高校入試

2026年5月16日 (土)

駒女バージョンアップ始まる(01)教育革新向上推進チーム「IEAT」稼働 画期的マスタールーブリック

★今年、駒沢学園女子(以降「駒女」)は、高校の特進クラス、進学クラスに英語クラスを加えて3年目を迎えます。探究、グローバル教育、生成AIなどデジタル環境を活用した学びなど1つひとつ丁寧に教育環境をデザインしてきました。そこで、これらの教育活動をさらに有機的につなげて、生徒1人ひとりの人間力を豊かにしようという動きが活発になってきているようです。

★その一つが「IEAT」の始動です。常に質の高い教育を提供し続けるため、教育革新向上推進チーム「IEAT(Innovative Education Advancement Team)」を設置したということです。教員一人ひとりが「教育のプロフェッショナル」として主体的に学び続ける文化を醸成し、授業の質を絶えずアップデートしていくということです。そのとき、教師だけが先に行くのではなく、当然生徒自身が自分の最高の学び方を体得し、その都度リフレクションしながらアップデートしていくことがポイントだと先生方は語ります。そのために、自分という人間力を形成していくとき、自分が今どこにいるのか学びのコンパスとして、次のマスタールーブリックをデザインしています。凄いですね。

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★このマスタールーブリックの画期的なところは、AI時代に合って、Doingは生成AIがかなりできるようになっているので、むしろ人間としての構えであるBeingという人間の本質的あり方を形成することに重きを置いたコンパスになっているところです。

★もちろん、毎回の授業は、単元内容がありますから、そこで学んだ知識や考え方を使えるようになるDoingは大事なのですが、従来、たいていはそれで目標は達成されたということになります。ところが、駒女は、そのDoingに立ち臨む人間の姿勢や心理的動きなど人間存在というBeingとは何かを追究していける授業や多様な教育活動になっています。

★たとえば、先日個人優勝していた弓道などはまさにその象徴ですね。矢を射ることができるだけではなく、正確にいるには、脳神経身体全体の調和が必要です。その調和が最高潮に達したその瞬間に矢は射られます。

★坐禅もそうです。脳神経身体全体が、世界と自分が一体化した瞬間の時空体験が、Beingの真理のようなものに触れることができるのでしょう。書道もそうですね。この道の体験環境がいっぱいある駒女。世界の人々が地政学的リスク、気候変動リスク、ハラスメントのリスクでBeingを喪失しているときに日本の「道」に憧れるのは当然です。

★世界の人が憧れる駒女流儀のグローバル(一つの地球という大きな意味があるでしょう)な時空がしっかりと土台になっています。英語クラスの一期生の来年の活躍が期待されます。

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2026年5月 4日 (月)

海外大学進学準備教育の意味(05)桐朋海外大学の位置づけがおもしろい

★桐朋の大学合格実績の一覧の並び方がおもしろい。いわゆる国公立大学、早慶上理、GMARCHという並べ方ではないのです。しかも、海外大学を別の欄に並べるのではなく、国公立大学と私大の中に含めていて、国内外を分けていないすてきな一覧です。

★国公立大、私大、医学部は分けていますが、それぞれの並び順は、原則合格者の多い順です。同じ人数の場合は、現役の人数が多い方になっています。さらに、・・・という複雑な並び方になっています。受験業界が勝手につけた枠組みとは違う、独自の並べ方が桐朋らしいですね。

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★とはいえ、わかりやすいので、2026年の大学実績を受験業界的な見方で表すと、東大14名、医学部57名、海外大学13名、早慶上理ICU296名、GMARCH324名合格です。もちろん、延べ数ですが、卒業生総数が220前後でしょうから、相当なパフォーマンスです。

★さらにおもしろいのは、海外大学も、トロント大学やブリティッシュコロンビア大学、パデュー大学のような世界大学ランキング100位以内の大学、パブリック・アイビーに属しているミシガン州立大学だけではなく、新しくできたフィンランドやリトアニア、イタリアの大学などにも合格しています。新しいので、世界大学ランキング100位以内には入っていませんが、世界中から注目されている大学です。

★このような視野の広いそして最先端の情報をリサーチしながらの国内外の大学を選択するキャリアデザインを生徒自身が自由に生み出していける教育環境が文化としてあるのは、桐朋らしく、感動的です。

★そうそう、私の大学時代の法哲学の恩師は、桐朋出身でした。現在の慶應大学の法哲学の教授も桐朋出身者。二人の考え方はだいぶ違うけれど、どちらも独特ですね。しかも法哲学って学者になる以外に研究は続けられない覚悟がいる研究。私はその覚悟も知恵もなかったなあ。

★それから、この連休中、いつもの山にいるけれど、奥様のピアノに合わせて、シジュウカラがめちゃくちゃさえずる。奥様があの鈴木俊貴さんなら、本当のところわかるかなと。あっ、「僕には鳥の言葉がわかる」という本を書いていた東大の教授だよねと。

★そして、そういえば、鈴木さんも桐朋出身者。大学の卒論を完成させるために、冬山にこもってシジュウカラなどの混群の生態を観察。食料の備蓄が底をつき、最後は白米だけで過ごし、観察データを集めたあの覚悟には感動しました。

★自由な発想と覚悟。私には到底及ばないなあと恩師のことを思い出しながら、桐朋の教育に思いを馳せました。

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2026年4月29日 (水)

海外大学進学準備教育の意味(03)淑徳中高の留学コース 仏教精神とグローバル精神の親和性

★読売新聞(2026年4月27日)を見ていたら、淑徳中学高等学校(以降「淑徳」)の合格実績の情報が報じられていました。  同校が、4月2日現在の合格実績を公開しているという情報です。東大3人、東京科学大・東北大に各2人など国公立大に49人が合格。早慶上理ICUに114人、GMARCHに225人が合格。海外大学には30人も合格しています。凄いですね。

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(メルボルン大学のサウスバンクキャンパス。このキャンパスはアートの拠点でもあります)

★同校は浄土宗という仏教精神をベースに30年以上留学サポートをしてきているようです。そして、高2、高3で留学コースが設置されていて、1年間留学もできるというのですから、驚愕です。

★仏教精神とグローバル精神は、もともと親和性があるはずです。浄土宗は大乗仏教ですから、グローバルな広がりを持っています。しかし、このグローバルの意味はグローバリゼーションという経済的な側面の意味ではなく、かけがえのない地球を持続可能にしていく高邁な精神を示していると思われます。

★このような同校から、海外大学に進学する生徒は、世界中の未来のグローバルリーダーとのネットワークを広げていくのですから、大いに期待できます。

★そして、東大に向けてのコースもあり、その実績も出しています。これが興味深いですね。同校の合格した海外大学の中にメルボルン大学があります。QS世界大学ランキングでは、メルボルン大学は13位です。オーストラリアでは1位のポジションです。そして、東大とメルボルン大学は交換留学や研究においての連携が進んでいます。

★結局、海外大学に進学しても東大をはじめ、国内の大学とも結びつくわけですね。

★このかけがえのない地球を丸ごとキャリアデザインのキャンパスにしている発想が、おそらく淑徳にはあるのだと思います。したがって、コースわけが、国内外というより地球のどこの大学に行くのか、それぞれの生徒の志向性にマッチするようにコースがシンプルに開設されているわけです。そして面白いのは、文系と理数系ではなく、英文類型と理数類型という表現をとっているのも、まさに「地球」を意識している表現です。世界公用語である英語という自然言語を大切にしています。そして理数はある意味世界共通語(普遍的自然法則がベースです)です。

★それから、留学においては、GIP制度(海外大学推薦制度)も活用されているようです。この制度を構築している企業は、IELTS(もちろんTOEFLの新しい動きについても解説している、広い見識を持っている企業です)をベースにしているはずですから、結局同校もオックスブリッジやラッセルグループのリベラルアーツや学び方の影響を取り入れつつ、仏教精神をベースに、独自のかつ地球規模の視野を育てる教育をデザインしているということでしょう。

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海外大学進学準備教育の意味(02)工学院のグローバル教育は、リベラルアーツ×プラグマティズム

★先日、工学院大学附属中学の教頭田中歩先生から、トロント大学も合格の報告が届きましたと連絡が入りました。最新のTHEでは21位、QSでは29位です。100位以内は、ペンシルバニア州立大学とパデュー大学にすでに合格しています。全部で20名は海外大学合格しているようです。しかし、そのことを歩先生は伝えようとしたわけではなかったのです。海外大学進学者は、その大学でなければできないような研究分野を見つけて進むからだというのです。それに学費も高いわけですから、自ずと世界大学ランキング200位以内くらいにはいる大学を選択するというわけです。たしかに、世界に大学は18000校あると言われていますから、仮に500位以内だとしてもすごいことでしょう。

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★歩先生が感動したのは、トロント大学に入った生徒は、Aレベルのスコアで合格できたということです。工学院は、ラウンドスクエア加盟校です。創設者クルト・ハーンはケンブリッジ大学出身で、その影響を強くうけています。そして同校はケンブリッジインターナショナルスクールと連携していて、英語と数学と理科のAレベルが認定されているのです。

★トロント大学は、オックスブリッジをロールモデルにしています。工学院も、オックスブリッジのリベラルアーツ的な教育を当然行っています。そのカリキュラムやキャリアデザインがつなっがた!という感動です。Aレベルのスコアで高評価をとるには、おそらく日本の大学向けの受験勉強とは比較ができないほどの質の高い学びと考える量が半端ないと、生徒の姿をみて日ごろ感じていたのが、トロント大学合格に結実したのですと。

★工学院には、インターナショナショナルコースがありますが、Aレベルコースがあるわけではありません。ですからほかのコースからでもAレベルに挑戦することはできます。今回の結果がロールモデル効果になってくれるとよいと思っているようです。

★一方、それ以外の海外大学はアメリカがほとんどです。これは何か海外のプログラムによって入るのではなく、インターナショナルコースの先生方のふだんの授業によるものです。これもまた凄いですよね。

★そして、同校のインターナショナルコースのキャリアデザインをサポートしている国際教育推進部長は、米国のパブリック・アイビー出身者ですから、ハーバードなどのオックスブリッジさながらのリベラルアーツ重視の大学だけではなく、パブリック・アイビーやニューパブリック・アイビーのようなプラグマティックな志向の大学の情報を熟知しています。

★アメリカに大学は3000校あると言われていますから、米国内で200位以内で、十分日本の大学で研究できないような分野にチャレンジできるといいます。実際今年の合格者のうち10人は、全米100位以内です。本当によくリサーチしていて、アリゾナ州立大学は、パブリック・アイビーでなくても、イノベーション分野で全米一位の評価を得ているという情報などを提供しているわけです。

★最も、生徒自身も自らリサーチしていて、その先生と対話をしているのでしょう。同校を訪れると、吹き抜けの回廊で、多くの生徒が先生方と対話している様子を見ます。

★今、文科省や産業界は、理系人材を増やそうと躍起になっていますが、もともと工学院は理系志望者が多いのです。ですから、リベラルアーツとプラグマティズムの融合カリキュラムは当然ということなのかもしれません。

★それにもうひとつ興味深いのは、高校の教頭鐘ヶ江先生によると、このテクノロジーやイノベーション教育が、東京芸術大学に合格する道も開いているというのです。学年団は、進路指導部のサポートを受けながら、生徒1人ひとりのキャリアデザインをきめ細かく支援していきます。鐘ヶ江先生はその姿に頭が下がるというのです。

★海外大学だけではなく、国内大学進学教育のきめ細かいキャリアサポートは、本当に多様だと思いますが、それに丁寧に対応し、生徒の興味を未来につなげる創意工夫をする工学院の先生方の生きざまには本当に感動です。

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2026年4月23日 (木)

【速報】工学院 Pennsylvania State University(ペンステート)合格

★昨日、工学院の教頭田中歩先生にお会いしました。フュージョン教育における生徒自身が自ら生成するコアループの学びについて対話をしていました。そのとき、歩先生が2日前にペンシルバニア州立大学合格の知らせが届いたよと。同校の合格実績のページが4月21日現在として更新されていたのはそういうわけだったのです。

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★といって、別段驚いている様子もなかったので、QSランキングで89位ですよね、すごいですよと語りかけると、田中歩先生は「そうすごいけれど、世界大学ランキングってQSとTHEなどで違うから、あまり気にしていないのです。生徒1人ひとりが先生方と対話して自分でキャリアデザインをしているので(それゆえ学びのコアループが大事だと)、生徒1人ひとりの進路をリスペクトする気持ちの方がでてきてしまうので。ただ、アメリカの大学の合格者が多いので、どちらかというと、うちの先生方はUS News米国内大学ランキングの方をみていますね。今のところ18名合格していますが、ほとんどがUSAです。USA Newsのランキングで100位以内の大学は、9大学です。」とさらりと。

★とはいえ、ペンステートはQS世界大学ランキングで89位です。さらにパブリック・アイビーというグループに属しているわけです。ほかにPurdue Universityも合格しています。ここも世界大学ランキング100位内です。工学系に強い大学らしいですね。

★インターナショナルコースの生徒が多く海外大学に合格していますが、文系も理系もそれぞれのキャリアデザインが描かれているのが驚きです。

★工学院全体の国内大学の躍進も目覚ましく、早慶上理ICUも実績を伸ばしています。中でも上智9名、東京理科大学11名というのは、グローバル教育とSTEAM教育の両方が充実している工学院らしい結果です。やがてMARCHは100人に到達する勢いです。同校の進路指導のコンセプトは、実績が公開されているサイトにはこうあります。

「本校では、生徒一人ひとりの志向や希望に合わせ、日々の学びと進路支援を丁寧に重ねています。
その結果、今年度は国公立大学・私立大学をはじめ、附属校としての制度を活かした工学院大学、さらには昨年に引き続き多くの海外大学への合格数となっております。」

★学習者中心主義、いや生徒中心主義のコンセプトを貫いていると感動しました。

★なお、海外大学合格は、まだこれからも報告があるということです。おそらく20名は超えてくるのではないでしょうか。

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2026年4月 5日 (日)

私立学校の数学の先生方の研修 世界は数学でできている 圏論

3月24日・25日、小田原で私立学校の先生方が20名強集まって、研修を行いました。東京私学教育研究所の数学の委員の先生方が研修のプログラムを練り上げ、講師の方とワークショップの形式で2日間情熱とワクワクが交差する研修でした。しかもワークショップのファシリテーターは委員の私学の先生方が協力して行っていました。

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★数学の委員の先生方による小田原の研修は3年目です。昨年までは、数学という授業の中で社会課題とどう結びつけるのかをテーマに行ってきました。その点は今年も変わらないのですが、生徒が一見数学の対象とは思わないものを数学の世界で捉えていくという点では、必ずしも社会課題にこだわる必要はなく、身近な素材を使って授業開きを行ったり、単元の終わりで数学の世界に引き込む心を揺さぶる授業づくりのWSを参加した私学の先生方と2セットも行いました。

★数学に対しては門外漢の私ですが、数学の先生方だけが集って議論していると、みなが数学の眼鏡を通して世界を理解しているということが伝わってきて、感動的でした。

★生成AIで金融ゲームのアプリを作って数列に結び付けたり、席替えをある条件になる確率を考えて行う授業、小学生から高校にかけて微積の概念を理解していく授業、スマホなど三角関数があるから成り立つことなど、いろいろな発想があったわけです。数学の眼鏡で世界を把握する数学の先生方の対話は、熱量が半端なかったですね。

★そして、終了後数日たって、日本経済新聞に「世界は数学でできている」シリーズが連載されるようになって、まさに研修で行ったことはこれではないかと驚きました。

★特に本日の「圏論」の話は、まさに先生方はこのスリリングな結びつきを行っていたのだと納得。圏論は「もの」と「それを変える動き」をセットで考える数学です。

★私たちはふだん、ゲームの例えや身近な話を使って、あることを別のことにたとえることがあります。これは実は、内容が違っても同じ形の関係を見つけるという、圏論の考え方ととてもよく似ているというわけです。たとえばゲームでは、キャラクターの状態変化(小さいマリオ→スーパー)も、武器の進化(木の剣→鉄の剣)も、どちらも「A→B」という同じ形をしています。

★圏論は、この“形の似た関係”を見つけて整理する数学です。つまり、私たちが自然に使っているアナロジーやメタファーの背景には、圏論的な見方がひそんでいるのです。

★圏論という言葉では、ちょっとイメージしにくいですが、英語で言うと「カテゴリー・セオリー」です。ワークショップやPBL、探究などはじめはポストイットでアイデアを出し合っていきますが、そのあとはカテゴリー分けをしていきますよね。クラスター分析とまではいかないけれど、大量な要素を統合して、論点や問題を明快にしていきます。これはおそらく圏論という数学的世界が背景にあるということですね。

★数学が嫌いだから数学をとらずに私立文系に行きますという生徒も、このカテゴリー分けは実に巧みに使っています。ちゃんと数学の世界で生きているわけです。どうやら、数学の世界とは何か、生徒はしらないので、食わず嫌いということもあるのでしょう。このような情報の非対称性を解消していくことが、日本のイノベーション経済や制度作りにきっと貢献していくでしょう。

★研修で出会った数学の教師の皆さんの活躍がレバレッジポイントになるかもしれません。

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2026年4月 4日 (土)

湘南白百合の魅力の発信のすばらしさ 3年連続DXハイスクール採択校 

今年4月1日、文部科学省は、3年目のDXハイスクール採択校を公表しました。文科省は次のように発進しています。

「令和8年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校をお知らせします。
令和8年度高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金(高等学校 DX 加速化推進事業)について、1,249校を採択校として決定しましたのでお知らせします。
1. 事業の概要
本事業は高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成の抜本的強化を図るため、情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICT を活用した文理横断的・探究的な学びを強化する学校などに対して、必要な環境整備の経費を支援するものです。

令和8年度高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金(高等学校DX加速化推進事業)については、令和8年1月21日~令和8年2月27日まで申請を受け付け、採択校として1,249校を決定しました。
2. 採択結果
1,249校(公立920校、私立329校)
うち重点類型80校
グローバル型20校
特色化・魅力化型10校
プロフェッショナル型50校(うち半導体重点枠10校)

★ということですが、このDXハイスクールへの挑戦がどれほど重要かあまり明快には公表されていません。凄いことだけはわかりますが、1249校がそれぞれ独自のDX教育観をプランしてその成果をあげているから採択という成果にいたっています。その独自のDX教育観がわかれば、その学校の魅力がより伝わるはずです。もちろん、文科省は各校の魅力を発信する立場にないのですから、各校が魅力を発信すればよいのです。どうやって?

★そのロールモデルは、湘南白百合です。ます採択されたことをすぐにホームページの新着情報で発信します。そして、広報部長自らが、関係各所にメールでお知らせをするわけです。しかも、ホームページで語られていること以上のスパイス情報を載せて発信します。同校の教頭で広報部長の水尾先生は次のように発進しています。

この度、本校は文部科学省が推進する「DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)」に、3年連続で認定されましたことをご報告いたします。

■ 学びを加速させる「クリエイティブスペース」の活用
認定2年目となった昨年度には、生徒たちの「やりたい」を形にする拠点として、校内に「クリエイティブスペース」を新設いたしました。
ここには、高度な映像編集やプログラミングを可能にするハイスペックPCに加え、自身のアイデアを立体化できる3Dプリンターを完備。生徒が自由な発想を具現化する光景が見られるようになりました。

■ さらに進化するICT教育環境
今年度からは、新たにVRゴーグルなどの先端機器を順次、授業にも導入いたします。これにより、従来の情報の授業に留まらず、探究活動においても「仮想空間でのシミュレーション」や「没入型のプレゼンテーション」など、より高度で実践的な学びを展開してまいります。

本校が目指すのは、単に機器を使いこなすことではありません。ICTを「道具」として自由自在に操り、自らの手で新しい価値を創り出せる、そんな真の情報活用能力を育むことです。今後もハード・ソフトの両面から教育環境をさらに拡充し、次世代を担う生徒たちの可能性を最大限に引き出す教育を推進してまいります。

★生徒の成長の変化やソフトパワー重視の教育コンセプトなど、公式サイトでは述べられていないことが加えられています。公式サイトはファクトベースの記述であり、それに教師としての眼差しと教頭としてのビジョンを加えるという発信が水尾先生ならではの「感動喚起表現」なのです。

★このような独自の魅力を各校が発信していけば、いかに私立学校というのは、偏差値や学歴のような競争を求めるのではなく、生徒のウェルビーイングをいまここで、そして未来に生み出していくかが広まるでしょう。もちろん、受験市場が偏差値や学歴を追求するのはマーケットの話ですから大いに行ってほしいのです。市場の中でプレイヤーが何を選択するかはあくまで私事の自己決定です。

★ですから、構わないのです。ただ、学校は偏差値や学歴情報だけで成立しているわけではないのです。ところが、私立学校が自ら自分たちの独自の魅力を発信しないと、マーケットにおいて、情報の非対称性がおこり、偏った情報で選択せざるを得なくなります。水尾先生のように正しき情報をマーケットに発信するまさにソフトパワーはこれから私立学校にとってますます重要になってくるでしょう。

★それから、首都圏の私立学校の採択数ですが、1249校採択された中で、418校です。6.8%シェアですから、たしかに凄いチャレンジだったわけです。

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★神奈川の採択校は13校です。採択された学校すべての1.2%です。湘南白百合がいかに情熱的に取り組んでいるかということが数字上でもわかりますね。

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2026年4月 3日 (金)

2027年に向けて躍動する学校(01)AからBへではなく、A∞Bの循環というコンセプト

1.「3Rから3Xへ」は出発点であって、ゴールではありません

2011年に20世紀型教育から21世紀型教育にシフトすることを表明した時、私自身も、当時のMITメディアラボのシーモア・パパート教授に倣って「3Rから3Xへ」という表現を使いました。教育のパラダイムシフトをわかりやすく伝えるためのレトリックとしてです。Reading(読み)・Writing(書き)・Arithmetic(算術)を中心とした20世紀型の知識習得教育から、Explore(探究)・Exchange(対話・交流)・Express(表現)を核とする21世紀型の学びへ──この言葉は、その転換を端的に示すものとして機能したと思います。

しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。この「シフト」を「3Rを捨てて3Xに乗り換える」と読むなら、それは本質を見誤ることになります。そして、実際にこのような極端なことをいう方が現場で現れました。また3Rが大事だ、いや3Xだとかいう議論も今も続いています。

21世紀型教育を3Rから3Xへではなくて・・・・といったところで、伝わらないので、22世紀型教育ではどうかというカタチで語ることにしたいと思います。するとそれは、3Rと3Xが互いを補い合いながら循環し続けることであり、この循環こそが、人間の学びをより深く、より豊かにする源泉なのですと。

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3R Reading / Writing / Arithmetic (知識の習得・処理・再現) Doing ⇄ 3X Explore / Exchange / Express (探究・対話・表現) Being この二つは対立するものではなく、互いを深め合うサイクルなのです。

2.循環とはどういうことか

たとえばこういう場面を想像してみてください。子どもが「なぜ川の水は海に流れるのに、海は溢れないのだろう?」という問いを持ったとします(Explore)。その答えを調べようとするとき、文章を読み(Reading)、データを読み解き(Arithmetic)、その結果を誰かに伝えるために言葉を選んで書きます(Writing)。そしてその成果を他者に語り(Exchange)、図や文章として表現します(Express)。

この学びの過程で、3Rは手段として生き生きと機能しています。そして3Xは、その3Rに意味と方向性を与えています。どちらかが欠ければ、学びは浅くなります。両者が循環することによって、知識は「使える力」へと変容するのです。これが、22世紀型教育における「循環」の意味です。

3.DoingとBeingもまた、循環する

同じことは、DoingとBeingの関係にも当てはまります。
「Doing(何をするか・何ができるか)」と「Being(いかにあるか・何者であるか)」は、しばしば対立的に語られます。しかし本来、この二つは別々に存在するものではありません。

Doingを深めることで、人は自分の「できること」を知ります。できることが増えると、「自分はどんな人間になりたいのか」「何のために学ぶのか」というBeingの問いが生まれます。そのBeingの問いが、次のDoingをより意味のあるものにします。この往復運動こそが、成長の本質です。

たとえばAIが「Doing」のほとんどを代替できる時代になったとしても、「何のためにその力を使うのか」「自分はどのような存在として世界と関わるのか」というBeingの問いは、依然として人間にしかできない問いです。そして、その問いに向き合い続けるためにも、具体的なDoingの経験が必要です。

4.「循環する学び」が22世紀型教育の本質です

まとめると、次のように言えます。

「3Rから3Xへ」は、覚えやすく伝えやすいスローガンです。
しかし、22世紀型教育の本質は、3Rと3Xが循環することにあります。
DoingとBeingも同様に、どちらかがあ重要なのではありません。
この循環を繰り返しながら、人は深く、しなやかに成長し続けることができるのです。

変化の激しい時代において、知識を持つことは依然として大切です。同時に、その知識をいかに問い・対話し・表現するかも不可欠です。Doingの力がBeingを豊かにし、Beingの深さがDoingに意味を与える──このダイナミクスの中にこそ、これからの教育の姿があります。

5.とはいえこのビジョンだけでは教育の現場は変わらない

とはいえ、このようなことは、21世紀だろうが22世紀だろうが、実施している教師はいるのです。重要なことは、現場で、このビジョンを実現するための授業のメカニズムと思考のメカニズムと学び方のメカニズムの整理と融合なのです。これは20世紀型教育は明快でした。記憶のメカニズムは脳科学的にもわかりやすいものでした。授業は記憶の環境づくりであり、思考は記憶を促進する創意工夫であり、学び方は記憶の習慣化と直結していました。

ところが、3Xは、作法のプロセスで、そこで起きているメカニズムははっきりしないのです。しかもプロセスも人によって違い、メカニズムの可視化などまだまだできません。そこで生成AIを使い、reflection in actionのメカニズムをリサーチしていくという段階に入りました。ここの話は、仲間の先生方と話して、まだまだ広くは伝わらないだろうと。もちろん、諦めずに解明していきますが!

★仲間というのは、22世紀型教育研究センターのセンター長田中歩先生(工学院 教頭)をはじめとする所員メンバーの先生方や田中歩先生の所属する別の研究会のメンバーなどを示しています。

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2026年4月 1日 (水)

【速報】青柳圭子先生 成城学園中学校高等学校 校長に就任

青柳圭子先生が、成城学園中学校高等学校の校長に就任されました。おめでとうございます!青柳先生には、三角ロジックのメカニズムをご教示いただいたり、TP(ティーチング・ポートフォリオ)のワークショップで教師の人物の未来像など刺激を頂いてきました。現在も組織マネジメントのワークショップなどで、不易流行としての私立学校の在り方について学ぶ機会を頂いています。

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★何より、同学園の創設者澤柳政太郎の理念と思想と教育方法論についてのご教示は、PBLを追究している私にとっては、デューイ・ルネサンスの魂を生み出してくれました。

★そして、このPBLの前提に、自然と社会と精神が循環することへの気づきから始まるセンサリーシンキングがあるという核心に誘(いざな)っていただきました。

★私の敬愛する文化人類学者ティム・ゴールドも最新刊の著書「教育とは何か」の中で、デューイに新しい光をあてています。今後PBLも成城学園の不易流行の光とそれは相乗効果を生み出すのではないかとワクワクしています。もちろん、成城学園及び青柳先生は、デューイだけを継承しているのではなく、多様な教育哲学を始めとする学問を研究し、独自の教育イノベーションを展開しています。

★ただ、デューイの遺伝子があることはAI時代にあって、またこの時代の影響を取り入れようとしている次期学習指導要領の方向性に大切な道標を示すことになると期待しています。

★ますますお忙しくなるとは存じますが、またインタビューにお願いにあがろうと思っています。

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2026年3月30日 (月)

AI時代のパラダイムシフトと駒沢学園女子

★2025年12月31日、元OpenAIのAI研究者であるDaniel Kokotajlo氏らのチームはAIの急速な進展とその潜在的リスクを描いた将来予測シナリオを「AI 2027」のレポートとして発表しました。AIが人間を明確に上回る能力を獲得する時期がシミュレーションのデータなどで、早まることを示唆しています。2045年のシンギュラリティ予測を待つまでもなく、すでにやって来ているのだということでしょう。

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★2024年には、オックスフォード大学の元教授ニック・ボストロム氏の「ディープ・ユートピア」(未邦訳)が出版されています。ニック・ボストロム氏は、2014年に「スーパーインテリジェンス」を出版していて、シリコンバレーのGAFAMのCEOなどに大きな影響を与えています。

★AI2027も、その影響をうけていることは、未来がどうなるかという点で共通している部分が多いことで推察できます。

★2027年は、日本の大学もかなり新しい動きをします。その一環として大学入試も変わります。何ができたかという能力主義から、どのような在り方が人間にとって意味があるのかを共に追求していく時代になるのだと。

★もちろん、能力主義が皆無になることはそう簡単ではないでしょう。世の中の25%は、能力主義が機能していくと思います。残りの75%は、Beingの意味をめぐる活動を重視するようになるでしょう。

★このように、25%は能力主義的カリキュラム、75%は生徒自身のBeingが社会のBeingと良好な関係をつくるプロジェクトベースのカリキュラムの両方が機能している学校がすでに現れています。

★本ブログでもご紹介している世界大学ランキング200位以内の海外大学の合格者が多数出ている学校は、そのような教育環境デザインを確立しています。そして駒沢学園女子のように2年前にグローバル探究のプログラムを本格的に実施し、2027年にその成果をあげる予想がされている学校も誕生しています。駒沢学園女子が、AI時代のパラダイムシフトの流れに呼応していることについてはいずれご紹介します。

 

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