総合型選抜における「活動や体験」とは何か?杉浦由美子さんの本オススメ
★杉浦由美子さんの「大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法 青春出版社 (2025/4/17)」はおススメです。これからは推薦入試の機会が増えるという時代にあって、実用的な合格の仕方の誤解を招くポジショントークが結構ある中、多くの取材を重ね、そのような誤解を次々とクリアしていく取材編集力は、受験業界では珍しい教育ジャーナリストの1人だなと今後を期待したいと感じました。
(タイトルは端的な表現ですが、「活動」そのものを否定しているわけではありません。コンクールなどで一握りの生徒が獲得できる実績がなければ合格できないというのは誤解だと説いているだけです。むしろ文献リサーチやフィールドワークなどの活動は重要視しています。)
★推薦入試に対する冷静かつポジティブな分析と予測に希望を持ったのは、多くの大学の取材やリサーチを通して、推薦入試という各大学によって特徴が違って、全容が見えにくいシステムをきっちり俯瞰しているからです。
★それに、推薦入試を真摯に行って、大学実績というより、生徒の生き方を丁寧にサポートしている学校を取材して生み出されている本でもあるからです。杉浦さんは取材した学校名を並べていますが、いずれも本ブログでよく話題にする学校だったので、親近感を持ったというのも正直なところです。
★もっとも、気に入ったのは、私たちのリサーチとシンクロするところがあると思ったからです。今私立学校の仲間の先生方と、多様なグローバルな体験の教育環境をデザインする一方で、フィールドワーク、文献リサーチ、プレゼン、論文編集などの多面的な活動のプロセスを通して創発するコンセプトやアイデアを感じたり考えたりする中核となる言語能力の軸を可視化しようとワークショップを行っています。その軸の重要性を杉浦さんも語っているような気がしたからです。
★私がとやかく語るより、杉浦さんのカジュアルな感じで本質的に語っているこの本をまずは読まれることをおススメします。
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