大学入試

2020年8月21日 (金)

ポストコロナの大学入試問題(05)2021年以降の小論文の当然のテーマは「シノプティコン」。しかし難しい。それに真摯に対応できる高校は?SEIGのGIC。

★総合型選抜の入試にかかわらず、一般入試や医学部で出題されるテーマは当然のごとく、「パノプティコンからシノプティコンへ」に関連する問いでしょう。ミシェル・フーコーの監視モデルは、まだアナログメディアからのイメージでしたが、今やメディアはデジタル化しているし、今回のパンデミックで、デジタルワールドに否応なしに突入してしまいましたから、「シノプティコン」現象というより制度としての「シノプティコン」の存在が、一部哲学者の話ではなく、市民生活にも影響を及ぼすようになってしまいました。

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★「シノプティコン」が現代の哲学者の中で論じられていることについては、2016年に岡本教授が書籍で著わしてからメディアでも取り上げられました。しかし、まだ本の世界の話でした。

★しかしながら、パンデミックが起こる前から、産業界では「シノプティコン」が当たり前になっていたのです。そして、20世紀の哲学や社会学の領域からみてしまうと、「シノプティコン」をめぐる話でも、国家や行政の権力の監視のチェックをどうするかということで終わってしまっていたわけです。

★ところが、特定秘密保護法の制定などをめぐり、実際には、特定秘密の取り扱いは、産業界でも行われるようになってきたわけですから、国のコントロールばかり見ていても、アンダーコントロールやオーバーコントロールの現象が市民生活に浸透していることがみえてこないので、時代に合わない小論文対策をしてしまいがちだったんですね。

★しかしながら、毎日のようにテレビで、医療従事者や教師、企業人の遠隔操作、煽り運転の証拠としての動画が流され、「シノプティコン」現象はまさにニューノーマルになっています。つまり、制度化されていたのだということが明らかになったのです。

★特にパンデミックにおける医療関係の話は、膨大な個人の遺伝子情報、血液やホルモンの成分情報、疾患情報などがやり取りされている様子が報道されています。「シノプティコン」をただ批判するだけでは、この生死の問題を解決することはできなくなっているわけです。

★このような状態の中に、ブロックチェーン、5G、量子コンピュータの話が加わり、2025年までには、PCの世界も全く違った次元に突入しています。今までは、2011年以降のSNSの勃興がありすが、まだ1995年のWindows95インパクトの延長線上で捉えられてきました。しかし、どうやら「シノプティコン」とは何か再定義しなくてはならなくたりました。

★「シノプティコン」の再定義は、<「自由か規制か」から「自由か幸福か」へ>を巡るテーマをどうとらえるかを意味し、結局「自由」とは何かの再定義であり、「自由」な存在としての「人間」の再定義でもあります。

★今のところ、ここを制度設計の視点から高校生が考えるための書籍はなかなかありません。そんなとき、AO入試の準備をしている生徒と対話していて、大屋雄裕教授の「自由かさもなくば幸福か」という本が参考になるということになりました。

★法哲学の教授ですが、古典的な法の哲学を扱うのではなく、AI社会を前提とする法制度を考察しつつ、法哲学というより、哲学の基礎が語られているので、思想の歴史を未来にまで眺望することができます。

★サンデル教授の正義の座標系を知っているとさらにわかりやすいかもしれません。

★とはいえ、受験生は時間がないので、一冊丸ごと読めないかもしれません。そのときは第2章は最低限読んでおくとよいでしょう。

★もちろん、一冊読んでも構いませんが、その体力があるということは、それだけでもう相当思考力があるということの証しでしょう。

★大屋教授の社会に対する知見は、東大、一橋大、名古屋大学、慶応義塾大学、関西大学に通底するものです。上智大学と京都大学はそれぞれ独自の路線を保守しているでしょう。

★なお、大屋教授の法哲学は、哲学とは当然違います。また法律哲学とも違います。かなり学際的な視座が広がっているので、文系理系にかかわらなくおススメです。高校1年生、2年生は読書会をするとよいですね。

★社会は、その背景に制度設計がありますが、国家法だけが制度設計のルールではありません。今回のパンデミックで、私たちが、電車通勤するかどうかを決めるルールは、国家法で決められているものでないことを実感しています。テレワークをするかどうかもです。また、自粛の最中に何を食べるかどこで食べるかもももちろんそうです。

★インフラ、健康、実は学びですら、制度設計の影響を受けてしまっているのだと気づいてしまったのです。パンデミックで、今までの制度設計では解決できない問題が露になって、メディアと市民が、そこを決めてよと言いつつ、そこを埋める判断をしていますが、それとて、制度設計がほころびているから、そうしているわけで、制度設計を補完・補強・強化しています。

★この補完・補強・強化の自動装置こそが、制度設計の妙技です。

★そのことがはっきりしたわけです。つまり、私たちはよかれあしかれ、制度設計の掌の中でアフォーダンスされているということが了解出来てしまったわけですね。

★大学入試問題は、その大学の先生方の研究の成果の最前線で出題されるものです。どこかで見たことがあるというような手抜きの問題を出題する大学ももちろんありますが、そういう大学は選ばれなくなります。これは中学入試でも同じです。高校入試は、まだまだ焼き直しの問題です。基本選抜ではなく、配分の進路ですからそうなります。進路がシノプティコンという制度設計で行われている典型が高校入試だということも改めて了解できる時代がやっていきているわけです。

★大学入試問題の内容と高校の教科書の内容のズレがどんどんでてくる時代でもあります。このズレを埋めるにはどうしたらよいのでしょうか?逆に言えば、ここを埋め、さらに次の次元に飛ぶ高校が重要だということになります。

★そこはどこでしょう?そんな思いで学校探し・学校制作をしていきたいと思います。今はっきりいえることは、聖学院の新コースGICがそれであるということです。

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2020年8月18日 (火)

ポストコロナ時代の「私とは何か?」(03)実は私は何か了解している自己。でもそれを見えなくしている無責任な環境。

★SNSの世界は本当に悲しいこともある。中高生は、自分は何者か実は了解している。しかし、それを表現するフォームがなかなか見つからない。あれがフォームだと思っても、帯に短したすきになんとか。合わないのなら、自分で創ればよいのだが、そう一足飛びにはいかない。

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★それなのに、そのフォームのことをよくしらないで、欲しがるとは何事かと無責任な話をする。あげくのはては、自分の学校の校長は理念を語れないとか、難しいとかいう。いってもいい。愚痴はよい。でも、その事態をどうやってサポートするかの提案ではなく、行動をしているかである。

★こう提案しているのですよでは困る。思考力がないと非難する前に、自分が動けばよいじゃないか。

★そんな無責任な環境を創り出しておいて、中高生が自立していないとか、仲間の教師をさげすむような言動をはきまくる。

★そして、共感的なコミュニケーションが大切だとかいうのである。

★自分はこんなにすごいけれど、あいつは難しいことをいうとか、世界が狭いとか、ほぼ名指しでいう。

★自己中心主義、自分ファーストを絵にかいたような、共感主義者がいる。偽善くさいだろう。

★だれだって、自分のことは実は知っている。でも、フォームが不足しているだけなのだ。言葉で表せなくても、他の道具で表すことができればよいのである。だが、それすらもないことはいっぱいある。知のインフラが不足しているのである。

★せめて、そのことをアピールし、こういうフォームをいっしょにつくっていきたいと表現できればと祈るような日々である。

★それなのに、フォームの話ではなく、フォームで防御できないことをいいことに、その中高生の内面に土足で入り込み、踏みにじる。

★リバタリアンでもなんでもない。ただの自分ファーストである。似非共感主義者は、ものすごい敬語を使う。相手を引き下げて、自分を上げるのである。自分をひくめて相手をあげることを抑圧だと言いながら、その逆をやる。

★中高生の進路先は、ぴたっとあてはまるフォーム探しである。間違っても自分探しではない。自分もわからない、人もわからない深遠な自分なんてのは、自己啓発セミナーが踏み外す、オカルトの世界である。

★つまり、無責任な環境とは妖怪の生息する領域なのだ。

★もはや祈るしかないが、わが友人がその妖怪に飲み込まれるのだけは避けたい。よりによって寄せ付けるとは。。。。

★とはいえ、あまりに酷い時は、ゴーストバスターズにならざるを得まい。

★中高生のみなさんも、自分の存在の質を、表現するフォームをみつけるか、いつか創ろうと夢見るか、ともあれ、自分の存在の質を自ら守ることはしたほうがよい。そして、共感的コミュニケーションとは、その存在の質をシェアすることであるのだから、響き合う仲間を探すことである。

★フォームなんてという忍び寄る妖怪の言葉に惑わされることのないように。オープンマインドとは、自分の存在をトラウマというフォームに置き換えることではない。フォームができていないときに、すっと忍び込んだトラウマフォームウイルス。自分の存在の質を台無しにする刃に対抗する盾にもなる免疫フォームをできるだけ早く見つけて欲しい。そんなフォームは自己防衛機制だというささやきにのらないように。

★防衛機制と生命防衛システムとは全く違う。前者は他者を引き吊り回す。後者は他者と協働するのであるから。

★そして、その響き合う仲間は、同年代とは限らないし、大学の先生だったり、塾の先生だったり、学校の先生だったり、親戚のおじさんだったりするかもしれない。まだ見ぬ恋人かもしれない。響き合いのない共感的コミュニケーションはない。未来からだって響いてくるものだ。

★お札をはりにいきたいくらいである。しかし、祈りをおくることしかできないか。。。とにかく、身動きのとれないスキを突かれた感じだ。体制を立て直さなくては。

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2020年8月13日 (木)

ポストコロナの大学入試問題(05)高3生徒との対話を通して1919年に立ち戻る 思想の自由の市場化の原点へ

★AO入試に取り組んでいる高3生は、今猛烈に自分の学びのアップデートをしています。彼らと対話をするとき、やはり体験から学ぶということは互いに大切にしていますから、いまここで何が起きているか、何が問題なのか、見えない何かが見えてくるのか、ファクトと思いこんでいることが実はファクトとしてどのように創作・捏造れたものなのか、紐解いていきます。

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★マスク問題、トリアージの問題、安楽死の問題、芸術の自由の問題、インフォデミックの問題、監視問題、情報の非対称性の問題、都市デザインの問題、もちろん民主主義の問題などについて対話していくわけですが、対話をしていくにつれて、専門的な知識や技術、戦略の話は、深くは大学に行ってからの話で、今は当然そこにはいることはできないわけですから、大学に行きたいというモチベーションや情熱がメラメラと生まれてくるのです。

★そうなってくると、彼らは、論文を見つけてきては、その論点を整理して、それぞれテーマは違うのに、原理的なというか基本的な考え方というか基礎の視点は、にかよってくることを了解していくようです。そして、その視点が自分の内なる視点でもあるところにまで気づき始めます。ここが極めて大事ですね。

★私の方は、論文の書かれた時代背景や歴史的なルーツの展望について知っておくとT字型探究が促進し豊かになるかもと気づいたときは、この点を調べるとよいのではと、いっしょにweb検索しながら対話していきます。今は一冊の本を読んでみたいということになって、この時間がないときにがんばるなあと感心しています。

★彼らは、問題をまとめるときには、マトリクスとフローチャートを使いますね。そういう思考ツールの使い方ができているのですから、ああ彼らの学校の先生方はやるなあと学校の学びの姿勢が伝わってきます。基本PBLの授業だそうです。なるほど。

問題になっていることについて

・個人と国家の関係

・当事者の関係

・個人の意思の問題と壁の葛藤

・制度と倫理の関係

・文化の多様性の問題

・技術の問題

★などについて議論になるわけですから、これらの多様な切り口というかアプローチはどの問題にも共通しているなあと彼ら自身が感じ始めています。彼らなりの社会分析理論を構築しているわけです。これも極めて重要ですね。世界制作の視点は内なる自らの視点になてちることが大切でしょう。受験という枠を超えているかもしれませんが、これからの大学入試はそういうことを求めるようになるでしょう。

★もちろん、その視点が視野狭窄的では困ります。だからリサーチだし、論文だし、文献だし、何より対話なのです。

★そんな感じで対話をし続け、上記の関係が相互にどうなっているか関係づける段になていきます。これがまた一苦労です。

★それに、その苦労を通して、決定的に足りないところがあることに彼らは気づいていきます。「ああ」という響きは、オンライン上を駆け巡ります。そこから、もちろん自分の考えは深まるけれど、やはり専門的な扉をたたきはじめます。それが探究のいや研究の始りかもしれません。

★そんな対話を通して、私自身も、1919年に日本を訪れたときのデューイの講演集が「哲学の改造」としてまとめられていることの歴史的意味にぶちあたりました。

★今コロナ禍で起きている問題は、1919年(戦争とパンデミックという状況でしたね)に戻ることによって、とんでもないことが起きているということがわかります。それは100年後の2019年の愛知トリエンナーレの問題で噴出していました。このときから、コラナ禍の政策が、1919年に生まれた多様な近代の発想を封印していることがわかります。

★デューイはその渦中にあって、PBL型のプラグマティズムを形成していきます。もちろん、本人はそういうつもりはなかったようです。というのも、当時プラグマティズムというのは、イギリス功利主義の影響を受けたジェームズの思想を代表していたようです。

★しかし、ヘーゲルに学び、その観念論を実用的な、今でいう社会実装に持ち込もうとしたデューイも社会有用性という観点から今ではプラグマティズムの系譜にはいっているわけですが、プラグマティズムでさえ、複雑です。

★がしかし、東大、一橋、慶応大学、関西大学の学問の価値様式は、1919年の思想の自由の市場化という流れにあるということがみえてきました。もちろん、ひとくくりにはできませんが、その流れはかなり濃いですね。詳しくはいずれ。

★デューイとは違うけれど、功利主義的でリバタリアン的な自由の市場化の流れが、あって、日本社会では、それはせき止められているということもわかてきました。新自由主義と思想の自由の市場化とは全く違う概念です。PBLはさらにデューイ時代は看護系や医療系でも生まれていますから。なんとも今日のパンデミックにおける医療の在り方が、たしかにPBL的なプラグマティックな様相を呈しているのも、歴史の重みを感じるのですが、そこを見えないようにしているなんらかの作用は一体何なのか?

★もちろん、彼らとは、ヘーゲルのへの字も出さないし、プラグマティズムがどうのという話もしませんが、論文を読んでいくことで、彼らが自分で見つけてきます。

★そして、彼らは、答えのない問いを見つけて愕然とし、だからこそ奮い立ち、挑もうとするわけです。

★学校の授業で、答えのない問いを学ぶというのとはちょっと違う、根源的な問いです。その問いを見つけたからには、避けて通ることはできません。いや避けて通ることはできます。

★時代の流れに便乗するか、流されるかといった道を選ぶか、自ら新たな道を開くのか。その根源的な問いを前に意思決定がなされるわけです。

★エっ!?根源的な問いとは何?それは自ら発見するものです。PBLとは、この根源的な問いを掘り起こす場だということが1919年に立ち戻ることによって改めて実感しました。「改造」という日本語があまりよくないですね。原文の<reconstructipn>のほうがピンときます。デューイが日本に立ち寄って、<reconstruction>を考え語ったわけです。PBLの原点はここですね。今更ですが、あっ!つながったという感じです。

★高3生と対話しながら、100年の系譜と未来への系譜に想いを馳せることになりました。彼らに感謝です。気を引き締めて対話を続けていこうと思います。

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2020年8月 2日 (日)

ポストコロナで変わるコト(03)2022年立川国際中等教育学校 小中高一貫になる意味。英語と総合型問題入試主流に。

★アーバンライフメトロ(2020年8月2日)の記事「東京都が公立「小中高一貫校」開校の衝撃 開始は2年後、12年間の「国際人育成」目標は吉と出るか凶と出るか」によると、「東京都は2022年4月、全国初となる公立の「小中高一貫校」を開校します。学校の理念に基づき12年間の教育を行う私立学校は少なくありませんが、公立となると前例がありません」ということです。

★「新たに設ける小中高一貫校は、立川国際中等教育学校(立川市曙町)に隣接するグラウンドに設置された同校の付属小学校です」ということですから。同記事にもあるように、英語に力点を置いた小中高一貫教育改革という流れでしょう。

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★この政策が、公私格差を是正することをねらいながらも、公立学校内格差を生み出すパラドクスを起こすというのは議論の余地があるけれど、そこは議論にならずに進むでしょう。この背景には、ジェンダー問題が色濃くあります。当面日本はここの問題はマスクをかけたまま進みます。SDGsがまだまだ主流にならないのは、17のゴールの1つにジェンダー問題の解消が入っていますからね。

★しかし、東大が隈研吾さんを招聘し、SDGsを建築学に活かす新しい分野を設置する予定のようですから、教育委員会も変わらざるを得ないかもしれません。その前に東大は女子学生入学生の比率をもっと上げなくてはなりませんが。

★あっ!そういうことですね。それゆえ英語を重視するわけです。迂遠な作戦ですが、ちゃんとジェンダー問題を解消する政策をとっているわけですね。つまり、英語に力を入れて、なおかつ総合型問題を出していく。あんまりそれを強調すると、逆チェンダー問題を生み出すので、そこは静かにということでしょうか。。。

★またまた、本間はわけのわからないことを言い出したと思われるかもしれませんが、そういう方はジェンダー問題に関心がないと思ってくだされば、それで結構です。

★さて、総合型問題というのは、2021年大学入試において、早稲田の政経や青山などで行うものが典型です。AO入試/総合型選抜入試ではなく、一般入試の個別独自入試で行うものです。

★小論文は当然ですが、英語と日本語の両方の素材文が出題されます。もちろん、クリティカルシンキングがコアです。京都大学の特色入試や東大の推薦入試ではすでに当たり前になっていますね。大学入試改革がとん挫したという話と同時にパラレルに大学入試改革が加速度的に進んでいる。不思議の国日本です。

★しかし、急に始まったわけではなく、OECD/PISAとCEFRによって始まったわけです。つまり1989年ベルリンの壁崩壊後のシナリオプランニング通りなわけです。欧州に東からどっと移民がおしよせてきたわけですから、学びの権利と言葉の権利を守る政策としてこの2つは生まれてきました。どちらも拠点が人権の国フランスにあるのが象徴的です。

★IBも拠点がスイスにあるわけですから、日本の教育改革は世界の国々のいいとこどりをするも、基本はヨーロッパですね。

★ともあれ、PISA型入試を導入したのが、全国学力調査テストであり、公立中高一貫校の適性検査であり、昨今一部の公立高校入試でも取りいれています。中学入試においても適性検査型入試をはじめとする新タイプ入試が浸透してきています。

★もちろん、この路線をつくったのはベネッセと文科省の巧みな連携です。文科省の学力調査テストの運営の大半はベネッセです。数的には大学入学共通テストとなんら変わりなく、本当はできたはずなんですが、大学受験業界の壁はベネッセ一社ではどうにもならなかったということでしょう。

★しかし、シナリオプランニングは複数路線で進みますから、一つや二つダメでもベネッセは実は問題ないのです。多くの学校や自治体でベネッセの元社員は大活躍していますから、キングダムは不滅でしょう。東大本郷の赤門左にそびえる福武ホールはその象徴ですね。

★大学と就職という生涯学習系では、ベネッセ以外にリックルートがドンと構えています。教育・進路系はほぼその2社が独占しているというのが本当のところで、その2社がどういう動きをしているのか、注目しておくと役に立ちます。それから、2社が手こずるのが私立学校です。もちろんしっぽを振る私学も結構ありますが、ここは河合塾、ロイロノート、Apple、Microsoftなどのシェアとの競合関係になっています。

★それゆえ、公立中高一貫校や公立小中高一貫校などをつくって、私立学校の領域のシェアを拡大したいわけですね。自治体の背景にあるベネッセとリクルートがです。

★痛し痒しですが、この2社ががんばることによって、ピアソンとETSという英米系教育ビジネスに飲み込まれなくて済むというのが日本の教育産業界の状況でしょう。そこでフランス―ドイツを中心とする欧州教育で世界標準競合関係を巧みにベネッセは活用し、リクルートは米国のコンピテンシーでETSに対抗をしているわけです。

★この競合の状況を眺めながら一挙両得を考えているのが日能研や首都圏模試センターです。中学受験というマーケットにのみ軸足を置いているのがそれを意味しています。

★なんだか話がズレてしまいましたが、今年から小学校の5年生6年生における英語の教科化がスタートしました。片方で着々とPISA-IBーAレベル系列の入試問題、つまり総合型入試の準備も着々と進んでいます。大学入学共通テストは米国ETSの戦略を残して、言い訳ができるようにしているわけですね。

★日本の外交や国際戦略は、基本は長崎の出島戦略です。国民はだれもダイレクトに交流しないけれど、出島を通して、世界標準のシミュレーションの恩恵に浴せる状態になっている。ダイレクトに交流している人々が富を増やし、国民はその富裕層が喜ぶ素直な消費者ということですね。

★ところがポストコロナは、一般市民がネットでダイレクトに交流してしまう。そのためにも英語は重要なのですね。クリティカルシンキングは必要なんですね。ICTは大事なんです。ポストコロナ時代の三種の神器は、英語×クリティカルシンキング×ICTで、その三種の神器を使いこなす市民をクリエイティブクラスというのでしょう。

★来春のダボス会議では、この話が主流だし、そのような時代の要請を敏感に先取りする落合陽一さんもクリエイティブっクラスが働き方改革を促すでしょと語っていますね。

★というわけで、そのクリエイティブクラスが大量に輩出できる大学が、投資効果があるわけで、入学者を増やしていくことになります。

★ポストコロナ直後は、変わらない大学が安心安全だということで、そこに入学者が集まるのですが、すぐにそこではクリエイティブクラスは生まれないことに気づき、英語とクリティカルシンキングとICTを統合した「総合型入試」を行う大学の人気が出るようになります。

★安心安全を求めるタイプは、リーマンショックとかパンデミックとか気候変動という体験を通してはじめて身に染みるわけです。ベネッセやリクルートはその両方のシナリオプランニングをしているはずです。一市民の私でもそう考えるのですから、2社の幹部が考えないはずがありません。

★複線マーケットの両方でビジネスを行うリスク分散は考えるでしょう。

★日能研と首都圏模試が、一挙両得戦略をとれるかどうかは、マーケットのおもしろところですね。マーケットは時代の歴史的狡知と歴史の普遍的精神のせめぎ合いで動きます。激動の時代、マーケットはどんな新しいシナリオプランニングを立てるのでしょう。時代変革ゲーム!ワクワクしますね。

★もっとも、私自身は、そのゲームには参加しませんが。

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2020年4月18日 (土)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(43)チョート・ローズマリー・ホールのオンライン学習を通して日本のオンライン学習が注目を浴びる逆説的な転回。 工学院や聖学院の重要性高まるワケ。

★米国の超名門校ザ・10スクールにチョート・ローズ-マリー・ホールがあります。開成や成蹊が交流している超名門プレップスクールです。ボーディングスクール(寮制学校)ということもあり、年間学費は500万円くらいかかります。開成や慶応など高いですけれど、その5倍くらいの学費ですね。OBにケネディー大統領がいます。

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(図は、チョート・ローズマリー・ホールのサイトから)

★平均クラスサイズが12名ですから、あの有名なラウンドテーブルを囲んだソクラティックメソッドが有名な学習スタイルです。

★英米の有名私立学校と同じように、チョートスクールも、新型コロナウィルス感染拡大防止のために、休校になっているわけですが、当然オンライン学習を行っていると、しっかりサイトで発信しています。ここまでの発信をどうして開成とかしないのでしょうか?工学院とか聖学院は発信しているのに。

★しかし、それはどうやら理由があります。開成などの御三家は、英米の名門校と比べて、学費が違いすぎますから、効率よく生徒の才能を東大に進学させて伸ばすという一石多鳥戦略でカリキュラムを組んでいます。それに寮制学校ではないので、それほどリモート学習をする必要もないのです。

★どういうことかというと、イートンカレッジもケイトスクールも、チョートスクールも、世界中から生徒が集まっていますから、オンライン学習は本当の意味でリモート学習でなければなりません。時差があるから、同期(リアルタイム)学習ができないことの方が多いでしょう。特に米国では、国内と言えども、たとえば西部と東部で時差があるわけです。

★日本国内では、オンライン授業と遠隔授業の違いは何だとか、実態は同じなのに、名づけにこだわる議論は多いですね。こういうと、実態だって違うとかやたらコンテンツの具体的な差異について突っ込みを入れてくる方もいますが、もっとざっくり時空の違いなんですよというのが世界標準の考え方でしょう。

★問題はしかしながら、オンライン学習やリモート学習をやっていくと、このリアル時空とサイバー時空がハイブリッド時空になっていき、この新しい学びの時空を基準にカリキュラムを考えていくと、学費の高い英米の名門スクールの教育の質に追いつくし、超えてしまうかもしれないという動きが今回日本の私立学校で起きているということなのです。端的には、工学院と聖学院が先鋭的です。他の学校もやっているかもしれないけれど、両校のように発信していないという点で、先鋭的ではないのです。

★英米の名門校だって、グループウェア―で学内だけで情報を共有すればよいのに、きっちり発信するわけです。それは危機の状況にあって、リソースを共有しようというコンパッションが働いているからです。社会貢献の姿勢ですよ。ただ、たんにそれを宣伝という意味で広報活動をとらえて、控えめが美徳だとか、この際だから宣伝しようというゆがんだ広報活動のイメージをもちすぎということで、世界標準ではないということです。

★ともあれ、御三家は、控えめにそんな効率の悪いことはしなくてよいと考えるし、工学院や聖学院はICT教育は限界費用ゼロ社会を持ち込むので、むしろ効率がいいんだという話になります。

★それで、何が起こるのかと言うと、英米の名門校が、一般的なアカデミック(教科学習のこと)だけではなく、スペシャルな専門的なプログラムを本格的に導入しているのですが、開成や御三家は、それはやらないのです。ところが工学院や聖学院はそれをちゃんとやるんですね。

★スぺシャルな専門的なプログラムとはIBやAレベル、APコースのことかというと、それはまだアカデミックな学びの延長なので、共通点もありますが、まだまだです。

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(チョートスクールのsignature programの選択肢。同校サイトから)

★チョートスクールなど米国の私立学校は、一般的なアカデミックな学習と私立学校の精神を現代化するsignature programを行っています。日本では、最近STEAMとかいわれているわけですが、そこの部分を教科の合間で行うのではなく、カリキュラムとしてどんと入れてしまうということです。それに、米国ではSignature Programは一大市場になっています。日本は細々とベンチャー企業が少しやりはじめてはいますが、アート市場と同じで、日本はまだ広がっていませんね。

★私立学校は、建学の精神によれば、グローバル市民のリーダーを輩出するミッションを有していますから、当然パブリックスクールで決められている学びもやるわけですが、それ以外にも特色あるプログラムをやれるわけです。やるのが本筋なのです。

★ところが、学習指導要領は、そんな特色あるプログラムはメインストリームではないし、大学入試に直接役立たないので、開成や御三家のように、教科学習の質を高めることで、結果的に特色あるプロラムを実施したことになるようにコンパクトに創意工夫されています。ですから、学費が、英米私立学校に比べて安くてもできるのです。

★しかし、工学院や聖学院のように、海外大学の進路指導もしてしまうと、signature programのように特別な創造的才能を豊かにする体験学習が重要になります。海外大学は、アカデミックなスキルと創造的才能の能力の両方を要するからです。

★ですから、工学院や聖学院は、開成や御三家に比べて学費が安いか同じくらいなのに、その両方をやっているのです。世界標準をあてがうとコスパが破格にいいのです。

★さらに、開成などの御三家(ばかりではなく、ミニ開成やミニ桜蔭を自称しれいる私立学校も含みます)が、英米の名門校のようにオンライン学習やリモート学習に熱心にならないのは、実はアカデミックプログラムだけやっているからです。プリント通信学習でも最低限いけちゃうでしょうから。それが本音でしょう。

★ところが、英米のプレップスクールなどは、その特別プログラムをオンラインやリモートで学ぶ環境を創らなくてはならないのです。それをやらないと、私立学校の精神の現代化教育ができなくなるので、存亡の危機なのです。

★というか、学費をこれまでのように高くとれなくなるので、財務基盤が崩れるからです。

★そこへいくと、聖学院や工学院は、開成や御三家と違い、私立学校の精神の現代化を進めるという意味で革新的だし、学費を抑えて欧米のプレップスクールの高品質の教育を行えるのです。

★これで、はっきりしたことは、アカデミックなプログラムでいくら革新的なことをやってもあまり意味がないのです。いいんですよ、アカデミックな学習は一方通行で。もしPBLをやりたければ、学費を倍以上とって、少人数にしてやるしかないのです。

★だって、既存のテキスト内の知識の格納想起思考と論理思考だけやるのに、PBLの必要はないでしょう。

★ところが、創造的才能を豊かにしよとするとsignature programのような特別なプログラムが必要です。探究がその領域に重なりますが、本格的ではないのが現状ですね。どうも教科学習の延長というのが探究の実態です。

★ともあれ、そうなってくると、PBLやオンラインやリモート学習は必要になってきます。工学院や聖学院がふだんから準備ができていたというのは、ふだんからこのSプログラム(Signatur Programなどの特別なプログラムをこう呼んでおきましょう)が充実していたからなのです。

★もちろん、極端な話をしてしまいましたが、アカデミックプログラムで、40人クラスでPBL型授業をコンパクトにやっておく必要は極めて実は重要なのです。もしこれをやったら、英米の名門私立学校ではできないことを日本はやっていることになるし、知識の概念を完全にコペルニクス転回へシフトすることになるからです。これは、最近の新世代哲学者が考えていることとシンクロすることになりますしね。

★とにかく、少人数だからできるという先入観をぶっ壊しているのですから、インパクトありありありです。

★そのうえさらに Sプログラムを本格的にやっている。

★聖学院と工学院がそのことを意識して行ってきたかという、それはわかりませんが、C1英語×PBL×ICT×STEAM×哲学という21世紀型教育を6年以上実践している中で、進化/深化していったことは確かでしょう。

★学費の制約、学習指導要領の制約、大学入試の制約というアドミッション、カリキュラム、ディプロマという3ポリシーをたてるうえで、それぞれのポリシーの局面で制約があるわけですが、開成などの御三家のようにこの制約内で効率の良い教育で成果をあげるのではなく、その制約をどのように越えられるのか挑戦して破格の質の教育に挑戦していく工学院や聖学院のような革新的学校が、この全国的なオンライン学習やリモート学習デザインの動きの中で注目を浴びることになるでしょう。

★そして、さらなる進化をする学校がまた出現してくるのです。2校ほどその兆しありだと思っているのですが。この工学院や聖学院の進化は、シリコンバレ―に位置するチャータースクールHTHが求めるエンジニアリングの次の段階である茶の道やマインドフルネスの道、ジョブスが見抜いていたZENなどのスマート時空の考え方なのです。宇宙船ですでに使われているミウラオリという白銀比の世界ですね。エンジニアリングは黄金比の世界ですから。

★聖学院の思考力入試セミナーでは、黄金比と白銀比の違いを共有するプログラムがありますが、さすが先見の明ありですね。

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2020年4月13日 (月)

2020年春の大学合格実績(3)鴎友学園女子

★鴎友学園女子の大学合格実績の高さは安定しています。たとえば、今春の実績は次の通りです。( )内は現役合格数。

東京大学合格者数7(7)名
京都大学合格者数3(3)名
一橋大学合格者数 6(6)名
東京工業大学合格者数 6(5)名
早稲田大学合格者数 80(75)名
慶應義塾大学合格者数 48(44)名
上智大学合格者数 50(50)名
東京理科大学合格者数 55(45)名
学習院大学合格者数 12(10)名
明治大学合格者数 112(94)名
青山学院大学合格者数 47(45)名
立教大学合格者数 72(71)名
中央大学合格者数 65(61)名
法政大学合格者数 58(48)名
(インターエデュ調べ) 

★上記の大学の合格者数だけで、621名。卒業生数に占める割合は、256.6%ですから、生徒が自ら描くキャリアデザインを実現する環境を持った大学に進む努力をすれば道は開かれる学び舎になっています。

★ディプロマポリシーは、同校サイトによると、次の通りです。

【鷗友学園のディプロマポリシー】
鷗友学園では、「慈愛と誠実と創造」の校訓のもとに、6年間の学校生活の中で学びを深めていきます。幅広い領域に対する知識・理解、思考力・判断力を身につけることを礎として、卒業時には次のような人間に成長することを期待しています。

他者との関わり合いの中で、相手をも自己をも尊重することができる思いやりの心を持つ人間。(慈愛)
バランスのとれた学習過程を通して、自己の可能性を発見し、豊かで自由な感性と自らの道を切り拓く強い意志を持つ人間。(誠実)
多様化する社会において、異なる価値観を持つ人々とも協調しつつ、平和な世界を創造する力を持つ人間。(創造)

★高校からはBYOD(Bring Your Own Device)という考え方にもとづいて、生徒は自由にデバイスを持ってきて授業から生徒会、部活にまで文房具のように活用する環境になっています。

★多様な海外研修や留学のプログラムも用意され、世界を視野に入れたグローバル教育も充実しています。

★ディプロマポリシーであり、校訓でもある慈愛と誠実と創造が、貫徹した結果、大学合格実績はでているわけです。

★誠実という校訓からは、伝統と革新のバランスも創り出しています。

★したがって、校訓は現代化されながら持続可能になっています。

★そのため、今回の新型コロナウィルス感染拡大防止のための全国一斉休校という事態になっても、オンライン学習ですぐに対応できるわけです。

★そして、鴎友学園女子は、スマートシティーならぬスマートスクールのモデルですが、あのHTHがエンジニアリングから次へ進まなくてはならないと模索している一つのモデルでもあります。このことは、もちろんHTHも多くの人も気づいていないでしょう。このモデルは他に恵泉があります。それ以外はまだ実践されていないかもしれません。

★結局、新渡戸稲造や内村鑑三の精神に影響を受けた時代に創設した鴎友学園女子や恵泉だからこそなのかもしれません。新渡戸稲造や内村鑑三は官僚的な近代国家路線とは違うもう一つの近代化路線を考え論じ行動していました。

★ポスト・コロナショック時代は、その当時のもう一つの近代化路線に活路があるのかもしれません。鴎友学園女子の時代が到来します。

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2020年4月 9日 (木)

2020年春の大学合格実績(2)工学院大学附属

★2020年度の工学院の大学合格実績は、プレ21世紀型教育改革の学年として、成功だったと思います。海外大学へ11名、医学部医学科にも4人合格し、進路の多様性は広がりました。他の高偏差値校と比べ、いわゆる難関大学の人数が少ないと思われるかもしれませんが、4大学に合格した人数の卒業生数に占める割合は、約140%です。

★まずは、4大への進路保証の基盤はできています。そして、医歯薬獣医看理工系私立大学の合格実績の卒業生比は、48%です。工学院大学だけみれば、推薦制度もあり、23%ですから、他大学にも果敢に挑戦しています。

★C1英語、PBL、ICTの学習環境を基礎として、STEAMや探究、多様な海外プロジェクトなどの大学受験勉強以上の<新しい学びの経験>によって、生徒は未来を創る眼差し、世界の痛みへの共感力、世界リスクを解決するクリティカルシンキング・クリエイティブシンキングの実装を果たしていきます。その成果の一つとして大学合格実績の成果もでています。

★来年は、21世紀型教育改革一期生の出番です。今一期生は、彼らに降りかかっている難局を受けとめ、どう考え動くべきか考えながら、大学合格実績も結果的に出していくことでしょう。受験勉強としての学園生活ではなく、骨太の学びをおくる学園生活がいかに一生ものなのか感じながら卒業生は羽ばたいていきます。この文化が工学院の教育の良質の土壌として毎年堆積されていくことでしょう。

★さて、いわゆるGMARCH以上の今春の実績は以下の通りです。

【医学部医学科】4人
横浜市立大学
昭和大学
東邦大学
国際医療福祉大学

【海外大学】11人
Baylor University
Michigan University
Oregon State University
Rutgers University
Syracuse University
University of Massachusetts
University of Alabama
University of California,Davis
University of California ,Santa Cruz
University of East Anglia
University of Exeter

【国公立大学】9人
東北大学 1
東京都立大学 4
横浜市立大学 2
山形大学 1
静岡文化芸術大学 1

【早慶上理・GMARCH】48人
早稲田大学 2
上智大学 7
東京理科大学 2
学習院大学 1
明治大学 6
青山学院大学 4
立教大学 8
中央大学 2
法政大学 16

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2020年春の大学合格実績(1)かえつ有明

★かえつ有明が、同校サイトで2020年度の大学合格実績を公開。次のようになっています。

 【国公立大学】
東京大学1 一橋大学1 東京外国語大学1 千葉大学1 電気通信大学2 東京海洋大学1 国際教養大学1 弘前大学1 信州大学2 金沢大学1 福井大学1 滋賀大学1 長崎大学1 防衛医科大学校1 
(国公立 合計16)


【私立大学】
早稲田大学22 慶應義塾大学20 上智大学14 東京理科大学21 国際基督教大学(ICU)6 
(早慶上理ICU 合計83)


学習院大学7 明治大学22 青山学院大学13 立教大学16 中央大学10 法政大学21 
(GMARCH 合計89)


関西大学1 関西学院大学7 立命館8 日本大学35 東洋大学24 駒澤大学7 専修大学4 成城大学9 成蹊大学4 明治学院大学13 武蔵大学3 武蔵野大学23 獨協大学19 芝浦工業大学28 千葉工業大学10 立命館アジア太平洋大学1 津田塾大学6 日本女子大学2 …


【海外大学】
メルボルン大学(豪)1 ミシガン州立大学(米)1 カリフォルニアバプテスト大学(米)1 テンプル大学(米)1 クイーンズ大学ベルファスト(英)1 マンハイム芸術音楽大学(独)1 実践大学(台)1 静宜大学(台)1 
(海外 合計8)

★卒業生数は180人くらいでしょうから、いわゆるGMARCH以上の合格数が卒業生数に占める割合が100%を超えています。なおかつ海外大学の数も8名。特にICU6名はすごいですね。かえつ有明の生徒の進路の考え方を象徴しているかもしれません。

★国際生がたくさん入学する多様性とアクティブラーニングを全クラスに浸透させる教育の質がそのまま反映しています。いわゆる大学受験勉強を第一の目的にすることのない教育で十分に進路を拓くことができることの証明をしているといえます。

★教育の質で人気で結果もでる。つまり「教育の質」=カリキュラムポリシー、「人気」=アドミッションポリシー、「結果」=ディプロマポリシーといった3ポリシーが循環していることが了解できます。

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2020年4月 8日 (水)

ポスト・コロナショック時代がもたらすコト(1)ハイブリッド時空(HST)生活世界市民へ

★昨日4月7日(火)緊急時代宣言が発令発行しました。あっという間に私たちの生活世界の空間と時間(時空)が変わりました。この新しい生活世界の時空を当面<ハイブリッド時空(HST:Hybrid Space Time)>と呼んでおきましょう。

Hst

★このHSTは、もともと人間は持っていたものです。しかし、多くの人々は、リアルで生物的な時空に閉じ込められていました。その正当性は、合法的で合理的な法治主義によって担保されてきました。しかしながら、そのような法実証的な法治主義のともすれば監視の行き過ぎや規制の行き過ぎを議論する場としてリアル時空とマインド時空に倫理時空をつくって、チェックしてきたわけです。

★しかし、もちろん、常に全体意思との闘いがあるわけです。倫理空間では一般意思が作動しているうちはよいのですが、本当の世界リスクはここにあります。このことはいずれまた考えましょう。先に進みます。

★ところが、今回緊急事態宣言で、不要不急以外は外出を自粛という暗黙の規制によって、今まで一部の人に開かれていたサイバー時空とバイオ時空がつくりだす革新時空が市民全体に開かれました。

★中高生徒全員に1人1台デバイスが配布されます。今まではここは私事の自己決定領域だったのですが、もはやそんなことは言ってられないという話ですね。もちろん、ここにも監視体制の強化システムがもれなくついてきます。<市民>という意識を私たちは生活世界の中でよほど意識しなければならない時代がやってきたわけです。

★ともかく、同時にサイバー時空とマインド時空がつくる<創造時空>が生まれました。今まで規制時空に閉じ込められたいた人々も、いろいろなことを創造してよいのです。間のところ創造対価貨幣が発明されていませんが、仮想通貨の中でそれが生まれてくるのは時間の問題です。

★わたしたちは、まだ映画「マトリックス」のようい、脳内だけで生きて行く存在ではないので、この4つの時空を往来しながら世界リスクを回避したり解決したりしながら生きて行く生活世界が広がっていきます。

★残念ながら規制空間で収入を得てきた場合、その時空だけで通用してきた仕事はなくなります。この時空だけで通用してきた教育活動もなくなります。ハイブリッド時空市民になる学びを探究していかねばならなくなるでしょう。

★そして、このハイブリッド時空を法治主義の名で支配しようとする権力(もはや国家権力ではなく別の新手の権力にシフトするでしょうが)のHST生活世界市民への介入も出てくると思います。新しい市民にとっての人権とは何か、その実存も読み替えていく創造的思考力・批判的思考力が必須になっていきます。

★昨今のすべての学問の新しい動きが一気呵成に合流することを期待しています。もちろん、私もその流れに参加します。

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2020年4月 7日 (火)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(25)かえつ有明が変える世界 説明会も授業も 多様性と共感と存在と

★かえつ有明がまた先頭を走り始めました。4月4日、同校は、ポスト・コロナショック時代の教育の在り方とその意味を投げかけたのです。ちょうど1カ月前の3月4日、佐野和之先生(かえつ有明副教頭)と金井達亮先生(元かえつ有明教諭・現在東京大学大学院博士課程)と対話したことについて、ホンマノオト21に記しました。

参考)感染症に対応する都市機能の変容能力(7)佐野先生と金井先生と対話する。静かに大きくウネルとき。

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★その記事にはこう書きました。「ともあれ、社会インパクトを与える新機軸とはなんであるか、対話をしているうちに、すでに具体的な構想力に結晶していることが判明しました。その全貌の公表はもうすぐだそうです。乞うご期待。」と。

★その全貌を発信したわけでは、まだないのですが、その一端を発信しています。

★たとえば、広報チームは「今後、オンラインの学校説明会や個別相談の実施」をしていくと表明しています。説明会の動画を配信することは当然するでしょうが、共感的コミュニケーションを大切にしている同校です。双方向的なシステムを導入しないわけがないのです。そして面談もリアルにもやるでしょうし、オンラインでも実施していくでしょう。

★教務チームからは「休校期間中はONLINEによる授業、面談、ホームルーム等を随時行います」という表明がなされています。やはり双方向的なシステムをいれて、共感的なコミュニケーションをベースにした授業や面談、ホームルームを実施していくというわけですね。

★同校は今までは高校段階で、「BYOD」(Bring Your Own Device)というシステムを導入してきましたから、中学でも自分のPCやタブレットを持ってくればよいだけです。今回のオンライン授業開設で、デバイス環境が学校と生徒の間でより充実するでしょう。

★オンライン説明会とオンライン授業という俊敏な」動きはさすがなのですが、なぜこれができるかというと、アクティブラーニングが徹底しているからです。知識・理解レベルの情報収集や学びは、もはや動画や学習用アプリでよく、コーチングやカウンセリングの一部はオンラインでできます。

★だから、リアルにあったときは、すべてワークショップ型でいきたいというのが佐野先生と金井先生の想いです。共感的コミュニケーションや信頼は、やはり五感を研ぎ澄ましながら生まれてくるので、現状のテクノロジーでは、まだリアルスペースは大切です。ですから、ポスト・コロナ時代は、オンライン説明会やオンライン授業も継続しながら、知識と論理的思考とマインドフルネスの組み合わせは、ハイブリッド時空になっていきます。

★これによって、時空の自由度が生まれてきます。しかも、この生活世界は政治経済社会をも変えていくでしょう。

★かえつ有明の教育の新しい在り方は、そういう意味で社会インパクトがあります。それに今年の高1は、中1の時に全クラスアクティブラーニングを実施した一期生です。

★おそらく、このことをイメージすれば、すぐにかえつ有明の高校のカリキュラムや教育活動が大きな変化をもたらすことになっていることに気づくでしょう。このことは、5月6日以降に新たなシーンとして映し出されます。そのときまたご紹介しましょう。全貌が見えるはずです。

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