教育イノベーション

2019年11月 8日 (金)

G-STEAM教育(01)日本の教育はゆでガエル 文科省も文科省を批判する教育ジャーナリストも ≪Z世代≫の活躍を無視しすぎ

★文科省や経産省が言ったからではなく、これからはG-STEAM教育だし、スタートしているのです。この行く手を阻むのは、共感を得るすべを知らなすぎる政府―官僚の適性続きのなさと非科学的な教育ジャーナリストの茶番です。真実は常に確からしさです。それなのに、不動の真実があるかのごとくそれに従ってただ批判するのです。分析的で論理的な指摘をあげつらうのです。改革をサポートする企業と税金の関係を疑い、金もうけをしようとしているのではないかと、あたかも鋭く批判しているようですが、その批判執筆によって、印税がはいるわけです。格好の稼ぎポイントなわけです。結局は、強欲資本主義経済システムの恩恵を分け合っている茶番です。付き合いきれません。それが科学的だとか思っているのでしょうか。とんだ合理主義です。それから、それに乗っかる生ぬるい古い教育関係者。もう心ある教師と≪Z世代≫がタッグを組んで先に行くしかありません。

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(2019年11月6日、ニューヨーク国際連合本部1階メインロビーSputnik Loungeにて、Peace in the Streets Global Film Festival2019授賞式が開催され、工学院大学附属高等学校1年生6人が出席。同校のG-STEAM教育の環境のサポートも大いに役立っています。)

★なんてことは、私が言うまでもなく、すでに始まっています。平和は、もちろん国際関係の力学がありますから、国家による政治的働きかけは大事でしょう。大企業による経済システムの安定を広げるロビー活動もそりゃあ大切です。しかし、≪Z世代≫は、G-STEAM教育によって、国家や企業と対等に渡り合える言語・創造的思考・ネットワーク・インパクトアート・テクノロジー、コラボレーション・コントリビューションなどの能力を持てる<個人>になっていきます。すでにどんどんなっていますね。

★このような<個人>の資質・能力や知的技術、倫理観などを醸成する教育がG-STEAM教育です。Gはグローバル教育を指します。今回の大学入試改革の英語教育のとん挫の部分はこのGの部分をできるだけ多くの生徒と共有する機会を奪いました。政府―官僚の適正手続きがないのも大問題ですが、その批判を今始めたわけでもなく、最初からやりたくないという後ろむきな発言を後押ししていたのは、一部の教育ジャーナリストです。

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★そして、STEAMのAであるArtsの世界は命がけなのです。アート資本主義の中で、ジレンマをかかえながらどうやって次のシステムを創っていけるのか、世界のアーティスは常に挑戦しています。

★それなのに、文化庁、結局文科省は、政権批判をするアートを排除するありさまが続いています。そしてそれを後押しする通俗的でゆでガエル信奉者のコメンテーターがまたまた影響を与えると思ったら、教育関係者までも、生ぬるいSTEAMのAを語っている始末です。

★そんなとき、女子美がアートを英語で語る教育を始めました。G-STEAMへのスタートです。

★このままでは、日本はゆでガエルだ、まずは自分たちが切り拓くしかないと決意したのでしょう。

★とにかく、あまりも生ぬるいので、国際社会は日本を吐き出すでしょう。

★多様性は大事だと言いながら、同じ考えの仲良しグループの中でのいろいろな発想で、パラダイムそのものが違う向こうの人は排除する日本。すべては学歴社会の閉じられた中での椅子取りゲームでやってこれた戦後日本社会のなせる業です。これを崩すことこそが根本的な問題なのに、センター入試続行を期待するとか何事ですか。大学入学共通テストもさっさと中止すべきでしょう。

★この学歴社会を批判しつつ、どっぷり加担してさもジャーナリストだと言いまくっているとはどうなんでしょうね。

★とはいえ、G-STEAMを止めることはできないのです。それは時代の要請ということもあるでしょう。言っておきますが安倍政権が自分で考えたわけでも、自己正当化のためにこの路線を引いたわけでもありません。そんなことをいうような人もいますが、G-STEAMのために言いますが断固違います。安倍政権は便乗しただけです。

★G-STEAMは≪Z世代≫の内側から出てきた欲求と時代の要請がシンクロしたのです。マーケットのニーズだとかマーケティング的になんていう人もいますが、それもまた便乗です。まったく愚かしい。

★批判するのはまあいい。でも、G-STEAMの流れを遅らせることだけはやって欲しくない。とはいえ、私が言うまでもなく、G-STEAMの勢いは彼らを飲み込んでしまうでしょうけれど。結局、G-STEAMは進みます。広がります。すべて世はこともなしというわけですね!

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聖母女学院グループ 本質的教育研究へ

★学校法人聖母女学院は、保育園・幼稚園・小学校・中学校・高等学校まで揃っている総合学園です。小中校は、大阪香里園と京都藤森の両方に在ります。

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★香里ヌヴェール学院は、一足先に改革を行い順調に生徒が集まり、教育の質を充実する道のりを歩んでいます。京都聖母は、もともと生徒募集は順調ですから、内側からの必然性を待って、今年から改革を開始しました。小中校に関しては、香里ヌヴェール学院も京都聖母女学院も新校長が就任し、新たな改革のフェーズに入っています。

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★新しいフェーズというのは、香里ヌヴェール学院は、21世紀型教育と出遭い、2040年に今の子どもがどうなっていて欲しいか、このままいくと悲惨な状況が待っているために、そこでサバイブできる能力、できるならそのような悪循環の社会を好循環の社会に変えられる才能者に育ってもらいたい、そのための教育はいかにして可能かから出発しました。

★第2フェーズは、改革の根拠をそのような時代の要請に沿うだけではなく、今目の前の子どもを観察して、この子供たちにとって、本当に何が必要なのかという、教育の本質的な意志から再考することに、赤野理事長はしたようです。

★それゆえ、聖母女学院教育研究センターを構想し、まずは園長、校長を中心に毎月一度集まり、聖母女学院の教育とは何か、情報共有から始めました。その共有はワークショップ型ですから、気づきも多いし、課題発見もそのつど起こります。

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★しかし、今年3月から始めて、7回目を経たあたりから、おそらく他の学校法人ではなかなか見つからない重要な教育の本質部分が発見されました。それは、聖母グループは、保育園・幼稚園を併設しているために、就学前に学んで来る子供の成長からスタートできるという点でした。

★就学前に成長した子ども、つまり5.6歳児の発達段階は、聖母の保育園と幼稚園の学びの環境があるからこそ、そうなるわけであって、どこの環境にあっても同じだということではないということに気づいたのです。

★考えてみれば当たり前かもしれませんが、このような宝物=賜物=タラント=才能を小学校、中学校、高等学校と有機的につなげて、さらに生徒1人ひとりの才能がどんどん豊かになっていけばよいわけです。

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★今回のワークショップは、そういう意味では、グループ全体の有機的循環のメカニズムをいかにして把握するか、足りない分はいかに補填するかという創発ミーティングになりました。もちろん、小学校も中学校も高等学校も外部からも入学してきますから、そのケアシステムがどうなっているかもリフレクションしつつ展開していきました。

★この展開のテコは、保育園・幼稚園、小学校、中高のそれぞれの期間において、児童や生徒が浸る「経験」の違いは何かから始めました。「経験」から人は学びますが、子供の発達段階に対応して「経験」のメカニズムも変化している可能性があったからです。そして、21世紀型教育の学びの本質的な部分も、ピアジェ―パパート―レズニックという系譜やレヴィ・ストロース×ピアジェ―ハワード・ガードナーという系譜などの統合にありますから、そこでも「経験」はカギなのです。

★ともあれ、それはやはり大きく違うということが共有できました。それでは、その大切な発達段階に応じた経験をどうやって授業や教室の中に埋め込むことができるのか?もし「経験」を持ち込まなければ、授業は、経験とは切り離された知識のインプットだけの世界になってしまいます。ところが、改革を進めている聖母女学院グループの授業はそこから徐々に抜け出ているわけです。

★今ここで、行っている園長・校長の自らの教育の中にある本質の種を見出し共有することが改革の核心であり、外部からのパッケージを持ち込むことは改革のカンフル剤に過ぎないと赤野理事長が感じてきたことは、いよいよ根を張りだしたわけです。

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2019年8月25日 (日)

令和元年度福島県私学教育研修会(了)21世紀型授業PBL

★福島県私学教育研修会は2日目は、部会ごと研修会が開催された。部会は、5つ。「21世紀型教育部会」「高大接続部会」「ICT活用部会」「生徒理解教育部会」「法人・事務室運営部会」となっている。

★「高大接続部会」では、リクルートのキャリアガイダンス編集部編集長の山下真司氏が講演されていた。テーマは「主体的な学びを育てる授業づくり、学校づくり」ということだった。私は、「21世紀型教育部会」で、「21世紀型授業PBL」の作り方体験を担当した。山下氏の講演を聞いてからワークショップを行えば、さらにワークショップを洗練できるのにと思ったが、同時間並行して行っていたので、それはできなかった。残念。

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★山下氏とは、先月も東北全体の私学教育研修会でお会いしたが、やはりパラレルに部会の研修が行われたので、講演を聴くことはできなかった。しかし、山下氏の編集コンセプトや問題意識を懇親会や朝食時に少しお聞きすることができ、勉強になった。今回も昼休みや帰途に就いたときいわき駅などで立ち話をすることができた。学校の組織開発とそのソフトパワーである授業や教師力を、全国を取材しにまわり、つなぐことによって化学反応を生みだしていくジェネレーターの役割を果たされていることに頭がさがった。

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★ともあれ、私の方は、21世紀型授業としてのPBLを、先生方とワークショップ型講演を通して共有していった。9時から15時までだったが、あっという間でしたと帰りがけに何人かの先生に声をかけていただいた。少しほっとした。東北の部会にかかわって、5年目になる。最初はやはりわかりにくいという感想も多かったが、なぜか毎年お声がかかるので、できるだけわかりやすくそれでいて伝統と最新の考え方も交えて共有できるように創意工夫をしてきたつもり。自身のワークショップやPBLに対する考え方もアップデートしてきたわけだが、それはこのような機会を継続的に頂いているからである。とても感謝している。

★ホンマノオト21も読んでくださる先生方もいて、共通言語ができてきたということもあり、毎年≪Hard Fun≫感覚でできる。あるいは、学びと遊びの統合した感覚で展開できる。

★もちろん、毎年新たにお会いする先生方だから、やはり、ワークショップ中に、共通言語を創り出しながらすすめることが大切である。このことは、共通言語を話し合いながら、互いに共通する部分と相違する部分を確認しながら相互信頼をつくっていくことにもつながる。そのために、アクティビティとして、スピードデートを、今回はかなり多用した。

★さて、今回は3側面でPBLをいっしょにつくっていった。

①問い:問いづくり

②アクティビティ:問いに対応するアクティビティの選択(ハーバードのプロジェクトのものを活用)

③思考コード:問いやアクティビティが生徒のどの思考の構えを想定するのか思考コードでの予想

★問い作りは、今まであまり、紹介してこなかったが、古典的な手法としてPIL(Peer Insutruction Lecture)というハーバード大学のマズール教授の手法にヒントを得た知識と思考の折り返しのアクティビティを行った。

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★知識を知識として転写するのではなく、知識が足りなくても、周辺の知識を動員しながら、フェルミ推定をしながら知識を導くアクティビティ。これをやると、推定の中で、いろいろな問いが生まれる。その問いをさらに発展的に問い返すと、一見A1の思考の構えの問題も、C3の思考の構えにジャンプするという体験をすることができる。

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思考コードは、21世紀型教育機構の標準コード<昨年出版した上記写真の本で公開>をつかった。機構の各校は、このコードと共通するところもあるし、学校の独自の文化を加味してアレンジしている。21世紀型教育機構のアクレディテーションのメンバーである神崎先生も、カンザキメソッドの中で、AO入試や小論文対策、志望理由書を書く授業の中で、活用できるようにアレンジしていただいている。首都圏模試センターも「思考コード」を創っているが、これは授業用の思考コードではなく、テスト用のコードである。思考コードは各学校や団体の生徒の活動に応じて多様な種類があるし、思考の目的に応じて次元が違う。中1から高1までは、21世紀型教育機構バージョンの思考コードが活躍するし、AO入試をメインとする生徒は、この思考コードが機能する。しかし、高2・高3で一般入試をメインにする場合は、戦略的なPBLが大切になり、そこでは、首都圏模試のような学力重視の「思考コード」が有効。よくPBLでは大学入試に役立たないと言われるが、そのような懸念はAO入試型のコンピテンシをベースにしたエンリッチメントPBLと一般入試型の認知能力をベースにした促進型PBLの違いを理解していないからである)

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★今回は、「ぐるぐる(眩暈)」というアクティビティや根源抽出アクティビティもできた。問いの問いを、議論しながら追究していくことができた。問いの問いの問いの問いの・・・と追究していくと、シンプルに「比較」と「置換」という思考スキルに収束していく。

★エッ!そんな簡単なことと思われるかもしれないが、すべての現象や事象は、極めてシンプルな原理から生まれ出でる。「比較」とか「置換」があるから、融合とか統合とか化学反応ということが起こる。湯川秀樹ではないが、ノーベル賞受賞者は、このシンプルな原理の追究者である。

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★最近の教育キーワード「探究」がおもしろいと思われるのは、複雑な現象や事象がどんどんシンプルに一貫しているところに行き着くからだ。複雑なイリュージョンを振りまいている授業は、生徒が、誘蛾灯に誘われる生物のように踊らされているだけである。

★人口が増えている20世紀後半は、一部の人間だけでがこのことを独占し、多くの人間は読み書き算盤の技術を養われ、楽しいイベントに惑わされ、コントロールされてきたが、今後の人口減少時代は、すべての人間が、シンプルな原理にたどりつき、それを実用化できる創造者でなければどうしようもないが、この学習経験を通して1人ひとりのバリューを高める経済理論が、昨年ノベール経済学賞受賞者の1人ポール・ローマーの「内生的理論」である。

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★この内生的な人材イノベーションを生み出す場が、PBLであるが、そんな思いを共有しながら、大学入試問題を素材に、実用的にPBLを組み立てることができるようにと、ワークショップ型講演をデザインしたつもりである。知識重視のはずの大学入試の問題の問いを解放すると、世界を救う問題解決にジャンプする問いかけに変容するのである。

★しかし、予想は所詮予想に過ぎない。先生方との対話や議論は、それ以上の発見をもたらしてくれる。今回も、PBLとは何か?アクティビティとは何か?ということについて、霧が晴れるようなイメージ像が脳裏に結びついた。先生方、ありがとうございます。この2点については、今後またご紹介したいと思います。

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2019年8月24日 (土)

令和元年度福島県私学教育研修会(3)長塚篤夫先生の根源的視点 大学入試改革の本当の理由

★今回の福島県私学研修会の基調講演の登壇者は、日本私立中学高等学校連合会常任理事・東京私立中学高等学校協会副会長の長塚篤夫先生(順天校長)だった。「変わりゆく社会・入試・教育~資質・能力を育む諸改革の動向」というテーマで、広い視野深い洞察による講演だった。

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★1983年に原文が出版され、1988年に邦訳本が出版されたトーマス・ローレンス教授の「日本の高校」という衝撃的な本から始まった。教授はスタンフォード大学の教授で、文化人類学者。日本に滞在し、フィールドワークを通して論文を書いているが、それらの成果の一冊が本書である。

★1980年代は、すでにホストコンピュータの時代であり、今でいうICTのイノベーションが世界的に起こり、日本ではバブルへの道を歩んでいた。モダニズムの影を払拭するかのようなイルミネーションさながらのポストモダンの誘蛾灯が輝いていた。

★トーマス・ローレンスは、こう語っていると長塚先生は紹介された。「中学から高校にかけて、次第に学習の楽しみや方法が軽視され、教科の内容そのものに関心が限定されるようになっていく。そして、高校の卒業が近づくにつれて、創造的な思考や表現の機会がますます減少し、生徒1人ひとりの異常性が目立つようになる」と。

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★これは、ローレンスによると、技術革新にともなう大量消費・大量生産・大量移動という国際競争が教育にも影響を及ぼし、人間の心や魂を豊かにする伝統が失われて行っているのではないかといのである。

★ローレンスは、文化人類学者としての視角で、中高の教育のシステムや習慣に、その国の時代精神や文化の特色が凝縮されていると切り取る。たしかに、中等教育以降の大学や社会にある組織の特色、人材の資質は、中等教育にそのひな形が出来ている可能性があるし、大学や社会が求める人間像や組織の在り方を、思春期に鋳型として投じていると考えることもできる。

★自らひな形をつくるのは、もしかしたら私立学校が挑戦し、鋳型を受け入れるのは公立学校といえるかもしれない。もちろん、私立学校だって鋳型を受け入れざるを得ないところもあろう。そことの葛藤はあるだろうし、その葛藤があるからこそ、社会が変わる契機がある。

★長塚先生は、都市社会学者リチャード・フロリダの「クリエイティブ・クラス論」も紹介した。フロリダは今トロント大学の教授であるが、1990年代に、すでに産業構造の大きな変化、つまり第4次産業としてクリエイティブクラスが誕生していることを論じていた。

★2007年に、邦訳「クリエイティブ・クラスの世紀」が出版されたが、まだSNSはメジャーになっていない時代である。にもかかわらず、現在経産省や文科省が提唱しているSociety5.0のビジョンを生みだしていた。

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★一方、1980年代に、ローレンスは、中等教育や高等教育の改革の根源的必要性をすでに見抜いていた。

★だから、長塚先生は、もう何をすべきかに進む時代であり、だから大学入試改革や中等教育の改革は必然なんだという歴史的ウネリあるいは時代の精神のシナリオを講演のベースに描いたわけである。

★そして、何をすべきかは、学力観の変容である。ローレンスが、人間の豊かさを奪う危険性の警鐘をならしていた。そこに対応するのが非認知的能力や資質能力である。中高生の「異常性」という言葉で表現していたのは、当時、初等中等教育は、校内暴力そして学校崩壊がおこる異常な事態が生まれていたことを示しているのであろう。

★中学入試が、1980年代以降今のように、教育の表舞台にでてきたのは、この事態を懸念した保護者が、私立学校に流れ込んだということがあろう。

★いずれにしても、資質・能力、つまりコンピテンシーの育成を、教科の学習以上に行っていく方向に、世界が時代が舵を切ったということを90分の講演の中で一貫性をもって語られた。

★アクティブラーニング、ルーブリック、eポートフォリオ、大学入試改革、カリキュラムの改革などは、そのコンピテンシー育成の新教育システムで、すべてが有機的につながっていなくてはならない。2020年度から始まる改革は、当然それがすぐには結びつかない。しばらく時間がかかるが、1980年代に明快になった危機とそれを乗り越える技術及び人材イノベーションの革新の誕生に立ち還ると、あのときの危機の状況に後戻りすることはできないのである。長塚先生の明快な未来ビジョンと何をすべきかという実現力へのアイデアは、福島県の先生方にしっかり共有された。

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2019年8月23日 (金)

令和元年度福島県私学教育研修会(2)いわきで文化学園大学杉並と大妻中野に出会う。

★今回の福島県私学教育研修会は、いわき市で行われたわけでが、驚いたことに、全体会の学校視察方向の部で、文化学園大学杉並と大妻中野の報告が行われたことだ。良く知っている学校について、こんなに的確に詳しい報告を聴くとは、改めて、すてきな学校であると感服したのであるが、福島私立中学高等学校協会の先進的な教育を学ぶ意欲はもともと知っていただけに、そのリサーチ対象校に両校がはいっていたとは!わがことのように嬉しかった。

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★文化学園大学杉並は、日本大学東北高等学校の教頭渡邊弘幸先生から報告された。BC州の教育省と連携しているDD(ダブルディプロマ)コースの克明な説明がなされた。アクティブラーニング型授業の中でSTEAM教育が浸透している点、オールイングリッシュのすさまじさ、1期生13人の大学進学実績の破格さなど、参加者も目を丸くする内容だった。

★それと、DDコース以外のコースについても言及があり、このコースがDDコースのエッセンスをとり入れながら進化していくことにも触れ、むしろこのコースの変化の行方が、福島でも参考になるのではないかという鋭い見識を示された。

★どんなに優れた海外の教育も、そのまま日本の教育に結びつけるには、様々な要因と条件がそろわなくてはならなない。文化学園杉並のようにすぐにはいかない。どのように換骨奪胎できるのか。そういう意味で、革新的な風を大いに巻き起こしていた。

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★大妻中野については、いわき秀英中学・高等学校の教頭高木千明先生が報告された。大妻中野の短期間に教育改革を実行した機動力の話が明快に伝わった。また、ラテラルシンキングやクリティカルシンキングを養うアクティブラーニングのリーダーの数学科の高村先生の授業の様子についても説明されていた。

★高村先生に限らず、電子黒板、1人1台のタブレット型パソコンを使ったアクティブラーニングの様子についてきっちり報告書はまとめられていた。そして、全校生徒に対する帰国生の割合が、11%で、国内生との相乗効果が生まれていることも指摘されていた。

★大妻グループの中での存在感は、かなり戦略的なプランとその実行力にあることは何度も強調されていた。

★折しも、その夜大妻中野の教頭諸橋先生からメールが入った。私が福島にいることを知らずにだから、全くの偶然であるが、諸橋先生は改革機動力の次は徹底的に質の向上を果たすことで、カリキュラムマンジメントのプロジェクトが立ち上がっていて、順調に質の向上に向けて実践が進んでいるということだ。

★組織というのは、改革草創期は大きな決断の俊敏力と勢いがものをいうが、質の向上という持続可能性を高めるには、本質的な内容の密度を上げ続けなければならない。これは理想を実現するグリットである。要するに根性。

★舞台での派手な改革のあと、この舞台のバックヤードのモチベーションをいかに持続するのか。それが最も難しい。これがないと、改革草創期は勢いがあるが、3年後失速するという学校も少なくない。

★大妻中野はその落とし穴に陥らないように、大胆な改革と細心の注意を払った実行力の両輪を走らせているのである。

 

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2019年8月18日 (日)

2019東京都私立学校展(5)PBLやアクティブラーニングで生徒の学びを変える学校が熱い!

★八王子で、ある意味行列ができる高校と言えば、聖パウロ学園。授業はPBLを中心とした≪対話≫がベースの授業が展開している。教師と生徒の信頼関係が、生徒の学びのモチベーションを高め、学び方を創り上げようという学習行動に進化していく学校だ。

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★先生方の笑顔が安心安全な学びの環境を生み出している。広報部長の望月先生(社会科教諭で、神話や民話、童話の背景にある歴史物語を生徒と発掘しながら授業を展開する)によると、都心の私立学校展がゆえに、ブースに立ち寄る受験生は少ないと思ったが、昨年の倍以上の方と対話ができたということだ。

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★同じように八王子に位置する工学院にも受験生と保護者が昨年以上に訪れた。PBL授業をベースにヨーロッパ、オセアニア、東南アジア、米国と多様な海外研修を繰り広げ、一方でSTEAMによるモノづくりの生徒の実績がメディアを騒がせている。News Picksに6ページもの記事が掲載される程のNew Power Shool。工学院大学の新宿キャンパスでも週1度ペースで高校インタークラスの英語による哲学授業や中国の授業が行われている。

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★アクティブラーニングの見学ができる学校と言えば、日本全国から注目を浴びているのは、かえつ有明。思考力入試の中でも、アクティブラーニング入試は、中学入試市場に大きなインパクトを与えた。帰国生からも大人気の世界が求める最も生徒がハートフルになれる学校。

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★そして、女子校でPBLといえば、和洋九段女子である。PBL入試の体験授業はいつも満席。PBL授業で、多角的な視点をもち、PBL型授業ベースのグローバル教育で世界的視野を身に着けて欲しいという進取の気性に富んだ保護者が今大注目している。

★2学期からは英語でPBL授業体験ができる英語入試対策授業も企画しているが、すでに申し込みは殺到している。PBL授業で、生徒が笑顔で真剣に思考に没頭し、高パフォーマンスでプレゼンする姿に、教師は感動しないではいられないという想いを持った教師がいつのまにか揃ったと中込校長先生は先生方に絶大なる信頼を寄せる。

★中込校長先生は、理科の教師で、多くの教科書も手掛けている。今理数探究の教科書をつくるプロジェクトのメンバーでもあるということだ。和洋九段女子のSTEAM教育のエッセンスづくりにもなるということだ。もちろん、授業は当然PBLでなければならないという。PBLの和洋九段女子。そういえば、経産省の「未来の教室」のキーコンセプトはPBLだ。

★時代が和洋九段女子に追いついてきたということだろう。

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2019東京都私立学校展(4)今回の私立学校展のパラダイム転換 海城がお手本の役割果たす。

★今回は、すでに述べたように、国際フォーラムが2020年東京パラリンピック・オリンピックのための工事のため使えない。そこでスペースが狭い科学技術館を活用せざるを得なった。しかし、そのデメリットをメリットに転換する創意工夫を考案したという。それは、私立中高協会の副会長長塚篤夫先生(順天学校長)によると、各校のブースは時によってはポスターセッションで説明できるようにブース内の掲示物を工夫しようということだったという。

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★まず今までとは違い、座って個人相談や学校の説明をすることができない。ブース内は3人というルールだが、実際には2人が限界。もし、たくさんの受験生と保護者の行列ができたときには、対応ができない。

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★そこで、多くの方々にポスターセッションで、教育の内容や結果のみならず、その学校で生徒がどのように学ぶのかまで説明しよということになったという。もちろん、受験生・保護者を3人の先生で対応できるのであれば、個別に対話をするのもありで、そこは臨機応変でよい。

★しかしながら、私立学校の教育は、やはり生徒の学びのプロセスがそれぞれの学校の独自のプログラムに沿って躍動するから、そこをプレゼンするには、生徒も慣れてるポスターセッションを教師も応用しようということだったようだ。

★ある意味、私立学校の広報の真髄を貫いた私立学校展になったのではないか。

★そして、ポスターセッションとしてお手本を披露したのは、海城の特別校長補佐中田先生だった。高偏差値の学校で、グローバル教育や授業でICTを活用しているNew Power Schoolの海城であるが、その仕掛け人が中田先生であることは広く知られていることである。

★やはり、こういうときに大活躍するのは、中田先生である。中田先生は、海外で実際に多くのビッグビジネスマンと会い、帰国生子女の説明をしてきた経験が豊富だし、海外でプレゼンする意味の重要性を身に染みて知っている実践家であると同時に教育の理論家である。

★時間があれば、多くの学校の若手先生方はそっと見学されたし。

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2019東京都私立学校展(3)渋谷―自由が丘―二子玉川―渋谷の東急プレミアムエリアが熱い!

★渋谷―自由が丘―二子玉川―渋谷は東急線と田園都市線で囲まれる東急プレミアムエリア(と東急電鉄が呼んでいるらしい)。三田国際が誕生した時と同じくして、楽天が二子玉川に本社移転してから、英語とICTは当たり前という雰囲気が流れているエリアである。実際にインターナショナルスクールもあったり、東南アジアの高度専門人材が、日本語を学んだりしているエリア。都立大にはケニア共和国大使館もあり、グローバルシチズンが多く居住するエリアでもある。

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★したがって、このプレミアムエリアでは、破格のグローバル教育や、グローバル教育の根底にあるダイアローグという意味での≪対話≫ベースの教育を行っている私立中高一貫校が多い。八雲学園は、2年前に共学化したが、そのときにRS(Round Square)という世界の私立学校のエスタブリッシュスクールのみが加盟しているコミュニティに加盟した。

★それらの私立学校は、当然グローバルシチズンシップを発揮した世界の民主主義と平和を目指す教育をし、なんといっても極限の社会貢献としての奉仕活動を行うプログラムを有している。何せ第二次世界大戦のファシズムに屈せず、極限のサバイブ経験をもつクルト・ハーンが呼び掛けたコミュニティで、日本からみていると想像もできないコミュニティの深い教育観が横たわっている。

★ケニアのRSに加盟している私立学校が研修旅行で東京に立ち寄ると、RS加盟校同士は、国際交流をするのに、電話一本、メール一本でつながってしまうから、八雲学園にも大使館を訪問した後に、立ち寄るという自然体の国際交流が行われる。毎月のように、世界のRS加盟校から交換留学生が訪れている。もちろん、受け入れたら、八雲学園から相手の加盟校に留学することができる。航空運賃や生活費はかかるが、基本あとはお金はかからない。互いにホームステイをする。

★よくあるエージェントが仲買する留学は、ホームステイはちゃんと費用をとるのが当たり前だが、RSの中での交換留学はそれはないのだ。八雲生が世界から自分の未来を見て、行き来しているというのが、自然な感じなのだ。そこは、今までのグローバル教育では味わえない大きな特色だろう。

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★そして、なんといっても、三田国際のブースに受験生・保護者が殺到していたのは、もはや年中行事化していて、このプレミアムエリアには、本当に進取の気性に富んだ保護者が多いのに驚かされる。

★このエリアには、SGH認定校の昭和女子大もあり、美術系のベースがあり、海城学園よりも先に取りいれたPAなどの対話をもとに自分の世界を深められるトキワ松もある。

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★岩崎家と松方家は親戚関係だが、その両家にゆかりのあるシスターが、私財をなげうって、戦後路頭に迷う子供たちを救うべく立ち上がってできたのが聖ドミニコ学園。一学年80人のスモールサイズがゆえに、質の高い教育が蓄積されてきた。そして今年から、インターコースをつくり、PBLやICTを埋め込んだ授業も展開し、13世紀にカトリック教会を救った聖ドミニコの≪対話≫を現代化した。再びドミコの精神を必要とする時代の激変がやってきたという使命感から教育のアップデートを行ったということだ。ドミニコ会の長い歴史の中で、たおえば、ルネサンス時代ユートピア都市構想を打ち出したのもドミニコ会士だったし、大航海時代の南米諸国をスペイン艦隊から救うべく殉教したのもドミニコ会士だ。

★なんといっても、カントもヘーゲルも、ハイデッガーも、あのマルクスでさえも乗り越えようとした西洋の哲学の基盤を創ったのもドミニコ会士だ。フランス革命をサポートした修道士の中にドミニコ会士もいた。もちろん、宗教改革の時にプロテスタント運動の波に撤退せざるを得ない地域もでたという歴史もあり、救済の歴史ばかりではない。何せ資本主義の萌芽はドミニコ修道会からという説があるくらいだから、光と影の歴史はあるものだ。ディベートの基礎もドミニコ会士がつくった。そこから中世以来の大学システムができていった。

★今回の改革で、ドミニコの精神を現代化することになれば、女子校として新たな光を放つことになろう。そもそも女子修道会の立ち上げをサポートしたのもドミニコ会だと言われているぐらいなのだ。

★東京都市大等々力は、五島慶太翁の精神を現代化し、その勢いは三田国際と競る勢いである。もともと英語教員を目指していた五島慶太。英語でサムエル・スマイルズの資本主義のベストセラー「自助論」を読んでしまったがために、大東急を形成するまでに自分のキャリアを変えてしまった。

★しかし、その晩年は宗教的精神と教育に回帰していく。アートと宗教的精神は、等々力から近い五島美術館に行けば味わえる。教育は東京都市大等々力にまさにある。

★このプレミアムエリアのすぐ延長上に洗足学園や森村学園がある。今回は東京都私立学校展だったから、参加していなかったが、当然、両校のグローバル教育が破格なのも言うまでもない。

★渋谷には渋谷教育学園渋谷もあり、等々力を支えている五島育英会の本体もある。エリアに光をあてるのは、そこに進取の気性に富んだ保護者がどれぐらい居住しているかという教育の新市場へのニーズがあるかどうかを判断するときに重要であろう。

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2019年8月17日 (土)

2019東京都私立学校展(2)北区と文京区が熱い!

★私立学校展の各校のブースはどこも熱いのだが、気になったのが、順天、聖学院、桜丘、成立学園、東洋大京北、駒込だ。最初の4校は、北区に位置し、あと2校は文京区に位置している。隣接エリアだから、このエリアで何かが起こっている。なぜ気になったのかというと、いずれも黒山の人だかりで、これらの学校に共通するところがあるが、そこがおもしろいからだ。

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(順天のブース、立席ということもあって、ポスターセッション型の相談会になっている)

★順天の学校長の長塚篤夫先生は、東京私立中高協会副校長で、吉田先生。平方先生とともに、文科省の高大接続改革以来の多様な分科会のワーキングメンバー。ワーキングメンバー全体のムードは、世界標準というより、公立学校の現場主義の雰囲気。今回の改革は、世界的な教育改革で、日本だけの問題ではないが、どうしても日本の官僚主導というかお上主導の教育行政の伝統が、世界から教育をみようろしない。

★そこで、理想と現実のギャップが生まれ、現実路線に合わせて大学入試改革は動きがちになるが、それをなんとか世界標準に近づけようと議論をしかけているのである。今の子供たちの未来である2040年を世界標準にしておくことは、今教育を担っている教師のミッションなのだという。

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(聖学院のものづくり思考力入試、M型思考力入試、難関思考力入試は、各メディアに注目されている。レゴを使うモノづくり入試や難関思考力入試は、新しい学びと評価され、塾からもワークショップの依頼が多い。)

★改革の中でも、長塚先生は、多面的評価について担当をししている。ルーブリックとeポートフォリオの流れの理想と現実の狭間で右顧左眄することなく踏ん張っているわけだが、出来るという信念がある。それはご自身の経営する学園である順天がそれを着々と実現しているからだ。

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(桜丘は高橋知仁校長自らが、リーダーシップ研修でファシリテーターを行ってしまうほどアクティブ。そのスマイルが、学内のチームワークをつくる秘訣である)

★私立学校と公立学校の行政上の違い、経営上の違いはあっても、多面的評価やポートフォリオの重要性は同じであると。

★この流れを、不思議なことに、先に挙げた北区と文京区の学校は、以心伝心よろしく実践している。多面的評価をしているかどうかは、入試要項を見ればわかる。2科4科の入試以外に、思考力入試やプログラミング入試、自己アピール入試など、適性検査型入試以外に深い学びができる入試を設定しているのだ。

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(駒込のプログラミング入試は、時代の先端をいく。今月の体験会もすでに満席だと聞き及ぶ)

★これは、4科主義の大手塾やそこをサポートする教育シンクタンクが「謎の入試」と呼んでいて、偏差値で評価できない入試をやっているのはいかがなものかと指摘しているのだが、惑わされずに思い切って実施しているのである。

★そして、その「謎の入試」を体験した生徒の中から、類まれな才能を発揮するのみならず、教科の学力も伸ばすことになるという事態が発生している。

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(東洋大京北の人気が絶大なのは了解済みであるが、私学展でも同様であった。哲学入試が人気ということは、やはり時代の希望は自分で深く考える構えが必要だと実感されているということを示唆している可能性大)

★長塚先生は、偏差値も多面的な評価の1つとして認め、それ以外にも多様な基準があってよいと。そのためにはルーブリックやポートフォリオが必要なのは、世界の教育のある意味常識だと、海外の教育のフィールドワークやリサーチを通して、確信している。首都圏模試センターや各学校で独自の展開をしている「思考コード」という考え方も高く評価し、ルーブリックが具体化拡散に展開してしまうのを、メタルーブリック的に俯瞰する思考コード。とくに、そこにコンピテンシー軸が入っていることに、興味と関心が高い。

★この新しい教育に対するものの見方・考え方が、北区・文京区に広がっている。この雰囲気が先の6校に共通しているところがおもしろい。進取の気性に富んだ保護者が、北区・文京区にたくさんいるということでもあろう。

 

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2019東京都私立学校展(1)本日と明日開催

★本日17日(土)と18日(日)、2019東京都私立学校展が、科学技術館1階で開催。主催は、一般財団法人東京私立中学高等学校協会。私が訪れた本日は、10時から開催予定だったが、すでに気温は30度を超えていたので、長蛇の列をそのままにしておくのは危険ということもあったのだろう。予定の30分前に開場となった。

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★9時前から、各学校の先生方は準備をしていた。そして、9時には、東京私立中学高等学校協会会長の近藤彰郎先生(八雲学園理事長・校長)は、開会宣言をして、時代の変化や政府の思惑に翻弄されることなく、子どもの世界を守る私立学校の心意気を受験生・保護者と心行くまで分かち合おうと気概を共有した。

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★昨年までは、国際フォーラムで行っていたが、今年は、この時期、フォーラムは来年のオリンピックのための工事とあって、スペースはその4分の1くらいの科学技術館のイベントホールを使ったようだ。来年は時期をずらして、再び国際フォーラムで行うようだ。

★そんなわけで、今回は、各校のブースも狭く、みな立席での相談会となったが、それはそれで新鮮な感じがした。その理由は、しばらく見学しているうちにわかった。

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★それにしても、この東京をあげて私立学校の合同相談会は、理事長及び校長が、前面に出て受験生や保護者をお迎えする。ウェルカムの精神をトップリーダーが体現するわけである。日本の社会構造上、この構えは、あまりない。偉い人は後ろに控えてでてこないものだからである。

★明治以来、官学とは違って、近代化路線の自由を大切にしてきた私立学校の精神がこういうところに生き生きしているのである。

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★そして、私立学校のトップリーダーは、ちょとした合間でも、政治と経済と教育の関係について、政府の政策と適切な距離を置きながら協力しつつ、どのようにしたら言いなりにならないようにできるのか、そのためには、新たに私立学校はどんなアクションをするのかなど議論をしている。日本私立中高連合会の会長吉田晋先生(富士見丘理事長・校長)と同会の教育研究所理事で東京私立中高協会の副会長の平方邦行先生は、私がお会いした時、ちょうど経産省と文科省の21世紀型教育に対する考え方の違いと共通点についてどう読み解くか議論していた。

★知事選の行方や政府の文科行政は、私立学校の教育にも大きく影響するがゆえに、ある意味ロビー活動のようなアクションは必要で、私立学校1校では、立ち臨めない。各都道県の私立中高協会と日本私立中高連合会の存在意義は、ここにある。

★教育の精神の自由を守るには、コラボレーションは重要である。まさか文科省が私立学校に圧力をかけることはないだろうと思う方もいるだろうが、20年数前は、3年間くらい、私立学校の中学入試問題が学習指導要領を逸脱しているのではないかと私学バッシングをしかけてきたときもあったし、世界史の未履修問題で圧力をかけてきたことは記憶に新しい。

★そして、それらが、戦後教育基本法改正の伏線で、改正案で、私立学校をどう扱うか、水面下で、私立中高協会と政府は凄まじい議論を展開していたこともあった。

★そして、2013年から中教審メンバーになった吉田晋先生が、時の下村文科大臣に圧力をかけられたことも記憶に新しい。吉田晋先生は、教育関連法規を、特区という形で、特例を出して、どんどんなし崩しにしていく下村大臣ときちんと議論をしようとしたところ、大臣が、私に反論するのかと言う始末だった。

★しかし、私立中高協会は、一丸となって、数々の抑圧をはねのけ、適切な距離をあけながら、政府や官僚の要請に、協力ができるところは大盤振る舞いもしてきた。

★新しいグローバル教育やPBLの実態、ICTの授業での活用など、視察も受け入れてきたし、研究校としても協力をした。教育改革のプロトタイプを提供することをしてきたのである。

★国際フォーラムが使えないのなら、今年私立学校展をやらないという選択肢もあったはずだが、近藤会長は、私立学校の存在、つまりプレゼンスのアテンションをあげ続けることは、教育の真理を守る私立学校の使命であるという気持ちでいるのであろう。

 

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