創造的破壊

2020年10月24日 (土)

GLICC Weekly Edu Youtube限定公開配信 入試文化から世界を見る・観る・診る・魅る(01)はじまりました。20%は本音オピニオンです。

★GLICC主宰鈴木裕之さんとYoutubeでポストコロナ時代の教育についてトーク配信始めました。今のところGLICCスタッフの手作りスタジオなので、限定公開で、ひそっとやってます。

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★それにしても、鈴木さんの俊敏力というのはすさまじく、先週の金曜日に対話しているうちに、言いたいことは公開しようということになりました。二人ともブログで発信していますが、その背景や本音のオピニオンは文章では誤解をまねくこともあり、寸止めなので、そこをもう少し広く共有していこうと。

★まあ、年内にやることになるのかと油断していたら、機材を買い込んで設定したから、さあやりましょうと。私のような口先だけでのアイデアではなく、実行力あるアイデアの持ち主が鈴木さんです。教育界の元祖起業家だけでのことはあります。

★さて、小学校入試、中学入試、高校入試、大学入試という日本社会の入試文化を斬るという文化人類学的社会学的法哲学的心理学的などなど文化論といのがこのチャンネルの特色になると思います。そして、その入試文化の日本の情況と世界の情況をクロスさせながら語り、情況だけではなく、オピニオンも語っていきます。最初のうちは、静かにオピニオンは20%くらいです。

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★オピニオンはどういいう感じででてくるのかと?たとえば中学入試の情況についてダイレクトに学校選択や合格のための学び方を話すのが80%になりますが、インダイレクトにそこからみえる(見える・観える・診える・魅える)ことを語る時20%オピニオンになります。本音ということですね。

★今回は、パンデミックによってクローズアップされた「Emotinal, Physical, Social」とそこをかき乱す「fake news」がもたらす世界同時的(グローバル・シンクロシニティ)痛みを中学入試の準備で解消するサバイブスキルを身につけることができるというオピニオンを海城と開成の国語の物語の入試問題を通して語りました。ダイレクトな合格の学び方として、思考コードでB2思考を身につければよいこと、そのためには思考スキルを3つくらい組み合わせる話をしましたが、インダイレクトには 、聖学院のような思考力入試という新タイプ入試では、従来の成長物語と違う心理学的な自己変容の局面を生徒と一緒に考えていくことになるだろうとC軸思考の実装の重要性を述べました。

★文章で書くと小難しいし抽象的なのですが、Youtubeで鈴木さんとウダウダ対話しているとわかりやすくできるなあと感じています。

★今春は、海城と開成とそのほかの学校でも、朝比奈あすかさんの小説が使われています。今後も活用されるので、読まれるとよいと思います。そのとき心理学的なアプローチと社会学的なアプローチで読むと、ダイレクトな受験勉強からインダイレクトな豊かな生き方をつくっていくサバイブスキルを身につけていくことができます。

★この多様なアプローチをする学び方は、IB(国際バカロレア)では、当たり前です。GLICCでは鈴木さんも私もこの学びについてはリサーチをして、実際に活用しています。特に鈴木さんはIBジャパニーズなどのアドバイザーでもあるので、当然です。

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★そんな学び方の世界標準への視野が広がったところで、我らが盟友アレックス・ダッツン先生の英語で哲学授業の話がでました。鈴木さんが座長を務めている21世紀型教育機構で、英語で哲学対話をするオンラインセミナーをアレックス先生が行ってくれています。この模様は21世紀型教育機構サイトで動画になって公開されています。実に頼もしいZ世代が同機構の同士校から育っています。

イエール大学の助教授で起業家の成田悠輔さんが、日経の「やさしい経済学」で、「学歴に意味はない」という挑発的論考を書いていますが、全くそのとおりです。偏差値に関係なく、このような学びの環境をつくっている学校からクリエイティブクラスが誕生しているわけです。

★IBのプログラムを、すべての学校が行うことはできません。そこで、機構は、それに代わるプログラムを世界のネットワークと連携しながら独自に創っていくことを証明しようとしたのです。そしてその通りになりました。いやそれ以上になりました。

★私も水都国際の太田教頭や沖縄国際学院の知念理事長や同校の先生方とZoomで対話をしながら自分のスキルアップをさせていただいています。太田先生も知念先生も、DP段階になると、全員がそのコースに進めませんから、そこへの学びの環境デザインを創意工夫しています。そこでDPに相当するあるいはそれ以上と意欲を燃やしていますが、そのような学びを設定しなければ、中学から進んできて、DP以外のコースに進む生徒は困ります。

★そこの部分では私の考え方や学習理論は役に立っているのかもしれません。対話が続いているというのはそういうことでしょう。

★ともあれ、1時間はあっという間に過ぎました。次回は、そのようなポストコロナ時代に対応できる学びの環境を設定できる私学はどこかをテーマにしながら、学校選択の視点を鈴木さんと明らかにしていきたいと思います。

★もうしばらくしたら、ゲストを招くと鈴木さんは考えています。

★めちゃくちゃラフでフラットなウダウダトークセッションです。いずれみなさまと共に!よろしくお願いいたします。

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2020年10月23日 (金)

新しい教育社会(15)私立中高の各価値志向に対応する広報戦略タイプとは?

★前回は、私立学校の広報戦略の私の一般論をご紹介しました。ホンマカイナと思われた方も多いでしょうけれど、まあ経験値から述べているので、真理ではないかもしれませんが、戯言でもありません。参考にするかどうかは、私事の自己決定ということで。ともかく、その一般論に基づいて、私立中高の各価値志向座標に重ね合わせてみましょう。赤い項目が、その志向ドメインでよく使われる戦術です。

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★コンサバドメインでは、「直接広報戦術」が圧倒的です。中でも大学合格実績広報はすさまじいですね。

★ブランディングマーケティングドメインでは、「新市場ムーブメント創出戦術」が中心で、これを広げるための「直接広報戦術」「連携戦術」「覚醒共感戦術」の関係づくりが巧みです。

★GAFAドメインでは、ブランディングマーケティング領域に似ていますが、「新市場ムーブメント創出戦術」には興味と関心がありません。コスト(お金だけではなく労力)がかかるので、そこは便乗です。フリーライダーではありません。オープンソース論です。リバタリアンの真骨頂ですね。

★DAVOSドメインでは、70%理論が成り立ちます。大学合格実績がそんなに派手に出ていない段階なので、それ以外の項目を関係づけようとします。かえつ有明のように、大学合格実績もでているのですが、そこは目的ではないという間接広報戦術を中心に他の項目を構成主義的な関係で結びつけています。そこが成功していますね。

★聖学院のように、新市場ムーブメント創出戦術に成功し、メディア戦術もうまく構成主義的に関係づけられている成功例もあります。

★そういえば、かえつ有明と聖学院、新渡戸文化学園は、「覚醒共感戦術」がスーパーパワーフルです。

★こうして、座標を一望すると、どの領域も「口コミ戦術」がまだまだうまくいっていません。それは、豊かで強い「広報戦略方程式」が確定していないからでしょう。PBL授業を教育全体に結びつけていないということもあるでしょう。ここを真摯に突き進んでいる学校といえば、桐朋女子ですね。他のドメインでは、授業なんて前面に出さなくても、強い「勝利の方程式」があるからという感じです。それは、世界を変える教育布教方程式ではなく、勝ち組負け組を生み出す方程式です。

★しかしながら、今後それがどう変容していくかが興味深いです。まずは、生徒を集めなければしかたがないのですから、そこから出発することもありなのです。

★いずれにしても、この関係方程式にオンラインというのが重要になってきたわけです。オンライン入試をミネルバ型で突破したところに、注目が生まれるわけですね。東京では私立中高協会のオンライン入試自粛宣言の中でそれをどう創意工夫するのか!腕の見せ所ですね。

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新しい教育社会(14)私立中高の広報の本当の価値とは?

★この時期は、生徒獲得戦略の話題が盛りあがったり、中学入試から大学入試までの生徒のコーチングの仕方をどうするかなど激論が交わされたりと、徐々に沸騰入試列島にシフトしています。ですから、この時期になると、ときどき本間さんの広報戦略は?ときかれます。エッと戸惑います。私はPBL屋さんだと思われているので、広報戦略を私にきくのはなぜと。でもそれを問うてくる学校の経営者は、すでにうまくいっていたり、新しいことをやろうとしている学校の経営者です。さすが、角度が違うと思います。そこで、私は持論を述べます。広報戦略で仕事をしているのではないので、もしお役に立てればと思い、公開できる範囲で少しご紹介します。

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★私は、個々の私立学校や21世紀型教育機構の立ち上げにかかわってきました。といっても、C1英語×PBL×コンピュータサイエンス×思考コード(言語・数理哲学)のクリエイティブシステム思考のワークショップやブログ発信という口コミ戦術にかかわる領域がメインストリームでした。

★ただ、このクリエイティブシステム思考は、世界中の生徒が共有するのがすてきだと思っていますから、かかわった学校や機構が広く認知されることは大切です。私学における広報とはクリエイティブシステム思考の学びの環境を公に共有する関係を普及・布教することだと思っています。

★ですから、ダイレクトに生徒獲得戦術だけの広報をすることは、私自身はしてこなかったのです。それゆえ多くの私学の広報の先生方からは歯がゆいとか迂遠だとか言われてきました。小難しいだよとは今も言われます(汗)。もしかしたら機構でもそう思われていた方もいたかもしれません。きちんとそこを共有できないまま止めてしまったので、この場を借りて共有しておきましょう。

★私は、広報は8つの関係で方程式を創ります。ものごとは関数関係=構成主義的デザインが大切だとするのが持論です。PBLも広報も含めた3ポリシーもすべてつながっている、一貫性があるというのがシステム思考です。ですから、まずは、「構成主義」という手法を使います。それから、どんな項目をつなぐかと言いますと、学校の3ポリシーを中心に直接うちはこんな成果をあげているとダイレクトに広報する「直接広報戦術」があります。

★2つめは、生徒のみなさんの学園生活の中でどんな思いで活動しているのかなどをPBLにからめてインタビューしたりしています。直接広報ではないですね。直接広報というのは、市場のニーズに直接つながる情報を流すことです。大学合格実績が必要なのは、そういうニーズが強烈にあるからですね。

★生徒の活動は、そういう意味では、市場のニーズランキングではそう高くありません。しかし、目の前の入試に直面している生徒や保護者にとっては最重要な情報に転換します。ああそいうことだったのかと。「救いの情報」ともいえます。

★3つめは、「口コミ戦術」です。「直接広報戦術」の裏付け情報とでも言いましょうか。実際はどうなのよおという情報です。結局生徒が学校生活で最も時間を費やす授業の中身は、なかなか共有されていません。経営陣がそこに興味がないのが実態ですからね。それに、先生同士も互いに授業を見ることが物理的にできないのが実情です。

★4つめは、「新市場ムーブメント創出戦術」です。機構で行ったのは、C1英語×PBL×STEAM×思考コード×思考力入試でした。この中で新タイプ入試は時代とマッチして、21世紀型教育はこの戦術を活用できたと思います。機構メンバー校は、この方程式は共有していますし。

★5つめは、「覚醒共感戦術」です。「目からウロコ戦術」といえばわかりやすいかもしれません。あるいは「感動戦術」でしょうか。一過性のものではない仕掛け作りがポイントです。

★6つ目は、「連携戦術」ですね。合同説明会をやるのもその一つですが、これは少しルーチンになり過ぎて、積極的な意味は少し色あせているかもしれません。新しいテストや学びの体験を学校と塾が連携したり、経産省やIT企業と連携したりという動きは大事です。もっとも効果的な連携はメディアを巻き込むことですね。

★7つめは、上の図の、6つの項目と構成主義戦略の間にある空白領域です。ここは、つなぐ方程式がはいっています。「戦略方程式」ですね。

★IBやラウンドスクエアの広報戦略方程式です。とはいっても、IBやラウンドスクエアに加盟しているからと言って、その「戦略方程式」を体得しているかといえば、必ずしもそうではないので、そこをもっと学ぶとパワフルになるでしょうね。

★8つ目は、「構成主義」そのものの考え方をしているかどうかです。これがないと、6つの項目はバラバラでシナジー効果が現れません。現状は「直接広報戦術」に偏っている私学が多いですね。そんなことに気づいたら、この8つの関係を見直し、シナジー効果がでるような動きを生み出してみてはどうでしょう。

★結果的に、その学校だけではなく、日本いや世界の教育を変える動きになるでしょう。東京のような首都に私立中高一貫校がたくさん集積しているエリアは、世界にはありません。ですから、首都圏の私学に期待がかかるのです。それぞれ独自に8つの項目でシナジー効果を出せば、意図せずして私立学校全体のパワーが世界に影響を与えるほどになるでしょう。

★この全部の項目を70%つないで成功している学校といえば、東洋大京北です。ですから、100%つながなくても、70%くらいで150%くらいのシナジー効果を出す仕掛けがいいのかもしれません。100%やろうとすると、広報費が膨大になりますから(笑)。

★ちなみに御三家は何もしていないように見えます。そうです。今はしていないのですが、長い歴史の中で100%やりつづけて、それが持続可能になっているので。立ち上がり当初は、官学とやり合うほど新市場創出に燃えていたのです。今はできてしまっているので、何もしていないようにみえるだけです。歴史は繰り返します。かつての新市場も、今は既存市場です。そこに新市場が割って入ってくるのは歴史的必然でしょう。

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2020年10月22日 (木)

新しい教育社会(13)私立中高の各価値志向に対応するオンライン授業のタイプとは?

★首都圏の私立中高一貫校の4つの価値志向ドメインに、①4つの学習観、②革新教師の4つの特徴、③4つの組織の佇まいを重ねてきました。今回はオンライン授業とリアルな授業を重ねてみます。すると、4つのタイプのオンライン授業やリアル授業があるわけではないことに気づきます。

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★こうしてオンライン授業とリアル授業の比較をすると、組織や学習観などが4タイプあっても、授業はざっくり2タイプになっているというわけです。したがって、授業のタイプだけみていても、学習観の違いや組織の違い、革新教師の特徴の違いはみえてこないのですね。

★保護者の方が学校選択で迷われるのは、ワンウェイ授業なのかツーウェイやアクティブラーニング、PBLなどの対話型授業だけをみていても、学習観や組織の佇まいの違いを認識しないと、ピタッとあるいはグッとくる学校が見つからないからなんです。

★この違いは、今のところオンライン説明会を見比べてもなかなか感じられないところですね。そのうち、静岡聖光学院のように、テレビ局並みの環境の説明会を(やる予定)やるようになると、だいぶ感じ取れるようになるかもしれません。

★ピンとくるピタッとくるグッとくるには、実際に説明会に行く必要がやはりありますね。帰国生がZoomでたっぷりやり取りできるのは、人数が少ないし、実際にリアルには頻繁に足を運べないので、学校側も、懸命にリアル並みの心配りをします。こうなってくると、リアルかオンラインかはあまり差異がなくなりますが、一般の受験生とだと、物理的な制約があるのはしかたがないので、保護者が主体的にリサーチする必要があります。

★それから、上の図は、あくまで各ドメインの最大公約数で、役割機能組織でもワンウェイではなくツーウェイやPBLを実践しているところもあるし、フルスペック(課題配信・学習アプリ・オンライン対話・オンディマンド)のオンライン授業をしているところもあります。

★本来役割機能組織は、フルスペックでいくぞと号令がかかれば、あっさりできてしまうものです。実際そうなっています。ですから、役割機能組織で、それができないのは、役割分断がおきている可能性があります。革新教師はわが道を行くでフルスペックでオンラインやPBL授業をやるでしょうが、保守教師は課題配信だけとかワンウェイ授業だとかをやっているという風景が目に浮かびます。

★この役割機能組織の学校が、60%です。私立が校でまだそんなところです。公立学校はどうでしょう。おそらく90%です。そのうち役割分断になってしまっている組織はどのくらいあるでしょうか。

★GIGAスクール構想は、役割分断組織にとっては黒船というわけですね。とにかく2025年問題を解決の糸口を見るけるために、また2025年に本当は大学入学共通テストはCBTに移行し始めたいわけですから、文科省や経産省も必死です。

★この流れに利権もからみますから、そこはクリティカルシンキングを発動しなくてはならないのですが、保護者の声、Z世代の声こそがカギになってくるでしょう。

★私はといえば、とにかく創造型自己変容組織の価値の重要性を発信し、その組織で活躍する革新教師といっしょにハイブリッドPBL授業をアップデートし続けることをさせて頂き、かつその教師のかけがえのない価値を広報することですね。まずは100人の革新教師と出会い、対話し続けようと日々Zoomで対話する機会を頂いています。この100人プロジェクトは第一フェースは2021年3月までに達成できそうです。

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2020年10月21日 (水)

新しい教育社会(12)私立中高の価値志向に対応した組織の4タイプ。

★座標系で首都圏私立中高一貫校の価値志向を4つに分類し、コンサバから3つの革新教育が出現していることを眺めています。その動きには、①学校の学習観の違いがあり、②革新教師の特徴の違いがあるという話をしてきました。そして、今回は③組織の佇まいの違いを紹介したいと思います。

★もちろん、きっちり4つに分けることはできないのです。個々に見ると、あてはまらないということに、この手の分類は必ずなります。しかし、各類型の集合となるとそれぞれのタイプの特徴を感じ取ることができます。感じ取るですから、あくまでも私の経験値による独断と偏見です。学校選択の時の1つのものの見方・考え方として参考にしてもらえればとおせっかいな話なわけです。

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★組織開発や人材育成の研究は世の中に山ほどあります。多くの教育コンサルタントは、その研究成果を活用して学校経営を指南していきますが、前提として、それは収益増大ビジネスモデルで、誰かが得をすれば誰かが損をするゼロサムモデルです。しかも昨今の情勢は、誰かが得をし続け、誰かが損をし続ける可能性のある利益非対称型あるいは偏向型ですから、学校教育では、少なくとも初等中等教育では直接活用することはできません。

★私立中高一貫校の場合、学則定員が決まっていますから、定員確保維持が目標で、定員確保増大はそもそもないのです。基本学費と助成金で私立学校は成り立つ循環経済モデルです。学費は、生徒の学びの環境にすべて適用し、基本利益はでないというモデルです。実際には土地を売却したり、寄付金を募ったりして、学費と助成金以外に入ってきますが、誰かの利益になるわけではありません。

★施設の建て替えや、新しいテクノロジーの入れ替えなどに投入されます。先生方の給料だって、教師の生命維持だけではなく、生徒の学びを豊かにするための創意工夫ができるコンディションをととのえる分も必要です。学校の先生をやっていて、ビル・ゲイツのようになりたいというのは本末転倒です。最近そういう教師も現れてきていますが、どうなるかおもしろそうですね。

★しかし、循環経済モデルで、実はウィリアム・モリスやミヒャエル・エンデがユートピアとして描き、それを社会実践しようとしてきた歴史の成果がひっそり私立学校に継承されてきたというのが、私立学校の思想としての≪私学の系譜≫を支える経済システムの在り方です。ケインズもすでに「雇用・利子および貨幣の一般理論」でそこを重視していますね。トマ・ピケティやその仲間たちの税金配分の正義の政策もそこに論点があります。

★かくして、革新教育は、実は、この循環経済モデルをぶっ壊す動きとコンサバの学校が無自覚に継承してきた循環型モデルを再定義し、それを学校モデルから社会の経済システムモデルに変えようとしている動きに二分されます。

★マーケティングやGAFAはゼロサム経済モデルの動きをする組織です。コンサバとDAVOSタレンティズムは循環経済モデル組織です。ただ、おもしろいのは、ブランディングマーケティング主義は、旧来の市場の覇者を駆逐しようとダイナミックに動くので、階層構造を戦略的に書き換える経営組織です。

★一方GAFAタレンティズムは、学校現場は教師も生徒もフラット・フリー・フェアで、一見循環モデルですが、それを支えている経営組織はブランディングマーケティング型組織です。

★コンサバは、本来循環型で、今もそうですが、校務分掌がいつのまにかピラミッド型機能になってしまうところもでてきています。本来は役割を互いに尊重しひたすら遂行することに幸せを感じる循環経済効用型なのですが、そこのマインドセットが、偏差値によって影響を受けてしまっているということですね。

★ですから、DAVOSタレンティスム組織は、循環経済モデルを自覚的に遂行し、経済利益向上に幸せを見出すのではなく、様々な内発的プロジェクト創出の行為自体に幸せや生きがいを感じる組織にシフトしているのです。well-beingの経済モデルは循環モデルです。ですから、このドメインの学校はSDGsの取り組みが広く深いのです。

★この学校は、クリエイティブシステム思考とクリエイティブシステム組織(これも頭痛が痛いと同じ表現でしつこすぎますが^^;)が一致している組織です。ダイアレクティブ組織です。理想的なものは現実的なもの、現実的なものは理想的なものというマインドフルネスに溢れている<ルソーの系譜>=≪私学の系譜≫というわけです。ここにきて、この≪私学の系譜≫も4タイプあったということでしょう。第Ⅰ象限がルソー型、第Ⅱ象限がロック型、第Ⅲ象限がアダム・スミス型、第Ⅳ象限がハイエク型ということになりましょうか。そして、公立はサヴィニー型なのかもしれません。

★学習指導要領の中で、このサヴィニーを取り扱っていないのが実に謎ですね。U理論を述べるコンサルタントが、逆Uを研修で扱わないのと似ています。あるいは、マーケティングにおけるイノベーター理論で、レイトマジョリティやラガードの背景にある権力のパラドクスを語らないのと似ています。U理論のオットー・シャーマー教授もイノベーター理論を発展させたジェフリー・ムーア氏も、ちゃんとその点を論じているのに。。。

★教育コンサル系のシンクタンクや社団法人がこれからどんどん生まれてきます。そのとき、ここらへんの情報を共有してくれるところが信頼できるのかもしれません。

★要するに、あらゆるものの見方や考え方には光と影があります。メリットとデメリットと置き換えてもいいのですが、そこを確認することが大切です。コンサバは安定的価値観を追い求めますが、行き過ぎると抑圧的になります。ブランディングマーケティング価値は、行き過ぎると一望監視型組織になります。

★GAFAタレンティズムは行き過ぎると、相互監視型組織になります。

★DAVOSタレンティズムは、行き過ぎると新しいパターナリズム型組織に陥ります。

★学校選択は、やはり多角的に複眼的にリサーチする必要があります。自分一人ではなかなかできません。玉石混合ですが情報はたくさんあります。学校自体が豊富な情報を発信する時代にもなりました。情報の収集・分析の目をいっしょに磨いていきましょう。

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2020年10月19日 (月)

新しい教育社会(10)首都圏私立中高一貫校の革新性の3つのベクトルと学習観の違い。

前回、首都圏私立中高一貫校の革新的教育の大きな3つの流れが広がっていることについて述べました。コンサバ教育も含めて、教育に対する価値志向が4つあることを述べたわけです。ここでは、その革新的教育のそれぞれの価値志向がどんな学習観を求めているのかあるいは生み出しているのかというのを考えてみましょう。

【図1:教育の価値志向と学習観】

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★一般に、学習観は、「知識と理解」という「基礎」をしっかりして、「応用と論理的思考」を身につけるというものが多いでしょう。入試問題は学校の顔ですから、入試問題を分析すればわかります。中学入試の2科・4科入試、公立の高校入試、大学入学共通テストをみれば納得がいくでしょう。

★カリキュラムというのは、この入試問題に接続するものであるからです。よく大学入試問題を超える学びが必要だという話を聞きますが、それは本来おかしな話なのです。

★というのも、入試問題は、多様な才能を評価できるものでなければならないからです。思想・表現や学問の自由を制約するものであっては民主国家ではいけないのです。その自由を制限できるのは、危害原理や不快原理ぐらいなのに、日本の文化だとか称して家父長的なパターナリズムで制限をかけているのが、日本の入試問題です。

★学校教育は、民主主義を学ぶ場所なのに、民主主義について語ることは政治的中立をはみ出るからしないことになっています。民主主義はあくまで、教科書の中の客観的な知識として覚えるのが勉強だったということなのです。

★もちろん、私立学校はここはさすがに少しはみでていますが、コンサバの枠内での自由の表現であったのです。競争して自由に階層構造の椅子取りゲームすることが保守されてきたのです。しかし、階層構造をどうしたらよいのかという議論はタブーでした。

★そんなわけで、革新的教育はそこを脱しようとしたわけです。ですから、それには「批判的思考や創造的思考」を組み込まなくてはならないと、「知識と理解」という基礎力を土台に「応用と論理的思考」「批判的思考と創造的思考」の両方を乗せる動きがでてきました。もっとも、ブランディング、つまりマーケティングが基本的発想ですから、目に見えない本質は語りません。それはマスにはウケないからです。

★もちろん、マスは「本質」という言葉は大好きです。ですから、「批判的思考と創造的思考」こそ「本質」だというわけです。

★一方コンサバをぶち破るもう一つの流れは、GAFAの影響を受けていますから、そもそも「本質」という考えそのものが自由を制限するではないか、自由を制限することは楽しくない、ワクワクするには徹底的に自由を!というわけです。かくして自由を制限するものを徹底的にとっぱらうという過激なリバタリアンですから、学習指導要領でやらなければならない最小限のことを学習アプリに任せて、あとは自由に興味と関心のあるものを徹底すればよいのだという学習観です。

★ですから、基礎を何にするかは、生徒1人ひとりの興味と関心に任せ、本来なら既成の教科書的知識もいらないのだけれど、つまりHTHのようにやりたいのだけれど、ナショナルカリキュラムがあって、一条校はそれを守るということになっているので、最小限にとどめ、あとは最大限自由にという学習観です。

★コンサバからみれば、基礎である知識と理解は権威の象徴です。それをたくさん仕入れて使える能力が高いことが知識階級の本質ですから、そこをワクワクしないからいらないといわれると頭にくるわけですね。ブランディング主義のリバタリアン志向性は、本質は市場が決めるから、市場のニーズに従うことが本質です。批判的思考と創造低思考を欲していると思えば、それを本質とすればよいわけです。生徒ファーストではなく、市場ファーストです。

★コンサバは、権威市場のニーズ、ブランディングリバタリアンは、新規市場のニーズを本質としています。GAFAリバタリアンは、生徒ファーストで、生徒の興味と関心が本質と言えば本質ですが、個別最適化ですから、普遍的な本質はどうでもよいのです。

★そういうと本間は何かこのリバタリアンを認めていないのではないかと誤解する方がいます。しかし、誤解する方は、権威市場のニーズという本質か新規市場のニーズという本質を唯一正しいと思っているから、そのメガネでホンマノオト21を読んでいるからです。

★このGAFAリバタリアンのお話は、ギリシアの哲学が生まれて以来、ずっと議論されてきて、中世で普遍論争という葛藤の一端をになっていて、未だに解決がついていない価値論争の延長の話です。もし文化論を語るのなら、ここはおさえておく一つの流れです。専門的には極めて複雑で、それを整理して、一つの提案を語ることなど私には無理です。

★ただ、唯名論(ノミナリズム)か実在論(リアリズム)かというざっくり二つの論争があるというのはわかります。本質なんてないよあるのは個物だけ、だから名前があるだけで、本質は実在しないよというのが唯名論です。いや本質は普遍的に実在するんだよというのが実在論です。これをめぐって、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカの若き新進気鋭の哲学者やアーティストらは再定義しようとダイナミックな展開をしていますね。NHKも欲望の資本主義という特集を流していましたが、その中で、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルが度々登場してきたのは、そうした壮大なグローバル文脈を追っているからですね。

★さて、もうおわかりですね。実はコンサバにしてもブランディングリバタリアンにしてもGAFAリバタリアンにしても、唯名論的価値志向であることは変わりなく、普遍的本質は必要としていないのです。コンサバ本質かブランディングリバタリアン本質かGAFAリバタリアンとして本質を認めないかの違いはありますが、いずれも普遍的本質を排除しているのです。

★かくしてDAVOS型革新教育は、普遍的な本質があるという立場です。ですから、「知識・理解」という思考にも、「応用と論理的思考」にも「批判的思考と創造的思考」にも共通する本質があるという学習観なわけです。しかも、それらはクリエイティブシステム思考として全部結びついていてシナジー効果を生み出す掛け算になっているわけです。

★この本質的な部分が「基礎」なわけですね。とはいえ、この「本質=基礎=普遍」が何かは、またいろいろなのです。キリスト教精神だったり、リベラルアーツだったり、IBでいうTOKだったり、哲学だったり、知の横断だったり、サイエンスだったり、マインドフルネスだったり。しかし、いずれにしても生徒ファーストであることは一致しているのです。

★「思考スキル」というのが、たんなるツールだとするか、本質だとするかはこの普遍論争的な価値観の違いが反映しています。IBのプログラムの中では、スキルは本質を生成する媒介項です。哲学的には形相というものです。ですから、IBを探究している先生方とはスキルの話は盛り上がります。IBはもともとリベラルアーツがベースですから、リベラルアーツを実践している先生方ともスキルの話は盛り上がります。

★スキルなんてツールだよ受験テクニックだよという価値観の先生と話しているとスルーされてしまいます。ロイロノートで使っている思考チャートは、ツールでしょと。

★いずれにしても、この多様な学習観が顕れてきたということが極めて重要なことなのです。日本にも未来が見えてきたのは、この学習観の多様性がでてきたということです。それを一つの価値観にしようという話をするのは権威主義的な一つの価値観であり、その価値観を認めはするけれど、一色にしようというのは危険です。

★コンサバあり、ブランディングリバタリアンあり、GAFAリバタリアンあり、普遍主義ありでよいのです。学歴社会のまずいのは、コンサバ色一色になっていることですね。

★いずれにしても、この普遍論争は、アリストテレスの形而上学に端を発しているのはたしかです。サンデル教授が頻繁に引用する哲学者がアリストテレスというのもおもしろいですよね。

★私自身は普遍主義者ですから、この価値が認められるには、多様な価値観が顕れることによってのみ可能だと思っています。コンサバ一色の学歴社会が多様な価値によって、one of themになることは、普遍主義的な人間の生きる自由を認めるうえで重要だと思っています。マックス・ヴェバーではないですか、この価値の神々の闘いという価値自由の社会を持続可能にすることこそ大切だと私は願っています。

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2020年10月18日 (日)

新しい教育社会(09)首都圏私立中高一貫校の革新性のベクトルが3方向に拡張。その背景で、教師の新しい生き方が生まれている。

★私立学校は、基本コンサバです。多くの学校が「自由」を標榜していますが、経済的自由は重視しますが、階層構造を維持する権威は大事にしています。最近、このコンサバは、グローバリズムの中で、ゆらぎハイエクやコトラーのようなリバタリアンやブランディング主義に基づく学校がでてきています。

【図1:首都圏私立中高一貫校の学校の価値志向性分類】

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★その象徴が、広尾学園と三田国際です。両校とも高人気校で、この流れをしっかりつくりました。ブランディング主義ですから、階層構造は維持するので、大手塾の70%は応援します。大手塾の中でも、真正という意味で伝統的な私学の在り方を支持する大手塾は、距離をあけています。

★一方、この階層構造から抜け出そうとする革新的な学校も人気をあげてきています。聖学院の思考力入試や海外大学の実績は、メディアでも取り上げられています。工学院も同様ですが、中学入試の応募者人数は少ないので、目立ちませんが、高校の人気は半端ないのです。コンピュータサイエンスの学びと破格のグローバル教育の評判も高いのです。

★工学院同様ランドスクエア加盟校で、この加盟のIB以上の重要性に気づき始めた保護者が八雲学園を注目しています。偏差値階層構造ではなく、生徒1人ひとりの潜在的才能を開花する環境があります。

★その環境で大事なことは教えない授業という場ですが、この点で傑出しているのが新渡戸文化学園ですね。

★そして、この正義と才能主義の領域を切り拓いている老舗は桐朋女子です。ダボス会議のボードの日本代表も桐朋女子のOGというのもなるほどです。

★IBをベースにしている開智グループ、特につくばの開智望は、PYPとMYPをしっかり根付かせています。IBスクールはDPからというより、PYPやMYPからしっかり土台をつくっているかどうかがポイントです。

★かえつ有明は、このIBのエッセンスをとり入れながら、独自のマインドフルネスの学校として確固たるポジションを築きました。

★今大ブームのN高校は、あらゆる壁をぶち壊すグローバルな動きをしています。リバタリアンだし、階層構造もぶっ壊します。武蔵野大も同じように動きます。両校ともGAFAの動きを参考(TTP)にしていますね。スケールがデカイのです。

★さて、保護者とよく話すのは、この革新的な動きは持続可能になるのか?ということです。校長が変われば元の木阿弥ということはないのか?ということですね。それは、理事長―校長―革新教師―保守教師の勢力割合を考えればよいという話をします。

【図2:革新勢力と保守勢力の割合イメージ図】

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★組織というのは、すべて革新勢力とかすべて保守勢力とかということはそうあるものではありません。その方が偏らない判断テンションがあり続けるので、経営マネジメントとしては、両方を取り込みます。ただ、どちらの勢力を多くするのかは、経営判断です。

★とはいえ、理事長と校長が革新的教育を実行するとなると、革新的教師が多くなり、改革路線は持続可能になり安定的です。

★理事長が保守的であるけれど、経営上革新的校長を起用すると、確かに革新的な教育は実行されていくのですが、それが過激だと、理事長の思惑を超えるので、任期が来たら継続ではなく、そこで新しい校長と交代です。当然揺り戻しが起こりますね。

★校長が保守勢力で、理事長が革新的な場合、革新教師が盛り上がりますが、校長と保守教師がサイレントキラー的な壁をつくります。学内の雰囲気がよくならないまま、改革路線が動きます。

★上記で挙げた例の中では、八雲学園は理事長校長が近藤先生ですから、理事長と校長の葛藤がありません。革新的なオーナー学校は、最も安定的で実際的な改革路線=伝統と革新の統合を持続可能にできます。

★今年立ち上がったばかりで、まだ実績がでていませんが、品川翔英は理事長と校長の連携が良い関係で、革新教師の勢力がどんどん大きくなっているので、将来性があると私は予想しています。

★このような動きは、サイトで調べれば概ねわかります。あとは実際に足を運んだりオンライン説明会などでリサーチをすればよいでしょう。

★それにしても、このような大きな革新的な流れは、自然にできたわけではありません。このウネリをつくった革新的な教師がグローバルに活動する中で、ニューパワーを増大しています。

★彼らは、パラレルワークやコンサルティング会社を起業したりしています。どういう方々が活動しているのかは、サイトの中では誰でも知ることができます。いずれ、具体的にご紹介しましょう。とにかくたくさんいます。

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2020年10月15日 (木)

新しい教育社会(07)総合型選抜の質が上がる。思考コードで明らかになる。

★今年の総合型選抜の状況について、先生方と対話して気づくことは、活動報告書に記入する内容や小論文の問いが深まりを見せているのではないかということです。

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★活動報告や自己アピールの文章は、1つの体験で優れた実績をだし、それが自分の人生に影響を与えることを明らかにするものでなければならないということが明らかになってきました。部活や生徒会でがんばっただけでは差がつかなくなったわけです。

★しかし、多くの生徒が限られた有数のコンクールで優れた実績を獲得することはできません。ですから、そうでない場合は、多くの体験でそこそこの実績を上げ、それによって自分は何に覚醒したのか論述しないと難しくなってきました。

★さらに、コンクールとか海外研修とかレールを敷かれた経験の中で優れた実績を残すだけではなく、多くの体験を通して自分なりの新たなイベントを生み出し、その活動が即社会貢献に結びつくものであることをアピールするレベルもでてきました。

★このような3つのレベルは、思考コードのB1C1思考、B2C2思考、B3C3思考に対応します。レべル1の活動報告、レベル2の活動報告、レベル3の活動報告と分けられるでしょう。

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★小論文にしても同じことが言えます。

★一般的には、1つの課題文が提示され、その要約を書き、その要約した作者の考えに対し自分の意見を述べるというレベルでしたが、今ではそう単純ではなくなってきました。

★複数の課題文やデータが提示され、それぞれの関係づけをしていきます。その関係づけて明らかになったテーマについて小論文を書くというレベルまで求められるようになってきました。

★究極は、その複数の課題文やデータの関係を結びつけると、その関係の背景にさらに別の関係があることに気づき、つまり根本的な問題にいきつき、それについて小論を書く。自分だったらどうするのかどう解決するのかまで書き込んでいきます。

★活動報告書と同じように、3つのレベルがあり、思考コードのB1C1思考、B2C2思考、B3C3思考に対応します。

★そして大事なことは、B3C3思考は、レールに敷かれた枠内にとどまらず、自分で事を起こすことが必要です。もちろん、そのように突き動かす動機がポイントです。は根本的な問題を発見し、それを解決したいという動機付けです。

★かくして、とにかく大学に合格するためだけなら、一般入試の方が勉強しやすいというパラドクスが生まれています。すなわち、一般入試より総合型入試の方が易しいということはなくなりつつあります。

★しかし、本当のパラドクスは、世界の影響力のある大学で学んでいく生徒は、日本の一般入試のような体験を高校時代にしないということです。総合型選抜のような体験をして大学に進みます。

★これは、世界で活躍するクリエイティブクラスは、この総合型選抜のような体験の場から、生まれているというコトを示唆しています。

★つまり、クリエイティブクラスとそうでないクラスと階層構造ができてしまうということです。もちろん、これを解消するには。。。なのです。2025年にとんでもないことになりますね。

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2020年10月14日 (水)

新しい教育社会(06)桐朋女子「ザ・グレート・リセット」時代に活躍する人材を輩出

★桐朋女子の広報部長の吉川先生から、数年前のリーフレットを頂きました。江田 麻季子さん(世界経済フォーラム 日本代表)がインテル株式会社の社長時代、当時の千葉裕子校長と対談している記事が掲載されていました。お二人とも、インテルの初の女性社長、桐朋女子の初の女性校長として、女性の社会進出が遅れている日本社会において、希望の語りだったと思います。

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★そして、今江田麻季子さんは、世界経済フォーラム日本代表です。ダボス会議の動きを日本の政財界と共有していく重要な役割を担っています。今回のダボス会議は、本ブログで幾度も述べていますが、「ザ・グレート・リセット」がテーマです。欲望資本主義をリセットし、健全な資本主義に変容させようというウネリをつくっています。

★江田さんは、マーケティングやブランド戦略のプロですが、桐朋女子→早稲田→米国の大学院で社会学を学んでいます。社会の構造を分析して、矛盾を見出し、それを資本主義の条件の中で解決していく見識を持っているはずです。

★社会学は、いろいろ派もあるでしょうが、コミュニケーションと社会の構造の再構築をするアプローチができる学問です。桐朋女子で好奇心を育み、尊敬するといえどもその人に盲従することはないアイデンティティをもって育ったということです。またそのコミュニケーションもオープンで素直に謙虚にダイレクトに話すというエスノメソドロジー的社会学のアプローチも桐朋女子時代に潜在的にカタチづくられたのでしょう。

★そのマインドと思考の視点が、大学、大学院、企業、そして世界経済フォーラムで限りなく生かされています。

★千葉先生にしても江田麻季子さんにしても、それぞれユニークですが、桐朋女子OGとして、好奇心、独自のアイデンティティ、オープン&ダイレクトコミュニケーションというマインドは共有しています。

★お二人に続くOGがどんどん増えていく。つまり、健全な資本主義経済社会を形成していく才能者が実力を発揮していくことでしょう。オープン&ダイレクトコミュニケーションは、多様なネットワークとコラボレーションも拡張しますから、今後の社会の変容はポジティブな未来へ向かう希望がみえてくるのではにでしょうか。

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アサンプション国際小学校(02)問いの対話というアソビがある小学校 学びの竜巻が生まれている。

★今回のアサンプション国際小学校との対話は、森本先生チームと西先生チームの先生方。この両チームは、1人ひとりが共通のテーマでPBLのアイデアを持ち寄り、それぞれはそのアイデアを通して生まれてきた問いを私に投げかけるスタイル。投げかけられた私は、自分の経験から答えると同時にそれが教育学や学習理論ではどのように捉えられているか簡単に説明。それから新たな問いを投げかける。そんな問いの出し合いゲームというアソビができるチームです。

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★今回は、「3枚の数字のカードを組み合わせて、最大の数がでてくる筆算をつくろう」というPBL型授業は可能か?というテーマでした。先生方は小学校3年生に対し実際に授業を行ったり、学年が違っても行ったと仮定して、こんなPBL型授業のアイデアなんだけれど、そのときこういう疑問が湧いてくるのですがと問いかけてくれます。

★1つの流れは、「プロトタイプ→疑問→私からの解答」となります。いろいろな疑問が投げかけれました。生徒の純粋な疑問から出発したらよいのか、それとも問いは教師が用意をし生徒が考えていくというスタイルがよいのか?前者はPBL的で、後者はインストラクション的だけれど、アクティブラーニングには持ち込めると私はこたえました。

★すると、PBLかアクティブラーニングというより、生徒が考える仕掛けをデザインすることが重要ということですね。そういう考え方もある。つまり、先生方は因果関係に縛られるのではなく、いろいろな関係性をつなげる視点をすでに持っているということですね。

★そういうアソビ、ハンドルのアソビトいう意味のアソビ、あるいはモーツアルトのピアノ協奏曲やジャズセッションでアドリブを入れることができるのだけれど、その部分を許容できるかどうかですよね。

★すると、ということは、インストラクションというかアクティブラーニングとPBLの間はグラデーションだということですよね。目の前の生徒の状況にマッチングするように、そこはデザインするということでしょうか。

★このような流れが2つめの流れです。私は、そういう柔軟な考え方をもてるということは、すでにPBL型授業を行っているということですよと付け加えます。

★また、ゴールとは何か?という問いもでました。目標と目的とわけて、答えました。PBL自体の目標、myプロジェクト→ourプロジェクト→worldプロジェクトというはてしない物語(ミヒャエル・エンデ)なんだとか、算数の数の世界の目標というのもあるよね、そしてまず計算の仕方の定着とか自分で法則を見出す体験をするとかいうのは目的とかマイルストーンとか、オブジェクティブとかいうのだろうけれどとブルームのタキソノミーの考え方を紹介したりしました。そして、私からも問いを投げます。「ところで、なぜ5は4より大きいの?」と。それを生徒が考える時間をつくることは可能ですか?と。

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慶応義塾大学SFC井庭崇教授のサイト“Learning Ptterns”から

★対話が続くかどうかは、アソビ心があるかです。柔軟かどうかです。こういう問いを投げかけて、わかりません。それは授業デザインから外れていませんかという対応になる場合も当然あります。因果関係、しかも自分の設定した決定論的な因果関係を変えるつもりがなければ対話は成立しません。アサンプション国際小学校の先生方は、そういう呪縛から完全に解放されています。すてきです。

★このアソビは、実は自分たちが用意したアイデアどうしを掛け合わせていくと、それまで気づかなかったあらたな隠れたピースを発見できるという面白さがあります。慶応義塾大学のSFC井庭崇教授の「ラーニング・パターン」のカードにある「隠れた関係性から学ぶ」という学びのパタンを私は大切にしています。

★対話をしてこの隠れたピースを発見できた瞬間から、学びの竜巻は生まれます。盛り上がります。今回は、ルビンの壺でその話を置き換えました。すると、すぐに掲示板からこれですね!と。トリックアート的感覚は、やはり先生方は日常の中ですでに持っているんですね。

★つまり、すでに先生方の中に潜在的にあるから、そういう本質的な問いがでてくるわけで、私はそれを映し出す鏡なだけなのだと、すべては先生方の内側にあるのだと。そうはっきり言いきれる能力を持っている先生方ばかりだと確認しました。

★この隠れたピースの発見やトリックアートは、実はランディ・パウシュ教授の「最後の授業」の話と交差します。彼は癌で余命いくばくもないのに、いやないからこそ最後の授業をユーモアたっぷりに行いました。感動というより、動画を見るたびに涙がとまりません。彼は偉大なコンピュータサイエンスの教授です。今日のICT環境に大きく貢献しています。

★しかし、子供の頃はフットボール選手になってNFLに出場することが夢でした。大真面目で語るので、会場からは、ランディ・パウシュ教授の巧んだ通り、笑いが溢れます。当然、その夢はかなわなかったのだかれど、チームワーク、スポーツマン精神、粘り強さを学べた。これは私の今の電子工学技術の研究のときに役に立っているのだと。このような学びを「間接的学び」というのだと。そして、この学びにこう名付けました。「ヘッド・フェイク」と。

★隠れたピースを発見する対話、トリックアートをデザインするような対話、ヘッド・フェイクという創造的対話などアソビがあること。これはPBL型授業の極意であると、私はランディ・パウシュ教授の「最後の授業」から学びました。

★森本先生は、このヘッド・フェイクを持ちえていて、PBL型授業で行うアクティビティ「グループワーク」のチーム人数の問いへの私の解答を、非認知能力の話だと置き換えていました。

★今回は、このランディ・パウシュ教授の話はしませんでしたが、「置換」=「模倣」=「メタファー」=「ミメーシス」=「遊び」というアソビの話はしました。

★先生方の授業や仕事の合間でみつけた貴重な1時間。それゆえ、シンプルなスタイルの対話を森本先生と西先生は選択したのでしょう。それがかえって問いの竜巻を生み出しました。この竜巻こそ、アサンプション国際小学校の先生方のエネルギーの顕在化です。ありがとうございました。

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