです。

★エッ!そんなの簡単じゃないと思うかもしれません。そうです。そのような才能があれば、簡単です。それからオープンマインドを有していれば、その場で潜在的可能性を顕在化することになるかもしれません。

★つまり、具体的なケースを一般化したり、その法則を見出したりする力があるのか、その力をその場で生み出すことができるのか、創造的才能やその潜在的可能性をみる問いのデザインがされているわけです。

★さらに、その見出したものを全く別の素材や事柄に適用できるかどうかが問われます。アイデアを具体的なカタチにできるかどうかまで診るのです。とても、高次な思考力が必要で、この思考力をトレーニングをしていない場合、この高次思考力のプロセスの話は、何を言っているのか理解不能でしょう。

★これが、日本の教育の限界です。聖学院はこの限界を突き抜けています。そして、今、聖学院中学生でない高校受験生にもこの限界を共に超える挑戦をしようよと呼びかけているのです。

★今回聖学院にチャレンジした高校受験生は、直観的かもしれませんが、この限界を超える学びへ興味と関心を持ったと言いうことなのです。

★今の高校入試のシステムは、必ずしも才能者にはマッチングしているとは限りません。知識から積み上げていく学びが不得意な生徒も13%、つまり東京に約9000人はいるはずなのです。この9000人が才能を爆発させる居場所の1つとして、聖学院のGICはあります。

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2021年2月11日 (木)

東京エリア 2021年から2025年にかけて中学入試と高校入試で変わること グローバル革命×テクノロジー革命×エネルギー革命×身体革命×精神革命 革命のごった煮時代到来

東京都が公開している小学1年生と中学校3年生の数の推計推移グラフは重要な情報です。今回のパンデミックによって、スマートシティ化は加速します。私立中学入試と私立高校入試は、この動きに対応するというより、スマートシティには教育と公衆衛生とSDGsとICTがコアになりますから、むしろ牽引する新しいアイデアやプロジェクトが次々と私立中学と私立高校から生まれてくるでしょう。

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★この東京のスマートシティ化は、自然と社会と精神のサーキュレーショングローバル市民社会ですから、たんにサーキュレーションエコノミーとも色合いが異なります。この展開は、しかし人口増がある程度必要です。

★2025年までは、中学も高校もしばらく人口が増えますから、しっかりとスマートシティ教育を構築する機会到来です。

★今年の中学入試は、コロナ禍でしたが東京は受験人口は若干増えるでしょう。この増加傾向は2025年までは続きます。しかし、小学校1生人口が2023年から減少傾向に入りますから、2025年以降の中学入試の受験人口は増加するとは限りません。もちろん、スマートシティ化教育が成立していれば、私立に集まるでしょうが。

★高校入試は、2020年中学3年生人口は減少しましたから、今回は苦戦したところもあります。しかし、苦戦した学校の中には、2025年までの変化を予想して、1クラス分の画期的な教育デザインをしています。聖学院やかえつ有明のように中学が人気ですから、現状高校入試において生徒獲得に成功する必要はないのです。これからのための実験を開始しています。

★スマートシティ化はスモール・イズ・ビゲストクリエイティビティという話になりますから、Zoomなどを使い、グローバル市民活動をしつつ、イノベーティブ農法を実験します。電力の内製化も始まるでしょう。

★つまり、グローバル×英語×イノベーティブ×クリエイティブ×自然×マインドというコンパクトな教育がコアになる街づくりにつながっていきます。スマートシティは、スマート教育やスマート医療、スマート産業などを循環させるようになります。化石燃料はなるべく使わないようになっていきます。

★それには社会実装された知恵やスキルが重要ですね。文系理系を問わす、言語と数学とテクノロジーと思考力はベーシックな学びになります。

★そのうえで、グローバル革命とテクノロジー革命とエネルギー革命=農業革命と身体革命と精神革命の一体となったクリエティブリーダーが必要になります。この意味でのクリエイティブリーダーの生まれる拠点づくりに前のめりの私立学校がサバイブすることになるでしょう。

★要するに、革命のごった煮時代の到来なわけです。

★中学入試では、それがはっきりしてきたし、高校入試では受験生はまだまだ気づいていませんが、受験生増の続いている間に、気づく受験生もまた増えてくるでしょう。様々な変化の流れが合流して沸点に達する沸騰新時代を創り出すのは、まさにZ世代ということでしょう。

 

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東京の私立高校(06)かえつ有明 心理的安心安全のある学校の意義を捉え返すことの重要性

★かえつ有明の高校入試は、1クラス分だけです。今年2月3日東京都が公表した「令和3年度 都内私立高等学校入学応募者状況【一般入試・中間】一覧」を見ると、倍率は0.5ですから、そう難しくないと錯覚すると思います。しかし、高校入試は、1月に推薦入試があるということとかえつ有明の場合は、中高一貫校で、この1クラスに中学から入ってくる生徒がいるのです。したがって、決して易しくないのです。

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★むしろ、一般入試で倍率が0.5という数字は、かえつ有明のその1クラスを敬遠している高校受験生が多いというコトを象徴しているとみなした方がよいでしょう。というのも、この1クラスの名称はプロジェクト科となっていて、端的に言うと教師は教えない授業をするわけです。

★教えない授業というのは、毎日が自習という意味ではないのです。自分でプランをたて、学びの活動を実践し、そのプランをリフレ―ムしながらアップデートを楽しみながら探究していくというクラスです。

★今では、どのクラスもそうなっているし、中学が大人気ですから、高校入試をしなくても、経営的には大丈夫なのですが、教育とは経営のためにおこなっているわけではないのです。0.5が意味するのは、まだまだ多くの生徒が、このようなプロジェクトに参加することを恐れているわけです。

★しかし、そんな中でチャレンジをしようという生徒の居場所を高校からも開放しておこうという意図がかえつ有明にはあります。

★この恐れから賢い失敗を受け入れる心理的安心安全の環境を創っているかえつ有明の未来の世界を生み出すのに重要な組織です。

★同校の場合は、プロジェクトですから、心理的安心安全な場をもちろん、先生方がつくりますが、この場を生徒自身が自ら創れるマインド、シンキング、スキルを身につけていきます。

★大学や社会に出たときに、NVC=Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーションを生み出すリーダーシップを発揮するには、NVCベースの恐れのない組織をつくるチーミングのマインドとスキルが必要です。

★戦略的プロジェクトとチーミングプロジェクトの両方を使い分けられるリーダーシップをそれぞれが自分で、もちろん仲間と支え合いながら身につけていきます。

★NVCではなく、VCを発揮しているとどんなにえらい政治家でも世界から批判を受ける時代です。恐れのない組織、つまり心理的安心安全を生み出せるチ―ミングのマインド、シンキング、スキルがシェアされる時代がやってきました。

在校生自身が日本語と英語で書いているエッセイのページ「Idea Canvas」を同校はサイトで紹介しています。自分の考えをリフレクションしアップデートしていく、つまり自己変容できる心理的安心安全が土台にあることが了解できます。

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東京の私立高校(05)品川翔英 生徒自身が語る歴史を創る誇り

★品川翔英の今年の高校入試は、共学化、校名変更、カリキュラム改革の2年目です。1期生の活躍が話題を呼んで、それも相まって志願者を増やしました。東京都が今年2月3日に公表した一般入試の中間発表は次のようになています。

        定員 応募者数 倍率 
理数選抜コース  15  44  2.9
国際教養コース  15  52  3.5
特別進学コース  60  380  6.3
総合進学コース  60  748  12.5
総数     150  1224  8.2
令和3年度 都内私立高等学校入学応募者状況【一般入試・中間】一覧 東京都2021年2月3日公表

★3人の高1生、つまり改革1期生にインタビューをする機会を頂きましたが、みな口をそろえて、自分次第で自分が変われる学校で、自分たちで学校の歴史を創っていくことができると誇りを持って語ります。というのも、生徒会活動から新しいサークルまで自分たちで発案して創るプロジェクト型の取り組みが可能だからです。もちろん、自由には責任が伴います。根拠や正当性や信頼性を証明するプロセスを踏む必要があります。

★しかし、そのプロセスこそが、プロジェクトベースになり、トランジションモデルを構築することになるでしょう。

★高校入試で、偏差値が50~60くらいだと、公立の中学時代は自分のやりたいことを思い切り表現できない時代を送っている場合が多いかもしれません。まずは高校に行くことだが優先するのは当然だからです。

★また、アクティブラーニングだとかPBLは、高校入試を突破しなくてはならないので、なかなか難しいでしょう。今回のパンデミックで、オンライン授業の広がりがなかなか難しかった公立中学の現状をみれば、それは明らかです。

★もちろん、公立もオンライン授業を導入し、導入することによって授業も変わります。新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」が掲げられているからそうなるでしょう。

★大学共通テストも、考える構えが要求されるようにもなりました。しかしながら、この新しい学びは、評価が難しく、テキストやマテリアルは共通テストのようになりますが、だからといってアクティブラーニングをやる必要があるのかというと、現場では必ずしもそうではないでしょう。しばらく時間がかかります。

★偏差値が50~60くらいの生徒は、未来がどうなっていくのかを自ら学び、偏差値競争ではなく、品川翔英のように自分のやりたいことをやり自分の進路実現を叶えられる学校を選ぶことができれば、自己肯定感をポジティブに維持できるでしょう。偏差値競争は人との比較です。人生はそればかりやっていると自らを見失います。自己喪失こそネガティブな世界を自分の中に誘い込みます。

★自らを立ち上げるには、どうしたらよいか。学校の先生の情報とSNSやサイト情報を正しく活用しながら、自ら情報を多角的に獲得することも大切でしょう。そして何より先輩の声に耳を傾けることでしょう。

★明日の世界は私たちがつくるのだという意志をもちワクワクできる学校を選ぶ気持ちが大事です。そんな未来のことではなく、目の前のことをちゃんとしろよと声をかけられたら、すぐに従ったり、すぐにはねのけるのではなく、まず自分の声に耳を傾けましょう。たしかに、夢だけ追っているのか、いやそうではなく、いまここで成果を出す努力をしながら未来を見ているのか。相手の言葉をはねのけるかどうか判断する前に、自分の声に耳を傾ける内省(リフレクション)のトレーニングは欠かせません。

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2021年2月10日 (水)

東京の私立高校(04)八雲学園は生徒1人ひとりの学びのニーズをつかみとる。それゆ限界を超えられる。

★東京の私立高校の一般入試は、偏差値が55~60の生徒だと、推薦入試と違い、ある意味現実的で堅実な受験生がアプローチするケースが多くなりがちです。ですから、特進と進学コースだと、進学コースの方に生徒が集まるし、インターコースなどを設定すると敬遠するわけです。

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(八雲の高校受験生に対する感染防止完全対策とおもてなしの心が心理的安心安全を生み出しています)

★八雲もハードルが高いのではないかと敬遠されている高校かもしれません。RS(ラウンドスクエア)という世界の180校のエスタブリッシュスクールのコミュニティの加盟校ですから、偏差値が55~60では、歯が立たないのではないかと思われるかもしれません。

★それよりも、しっかり勉強してMARCH以上に行くことができるのが最優先だと。

★しかしながら、その実力があれば、3年間でやりたいと思うことにいくらでも挑戦できます。なぜなら、八雲の先生方は、生徒1人ひとりの学習の仕方やコンディションに応じて、最大の伸びを引き出すコーチぞろいです。偏差値55もあれば、全く問題はありません。

★大事なことは、1人で学ぶのではなく、先生方と仲間と一緒に学ぶ多くの経験です。この多様な経験が、あなたの心に火をつけます。内側から燃えるエネルギーが生まれれば偏差値など全く関係ありません。1人で受験勉強するようなイメージでいると、先が見えませんが、先生と仲間と取り組めば、その力が自分の内側にみなぎるものなのです。その経験はやってみなければわからないというのがもどかしいですが、八雲のOGが次のようなエールを贈ってくれています。

★ハードルが高いと思われているRSでの体験が、ぐっと身近になります。そして、RSだけではなく、多くの経験ができます。自分の心を覚醒させる体験に必ず出逢えるでしょう。まずは、OG奈良さんのエールをお読みください。勇気が湧いてきますよ。自分を変えることができるでしょう。

Round Squareを振り返る 2019年度卒業 奈良百合香


 今年の5月、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警察官による行き過ぎた拘束で命を落とした事件をきっかけに、全米に抗議デモが広がるという出来事があった。いわゆるBLM運動(Black Lives Matter)だ。当時の状況を私はTwitterで見て知ったのだが、遠い国の出来事では片づけられず、デモの動向を注視していた。そんな中で、日本には差別はないと主張する人や、この運動の背景に無関心な人、そもそも関係ないと考えている人が少なくなかったことは記憶に新しい。無理もないだろう。

 では私の抱いた憤りや問題意識は一体どこから来たのか?出た答えがRound Squareであった。一つの空間に世界中のあらゆる地域から学生が集まり、寒いカナダの空の下で同じ時間を共有したあの1週間の経験が私に与えたものの大きさは計り知れない。地球は丸い、人は皆同じ仲間というのは理想論だ。一堂に会したからすぐに打ち解けられるという訳ではなかった。お互い生まれた国も食べている物も着ている服も言語も違う。最初はぎこちなく、視線も温かいとは言えなかった。緊張もしたし、心細かった。

 それでも互いのバックグラウンドを話し、同じアクテビティをすることで、少しずつ距離が縮まった。学校で日本語を学んでいるといい、「ヤバイ!」を連呼してくれた中国人の男の子のことも、名前を覚えてくれたケイトスクールの女の子(彼女は黒人だった)も、一緒にホームステイをしたインド人のグノアのことも鮮明に覚えている。

 皆全然違って、同じ10代の学生だった。世界のどこか日本の外で何か悲しいことが起きた時、あの日出会ったあの子たちはきっと声を上げている。現に彼らは自国の歴史を知っていて、政治を学び、選挙を考え、多様な人種の友達を持っていた。私はどうだっただろうか?BLM運動が起きた時、何もできない自分が猛烈に不甲斐なかった。

 脳裏によぎったのは、RSで出会った同世代の顔だった。実際RSの協定校であるケイトスクールから3年前に留学に来たシャンテルは、SNSを通じてこの問題を知ってもらいたいと訴えていた。RSで得たものは、真のグローバルとは何かという問いの小さな答えだったと思っている。世界の諸問題を無関係で異質なものとして見るのではなく、ひとりひとり明確な顔を持った誰かがそこに当事者として今この瞬間も存在していることに想像力を巡らせる、そうした感覚をわずかだとしても与えてくれた、かけがえのない1週間だった。

★こんなかけがえのない経験が出来る八雲。偏差値の限界を超えることができるはずです。

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東京の私立高校(03)聖パウロ学園の数学の<対話>

★聖パウロ学園は、教育の実践のコアが<対話>というのは、学校説明会で広報部長の望月先生が明快に語ります。MFO(Men for Others)が理念で、これは、カトリックの精神を超えた多様性にも貫かれている世界精神だとニューヨークの国連本部は、そのギャラリーにノーマンロックウェルの絵を掲げて宣言しています。

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(聖パウロの数学科の先生方。左から伊藤先生、佐藤先生、松本先生)

★対話とMFOの間をいったりきたりしながら、授業、行事、部活、キャリアアッププロジェクトなど「経験」が、生徒のGRITを育てます。グローバルコースを主に担当している英語科主任の大久保先生は、入学時はパウロの生徒はいわゆる偏差値というものはそう高くはありませんが、3年間でかなり伸びます。

★もちろん、英語力は伸びますが、何より大事なのは人間の存在力ですと。今学校の課題としては、偏差値でいうと55までは伸ばせる手ごたえを共有していますから、60をどう乗り越えられるのかという挑戦ですと。

★偏差値はわかりやすいからそう言っているだけで、自分で考えて自分のやりたいことを見据えたら、模擬試験の成績も上がります。ただ、それが60以上を超えるには、マインドセットとコーチングベースのトレーニングが大事ですと語ります。

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★さらに、幸い、パウロは少人数なので、個別にコーチできる環境にあります。あらゆる時間、いたるところで面談という対話を先生方はやっています。毎時間生徒も先生をつかまえていますと。

★パウロを訪れると、実際にそうなのですが、さらに面白いのは、数学の先生方との対話です。

★大学入学共通テストの分析をするというので、お邪魔しました。分析というので、問題の解法のカテゴリー分けをするのかと思ったら、それはすでに共有していて、共通テストの本質的な特徴は何か、センターからどう変わったのかという対話でした。

★特に数ⅠAの対話では、数式による論理的思考と述語論理的つまり集合論的な思考の両方を想定できると伊藤先生が語っていたのが興味深かったですね。

★佐藤先生、松本先生もそれには同意していました。松本先生によると、数式だけで説明出来てしまうのが数学の醍醐味ですが、パウロの生徒は文系に進む生徒が多いので、すべての生徒が大学受験で数学を使うわけではないのです。しかし、数学的思考は、受験で数学を使う使わないにかかわらず必要なのですと。

★伊藤先生も、身近な現象に数学が使われていることを発見するには、やはり言葉によって数学を語れることは大切だし、もし集合論や述語論理的な数学が身に付けば、数学のものの見方考え方を学問横断的に活用できるようになります。

★受験のことだけ考えれば、そこまで考える必要はないのかもしれませんが、思考力を育てようと思ったら、言語的思考の一環として実は数学も大切なのですと。

★共通テストも数ⅠAには、そんなメッセージを感じとりましたというのです。深いですね。

★実際、伊藤先生の授業は、まずは自分が持っている道具で、問題を解かせます。しかし、計算が難しくなって途中で壁にぶつかります。その後に、どんな工夫が必要なのか生徒と一緒に考えていきます。k,x,yのkの際立たせ方は、式の変換や等値のしかた次第で、あっさりクリアできます。そのときの生徒が、目からウロコと感じるのは言うまでもありません。

★このような体験こそ、思考力を覚醒するというのですから、ますます興味深いですね。

★松本先生の授業も、高3になったときに、数学的直観が生まれるように、高1、高2では丁寧に回り道をいっしょにしています。

★ふとそれは、他の教科でも同じような授業デザインがなされているなあと気づきました。一般に、日本の高校生は、自己肯定化感が低いといわれています。聖パウロの生徒も入学時には例外ではないでしょう。パウロの先生方はそんな社会通念をはねのけるために、生徒に語り掛けるし、対話もします。自己肯定感の心理学は、現場ではそんな簡単なものではなく、丁寧なコミュニケーションが、マインドセットには欠かせません。そのことを本当によく知っています。それが、やがて、生徒が自分に自信をもち、目標を定めて、立ち臨むようになるのです。もちろん、MFOの精神を大事に。

★この体験の積み重ねこそ人生の転機を自らにうみだしていく人間の存在力でしょう。

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