思考コード

2020年10月11日 (日)

工学院インパクト(14)教務主任田中歩先生の生徒とつくる未来シナリオ

★工学院の教務主任田中歩先生は、長男が寝るのを見届けて、Zoomに現れました。就寝前の娘さんもおやすみと顔を出してくれました。保育園の友達関係の話や、弟が保育園に通うようになったら、自分もお迎えに行くんだという話も聞かせてくれました。田中先生の目じりはさがりっぱなしでした。

★歩先生の教育の原点「生徒ファースト」は、ここにあるなあと感じながら、22時ごろから対話が始まり、いつものように午前1時を回ってしまいました。お疲れのところ、ありがとうございました。

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★例によって、特にテーマがあるわけではなく、現状感じていることの情報交換の中で、話は拡散していきます。その中で、深堀りする話題がでてきます。

★たとえば、18歳成年の話とカリキュラムのアップデート、総合型選抜、探究論文、生徒の活動などをいかに有機的に結びつけて密度を高めるかなど、具体的な結び付け方についてどんなことを実践しているか、どう改善していくか、どんなビジョンがあるのか、かなりプラグマティックな話になっていきました。

★歩先生の話は、いまここで生徒がどう感じているかどこまで成長しているか、どう未来を開いて欲しいかから立ち上がります。一方で、2060年に何が起こるか予測不能ではあるけれども、今国や自治体、企業などの団体が想定して動いている情報やデータを収集し、そこから生徒自身のオリジナリティが生まれてくる環境をどう作るかといういまここでの共時間と共未来時間を往復して話していきます。

★要するに、すでに誰かが想定した未来を歩くというよりは、どのような未来を多くの人が想定しているのかをリサーチしたうえで、それらの選択肢から未来を選ぶのか、自分で創っていくのかをいっしょに考えていく環境を創りたいと。

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★工学院の新しい教育へのチャンレンジは、かなり突き抜けてしまっています。学内では、それが当たり前になっているので、今となっては、その価値の重要性に気づいていない先生方かもしれません。

★そこに先生方が気づいて、その価値を収斂して、質を増大させるには、ICTを活用して価値を見える化することだと。世の中のいろいろな動きに目移りしないで、いまここで質を高める。それはグローバル教育とICT教育をいかにコインの表と裏の関係にするかであり、それをつなぐのはPBLと思考コードだと。

★ICTをPBL授業のサポートツールだけではなく、価値を共有するメタツールとして活用するにはいかにしたら可能か。世界標準の創造的思考とプラグマティックな発想と生徒ファーストの愛の結合体を生徒といっしょに創っていくのだという気概を共有させていただきました。ありがとうございました。

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2020年10月 3日 (土)

聖学院インパクト(07)サイトが語るソフトパワーの拠点「教科学習」

★聖学院について、私は10年以上ずっと注目してきました。自称聖学院アンバサダー(汗)、いや応援団長かもしれません(おせっかい汗)。思考力入試やタイ研修、中高生の活躍、オンリーワン・フォー・アザーズ、初代校長石川角次郎のことなど、ホンマノオトで触れてきました。しかし、ブログは全貌が見えずらいですよね。ところが、最近同校のサイトがリニューアルされていて、全貌が明快・感銘・感動の三拍子揃った表現に変貌しているのです!必見です。

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★まず、トップページのヘッダーメニュー(本でいう章立て分類)を見て驚きです。「探究・PBL型教育」という名称が表示されているのです。他の学校ではまずない名称です。それだけ、聖学院は「探究・PBL教育」に力を入れているということの証です。

★みなさんは、まずここをクリックして入るといいなあと思います。そして、「グローバル教育」もいいですよね。次にここをクリックすることをお勧めします。驚くべき光景がそこには広がっています。

★しかしながら、私は「教科学習」のメニューを最初に選びました。だって、多くの学校は、「教育内容」というメニューの中に埋め込められるサブメニュー扱いなのに、ドーンと前面に「教科学習」がでてきています。しかも「教科教育」ではなく「教科学習」です。

★ちなみに「教科学習」を聖学院と同じように前面に打ち出しているのは筑駒です。同校では「教科」は教科書を超えた(範囲は国立なのではみ出さずに)エッセンスを学べる場です。そして、聖学院は、教科書を横断的につなぎながら深堀していく探究型教科学習、つまりPBL型教科学習です。

★どういうことか?多くの学校は、アクティブラーニングや探究、PBLは、特別な教育活動だったり、LHRや総合学習の時間で取り扱われるのであって、ふだんの教科の授業は知識定着型の古典的なスタイルです。前面に出す特徴がないのですね。ルーチン扱いなわけです。

★ところが、ルーチンなだけに、学園生活の中で、生徒が最も多くの時間を費やす場なのです。

★もったいないですね。その時間を有効に活用すればよいのに。

★そう!そうなんです。聖学院はそこをしっかりやっているのです。教科学習で好奇心!自己開示!なぜだろうと深い問いを投げかけるリフレクション能力!の三拍子が揃っているのです。

★「探究・PBL型教育」「グローバル教育」を見てきた皆さんが、このヘッダーメニューをクリックしたとき、カリキュラムポリシーというのがすぐに目に飛び込んでくるはずです。さあ、クリックしましょう!ほかの学校のどこにもない教科学習のシステムが広がっているのを目にするでしょう。なるほど、「教科学習」が「探究・PBL型教育」「グローバル教育」と連動していてシナジー効果をあげているはずだと気づくでしょう。

★そのシステムとは?次回みていきましょう。(つづく)

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2020年9月30日 (水)

思考コードがつくる社会(25)新タイプ入試エリア別シェアの意味すること PBL授業の割合とおそらく対応

★新タイプ入試に関するデータは、首都圏中学入試にしかないので、あくまでホンマノオト21のログ解析からの予測でしかないのですが、各エリアの中学受験市場で新タイプ入試に関心がある割合は、以下のような感じだと思います。

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★上記のエリアは、実際に私が活動した範囲でもありますから、実感にも合うかなあと。

★そして、新タイプ入試に関心がある学校や受験生・保護者は、授業のスタイルがPBL(そのベースに思考コードがあるから)であることを好む傾向にあります。

★ですから、上記のエリアのシェアを合算した30.3%というのは、日本全体で、そのくらいはPBL授業を好む傾向がでてきたということでしょう。

★各エリアに閉じこもっていると新しい動きはないように見えますが、オンラインによって、全国の先生方がつながり始めました。新しいウネリが生まれていることに気づく教育関係者が増えていくことは確実です。

★関西エリアは、首都圏の動きをみつつ独自の展開をしようとします。だからといって、反動的な動きになることはまずあり合えないでしょう。イノベーションがなければ、産業や経済は立ち行かなくなるというのは、そもそも首都圏を見ていて判断するのではなく、伝統的にグローバル経済圏をつくってきた関西圏だからこそすぐにわかることです。

★どうなるかわりませんが、大阪万博や大阪都構想の行方など注視していく必要アリですね。

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思考コードがつくる社会(24)超難関校国算入試 vs 共学7校新タイプ入試 「能力主義から才能主義へ」

★晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」掲載の「思考コード」データを見ていくと、時代を創る学校がみえてきます。開成、麻布、武蔵、駒東、筑駒、桜蔭、女子学院、豊島岡女子という東京エリアのいわゆる「超難関校」の国算入試の思考コード別出題割合平均と同じようにデータをだした東京エリアの共学校7校(工学院大学附属、文化学園大学杉並、かえつ有明、駒込、宝仙理数インター、安田学園、開智日本橋)の新タイプ入試を比較してみました。

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★やはり、真っ二つですね。A軸B軸思考=知識・論理思考がメインストリームの超難関校。B軸C軸思考=論理・創造思考がメインストリームなのは共学7校。

★「超難関校」という受験市場のネーミングを受け入れてきた上記8校は、自分たちはそうではないと仮に言ったとしても、能力主義=メリトクラシーの影響を振り払うことができないでいることは否めないでしょう。生徒個人の持っている能力によってそのポジショニングが決まり、能力の高い生徒が将来社会のアッパー層になっていくという構造があるのは誰もが認めるでしょう。

★しかしながら、これが生まれるのは、8校だけではもちろんなく、社会の方にも問題があります。この「能力」というのを国算を中心とする教科の学力に偏向していたこともまた否めないからです。「能力」というのは本来多様です。ですから、その多様な能力を測るというより認めるシステムが必要だというのは、時代の要請です。これももう説明する必要はない事態になりました。それが今回のパンデミックのもたらした一つの答です。

★上記のデータが示すように、共学7校は、今までの能力とは違う領域を認めようとしているということがわかります。そして、これらの才能を持った生徒が入学後目覚ましい活躍をすることも追跡調査でだんだんわかってきました。

★この才能の持ち主は、超難関校に入学することはできませんが、共学7校に入学して、6年後あるいはもっと先かもしれませんが、超難関校の卒業生と肩を並べて活躍するようになっているでしょう。

★そして、そのことには能力主義から才能主義の社会、ファーストクラスからクリエイティブクラスへシフトしている社会になっているでしょう。

★今は過渡期ですから、能力主義と才能主義はミックスされています。首都圏中学入試市場も、入試応募者5万人のうち2万人は、共学7校のような新タイプ入試に挑戦する体験をします。実際に進むのは1万人くらいかもしれません。それでも最低でも首都圏中学入試市場で新タイプ入試受験者は20%シェアです。

★2013年ころまでは、10%シェアいかなかったでしょう。2021年は、ますますシェアの割合をあげてくることでしょう。

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2020年9月29日 (火)

思考コードがつくる社会(23)新タイプ入試の意味「能力主義から才能主義へ」 

★新タイプ入試の意味がだんだん明らかになってきました。そのきっかけは、1つは、時代が求めている精神にマッチするものであるということ、もう1つは、晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」のデータ「思考コード」のスコアによってです。

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★マイケル・サンデル教授は、新著の中で、今回のパンデミックは、世界中の人々が脱能力主義の重要性を感じ、公益性の意味の再定義を論じるようになってきたと認識しています。また、来春のダボス会議は、テーマが「ザ・グレート・リセット」で、今までの貪欲なリバタリアン功利主義では、今後の世界はたちゆかなくなる。リセットして、1人ひとりの才能を開花するタレンティズムに移行しようという流れをつくろうとしています。しかも、その才能は、協働することによってしか生まれないわけです。

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★落合陽一氏は「働き方改革5.0」のキーワードを「クリエイティブクラス」に的を絞っています。どうやら、時代の精神は、「能力主義から才能主義へ」というものでしょう。

★新タイプテストは、今までの2科4科中心の入試問題が、学歴社会という能力主義へ結びつく、簡単に言い換えれば、偏差値だけで選抜するのではなく、ほかの才能にも目を向けたものです。象徴的に脱偏差値という表現もとりますが、偏差値は統計学の計算式で、それ自体はいいもわるいもありません。

★ただ、一つの指標だけで選抜すると優れた潜在的な才能の持ち主を振るい落とすだけではなく、その子の才能に結果的に蓋をしてしまうおそれがあることに気づいたのです。

★そして、一つの評価指標から多様な評価指標へ移行していることが、スローガンや理念だけではなく、晶文社の思考コードのデータを分析するとなるほどそうだということが証明されたわけです。

★上記のグラフを見てください。晶文社の同書の中に、東京都の共学校のデータうち、国算入試と新タイプ入試の両方のデータを掲載しているところがあります。工学院、東洋大京北、宝仙理数インター、かえつ有明、文化学園大学杉並、安田学園、開智日本橋がそうです。この7校の国算数と新タイプ入試の思考コードの領域別に平均出題割合をグラフにしたものです。

★明快ですね。国算入試では、A軸B軸思考が中心で、新タイプ入試では、B軸C軸思考が中心です。

★公立中高一貫校の適性検査は私立学校の新タイプ入試と同じ傾向です。

★ざっくり、首都圏の中学入試(公立中高一貫校を含むを準備している生徒の40%は、新タイプ入試の準備をします。上記の新タイプ入試を行っている学校は、新タイプ入試で入学する生徒の割合は、入学者の10%~20%です。

★この生徒は、入学後、多様な才能を発揮し、リーダーシップも引き受けていく傾向が共通してみられるようになりましたが、論理的に思考し、クリエイティビティを放つのが好きなわけですから、実は学力面でも活躍していまいます。

★このような生徒は、2012年までは、私立学校では、合格をもらえなかったのです。論理的で創造的でも、知識が俄然不足しています。不足というより知識は調べながら考えていけばよいという生徒です。中高になって伸びるのはちょっと考えれば明らかなのですが、慣習上、その才能を見破る入試をやってこなかったのです。

★それが公立中高一貫校の適性検査によって入学した生徒の活躍をみて、私立学校もハタと気づいたわけです、。

★このような新タイプ入試は、時代の精神「能力主義から才能主義へ」という流れにマッチングするし、新タイプ入試で出題される深イイ問いが入試市場でも受け入れられるようになっていきているのです。

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2020年9月23日 (水)

思考コードがつくる社会(22)世界市民の生き方を考え、対話し、実装するために。

★ここのところ対話している先生方のものの見方・考え方は、簡単にまとめると、今のデジタルネイティブの中高生に、大学受験勉強の環境だけつくっていたのでは、もったいないということでしょう。

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★大学受験は、ナチュラルにパスしてもらう方法を考えたいということだと思います。どうせ学ぶなら、世界市民として自分はどう生きるのか、何を行うのか、それが今見つからないのなら、見つけるための旅を見つけるリベラルアーツの道を開く環境をつくるとかしたいということでしょう。

★ただし、後者の道は、日本にはなかなかないので、海外の道も開けるようにトレーニングできる学びの環境も創りたいと。

★そのためには、メタルーブリックの位置づけにある「思考コード」を生徒とシェアするというコトですね。あらゆる領域を越境するための思考力や多角的視点を身につける必要があるからです。

★俯瞰してみるということではありません。俯瞰していると思っても俯瞰できていないことを知るためです。

★この謙虚な寛容性が、クリエイティビティを生み出しますし、共感的コミュニケーションをとれるようになります。

★もし自分は俯瞰してみているのに、それができない人がいると思った瞬間、そこにパターナリズムが忍び込みます。真理はゆがみますね。

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2020年9月20日 (日)

思考コードがつくる社会(21)オールドパワーではポテンシャルは開花できない。だからニューパワーが誕生。

★これまで、晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」の「思考コード」分析をしてきました。そこでデータ的に判明したことは、オールドパワーでは、生徒のポテンシャルを生徒と共に見出し、開花することができないということです。

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★オールドパワーとニューパワーの違いは、いろいろあるのですが、抑圧的コミュニケーションか共感的コミュニケーションかという違いがわかりやすいでしょう。自由の制限の仕方がパターナリズムか、危害原理かの違いと、制限の基準が強制か共創かということです。あるいは、倫理的判断とリーガルマインドによる判断の両方をするかどうかです。倫理的判断だけでは、強い弱いの違いはありますが、パターナリズムに陥りがちです。

★どうしてそうなるかというと、もちろん要因はいろいろあるのですが、社会が学歴社会を受け入れ、それを強化してきてからです。学歴社会は富裕層を正当化する社会構造です。基本的には脅威論をかざして、だからがんばるんだと競争主義を当たり前とするパターナリズムが受け入れられてきたからです。女性の社会進出が先進諸国で最低なのを解消しようとして、政策論的に進められたとしても、パターナリズムの解消がない限り、元の木阿弥です。

★学校社会のみならず、家庭や企業、大学、お役所、国会、医療関係などあらゆるところで、パターナリズムの解消を哲学なり活動なりをしていく必要があるのですが、教育哲学がすでにパターナリズムに陥っていてなかなか難しいチャレンジなのです。

★倫理や哲学では、この自家撞着から抜けることが難しいのです。どうしてもリーガルマインドで法的な基準を考えるところまでいかんければなりません。そのとき、数学的思考や科学的思考がスクランブルします。教科横断的といても、哲学や心理学段階では、自由を制限する実態を把握できません。

★リーガルマインドで、世の中の問題を解決しようとすると、エビデンスを数学的に科学的に見出すリサーチが必要になります。そして解決には絶対的方法があるのではなく、法の解釈と法の創造と国民的感情をもとに最終審の判断の論理的構成物によって解決されます。もちろん、裁判にしようというわけではないのです。

★リーガルマインドは、2022年に改正民法が施行されて、18歳成人になる高校生にとっては身につけなければならない大テーマです。法解釈と法創造と法感情と数学的思考と科学的思考がリーガルマインドには必要です。特にシノプティコンというAI社会になったとき、ここの法整備がまだできていません。デジタル庁がそこを考えているかどうか?

★ともあれ、SNS上のフェイク問題一つにしても、表現の自由問題ですぐには解決できないのです。混迷しているのは、倫理観や道徳感情で騒然となっているからです。

★だからといって、法律問題にしても実は解けないということがわかります。哲学が無力であり、道徳感情は多様なパターナリズムの応酬になってしまうのです。哲学や道徳は、思考事件では役に立ちますが、社会実装段階では無力です。それはすでにJ,J,ルソーが指摘していました。社会契約しか解決という暫定的方法はないのです。

★最近のドコモのクレジット問題も道徳問題ではなく、セキュリティという法律問題です。

★今後、ブロックチェーンによるAI社会のシノプチコンになっていきます。すでになっているのですが、ここを誰がどう考えるか?総務省の問題でしょうか?デジタル庁の問題でしょうか?

★まずは、グローバル市民一人一人が学ばなければなりません。そして法解釈、法創造、法感情はロジカルで、クリティカルで、クリエイティブな思考が必要ですね。

★それなのに、リーガルマインドは高校生には無理だとか、創造性は大学入試には関係ないとかいうことを平然と言うオールドパワーは、生徒1人ひとりのポテンシャルを共に見出し開花する環境を創ることができないのです。

★それもそのはずです。東大の一般入試は、思考コードでA1A2A3B1B2思考で合格できます。オールドパワーはこの思考ができることで止まります。それ以上は東大の入試問題に関係ないのです。では、他の大学はほとんどが、東大の真似で、偏差値に合わせて易しくしていくだけです。

★ところが、このオールドパワーから抜け出ようとするニューパワーの動きがSFCに代表されるAO入試(総合型選抜)の動きとなっているのです。同じことが中学入試の新タイプ入試に言えるのです。

★麻布や開成、武蔵は、その新タイプ入試の発想を教科テストの中に埋め込んでいます。これで思考力入試と同じだとみなす学校も最近出てきました。思考コードでB3やC1を少し出すわけですから、それに興味を持って合格する生徒もいるし、合理的にそのような問題を切り捨てて勉強する生徒もいます。

★したがって、ポテンシャルを積極的に開発しようというより、そういう生徒が入ってきて、6年間の中で、いろいろな経験を糧にしてポテンシャルを開花するのが自由だと考えているのです。ですから、ポテンシャルが開花する生徒もいるしそうでない生徒もいるのです。全員がポテンシャルを開花するかどうかは、学校のミッションではないと。こういう学校は生徒によってニューパワーだったりオールドパワーだったりするので、グレーパワーとしておきましょう。

★ニューパワーの学校は、すべての生徒がポテンシャルを開花する環境やプログラムをつくっています。そしてある時点で、授業自体生徒といっしょにつくっていきます。パターナリズムが無化されて共感的コミュニケーションで満ちている学校でしょう。

★もちろん、新タイプ入試を行う学校が完全にパターナリズムから解放されているかというと、それはないのです。すべてを法律で判断できないので、必ずパターナリズムの判断に迫られます。ニューパワーの学校は、そのとき議論をします。対話をします。江原素六時代の麻布は、そうだったのです。今はどうか、本当のところはわかりませんが、期待は大きいのです。

★しかし、聖学院やカリタスや工学院などのように、その期待を学びの環境やプログラムに具現化しているニューパワーの学校こそ、クリエイティブクラスの人材が多数輩出されることが実証されるでしょう。このニューパワーへのシフトが、教育におけるポスト社会のザ・グレート・リセットなのです。

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思考コードがつくる社会(20)クリエイティブクラスが生まれる神奈川女子校が引き起こす価値の転換 カリタス・北鎌倉女子・相模女子・聖セシリア

★晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」が示す極めて重要なコト。価値の転換を果たしている女子校の発見です!オールドパワーの権化のようなある2つのシンクタンクは、新タイプ入試を謎の入試といい、鼻で笑い、一蹴し、ついでに、新タイプ入試の応援をしている私を私の仲間を介して石を投げてきました。もちろん、その同調者はもはや仲間だともなんとも思っていないからよいのです。

★私は真のニューパワーを探しているし、自分自身そういう生き方をしようとしています。本当は互いを尊重したいところです。価値選択は私事の自己決定ですから。しかし、その私の自由を制限しようと、陰に陽に仕掛けてくるのですからたまったものではありません。私は断固、オールドパワーの軍門に下るつもりはありません。

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★こんなことを言っていると、私一人が孤軍奮闘しているかのようですが、もちろんそんなことはありません。大切な仲間もいます。しかし、1人2人とやられています。悔しくてしかたがないのですが、着々とオールドパワーからニューパワーにシフトしている私立学校も増えてきているのです。もちろん、私のことなど歯牙にもかけていませんから、私がエールを贈ること自体迷惑だと言っている学校もあるぐらいです。

★なぜかというと、私立学校は、まだ自前の新タイプ入試のマーケットを確立していません。塾主導の中学受験市場が大勢を占めています。だから、そこと対峙している私と組んでいると思われるのが嫌らしいのです(大笑)。

★でも大丈夫。そんなことを気にしないで、どんどん進めばよいのです。だって、時代の要請は、私とは関係なくウネッているからです。私はなぜか時代の要請と気が合ったというだけです。オリジナルは私ではなく時代の精神そのものにあります。

★まあしかし、思想の自由ですから、オールドパーワーという忍び寄るパターナリズムは勘弁してください。パターナリズムは最近手が込んできていて、リバタリアンパターナリズムという派があって、シノプティコンコントロールをしてくるのです。いやはや。。。

★そういうわけですから、カリタス女子、北鎌倉女子、相模女子、聖セシリアの学校の皆様と私はなんら関係ありません。そのことをお断りしておきます。ご迷惑をおかけしたくありませんから。

★あくまで、晶文社の冊子のデータに基づいて語るだけです。お許しください。

★国算のデータと新タイプ入試のデータを別々にグラフにしました。一目瞭然、国算はA2B1思考がメインです。一方新タイプ入試では、B1B2C1C2思考がメインです。

★オールドパワーの受験業界の常識を覆していることがわかりますね。本間さん、そこ明快にしないでよというわけでしょうが、私が語っているのではありません。データが語っているのです。

★聖学院をはじめ、思考力入試などの新タイプ入試で入学してきた生徒が入学後成績でも学園生活においてもリーダーシップを発揮すると言われています。それはそうですよね。上記の図からわかりますよね。偏差値ランキングで国算の入試を通過してくる生徒とランキングに関係なくしかも特に受験塾で勉強しなかった生徒が受けられる新タイプ入試で入ってきた生徒では、学びに対する考え方が違うのです。

★入学後、論理的創造的思考を持った級友が、知識積み上げ方の生徒の考え方にインパクトを与え、シナジー効果を生み出していくのです。これは実は帰国生がそうなるのと同じです。帰国生は英語ができるからリーダ―になるのではないのです。海外の学校で、新タイプ入試でもとめられる学び方を行ってきたからです。

★新タイプ入試市場は、まだ受験塾主導の中学受験市場の10%くらいの規模です。まだまだ偏差値ランキングに従った応募と新タイプの応募のハイブリッドで行くしかないのです。こういう戦術や戦略は、静かにやっていきたいというのが本音でしょが、データが公開されてしまったのですから、大いにアピールするしかないでしょう。

★新タイプ入試や帰国生入試で入学してくる生徒のポテンシャルは、麻布やJGに入学する生徒と同じようなエネルギーを持っています。そんなことを認めたら、オールドパワーのコントロールする偏差値ランキングが崩れかねません。

★ニューパワーの学校は新タイプ入試を行いC軸思考を前面に出してきます。菅政権が本当にやりきれるかどうかはわかりませんが、経産省からデジタル庁にシフトしました。経済産業全般を考え、未来の教室などICT産業も支援すると2年前からやっていますが、今回のパンデミックで、それはアリバイ作りだったということが露呈したわけです。そんなあ!がんばってきたよ!と協力学校は言うでしょう。

★そうだと思います。でも、ルサンチマンの塊をエネルギーにしている菅政権は、それでは満足しないのです。オールドパワーを守る団体を追い詰めるでしょう。もちろん、よいかわるいかそんなのはわかりません。菅政権がルサンチマンにこだわっているうちは、自身もニューパワーの仮面をかぶったオールドパワーかもしれません。

★しかし、それは時代の変わり目の過渡期はアルアルです。それでも、厳然と居座り続けるオールドパワーの牙城が崩れていくことは真正自由市場にとって重要なのです。

★限定的でしょうが、菅政権の脱経産省、IT産業一極主義は一時的には時代を大きく変えるでしょう。菅政権には、教育に関しては、グローバルティーチャーというブレインがいます。秋田県出身のその教師は、グローバルティーチャー最終エントリーに残った教師です。彼は階層構造大っ嫌いです。オールドパワーは断固崩すべしという活動もしています。

★恐竜の教育産業を打ち倒すべく企業も立ち上げています。財務省出身のIT産業もおそらくそこに合流するでしょう。ようやく、ニューパワーがオールドパワーと入れ替わる兆しが明らかになってきました。

★クリエイティブクラス!ザ・グレート・リセット!ニューパワー!の時代です。もうオールドパワーは引退しましょうよ!もちろん、悠々自適な生活ではなく、ニューパワーを支える仕事に回りましょう。

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思考コードがつくる社会(19)クリエイティブクラスが生まれる神奈川共学校 桐蔭と湘南学園

★晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」の「思考コード」データによると、神奈川共学校の中で、桐蔭と湘南学園は国算と新タイプ入試のデータが掲載されています。いつものように、グラフ化してみました。

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★従来の中学受験は、国語と算数など教科入試でした。2013年以降、適性検査型や思考力入試など新タイプ入試が増えてきました。しかし、塾自体は依然として教科中心の講座が続いていますから、このグラフにある新タイプ入試の問いの対策はほとんどされていません。

★していないのに、謎の入試として葬り去ろうとする圧力をかけるシンクタンクもあるくらいです。しかしながら、落合陽一さんがクリエイブクラスの誕生や来春に向けてダボス会議の座長シュワブ博士がグレートリセットを提唱しはじめました。

★テクノクラートやファーストクラスが創り上げてきたNHKのいう欲望の資本主義の限界を指摘し、社会を変えようとしているわけです。そして、そのためには、論理×創造ベースの思考です。

★今までの進学指導や受験指導は、欲望の資本主義の中で勝ち組になる競争教育です。その覇者がテクノクラートやファーストクラスです。このグループの再生産社会の過程に競争教育があったのです。

★こういうことをいうと教育哲学者や教育心理学者にしかられそうですね。その競争教育の綻びを懸命に修繕してきたのですから。

★しかし、その呪縛から今や解放されそうなのです。そこは桐蔭や湘南学園のような受験システムの中に新タイプ入試を埋め込むことによって、それが起爆剤となって、クリエイテブクラスが生まれる場を広げていくことになるのです。

★クリエイティブクラスは協働関係をつくって仕事をしていきます。ですから競争より共創なのです。

★もちろん、現在欧米に増えているクリエイティブクラスは、年収2000万以上稼げるソフトパワーの持ち主です。ファーストクラスからクリエイティブクラスへ。一握りの富裕層や準富裕層の資金をクリエイティブクラスに配分するということになります。

★もちろん、これは過渡期の話で、2050年くらいには、富裕層は追い詰められるでしょう。すべての人がクリエイティブクラスになるにはいかにしたら可能か?この議論とベーシックインカムの話が統合されていきます。

★それがポストコロナ時代の流れです。それに気づいているのがC軸思考を積極的に入試で活用している桐蔭や湘南学園のような新タイプ入試を開発している学校です。

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思考コードがつくる社会(18)神奈川共学校の良心 慶応湘南藤沢と公文国際と関東六浦

★同じように晶文社の「2021年首都圏中学受験案内」の「思考コード」データを活用して、神奈川エリアの共学校の分析をしました。2科目のデータ掲載が多かったので、2科目に絞って各領域の平均スコアを出して比較しました。湘南学園と桐蔭学園は新タイプ入試のデータも出ていますので、次回紹介します。

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★さて、グラフを見ていただければすぐおわかりになると思いますが、基本はどの学校もA2B1思考が中心です。合格戦略としてはこの思考領域をトレーニングしていればOKです。

★関東学院と青山学院横浜英和は完全にそうですね。そして、これが神奈川エリアの共学校で多く採用されている1つのパターンです。

★ところが慶応湘南藤沢と公文国際、関東学院六浦は、B2C1思考領域も出題しています。B2思考については慶応湘南藤沢の場合は合否の決め手になりますが、他の3校はなりません。ですから合格戦略としては関東六浦や公文国際はスルーしてよいわけです。

★ただ、公文国際は、受験に臨む生徒や在校生は、この創造的思考を活用した学びができることは同校の誇りであると語ってくれます。自分の学校のことをどう思うかと聞くと、良質の学校について具体的に誉めますね。そして、在校生としての誇りを表現します。

★海外のエンスタブリッシュスクールでは、訪問すると、日本人の在校生が学校案内や授業についてプレゼンしてくれることが多いですが、自分の学校への愛や誇りを語ってくれます。

★さすが公文国際、同じ質感を感じます。

★慶応湘南藤沢も同じでしょう。卒業生は、慶応の中でもSFCは特別だと自信を持っているし、三田の学生は三田の学生で、SFCは私たちとは違うと語ります。どちらでもかまいませんが、やはり誇りを抱ける学校というのは、すてきではないですか。

★関東六浦もそうですが、学内の先生方の燃え方が最近違いますね。そう感じます。内部のメンタルな良質な部分について幾人かの信頼できる見識者がよく話してくれます。何より校長が学びの真理に燃えています。何度かセミナーでごいしょしましたが、そう思います。

★そして、その通りのテストになっていますね。A2A3の問題を問いの流れ上、出さざるを得ないものは出題していますが、そこは合否の決め手ではないでしょう。出題割合も低いですね。その代わりB1B2思考領域を大量に出しています。論理的に考えていけば問題は解けるのだと。そしてB3やC1というプロセスのクリエイrヒティとコンテンツのクリエイティビティを活用する問いが投げかけられています。

★これは、新タイプ入試に近い考え方で国算の入試問題もデザインされています。

★関東学院六浦に向けて中学受験勉強をしていく生徒は、結果的に論理駅・創造的思考を楽しみながら学べます。これは慶応湘南藤沢と公文国際も同じです。前回述べたフェリスや横浜雙葉同様、中学受験勉強を通して学びの本質を追究できる仕掛けを提供しているわけです。

★慶応湘南藤沢、公文国際、関東学院六浦は、神奈川私立共学中学において、学びの良心を有しているといえましょう。

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