創造的破壊

2026年7月13日 (月)

学校説明会で、その学校の対話の質がわかる

★AI世界は、AIに代替されない自分の独自の発想や提案を思考し、判断し、最終的には解決のシステムや技術を実装する能力が必要です。このような人材のレベルを落合陽一さんは、クリエイティブ・クラスと言っています。では、どのような環境から、そのクラスは生まれるのでしょう。今では、グローバル教育もSTEAM教育も、多くの私立中高一貫校は行っています。しかし、必ずしもそのような学校すべてからクリエイティブ・クラスの創造的才能者がたくさん生まれるとは限りません。それはなぜ?

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★その秘密は、対話の質にあります。対話はミクロがゆえに外から見ているとなかなかわかりにくいので、どんな教育環境デザインをしているかというカタチを比較することで、学校選びをしたくなります。もちちろん、第1段階はそれでよいのです。

★第2段階は、その環境がどんな成果を生み出すかです。これも外から見ていてわかります。

★しかし、その成果がクリエイティブなものはそんなに多くないので、クリエいティブ・クラスが生まれる可能性の多寡は実はなかなかわかりません。

★では、どうするのか?

★それは学校説明会の時に、教師がどういう言葉を使っているかで、わかる場合が、意外と多いのです。

★教師が、生徒の選択判断について語るときに、面倒見がいいとはどこの学校でも語るのでしょう。

★しかも、コーチングだとかファシリテーションだとか、生徒と伴走するという話もよくするでしょう。

★しかし、問題は、その伴走の時の対話のスキームなのです。

★教えるとか教えないとかという表現もありますが、それは程度問題なので、惑わされないようにします。

★実は、丁寧にでもマイクロアグレッションという気づきにくいネガティブなフレーミングを語っている場合があります。

★これが、多くの生徒に自己肯定感やモチベーションを高められないもやっとした壁を感じさせます。先生は丁寧に君はこの点ができないから、こっちを選びなさいというのは、丁寧だし、その生徒のことを思っているけれど、どこか違います。

★こういう点が強みなのだから、ここを活かすとしたら?そして生徒が選択判断をしたら、そのときそれを実現するために、強みと弱みを、一緒にリフレクションしようと。自分で選択した目標を実現するために、強みをもっと活かし、弱みを強化するリフレーミングを生徒と共に作っていく対話をする先生をたくさん知っています。本ブログでも紹介している先生方はまさにそうです。

★そのような先生は、学校説明会でも同じです。ポジティブなフレーミングを設定し、それに対しネガティブな状況が生まれれば、それを書き直すリフレーミングの対話をしていきます。

★大事なことは、やがて、生徒自身がポジティブなフレーミングをしたり、自分でリフレーミングをできるようになっていくことです。このような生徒自身の成長物語を書き換えながら作っていく能力こそクリエイティブ・クラスの力であり、このような対話ができるチーム教師こそが、クリエイティブ・クラスが生まれるマインドの泉なのです。

 

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2026年7月10日 (金)

風の谷の中村中学校

★中村中学校・高等学校(以下「中村」)といえば、多様で深まりゆく探究の活動がすぐに思い浮かびます。もちろん、30年以上前からグローバル教育の実績も積み重ねられています。ずいぶん前ですが、フェニックスホールでの在校生の皆さんのフルートやピッコロなどの楽器による演奏のすばらしさは、今も鮮やかに記憶しています。

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★最上階のコリドール(図書館風)から一望できる大名庭園の清澄庭園の広がりは、心落ち着きます。毎年送っていただく中村の膨大な資料の中に、「データブック」があります。説明会で表現しきれない同校の教育のディテールが本当に緻密によくまとめられています。

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★これだけのものを毎年まとめていくには、一人の教師ではなくチーム教師で創り上げているということが伝わってきます。勢いのある学校は、優れた一人の教師がいればよいのではなく、教師同士の関係性が良好であることがポイントです。たしかに、データが詰まっている客観的な情報の冊子ですが、この冊子をどう作っているのか想像してみてください。チーム教師の熱い議論の様子やデータ作成自動化のシステム改善のために動いている先生方の姿が目に映し出されるでしょう。

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★そして、そのデータブックの中に、卒業生全員の入学時の偏差値と卒業時の偏差値の指数関数的な飛躍曲線を描いているページがあります。数値の表示ですが、ここまで一人ひとりのデータを集めているというのも実は稀有です。

★それに、言うまでもありませんが、この数値の背景にある生徒1人ひとりのストーリーを先生方は語り合いながら作っている様子がやはり目に浮かびます。

★このような教員同士、教員と生徒の関係性(おやじの会もあります:微笑)からは、風の谷のナウシカならぬ「風の谷の中村」という発想が生まれてきます。

 ★風の谷の人々が風の力を受け取りながら暮らしを守るように、中村も生徒のみなさんが安心して学び、力を蓄える「安全基地」として存在しています。しかし、ナウシカが風を読み、メーヴェで腐海へ飛び出していったように、中村の学びは谷にとどまることではありません。生徒のみなさんは外の世界へ踏み出し、社会の課題に向き合い、自ら未来をつくる力を育める教育環境をデザインしています。

★要するに、中村は、この「風の谷」のような学びの場です。安心して挑戦の準備ができる場所であり、同時に生徒が自分の風をつかんで外の世界へ飛び立つための発射台でもあります。

★では、この“風の谷のような学校”を支えるのは誰でしょうか。ナウシカのように、生徒が世界を恐れず飛び出せるよう「本質を見抜き、そっと背中を押す導き手」として関わる教師がいます。教室を出て社会の課題に挑む探究学習を通じて、生徒が自ら“風を読む力”を育てる教師がいます。中村は、子どもたちが「谷に守られるだけの存在」ではなく、「自分の風で未来へ飛び立つ存在」へ育つことを本気で目指しています。

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2026年7月 5日 (日)

【速報】文化学園大学杉並 海外大学合格者数更新46名から58名に

★文大杉並の入試広報部長西田真志先生から連絡がありました。「今年3月に卒業したDD9期生51名の3月時点での海外大学合格は46でしたが、7月4日時点で58まで数値が伸びました。海外大学のレベルも過去最高を更新しました。今年もこの数値を越えられるように頑張ります。」と。


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★つまり、DDコース9期生の卒業生数に対し、海外大学合格者数の割合は、114%ということになります。その中で世界大学ランキング100位以内が27名ですから凄まじいのですが、他は200位以内です。これは、日本の大学に比べると非常にレベルが高い集団だということになります。しかも、イノベーティブで超優秀大学として評価されるWURIでは、世界大学ランキング1位のミネルバ大学にも合格しています。

★海外大学の合格者数は、日本の大学合格者より価値があるのは、生徒自身が豊かな教養と高い専門性を学び続けていることの証であると同時に、出身高校の教育環境の質も評価されたということなのです。

★日本の大学では、一般入試の場合、まだまだ高い教養はなくても高度な知識活用力でなんとかなりますし、出身高校の教育環境の質は全く関係がありません。ある意味、環境に左右されない公平な学力主義の入試ですが、それはドメスティックな枠の中だけの話です。

★ソフトパワーの国際競争力を考えた時、これからは、文大杉並のような教育環境が世界を変えるレバレッジポイントになるでしょう。DDコースの生徒がこれだけ海外大学に合格するということは、同校が世界基準で相当質の高い教育環境を作っていることの証です。

★その教育環境から日本の大学に進学した生徒は、そうでない環境から進学した生徒とは、一味も二味も違う活躍をすることになるでしょう。たしかに、大学合格実績の数は、ある程度学校選択の時に重要です。しかし、どのような教育環境で学んで大学に進学したかということが最も注視されなければならない時代がやってきました。

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2026年7月 1日 (水)

湘南白百合 理系進学に強い女子校 その理由

★湘南白百合学園の理系進学率は卒業生の約50%と非常に高い女子校です。特に医学部や薬学部などの医療系分野への進学が人気を集めています。同校の進路指導は実に特徴的です。文系・理系のコース分けのようにあらかじめクラスを分ける制度がなく、多様な希望を持つ生徒同士が刺激し合いながら進路を決定できる環境です。

★難関大学の医学部や歯学部、薬学部、看護学部といった医療系進学に強い実績があります。国公立大学の医学科をはじめ、東京大学の工学部など最難関の理系学部への合格実績が凄まじいのです。

★今年6月に発表された「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026」において、政府は2040年までに大学の工学系学部の女子学生割合を「倍増」させる(18%から36%へ引き上げる)明確な数値目標を打ち出していますが、湘南白百合は、すでにその数値を超えています。それは、なぜでしょう?

★その理由の一つに、独特の高大連携を多数結んでいるということがあります。

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(写真は湘南白百合のサイトから)

★つい先日も、東京電機大学との間で、新たな高大連携協定を締結しました。同校における大学との連携協定は、これで11大学目となります。

★そして、ここが肝心なのですが、すべての大学と探究的なプログラムを推進しているのです。

★同校では現在、未来を見据えた7つの柱から成る「グランドデザイン」を策定し、日々の教育活動を展開しています。今回の東京電機大学との連携は、そのなかでも特に「理数教育の充実」と「進路選択・支援の強化」を大きく推進するものです。

★東京電機大学とは、これまでも同校の探究講座において支援をしてもらってきたということですが、今後は協定を結んだことにより、さらに発展的な連携プログラムの実施が期待されます。

★湘南白百合の教頭水尾純子先生は、「中学生・高校生のうちから最先端の工学・科学技術に触れる機会を豊富に用意し、生徒たちが自らの可能性を広げ、将来の夢を具体的に描いていけるよう、これからも手厚くサポートしてまいります」と語ります。

★多くの高校生にとって理系に対するイメージは、情報の非対称性という壁があります。しかし、湘南白百合の女子生徒は、11の大学との高大連携で大学における研究活動に直接触れることができます。その壁を難なく乗り越えていると言えましょう。

■ 湘南白百合の中高大連携・提携大学(締結順。カッコ内は本校が推進している企画)
東京学芸大学(数学科を中心とした授業改革支援)
北里大学(医学部・薬学部講座)
上智大学(タイスタディツアー・副学長との対話)
順天堂大学(医学部講座・医師体験)
東京理科大学(学校インターンシップ協定。キャンパスツアー)
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーション研究所(中3探究への支援・探究講座・理科の授業改革支援)
昭和医科大学(医学部講座・保護者への健康講座)
東京農業大学(オホーツク学・探究講座)
神奈川歯科大学(デンタルキャンプ)
麻布大学(アカデミックキャンプ・探究講座)
東京電機大学(本協定。探究講座)

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酒井淳平先生の「教育課程の柔軟化」論

★「月刊高校教育2026年7月号」に、酒井淳平先生(立命館宇治教諭・Forbes JAPAN「10代とともに未来をひらく」先生100人の1人)の論考「探究を軸とした教育課程再構成の条件」が掲載されています。

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★いつもながら、酒井先生の熱いそして論理的で生徒愛への使命が伝わってくる言葉が敷き詰められています。

★酒井先生は、ご自身の学校で、そして多くの仲間とともに、「コア探究」を中核にカリキュラムをデザインしています。

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★単純に外延量として探究と教科をつなげるのでは、次期学習指導要領の肝であるless is moreというカリキュラムの柔軟化はなかなかできないと語ります。「カリキュラムは、科目の配置ではなく、学びの関係性としてとらえなおされる必要がある。カリキュラムの再構成は、教育課程全体を大きく組み替えるカタチで現れるとは限らない。むしろ、個々の実践の積み重ねの中で、教科と探究の関係性が徐々に変化していくことによって生じるものである。」と述べています。

★外延量としての組み替えではなく、内包量としての学びの関係性のとらえ返しなんだというのでしょう。

★それにはどうしたらよいのか?組織の関係性、思考、行動、そして「成果とは何か」という捉え方——これら多様な変容が、化学反応のように絡み合っていくということなのかもしれません。

★学校の場に参加している教職員、生徒、保護者、ステークホルダー、学びのツール、学びのフィールド、外部環境など、すべての関係性がダイナミックに変容していきます。まさにAIをオントロジー(アリストテレス以降の存在論の歴史)で見極めようという昨今の縦横無尽の関係性を生み出す座標軸としてのコア探究があってこそ成立するということなのでしょう。

★私たちが包まれる自然や社会や精神は、多彩な色や形を生み出しますが、それを映し出す光の速度は不変です。変容と不変のコア探究の座標軸。これが教育課程の柔軟化を生み出す重要な条件ですね。

★酒井先生の今回の論考は次期学習指導要領が実施されたとき、改めて読むとすでにここに本当の意図があったということを再確認することになるでしょう。予言書です。

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2026年6月22日 (月)

富士見丘 超私学の理由

富士見丘の2026年度大学入試 合格実績も凄まじい。まず驚きなのは、アイビー・リーグの一角であるコロンビア大学(THE世界大学ランキング第20位)に合格していることです。しかも、奨学金も取得しているということです。University of the Pacificにも合格しています。同大学は、世界大学ランキングでは目立たないのですが、全米の大学の中では極めて評価が高いのです。

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(多様なグローバル探究の教育環境がある中で、中1~高2まで「自主研究」が日々行われています。この個人の研究の持続力が富士見丘の生徒1人ひとりの智慧を迫力あるものにしています)

★2026年春の卒業生139名のうち、国公立・早慶上理・GMARCHの合格者数は83名です。中でも上智大学は19名です。この83名は、どの生徒も高度な英語力を持ち、中1のころから5×2という「自主研究」を継続しています。平日5日間の通常授業からの「学び」と週末(土・日)2日間の自らの「研究」の相乗効果を期待して、「5×2」(ゴカケルニ)と名付けています。それぞれの興味・関心を掘り下げることを通じて「探究」の面白さに気づき、自身のオリジナリティを発見する好奇心駆動型の学びが、生徒1人ひとりにしっかり根付いています。

★昼休みや放課後は、この研究について先生方と対話や議論をしています。ある意味、イギリスの大学のチューターリング方式が広がっていると言えます。

★この土台の上に、デザイン思考によるグローバル基礎やグローバル演習、模擬国連などの多様なグローバルな探究活動が行われています。

★また、国語の小論文指導や英語のエッセイライティングのきめ細かい指導は、バイリンガル型の論理的思考、批判的思考、創造的思考の基盤を形成しています。

★このように、一条校でありながら、オールイングリッシュの授業やグローバルプログラムが広がり、チューター型の対話と議論によってバイリンガル型の論理的思考・批判的思考・創造的思考が定着していく教育環境があります。

★もはや日本の高校を超えている教育環境であると同時に大学レベルのチューター型の教育がなされているのです。

★したがって、先の83名が海外大学に挑戦するなら、多くの生徒が海外大学に合格するでしょう。つまり、60%以上の生徒が世界大学で高い評価を受けている海外大学に合格する能力が育っていると言えます。まさに超私学です。

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2026年6月20日 (土)

駒沢学園女子 学校改革プロジェクトチーム4つの質を豊かに 英語コース1期生の成果期待

★ときどき受験市場で、宗教系の学校は人気がないと誤解されるような言い方がされます。これはアンコンシャスバイアスです。東京の仏教系の私立学校を眺めると、人気校が多いからです。世田谷学園、芝、佼成学園、佼成学園女子、武蔵野中学、淑徳、淑徳巣鴨など仏教教育を土台に進学実績が飛躍的に伸びています。佼成学園や淑徳、武蔵野中学などは、海外大学進学準備教育も万全です。

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(頻繁に学校改革プロジェクトチームのメンバーが打ち合わせをし、学校全体がブレークスルーする仕掛けを企画実施しています)

★駒沢学園女子も世田谷学園と同じ曹洞宗で、その仏教教育を現代化したグローバル探究の成果は徐々に出てきました。来春、高校の英語コースの1期生が卒業します。すでに多くの仏教系の学校が、それぞれ特徴的な教育を行っていますが、それは駒沢学園女子も同じです。しかも、仏教教育はどの仏教系の学校もとても大事にしています。ある意味、駒沢学園女子は期待すべき知られざる未来の優良学校の一つです。

★ところが、まだその魅力が受験市場に十分に広まっていません。そこで、MITのダニエル・キムなどがいう4つ関係の質をさらに充実しながら、成果も生み出す魅力的な教育システムを多くの受験生に知ってもらう総合的な取り組みを学校改革プロジェクトの教師チームがアクティブに対話しながら行っています。

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★私は、普段この学校改革プロジェクトのメンバー以外の同校の先生とよく対話しています。その先生は新しい生成AIを使った授業の研究をしている私学のプロジェクトに私といっしょに活動しているのです。授業実践報告を東京の私学の先生方と共有するWS(ワークショップ)などで活躍しています。このような学校改革プロジェクトが行われるとき、メンバーだけが盛り上がっているというケースは多々ありますが、駒沢学園女子はそういうことはないというのが、メンバー以外の先生方の存在が証明しています。

★それから、宗教の教師が、実はほかの仏教学校からも高く評価されています。その先生は、仏教の大切な「四諦」という考え方を同校のグローバル探究のシステムに置き換えて説明してくださるのです。仏教とグローバル探究を結び付けるというのは、生徒にとっては転移という異質のもの同士を結び付ける最高の学びの能力なのですが、宗教という授業の中でも展開されているということに感動です。たとえば、食会という食する行為が真理の世界に結び付き広がっていくのです。

★グローバル教育の時に日本の精神を形作っている仏教精神が根付いているというのは、今後ますます重要になってきます。

★それから、同校のの宮崎遼先生と斉藤麻衣子先生が、生成AIを活用したライティング授業のモデルの開発で、東京都私学財団より表彰を受けました。そのことが全私学新聞でも紹介されています。確実に、関係の質、思考の質、行動の質、成果の質が循環している魅力的な教育が広がっています。来春の成果に結びつく、今後の教育の活動をウォッチしていきたいと思っています。

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2026年6月19日 (金)

カトリック学校の経営の様々

★カトリック学校は、聖光グループのように新しいことも実施しながら、東大や海外大学、医学部の実績を出して輝いているところもあるし、栄誉ある撤退をするところもあります。

★また、カトリック学校をやめて、他の学校法人に譲渡する学校もあります。その譲渡によって人気が出るのであれば、カトリック学校のままでもなんとかなるのではないかと思うかもしれないが、マーケットのブランドの威力に抗うには並大抵ではない。第一資金が必要です。

★ほかの修道会の学校の傘下におさまるカトリック学校もあります。

★少子化の影響はやはりすさまじく、首都圏でも上記のような動きがあるのです。

★少子化の影響は、まず女子校を襲いました。打撃を受けた女子校は共学になり、新しい教育を導入し、導入しただけではなく、セオリー通り実施したところは、起死回生を巻き起こしています。

★そして、その次に、カトリック校に影響を与ええているのです。プロテスタント学校は、プロテスタンティズムと資本主義という両輪をうまく回しているので、同じキリスト教の学校でも打撃は受けていないのです。

★シュンペーターによると資本主義の萌芽は、カトリックの修道院から生まれたと言われているのですが、その理解とは逆のカトリック学校もあるし、聖書とそろばんだというカトリック学校もあります。前者から少子化の影響を受けることになっているようです。

★修道会の力が強かったときは、よかったのですが、その力が弱まったとき、自律的経営にシフトできないかった場合、そうなるのは火を見るよりも明らかです。

★高尾のポツンと山の中にある聖パウロ学園は、20年以上前にパウロ修道会は手を引きました。自力でふんばっている珍しいカトリック学校の一つです。勤務している教師の対話力や新しい学びへの意欲はすさまじいので、持っているのでしょう。

★このようなカトリック学校は教育の文化財かもしれません。ぜひ資本を投下してほしいと思います。もちろん、カトリックの理念はそのままにしてくださいね。

 

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2026年6月18日 (木)

成功する学校組織 4つの質の循環をつくる5つの対話

★学校は、私立公立を問わず、幼小中高大どこでも、激減する少子化が押し寄せてくる状況に日々経営と教育をどうするのか議論が絶えません。私は私立中高の先生方と毎日対話することが中心になっていますが、サバイバルできる学校は、武器としてはAIとグローバルの教育を世界を巻き込みながら構築し経営していく学校というのはもはや当たり前になっています。

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★しかし、どこの学校も同じ武器を使っても、サバイバルできるかどうかは同じではないのです。では、何が違うのでしょうか?それは組織の質です。そんなこともあって、MITで、ピーター・センゲといっしょに学習する組織研究センターを立ちあげたダニエル・キムの著作が今年4月に邦訳され発刊されました。

★私は「学習する組織」の理論の根底にあるシステム思考を2人の著作から学びました。SDGsの生みの親ともいえるドネラ・メドウズのシステム思考や彼女が悲しくも亡くなった後、友人のピーター・センゲがひきついだ理論を読み漁っていました。邦訳されていたからです。ところが、ダニエル・キムの今回邦訳された本は、原典は2001年に書かれているのです。25年たって邦訳。なぜでしょう、

★おそらく企業にとっては、ダニエル・キムは、直接企業の現場に近い事例を挙げてシステム思考を展開してくれているし、4つの質が循環する組織が成功するのだと論じているからでしょう。ドネラは世界システムの大きな話になっていくし、ピーター・センゲはスピリチュアルなところもあるので、プラグマティックな色は薄いと感じられるかもしれません。ですから、二人は逆に学校で多くの先生方に読まれてきたのでしょう。

★ダニエル・キムは、企業のコンサルタントが部分的によく引用していますから、ますます教育から遠かったのかもしれません。しかし、学校も、特に私学は経営が大事です。ダニエル・キムの本はシンプルに役に立つと思います。

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★私は、最近、学校の先生方と対話しながら、ダニエル・キムの4つの質の循環に、思考コードという基準を使って長年向かい合てきたと気づきました。

★そして、これが循環している学校の先生方は、5つの対話をこの4つの質を生み出し、つなげるときに自在に選択したり組み合わせていることに気づきました。

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★4つの質が循環するとき、放っておいても循環しません。常にあらゆるシーンで対話が行われているのです。その種類は次の5つです。

❶共感的対話

➋論理的対話(トウールミンモデルなのでロジカルとクリティカルが融合)

❸物語的対話

❹創造的対話

❺交渉的対話

★これらを巧みに使い分けしたり融合したりして対話していきます。もちろん、パーパースに向かっていくのですが、実はパーパスは表現が同じでも、パーパスの質も無限に豊かになっていくのです。ここは企業と私学教育の違いかもしれません。

★サバイバルしていく学校は、4つの質の循環を5つの対話でつくり、そこからパーパスに到達するのですが、そのパーパス自体の質が滾々と豊かさを生成しているのです。

 

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2026年6月14日 (日)

学校法人OCC 教育テック大学院大学の提言書 標準的な教育改革視点を共有

★学校法人OCC 教育テック大学院大学が教育改革について提言書を出版しています。「教育テック 教育問題の見方・考え方の大転換」(教育テック大学院大学 編集 学事出版 2026/6/5)がそれです。帯に「教育DXとは、授業改革ではない。あらゆる教育機関の『生存戦略』である。」とあったので、経営者はやはり「授業」に興味がないのかと思って購読してみることにしました。目が不自由なので、kindle版が出るのを待ちたかったのですが、次期学習指導要領や都教委の2040年に向けた教育戦略が実施され始めているため、それらとの関連性を考えるためにもと思い紙で読んでみることにしました。ルーペで見ながらは、しんどいので、結局次にあげる目次が提示しているテーマや問いを読む前に、自分で考えるということになりそうです。

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★とはいえ、目次を見ると、市民がクリティカルシンキングをする重要なそれでいて標準的なテーマや問いが設定されています。これは、多くの人が読んだり、考えたりすることは、とても大切であると思います。

★最終章の3段階の教育テックロードマップに、各章の議論が集約されていくわけですから、私の想いとはそう違いはないよな気が今はしています。

【第I部】 生存への決断──危機編
第1章 「学費依存」から抜け出すための財務革命 植草 茂樹
第2章 公教育の再設計──「新しい公共」としての学び 木岡 一明
第3章 デジタル変革を支える「教育行政」の新たな役割 合田 隆史

【第II部】 学習者中心の革命──解決編
第4章 AIは「第二の先生」になれるのか? 秋田 次郎
第5章 LLM(大規模言語モデル)が実現する「自分専用の家庭教師」 大和田 茂
第6章 デジタルネイティブのこどもたちが選ぶ「未来の教室」 松田 孝
第7章 遊びの中にこそ「本物の学び」が隠れている 河﨑 雷太
第8章 学校は「リアルな場所」である必要があるのか? 竹村 治雄

【第III部】 組織の再定義──実装編
第9章 先生は「スーパーマン」でなくていい 妹尾 昌俊
第10章 保育現場を「持続可能」にするDX人財戦略 山本 淳子
第11章 AIカメラが可視化する「教室の熱量」と教育CIOの役割 原山 青士
第12章 「学び」を数値化し、教育の質を証明する技術(EBE) 秋田 次郎
第13章 大学・学校の「評判」をデータで守り、高める新戦略(IR) 山田 礼子
第14章 選ばれる学校になるための「信頼」の作り方 柴山 慎一

【第IV部】 社会的共通資本への道──希望編
第15章 学びの「生態系」を創り、教育をアップデートする 山田 恒夫
第16章 大学は「終わった」のか? 生涯続く学びの未来 織田 竜輔
第17章 世界市場を視野に入れた「教育の届け方」改革 藤本 典裕
第18章 学校を地域と地球の「幸せの拠点」にする方法 大和田 順子
第19章 産学官連携DXが描き出す、2030年・2040年のシナリオ 都築 稔
第20章 教育データ活用の「舵取り」をどう担うか? 林 正幸

【終章】
第21章 教育テックロードマップ2035──その先へ 根岸 正州

★ただ、教育DXは、授業改革ではないということは実際にはどこに書かれているかは、読んでみなければわからないなあと。授業改革は、3つの段階があります。

❶授業方法の改革

➋生徒の学び方の改革

❸コミュニケーションのメカニズムの改革

★たしかに、第2段階までは、教育DXにおける改革から見ればミクロの話かもしれません。しかし、ミクロはマクロにつながっています。授業の中で行われる対話を動かす内的なコミュニケーションのメカニズムの改革はマクロに通じるのです。

★ただ、これは本質的な話なので、大学などの生徒獲得という意味での戦略には直接結びつかないかもしれません。

★とはいえ、コミュニケーションのメカニズムの変容は、アンコンシャスバイアスを見破ったり社会の階層構造を把握したり、社会課題の背景などを知り、新しい知識を創出し、問題解決の実装を生み出したりして社会を善くするエネルギーの源泉です。

★グローバル教育であれ、都市経済プロジェクトであれ、多様な探究であれ、このコミュニケーションのメカニズムをどのように変容させていくかにかかっています。学習者中心主義というなら、ここは外せません。

★この点について、どの章で論じられているのか、読んで確認してみたいと思います。

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