風の谷の中村中学校
★中村中学校・高等学校(以下「中村」)といえば、多様で深まりゆく探究の活動がすぐに思い浮かびます。もちろん、30年以上前からグローバル教育の実績も積み重ねられています。ずいぶん前ですが、フェニックスホールでの在校生の皆さんのフルートやピッコロなどの楽器による演奏のすばらしさは、今も鮮やかに記憶しています。
★最上階のコリドール(図書館風)から一望できる大名庭園の清澄庭園の広がりは、心落ち着きます。毎年送っていただく中村の膨大な資料の中に、「データブック」があります。説明会で表現しきれない同校の教育のディテールが本当に緻密によくまとめられています。
★これだけのものを毎年まとめていくには、一人の教師ではなくチーム教師で創り上げているということが伝わってきます。勢いのある学校は、優れた一人の教師がいればよいのではなく、教師同士の関係性が良好であることがポイントです。たしかに、データが詰まっている客観的な情報の冊子ですが、この冊子をどう作っているのか想像してみてください。チーム教師の熱い議論の様子やデータ作成自動化のシステム改善のために動いている先生方の姿が目に映し出されるでしょう。
★そして、そのデータブックの中に、卒業生全員の入学時の偏差値と卒業時の偏差値の指数関数的な飛躍曲線を描いているページがあります。数値の表示ですが、ここまで一人ひとりのデータを集めているというのも実は稀有です。
★それに、言うまでもありませんが、この数値の背景にある生徒1人ひとりのストーリーを先生方は語り合いながら作っている様子がやはり目に浮かびます。
★このような教員同士、教員と生徒の関係性(おやじの会もあります:微笑)からは、風の谷のナウシカならぬ「風の谷の中村」という発想が生まれてきます。
★風の谷の人々が風の力を受け取りながら暮らしを守るように、中村も生徒のみなさんが安心して学び、力を蓄える「安全基地」として存在しています。しかし、ナウシカが風を読み、メーヴェで腐海へ飛び出していったように、中村の学びは谷にとどまることではありません。生徒のみなさんは外の世界へ踏み出し、社会の課題に向き合い、自ら未来をつくる力を育める教育環境をデザインしています。
★要するに、中村は、この「風の谷」のような学びの場です。安心して挑戦の準備ができる場所であり、同時に生徒が自分の風をつかんで外の世界へ飛び立つための発射台でもあります。
★では、この“風の谷のような学校”を支えるのは誰でしょうか。ナウシカのように、生徒が世界を恐れず飛び出せるよう「本質を見抜き、そっと背中を押す導き手」として関わる教師がいます。教室を出て社会の課題に挑む探究学習を通じて、生徒が自ら“風を読む力”を育てる教師がいます。中村は、子どもたちが「谷に守られるだけの存在」ではなく、「自分の風で未来へ飛び立つ存在」へ育つことを本気で目指しています。
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