教育イノベーション

2026年7月10日 (金)

風の谷の中村中学校

★中村中学校・高等学校(以下「中村」)といえば、多様で深まりゆく探究の活動がすぐに思い浮かびます。もちろん、30年以上前からグローバル教育の実績も積み重ねられています。ずいぶん前ですが、フェニックスホールでの在校生の皆さんのフルートやピッコロなどの楽器による演奏のすばらしさは、今も鮮やかに記憶しています。

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★最上階のコリドール(図書館風)から一望できる大名庭園の清澄庭園の広がりは、心落ち着きます。毎年送っていただく中村の膨大な資料の中に、「データブック」があります。説明会で表現しきれない同校の教育のディテールが本当に緻密によくまとめられています。

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★これだけのものを毎年まとめていくには、一人の教師ではなくチーム教師で創り上げているということが伝わってきます。勢いのある学校は、優れた一人の教師がいればよいのではなく、教師同士の関係性が良好であることがポイントです。たしかに、データが詰まっている客観的な情報の冊子ですが、この冊子をどう作っているのか想像してみてください。チーム教師の熱い議論の様子やデータ作成自動化のシステム改善のために動いている先生方の姿が目に映し出されるでしょう。

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★そして、そのデータブックの中に、卒業生全員の入学時の偏差値と卒業時の偏差値の指数関数的な飛躍曲線を描いているページがあります。数値の表示ですが、ここまで一人ひとりのデータを集めているというのも実は稀有です。

★それに、言うまでもありませんが、この数値の背景にある生徒1人ひとりのストーリーを先生方は語り合いながら作っている様子がやはり目に浮かびます。

★このような教員同士、教員と生徒の関係性(おやじの会もあります:微笑)からは、風の谷のナウシカならぬ「風の谷の中村」という発想が生まれてきます。

 ★風の谷の人々が風の力を受け取りながら暮らしを守るように、中村も生徒のみなさんが安心して学び、力を蓄える「安全基地」として存在しています。しかし、ナウシカが風を読み、メーヴェで腐海へ飛び出していったように、中村の学びは谷にとどまることではありません。生徒のみなさんは外の世界へ踏み出し、社会の課題に向き合い、自ら未来をつくる力を育める教育環境をデザインしています。

★要するに、中村は、この「風の谷」のような学びの場です。安心して挑戦の準備ができる場所であり、同時に生徒が自分の風をつかんで外の世界へ飛び立つための発射台でもあります。

★では、この“風の谷のような学校”を支えるのは誰でしょうか。ナウシカのように、生徒が世界を恐れず飛び出せるよう「本質を見抜き、そっと背中を押す導き手」として関わる教師がいます。教室を出て社会の課題に挑む探究学習を通じて、生徒が自ら“風を読む力”を育てる教師がいます。中村は、子どもたちが「谷に守られるだけの存在」ではなく、「自分の風で未来へ飛び立つ存在」へ育つことを本気で目指しています。

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2026年7月 8日 (水)

工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校

工学院大学附属中学校・高等学校(以下「工学院」)といえば、今やグローバル教育とSTEAM教育の最先端校というイメージが思い浮かびます。もちろん、その通りなのですが、本当はハワード・ガードナー教授の「多重知能理論(Multiple Intelligences)」をベースにした創造的才能者が生まれる、つまりクリエイティブクラスがどんどん生まれる学校なのです。

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★その多重知能とは、知能は一つの物差しでは測れず、論理数学的知能や言語的知能、身体運動的知能、対人的知能など、複数の独立した知能から成り立っているという理論です。この多重知能理論を土台として、ガードナー教授は創造性についても独自の考えを展開しています。

★その考えの中で、まさにこれぞ工学院のクリエイティブクラス育成のコンセプトだと思えるのは、<創造性は「超天才」だけのものではない>という言葉です。なるほど、同校の教育理念は「挑戦・創造・貢献」なのですが、その創造の意味は、一部の突出した天才だけが持つ特別な才能ではなく、誰にでも発揮できる可能性があるものだというガードナー教授の考え方に重なります。

★生徒中心主義の学校ですから、たとえある知能が平凡であっても、別の知能で高い創造性を発揮することを大いにサポートする教師がたくさんいます。先生方は、一つの知能だけで人の創造性を測ることはできないと考え行動しています。

★また、多様な多角的な経験プログラムが豊富です。ですから、いくつかの「そこそこ高い」知能を掛け合わせることで、独自の創造性を生み出せる機会が山ほどあります。単独では突出していなくても、複数の知能を組み合わせることで、他の誰も思いつかなかったユニークなアプローチが生まれます。この生徒たちのユニークな活動が、工学院のサイトには満ちています。

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★そして、ここが肝心なところですが、ガードナー教授は、創造性は「才能(知能)」「取り組む分野(ドメイン)」「それを評価する社会(フィールド)」の3つがうまく噛み合ったときに生まれると説いています。どれだけ優れた才能があっても、それを活かせる分野や、評価してくれる環境がなければ、創造性として発揮しにくいということです。ところが、工学院にはそれらがあるのです。

★私立中学に進学する生徒は、偏差値にかかわりなく、自分の才能を持っています。その才能を発揮できる教育活動が多様に生み出されているかがまず大事です。工学院はその活動が各学年本当に豊富です。同校の毎日のように更新されるブログを観れば、それは明らかです。そして、それを評価してくれる環境は、いろいろなイベントがあるたびにプレゼンテーションの機会が学内を満たしているし、学外でも活躍する機会を先生方は探しまくります。ラウンドスクエアの国際会議や高2が全員参加するグローバルプロジェクトなどは最高最大のものでしょう。

★教頭の田中歩先生は、このクリエイティブクラスがどんどん生まれる工学院の教育のクオリティや生徒に対する愛深き教師陣の存在を支持してくれる受験生の保護者が増えてきていると手ごたえを感じています。実際、学校説明会で語る田中歩先生の生徒中心主義の教育に感動したと中学受験生の保護者から私もメールを頂いたほどです。新しい私立中高一貫校のブランドが八王子の地に生まれ広がり始めています。その評判は新宿までは確実に届いています。

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2026年6月22日 (月)

富士見丘 超私学の理由

富士見丘の2026年度大学入試 合格実績も凄まじい。まず驚きなのは、アイビー・リーグの一角であるコロンビア大学(THE世界大学ランキング第20位)に合格していることです。しかも、奨学金も取得しているということです。University of the Pacificにも合格しています。同大学は、世界大学ランキングでは目立たないのですが、全米の大学の中では極めて評価が高いのです。

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(多様なグローバル探究の教育環境がある中で、中1~高2まで「自主研究」が日々行われています。この個人の研究の持続力が富士見丘の生徒1人ひとりの智慧を迫力あるものにしています)

★2026年春の卒業生139名のうち、国公立・早慶上理・GMARCHの合格者数は83名です。中でも上智大学は19名です。この83名は、どの生徒も高度な英語力を持ち、中1のころから5×2という「自主研究」を継続しています。平日5日間の通常授業からの「学び」と週末(土・日)2日間の自らの「研究」の相乗効果を期待して、「5×2」(ゴカケルニ)と名付けています。それぞれの興味・関心を掘り下げることを通じて「探究」の面白さに気づき、自身のオリジナリティを発見する好奇心駆動型の学びが、生徒1人ひとりにしっかり根付いています。

★昼休みや放課後は、この研究について先生方と対話や議論をしています。ある意味、イギリスの大学のチューターリング方式が広がっていると言えます。

★この土台の上に、デザイン思考によるグローバル基礎やグローバル演習、模擬国連などの多様なグローバルな探究活動が行われています。

★また、国語の小論文指導や英語のエッセイライティングのきめ細かい指導は、バイリンガル型の論理的思考、批判的思考、創造的思考の基盤を形成しています。

★このように、一条校でありながら、オールイングリッシュの授業やグローバルプログラムが広がり、チューター型の対話と議論によってバイリンガル型の論理的思考・批判的思考・創造的思考が定着していく教育環境があります。

★もはや日本の高校を超えている教育環境であると同時に大学レベルのチューター型の教育がなされているのです。

★したがって、先の83名が海外大学に挑戦するなら、多くの生徒が海外大学に合格するでしょう。つまり、60%以上の生徒が世界大学で高い評価を受けている海外大学に合格する能力が育っていると言えます。まさに超私学です。

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2026年6月 5日 (金)

G5(超私学5校) 工学院の場合

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★G5は中学受験市場においては、御三家のようなポジショニングブランディングを大手塾や予備校が作ったものとは違い、自らがグルーピングブランディングを創出し、受験生や保護者、塾、予備校に共感を勝ち取る戦略をとっているのです。

★G5の5つの学校は、教師同士が生徒の世界標準の学びについて研究し合い、そのうえで独自の教育環境をデザインしています。ベースは学び合いますが、それぞれの学校の入試にチャレンジしてくる生徒の価値志向性が違うので、生徒中心主義が原則ですから、当然教育の環境デザインは異なってきます。

★論より証拠、工学院の場合の5つの条件をみていきましょう。

➊生徒:論理的思考×批判的思考×創造的思考
 普段の授業がすべてIBL(Inquiry Based Learning)で、探究論文や様々な高大連携や海外研修などはPBLスタイルになっています。この学びの特徴は、知識を使う際に、論理的思考のみならず、批判的思考や創造的思考を使える環境になっているということです。
 しかも、ケンブリッジインターナショナルスクールと提携していますから、オックスブリッジの学びがベースです。この学びは論理的思考×批判的思考×創造的思考を身につけるプログラムシステムになっているので、工学院のすべての生徒がこの学びの環境にどっぷり浸っているのです。

➋生徒:コアループの学びを生徒自身がアップデートし続けるリフレクション力(キラーコンピテンシー)
 IBLやPBLは学びの作法として外的なプロセスであると同時に、その学び全体がコアループとして生徒自身の内的な学びのエンジンになっているわけです。外的なプロセスをたどっているうちは主体的な学びにはなっていません。学び全体をリフレクションしながら思考や発想を深め判断の材料を自分のリソースとして内面に蓄電していく必要があります。このリフレクションの座標軸が工学院の思考コードで、ルーブリックとしても使いますが、コアループのパフォーマンスを高める羅針盤です。

❸教師:海外大学合格潜在能力の生成教育環境デザイン力
 海外大学に行くには、当然CEFR基準でB2以上の英語力を身につけられるファシリテーションとコーチングを行える教師が潤沢にいます。そして、英文学や哲学などリベラルアーツも学ぶ環境をデザインする教師もいます。ケンブリッジのAレベルのプログラムがない日本のプログラムだけだと、この力は生徒全員に機会が開かれていないのですが、工学院は、全員に開かれているのです。インターナショナルコースの生徒だけがケンブリッジ国際教育の恩恵に浴しているのではないというフラットでフリーでフレンドシップな学びの環境が在校生全員に開かれているというのは日本の1条項では希少価値です。

➍教師:倫理的経営能力×創造的才能開発授業デザイン力(キラーコンピテンシー)
 ポジショニングブランディングという勝ち組負け組という市場競争を目的にするのではなく、学びの自由を保障する市場の倫理感覚をもった教師が工学院の特徴です。ですから、ポジショニングブランド戦略というレッドオーシャンでしのぎを削るのではなく、ブルーオーシャンとなる1人ひとりの才能を開発する学びの新市場を創出する能力を教師は持っています。中学入試が、2科、4科、1科目、英語入試だけ、思考力入試などバラエティに富んだ入試を行っています。英語だけが得意だという生徒が入って来て、中高の教育において困るということはないのです。なぜならコアループを生徒が内面で回せるようになるからです。
 生徒の脳神経の中では、国語の領域、数学の領域、英語の領域など別々になっていません。そのような多様な知的体験や非認知体験などすべて生徒自身が引き受けながら融合していくコアループの学びのエンジンがあるので、得意な教科やスキルを他の科目や体験にトランスフォーム(転移)していくことができるのですから。

❺組織:不易流行×世界制作×貢献のミッションをパッションとイノベーションで実現(キラーコンテンツ)
 工学院は、私立の工学大学のルーツです。イギリスの建築工学やデザイン工学に初めから出会っているのです。その分岐点を不易として時代に合わせて変化してきたのです。工学とは、日常を世界標準の生活体験に結びつける学問です。工学院の根っこには常に世界制作の感覚が文化遺伝子として引き継がれているのです。そして、それはまたウェルビーイングな生活世界をデザインする、つまり社会貢献型の学問なのです。

★このような学校は、公立学校では構築しようがないし、私立学校でも希少価値です。超私学と呼ぶに価する学校です。

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2026年6月 4日 (木)

超私学5校=G5 まだまだ知られていない教育の本質とその実践的魅力と生徒の未来

★以前「超私学5校=G5:首都圏中学受験の市場に新たなグループ現れる」についてメモしました。そのあと、中学受験市場が御三家を頂点とする偏差値階層構造から、多くのグループが登場して相対的にフラット化してきたと述べました。それが2027年いよいよ明快になってきます。その多くのグループの中で「超私学5校=G5」については、まだまだ知られていない教育の本質と実践的魅力と生徒の未来があります。

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★そのことについて、1校ずつ述べていこうと思います。そのG5とは五十音順にならべると、次の通りです。

工学院

富士見丘

文化学園大学杉並

八雲

和洋九段女子

★このG5の特徴は、国語とか数学とか社会とか理科とか英語などの教科は五感ではばらばらの教科ですが、生徒1人ひとりの脳神経身体全体に取り込んだ段階では融合される学びになっているという点が決定的に違うのです。

★脳神経の世界に、国語の領域、数学の領域、英語の領域・・・などと区分されているわけではないのは、少し考えるとわかります。しかし、このことはあまり意識されることはありません。

★教科だけではなく、五感から脳神経身体全体に取り込む体験が、思考や判断、表現のリソースとして融合態になっているのです。

★ものすごい内的エネルギーを生み出す最高の学び方を生徒は、教師のプロデュースする教育環境の中で生徒自身がマネジメントしていくのです。これこそ、教育の本質でありその実践的魅力は感動を日々生み出しています。そして、そこに生徒は自分の未来をつくり始めているのです。

★中学受験市場における各グループが様々なブランド戦略のゲーム(経済でいうゲーム)を繰り広げている中で、G5のブランドアクティビズムを観ていきましょう。

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2026年6月 1日 (月)

超私学5校=G5:首都圏中学受験の市場に新たなグループ現れる

★首都圏の中学受験市場には、御三家とか新御三家などの老舗のグルーピングがあります。これらは、国語、算数、社会、理科という受験科目の中での分け方です。しかし、2015年から新タイプ入試が開発され、英語入試もトレンドにねってきている新たな中学受験市場では、「超私学5校=G5」が突出してきました。

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★国語、算数、社会、理科の偏差値では測定できていない創造的思考力など、生徒1人ひとりの才能を開花し、その才能を自分で広げ深めていく自分だけの最高の学び方をそれぞれの生徒がゲットしていける学校が現れたのです。

★4教科の偏差値は50前後なのに、世界大学ランキング100位内の海外大学には合格してしまう。

★卒業時にはそのような成果が生まれています。もちろん、国内難関大学にも合格しています。もっとも、生徒は大学に入ることが目的ではなく、自分の探究や研究ができる最高の環境を求めているだけなのです。

★共学校が3校、女子校が2校あります。G5の条件は次の通りです。もちろん、このG5というグルーピングは、中学受験市場の枠内での話で、私学教育全般のお話ではありません。教育市場でもなく、あくまでも中学受験市場という限定付きです。「御三家」「新御三家」もそれ以上でもそれ以下でもないのですが、受験市場以外の領域でもそんpグルーピングはブランド価値を持ってしまっています。市場のメカニズムのなせるわざです。。。。ともあれ、

【 超私学の5つの条件】

➊生徒:論理的思考×批判的思考×創造的思考

➋生徒:コアループの学びを生徒自身がアップデートし続けるリフレクション力(キラーコンピテンシー)

❸教師:海外大学合格潜在能力の生成教育環境デザイン力

➍教師:倫理的経営能力×創造的才能開発授業デザイン力(キラーコンピテンシー)

❺組織:不易流行×世界制作×貢献のミッションをパッションとイノベーションで実現(キラーコンテンツ)

※倫理的経営能力とは、偏差値などの高学歴を支持する能力主義的発想で経営企画を立てたり、生徒を集めれば何でもありのリバタリアン的企画を立てたりせずに、生徒1人ひとりの才能を生み出す環境をデザインして生徒の未来に貢献する経営能力を磨けることを意味する。

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2026年5月25日 (月)

クルト・ハーンの文化遺伝子(1)クルト・ハーンの精神を尊重している学校

★クルト・ハーンは、オックスフォード大学やケンブリッジ大学出身者と戦後の国際教育をつくりました。その高い教養と行動力は今も高く評価されています。

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★国際バカロレア、ラウンドスクエア、アウトワード・バウンド・スクールの設立にかかわり、そのアソシエーションは、いずれも世界に広がっています。また、ケンブリッジ大学が運営しているクルト・ハーン・トラストも存続しています。

★自身も国際バカロレア校のアトランティック・カレッジ設立に関わり、ラウンドスクエアのモデル校であるゴードンストウン校も設立しているほどです。

★このクルト・ハーンの文化遺伝子ともいうべき精神と教育プログラムは、意外と知られていないかもしれませんが、世界中で尊重され、それぞれの学校の文化に導入され、それそぞれの学校の独自の教育に少なからず良い影響を与え続けているのです。

★次の東京の私立学校は、私が思いつく限りでもっとあるかもしれませんが、クルト・ハーンの文化遺伝子を何らかの形で受け継いでいます。五十音順で並べます。

海城
共立女子
工学院
啓明
国際バカロレア導入校
玉川学園
トキワ松
八雲学園

★共立女子は、直接クルト・ハーンの教育の影響は受けていないように見えますが、ハーンと親交を深め、教育理念を共有していたクーデンホーフ・カレルギーの影響を受けています。

★クーデンホーフ・カレルギーの影響を受けていることも含めたら、開成も彼らの精神と親和性があります。

★私は教育史家ではないので、詳しく語る能力はありませんが、今後少しコメントしていきたと思います。いつも未完に終わるのですが。。。

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2026年5月11日 (月)

グローバル教育が目標ではなく土台となっている学校が増えつつある

★今年になって、多くの私学の先生方と対話をしていて、知らず知らずのうちにグローバル教育の学校における位置づけが変わってきているのに気づきました。グローバル教育を目標として掲げ教育デザインを行ってきた学校が、今やグローバル教育はその学校の土台になっているのです。英語教育の一環ではなく、新しいリベラルアーツの一環としてのグローバル教育の土壌ができているのです。

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★この土壌に、多様なプロジェクトが林立する構造になっています。そして、この新しいリベラルアーツとしてのグローバル教育の土壌のないところでプロジェクトや探究を行っても根付かない可能性が高いのではないのかという問いが今や私の中で生まれています。ですから、そのような土壌をつくらない学校は、東大、医学部にしっかりと進学させる土壌があれば、全くそれでよく、その土壌にプロジェクトや探究を構築していく必要はないのではないかと感じています。

★したがって、保護者も新しいリベラルアーツとしてのグローバル教育の土壌のある学校と東大・医学部にしっかり進学させる土壌のある学校とどちらを選択するか、まず思いめぐらしてみるとよいのではないかと思います。たんに海外大学に進学したいというのであれば、東大・医学部にしっかりいれている学校でも十分に対応できます。この2つのグループが今東京の私立学校のそれぞれの価値志向性の特徴になってきたかもしれません。

★上の図をGoogleNotebookLMで描いてもらうために、書いた気づきの文を以下に紹介します。

 グローバル教育はリベラルアーツがベースになるため、グローバル教育が土台の学校は、その上にミニプロジェクト型の授業=IBL(Inquiry based Learning)や本格的な3か月、半年、1年、2年など長期にわたるプロジェクト型の探究を行うことになる。

2011年から2020年ごろまでは、グローバル教育を構築することが目的だった学校が、それが土台として定着することによって、グローバル教育構築の過程で行ってきた対話型中心の授業が、IBLやPBLとしての授業に進化し、多様なプロジェクトが立ち上がるようになっている。

デザイン思考やアート思考、システム思考、ソーシャル・エモーショナル・ラーニングなど多様なメソッドを使いながら生徒1人ひとりの才能を生かした共創を生み出すプロジェクトが多くの領域、分野など学際的に展開している。中にはスタートアップにつながるアントレプレナーシッププロジェクトを地域社会と実践するに至るものまで登場してきた。

このプロジェクト学習は、大学の学部段階でも行っているレベルのものも出てきている。

そのため、生徒は自分の好奇心を深堀し、新しい問いを発見して、探究を深め、問題解決の提案や具体的なイノベーティブなプロダクトのプロトタイプまで作るようになり、その学びのプロセスとそのプロセスが大学でさらにどのように発展し、最終的にどのように社会に貢献するか、自身の考え方や感じ方、ものの見方を言語化できるよいうになっている。

さらに、そのアイデアが、限られた資源を有効に活用し、学問の領域を越境して役に立つ柔軟性や適応性を有する可能性を見出している。

そのような自分のものの見方・考え方・感じ方の座標軸を言語化することができるため、その座標軸を海外大学にも合格していく学びのパスポートとして活用することができる。キャリアデザインの幅が大きく広がってもいる。

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2026年5月 7日 (木)

田園調布学園 理数系進学率が高い 海外大学進学も理数系多い

★田園調布学園は、理数教育を標榜しています。東京科学大学が近くに位置しているということもあり、同大学との学びも行っているようです。実際昨年に続き2名合格しています。東京農工大2名、東京理科大は21名、東京都市大など22名と理系の合格実績が目をひきます。実際現役の理系進学率の推移を見ていると、過去4年の平均は42.1%です。

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(同校進学実績のデータ化から加工)

★女子校で理数系の進学率が高いと言われている桜蔭や豊島岡女子などでも50%強ですから、田園調布学園が理数系進学率が高い学校だと言われるゆえんです。

★そして、そのような女子校の中でも一味も二味も違うのは、グローバル教育にも力を入れているのです。ですから、2026年も、延世大学
成均館大学、梨花女子大学、西江大学、漢陽大学、深圳大学、Monash University7大学に合格しています。韓国と中国、オーストラリアの大学で、いずれも各国の名門大学で、理数系に力をいれている大学がほとんどです。中でも延世大学とモナーシュ大学は、世界大学ランキング100位以内です。

★さらに、田園調布学園は、理数教育とグローバル教育を結ぶ探究を中学から高校まで、生徒の発達段階に応じて好奇心を世界につなげる学びをデザインしています。

★デザイン思考と没頭する深堀の学びの方法を生徒は身につけ、近い将来文理融合の時代が来た時にも対応できるようになっています。未来を見通して教育をデザインしているわけです。さすがです。

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2026年4月29日 (水)

海外大学進学準備教育の意味(02)工学院のグローバル教育は、リベラルアーツ×プラグマティズム

★先日、工学院大学附属中学の教頭田中歩先生から、トロント大学も合格の報告が届きましたと連絡が入りました。最新のTHEでは21位、QSでは29位です。100位以内は、ペンシルバニア州立大学とパデュー大学にすでに合格しています。全部で20名は海外大学合格しているようです。しかし、そのことを歩先生は伝えようとしたわけではなかったのです。海外大学進学者は、その大学でなければできないような研究分野を見つけて進むからだというのです。それに学費も高いわけですから、自ずと世界大学ランキング200位以内くらいにはいる大学を選択するというわけです。たしかに、世界に大学は18000校あると言われていますから、仮に500位以内だとしてもすごいことでしょう。

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★歩先生が感動したのは、トロント大学に入った生徒は、Aレベルのスコアで合格できたということです。工学院は、ラウンドスクエア加盟校です。創設者クルト・ハーンはケンブリッジ大学出身で、その影響を強くうけています。そして同校はケンブリッジインターナショナルスクールと連携していて、英語と数学と理科のAレベルが認定されているのです。

★トロント大学は、オックスブリッジをロールモデルにしています。工学院も、オックスブリッジのリベラルアーツ的な教育を当然行っています。そのカリキュラムやキャリアデザインがつなっがた!という感動です。Aレベルのスコアで高評価をとるには、おそらく日本の大学向けの受験勉強とは比較ができないほどの質の高い学びと考える量が半端ないと、生徒の姿をみて日ごろ感じていたのが、トロント大学合格に結実したのですと。

★工学院には、インターナショナショナルコースがありますが、Aレベルコースがあるわけではありません。ですからほかのコースからでもAレベルに挑戦することはできます。今回の結果がロールモデル効果になってくれるとよいと思っているようです。

★一方、それ以外の海外大学はアメリカがほとんどです。これは何か海外のプログラムによって入るのではなく、インターナショナルコースの先生方のふだんの授業によるものです。これもまた凄いですよね。

★そして、同校のインターナショナルコースのキャリアデザインをサポートしている国際教育推進部長は、米国のパブリック・アイビー出身者ですから、ハーバードなどのオックスブリッジさながらのリベラルアーツ重視の大学だけではなく、パブリック・アイビーやニューパブリック・アイビーのようなプラグマティックな志向の大学の情報を熟知しています。

★アメリカに大学は3000校あると言われていますから、米国内で200位以内で、十分日本の大学で研究できないような分野にチャレンジできるといいます。実際今年の合格者のうち10人は、全米100位以内です。本当によくリサーチしていて、アリゾナ州立大学は、パブリック・アイビーでなくても、イノベーション分野で全米一位の評価を得ているという情報などを提供しているわけです。

★最も、生徒自身も自らリサーチしていて、その先生と対話をしているのでしょう。同校を訪れると、吹き抜けの回廊で、多くの生徒が先生方と対話している様子を見ます。

★今、文科省や産業界は、理系人材を増やそうと躍起になっていますが、もともと工学院は理系志望者が多いのです。ですから、リベラルアーツとプラグマティズムの融合カリキュラムは当然ということなのかもしれません。

★それにもうひとつ興味深いのは、高校の教頭鐘ヶ江先生によると、このテクノロジーやイノベーション教育が、東京芸術大学に合格する道も開いているというのです。学年団は、進路指導部のサポートを受けながら、生徒1人ひとりのキャリアデザインをきめ細かく支援していきます。鐘ヶ江先生はその姿に頭が下がるというのです。

★海外大学だけではなく、国内大学進学教育のきめ細かいキャリアサポートは、本当に多様だと思いますが、それに丁寧に対応し、生徒の興味を未来につなげる創意工夫をする工学院の先生方の生きざまには本当に感動です。

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