思考コード

2021年7月 3日 (土)

【響】<03>暗号解読 最後の晩餐 人間の生きざまコード 思考コードワークショップ

★ミラノのドゥオーモのある中心街から地下鉄で少し行ったところに、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院があります。ドミニコ会の修道院で、かつての食堂にあのレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があります。戦災にあった修道院ですが、なぜかこの食堂はなんとか燃えなかったということです。

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(写真は、wikipediaから)

★順番で見学できますが、時間制限がありますから、1日そこに佇んではいられないのが残念です。しかし、この12人のイエスの弟子たちがワイワイガヤガヤあわてふためいて焦りの表情や見振りを示しているのは圧巻です。しかも1人ひとり違います。最後の晩餐だというのに、静かに食事をしているシーンではないのです。

★ドミニコ会の修道士は、ここで食事をとりながら、毎日何を感じていたのでしょう。まるで、心地よく静かに食することを禁止されているかのようです。ドミニコ会は、托鉢修道会で、自らを鎖で縛りながら、日常の中で痛みや苦しみを忘れないように暮らしていましたから(今は違うでしょうが)、この「最後の晩餐」を背景にイエス・キリストの生き様の凄まじさを感じながら食していたのかもしれません。

★勤務校で、この最後の晩餐に隠されたメッセージは何か、動画をみたり、この部分の聖書の物語を読んだり、ポストイットでキーワード読みやメタファー予測をしながら、生徒と対話をしました。

★カトリック校ですから、聖書の解釈というcryptanalysisという意味での暗号解読をするわけですが、あの「ダ・ヴィンチ・コード」という作品にあるように、codeという意味での暗号解読にシフトする試みです。もちろん、私の場合は「思考コード」という暗号解読に最終的につなげたいわけですが。

★生徒たちは、動画や物語や最後の晩餐の絵の情報をポストイットに書き取りながら、ベタベタはっつけて、暗号解読Bをつくります。動画にはすでに暗号解読の幾つかの例が載っていますから暗号解読Aもやります。

★しかし、そこから暗号解読Cによる隠れている本質的なメッセージに気づくには、あるスピリチュアリティが必要です。スピリチュアリティとはオカルト的な心性のことを言っているわけではありません。「思いやり」です。「寛容性」とか「いつくしみ」とか言っても構いません。

★裏切り者のユダはどこに描かれているのかな?この問いを聴くや、スピリチャリティの素養のある生徒は、すぐさま驚愕の眼差しになるし、今までその精神に気づいていなかった生徒は、とまどいつつもある人間の根源的なトラウマに気づくんです。

★人類共通のトラウマです。信頼と裏切り、それは自分の命を守るのか犠牲にするのかという究極の選択の瞬間です。その瞬間、人類共通の苦悩として表に出てきます。

★イエスがあれほど愛したユダなのに、自分を金で売って裏切る。ダ・ヴィンチの描く弟子たちの表情はそれに対する驚愕もあるでしょうが、ざわついているのは、ユダのことだけではないのです。裏切り者は、まさか自分ではないだろうなあ、先生(イエス)教えてください!私ではないですよね!私はついていきますよ!みな不安になったり、見透かされたりしたときに口数が多くなりそわそわするのは、2000年前も今も同じです。

★自分に自信や信念がないとき、ぐらつきます。それは人間の一面であり、だからこそそこから抜け出ようと自己変容しようとするわけです。

★生徒たちの中には、そこに気づいて衝撃を受ける子も幾人かいます。

★イエスは、はっきりと、きみらも一回は裏切るからねというのがこの最後の晩餐のシーンです。一番弟子だと自認しているペトロが、私は絶対裏切りませんからというわけですが、イエスは、エッ、そうかい。にわとりが鳴くまでに3回お前は俺のことを知らないといって逃げるぜと。

★そんなこと絶対あり得ませんよ!というのですが、イエスが十字架に磔になっている最中、おまえあいつの弟子ではないかと聞かれ、そのたびに、しりませんよあんな人というわけです。そして3度目にしらないと言ったとき、にわとりのなく声が届くわけです。そのときペトロがどう感じたか説明するまでもないでしょう。

★しかし、実際にイエスが復活し、自分の裏切りを回心したペトロやほかの弟子たちは、すぐに伝道を開始するのです。当然、イエスは弟子たちを赦します。

★このシーンは、人生の生き様のプロトタイプだし、正義とは何かを判断する時の思考実験であり、社会規範の在り方のモデルです。そして私たちは未だに解き得ない精神構造のエニグマがここにはあります。

★私の世界作りという暗号解読の対話は、まだ始まったばかりですが、いっしょにこの講座というかワークショップをつくっていく仲間とも出会えました。これが私の探究ゼミのコアになるでしょうし、偏在する講義のベースになるかなと。ハイブリットでクロスしたネイチャーの世界作りという暗号解読。何が予測不能って、人生そのものがそうです。

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2021年6月23日 (水)

児浦先生との対話 SGTのWorld Making Classとしての活動が始まる 歴史的・地政学的価値の転換(3)新ソフトパワーへ

★児浦先生と対話していて、21世紀型教育の本質はソフトパワーだということに当然なります。そのソフトパワーがオリジナリティーの高いものであり、広く世の中に受け入れられれば価値の転換はようやくできます。少なくとも欲望の資本主義(NHKの言い方を採用しています)の価値観は転換したほうがよいとは誰もが思っているのが、ポストパンデミックで明らかになります。

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★21世紀型教育機構のメンバー校は、共通教育フレームを実現化しています。それはC1英語×PBL×ICTです。グローバル教育(GE)2.0段階のフレームです。今は同機構はGE3.0になっていますから、C1英語はグローバルイマージョンに進化し、PBLはハイブリッドPBLになり、ICTはSTEAMへと進化しています。そしてGE4.0として、そのアップデートし続けるフレームが日本の学校から世界の学校へと進化し、生徒の学びや探究はWorld Makingへと向かっています。

★よく、21世紀型教育は多くの学校で行っていると言われますが、機構のGE2.0段階時代にも到達していない21世紀型教育がまだまだ多いですね。B2英語×一部アクティブラーニング×1人1台PCという段階です。しかしながら、バージョンの違いだけで、たしかに21世紀型教育です。

★New Power Schoolであることに間違いはないでしょう。

★そのような全体集合と部分集合の関係の差異を市場は理解できないとか言われていまsが、国の未来を決めるのは、市場に参加しえいるメンバーです。このような差異を理解できないとしたら、そのメンバーがグローバル市民やクリエイティブクラスに成長していないということを示唆します。

★メディアは、そのことが問題なのだと論じたほうがよいですね。自ら市民をそのようなことはわからないのだからわかるようにわかりやすく説明することが良いのだとしていると、やがては国がダメになっていき、自分たちの経済状況も立ち行かなくなります。

★ですから、21世紀型教育機構は、21世紀型市場もしくはNew Power School市場を創出しようとしてきたし、今後も続けていくわけです。

★ただ、C1英語×PBL×STEAMのフレームは、変容させねばなりません。というのも、英語教育は日本でもどんどん進んでいます。PBLも探究という名で行われていくでしょう。STEAMもGIGA構想で進んでいくでしょう。

★ですから、これだけを追究していくと、比較優位の原則が働いて、ランキング競争になりかねません。偏差値競争にかわるランキング競争は避けなければなりません。

★そうするためにはどうするのか。それにはオリジナリティの高いソフトパワーの構築です。考えてみれば、C1英語のソフトパワーも欧州評議会のものです。PBLもデューイやMITメディアラボなどの欧米の伝統的な学びの1つです。ソフトパワーは欧米のものです。STEAMに至っては、いまやGAFAのソフトパワーを借用しています。哲学もそうです。

★結局はパクりものです。既存の市場では、このパクリものの組み合わせの技で競争すればよいわけです。しかし、その既存の市場とは学歴社会市場ということで、Z世代の未来を考える上では、具合がわるいですね。

★オリジナルと言っても、全く別物というわけではありません。欧米の哲学も根っこにはアジアの思想の影響を受けています。ですから、そういう意味では、世界全体の従来の学びの理論をアップデートするという意味でのオリジナリティです。

★ですから、だれそれの学習理論を振り回している段階では、世界の学校として突出できません。しょせんは日本の学歴社会市場で差別化して目前の利益を得ようとすることで終わります。

★もちろん、目前の利益も大切です。その利益がZ世代の未来に役立つ利益であればよいわけですが、ソフトパワーがアップデートされないと、意欲はあっても成し遂げることはできないのです。

★それでは、その世界全体の従来の学びの理論をアップデートするにはどうしたらよいのか?それには児浦先生の書かれている本や私が三田国際の学園長大橋清貫先生とごいっしょさせて頂いた本にヒントがあります。ただ、詳しく説明していません。ですから融合することで新たな境地が見えてきます。

★それとて、フランク・ロイド・ライトが建築で果たした茶室思想と欧米の建築思想の融合のように、茶室思想と欧米の学習理論の融合というわけです。アインシュタインが磁場の方程式を相対性理論にシフトしたように、私たちもそうしたいと思います。憧れのHTHが、エンジニアリングだけではダメなのだ。ガーディング発想が必要なのだと言ったとき、それはマインドフルネスやZENをGAFAが必要としていると言っているのと同じ意味あいでしょう。

★ガーデニングとは、この場合は日本の大名庭園です。大名庭園の真髄は、その中にある茶室です。庭園が全体集合なのではなく、茶室が全体集合で、そこに庭園が部分集合としてあります。見た目は庭園のほうが大きいので、逆だと思う人がほとんどでしょう。このトリックアート的要素がガーデニングには仕掛けられています。またそれがいいわけですね。ブラックホール的魅惑があります。

★庭園を探索しながら徐々に躙り口に迫り、やがてそこをくぐりぬけると別次元の世界が無限に広がるという話ですが、ここでは、躙り口をくぐりぬけるまで、言葉があまり介在しないのです。庭園の空間がアフォーダンスするわけです。そして、茶室の中で初めて対話的で深い境地が待っています。

★まさにワークショップの元型ですね。今はまた何を言っているのかわからないと思われるかもしれません。現在の世界の環境にやさしい都市創りの発想が、19世紀末に万博で発表された日本庭園にあったという歴史的事実を知っているとその謎が解けてきます。しかし、そんなことを知らなくても、そのうち形として明らかになっていきます。楽しみにしていてください。

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2021年6月 1日 (火)

教育のアップデート~2022年に向けて(22 )平方先生と山下社長と対話 思考コードの新たな次元

★昨夕、平方邦行先生(一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会常任理事、東京私学教育研究所所長)と山下一社長(首都圏模試センター)と思考コードについて対話をしました。平方先生は、全国私学の教員対象の多様な研修を企画実施していますが、その研修プログラムをデザインする時、研修コードという思考コードを発展させたものを活用しているということでした。

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★私も勤務校で思考コードをベースに対話しています。したがって、中学入試―中学校―高校―教師というそれぞれのフェーズで思考コードの使い方が考えられるのではないかという対話になったわけです。

★おもしろかったのは、<B2>と<C3>の関係性が、特に次元によって変容します。いろいろなアプローチで対話が進みましたが、まだ明快に表現するにはいたりませんでした。

★思考コードが実践の領域と哲学的な領域の両方で語られるようになったことは確かです。

★引き続き、思考コードを実践している学校の先生も巻き込みながら、思考コードとは何かインタビュー活動が続きます。

★秋からシリーズで媒体で発信される予定です。すでに、首都圏模試センターの各種模擬試験で配布される雑誌に部分的に掲載され始めています。

★山下社長の学びの哲学、学力の哲学、創造的思考の哲学など少しずつ明らかになっていくでしょう。

★別れた後、私は八王子に戻るため四ツ谷駅に行きました。イグナチオ教会(聖堂はさすがに閉まっていました)の中庭で、自分をしばらく見つめ、帰路に尽きました。

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2021年5月 5日 (水)

教育のアップデート~2022年に向けて(15)World Making 3原則 平方先生との対話

★昨日午後、久しぶりに、平方邦行先生と対話しました。対面でお会いするのは2カ月ぶりでしょうか。パンデミックの状況もあったし、入試や卒業式、入学式などもあったということもあります。そして、お互い4月からの新天地への準備もありました。4月から、平方先生は、工学院大学附属中高の校長を任期満了で退任し、一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長に就任しています。この意味の大きさと深さは説明するまでもないでしょう。21世紀型教育を工学院で実践し、今度は東京、日本へと視野を広めるのです。一方私は、やはりこの4月に自分の民間教育研究所は閉鎖して、カトリック校に勤務しています。教育の一般原理から具体的実践原理へとシフトしたと言っていいかもしれません。

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★平方先生とは20年以上のコミュニケーションをとらせていただいたし、これからもいただくし、21世紀型教育のウネリを創る作業にもごいっしょさせていただいています。私をこの世界に思い切り巻き込んでいただいた師です。教育法規やそれに準ずるルールに基づきながら、そのメリット・デメリットを丁寧に洞察しながら革新的なことを行っていく手法について、いつもご教示いただいています。

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★ともすると、人は革新的な動きだけになりがちですから、平方先生のような法と現実の平衡感覚を前提にした革新手法は実に重要なのです。今回もそんな対話をしながら、今の時代をどうとらえるか、対話しました。これは、毎回お会いした時の必須のテーマの1つです。今回は、World Making 3原則について対話が盛り上がりました。平方先生は教育研究所で、私は勤務校で、それぞれ具体的な構想では違いがありますが、コンセプトは共有しました。具体的な構想の部分はいずれということで、今回は、抽象的ですが、そのときの対話の覚書を箇条書き風にして以下にご紹介します。

 World Making3原則

1)2022年18歳成人を契機に民主主義の根本に立ち還る。
民主主義の根底である、いかなる制約や困難の中でも自由を創る<自由>を探究し続けるかけがえなのない価値志向型人間が生まれる教育環境づくり

2)普遍的精神を共有する3つの世界公用語の推進
「C1言語」と「STEAMベースのリベラルアーツ言語」と「世界共通のワークショップ言語(ことば以上の新しいことば)」の3言語創出の推進

3)哲学に学び、歴史に学び、理数に学び新しい社会構想力を創る
2089年は、Z世代が創り上げた世界となっている。その世界がデストピアではなくユートピアであるには、Z世代自身が協働し自分たちによる自分たちのためのそして人類のための新しい社会構想を創り実践するプロジェクトを実行する。 

2089年から15世紀を展望して、今を位置づける。

いま 新しい政治経済社会創出期

1989年 ベルリンの壁崩壊 グローバリゼーションの始り
1889年 明治憲法の成立 アジアに近代国家が誕生し、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の2つが誕生。つまり2つの民主主義の誕生。
1789年 フランス革命 自由・平等・博愛の誕生
1689年 イギリスで名誉革命 権利の誕生
15世紀・16世紀 ルネサンス・宗教改革の時代 民主主義と資本主義と帝国主義の三つ巴の誕生 近代の始り

補説)
脱偏差値とは、一握りの高偏差値の生徒や知識ベースの才能だけに偏るのではなく、水平的で多様な才能を認めることを意味する。その精神は、≪私学の系譜≫の根本である理想的民主主義に立ち還ることである。

民主主義は多様な才能を受容するために、対話をするが、その対話のツールは一般的な意味でのことばだけではない。それゆえSTEAMベースのリベラルアーツ言語が必要だし、その中でもっとも重要だが、破壊的で恐れられたために合理主義が封印しようとしてきた修辞学を文学的な才能が有る人間から解放して共有するためにワークショップ言語を新しく創出する。

この3つの言語すべてを習得する必要はなく、自分の才能を引き出す言語を選べばよいのである。

誰しも考える力を持っている。自分の才能を限界を超える高みに昇華させるためには、先人の哲学に学び、先人の足跡である歴史に学び、それらを学ぶ方法を理数的に明証できる希望の松明を燃やし続ける必要がある。このことが未来性を意味する。

このような学びはどうして価値があるのかというと、プラトン、アリストテレスの時代から考案され実行されてきた社会構想の改善のために価値があるのである。社会は伝統と革新の連続である。自然と社会と精神の循環は、未だ完成されていないし、意外ではあるが、常に未完である。がしかし、より善くするか、より悪くするかは、人間が合理的に行為すると同時に、豊かさを感じる情念というセンサーを研ぎ澄まし、かけがえのない存在価値を追い求めるかどうかにかかっている。

13世紀に民主主義と資本主義の併存する社会の萌芽があったとされているが、その時以来、民主主義は経済社会の在り方によって、未完の民主主義であり続けた。なぜ未完かというと、民主主義の3原則「自由・平等・博愛」がすべて達成されるということはなかったということは歴史をちょっと振り返れば明らかである。

なぜうまくいかなかったのか。これは経済的につまり食べることに関して、人間は完全に自由になることができず、その点において格差の階層構造が複雑になっていった。

この複雑な階層構造としての格差の中で、自由は小さくなってきたが、それでも「思考」の自由を奪うことは誰もできなかった。それゆえ、今の時代、この「思考力」が重要だと言われているのである。

この「思考力」こそ、不自由の中でも、自由を創る自由の力なのである。この自由を創る自由の翼は、先に挙げた3つの言語である。この3つのうちのいずえかの言語を身に着け、「思考」することによって、民主主義の理想をかなえるウネリを生み出せる。

「自由・平等・博愛」を実現するためには、誰も食べることに心配をしないようになる新しい経済社会の実現である。

そんなことはできるのか?可能である。すでに理論的にはZ世代が創り出せるところまでやってきている。

問題は、それを合法的に阻むオールドパワーの制度だ。新しい社会構想は、このオールドパワーの制度をリセットする知的な闘争であり、その必要性をグローバル市民がシェアし立ち臨もうとする情念を燃やす対話であり、理想が貫徹するまでの間、大企業家が、あのメディチ家がダビンチやミケランジェロ、ラファエロに投資したように、新しい社会構想に投資をすることである。

では、その新しい社会構想とは何か?輪郭はできている。問題は、化石燃料や原発を完全廃棄し、それに代わる新エネルギーの開発である。しかも自給自足ができる。

パソコンが1人1台時代がきた次には、エネルギー産出装置が1人1台の時代だ。これによって、市場経済は、まったくの自由な格差のない市場に変容する。

13世紀以来すべてはエネルギー(最初は奴隷という人的エネルギーだったが産業革命によってその人的エネルギーを生む根っこの化石燃料にいきつく))の覇権をめぐっての闘争史だった。エネルギー産出装置を1人1台有することによって、この歴史的覇権闘争に終止符が打たれることになろう。

ただそこまでのデフォルトができるようになるには、13世紀以降蓄積してきた富裕層の資産を世界の人びとに贈与という美しい形で返却をすることである。

もしこれがうまくいかず、デストピアになったときには、地球は本格的な危機に入る。そのリスクを考え、民間で宇宙に移住する計画がSFの話ではなくなっているのは、昨今の宇宙に関する動きで察知できるであろう。

これらの話を理解するには思考コードの<C3>が身体化される程にPBLが行われる必要がある。このC3とPBLという授業の日常こそ未来性の生成エネルギー態である。物質的エネルギー態であるポータブルエネルギー産出装置は、ここから生まれ持続可能になる。

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2021年5月 2日 (日)

教育のアップデート~2022年に向けて(13)「思考コード」の<C3>の新たな価値に気づく。思考力入試や限界超えるグローバル教育を行っている学校の共通の特徴

★ここのところ、教皇フランシスコの語る「霊性」について考えて(reflect)いるわけです。このthinkというよりreflectという意味で考えるというのは観想(contemplation)かもしれません。自宅は修道院でも教会でもありません。ささやかな市民生活をおくる場です。今回のパンデミックでもう一つの母国に帰国できない8カ月の孫と遊びながらというか遊んでいるのを見守りながら考えているわけです。スマホで、教皇フランシスコのブログをdeepl翻訳しながら(汗)。

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★すると、こんな文章を見つけました。

 we reflected on that lack of deep spirituality which turns into pessimism, fatalism, and mistrust. Some people do not commit themselves to mission because they think that nothing will change and that it is useless to make the effort. They think: “Why should I deny myself my comforts and pleasures if I won’t see any significant result?”

(APOSTOLIC EXHORTATION EVANGELII GAUDIUM OF THE HOLY FATHER FRANCIS)

★教皇が言っている霊性とは、スピリチャリティという英語の訳です。これは特別な訳ではなく、一般的だし、スピリチャリティは欧米ではよく使われるでしょう。ドイツ語だと「ガイスト」です。訳語としては精神という方が一般的でしょうか。霊性とは一般的には使いませんね。ヘーゲルの精神現象学もガイストだし、今NHKで落合陽一さんといっしょに登場してくるドイツの若き俊英の哲学者マルクス・ガブリエルさんも「ガイスト」を21世紀のキーワードとしています。

★霊性と言うと、日本ではキリスト教などの宗教限定用語になってしまいますが、スピリチャリティというと欧米では市民生活でも使う言葉なのかもしれません。

★それはともかっく、この教皇フランシスコの文章は、「私たちは、深い精神性が不足していると、悲観主義や宿命論、不信へ向かってしまうことについて考えてきました。コミットする必要などないのだという人がいます。彼らは何も変わらないのだし、努力なんて無駄なのですからと。どうして安心安全で満たされ快適な今の自分を、たいして重大な成果も得られないのに、放棄しなければならないのか」というわけです。

★この文章は、カトリックの世界だけの話でしょうか?2089年、今の≪Z世代≫が高齢者になっているとき、彼らはどんな世界を創っているのでしょう。少なくとも、今のような差別や戦争、環境破壊など多くの脅威がひしめく世界であってよいはずはないのです。

★それなのに、自分には関係ない、とりあえずこの学歴社会の中で椅子取りゲームの勝者になればよいですまされるはずはないというのは、カトリックの世界だけの話ではなく、日本の、いや世界の共通の認識です。

★あらゆる領域でこの認識が広まり、あらゆる領域で小さな秘密の小部屋が作られ、その部屋同士があたかもテレワークでつながるように連帯していくことで、2089年のグローバル市民革命は成功するでしょう。2089年の100年前の1989年はベルリンの壁が崩壊しました。その100年前の1898年は、明治憲法が成立し、未熟ではありますがアジアに民主国家が誕生しました。その100年前の1789年は、フランス革命が、その100年前の1689年は、イギリスで名誉革命が、民主革命の第一歩がスタートしました。その100年前から200年前にかけて、ルネサンス、宗教改革が疾風怒濤のごとく起こっていました。

★このような歴史に学びながら未来を創る信念は、Deep spritualityそのものでしょう。それは人によって、霊性かもしれなし、マインフルネスかもしれないし、ガイストかもしれなし、インスピレーションかもしれないし、クリエイティビティかもしれません。しかし、今目の前で変化が起きないからと、易きに流れることはありません。

★これを思考コードでいえば<C3>がその徴です。思考コードの<C3>を大切にして筋金入りの思考力入試をつくっている学校、たとえば、聖学院、工学院、和洋九段女子、静岡聖光学院、かえつ有明、大妻中野は、確かにDeep spiritualityを大切にしている希望の私学です。

★八雲学園のように<C3>に収まりきりない破格の限界を超えるグローバル体験を共有するコミュニティに所属している学校(工学院もそうです)は、まさにDeep spiritualityを大切にしている希望の学校です。そういえば、八雲学園には、お忍びでダライ・ラマ法王が訪れていたほどです。

★勤務校も、授業を含めてすべての教育活動にDeep spiricualityが反映するようにワンチーム体制になっています。

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2021年4月18日 (日)

教育のアップデート~2022年に向けて(01)shutomo発刊「世界の教育と入試の変化」

首都圏模試センターが新しいハイブリッド教育誌「shutomo4月号」を発刊しました。本日の合判模試で配布されるようです。首都圏模試センター取締役・教育研究所長北一成さんの圧巻の巻頭特集からはじまり、世界につながる中学入試の動向を豊かな取材と独自のデータで編集されています。教育ジャーナリストのおおたとしまささんの女子美の取材記事も注目です。

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★また、「コロナ禍の2021年入試はどうなった?~中学入試プロフェッショナル・コラボミーティング動画~」など誌上では収まり切れない内容については、同センターのサイトで配信するというハイブリッド編集にもなっています。

★さらに、首都圏模試センター創設30周年記念企画として「偏差値∞思考コード~気づいていますか?未来を予見する3%の穴!」という記事も掲載されているのです。

★首都圏模試の模擬試験の成績表の背景に埋め込まれている「思考コード」を通して、目からウロコの自分や世界、未来に気づけるということ。思考コードの眼鏡を通して、同誌を読めば、学校や教育においても新しい発見ができるということでしょうか。

★3%という感覚は、あらゆる領域で新しい気づきとそこからムーブメントが生まれるという感覚で、3という数字はそのようなメタファーです。

★同記事の中では、たとえば、開成の3%ってなんだろうということが例として挙げられていて、開成の目からウロコのイメージも表現されています。

★オンライン教育も、ファーストペンギンは私立学校だったわけですが、首都圏私立中学に通学する生徒は、全国の中学の3%くらいですから、3%というのは、たしかに何かを生み出すシェアを表現しているのかもしれません。

★100人の組織の場合、その3%の3人が革新的に行動すれば、組織は変貌するということでもありましょう。3%の穴に気づく3%のメンバーのパワーは強烈だということかもしれません。

★首都圏模試センターが、その3%の首都圏私立中学をサポートしているのですから、日本の教育の希望の松明は消えることはないでしょう、4月18日、いよいよ2022年に向けて教育のアップデートはまた始まりました。

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2021年1月 7日 (木)

「教育とは生き方そのもの」へシフト(03)成城大学と日芸の魅力

★年末、工学院から総合型選抜で成城大学と日芸に合格した二人のZ世代と対話をしました。シリーズで5回に分けて書きました。対話をしているときも感動したし、書くときもラフマニノフのピアノ協奏曲2番とパガニーニの変奏曲をオートリバースしてBGMにしてワクワクしながらキーボードをたたきました。いろいろなことが思い浮かび、そのつど寄り道もできました。そして、総合型選抜の価値を二人から触発され次のようにまとめました。

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★二人は、「殻を破る」「自己に囚われない」ということを意識していましたから、思考コード(図は工学院のものではなく、首都圏模試センターの思考コード)は、A軸・B軸・C軸フルスペックで活用していました。まさに「脱枠自己変容型」自己タイプだったのです。

★一般入試を受験する生徒も、「脱枠自己変容型」自己タイプもいます。大学に行ってからさらに伸びるタイプです。工学院の二人の生徒と大学で合流してシナジー効果を生み出すでしょう。

★しかしながら、一般入試は、「枠内主体型」自己タイプでも合格します。大学に入ってから殻を破れば伸びますが、そうでない場合は苦労するでしょう。

★また、「枠内従属型」自己タイプもいます。大学に入って何度も殻を破る必要があります。

★こうしてみてみると、今年の総合型選抜、少なくとも成城大学と日芸は、「脱枠自己変容型」自己タイプを受けいれる大学で、大変魅力的ですね。

★そういえば、成城大学は、小学校、中学校、高校、大学の先生方といっしょに思考コードについてミーティングをしたことを思い出しました。さすがデューイの系譜の学園です、先生方は教養とテクノロジーを統合させた情熱家でした。

★日芸は、私が敬愛する師の出身大学です。そういえば、師も写真学科でした。師は天才学校改革者で、北から南まで幾つもの学校の改革を成功させています。一瞬にして巻き込む力と閃きは真似ができません。発想の自由人そのものです。

★みな個性的なのですが、どこか自分の大学の特徴を身につけているのですね。不思議です。逆に言えば、そういう大学こそが魅力的だということでしょう。

★そうそう、学校改革の気鋭の教師も成城大学でした。いつも刺激を受けています。

★来年の新高3生には、この2つの大学はぜひ紹介しなくては!

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2020年12月22日 (火)

GLICC Weekly EDU(07) 中学新タイプ入試、総合型選抜、大学の帰国生入試、TOK、世界制作をくし刺しするシステム思考

★今週25日(金)のGLICC Weekly EDUのゲストは、総合型選抜や小論文、探究の指導で第一人者である神崎史彦先生です。株式会社カンザキ・メソッドの代表でもあり、リクルートのスタディーサプリのデザイン協力や面接や志望理由書、小論文などメソッド本を多数執筆もされています。

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★この時期は、中学入試における国際入試や大学入試における総合型選抜が一息ついていますから、その振り返りを神崎先生と同番組主宰者の鈴木さんと語ります。

★合格者の志望理由書や小論文の書いた軌跡をシステム思考で対話することによって、なんと中学入試の新タイプ入試、総合型選抜、大学における帰国生入試、IBのTOK問題、そして世界制作プロジェクトを生み出す自己変容者として自己をくし刺しできることが、昨夜神崎先生とZoom対話することで了解できました。

★世界制作プロジェクトを立ち上げる自己変容者としての自己存在をささえるシステム思考の実装もできるように対話していく予定です。これからの中学入試、高校入試、大学入試における最後の詰めにも、次のステージに立ち臨む社会人にも役立ちます。

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2020年12月16日 (水)

GLICC Weekly EDU(05) 今週金曜日18日、首都圏模試社長山下一さんと語ります。思考コードの人生における役割について。

★今週金曜日第9回GLICC Weekly EDUのゲストは首都圏模試センター社長山下一さんです。山下さんは、中学受験に思考コードを導入し、学びのパラダイム転換を仕掛けているエポックメイカーです。中学入試問題を分析したり、思考力を育てる授業をデザインする時に役立つのが思考コードなんですが、なんといっても生徒自身が、自分の人生を構想していくときに役立ちます。

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★そもそも中学入試にしろ、高校入試にしろ、大学入試にしろ、すべて人生構想の過程の一部ですから、その構想が先にあって、学校選択や学び方があるわけです。

★しかし、実際には、目の前の受験に対応するための行動をどうするかが目的化し、人生構想はあまり考えないのが実情です。もしその構想があれば、選択した学校に合格するだけのための学びをするようなことにはならないでしょう。

★受かってから考えるというのもありですが、受ける前にものの見方考え方を大切にすることを今一度山下さんと考えてみたいと思います。

★実際国際バカロレアの小中学時代のパーソナルプロジェクトなどは、セルフマネジメントスキルを大事にしています。

★中学受験も同様ではないでしょうか?では、どうやって?そんなとき、思考コードが大いに役立ちます。

★セルフマネジメントの一環として学校選択や受験勉強があるという位置づけで、中学受験について多面的な対話になるのではないかなと思っています。

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2020年11月26日 (木)

思考コードが世界観を変える(01)首都模試社長山下一さんとの<思考コード新世界観プロジェクト>はじまる。

★コロナ禍にあって、山下一(首都圏模試センター社長)さんとずっとZoom対話で、世の中が劇的に変わっていることについて語ってきました。何が変わったのか?変わるのか?対話してきたわけです。首都圏模試自体、働き方をテレワークに移行したし、模擬試験を自宅と会場の両方で行ったり、保護者会をがんがんオンラインで行ったりして、大きく変わったわけです。

201124

★ロックダウンになったときには、完全テレワークに移行できたし、現状はハイブリッドで行っています。

★私もそうです。ハイブリッド・ライフになりました。

★しかしながら、何が変わったのか、デジタルインフラの変化やZoom体験による意識の変化、経済循環の変化などたくさんありますが、山下さんと私は、もっと根本的な世界観の変化について多くの人と共有することが大切だということになりました。

★人類が宇宙に飛び立って、その宇宙空間から地球を見たときにパラダイム転換が起こりました。人類は1つなのだと。そして、今回のパンデミックでデジタル空間から世界中の人がリアルな空間を見たときに、やはり人類は1つなのだと。

★今回は、宇宙飛行士からの伝聞ではなく、私たち自身が直接体験をしたのです。この体験の意味を、実は思考コードで見ることができます。いや創ることができます。

★そして、対話をしているうちに、思考コードを作成するときに参考にしたブルームのタキソノミーだけでは、この世界観の根本的変化に気づかないのだということに到ったのです。

★いやブルーム自身、認知のタキソノミーだけではなく、感情と精神運動も想定していましたが、それらを統合的に活用できていないまま月日は過ぎ去り今に至っています。

★ところが、コンパクトに思考コードはその3つを統合しているのです。スプートニク・ショックは、ブルームのタキソノミーで乗り越えることができたのですが、今回のパンデミックで生まれた衝撃は、思考コードで乗り越えることができるでしょう。

★現状、この気づきは3%の穴の中に隠されています。その3%の穴を多くの人と通り抜け、広げていくために、山下さんと編集者の市村さんと本間とで<思考コード新世界観プロジェクト>を始めることになったのです。初回は、プロジェクトの聖地首都圏模試センターに集まりました。今後はまたZoomでやりとりもしていくハイブリッド活動になります。

★多くの方々にインタビューをしていくことになりますので、その時は宜しくお願い致します。

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