創造的破壊

2019年11月 1日 (金)

順天「グローバルウィーク2019」のZ世代の希望

★昨日、順天の「Global Week 2019」に参加してきました。いつもは、取材という立場ですが、今回はファシリテーターとしてワークショップを生徒の皆さんと開く側として参加しました。この企画は、中学高校生、大学生、大学院生、小中高校の先生、大学の先生、 企業や団体の職員が、立場を超えて様々な課題に取り組む 講座群です。

★70 を超える数のトピックが用意されていて、そのうちの1つなんて実に光栄でした。各講座は、講義形式、グループワーク中 心、実習や工作などの多様な形式だということです。

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★生徒8人と渡辺孝藏理事長と尾近裕明先生(英語)10人とワークショップができました。アクティビティごとに島をつくったり輪になって対話したり教室中の机と椅子を動かしながら学びの進化の過程をたどれる空間をみんなで創りながら展開してていきました。このワークショップの空間名は「未来を創る学校」で、ここで学ぶ今回のテーマは「世界制作の方法を創る」というものでした。

★誰かが造った「世界制作の方法」を活用して、世界を理解したり、世界を造るのではなく、自分たちで創った「世界制作の方法」を活用して世界を認識し、世界を創造していくという展開でした。90分フルに対話できたし、創ることもできました。こんなに対話を楽しみ、思考に集中し、互いに自己開示し、未来を創り、その創った世界制作の方法を自ら組み立てていくリフレクションを楽しめるチームがすてきでした。

★それに渡辺理事長も尾近先生も学習者として生徒といっしょに学ぶ学習者中心主義のワークショップになっていたのは感動的でした。

★最初は「世界」といっても人によってイメージが違うので、アクティビティ<ぐるぐる>で、互いの考えやイメージを出していきました。何周もするので、それぞれが違う考えを出すだけではなく、自分の中でも多様な見方が湧き出てくることに気づいていきます。

★ウォームアップができたので、いよいよ世界を認識する視点をみんなで生み出そうと、もう一度<ぐるぐる>で、「物体X」をどう認識するか開示していきました。3周目くらいから、「物体X」から離れて違う事象と結びついたり、自分の想いが加わるなど膨らんでいきました。

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★次に、この経験をリフレクションするアクティビティです。黄色のポストイット一枚にどんな視点で認識していたか書き出し、それらをカテゴリー分けしていきます。グルーピングしていくわけです。いろいろなアイデアが立ち現れていました。そして、それがまとまったところで、各グルーピングの名称を付けました。

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★今度は、別の島に移って、名づけしたピンクのポストイットだけで、それらの関係について議論していきます。具体的な黄色のポストイットの山が数枚のピンクにシンプルにまとめられていく過程が島をのこしていくことによってわかります。すぐに順天のZ世代は、具体と抽象の関係という視点を見出していました。

★緑のポストイットを使って、関係をうまく表現していたアイデアには驚きました。世界を創る方法とは、自分たちの内側にすでにあり、それを開示して互いに議論して創っていけるという手ごたえをこの段階でもう共感したのでした。

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★さて、世界を認識する視点はまとまったので、次はいよいよ世界を創る方法にシフトしました。トビタテで留学した生徒や物理と哲学に関心を持っている生徒やリベラルアーツに関心がある生徒、自らの変容に関心がある生徒、教育に関心がある生徒、国際関係に興味と関心がある生徒などちゃんと自分を見つめている生徒が参加しているということもだんだん互いにわかってきました。共通しているのは、デストピアではなくユートピアを創りたいという熱い想いでした。それはみんなで未来の世界を創ったときに明らかになりました。

★とにも、創造とは何か自らのイメージと自分がどんな未来を創りたいのかあるいは迷ているのか、アクティビティ<スピードデート>で共有していきました。

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★そして、みんなのそれぞれの想いをすべて満たす未来を描いてみようというアクティビティ<learning by making>に移行していきました。見事に一人のアイデアも取り残さず、つなぐことができました。多様なアイデアを一つに統合するのではなく、それぞれのアイデアが生きるつながりを表現していました。

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★そして、再びリフレクション。世界認識のリフレクションと同様のスタイルなので、加速度的に議論が進みました。

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★最終的に、シンプルな「世界制作の視点」コードができてしまったのです。こうして「世界認識の視点」と「世界制作の視点」を自分たちでつくることができたのです。世界の見方や作り方の<メガネ>は、自分の内側から生み出し、議論することで創り上げることが、まずは世界制作の方法のスタートです。

★教育に関心がある生徒は、今の日本の教育が「世界認識の視点」でとまっていて、「世界制作の視点」を合わせて「世界制作の方法」を自ら生み出す教育はまだないですねと。

★もちろん、これから「世界制作の方法」はアップデートしていくことが大切だということを確認したうえで、まずは、今回自分たちで生成した「世界制作の方法」が活用できるか、エッシャーの絵やラストアイドルの青春トレインのダンス、デュシャンや草野心平の作品の世界を分析してみました。

★時間がなかったので、そこはあっさりでしたが、通じる手ごたえは十分でした。オリジナルでなおかつ世界で通用するかどうかアップデートしていく学びの経験を持続していくことが、クリエイティビティを生み出していくでしょう。根源的に大事なところを誰かが造ったパッケージを鵜呑みにして学んできた今までの経験から解き放たれる(という表現を生徒はしていて驚きました)ことの大切さを、今回共有することができていたならいいなあと思います。

★そのあとも、幾人かの生徒と対話を深める機会を頂き、順天のZ世代の世界への関心の豊かさに接することができました。生徒のみなさま、理事長をはじめ運営に力を尽くされている教職員のみなさま、すてきな機会をありがとうございました。Global Weekはまだ続きます。皆様の内なる想いに、すてきな秋の知の実りが結びますことを期待しております。

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2019年10月29日 (火)

<新しい学びの経験>を共に創る(01)動態的「新コード」に基づいた今までにない学びを!

★本日2時間半のブレスト会議。「新コード」(内容は企業秘密です)によって、教師と生徒がいっしょに世界を創ってしまう超絶シンプルスキルを実装する今までにない<新しい学びの経験>を創ることにしました。

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★数学的哲学と芸術的哲学と言語的哲学を合成した「新コード」を実装できるようになると、ダンス、ショップ、芸術作品、小説、動画、心理などから始まって、政治や経済、国際社会、世界平和にまで、幅広い領域に対し、発案力と実現力の両方を発揮できます。

★もちろん、トレーニングが必要で、「新コード」をそれぞれの潜在的可能性から生まれ出ずるファシリテートのあとは、ピアコーチングが大切です。

★この学びの組織は、経験的な側面と理論的側面が合わせ鏡のようになっていて相乗効果が生まれます。しかも、その理論は社会構成主義とか構築主義ではありません。抽象的な関数生成主義です。19世紀末に発案された数学と世界の実在的関係を生み出すアイデアを現実化する試みです。

★何言っているかわからないということですよね、私たちが8年前に立ち上げたプロジェクトも当初はわからないと言われ、石が飛んできましたが、今回も同じです。次のステージにシフトする時、それをイメージしない人には見えません。それはいじわるではありません。もっとわかりやすくといわれても、進化の途中ですし、そもそもわかりやすくと他者依存の方には永遠にわからないでしょう。

★わかろうとする意志がお互いに必要です。そんなの互いにマナーですよね。わかりやすく表現しないやつが悪いとさんざんいわれてきましたが、それは違うでしょう。そういう人にかぎって、手法だけロハで手に入れて、なんでもかんでもTTPです。あなたの自己利益のためにアイデアを共有するのはもうウンザリです。

★今回共に創っていく先生方の学校は全面的に応援します。私自身が受験業界にかかわることはありませんが、そこを介さずダイレクトに受験生と保護者が応募するチャンスを応援したいと思います。正しいアドミッションポリシーのモデルにもなるでしょう。Z世代の生徒さんもいっしょになって、IBをはるかに超える未来からイメージする学びの経験を創り上げていきたいと思います。IWANABEさん、楽しみにしていてください。あっ、でもまだその学校の名前は内緒です。

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「思考コード」の中学受験市場での広がり加速する。これにて「思考コード」の伝達はお役目御免。来年度中学受験業界から引退します。

★「思考コード」の中学受験市場での浸透力が広まっています。石川一郎先生が「2020年3部作」で「思考コード」を論じていますし、神崎史彦先生も新著の中で論じています。そしていよいよ森上教育研究所がベネッセのサイトで「思考コード」のC軸を外した使い方で分析を掲載しはじめました。

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★いよいよ首都圏模試センターの「思考コード」は加速度的に中学受験市場に広まっていきます。これはまず喜ぶべきことです。使い方はどうあれ、市場で支持を得ることは大事です。

★まして、いろいろなところで、思考コードのレクチャーを聞くようになりました。そういう具合に説明するんだなあと妙に感動します。本質を伝えようとすると小難しくなるので、そこらへんはカットしています。私のワークショップでも、これは難しいからカットねと仲間に言われることもしばしばあります。

★本質は不要だと。

★そうですよね。ルーマンのシステム社会論だとそんなものは無用なんです。

★それにしても、ある学校の理事の方に、どうやら最高学府をご卒業された方のようですが、石川一郎先生の新著を読んだか?思考コードを知っているか?21世紀型教育機構の思考コードは違和感あるぞと講釈を垂れられました。石川一郎先生は21世紀型教育機構の理事長なんだろう?とか。

★念のため、その思考コードは首都圏模試センターが開発したものですというと、わかっているということでした。一応名刺を交換しているので、私の事を本間だと知った上でです。もう一つ余計にも、機構の思考コードは標準形で、各学校によってバリエーションがあります。ルーブリックってそういうものですよねまでは聞く耳をもたれなかったようです。授業用とテストやレポート用とか違うのですがとも付け加えようといたしましたが、そんな感じでもありませんでした。

★感動しました。こんなに思考コードについて研究している方がいるなんてと。批判的であれ何であれ、これはいよいよ広がるなあと実感した次第です。

★ここまできたら、ぐじゃぐじゃ本質を語っても時間の無駄です。自由に活用されていけばよいと思います。

★私のおせっかいの思考コード解説は、ホンマノオト21で書くことはもうないでしょう。これにて、今年度を持ちまして、中学受験業界から去ります。といっても何の影響力もなかったですが。

★首都圏模試センターの模擬試験での保護者会を今年からしていませんが、そのようになる道をつくっていただいた2人の学校の先生に心から感謝いたします。二足の草鞋をはくのではなく、自分の道を貫けと。これからは思考コードに変わるコードを作成します。それは、受験業界とはなんら関係ありません。未来をつくるコードです。そこに専念すようなきっかけを与えて頂けたのはその学校の先生のおかげです。

★やはり、ミネルバは、空が灰色になってから飛び立ちますが、思考コードもいよいよそのタイミングだと思います。市場ができたら、次の市場を創るのがセオリーです。来年度からはそちらの世界でがんばります。もっとも体調がもつかどうかは超不安ですが^^;)。

★中学受験業界の方々本当にありがとうございました。

★そうそう、そうはいいながらも盟友鈴木氏主宰のGLICCでは、新しい物語のカリキュラムや諸々を開発(企業秘密です)するために、その場にいます。もっともGLICCは、いわゆる受験業界をはみ出ていますから、そこにいるのはゆるされるでしょう。

★ホンマノオト21は続けます。来年度からは受験情報は流しませんが、本質的な教育情報は流します。すると、扱う学校が少なくてすみます。マーケティングがうまくいっている学校は本質は希薄ですから。

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2019年9月24日 (火)

「人工光合成」2040年は全く違う世界を開くエポックになる

★米ニューヨークで開幕した国連(UN)気候行動サミットで、スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)が、怒りのスピーチを行いました。世界の首脳らが温室効果ガス排出問題に取り組まず、自分たちの世代を裏切ったのだと怒りをぶつけたのです。その怒りが届いて、首脳らが決意を示したというサミット側の演出・シナリオだったのか、それはわかりませんが、世界中が注目したことは確かです。

★さて、これに対してニューヨークに飛んだ小泉進次郎環境相は何を語るのでしょう。環境相が何を語るかわかりませんが、いま日本で、「人工光合成」への研究とその実現性へむけて産官学が力を入れていることを環境相が知らないはずがないでしょう。

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★Society5.0に向けてもとても大事な研究です。というのも、このベースは第4次産業革命ですが、今までの第1次産業革命から第3次産業革命までとは、次元が違うのが第4次産業革命の肝なのですから。

★それは、脱化石燃料ということです。戦争の原因も格差の原因も権力横暴の原因も、すべて化石燃料の覇権をめぐる奪取競争だったのです。化石燃料を産業に注ぐ以前は、奴隷制度が根源的問題でした。

★今でも形を変えて、この制度は表面的には消えていますが、構造的には残っています。化石燃料を奪取するには、その力が必要だからです。その構造とは、ブラックという言葉で表現されているところに存在しています。

★しかし、石炭も石油も使わなくてよい社会になれば、あらゆる世界の問題は解消の方向に向かうでしょう。

★もはや食料や水を購入しなくても手に入る時代になったとしたら、どうでしょう。今の経済社会は不要になります。エネルギーを地球市民1人ひとりが自前で獲得できるようになったとしたら、どうでしょう。権力的な政治社会は不要になります。

★自分の身体を維持でき、自分の生活環境を維持できるようになれば、あとは共創時代になる以外にほかはないでしょう。

★そんなことが起こるはずがないと多くの人が思うかもしれないけれど、人工光合成の研究は実際に行われているのです。しかも、各企業が多様なアプローチで行っています。

★2025年には、人工光合成自動車が走るとまでいわれています。

★経済の心配がない、政治の心配がない社会で、互いの才能を使って共創していく社会にシフトするのが2040年だとしたら、2040年問題を日本は解決できるし、それは日本だけの話ではなく、世界中に広がるエポックになるでしょう。

★少ない財源を人工光合成研究に集中するときが今なのかもしれません。日本の政治家はまだまだやるべきことがありそうですね。

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2019年8月23日 (金)

令和元年度福島県私学教育研修会(1)想い

★2011年3月11日のあの東日本大震災と「フクシマ」という想像を絶する自然災害と科学神話の崩壊。未だ解決されず、復興へ向けて福島県、もちろん日本全体が尽力している。2020東京パラリンピック・オリンピックは、震災復興も含んで行われる。

★福島県の私立学校も、当事者であり、教育において新しい東北を創っていく人材を育てる教育をという想いは共通している。その想いを共有して、福島県私学教育協会研修会も、5年前にその質を大きく転換したと同協会会長の森涼先生は語る。

★昨日22日(木)、「第45回福島県私学教育研修会」が、そんな想いを参加者1人ひとりが改めて感じながら始まった。

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★開会式の後、すぐに、森会長からこの1年間の教育関連最新情報が報告された。世界の動き、日本の動き、福島の動きと丁寧にいまここで自分たちが日々挑戦していることが、いかに県全体、日本全体、世界全体とつながっているのか、膨大な資料を提示しながら、簡にして要を得た名プレゼンテーションをされた。

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★そして、参加された先生方は、私立学校の教師として、私学の助成の現状も共有すべく、精緻なデータを読み込む方法も語られた。教育の倫理と経営の論理の複眼思考の共有を森会長は目標としている。教育が社会にインパクトを与えるには、経営という感覚も必要だからだ。

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★私学の経営視点は、時代の精神を読み解き、入試市場の動向を見極め、政府や自治体との助成金の交渉する論点を開発することが重要なのだということが明快に論じられたプレゼンテーションだった。

★新しい東北は、あまりにも大きな根源的な問題から出発するがゆえに、実は新しい日本、もしかしたら新しい世界のお手本を意味しているのかもしれない。

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2019年7月11日 (木)

水都国際の教頭太田先生の広く深い見識

★大阪市立水都国際中学校・高等学校(以降「水都国際」と表記)の高等学校の教頭太田晃介先生を訪ねた。南港ポートタウン線に乗って、ポートタウン西で降りて、そこから800メートルくらい歩いた。

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★なんだか、豊洲のかえつ有明に臨海線でいくときと同じような感じだった。私立と公立の違いはあるが、豊洲は2020年東京パラリンピック・オリンピックの良好な影響を受け、水都国際は2025年予定の大阪万博の良い影響を受けるだろう。両校とも、グローバル教育や哲学教育とかTOKとか共通する本質的な教育もある。

★水都国際の役割は、今まで私立学校で自由闊達に行ってきた良質教育を、公立学校でもできることを証明したということだろう。日本の教育の良質さが、一部の学校に集中するのではなく、日本全体に広がる可能性がでてきたのは、たいへんよいことである。もちろん、教育行政は政治経済の影響を受けるから、そう単純ではないが。

★今回、太田先生は理科だけではなく、IB全体の教育の概要からその根底にあるIBの教育の本質についてまで、わかりやすく説明してくれた。

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★特に、教科とコアの学びであるTOK、CAS、EEとの関係について、実質的な対話ができた。おそらく、長年いっしょにPBLの学びの構造を思考コードと思考スキルと世界コード(これは未完で終わったが)でアプローチして創ってきたため、私が理解できる言葉に置き換えて説明してくれたから、ありがたいことに共感できたと思う。

★今学校現場は、教科と特別教育活動と探究とキャリア教育をつなぐ「X」なるものを形式知化できていないが、IBにおいて、太田先生はその「X」なるものの奥義を理解し、学内でマトリックス化して共有しているということだ。

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★IBは、認定校以外にはそのような根源的な情報は公開していないので、そこからは、今まで太田先生と協働してきた学びの方法論で洞察するしかないのだが、かなり直観的に理解できたような気分になった。

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★9月から大学生とIBの具体的なシステムを共有することは15回の講義では無理なので、何をトピックにするかまだ詰め切れていなかった(シラバスは作ったが、魂はまだ書いていない)が、IBから接近する「教育学」を講義できるなと直観した。太田先生、本当にありがとうございました。

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2019年7月 7日 (日)

「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」新たな自分を見つけられる。

★水都国際の熊谷先生(苦悩のIBコーディネーターを支援するIBコーディネーター)とその仲間たちが、学校も世代も立場も超えて、フラットでしなやかな学びの会を創っている。今回は、2019年8月25日(日)、大阪女学院で、「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」を開催する。

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※ナレッジキャラバン in 大阪2019年の詳細は→コチラ

★熊谷先生の呼びかけに応じて、全国からおもしろくて深い学びのプログラムを共有したいという教師が10人以上も集結する。IB教師が中心だが、イエナプラン教育など他の新しい学びを披露する先生もいる。

★新学習指導要領が想定している世界標準の対話型思考型の学びを体験できる。しかもどこの学校を選択しようが、どこの学校で教えようが、学校外で実践しようが、そのような学びに興味と関心があれば体験できる。

★今、このような知の体験が、世代を超えて多様な垣根をとっぱらってボランティア的に開催されるようになってきた。中高生と、生徒が教師に披露する自分たちが受けたい授業モデルをSGDsの一環として提案するアイデアについて議論も始まっている。

★熊谷先生とその仲間たちの動きは、このようなウネリにコレクティブインパクトを与えてエールを贈ることになろう。

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2019年7月 4日 (木)

学校雰囲気(05) 学校雰囲気進化論 あなたの選ぶ学校はどの段階?

★学校雰囲気というのは、学校内の教師と教師、教師と生徒、生徒と生徒・・・などのコミュニケーションが生み出す。そのコミュニケーションが創造的であればあるほど清浄の空気を生み出すが、ただの事務的なコミュニケーションだけだと重たい空気が流れる。

★創造的になるならないは、実は理事会の影響力が強い。校長は理事である場合が多いから、校長のビジョンや方針が理事会と同じだと普通は考えてよい。しかし、実際はそうでない悲劇的な場合も多い。

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★しかし、ここでは、校長=理事会としておこう。すると単純ではあるが、理事会と学校内の関係は4つのタイプがある。理事会も学内組織も極めて保守的で、大学合格実績も良好という学校は定番。この組織で成績上位者は明るいが、そうでないと重たい。ここにはピラミッドができるので、重たい雰囲気が支配する。しかし、学校側は、上位層しか見ないから明朗な雰囲気しかみえていない。

★そんな事実に心を痛める教師が何人か協力して、なんとか改革しようと動き出す。しかし、出る杭は打たれるで、そのような変化を抑圧する空気が流れる。大学合格実績がよいうちは、その抑圧は強烈なので、そのような改革派のメンバーは他の学校に出ていく。そして、そこで彼らが活躍する。そのような話は世に広まる。

★すると、その変化抑圧型の学校は、危機感をもつ。真っ先に理事会が、やはり変わらなくてはならないのかと、しかし、世間の事情や情報に精通していない抑圧型学校の教師は、動こうとしない。理事会が変化を叫んでも、学内は全体としては動かない。

★しかし、出ていった改革派を密かに憧れていたメンバーが、理事会と呼応していくつか動き始めるチームがでてくる。そのような理事会に対しても改革派教師に対して、頑迷固陋な教師陣の割合が多い場合は、今度は変化に対して防衛機制を作動させる学校雰囲気が漂うようになる。

★ところが、そのような学内の険悪な雰囲気は生徒募集に響いたり、進路指導に影響を与え、危機が本格的に訪れる。

★そこで、理事会も学内も一気呵成に改革モードにチェンジする。頑迷固陋なメンバーの退職率が上がる。というわけで、創造的破壊型学校雰囲気があふれ出る。生徒の応募も一気に増える。

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★しかし、それは理事会の見せかけで、理事会は学内の活性化をマネジメントしただけで、自分たち自身は変わろうとしない学校もある。そのような場合、改革的な雰囲気が、どことなくフェイクのように感じてしまう部分もでてくるものだ。

★こんなに単純ではないはずなのだが、意外にもこんな感じで学校雰囲気というのは進化するのである。

★保守型学校雰囲気の段階の進学校を選べば、大学合格は安心安全である。創造的破壊型学校雰囲気の段階の学校を選べば、生徒は大学合格どころか未来をみずから開く才能まで獲得できるだろう。問題は過渡的な段階の学校である。

★そのような学校が保守型雰囲気に逆戻りするのか創造的破壊型の学校になるのかは、カケであるが、戻るか戻らないかは、理事会の判断一つなのである。校長と理事会の関係が良好であるかどうかはチェックすべきだろう。

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2019年6月 4日 (火)

【思考力革命02】いよいよ局面が変わる雰囲気か?

★いつも会っているし、この間もカウンシルですれ違いながら対話していたが、3人だけで晩餐をするというのは、令和になって初めてだった。不思議と、こういうときは、互いにアポをとるのが、一発で決まる。

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★4時間以上対話していたから、話は、多岐に渡ったが、話の軸は、時代の雰囲気を読むというコト。最初は、いまここのリサーチ結果を持ち寄りながら、その背景にある通時的視点を見出すために、それぞれの知恵をメタダッシュボードに入れて、がちゃがちゃ振り回す。

★そのうち通時的視野と共時的視野の交差点がいくつか見え始める。

★鈴木さんは、デューイやローティの系譜で語るし、僕はフッサールやピアジェあたりから、しかし二人はガードナーで合流する。石川先生は、その流れの中にクリティカルシンキングを挿入し、自分たちがイメージしている思考力や対話の意味を問い返し、ああでもないこうでもないと盛り上がる。

★3人の原点は、2009年あたりだ。それ以前から互いに情報交換はしていたが、3人がいっしょに共創造をするというのは、そのあたりからだった。今のかえつ有明とか宝仙理数インターとか少し遅れて広尾が立ち上がり、そろそろキャズムを迎えるという局面で、3校のみならず、多くの学校が突破口を見出そうとしていた。2006年・2007年と教育基本法や学校教育法などが改正され、今の大学入試改革の準備が国立教育政策研究所でスタートしていたころだった。もっともきっかけは経産省の動きだったが。

★官の動きを気にしていたわけではないが、もともとOECD/PISAの問題と分析をリサーチしていたこともあって、同研究所がリサーチしていることが、たしかに時代をつかもうとしているということだということは感覚的につかんではいた。21世紀型スキルという名のコンピテンシーやブルーム→アンダーソン→マルザーノのタキソノミーのバージョンアップなどが研究対象になっていたのは、なぜかシンクロしていたのを思い出す。

★一方で、私立学校は経営上の問題があるから、その一環として生徒募集をなんとかしなくてはならない。その当時はアドミッションポリシーとかカリキュラムポリシーとかディプロマポリシーという言葉はまだトレンドになっていなかったが、入り口ープロセス―出口という表現を使っていて、入り口だけではなく、くし刺しするアイデアを議論していた。

★つまり、外部の市場や学内の内部、そして社会との接点の関係総体を変えるものはないかと。点だけの変更という対処療法はなるべくとらないようにしようと。もちろん、現実的にはそういういときもあったが。そうして生まれたのが「思考力入試」だった。しかし、予想通り、塾には一笑に付され、「思考力なんて昔からあるでしょう」と言われたり、「こんなもんですか」と言われたりした。

★3人は、この言葉がでてきたら、キター!と思う。コペルニクス転回とかコロンブスの卵とは、世の人がそういう捨て台詞を吐いてくれた時やってくる。まあ最初は、「思考力入試」というネーミングは学内でも塾の対応をおもんぱかって却下され、「作文入試」というネーミングで行った。

★聖学院の当時の校務部長の平方先生が、だったらウチでと、「思考力入試」というネーミングを使ってくれたことを契機にかえつ有明も「思考力入試」というネーミングを使うコトができた。やはり協力関係は必要で、それがきっかけで、2011年に発足した21会で共通のネーミングで進撃することにした。聖学院の校務部長だった平方先生が、工学院の校長に就任したらすぐに「思考力入試」を実施することを決めたから、新タイプ入試の一角を占めることができた。

★デューイやフッサールやもっと前から哲学的な「思考力」というパースペクティブでみている私たちと、「思考力・判断力・表現力」というカントの「認識・実践・美学」に重なる意味での学習指導要領の言説である「思考力」とでは、その歴史的文化的構造的意味が違うのは当然で、同じ「思考力」という言葉を使っていても、対話が成立しないのは当然である。

★しかし、それを逆手に取れば、外部・内部の変容を生みだせるし、局面を変えられる。そこで「思考コード」という基準に準拠した思考力入試を軸にしたのだった。「思考コード」のコードは基準とかルールという重たい意味をカジュアルに表現しておこうという作戦だ。

★コードには「法典」という意味もあり、ローマ帝国の成立史の要件にあるインフラというコード、ローマ法というコード、パックスロマーナ精神というコード、ラテン語という言語コードなどを、もちろんその背景には軍事力という」コードがあるから、そのまま鵜呑みにはできないが、アイデアを転用した。それはプラトンやアリストテレスだってそうだ。奴隷制の上に成立していたから、そこを無視して転用できない。

★ともあれ、学びのあるいは人材育成のコードをきちんと脱構築するコトがミッションだった。

★21会がC1英語とかPBLとかICTとか思考コードにこだわるのは、その背景には、現状の強欲社会システムをwell-beingに変容する基準・ルール・法典の考え方のコペルニクス的転回=思考力革命を生み出すことだった。

★鈴木さんが、今月実施されるかえつ有明の思考力対策講座である「思考力のトレーニング講座」は、24時間で定員の50名が満たされたという話をしながら、2009年に行ったときは、石川先生は、最初は5人でもいいから集まって欲しいといっていたのを思い出しますと感慨に浸っていた。すると、石川先生は、でもそれは初回でしょう。11月以降はその当時から50名くらい集まっていたわけで、だから各校に思考力入試をやる価値があると啓蒙しているわけで、今もそれは同じですよと。するとすかさず、鈴木さんも、でしたねと、じゃあやりますかと。

★そこで、やはり思考力革命の流れは来ているわけで、こうなったら、局面を変えることを次元を変えて創りますかということになった。時代が変わらない理由をああでもないこうでもないといっている時間がもったいない。だったら創ってしまえばよい。思考力入試対策講座で「信長とジョブス」の対話を創作するプログラムをつくって、在校生の皆さんと事前シミュレーションした時のことを思い出した。アクティブラーニングの実験も石川先生はそのときから実施していた。

★2009年、2011年、そしてしばらくマイナーチェンジで進行してきて、2019年、三度新次元を創る話に盛り上がった晩餐だった。

 

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2019年6月 3日 (月)

【思考力革命01】学びの組織を選ぶあるいは創る時代 well-being=CCTCと自然と社会の循環

★クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングの思考の構造(CCTCと呼ぼう)が身体脳神経系全域に張り巡らされることが要請される時代。このことの良し悪しは論じたければ、それはお任せする。

★そして、この身体脳神経系に張り巡らされたCCTCは自然に結びつきAI社会にも結びつく。CCTCと自然とAI社会と有機的に結合し循環することによってwell-beingが到来する。つまり、well-being=CCTC×自然×AI社会という関数でビジョンを描いておく。

★それゆえ、こういうCCTCと自然とAI社会の循環のシミュレーションができる学びの環境を組織する必要が、今の子供たちにはある。もはやたしかに、それは従来の学校でなくてもよい。スーパーアスリートのように、学校に行かなくても(高校卒業資格がまだ必要な社会だから、そこは通信制高校などを活用するが)、チームでサポートして学びの組織を創り上げるのでもよいだろう。資金があればできてしまう時代だ。

★学びの組織は、自前で創り上げることができる時代である。

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★しかし、資金がなかった場合公立学校にいけばよいし、年間1000万くらい学費を払うことができなくても、その10分の1は投資できるというのであれば私立学校を選べばよい。ここに学びの組織を選ぶという選択肢もある。

★学校は、今改革を行っていて、公立学校もラジカルな校長が脚光を浴びている。私立学校はどんどんCCTCを学べる環境を創っている。しかし、まだまだ公立学校は改革が広まっているわけではない。だから、それを補完するために、新しいCCTCを養う塾が必要となるだろう。少しずつでき始めている。

★塾に行く資金を、私立学校に回して、CCTCを養う学びの組織がある私立学校を選ぶこともできる。ただし、私立学校もまだまだ上の表にあるように、Aタイプのような国内大学進学準備だけの組織もあるし、ある程度才能のある生徒にとっては、Bタイプのような学びの組織を選べば、生徒が勝手にCCTCを開花するという学校もある。ここはまだ国内大学進学準備教育しか行っていない。

★学校に入る前は、まだどういう才能が開花するかわからないが、子供の才能を見出したいと思う場合は、才能はすべての子供たちにあるから、一人一人の才能を一緒に見つけ、学びの組織によって花開くようになるCタイプの学校を選ぶということもできる。CCTCを大切にする場合、このような私立学校を探すとよい。

★自らCCTC×自然×AI社会の学びの環境を創るか、そういう環境を選択するか。未来における子供たちのかけがえのない価値を生み出す準備はいまここから始めるのがよいのではないかと思うのである。それがようやくできるというCCTCベースの思考力革命が今起きているのだ。

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