思考コード

2021年11月27日 (土)

石川一郎先生の野望 GWEの対話で明かされる。

★昨夜、GWE(GLICC Weekly EDU 第56回「『2024年の大学入試改革』著者 石川一郎先生との対話」)で、全国を飛び回って本質的な教育の改革を説いている石川一郎先生と対話しました。今月、先生は、新著「いま知らないと後悔する2024年の大学入試改革 (青春新書インテリジェンス)」を出版されました。2016年から執筆し続け、今回7冊目です。

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★石川先生の教育改革の新しさは、道徳や行動心理学というよりは認知科学的アプローチを軸としているということです。道徳や行動心理学は、どうしても因果律ベースになり、「~しなければならない」が自由も大事だぇれど、規律をやはり主軸にしようとなりがちです。

★ところが、思考コードなどのように認知心理学的アプローチになると、多様な関係性や認知能力と非認知能力の均衡性などを柔軟に洞察する姿勢が前面にでてきます。そんな石川先生の認知的柔軟性が、本書では面目躍如とばかり発揮されています。

★今回の対話は、2024年の大学入試改革の明らかに見える部分から始まり、その実効性について水面下では複雑で、しかも結果的にそうなっているわけではなく、あえて反対派と推進派が生まれるように巧んでいる文科省の妙技が掘り返されます。近代教育は、常にアンビバレンツを包摂しているのですから当然で、それゆえ改革のエネルギが蓄積されるというなかなか不思議な世界です。

★しかし、それが結果的にジャーナリズムを活性化し、3歩進んで2歩下がりながら文明は進化していくでしょう。

★最後には、man for othersのマインドに基づいた石川一郎先生の壮大な野望が明かされます。希望とは、このような野望から生まれてくるのだと実感しました。ぜひご視聴ください。

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2021年11月 6日 (土)

工学院 高2探究論文発表会~文化としての思考コード

★工学院大学附属中学校高等学校(以降「工学院」)で、高2探究発表会が行われたようです。同校のサイトにバーンと掲載されていました。閲覧していると、発表者の1人が、「たくさんの人に共感してもらえた」と振り返っている言葉が目に飛び込んできました。こういう言葉をすんなり生徒自身が使っているところに、共感的コミュニケーションが同校の文化になっていることがわかります。

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(写真は、工学院の先生方がファシリテーターを行ったセミナーのプリントスクリーンと同校サイトの写真から作成)

★それから、たくさんのポスターセッションの写真が掲載されていますが、どれも魅せるプレゼンを行っている様子が映し出されています。思考コードでいえば<C3>領域で行われていることは明らかです。

★しかしながら、このコードを生徒が意識してつかっているかというと、工学院の場合は、この探究論文をすでに8年くらいやっていますから、もはや意識の中の文化として形成されているのだと感じました。

★文化としてというのは、もはや当たり前になっているということです。

★写真だけでなぜわかるんだと言われる方もいるかもしれませんね。たしかにそうです。実は、この間、工学院の先生方と、対話を積み重ねてきたからそれがわかるのです。

<GLICC Weekly EDU 第51回「工学院×聖パウロ 好奇心からWorld Making Learning作りへー希望の教育がここにある」>で、工学院の先生方と対話をして、その先生方がセミナーでファシリテーター行ったのですが、それにも参加して、そう感じたのです。

★工学院の先生方はPBL型授業を自然体で行いますから、思考コードはすでに当たり前のように意識の中で自動化されています。グローバルプロジェクトや今回の探究論文もプロジェクト型であります。したがって、思考コードは文化として通奏低音を響かせているのは当然でしょう。

★行事等でルーブリックとしての「思考コード」として活用する時もあるでしょう。評価目標を分析的に明らかにするために「思考コード」を活用する時ももちろんあるでしょう。しかし、心身化し文化としての「思考コード」が最強です。

★文化としての思考コードは、デザインとしてのアフォーダンスやマーケットにおける意欲を生み出すナッジとかと同様の機能を果たしているのかもしれません。

★教育目標としての思考コード、評価としての思考コード、学びの文化としての思考コード。使われ方は多様です。考えるとか感じるとか判断するとか、そんな簡単なわけはないということでしょう。

★わかりやすさは氷山の一角で、その水面下では複雑なループが絡み広がっているということでもありましょう。

★わかりやすさだけで、その背景は空っぽということもあります。工学院とは真逆の学校もあります。勤務校もそうならないように、工学院の先生方に学びたいと思います。

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思考コードやルーブリックが広まりつつあるというコトの意味

★よく、モノからコトへというクレジットがマーケティングで使われる。単品ではなく、インターネットなどがつながった事態そのコトがこれからは大事なんだという意味でしょう。ソサイエティ5.0なんだからということでしょうか。すでに、20世紀末からポストモダン批判として、社会学や科学コミュニケーションや文化人類学、哲学などで語られてきたことを商品化した言い方ですね。

★思想がマーケットで売れはじめることは、ものの見方や感じ方が変わるというコトで、モノからコトへというのは、新市場創出のアイコトバでもあったわけです。

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★中学入試で、思考コードやルーブリックというのが広まりつつあるのは、中学入試市場にも、モノからコトへという発想が浸透しつつあることを意味します。今までは、知識という単品のモノが、いろいろつながっていて、繋がっていく先で概念が変容したり、その新しい概念で考え方を創り出したりすることの魅力が語られるようになってきたというコトでしょう。

★相変わらず、思考コードなんてとかルーブリックなんてという方もいます。そういう方々に対し、君たちはわかっていないと目くじらを立てる方もいますが、そのわからないという方は、問題をA1領域でしかつくった経験のない方です。C3なんて問題をつくって、採点できないと思っている環境順応型マインドの段階の方なだけです。

★自己変容は、その方の問題ですから、そこに立ち入る必要はありません。どういう仲間を集めるかは、ガバナンスの問題ですから。

★ガバナンスが、A1認識しかでできない場合、C3までの認識視座をもっているメンバーはつらいだけです。そこで生きていこうと思ったら我慢するしかないですね。

★ガバナンスがC3までの視座があり、メンバーの中にA1の認識しかない場合は、労働関連法規で守られていますから安心です。

★かくして、思考コード問題は、学校においては働き方の問題にもかかわってきますね。あるいは組織開発や人材開発にもかかわってきます。

★いずれにしても思考コード的発想は、A1からの解放ですから、みな幸せになる一歩かもしれません。

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小中学時代に幾何を真剣に学ぶかどうかで、認識の仕方が変わる。多分。

★中学入試は、おそろしく幾何の問題がおんもしろい。ある中高一貫校では、中学時代は幾何の学びがメインになっているところも多いですね。マイクロソフトの入社試験の三角問題はとても有名です。なぜこのような問題を出題するのかネット上でわんさか語られています。

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★公式を暗記してあてはめる能力はいらないというメッセージでしょうか?たぶんそれもあるでしょうが、そうは簡単ではありません。トリックアートとして把握できるかどうかですよね。この図の背景に、直径10の円周が描かれているのが見えているのかどうか。ルビンの壺というやつです。

★数学とアートを結び付けたエッシャーのトリックアートを想起すればピンと来るでしょう。

★しかしながら、そう簡単な話でもなさそうです。もし、これがオックスブリッジのあの口頭試問でだされたら、このような三角形の存在理由やアイデンティティについても対話するのではないでしょうか。

★果たして、これは二次元に描かれているのか、描かれているとしたら、ユークリッド平面ではなく、トポロジーに変換しなくてはならないのではとか、そもそも立体で、鳥瞰する地点がどこなのか。かりに湾曲していたとしたら、どんな方程式で解くことができるのか。

★湾曲している屋根の場合だったら、最初は微積をつかうでしょうが、一般的な面積の公式に係数をかけて出す簡易な方程式を見つけるために使うだけだとか、なんとかいろいろ語れます。

★マイクロソフトのこの問題は、常識を見破る力とか多面的なアプローチができるかとかいう哲学入門的な発想よりも、現実にあるこの図をどのように捉え返して、デジタル処理できるか、そのアイデアをちゃんと出しなさいと言うことでしょう。

★それはともかく、こういう問題を議論すると、幾何と関数、特に三角関数や微積分がストレートに関係することがわかります。私たちがスライドで図をつくるとき、幾何の組み合わせの創意工夫はたしかに大事ですね。

★ところが、小中学校の教科書では、公式を覚える練習問題が山積しているだけで、幾何と関数の関係がみえてきません。

★一方、中学入試は、面積の問題にしても、等積変形など、関数的な計算をします。上記のマイクロソフの三角形も、等積変形すると、二次元ではこの図形はないなあということがすぐにわかります。

★中学入試で、旅人算などの速さの問題も、幾何と座標を結び付けて考えるようになっています。中学入試で方程式を使わないようになどという話は本当かどうかわかりませんが、線分図や面積図なんていうのは関数そのものでしょう。

★面積の問題は、そもそもが積分の問題です。

★幾何の問題は、関数的素養を養ううえで、もしかしたら有効なのかもしれません。トリックアートやトポトージ的な発想を中学時代に加えて幾何を学ぶコトができたら、関数的な認識を養えるでしょう。公式を覚えればそれでよいという認識はなくなるでしょう。

★関数的な認識の方法を身につけないと、アナログとデジタルを往復することができません。これができない教育がなされている現場で、教育改革が進むはずはないし、ましてルーブリックだなんて発想は、観点別という要素還元主義的な認識方法で足踏みしてしまうだけでしょう。

★様々な思考ツールが開発されていますが、あれはデザインロゴのように使われていて、関数的な発想や幾何、とくにトポロジー的な発想で使われていないので、残念です。

★とはいえマイクロソフトのような問い作りをしている先生方も現れています。入試問題的なシリアスな問いから、マイクロソフト的なポップな問い作り。中学入試の算数の問題にはそういう問題があります。麻布の問題はそうですね。それにアナログからデジタルに飛ぶ数の問題も出題されます。

★シリアスからポップへ、アナログからデジタルへ、そしてあるときはその逆へ。この往復関数発想が見える化される学びのホームベースは、幾何かもしれません。

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2021年10月20日 (水)

World Makingの時代 覚書(06)世界を作るとはどういうことか。本質を見通すことも、いやこそ世界を作ること。

★勤務校の数学科教諭とは、定期的に対話をしています。中間試験シーズンだったので、今月は月一回だけだねといいつつも、終了するや否や対話しようと。1)躓きのポイントとその解消の方法、2)それから授業で行っている20%ルール(理系クラスは100%だそうです)。各時間最低20%は思考力型問題を考える機会を設定するのですが、それに対応する問いを中間テストでどう出題したか、生徒の反応はどうだったのかという2点について対話をしました。

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★おもしろいのは、本質という意味での基礎基本を整理することが大切だという話で盛り上がったことと、三次元を二次元に「置き換え」て整理するスキルのトレーニングが必要だなという話などがでたことです。

★本質=基礎基本、「置換」「変形」「ショートカット(削除)」などなどの用語は、ふだん当たり前に使っている言葉ですが、実はネルソン・グッドマンの語る「世界制作の方法」というシンプルなスキルの一部です。

★数学というのは、結局関数関係という世界ですから、計算の仕方を覚えるのでなく、その論理的な推理の世界という本質に立ち還るとそのまま世界モデルになります。

★とはいえ、それを生徒に直接延べ伝えたとしても、ピンときません。

★そこで、先生方は、問いに仕掛けを作っているということもわかりました。数学的純粋な世界を、リアルな世界の状況に重ね合わせてみたらどうなるのか。意外とそこが結びつかないのだと。

★このことは、キャリアデザインでも同じではないかとジャンプしました。自分の未来を見通しても、それがいまここで行動していること・考えていることになかなか結びつかないわけですからと。

★純粋数学という見えない本質と現象という見える状況が結びくかどうかは、未だ見えない自分の未来の見通しと、いまここで見えている自分の言動が結びつくかどうかにかかわっているのだと。

★結局、両者を受け入れる「受容」と「関心」という非認知能力がなければ数学的世界を作ることはできないのだというところまでいきました。

★だから、そこを養うにはどうしたらよいのか。対話は尽きません。

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(聖パウロ学園の思考コードは1枚ですが、実際には4重構造の複雑系になっています。それを一枚にしているので、直観的に使う受容力が必要です。パウロの教員はそこはあっという間にクリアします。)

★そんなとき、思考コードを媒介にして、生徒と問答している数学的世界はどのあたりなのかについて対話していくと、生徒によって違うのですが、どの生徒にも共通する領域も見えてきます。教員によって違いはあるものの共通する部分もでてきます。

★それが中間テスト20%ルールの部分の違いに反映しますが、その差異が教員同士の刺激にもなります。

★本質と現実のギャップ。これを埋めることこそ世界を作ることなのかもしれません。数学的世界では、基礎基本とは、どうやら知識習得ということとは違うようです。本質を見通し、それを状況に適用する。その適用が純粋な世界、本質的世界を注いでいくのでしょう。それがトランスフォーメーションに移行するわけですね。

★関数的な世界の循環、それはまさしく好循環を生み出す根源です。エラーを見つけて修正していく。そういうモニタリング思考が文系的にはクリティカルシンキングというのでしょう。

★根源なき世界か、根源からの世界か。すなわち、関数なき世界か、関数あり世界か、世界作りの意味の再確認ができました。

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日本私学教育研究所平方邦行所長との対話 <研修コード>に基づいた研修構想 ≪私学の系譜≫の現代化

★先週土曜日、日本及び東京私学教育研究所所長の平方邦行先生と対話しました。現在平方先生は、一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長に就任されていています。また文部科学省の高大接続関連のワーキンググループにも長年かかわっています。

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★また、21世紀型教育機構の会長でもあります。私は、この機構を平方先生といっしょに立ち上げたスターティングメンバーの一人として、今もこうして対話の機会を頂けるわけです。

★とはいえ、このような役職に先生は就いていますから、全国を駆け巡っています。コロナ以前は、世界も駆け巡っていました。ですから、先生との対話は、月に一度お会いすることができるかどうかという貴重な機会です。

★ですから、そのテーマはいつも革新/確信/核心の話に集中します。

★つまり、常に、東京のみならず、全国の私学、そして私立公立を問わず、日本の教育をどう変えていくのか、2089年からバックキャスティングして対話するのです。しかし、そのような時代の精神の読み取りと見通しは、教育制度、学校組織、カリキュラム、生徒募集など具体的な実践に一気通貫していなければというプラグマティックな話に行き着く来ます。

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★ですから、私学教育研究所は、全国の私学の研修を企画運営しています。理事長校長などスクールガバナンスの研修と現場の教師の研修、現場の教員の委託研究支援という学校のマクロとミクロの両面から研修サポートしているのです。

★平方先生は、神は細部に宿るという考え方を持っていますから、教育制度や学校組織、カリキュラム、生徒の成長、生徒募集などすべてが収束しているのが日々の1つひとつの授業だというのです。

★だから、時代が変わって、大学入試や学校組織のあり方が変わろうとしても、授業が旧態依然としたら、教育は変わらないのだと。

★したがって、授業を講義形式中心からPBL型授業に変えるのだという活動をずっとしてきたわけです。これからも、もちろん続けます。

★しかしながら、知識習得型をPBLでやっていたのでは、実は元の木阿弥であるということも理解していますから、思考コードを作成して、知識習得×論理的思考×創造的思考のコンセプトを教師も生徒も共有すべく活動してきたのです。

★つまり、PBLでルーブリックをつくっても、そのルーブリックが、知識習得の枠内であったら、何も変わらないのです。そういう意味で思考コードはルーブリックのモニタリングをできるわけです。ルーブリックは授業デザインの際の授業目標の精緻版ですから、必要ですが、枠組みの広さはモニタリングしておく必要があるのです。

★そして、日本及び東京私学教育研究所は、そのようなコンセプトを実行できる研修を行っていきますから、自らも思考コードに基づいた研修デザインをしなくてはなりません。現場が知識習得×論理的思考×創造的思考の枠組みで行おうとしている時に、研修では、それを満たさないことを行っては齟齬が生じるからだと語るのです。

★研修プログラムは、テーマ項目については「内容」が全面にでます。内容が魅力的でなければ、参加者は集まりませんから、テーマは大事です。しかし、その背景にはどこまでそのテーマを深く参加者と共有するのかという仕掛けも重要です。このような研修は、一般には講演スタイルが中心になりますから、講師はたしかに深く広く話されます。

★参加者は、感動し、いい話だったということになりますが、それがどれだけ深く身につき、現場に持ち帰ることができるかという仕掛けは必要です。

★最近では、ワークショップ型の研修も増えてきましたから、仕掛けることが可能です。そこで、思考コードに基づいた研修コードを創ろうということになったそうです。まずは東京私学教育研究所の研究員が開発しているということです。

★また、一方で学校組織を運営する理事長校長の研修には、平方先生は思考コードをベースにした運営コードとしてアクレディテーションを提唱していく予定です。

★21世紀型教育機構は、思考コードに基づいたPBLを推進していますし、PBLをコアに学校全体が好循環になっているかどうかをモニタリングするためにアクレディテーションを行っています。世界の私立学校では、このアクレディテーションは当たり前です。説明責任やモニタリングは、民主主義では当たり前だし、それがインディペンデントな私立学校なら、国からモニタリングされるのではなく、自らリフレクションするのが当然だからです。

★日本では、それがないから、偏差値という外部評価に学校選択者は頼らざるを得なかったのです。偏差値という統計手法がわるいわけではありません。アクレディテーションもまた外部評価ではありますから、むしろ外部評価というのは参考エビデンスとして必要なのです。

★ただ、評価視点が1つだと、学校選択者の志向性を視野狭窄にしてしまうおそれがあるのです。評価視点は多様にしなければ学校選択者のそれぞれの志向性にマッチングできないでしょう。

★もちろん、そうなると評価視点のそれぞれの相関が計算されるようになり、つまり因子分析が進み、それぞれの学校の強み弱みがはっきり見えてきます。しかし、それは偏差値のようにランキングにならないし、そのモニタリングの結果をみて、学校がさらに洗練する努力をしていけばよいわけです。

★洗練度の度合いが学校選択者の目の付け所になるというのは、互いに幸せなことでしょう。

★平方先生は2089年からの見通しというコンセプトを語りながら、思考コードとアクレディテーションを現地に赴いて伝道しています。歴史は、やがて平方先生を21世紀の私学人として刻印するでしょう。20世紀の私学人内村鑑三、新渡戸稲造の如く。

★≪私学の系譜≫の現代化が生まれているということでしょう。

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2021年10月12日 (火)

今週のGLICC Weekly EDU50回記念 神崎史彦先生出演!

今週15日(金)のGLICC Weekly EDU(GWE)は50回を迎えます。私はコメンテータートして90%は出演していますが、主宰の鈴木裕之さん(GLICC代表)は、皆勤賞です。毎回、多くの革新的教育と自己変容型マインドを生み出す見識者に出演して頂いています。鈴木さんの広い視野と深い問題意識があるからこそ、みな出演を快諾してくださるのです。継続は力なりと言いますが、毎回発見が多く、それを私たちも実践において活用させていただいています。さて、今回50回の記念すべきGWEには、あの神崎史彦先生が登壇!鈴木さんとの対話は大いに盛り上がるでしょう。

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★11月にはカンザキジュクが二子玉川にオープンする予定でもあります。

★今なぜ二子玉川なのか?

★今なぜ総合型選抜なのか?

★今なぜシステム思考なのか?

★今なぜ思考コードなのか?

★今なぜ世界創りなのか?

★などなどは神崎先生の探究プログラムではすべてつながっています。

神崎先生と鈴木さんの創造的対話をぜひご視聴ください。

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2021年10月10日 (日)

難関校攻略ハンドブックでわかること

★前回ご紹介した首都圏模試センターが出版している「難関校攻略ハンドブック」は、いろいろなことがわかって実におもしろいですね。その中でも、私は9つの思考コード領域の割合の違いで、その学校の思考力の幅や深さの特色を暗号解読するのが楽しかったです。

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★判定校35校の4教科分の思考コード分析がズラリと並んでいるページを読んでいると、たしかに、どこの学校もロジック中心に考えていくわけですが、その問題を解けるように学ぶ準備段階では、国語だとイマジネーションを使うなあとか、算数だと数学的直観が必要だろうけど、それには量が質を生むという涙ぐましい努力が必要なのだろうなあとか、理科だと推理力のトレーニングも必要だっただろうなあとか、社会だと社会課題まで自分なりの視点で捉え返しながら学びを積む必要があるなあとか思い巡らしました。

★やはり御三家の問題はそのような特徴が色濃くでていましたね。

★もちろん、イマジネーションを大切にしているのか、数学的直観を大事にしているのか、推理を大事にしているのか、社会課題の洞察を必要とするのか、はたまた、すべて大事にするのかは学校によって違います。

★さらにおもしろかったのは、判定校35校のうち80%は、算数においてB3の問題を出題していて、ここは一般化しなくてはならない問題が多いはずですから、量から質を生み出し、数学的直観を養う学びが必要な学校が難関校はやはり多いということがわかりました。

★同模試の判定校に入学する総数は、中学入試市場の18%くらいですから、それ以外の学校の科目入試は、ほぼ知識とロジックだけでいけるはずです。

★しかし、そのA軸とB1くらいだけを、何年もかけて勉強するのは、ちょっと問題があります。イマジネーションや数学的直観、推理力、社会課題への洞察力は受験するしないにかかわらず、必要だからです。この能力はこれからの社会をサバイブするスキルでもあります。

★そこに気づいた方は、適性検査型や思考力入試など新タイプ入試も併用することをおススメします。

★実は、中学入試の準備学習段階で、このサバイバルスキルを自在に使える能力を身につけてきた生徒が、中学入学後飛躍的に伸びることは、各学校の生徒の追跡調査で明らかになってきているのです。

★大学入試なら、総合型選抜で進路準備をしてきた生徒がそれに相当します。海外の大学の場合は、多くの場合そうですね。

★このように、思考コードは学びの過程において、未来を見据えた環境を設定しているかどうかをモニタリングするのにも役立ちます。

★なお、C軸の学びをたくさんやる環境にないのが、日本の教育で、国際バカロレアと比べると明らかです。B3のような難問をいくら学んでも、C軸思考をたっぷり活用する学びをやらないと、「コンセプト・レンス」を自ら創ることができないのです。もちろん、私の独断と偏見ですから無視してくださって構わないのですが、このレンズがないと、マニュアルで動くしかないわけで、自己変容型マインドは到底養われないのです。

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首都圏模試センター 「難関校攻略本」出版 思考力とは何か?思考力のトレーニングの仕方とは?

首都圏模試センターは、昨日9日から17日にかけて、「難関合格スキル模試」を実施しています。基本は同センターと連携している塾が会場ですが、自宅受験も行っています。この模試の特色は、35校の難関校に絞って、予想問題が作成され、ピンポイントに判定できるということでしょう。そして、従来の模擬試験にない画期的な特色は、徹底的に、分野、問いの形式、思考コードなどの多面的な視点で受験生1人ひとりの強み弱みを分析し、強みをさらに強くし、弱みを強みに変える思考スキルは何かをサポートするデータがわかるということです。

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受験生には、難関校攻略本「難関校攻略ハンドブック」が配布されます。もちろん、受験しない方もこの本をAmazonなどで購入することができます。

★35校すべての受験科目の思考コード別割合も掲載されているので、それぞれの学校の思考力の捉え方がわかります。思考力と言っても定義は学校によって違っています。思考力を大事にしていませんという学校はまずないですが、どの範囲までどの深さまでを思考力としているかは、学校によって違います。

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★入試問題は学校の顔ですから、A軸中心の学校だと、環境順応型マインドを育てる環境が充実し、B軸型中心だと自己主導型マインドを育てる環境が充実し、B3とC軸がメインだと自己変容型マインドを生成する環境が充実しています。

★自己変容型マインドの場合、C軸だけでなく、B3もというのには理由があります。問題としてはB3に分類される問題も、準備としての学びの段階では、C軸思考を使います。受験本番の時には、C軸思考を経過した類題となりますから、そこからはもはや創造性や批判的な思考はいらないのです。

★思考コードは、学びのどの段階にあるかもわかるのですね。

★C軸の問題は、未知の問題をその場で考えていくわけです。これも入試が終われば、受験生にとっては、A軸やB軸の問題になるのです。

★さて、同模試では、次のような難関校の判定ができるようですが、詳しくは同センターのサイトをご覧ください。

【第1志望判定校(以下の学校から必ず1校を選択)】
●男子
開成
麻布
武蔵
駒場東邦
栄光学園
聖光学院
慶應義塾普通部
筑波大学附属駒場
早稲田
早稲田実業学校中等部
早稲田大学高等学院
渋谷教育学園幕張

●女子
桜蔭
女子学院
雙葉
豊島岡女子学園
フェリス女学院
早稲田実業学校中等部
渋谷教育学園幕張

【第2~第6志望の判定校(上記第一志望校、下記の学校から5校を選択)】

●男子
海城
桐朋

本郷
立教新座
浅野
慶應義塾湘南藤沢
慶應義塾中等部
渋谷教育学園渋谷
東邦大学付属東邦
市川
栄東

●女子
鴎友学園女子
吉祥女子
浦和明の星女子
横浜共立学園
横浜雙葉
洗足学園
慶應義塾湘南藤沢
慶應義塾中等部
渋谷教育学園渋谷
東邦大学付属東邦
市川
栄東

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2021年10月 7日 (木)

京華女子 「思考コード」開発 中学入試でルーブリックとして活用か?

★京華女子中学・高等学校(以降「京華女子」)の二俣潤也先生(国語科主任)と山岡大祐先生(広報副主任)が、聖パウロ学園にご来校くださいました。本校教頭の小島綾子先生と教育コラボレーションについて対話することが目的だということでした。

※二俣潤也先生:国語科主任、次世代教育推進委員会委員長、教育相談主任、吹奏楽団顧問。山岡大祐先生:広報副主任、社会科教諭、演劇部顧問

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(写真は、同校サイトから)

★私も少し対話に参加させていただきました。お二人は、ち密で大量のルーブリックを先生方と創り上げました。そのためのチームワークづくりで大活躍しているようです。神は細部に宿るという言葉がありますが、拝見させて頂いたルーブリックは全教科全学年、そして多面的なアプローチで編集されています。

★これぞカリキュラムマネジメントの醍醐味だなと感じ入りました。

★しかし、その詳細情報を今度は思考コード開発に転換して、9つのレンズで授業デザインやテストデザイン、生徒とのコミュニケーションデザインなどを行うというのです。また、あのロバート・キーガン教授の自己変容型マインドに到る発達段階まで読み解き、リーダーシップとは何かについても思考コードで語り尽くすのです。

★そして、来春のすべての入試問題のデザインや評価で活用してみるという話もでました。さすがです。詳しくは今度またインタビューしたいと思います。

★ともあれ、こんなに柔軟な知性の持ち主が京華女子にはたくさんいるのだと聞いて、サプライズでした。

★私立学校では、まだまだ集団主義的な組織作りが一般的ですが、京華女子は、クリエイティブクラスが自由な発想と対話で満ちているのでしょう。一方で進学実績もきっちり出しています。

★したがって、理想への情熱というだけではなく、理想と現実のギャップを、ワンチームで緻密なリサーチと鋭い洞察力で突き抜けていく断固たる覚悟があると、お二人の柔らかい眼差しと知性から感じいりました。遠いところ本当にありがとうございました。

★そうそう、それと俊敏力ですね。先生方がお帰りになったあと、日本私学教育研究所の所長平方邦行先生から電話がありました。二俣先生の力作みたかいと。思考コード的発想が私学に広がることは、未来をつくるZ世代の幸せを考えるうえで極めて有効だから、また対話しよう!という電話でした。なんという結びつきの速さ。

★と思っていたら、今度は情報誌の編集者から、今注目している学校はどこですかとメールが入りました。京華女子もその一校として、今述べたような内容を注目理由として書いて送りました。

★おっ♪何かが動いているなあと予想したくなるのは、どうやら、しかたがありませんね。教育のダイナミズムがまたまたウネリ始めました。

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