教育イノベーション

2022年12月25日 (日)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(19)21世紀型教育を実施している私立中高一貫校 とりあえず114校

★前回、鈴木さん(GLICC代表)とGWEで対話した内容を少しお伝えしました。2023年は、首都圏の私立中高一貫校が21世紀型教育にどんどんシフトしていくダイナミズムが起こると。そして、当然21世紀型教育のそれぞれの特色が魅力となって、人気もでてくると。ある意味、21世紀型教育か20世紀型教育かの競争ではなく、21世紀型教育のそれぞれの魅力の競争ということになるのではと仮説をたてているわけです。

★具体的にどれくらい21世紀型教育にシフトしているのかというと、GWEで私が典型例として挙げた40校強と首都圏模試センターが下記の写真の冊子で紹介している90校強の学校です。114校(両者で重なてっている学校もあるため、そこは調整をしました)となりました。とりあえず、その学校を五十音順に並べてみます。

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跡見
市川
上野学園
浦和実業学園
江戸川女子
桜美林
鷗友学園女子
大妻
大妻多摩
大妻中野
大妻嵐山
海城学園
開智日本橋
かえつ有明
川村
神田女学園
関東学院六浦
北鎌倉女子学園
北豊島
共立女子
共立女子第二
京華
京華女子
啓明学園
麹町学園女子
光英VERITAS
工学院大学附属
国府台女子学院
國學院大學久我山
駒込
駒場東邦
相模女子
桜丘
サレジアン国際学園
サレジアン国際世田谷
静岡聖光学院
実践学園
品川翔英
品川女子学院
芝浦工大附属
渋谷教育学園グループ
十文字
淑徳
順天
城西大学城西
聖徳学園
湘南学園
湘南白百合
昭和学院
昭和女子大附属昭和
女子聖学院
白梅学園清修
水都国際
巣鴨
聖学院
聖光学院
成城学園
聖セシリア女子
聖ドミニコ学園
西武学園文理
聖ヨゼフ学園
成立
聖和学院
世田谷学園
専修大学松戸
洗足学園
創価
瀧野川女子学園
玉川学園
多摩大学附属聖ヶ丘
多摩大学目黒
鶴見大学附属
田園調布学園
東京家政学院
東京純心女子
東京女子学院
東京成徳
東京電機大学
桐朋女子
東洋大学京北
豊島岡女子学園
ドルトン東京学園
中村
南山女子部
二松学舎大学附属柏
日本大学第二
日本学園
日本工業大学駒場
日本大学豊山女子
八王子学園八王子
八王子実践
日出学園
広尾学園グループ
富士見丘
藤村女子
文化学園大学杉並
文京学院大学女子
宝仙理数インター
聖園女学院
三田国際学園
武蔵野東
目黒日本大学
目白研心
八雲学園
山脇学園
横須賀学院
横浜女学院
横浜翠陵
立正大付属立正
麗澤
和洋九段女子
和洋国府台女子 

★しかし、桐朋や武蔵は、入っているべきです。前回のGWEで22世紀型教育を先取りしていると位置付けた麻布や女子学院もとりあえずいれると、118校になります。まだまだ入れることができますが、これらの学校がことさら21世紀型教育や22世紀型教育を標榜しているわけではありません。114校は、あくまで首都圏模試センターのコンセプトレンズや私のコンセプトレンズで眺めたらというわけです。

★そして、首都圏模試センターや私と対話の中で、21世紀型教育を行っていると語っても違和感がほとんどないという暗黙の了解が取れている学校ということもあります。とはいえ、外から観察してその学校が21世紀型教育のカテゴリーはいるかはいらないかを判断することは、自由ですから、114校以外も見ていきたいわけです。

★なぜかというと、私立中高一貫校は、日本の教育のモデルであるし、そのモデルが21世紀型教育を行い、2030年SDGs問題や2050年ムーンショット構想問題で活躍する人間力を生み出すことは、日本にとって世界にとって重要な教育モデルになるからです。

★教育モデルができると、数学的思考が働き、世に広まっていくわけです。文科省も同じようなことを考えていますが、公立学校の現場の具体的多様な状況に配慮し、実現のシナリオを描くのは、なかなか困難なのです。やはり、自由度が相対的に高い私立学校がまず21世紀型教育モデルを作る方がはやいでしょう。

★となると、そのコンセプトレンズで眺める21世紀型教育の定義はしておかなければなりません。それで、前回のように定義というか指標をご紹介したのです。これについては、動画をご覧になっていただけると幸いです。 

★それから、私は、配信時、あとで語りますと言って時間がなかったため語れなかった、21世紀型教育の4つのタイプに対応する思考コード領域について補足しようと思います。

★首都圏模試センターと私のコンセプトレンズの共通点は、21世紀型教育はC3の領域の授業をなんらかの形で行っているという点です。

★そこは外せないわけですが、そこをコアに私はもう少し具体的に(抽象的なのですが)述べてみたいと思います。ちょうど年末年始は時間がありますから。(つづく)

 

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2022年12月22日 (木)

生徒指導提要(改訂版)公表される(1)主体的・対話的で深い学びが生徒指導と一体化

★今月、生徒指導提要(改訂版)が公開されました。文科省のサイトによると、

<「生徒指導提要」とは、小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法等について、時代の変化に即して網羅的にまとめ、生徒指導の実践に際し教職員間や学校間で共通理解を図り、組織的・体系的な取組を進めることができるよう、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として作成したものです。
 平成22年に始めて作成して以降、いじめ防止対策推進法等の関係法規の成立など学校・生徒指導を取り巻く環境は大きく変化するとともに、生徒指導上の課題がより一層深刻化している状況にあります。
 こうしたことを踏まえ、生徒指導の基本的な考え方や取組の方向性等を再整理し、今日的な課題に対応していくため、12年ぶりの改訂を行い、令和4年12月に公表しました。>

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★その目的は、「生徒指導は、児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支えると同時に、自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現を支えることを目的とする。」とあります。

★これは、まさに「主体的・対話的で深い学び」がベースになっているということがすぐにわかります。提要を読み進んでいくと、生徒指導と教科指導は一体化が肝心ですから、当然、その文言に「主体的・対話的で深い学び」との関係が明快に記述されています。

★そして、生徒指導の分類図は次の通りです。

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① 発達支持的生徒指導
全ての児童生徒の発達を支えます。
② 課題予防的生徒指導
全ての児童生徒を対象とした課題の未然防止教育と、課題の前兆行動が見られる一
部の児童生徒を対象とした課題の早期発見と対応を含みます。
③ 困難課題対応的生徒指導
深刻な課題を抱えている特定の児童生徒への指導・援助を行います。

★前提として、すべての児童生徒の発達を支えるわけです。発達というのは、知育・徳育・体育ですが、提要では、生徒指導の組織とか生徒児童のチームなども入っているし、なんといっても児童の権利に関する条約を重視することも記述されているぐらいですから、人間関係やコミュニケーション能力などの発達に関しても想定されています。

★だから、このような発達がうまくいっていない兆候に日ごろから気遣い、何かあるなと気づいたら、「課題予防的生徒指導」を行い、明らかにリスクがあるなと思う生徒には「困難課題対応的生徒指導」ということにんるわけです。

★いずれにしても、人権ベースに指導されることは言うまでもありません。

★人権ベースということは、児童生徒1人ひとりの「存在」とは何かに焦点が当たっています。ともすると、指導というと教師のものの見方・感じ方・考え方のシステムに偏りがちですが、それは生徒の「存在」のwell-beingを生み出し、守る環境を創るシステムであることが最重要だということでしょう。

★そのシステムは、実は「主体的・対話的で深い学び」というシステムがコアになるはずです。なぜでしょう?(つづく)

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2022年12月21日 (水)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(17)東京共学校 人気5校

★今年12月に開催された首都圏模試センターの合判テストの志望校登録データから、東京共学校を調べてみました。前年と比較してどのくらい増えたかの割合のベスト20及び志望校登録数のベスト20を出してみました。

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★そのうえで、両方にランクインしている学校を抽出してみると、五十音順で、次の5校に絞られました。

国学院大学久我山
芝国際
淑徳巣鴨
順天
文教大学付属

★国学院久我山は、確かな学力に基づいた大学合格高実績とプレゼンやグローバルベースのワークショップなどプログレッシブな学びを展開しています。芝国際は、サレジアン国際(赤羽と世田谷両方)にみられるように期待値が大で、初年度ということもあり話題を呼んでいます。

★淑徳巣鴨、文教大附属も国学院久我山同様、進路指導とプログレッシブな学びの両立が受験生には魅力なのでしょう。

★順天は、スーパー21世紀型教育を展開し、高度な英語力、グローバルな学問的深さを追究する学び、STEAM教育など充実していて、高い大学合格実績は以前から定評があります。順天は理想を突き抜ける勢いが実在している学校ですね。

★共通した人気の条件は、どうやら大学合格実績となんらかの新しいそして魅力的な学びの両立が展開されていること、もしくは、その期待値が高いということでしょう。大学に入って終わりではなく、入学後も社会に出てからも主体的に活動し、みなを巻き込んでいくリーダーシップを発揮できるようになるトランジション教育は、これから多くの受験生が求めるようになるでしょう。

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2022年12月18日 (日)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(15)成城学園 新しい教育の在り方を開く

GLICC Weekly EDU 第107回「成城学園の中高大連携プログラムー卒業生と生徒と教員のネットワーク」では、成城学園の新しい挑戦について語られているとともに、今までにありそうでなかった全く新しい教育の在り方が語られています。

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(GLICC Weekly EDU 第107回「成城学園の中高大連携プログラムー卒業生と生徒と教員のネットワーク」)

★青柳先生(成城学園中高入試広報部部長)とは、何回かGWEで対話をする機会をいただいたり、そのGWEに向けてチャットさせて頂いたりしながら、成城学園のトランジション教育(受験指導で大学に入ったら終わりではなく、大学及び社会において活躍できるキャリア教育)について発信させていただいています。1月には、これまでの対話をまとめる意味で、shuTOMO2023年1月号で6ページで記事を書くこともできました。

★しかし、脱稿しするや、実は新しいチャレンジが行われている最中なのだと青柳先生から教えていただきました。それが「グローバル視点のライフデザインワークショップ」です。実は脱稿したあとで、GWEだったので、そんなすばらしいプログラムだったのかあ、これは何とかしたいと思ったわけです。初校で、ほんの少し紹介できるように編集しましたが、とても内容を紹介できるものではなかったのです。

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★そこで、今回同プログラムのプロデューサーである高木生太さんとプログラムの企画・運営のメインファシリテーターである穴本玲奈さんに出演していただき、青柳先生と共に、大いに語っていただいたのです。

★高木さんも穴本さんも成城同窓生で、同じ母校出身の社会人や大学生、中高生が繋がるためのwebサイトやイベントを運営するRootin'というコミュニティも運営しています。高木さんは外資コンサルタント会社に勤務しながら、同コミュニティの創設者・代表として、後輩の未来を先生方といっしょにつくる企画運営を、穴本さんと実施ているのです。

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★同窓生と言えば、お金を寄付したり、講演会などで語ったりということは、よくある話ですが、PBL型のプログラムやワークショップを先生方や大学生、生徒などみんなで創り上げるプロデュースをするというのは全く新しい同窓生の活動です。

★具体的な中身や参加した生徒がどれほど成長するのか、その様子についてはぜひご視聴ください。高木さんと穴本さんの学校の教員とはまた違う視角からのトークや言葉に、今回の新たなプログラムのあり方のみならず、これからの新しい教育の在り方のヒントを得ることができます。必見です!

★私は、自分の感想を忘れないために、GWE直後に、次のような文をfacebookにメモしました。

「成城学園の同窓生でグローバルに活躍している方々と対話。その教養と未来性に感動。優しさを弱さだと誤解し、突いてくる自称グローバルリーダーは多いがそれとは真逆。教養あるグローバルリーダーシップ。これだな。」

★成城学園の創設者澤柳政太郎の魂は、同窓生の中で、さらに進化しているなあと感じたわけですが、感じるだけではなく、私学全体でも共有していける普遍化・現代化を考案するアクションを起こしていきたいと思っています。

 

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2022年11月30日 (水)

ドネラ・プロジェクト(13)2030年に向けて新次元コンセプトで動き始める私立学校

★昨日のロイター通信のゼロコロナ政策に対する中国の抗議参加者についての記事で、中国外務省の次のような言葉が引用されていました。「中国外務省は、権利や自由は法の枠内で行使されなければならないとしている。」あまりにあっさりしていたので、ググってみたのですが、他紙でこの言葉について、詳しく述べているものが見当たらなかったのです。

★探しているうちに、昨日のNHKのWorld-Japan Newsで、"Beijing's science-based prevention and control measures have been proven effective. This is a fact witnessed by the international community. Any rights and freedoms must be exercised within the framework of the law."と掲載されていました。ロイター通信は、この部分の翻訳なわけです。

★この件に関して、ここで何か述べようとは思わないのですが、ここ数日、私学関係者と議論をしている中で、もはや新次元のコンセプトで進まなくてはとなり、その新次元コンセプトの内容が、ラディカルで、この歳になってからやることなのかと多少迷いがあったわけです。

★21世紀型教育を広めたわけだからもうそれでいいではないかと思ったりしている自分もいるのです。

★がしかし、さらになんだと。落合陽一さんも、シンギュラリティは来年きちゃうんだからと。伊藤穰一さんも、Web3.0を広めていて、その波は学校現場に降りてきてもいますし、やはり新次元だよねといわれると、やるしかないかと思うわけですが、この記事をみて、このさりげない「法の枠内」の意味を、今の日本の高校や大学レベルで、どう生徒や学生は捉えるのだろうと少し心配になりました。

★おそらく、中国や欧米の生徒や学生は、この意味や概念いついて、根本的なところから大いに語るでしょう。でも、日本の生徒や学生は、根本的なところから語る知識がありません。能力がないのではないのです。受験知識はなんとかなるでしょうが、歴史と文化として身体化した知識がないだけなのですが、それは教育の責任でもあります。

★社会課題がどうのとか、探究がどうのとか、総合型選抜がどうのとか、まだまだ一般選抜がどうのとか、そういう話をしている間に、世界は「法の枠内」の意味をディスカッションできる知恵をさらに進化させているわけです。

★このギャップが何を意味するのか。その議論に加わらないと日本はどうなるのか。このところの私学関係者は、このギャップに危機感を抱き、何とかしようとしています。

★私学関係者なので、私立学校関係者とそのステークホルダーも含むわけですが、結局本物の議論をしていかなくてはなりません。学習指導要領の議論では、ミッシングリンクはみえないままです。しかも議論と言っても、アクションづきです。

★昨日もZoomで対話をして、なるほどと確信せざるを得ない流れがきていることに気づきました。

★恐ろしいことに、一部の未来論者が言っている学校がなくなるという話ではなく、逆に未来は学校化するしかないわけです。もっというなら、アカデメイアの現代版になるしかないのです。それを維持するシステムがAI人間だからです。。。

★相当クレイジーな話だと思われるでしょうが、2050ムーンショット構想の背後には、そういう動きがあるのでしょう。私立学校は動かざるを得ません。その学校化モデルがIBだったり、インターナショナルスクールだったりしてもいいのですが、そこに私立学校がチャンレンジしないわけにはいかないのです。その理由は、いずれいいましょう。

★今仲間が少しずつ増えています。そこに向けてかつても動いていたのですが、とん挫しているので、再編しながら新しく動き始めています。とはいえ、2050年までは私は生きていないなあ。やはり2030年までになんとかしなくてはと感じる今日この頃です。

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2022年11月15日 (火)

中教審の義務教育の在り方WGに期待するコト

★今年10月に立ち上がった「義務教育の在り方WG」。不登校児童生徒や特別な支援を必要とする子供、特異な才能のある子供を含め、全ての子供たちの可能性を引き出す学びの実現について、どのように考えるべきか?というビッグクエスチョンに応えようとしているのがいいですね。

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★その他にも上記のスライドにあるようなビッグクエスチョンが設定されています。とはいえ、これをまともに受けとめてはたぶんいけません。いつも不思議なのは、このビッグクエスチョンにすでにある回答を出し、実践している学校や学びの場があるにもかかわらず、そこはスルーして、別のケースが取り上げられるのが常だからです。

★今回も、結局1人1台のPCを配布しているから、それで個別最適化することが目的なような気がします。それはそれでよいけれど、そのときこの1人1台のPC配布がもたらすリスクをトレードオフクエスチョンとして問いを設定することは文科省がつくる資料にはないのです。

★委員のやり取りの中で、そのようなトレードオフクエスチョンが投げかけられているはずなのですが、その種のビッグクエスチョンは表に出ないのですね。

★それはなぜかというのもまたビッグクエスチョンなはずです。

★解決できる実践が山ほどあるのに、それをスルーする。多くの子どもたちの可能性を引き出す実践など山ほど事例があるのに、勿体付ける。なぜか?

★その回答は滅茶苦茶簡単です。でも、それを実現するのは、困難です。でも、不可能ではありません。ケネディーがムーンショットを決断した時のような意思決定がなされればできるかもしれないし、Web3.0のブロックチェーン内では可能かもしれません。

★まあしかし、それを待っていては遅すぎるので、さっさっと進めていきたいと思います。

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2022年11月13日 (日)

神田女学園 あらゆる教育活動において圧倒的多様性と選択肢をデザイン

★先週金曜日、第103回GWEにおいて、神田女学園中学校高等学校(以降「神田女学園」)の校長芦澤康宏先生と対話ができました。芦澤先生とはもう20年くらい前から出会っていますが、その当時からシンプルで現実の中での本物教育を追究していた姿勢がますます広がりと深さを拡張されているなあと感じました。とにかく、ネイティブスピーカの先生方の人数、多言語教育の言語の数、高大連携を提携している大学の数、ダブルディプロマを提携している海外の学校の数、英検2級以上の取得人数など他の追随を許さない圧倒的な多様性と選択肢を教育環境デザインをしています。

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(GLICC Weekly EDU 第103回「神田女学園中学校高等学校ー革新的女子校『品格ある個人の育成』」)

★どのくらい多様なのかは、ぜひご視聴していただきたいと思います。

★同校の2本の柱は、グローバル教育と探究です。両方に共通しているのは、「体験」ベースのPBLです。芦澤先生とは、2泊3日の宿泊型の「発見体験型」学習プログラムをともにデザインするのが出会いの始まりでした。そのときの発想は、今も生きているだけではなく、世界への広がりや生徒の探究活動の豊かさがますます拡大しているのに驚嘆しました。

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★そして、このような学びの環境は、総合型選抜や海外大学にストレートに進める力を養っているということが伝わってきました。

★それにしても、これだけの数の多様性あるカリキュラムのマネジメントをするには、相当のプロデュース力ある教師陣が必要です。教育は、授業や行事、部活などの表舞台を支えるのには、想像を超えるバックヤードの教師一人ひとりのパワーとチームワークが必須です。それを実現しているという話もでてきます。芦澤先生は控えめに語っていますが、それをマネジメントする校長の力量はすさまじいものがあります。

教育と経営の両面の学びができるすてきな対話になりました。芦澤校長先生、お忙しい中、本当にありがとうございました!

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2022年11月11日 (金)

ドネラ・プロジェクト(09)アースショット構想を実現するための教育 成城学園に学ぶ理由

★今回のパンデミックは、世界システムを変容させる衝撃を与えています。最初の頃は世界のガバナーは一過性のもので元に戻ると思っていた節がありますが、現状は、地政学の危機、地経学の危機が押し寄せ、政治の転換、経済の転換、ICT技術の転換、なんといってもSDGsの最重要性への転換などの局面にぶちあたっています。そしてその転換を好循環のシナリオとして描けるCLIC(Concept Lens,Innovation,Compassion)人材を生み出すのは教育ということになっています。

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(SDGsウェディングケーキモデルをヒントに作成。たぶんヨハン・ロックストーン博士が、ストックホルム・レジリエンス・センターを創設した所長時代に作成したモデルだと思います。)

★では、どんな教育が必要なのでしょう。この教育モデルの1つが成城学園です。成城学園は大正自由教育から生まれた学校の1つです。今騒がれているPBLだとかドルトンプランだとかは、創設当初から実験的に導入しつつ、インテグレートして成城学園独自のそれでいて普遍的な教育を行っています。

★大正自由教育の影響を与えた人物は、デューイであろうと思いますが、デューイ自身、体験主義、道具主義で、社会の変化は学校にも及ぶわけだから、変化にどのように対応していくかプログレッシブな教育を提唱しました。

★ですから、成城学園も、創立当初の政府のヘルバルト主義的な教育とどう折り合いをつけるか模索し、独自の路線を最初から歩み始めます。戦後は、スプートニクショックで冷戦時代ですから、それを乗り越える教育学者の1人ブルーナーが認知心理学という新しい学問を教育に結びつけます。

★これによって、生徒の学びの内面的なというか認知的な構造の研究が進みました。これを教育で実施すると、ヘルバルト主義とデューイ的なプラグマティズムは統合できるかもしれないと言われていましたが、なかなかな生徒の学びの内的連関過程にまでは、現実はうまくいきませんでしたし、今もいかないのですが、成城学園は適用できたと思います。

★そして1970年代はオイルショックで、成長の限界という今のSDGsの核になるものの見方が生まれます。ドネラ・メドウズのシステム思考やメンタルモデル、協働主義、ビジョン共有などの発想で、それがピーター・センゲの学習する組織にウケうがれます。そして、この学習する組織の周辺で、SELとかMITメディアラボとかハーバードのプロジェクトゼロが生まれ相乗効果を生んでいきます。

★つまり、現在の学習指導要領や高大接続改革がその背景で意識している学びの環境デザインです。

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(アースショット構想は、ウィリアム王子がアースショット賞を設立していまから、おそらくそれとも関係あると思いますが、気候変動や環境問題に詳しく、NHKにも出演しているヨハン・ロックストーン博士のアイデアでもあります)

★20世紀初頭は、近代国家構築と民主主義の構築の葛藤と調整を背景とした教育でした。次は冷戦におけるケネディ大統領が決断実行したムーンショット計画に象徴される、市場経済と科学の時代です。そしてそれへの警鐘の時代の教育でした。3つ目は冷戦終焉後のイノベーションが前面に出る教育です。4つ目は、21世紀に入って、どうやら自然と経済は循環しなくてはならないという時代の要請を背景にした教育です。

★そして5つ目、つまり現在は、自然と社会、経済、生活、心などがすべて循環するアースショット時代です。これには、CLIC人材の育成教育が必要になってきます。この5つの時代のダイナミズムを引き受けて適用し、独自の教育を構築し、それぞれの社会の要請に対応してきた学校の1つが成城学園です。アースショット時代を牽引する生徒が誕生しています。

★昨年から同校の広報部長青柳圭子先生と定期的に対話をしていますが、その過程で、どんどんその実践が増えています。

★今週から来週にかけて、そこら辺を研究したいと考えているところです。

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2022年10月28日 (金)

21世紀型教育研究センター 新結合始まる。

★21世紀型教育センターは、今年8月にクルックフィールズで、新しいプロジェクトを発足するためのフィールドワークセミナーを行いました。その時につどった21会SGT(スーパーグローバルティーチャー)は、その後もミーティングの会を重ねて、プロジェクトの企画を立て、来年8月には実施する動きになっています。この新プロジェクト立ち上げの座長は、聖学院の児浦先生(同センター主席研究員)です。工学院の田中歩先生(同センター主席研究員)、和洋九段女子の新井先生(同センター主任研究員)、文化学園大学杉並の染谷先生(同センター主任研究員)も協働してファシリテーターの役割を果たしています。

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★昨日も、オンラインでディスカッションをして、対話を深め、いよいよ2つのプロジェクトが立ち上がります。1つは、21世紀型教育機構の加盟校の社会とのつなりを活性化することを目標にするプロジェクトです。もう一つは、同機構の加盟校の協働による新しい学校説明会などを共につくるプロジェクトです。いずれも、基本的な発想は、新結合です。今まで、それぞれの学校では実施してきたものを、学校間で行うという新結合です。新結合とは、シュンペーター流のイノベーションのことを意味します。

★かつて21世紀型教育機構が誕生した時は、それ自体が新結合でしたが、今度は同機構の21世紀型教育研究センターが、満を持して新結合を生み出すことになりそうです。

★いずれも小さく始めて大きく育てるレバレッジポイントになるプロジェクトです。

★来年8月には、実施予定です。

★新しい教育は、21会SGTから始まります。教育研究プロジェクトのミッションは、上記写真にある通りです。同機構自体の理念は、「21世紀型教育機構は、ゴールデンルールにのっとり、グローバルゴールズを解決できるグローバルシチズンを育成するクリエイティブスクールを応援する。」です。それをより具現化し、上昇気流を生み出すミッションに進化しています。今後の同センターの活躍に期待がかかります。

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2022年10月21日 (金)

変わる富士見丘(2)「2つの体験と先進的教育施設」というコンセプトレンズでサーチする

★富士見丘の教育の質は、同校が実施している「SGH」「WWL」「英語教育」「海外留学」「プロジェクト学習」「探究学習」「進学実績」「高大連携プログラム」などなど多様な教育活動を紹介するだけで、そのスケールの大きさ奥行きの深さが伝わると思います。ただ、他校と比べて富士見丘の教育の質がどれほど豊かなのかということは、なかなか伝わりません。そんな比較はいらないと言われるかもしれませんが、偏差値垂直序列ではなく、教育の質という水平的多様性を表現することは、互いに質の向上を果たそうとする推進力になる可能性があります。そこで、その水平的多様性を見るコンセプトレンズとして「2つの体験と先進的教育施設」を活用してみたいと思います。

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★その場合、部活と文化祭をあえて体験の中から外します。富士見丘の部活や文化祭はとても活発で、グローバルレベルのものもありますが、それをあえて、このコンセプトレンズから除きます。するとある学校だったら、この2つを除くと、教科学習と進路指導しか残らないところもあります。富士見丘はこの2つを括弧に入れても、豊かな「コア体験(全員参加型体験)」と「バッファー体験(個別最適化体験)」がたくさんあるのが明快になります。

★また、「先進的教育施設」があるのに気づくでしょう。この施設は、たんに校舎という意味ではありません。学際的学びや探究的学びの拠点だったり、教育理念のマインド育成の場だったりします。それに、施設は、リアルスペースだけではなく、webでつながるサイバースペース上にもあるのです。富士見丘はもちろん両方存在しています。

★それから「体験」にこだわったのは、新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」と表現されるアクティブラーニングあるいはプロジェクト学習で、体験のないものもあるからです。

★今、18歳成年の時代を迎えています。それまでにSTM(Self Transforming Mind)を育てなければ、未来社会の進化を持続可能にする人材が足りなくなるといわれています。富士見丘では、このSTMのことをグローバルコンピテンシーと呼んでいます。

★このSTMとしてのグローバルコンピテンシーが育つには、プロジェクト型学習や探究学習などが必要ですが、その背景にはリアルな体験が必要です。体験なきプロジェクト学習や探究学習は、文献リサーチで終わりがちです。

★その場合、気づきは文献の枠内に限られます。気づきは疑問や問いという形で生まれてきますが、文献リサーチは、すでに誰かに発見された既存の問いを見つけるというよりは、文献の中から抜き取って終わる場合が多いのです。結局先人たちが気づいた問いを並べることになりがちです。

★それでは、Aをインプットし、記憶し、またAをアウトプットするという学びになってしまいます。ところが、体験をベースにすると、Aをインプットして、ディスカッションし、論文編集をし、プレゼンするという探究過程を通過することによって新しい見方Xがアウトプとされることが多いのです。つまりA→Xという自己変容を生み出すことができるのです。

★もちろん、体験をDoするだけでは、おもしろかったとかつまらなかった程度の反応で終わることもあります。生徒は、体験したら、探究型あるいはプロジェクト型のプロセスを通過することで、ワクワクするようなアイデアとスリリングな実現方法を生み出すわけです。

★富士耳丘の生徒は、この知のトランスフォームを生み出す学びを行う環境が緻密にかつ大胆に用意されています。

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