創造的破壊

2023年1月27日 (金)

「主体的」を考えるヒントの1つか? ジルベール・シモンドンの新装版

★ここ数日、勤務校の通信制高校の先生方と対話していて、自分がカバーしてこなかった重要な視点を頂きました。最近接領域と合理的配慮はサポートのあり方として似ているけれど、合理的配慮は相互理解ではなく相互作用なのだと。勤務校の全日の面倒見がいいというあり方には、最近接領域を超える合理的配慮もあったにもかかわらず、それをも最近接発達領域として理解している自分がいたわけです。

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「個体化の哲学〈新装版〉: 形相と情報の概念を手がかりに (叢書・ウニベルシタス 1083)  2023/1/25」ジルベール・シモンドン (著), 藤井 千佳世 (監修, 編集), 近藤 和敬 (翻訳), その他 

★しかも、合理的配慮(翻訳があまりピンとこないのですが)は、教育用語ではなく、差別撤廃のための新しいコミュニケーションのあり方で、すでに国連が採択し、日本も批准していたわけです。法律にもなっていて、新たな権利を支える国民の責務でもあるわけです。

★勤務校の通信制高校の先生方は、合理的配慮をフッサールの哲学をベースに捉え直していますが、さらにメルロ・ポンティの発想もとり入れている先生もいて、深いのです。とはいえ、日常の学園生活で、哲学用語を使って教育を行っているわけではないのです。

★理念や理想としての合理的配慮ではなく、いまここでナチュラルに生成される合理的配慮なのです。

★そんなわけで、いろいろ調べていくと、メルロ・ポンティにも学んだフランスの哲学者ジルベール・シモンドンの著作に出会いました。

★改装版として、1月25日に出版されたばかりです。ネットを調べていると個体の捉え方を、原子論的実在論でもなく、質料形相論でもない新しい捉え方だとかいうわけです。シンギュラリティやアラグマティックなどという考え方と個性化作用がかかわっていると言われたりしています。

★読んでみないとわかりませんが、何せ分厚いし、kindle版がでていないので、字が小さくて困ります。

★ドゥルーズやガタリに影響を与えているのですから、物象化ではなく、関係性の話だろうとは思いますが、その生成過程に挑んでいるのでしょうから、知りたいという意欲がでてきたわけです。

★ふだん「主体的」とか「対話的」とか簡単に使っていますが、「合理的配慮」をめぐり、もっと多角的だし複雑系だし多次元な領域がそれぞれの背景には広がっています。

★勤務校の通信制の教師の実践を理解するには、先生方の身体図式を理解する必要があります。全日制にも困っている生徒はいます。そこを媒介にすると、通信制も全日制も連続することが明確にわかるはずです。

★今は、制度上境界線があります。その境界線を越えたとき、その制度そのものが壊れます。

★新しい教育改革。しかも意図せずナチュラルに変化が生まれてくるシンギュラリティが生まれてくるかもしれません。

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2023年1月16日 (月)

【速報】湘南白百合 すべての試験で前年の出願数を超える

★本日16日の15時現在、湘南白百合のサイトで出願状況が更新されました。出願総数はすでに前年を超えていましたが、本日の次の数字は、すべての試験で前年の出願数を超えることを示しています。

算数1教科入試:125
国語1教科入試:226 
4教科入試:264 
英語資格入試:19   
合計:634 

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(写真は、同校の公式facebookから。探究の授業シーン)

★出願総数の前年対比は、127.3%です。日々出願数は更新されていますから、締め切りの30日にはどこまで伸びているのでしょうか。

★一方で、少人数サイズの学校ですから、今までにない数の受験生に対応するのは、もしかしたら先生方にとっては大変かもしれません。

★ともあれ、湘南白百合の教育の魅力に気づいた受験生が激増していることは間違いありません。

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2023年1月15日 (日)

2023年首都圏中学入試動向(02)1月10日~12日の埼玉入試出願動向から見えるコト 転換激しい埼玉エリア

★本日は大学入学共通テスト2日目。受験列島ピークに向かっている日本。首都圏中学入試も10日から埼玉エリアから始まっています。同エリアでは、1月10日から12日までが中学入試の数が多いので、その出願状況を見てみましょう。前年対比順と出願人数順ベスト20位の表を並べてみました。

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★両方にランクインしている学校を五十音順に並べると、次のようになります。

1浦和実業学園
2栄東
3開智
4埼玉栄
5昌平
6星野学園
7西武台新座
8大宮開成
9武南
10獨協埼玉

★50%が、前年対比も高く、出願者数も多いということですから、埼玉エリアで安定した人気を獲得しているのでしょう。80%は、大学進学実績を出すためのカリキュラム以上の革新的な教育をプラスアルファーして話題になっている学校です。

★出願数として1000人以上集めるわけではないですが、前年対比が飛躍的に伸びている細田学園などは、革新的教育改革を行って埼玉エリアでその評価を得始めています。

★このような革新的教育を総称して21世紀型教育と私は呼んでいるわけですが、埼玉エリアの私立中高一貫校は大きく21世紀型教育に舵をきっていると言えるでしょう。東大を頂点とする大学合格実績を出すことが第一義的なパーパスだった埼玉の教育が、その伝統を継承しつつ21世紀型教育に変わることは、首都圏においてのみならず日本の教育において、極めてポジティブに衝撃的なのです。

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2023年1月 9日 (月)

新春GWE第110回 石川一郎先生の粋な未来の教育展望

新春GWE(GLICC Weekly EDU 第110回)は、「私立中高 新しい教育の動き~石川一郎先生 2023年度の展望」。石川一郎先生の快刀乱麻のごときトーク。痛快丸かじりだけれど、人気がでるあるいはサバイブできる学校とは何か?確信1歩手前の粋な配慮がおもしろかったですね。新春GWEにふさわしいお話でした。

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★石川一郎先生は、久しい間現場で教師経験を積み上げ、理事・校長まで経験。私立学校は、教育の論理と経営の倫理の両輪が最低限必要ですが、その両輪を回すマインドとスキルを有しています。

★しかし、今回のGWEでのお話からもわかるように、これからの私立学校のガバナンスは、理事がそれぞれの役割を果たせる専門知・技術をもっていなければならにということを、石川先生がかかわっている学校の1つ星の杜で示唆されていました。

★多くの学校の理事会は、経営能力の高い理事長と会計や法律の専門家、教育の専門家、同窓会などで占められていますが、教育の専門家が校長だけではなく、探究、リベラルアーツ、情報など21世紀型の教育について見識の在るディレクター集団を抱えることの重要性についてさらりと話されています。直接話すと野暮ですが、そこは石川先生ですから、粋なトークで示唆していました。

★もちろん、理事の数は限りがあるので、理事長や教育専門の理事の直轄部隊があればよいわけです。

★星の杜は、その理想に近いガバナンス形態をとっているようです。理想と現実の一致をしかけるのが同校の理事でありチーフカリキュラムディレクターである石川先生の役割なのでしょう。それについては、石塚校長と石川先生が対話している記事が同校サイトに掲載されているので必見です。

★そして、石川先生の本領発揮は、ようやく21世紀型教育を望む保護者が増えてきたという動向や、まだまだ21世紀型教育に飛べない日本の高校現場の課題とそれを解決する飛ばす方法を少々、生徒自身は教師の21世紀型教育手法によって、いくらでも主体性が引き出されるのだという可能性などについて広く深くはなされたことです。

★いずれにしても、21世紀型教育への道は、もはや夢でも理想でもなく、現実にどんどん開かれていくという動向について多くを語られました。2030年くらいまでに21世紀型の私立中高一貫校は拡大し、主流となるでしょう。

★もちろん、石川先生はさらりとなんちゃっても含めてねとクリティカルな面も。それから小規模大学で、現状偏差値も高くないけれど、改革を行っている大学の情報発信ももっとしていくのが使命だとも語っています。先生自身の教育コンサル事業の幅がまた広がっているという予告もされていました。

★インフルエンサー石川一郎先生が活躍するということは、日本の教育の未来も同時に広がっていくということを示唆するバロメーターでもあります。さて、ユートピアかディストピアか。どちらのシナリオプランニングを描きますか?

★石川先生なら、第3の道ですねと語るかもしれません。プラグマティックなリアリスト。教育にかかわるマインドとして大事ですね。2023年の光をありがとうございました!

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2023年1月 7日 (土)

2023年首都圏中学入試動向(01)1月10日埼玉入試出願者数増

★1月10日首都圏の中学入試は、埼玉から本格的にスタート。当日の出願者数(全36入試校)は、18, 328人で、前年対比101.9%(日能研倍率速報1月6日現在)。出願締め切り校は、まだ22%がゆえに、当日はもっと増えるでしょう。

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★それにしても、1月10日の栄東の志願者は5000人を超える圧巻。高い大学合格実績とAL(アクティブラーニング)という学びの徹底。この2つのベクトルの合力がすっかり同校の特徴となり、この21世紀型の中高一貫校の教育は、埼玉エリアにおいてもロールモデルになりました。

★ALの徹底度の違いによって、その魅力の大きさも相関するようです。栄東は、各教科の授業においても、キャリアデザインにおいても、探究の時間においても、行事においても、国内外の研修旅行においても、およそあらゆる教育活動においてALはコアラーニングシステムになっています。

★ある意味、IBのコアラーニングの発想に近いかもしれません。とはいえ、教科とALはなかなか結合しないというのが、一般的な現状です。またALと大学合格実績が結合するというのもなかなか難しいのが普通です。

★しかし、上記の一覧に載っている学校は、なんらかの形でALを行っているのは確かでしょう。

★学習指導要領でも「主体的・対話的で深い学び」と「総合的な探究の時間」を行うことはマストですから、2025年までには、埼玉エリアは栄東モデルに接近することでしょう。開智グループは、IBのエッセンスをすでに共有しているし、昌平もIBコースを設けています。ますます、栄東モデルは浸透しますね。

★埼玉エリアは、帰国生入試がまだ盛り上がっていないので、グローバル教育よりALが目立つカリキュラム構造になっています。

★1月20日から中学入試が本格化する千葉エリアの私立中高一貫校は、逆に渋谷幕張が帰国生入試で牽引しています。東邦大東邦や市川も力を入れていますから、グローバル教育に力点を置いた21世紀型教育のカリキュラム構造になっていくのでしょう。

★東京・神奈川エリアは、ALやグローバル教育のバランスがいいんですね。というのもその両方を望む保護者が多いからです。もちろん、意識というより保護者がどのような仕事についているかだと思います。

★ALやグローバル教育より、東大を中心とする超難関大学や医療系大学の実績が大事だという保護者の仕事は、おそらく医者などそのほか国家資格を取得して仕事をしている家庭層だと思います。あるいはその仕事を望んでいるか。

★とはいえ、そこだけに特化して高い大学実績を出しているところは、実はかなり限られていて、今では特異点という様相を示しています。

★開成などは、グローバル教育というかグローバルな視野も大いに重視しています。たしかに東大合格実績は凄まじいですが、どうやらそれだけではないことは2013年以降明らかになっています。

★家庭のサバイバル意識の高さ、首都圏のサバイバル意識、日本のサバイバル意識、世界のサバイバル意識、それぞれ直接関係ないように思われますが、その意識をもって仕事をしているプレイヤーは確実に重なっています。経済的には、それは富の偏在だと批判する学者もいます。

★政治的には、リーダーを生む拠点づくりということをほのめかす見識者もいます。

★教育的には公平性に疑問を投げかける人もいます。しかし、私立学校の実存的問題解決には、善きリーダーシップを輩出する教育環境システム作りということになります。その善なる基準である建学の精神は、各学校によって表現は違いますが、みな一人一人の能力の開花とそれが社会貢献につながるという黄金律と親和性があります。

★そして、時代の精神は、この個別最適な学びと協働的な学びの一体化が求められているのは、パンデミック、ウクライナ、気候変動がもたらすクライシスが身近に迫っていることから、多くの人が気づいてもいます。

★この混迷の時代に、なぜ中学入試が魅力的なのか?一面的なものの見方をしているとバイアスの罠に陥ります。多面的に議論する必要がありますが、それは実はまだまだ不十分ですね。それがゆえ、2023年は、そこを多面的に議論する機会が生まれるような気がします。

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2023年1月 5日 (木)

2023年 日本の近未来や世界のコトを多くの市民が考えることが日常になる(4)中等教育の学びと社会課題の結合の質がアップデート

★2023年の問題というか社会課題についてネット上や書籍ですでに多様に多角的に論じられています。思いつくままスライドに書き出してみました。これらは、かつては、ビジネスチャンスとして社会で働く人にとっての情報でしたが、今や中高生も考える時代になっています。新学習指導要領以前は、それらの社会課題を考えるうえで、基礎学力が大事だとあたかも嘯かれていました。パンデミックやロシアのウクライナ侵攻、気候変動などの問題が身近な生活に迫ってくる実感がある現在、それは一面の真理でしかないことはみな了解済みです。それでもあえて、そんなことを言っているとしたら、目の前の問題から逃げていると思われるでしょう。

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★とはいえ、中高生が実際に現場に行って社会課題を解決できるのか?しなければいけないのか?といわれたら、回答に窮するのも事実ですね。社会課題は、社会が組織的に解決していく必要があります。教育は、その解決者の育成機関でもあります。

★日本は、まだその育成機関をもてる環境があります。この環境を持続可能にするには、中等教育機関での学びが、社会課題とどのように結合できるようにするのかプランニングする必要があります。

★その一つが、「主体的・対話的で深い学び」であり、「総合的な探究の時間」です。基礎学力は必要なのですが、それが社会課題を解決する時にどのように結合するのかシミュレーションするのが、「主体的・対話的で深い学び」です。このシミュレーションが行われず、知識のインプットだけしていてもどうにもならないことは、もはや当たり前の感覚になっています。

★そして、社会課題は山ほどありますが、そのどれにも共通している問題=共問題があります。それを見つけて、そこを解決する構想を立てるのが早道です。そのような共問題の問いの構造を見出すクリティカルシンキングとはいかなるものでしょうか。

★これについても、昔から気づかれています。ダブルバインドとかトレードオフとかパラドクスとかジレンマとかいう共問題のシンプルな構造をモニタリングする思考です。これは解決不能のように錯覚されがちですが、解けなければ、地球そのものが消滅してしまうでしょう。そうなっていないのですから、まだまだ解決の希望はあります。ただ、たしかに限界はあります。

★そこに達する前に解決する必要はあります。

★もしかしたら、時間はないかもしれません。2023年はこの切迫感が広まる年かもしれません。よって、中等教育の学びと社会課題の結合は、その共問題の問いの構造を見破るという思考ソフトの育成をコアにして結合することが当たり前になります。

★社会課題の現象面を調べて、いま取られている解決方法を並べるだけでは、解決していないという確認をするだけであるという段階から、問いの構造を明らかにする知性を育成する段階に進む必要があります。

★しかし、今までの解決では解決できないという確認ができる学びが完成しているわけですから、ようやく次のステップに進めるわけですね。

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2023年1月 4日 (水)

2023年 日本の近未来や世界のコトを多くの市民が考えることが日常になる(3)日本経済が安定的になる可能性もある 情けは人のためならずマインドがゆえ

★年末、日本銀行は金融政策の一部を修正しました。経済ニュースでは、金利は上昇しやすくなったため、これまでに比べると、外国為替市場で主要投資家は円売りを仕掛けづらくなるのでないか。それゆえ、徐々に円高に向かうのではないかと報道していました。

★すると、大発会では、株は落ち込んだが、円高に。

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★経済界や金融界の予想が当たったというより、巧みなコントロールがまだきいているということでしょう。株価が安くなれば、円が高くなり、株価が上がれば、円は安くなるという相互作用があるから、なんとか安定しているという感じ?

★とにかく、経済界や金融界は、グローバルな範囲で、膨大な人が仕掛けているからわかりにくいけれど、基本は人気投票。でもそれは表面的現象ではない。視聴率や偏差値がよいかわるいは、かっこにいれておくとして、このシステムが成立するには、長い歴史と人間的なしがらみが複雑。その根底にあるものは、やはり人間の感情。この感情の重層トレンドを作り出すシステムが広告代理店だったり、経営戦略だったり、それに影響を与えるあるいは与えられる経済ポリシーが絡んでいます。

★魅力づくりやブランドづくり。まさに人気や評判作りだけれど、そこに最近は社会貢献やSDGsが絡んできています。

★表面的だろうが、本質的だろうが、人々が心地よい感情をもちたいというトレンド作りを抑圧しないシステム(そういう暗躍なのかもしれませんが)がある限り、良し悪しは別として日本社会は安定する可能性があるでしょう。

★もちろん、行き過ぎた軍事大国路線は、戦争に向かうので、そうなったら安定もクソもないけれど、限界線はどこかを探りながら、良好な感情を持続したいという感情は日本人は強いと思います。

★哲学がない日本、宗教教義のない日本、ほとんどのおとなが中学生レベル(ひろゆきさんの言説)の日本(義務教育が行き届いているということでしょう)。そうよくいわれています。当たらずともいえども遠からずでしょう。

★だからこそ、もののあわれ、わび、さび、キレイさび。。。繊細な感情かどうかはともかく、感情を大切にするのですね。

★しかも、地政学的にいっても、不安定の中の安定性が意外と評価されるのが日本。

★もし日本が危機に陥ったときは、世界のネットワークで生きている日本ですから、そのネットワークが切れた先が危なくなっているということです。

★そうならないようにする日本人。なぜなら、わたしたちは「情けは人のためならず」という感情を大切にしているからです。キリスト教の黄金律とはだいぶ違いますが、行為としては共通点がいっぱいですね。

★たぶん、愛知県や三重県あたりの経済界には、近江商人の三方よしというマインドがあります。黄金律というより、情けは人のためならずに近いマインドだと思います。

★戦国の不安定の中で安定を求めるマインドは、意外と普遍的価値を持つのかもしれません。

★落合父子のグローバルな観点とは真逆な日本ですが、そういう日本だから落合父子のような魅力的なアイデアが生まれるという考え方もあります。

★そうそう、テレ朝 1/4(水) 8:09配信で、こんな配信がありました。<日本は今月から2年間、国連安全保障理事会の非常任理事国となり、今月は議長国も務めます。石兼国連大使は「理事国の責任はこれまで以上に大きくなっている」と述べました>と。

★落合陽一さんの先輩たちは、そうはいっても世界のリーダーシップを発揮するという知性はもっているのです。ただ、それは黄金律によるものではないでしょう。たぶん「新しい自然」というマインド。情けは人のためならずは、まさに日本的な自然情緒の象徴だと思います。落合さんの新しい自然システムは、まさに彼らの考えるムーンショット構想2050のベースになっていると思われます。

★麻布マインドではなく開成マインドですね。数学的思考の行き着く先。

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2023年 日本の近未来や世界のコトを多くの市民が考えることが日常になる(2)吉田麻也選手 子供たちに英語の学びのすすめ

★未だに英語社内公用語批判がある日本です。4技能英語を大学入試に適用することも批判される日本です。英語を強調すると、本質的ではないと批判する見識者もまだいます。そういう方々が、何を理想としているのかわかりません。実存的な現象はたしかに、本質に先行するわけですから、それを批判されても。そう思っていたら、今回のサッカーのワールドカップで、サッカー選手が世界で活躍するのは必須で、そのためにスポーツ能力だけではなく、英語が大事だというのが当たり前になっているではないですか。

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★特にあの吉田麻也選手は久しい間、小学生から「サッカー選手になりたいんですけど、何をしたらいいですか」と聞かれたら、「英語を勉強したほうがいいよ。」と。しばらく、これは意外な答えだと語り継がれてきましたが、もはや意外でも何でもなくなりました。

★ワールドカップの番組は、バックヤードも見せてくれます。すると、試合に向けてのミーティングや試合前のロッカールームでの様子では、コミュニケーションがいかに重要かということが公開されていました。

★日本の選手が海外のチームで活躍するには、同じようにミーティングやディスカッションに参加しなくてはならないわけです。ですから、あの川島選手などは、英語以外に、イタリア語やオランダ語も堪能だという話ですね。

★もちろん、大学入試と違い、英検準1級以上が必要だという話ではありません。

★しかし、サッカー選手は、ディスカッションなどは、資格試験の基準を「振り蹴っている」可能性があります。

★もはや、そのようなサッカー選手の英語力は、使える英語力とか意思の疎通をはかる英語というレベルを超えているからです。エネルギッシュで賢い人間力としての英語力なのでしょう。

★言語道具論から言語存在論への転換をサッカー選手をはじめ、グローバルな地平で活躍しているアスリートは語っているような気がします。そして、グローバルな世界は終わったとかいう人は、それは現状の世界経済の懸念の話であり、ひと・もの・かね・情報・文化・心がone earthになるダイナミズムは止められないわけです。

★そんなのは、表面的な現象に過ぎないという人もまあいるでしょうね。でもだいたい表面的な見方しかしないと語る人の多くは、自分は安全地帯にいて、高みの見物をしているということに気づいていないのです。

★それはともかく、グローバルな視野を養う教育は当たり前になったということですね。そのときに、英語ぐらいは使うでしょうというのも当たり前になっているわけです。

★2020年から小学校高学年では、英語は教科になっています。その前から移行措置が行われていますから。2030年には、確実に当たり前になっていますね。昔から中学以上で行われていたわけですが、授業が主体的・対話的で深い学びだったわけではなかったですが、今回の英語の教科化は、授業の転換とも同期しているのです。

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2023年 日本の近未来や世界のコトを多くの市民が考えることが日常になる(1)探究活動の国民的定式化

★正月三が日、ニュースや本を読んでいました。いつもの年とは違い、日本全体が冷静に物事をみて、確実に未来をつくっていく肯定的な動向が静かに進んでいると感じました。たとえば、孫とおかあさんといっしょなどEテレを見てすごしていたので、ずっと2チャンネルを流していたら、NHK高校講座の総合的な探究の時間の再放送が流されているのに遭遇。しばらく見ると、標準化されていていい感じだなあと。

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★新しい探究ではなく、よくある探究を定式化していました。しかし、リサーチや観察の動機、探究のプラン、実行体験、気づきや仮説、再度体験、リフレクション、そして仮説の検証の結論、次に繋がる課題の設定など、探究活動の組織化ができていました。サイトをみると、やはり、すべての回が、この組織化にしたがっています。いわば探究のルーチンですね。それができあがっていました。

★テーマや社会課題はよくあるもので教科書的知識を超える者は少ないようですが、そこはNHK講座ですからそうなるのは当然です。この組織化は、指導案型というよりインストラクショニズム型であり、多少enquiry based learningにもなっていました。

★たしかに、テーマや問題の設定はストレオタイプですが、この探究の組織化が生徒のものになれば、自分で問題を発見し、解決する活動をしていくでしょう。そうなれば、生徒自身が自らPBLに移行していけます。そのために、知識・理解の段階から適用の段階に移れるように、ワークショップ型の授業構成になっていました。

★NHK高校講座で、定式化されているのですから、これは特別な組織化ではなく、広く全国の高校生が扱えるし、学校の教師が参考にできます。

★そういえば、子どものための哲学対話もNHKで扱われていました。多くの学校で、取り入れられています。

★ただ、哲学の方は時間割以外で設定しなければならないので、公立学校ではなかなか難しいですね。学校の働き方改革問題は、時間割外の哲学対話には消極的になるでしょう。

★しかし、総合的な探究の時間は、少ないと言えども時間割の中でできます。このような仮説を立てて、インタビューや実験をして、検証する学びのプロセスを日本の高校生がみな習得すると、すごいことになります。

★主体的・対話的で深い学びもこの探究の時間と相互作用を果たすことになるでしょう。

★このような深い学びの授業や探究の授業を通して各生徒がそれぞれの思考過程ルーチンをつくるようになると、学校の教師が過小評価しても、生徒の方はそんなのは関係なく、自分の未来を拓くでしょう。自分の未来は、善き教師に遭遇した時、開かれることもありますが、そうでない教師に出会ったときこそ、予測不能に対応する探究する思考のルーチンが役に立ちます。自分で乗り越えていけばよいのです。

★深い学びや探究は、真を自ら追究できるようにする思考過程を身に付けることですから、レッテル張りする教師(良い悪いにかかわらず、人の意見はその人のものの見方に依存している)のそのレッテルを自らぶち破っていけばよいわけです。

★NHKを協力者にする文部科学省恐るべしですね。

★もちろん、それでみんながそのレベルの探究を体験するかどうかは、ちゃんとリサーチしなくてはなりません。おそらく文科省はアンケート調査やヒアリングをするでしょう。

★しかし、それは時間がかかります。効果的なPBLや探究はいかにしたら可能か?そこは問題です。しかし、主体的・対話的で深い学びや総合的な探究の時間が行われるのが当たり前となることは、対話やディスカッションが当たり前になるということです。

★これを抑圧することは反動的とみなされる時代がやってきたことは確かだし、対話やディスカッションが必要だとする市民性は、世界のリーダーシップを発揮できます。地政学上、日本のデモクラシーの質の向上やもっと転換することに期待がかかるので、こうした教育は世界にとっても歓迎されるでしょう。

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2023年1月 2日 (月)

ドネラ・プロジェクト(27)ウサギアヒル 未来思考のC‐Question

★2023年はウサギ年。干支がウサギですから、除夜の鐘がなるや、低迷した政治経済、そして生活世界が飛躍すること・転換することが願われていますね。次の図は、ウィトゲンシュタインが「哲学探究」で、心理学者ジャストローの図版から引用したウサギアヒルを書き写したものです(もとはなめらかな曲線なんですが、書き写したので、ぶれています 汗)。ものの見方・考え方・感じ方を変えることについてウィトゲンシュタインが考察する契機とした幾つかの図版を使っているのですが、ウサギ年の2023年には、こちらがよいかと。

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★未来思考や主体的関係性を生み出す体験のうちの1つC-Question体験として年始にはなかなかよい問題かと。新学習指導要領で「探究」が騒がれていますが、このトリックアートを使っているウィトゲンシュタインの「哲学探究」を読むのもいいかもしれませんね。もちろん、哲学ではなくて、「錯視」を扱う心理学に興味を持つのもよいですね。

★しかし、未来思考や主体的関係性は、要するにものの見方・考え方・感じ方を多角的に多義的に考察する場であり、そこから主体的関係性がその関係性を持続可能にするwell-beingな状況を創るアクションを起こせるとよいわけです。

★このウサギアヒルは、この図にこだわるのではなく、森を歩いていても、渋谷を歩いていても、共に体験する者どうしが語り合うと、ものの見方・考え方・感じ方が違うという日常経験を言語化・記号化・象徴化・・・なんでもよいのですが、ハッと気づかせてくれるCross Boundaryな問題だし、Critical Thinkingを刺激する問題だし、Criativityを開放する問題です。思考コードでいう、C軸問題です。

★このようなC-Questionは世の中には山ほどあります。それを集積し、あるいは新たに創り、未来思考×主体的関係性WSをやろうと今年は仲間とプロジェクトをつくりはじめています。

★このウサギアヒルから、子どもたちは、うさぎとかめのイソップ童話を連想するかもしれません。こどもたちは、STEAM体験も並行して体験していきますから、そもそもなぜウサギカメなのかと。ウサギアヒルと同様にものの見方・考え方・感じ方に変化が起こります。ウィトゲンシュタインにならってアスペクトの変化(アスペクトトランスフォーメンションだとしてATと呼びましょう)が起こります。

★いろいろな角度から考えるわけです。文化人類学的記号論的に考えれば、イソップ物語の世界中への伝播の痕跡を巡る壮大な旅に想いを馳せるかもしれません。その前に、日本文化に根づく資料がありますから、それをたどってみるのもよいかもしれませんね。

★あるいは、うさぎとかめのアルゴリズムについて考察するかもしれません。すでにプログラミングの世界にはあるわけですから、そこから自分もやってみてもよいかもしれません。テクノロジーやエンジニアリングの前に、それは数学だとなってもおもしろいかもしれません。中学受験では速さの交差問題でもよく出題されています。

★あるいは、その速度の違いが、生存年数の違いに結びつくと気づくかもしれません。ネットで調べると、すでにカメが長生きすることを研究しているバイオロジー世界が広がっています。AIによる計算はすごいですね。

★当然遺伝子というかゲノムの解析ですから、分子や原子や陽子や電子などなどの話になるわけですが、もし数学的発想が発動すれば、つまり分解と統合と変形という思考が発動すれば、あらゆるものは分解でき統合できるのではないかと。

★ただ、それにはエネルギーが関係しています。そして、そのエネルギーが、気候変動に関連するような話に飛ぶし、そのエネルギー源の1つ光合成の解析もしたくなるでしょう。

★もっとも、そういう先行研究はすでにあります。とはいえこれらの先行研究はまだまだ成功はしていません。みんなで研究したいものです。

★しかし、いずれにしてもこうして眺めていくと、世界はすでに未来をよくしようとして進む未来思考が作動し、そこからうまれた発想を協働して主体的関係性を作りながら、進めているということが見えてきます。

★でも、まだまだみながそのことに気づいているわけではないのです。新しいものというより、すでに生まれている、いや人類とは誕生以来、未来思考と主体的関係性を作ってきたからこれだけサバイブしてきたし、それを一握りの人間だけが稼働させていたから、持続可能を破壊するような事態が起きてもいるわけです。

★ルソーのいう自然状態は仮説的論理の問題ではなく、実存的問題としてすでにあったし、今もあるわけです。ただ、それを阻害する実利的問題がやはりあるのですね。ルソーが人間不平等起源論で示したC-Question「鹿狩りの寓話」にまたまた戻ってしまいます。

★C-Questionは始まりであり終わりでもあるのかもしれません。興味と関心から始まる探究とかPBLとか未来思考。1人ひとりがC-Questionの響きを奏でるアートなのかもしれません。

★そうそう、「鹿狩りの寓話」にはうさぎが登場します。ウサギシカ問題だったわけですね。。。まったく世界は不思議の国のアリスです。

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