中学入試

2020年10月25日 (日)

工学院インパクト(16)チームSCTのクリエイティブ・コア・ミッションが私たちの希望。①

★工学院大学附属中高のチームSCT(スーパー・クリエイティブ・ティーチャー)のクリエイティブ・コア・ミッションがすてきです。学校もイノベーションを生み出す時代はとっくにきていますが、なかなか進んでいないように見えます。それはなぜでしょう。クリエイティブ・コアミッションがないからです。ところが、工学院ではそれが誕生し、根付き始めました。

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★イノベーションが広まる「イノベーター理論(1962年)」で親しまれているスタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャース教授(Everett M. Rogers)の理論は有名です。しかし、産業構造が20世紀末には変わってしまったので、ジェフリー・ムーアは、キャズム論を加えて塗り替えました。

★ロジャーズ教授は社会学者です。ムーアはコンサルタントで、経済的視点で展開しています。したがって、私立学校の教育イノベーションを語る時、ジェフリー・ムーアの考え方が採用されることが多かったのです。

★しかしながら、多くの学校シンクタンクや教育コンサルタントは、時系列の普及カテゴリー(イノベーター→アーリ―アダプター→キャズム→アーリーマジョリティ→レイトマジョリティ→ラガード)のシェアに注目するだけで、その先を論じません。あるいは企業秘密にしているのかもしれません。三田国際のようにこの理論も参考にしながら、急激に教育イノベーションを果たし、生徒獲得戦略に大成功を収めているところは、この普及カテゴリーの先をしっかり学内で共有しています。

★それは、ジェフリー・ムーアの「コア」と「コンテキスト」のマトリクスです。この理論は、ムーア自身の本で展開されていることですから、セオリーをきちんと理解しているわけですね。

★工学院も同じスタンスですが、「コア」と「コンテキスト」をもう少しわかりやすく「コア」と「ルーチン」と読み替え、「コア」をクリエイティブ・コアミッションとマーケットニーズコアミッションに分けています。もっと簡単に言えば「本質」と「実用」です。

★三田国際は、このコアの部分は完全に自前です。「コンテキスト」つまり「ルーチン」の部分は外部ネットワークと連携します。丸投げアウトソーシングはしません。工学院も、ルーチンの部分は三田国際と同じです。しかし、コアの部分は少し違います。

★三田国際はコアの構成要素である「本質」と「実用」を明快には分けていません。三田国際の場合は、「本質」=「実用」=「学問」ですからその必要がないのです。立ち上がり当初は、一部連携もしていましたが、改革2年目からは完全内製化にシフトしました。

★工学院は、「本質」と「実用」は分けています。というのも、「実用」のコアミッション部分はやがて「ルーチン」に転換していきます。ですから、このコアミッションの「実用」の部分は、はじめから連携によって運営していきます。

★しかし、「本質」つまりクリエイティブコアミッションのところは、完全内製化です。ソフトパワーを生み出す拠点を自前で確保しているのです。ここは「TTP(徹底的にパクる)」をしないところです。

★おもしろいのは、クリエイティブ・コアミッションの最大の拠点は、高2のグローバルプロジェクトです。他校にない学年全体で取り組むプロジェクトで、運営には外部ネットワークと連携しますが、企画そのものを生み出す部分は教師と生徒ががっちり協働します。

★ケンブリッジインイングリッシュスクールやラウンドスクエア、UPAAなどのコアミッションの連携もしますが、これらを統合するグローバルインテリジェンスは、完全自前です。教務主任とカリキュラムマネージャーなどが知を創出しています。

★それから普段のPBL授業の部分は、田中歩教務主任が若手教師のプロジェクトチームSCTを自然な感じで生成し、自主活動をしています。田中歩先生との長い付き合いの成り行きで、私もSCTのコアミッションの実用部分までは立ち会いますが、クリエイティブ・コアミッションは、完全にSCTチームが内製します。

★田中歩先生が英語科主任時代に、やはり当時のチームメンバーと創出したのが、「思考コード」で、今では中学入試でも別のカタチで広まっていますね。そこも、私は立ち会う機会を頂いたのですが、クリエイティブ部分は、完全に先生方が創出していきました。

★そして、今はSCTチームメンバーが、「興味関心を生み出すパターンカード」を創ってしまいました。昨日、この自作のカードを使って、柳田先生の中1の社会の授業を分析して、実用性を検証していきました。ワクワクしますね。

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2020年10月23日 (金)

新しい教育社会(15)私立中高の各価値志向に対応する広報戦略タイプとは?

★前回は、私立学校の広報戦略の私の一般論をご紹介しました。ホンマカイナと思われた方も多いでしょうけれど、まあ経験値から述べているので、真理ではないかもしれませんが、戯言でもありません。参考にするかどうかは、私事の自己決定ということで。ともかく、その一般論に基づいて、私立中高の各価値志向座標に重ね合わせてみましょう。赤い項目が、その志向ドメインでよく使われる戦術です。

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★コンサバドメインでは、「直接広報戦術」が圧倒的です。中でも大学合格実績広報はすさまじいですね。

★ブランディングマーケティングドメインでは、「新市場ムーブメント創出戦術」が中心で、これを広げるための「直接広報戦術」「連携戦術」「覚醒共感戦術」の関係づくりが巧みです。

★GAFAドメインでは、ブランディングマーケティング領域に似ていますが、「新市場ムーブメント創出戦術」には興味と関心がありません。コスト(お金だけではなく労力)がかかるので、そこは便乗です。フリーライダーではありません。オープンソース論です。リバタリアンの真骨頂ですね。

★DAVOSドメインでは、70%理論が成り立ちます。大学合格実績がそんなに派手に出ていない段階なので、それ以外の項目を関係づけようとします。かえつ有明のように、大学合格実績もでているのですが、そこは目的ではないという間接広報戦術を中心に他の項目を構成主義的な関係で結びつけています。そこが成功していますね。

★聖学院のように、新市場ムーブメント創出戦術に成功し、メディア戦術もうまく構成主義的に関係づけられている成功例もあります。

★そういえば、かえつ有明と聖学院、新渡戸文化学園は、「覚醒共感戦術」がスーパーパワーフルです。

★こうして、座標を一望すると、どの領域も「口コミ戦術」がまだまだうまくいっていません。それは、豊かで強い「広報戦略方程式」が確定していないからでしょう。PBL授業を教育全体に結びつけていないということもあるでしょう。ここを真摯に突き進んでいる学校といえば、桐朋女子ですね。他のドメインでは、授業なんて前面に出さなくても、強い「勝利の方程式」があるからという感じです。それは、世界を変える教育布教方程式ではなく、勝ち組負け組を生み出す方程式です。

★しかしながら、今後それがどう変容していくかが興味深いです。まずは、生徒を集めなければしかたがないのですから、そこから出発することもありなのです。

★いずれにしても、この関係方程式にオンラインというのが重要になってきたわけです。オンライン入試をミネルバ型で突破したところに、注目が生まれるわけですね。東京では私立中高協会のオンライン入試自粛宣言の中でそれをどう創意工夫するのか!腕の見せ所ですね。

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新しい教育社会(14)私立中高の広報の本当の価値とは?

★この時期は、生徒獲得戦略の話題が盛りあがったり、中学入試から大学入試までの生徒のコーチングの仕方をどうするかなど激論が交わされたりと、徐々に沸騰入試列島にシフトしています。ですから、この時期になると、ときどき本間さんの広報戦略は?ときかれます。エッと戸惑います。私はPBL屋さんだと思われているので、広報戦略を私にきくのはなぜと。でもそれを問うてくる学校の経営者は、すでにうまくいっていたり、新しいことをやろうとしている学校の経営者です。さすが、角度が違うと思います。そこで、私は持論を述べます。広報戦略で仕事をしているのではないので、もしお役に立てればと思い、公開できる範囲で少しご紹介します。

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★私は、個々の私立学校や21世紀型教育機構の立ち上げにかかわってきました。といっても、C1英語×PBL×コンピュータサイエンス×思考コード(言語・数理哲学)のクリエイティブシステム思考のワークショップやブログ発信という口コミ戦術にかかわる領域がメインストリームでした。

★ただ、このクリエイティブシステム思考は、世界中の生徒が共有するのがすてきだと思っていますから、かかわった学校や機構が広く認知されることは大切です。私学における広報とはクリエイティブシステム思考の学びの環境を公に共有する関係を普及・布教することだと思っています。

★ですから、ダイレクトに生徒獲得戦術だけの広報をすることは、私自身はしてこなかったのです。それゆえ多くの私学の広報の先生方からは歯がゆいとか迂遠だとか言われてきました。小難しいだよとは今も言われます(汗)。もしかしたら機構でもそう思われていた方もいたかもしれません。きちんとそこを共有できないまま止めてしまったので、この場を借りて共有しておきましょう。

★私は、広報は8つの関係で方程式を創ります。ものごとは関数関係=構成主義的デザインが大切だとするのが持論です。PBLも広報も含めた3ポリシーもすべてつながっている、一貫性があるというのがシステム思考です。ですから、まずは、「構成主義」という手法を使います。それから、どんな項目をつなぐかと言いますと、学校の3ポリシーを中心に直接うちはこんな成果をあげているとダイレクトに広報する「直接広報戦術」があります。

★2つめは、生徒のみなさんの学園生活の中でどんな思いで活動しているのかなどをPBLにからめてインタビューしたりしています。直接広報ではないですね。直接広報というのは、市場のニーズに直接つながる情報を流すことです。大学合格実績が必要なのは、そういうニーズが強烈にあるからですね。

★生徒の活動は、そういう意味では、市場のニーズランキングではそう高くありません。しかし、目の前の入試に直面している生徒や保護者にとっては最重要な情報に転換します。ああそいうことだったのかと。「救いの情報」ともいえます。

★3つめは、「口コミ戦術」です。「直接広報戦術」の裏付け情報とでも言いましょうか。実際はどうなのよおという情報です。結局生徒が学校生活で最も時間を費やす授業の中身は、なかなか共有されていません。経営陣がそこに興味がないのが実態ですからね。それに、先生同士も互いに授業を見ることが物理的にできないのが実情です。

★4つめは、「新市場ムーブメント創出戦術」です。機構で行ったのは、C1英語×PBL×STEAM×思考コード×思考力入試でした。この中で新タイプ入試は時代とマッチして、21世紀型教育はこの戦術を活用できたと思います。機構メンバー校は、この方程式は共有していますし。

★5つめは、「覚醒共感戦術」です。「目からウロコ戦術」といえばわかりやすいかもしれません。あるいは「感動戦術」でしょうか。一過性のものではない仕掛け作りがポイントです。

★6つ目は、「連携戦術」ですね。合同説明会をやるのもその一つですが、これは少しルーチンになり過ぎて、積極的な意味は少し色あせているかもしれません。新しいテストや学びの体験を学校と塾が連携したり、経産省やIT企業と連携したりという動きは大事です。もっとも効果的な連携はメディアを巻き込むことですね。

★7つめは、上の図の、6つの項目と構成主義戦略の間にある空白領域です。ここは、つなぐ方程式がはいっています。「戦略方程式」ですね。

★IBやラウンドスクエアの広報戦略方程式です。とはいっても、IBやラウンドスクエアに加盟しているからと言って、その「戦略方程式」を体得しているかといえば、必ずしもそうではないので、そこをもっと学ぶとパワフルになるでしょうね。

★8つ目は、「構成主義」そのものの考え方をしているかどうかです。これがないと、6つの項目はバラバラでシナジー効果が現れません。現状は「直接広報戦術」に偏っている私学が多いですね。そんなことに気づいたら、この8つの関係を見直し、シナジー効果がでるような動きを生み出してみてはどうでしょう。

★結果的に、その学校だけではなく、日本いや世界の教育を変える動きになるでしょう。東京のような首都に私立中高一貫校がたくさん集積しているエリアは、世界にはありません。ですから、首都圏の私学に期待がかかるのです。それぞれ独自に8つの項目でシナジー効果を出せば、意図せずして私立学校全体のパワーが世界に影響を与えるほどになるでしょう。

★この全部の項目を70%つないで成功している学校といえば、東洋大京北です。ですから、100%つながなくても、70%くらいで150%くらいのシナジー効果を出す仕掛けがいいのかもしれません。100%やろうとすると、広報費が膨大になりますから(笑)。

★ちなみに御三家は何もしていないように見えます。そうです。今はしていないのですが、長い歴史の中で100%やりつづけて、それが持続可能になっているので。立ち上がり当初は、官学とやり合うほど新市場創出に燃えていたのです。今はできてしまっているので、何もしていないようにみえるだけです。歴史は繰り返します。かつての新市場も、今は既存市場です。そこに新市場が割って入ってくるのは歴史的必然でしょう。

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2020年10月22日 (木)

新しい教育社会(13)私立中高の各価値志向に対応するオンライン授業のタイプとは?

★首都圏の私立中高一貫校の4つの価値志向ドメインに、①4つの学習観、②革新教師の4つの特徴、③4つの組織の佇まいを重ねてきました。今回はオンライン授業とリアルな授業を重ねてみます。すると、4つのタイプのオンライン授業やリアル授業があるわけではないことに気づきます。

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★こうしてオンライン授業とリアル授業の比較をすると、組織や学習観などが4タイプあっても、授業はざっくり2タイプになっているというわけです。したがって、授業のタイプだけみていても、学習観の違いや組織の違い、革新教師の特徴の違いはみえてこないのですね。

★保護者の方が学校選択で迷われるのは、ワンウェイ授業なのかツーウェイやアクティブラーニング、PBLなどの対話型授業だけをみていても、学習観や組織の佇まいの違いを認識しないと、ピタッとあるいはグッとくる学校が見つからないからなんです。

★この違いは、今のところオンライン説明会を見比べてもなかなか感じられないところですね。そのうち、静岡聖光学院のように、テレビ局並みの環境の説明会を(やる予定)やるようになると、だいぶ感じ取れるようになるかもしれません。

★ピンとくるピタッとくるグッとくるには、実際に説明会に行く必要がやはりありますね。帰国生がZoomでたっぷりやり取りできるのは、人数が少ないし、実際にリアルには頻繁に足を運べないので、学校側も、懸命にリアル並みの心配りをします。こうなってくると、リアルかオンラインかはあまり差異がなくなりますが、一般の受験生とだと、物理的な制約があるのはしかたがないので、保護者が主体的にリサーチする必要があります。

★それから、上の図は、あくまで各ドメインの最大公約数で、役割機能組織でもワンウェイではなくツーウェイやPBLを実践しているところもあるし、フルスペック(課題配信・学習アプリ・オンライン対話・オンディマンド)のオンライン授業をしているところもあります。

★本来役割機能組織は、フルスペックでいくぞと号令がかかれば、あっさりできてしまうものです。実際そうなっています。ですから、役割機能組織で、それができないのは、役割分断がおきている可能性があります。革新教師はわが道を行くでフルスペックでオンラインやPBL授業をやるでしょうが、保守教師は課題配信だけとかワンウェイ授業だとかをやっているという風景が目に浮かびます。

★この役割機能組織の学校が、60%です。私立が校でまだそんなところです。公立学校はどうでしょう。おそらく90%です。そのうち役割分断になってしまっている組織はどのくらいあるでしょうか。

★GIGAスクール構想は、役割分断組織にとっては黒船というわけですね。とにかく2025年問題を解決の糸口を見るけるために、また2025年に本当は大学入学共通テストはCBTに移行し始めたいわけですから、文科省や経産省も必死です。

★この流れに利権もからみますから、そこはクリティカルシンキングを発動しなくてはならないのですが、保護者の声、Z世代の声こそがカギになってくるでしょう。

★私はといえば、とにかく創造型自己変容組織の価値の重要性を発信し、その組織で活躍する革新教師といっしょにハイブリッドPBL授業をアップデートし続けることをさせて頂き、かつその教師のかけがえのない価値を広報することですね。まずは100人の革新教師と出会い、対話し続けようと日々Zoomで対話する機会を頂いています。この100人プロジェクトは第一フェースは2021年3月までに達成できそうです。

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2020年10月21日 (水)

新しい教育社会(12)私立中高の価値志向に対応した組織の4タイプ。

★座標系で首都圏私立中高一貫校の価値志向を4つに分類し、コンサバから3つの革新教育が出現していることを眺めています。その動きには、①学校の学習観の違いがあり、②革新教師の特徴の違いがあるという話をしてきました。そして、今回は③組織の佇まいの違いを紹介したいと思います。

★もちろん、きっちり4つに分けることはできないのです。個々に見ると、あてはまらないということに、この手の分類は必ずなります。しかし、各類型の集合となるとそれぞれのタイプの特徴を感じ取ることができます。感じ取るですから、あくまでも私の経験値による独断と偏見です。学校選択の時の1つのものの見方・考え方として参考にしてもらえればとおせっかいな話なわけです。

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★組織開発や人材育成の研究は世の中に山ほどあります。多くの教育コンサルタントは、その研究成果を活用して学校経営を指南していきますが、前提として、それは収益増大ビジネスモデルで、誰かが得をすれば誰かが損をするゼロサムモデルです。しかも昨今の情勢は、誰かが得をし続け、誰かが損をし続ける可能性のある利益非対称型あるいは偏向型ですから、学校教育では、少なくとも初等中等教育では直接活用することはできません。

★私立中高一貫校の場合、学則定員が決まっていますから、定員確保維持が目標で、定員確保増大はそもそもないのです。基本学費と助成金で私立学校は成り立つ循環経済モデルです。学費は、生徒の学びの環境にすべて適用し、基本利益はでないというモデルです。実際には土地を売却したり、寄付金を募ったりして、学費と助成金以外に入ってきますが、誰かの利益になるわけではありません。

★施設の建て替えや、新しいテクノロジーの入れ替えなどに投入されます。先生方の給料だって、教師の生命維持だけではなく、生徒の学びを豊かにするための創意工夫ができるコンディションをととのえる分も必要です。学校の先生をやっていて、ビル・ゲイツのようになりたいというのは本末転倒です。最近そういう教師も現れてきていますが、どうなるかおもしろそうですね。

★しかし、循環経済モデルで、実はウィリアム・モリスやミヒャエル・エンデがユートピアとして描き、それを社会実践しようとしてきた歴史の成果がひっそり私立学校に継承されてきたというのが、私立学校の思想としての≪私学の系譜≫を支える経済システムの在り方です。ケインズもすでに「雇用・利子および貨幣の一般理論」でそこを重視していますね。トマ・ピケティやその仲間たちの税金配分の正義の政策もそこに論点があります。

★かくして、革新教育は、実は、この循環経済モデルをぶっ壊す動きとコンサバの学校が無自覚に継承してきた循環型モデルを再定義し、それを学校モデルから社会の経済システムモデルに変えようとしている動きに二分されます。

★マーケティングやGAFAはゼロサム経済モデルの動きをする組織です。コンサバとDAVOSタレンティズムは循環経済モデル組織です。ただ、おもしろいのは、ブランディングマーケティング主義は、旧来の市場の覇者を駆逐しようとダイナミックに動くので、階層構造を戦略的に書き換える経営組織です。

★一方GAFAタレンティズムは、学校現場は教師も生徒もフラット・フリー・フェアで、一見循環モデルですが、それを支えている経営組織はブランディングマーケティング型組織です。

★コンサバは、本来循環型で、今もそうですが、校務分掌がいつのまにかピラミッド型機能になってしまうところもでてきています。本来は役割を互いに尊重しひたすら遂行することに幸せを感じる循環経済効用型なのですが、そこのマインドセットが、偏差値によって影響を受けてしまっているということですね。

★ですから、DAVOSタレンティスム組織は、循環経済モデルを自覚的に遂行し、経済利益向上に幸せを見出すのではなく、様々な内発的プロジェクト創出の行為自体に幸せや生きがいを感じる組織にシフトしているのです。well-beingの経済モデルは循環モデルです。ですから、このドメインの学校はSDGsの取り組みが広く深いのです。

★この学校は、クリエイティブシステム思考とクリエイティブシステム組織(これも頭痛が痛いと同じ表現でしつこすぎますが^^;)が一致している組織です。ダイアレクティブ組織です。理想的なものは現実的なもの、現実的なものは理想的なものというマインドフルネスに溢れている<ルソーの系譜>=≪私学の系譜≫というわけです。ここにきて、この≪私学の系譜≫も4タイプあったということでしょう。第Ⅰ象限がルソー型、第Ⅱ象限がロック型、第Ⅲ象限がアダム・スミス型、第Ⅳ象限がハイエク型ということになりましょうか。そして、公立はサヴィニー型なのかもしれません。

★学習指導要領の中で、このサヴィニーを取り扱っていないのが実に謎ですね。U理論を述べるコンサルタントが、逆Uを研修で扱わないのと似ています。あるいは、マーケティングにおけるイノベーター理論で、レイトマジョリティやラガードの背景にある権力のパラドクスを語らないのと似ています。U理論のオットー・シャーマー教授もイノベーター理論を発展させたジェフリー・ムーア氏も、ちゃんとその点を論じているのに。。。

★教育コンサル系のシンクタンクや社団法人がこれからどんどん生まれてきます。そのとき、ここらへんの情報を共有してくれるところが信頼できるのかもしれません。

★要するに、あらゆるものの見方や考え方には光と影があります。メリットとデメリットと置き換えてもいいのですが、そこを確認することが大切です。コンサバは安定的価値観を追い求めますが、行き過ぎると抑圧的になります。ブランディングマーケティング価値は、行き過ぎると一望監視型組織になります。

★GAFAタレンティズムは行き過ぎると、相互監視型組織になります。

★DAVOSタレンティズムは、行き過ぎると新しいパターナリズム型組織に陥ります。

★学校選択は、やはり多角的に複眼的にリサーチする必要があります。自分一人ではなかなかできません。玉石混合ですが情報はたくさんあります。学校自体が豊富な情報を発信する時代にもなりました。情報の収集・分析の目をいっしょに磨いていきましょう。

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2020年10月20日 (火)

新しい教育社会(11)私立中高の価値志向に対応した革新教師の4タイプ。

「新しい教育社会(09)首都圏私立中高一貫校の革新性のベクトルが3方向に拡張。その背景で、教師の新しい生き方が生まれている。」で、首都圏を中心とする私立中高一貫校の価値志向を4つに分類しました。同記事の【図1:首都圏私立中高一貫校の学校の価値志向性分類】をご覧ください。今回は、それぞれの領域で革新教師がどんな動きをするのかその特徴を座標に重ねてみました。

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★革新教師は保守教師同様、いずれの領域にも存在します。しかし、その領域の組織の在り方や人間関係という環境の影響で動き方が変わります。コンサバ領域では、圧倒的に保守教師が多いので、相手にされませんから、我関せずで「わが道を行く学者型教師」として動きます。広報活動や部活の顧問など自分の探究時間をとられるようになると、他の領域の学校を探し始めます。

★もちろん、自分を変容できない場合は、他の領域は魅力がありません。だって、今まで以上に忙しくなりそうだからです。じっと我慢して居座ります。しかし、環境がそうさせてきただけの場合は、どうせ忙しくなるなら、自分の特徴を生かせる領域に移ろうという動きになります。

★ブランディングリバタリアンの領域では、経営陣がマーケティング分析をして新市場のニーズに合う道具立てや施設を用意しますから、それを有効活用するようにマネジメントされます。新しい道具や武器、特にテクノロジーをガッツリ操作できるので、ある意味モチベーションはあがります。しかし、これ以上内発的なモチベーションが生まれてこないと判断した時は、やはり他の領域に移ります。

★タレントリバタリアンの領域では、基本資金力がある学校なので、先生に変われということほど厄介でコストがかかることはないと算段し、外部の専門家に外注します。つまり、「最先端の専門家と生徒の学びを結びつけるコーディネーター型教師」としてのロールプレイが、この領域では中心になります。

★コーディネートだけではなく、自分もプログラムをデザインするソフトパワーを発揮したいという場合は、やはり他の領域に転職します。

★こうして、流れ着く領域がDAVOS型タレント主義です。進取の気性に富んだ起業家精神旺盛の教師がたくさん集まってきます。それでいて、倫理観やジャスティスを重んじる、つまりfor othersの精神を大切にしています。そう表現した方が市場のニーズに適合するというブランディングリバタリアンの領域とは全く異なる領域です。

★for othersのマインドが内燃しているのです。ですから、「最先端の技術と学習する組織を結び付けシナジー効果を外注ではなく内製的に生み出すクリエイティブ教師」の動きをします。

★だんだんこのようなクリエイティブ教師が多くなり保守教師は他の領域に逆シフトします。非常に幸せでマインドフルネスなメンタルモデルに自己変容していく組織になっていきます。ただし、問題は、このDAVOS型タレント主義領域は、慈善事業家の力が必要です。日本ではまだまだそれがうまくいきません。したがって、市場の覇者に成れるかどうかは常に問題です。にもかかわらず、踏ん張っています。

★そこにこそやりがいやかけがえのない(Only One for Othersということらしいです)境地があり、ブランディングリバタリアン領域からみたら、大丈夫かね?ということのようです。

★リバタリアンは、スピードを大事にします。DAVOS型タレント主義は、そのような人のこと時間泥棒と呼ぶモモに親和性を感じていますから、違いは明白です。

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八雲サードインパクト(06) 2つのYの絆に向けて着々 八雲の野望

★前回、八雲学園は、<Cword>を身につける教育を着々と進めているとご紹介しました。<CWord>とは、C1英語×Critical thinking×Creative thinking×Contribution×Care×Code Mind×Computer Scienceです。

★そのために、ケイトスクールとの姉妹校交流、ラウンドスクエア、UPAAなどに加盟しているわけですが、この<Cword>を身につける八雲学園のもう一つの野望は、イエール(Yale)大学との太い絆をつくりあげることです。現状、イエール大学とは、東京で国際音楽交流を行っていますし、八雲生がイエール大学に実際に訪問もしています。

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★そして、今後は、八雲生がイエール大学に進学する目標があるのです。お茶の水女子大とか秋田国際とかに進学したOGが続々教師として戻ってきています。ラウンドスクエアのノーブレスオブリージュな世界の学校との交流は、大学でも続きます。それには世界大学ランキングの上位の大学に進むということに八雲生は野心を燃やします。

★八雲生が正しく望むことは、教師は一丸となってサポート体制を作ります。実際に世界の大学との連携も創っちゃいました。それがUPAA加盟です。UPAAはサイトで加盟大学(★印)の世界大学ランキングのポジショニングを次のように公開しています。

 Times Higher Education
2021 世界大学ランキング

rank Name Location
1 University of Oxford UK
2 Stanford University USA
3 Harvard University USA
4 California Institute of Technology USA
5 Massachusetts Institute of Technology USA
6 University of Cambridge UK
7 University of California, Berkeley USA
8◎ Yale University USA
9 Princeton University USA
10 University of Chicago USA
36 東京大学 JPN
51★ The University of Manchester UK
54 京都大学 JPN
169★ The University of Alabama at Birmingham USA
174★ University of Exeter UK
178★ Newcastle University UK
200★ University of East Anglia UK
200★ Queen’s University Belfast UK
201 - 250★ The University of South Florida USA
201 - 250 東北大学 JPN
251 - 300★ George Mason University USA
301 - 350★ University of Stirling UK
301 - 350 東京工業大学 JPN
301 - 350★ Washington State University USA
351 - 400★ City, University of London UK
351 - 400 名古屋大学 JPN
351 - 400 大阪大学 JPN
401 - 500★ Colorado State University USA
401 - 500 九州大学 JPN
401 - 500★ Oregon State University USA
401 - 500 筑波大学 JPN
501 - 600★ Hofstra University USA
501 - 600 北海道大学 JPN
601 - 800 慶應義塾大学 JPN
601 - 800 神戸大学 JPN
601 - 800★ Manchester Metropolitan University UK
801 - 1000 立教大学 JPN
801 - 1000 早稲田大学 JPN
1001+ 青山学院大学 JPN
1001+ 中央大学 JPN
1000+ 同志社大学 JPN
1000+ 法政大学 JPN
1000+ 関西大学 JPN
1000+ 関西学院大学 JPN
1000+ 明治大学 JPN
1000+ 立命館大学 JPN
1000+ 上智大学 JPN
1000+ 東京理科大学 JPN

★すでに、世界大学ランキング200位くらいまでは、手が届く段階にある八雲ですが、UPAAで、50位から100位の大学に手が届くようになります。

★しかし、ラウンドスクエア×UPAAそして、同士校21世紀型教育機構などと協働して、イエール大学進学に弾みをつけるでしょう。YakumoとYaleという2つのYの名実ともに絆が生まれるのはもうすぐです。

★すると、Yale卒のOGが八雲に戻ってくるでしょう。八雲のOGは、不思議とそういう帰巣本能を持っていて、後輩を広い世界へ深い世界へ旅立てるようにします。

★世界大学ランキングが上位の大学は驚異のネットワークを有しています。八雲学園は2つのYによって、そのディープなネットワークにつながります。

★八雲の野望、近藤家の野望でもあります。八雲から世界は変わります。

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2020年10月19日 (月)

八雲サードインパクト(05) 2025年問題に対応できる学校 未来の公用語<Cword>を身につけられる。

★八雲学園は、2021年から高校も共学化します。中学1年から高校1年までが共学となります。この高1が卒業するのは、2024年春です。2022年18歳成年施行ですから、共学化のコンセプトでこの中高生の劇的な変化に対応するのは間に合います。

★2025年問題は、超高齢社会に突入し、若年の労働者人口が極端に減ります。移民の動きはすでに国の政策でセットされて動いていますから、本格的なグローバルな時代に突入します。医療介護問題、年金問題、労働人口問題、治安の悪化問題、移民問題、コンピューターサイエンスの各段の進化、スマートシティ化、SDGsの社会課題への取り組みの強化がもたらす産業構造の大変化。。。。

★とにかく、今の中高生が自力でサバイブする能力を身につける確固たる環境を創り上げるというのが八雲学園の断固たる意志なのです。このサバイブする能力は、人類が経験したことのないものでもあります。なぜなら、よいかわるいかはわかりませんが、あらゆる神の領域に人工的な手が入る時代だからです。つまり、神の領域で活躍できるという意味のサバイブ能力を意味します。

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★神の領域でサバイブできる能力。このスーパーコンピテンシーは、AI時代では当然求められます。脳科学はもっと進化するでしょうし、量子コンピューターも2025年には、タブレットで操作しているでしょう。いや眼鏡型PCなど五感センサー操作型PCで日常生活を送っているでしょう。医療関係のサイエンスもすでに進化しています。国が認定していないものが膨大に多いだけです。一気呵成に進むでしょう。

★スマートシティ化が進むわけです。ただ、当面はものすごい格差社会です。光ばかりか影の部分も想像以上にすさまじくなります。サイバージャーのアーキテクチャー上のリーガル問題は噴出です。リーガルマインドやモラルの再構築も必要であり、強く柔軟なチームワークリーダーシップが必要になります。これもスーパーコンピテンシーの1つです。

★要するにスマートライフになるわけですが、当然学校もスマートスクールになっています。今グローバル世界は学校の外にありますが、スマートスクールは、学内がすでにグローバル世界です。学校空間が巨大なVR空間になっていて、まさにどこでもドアで海外の生徒や教師と対話し議論し、18歳成人の準備として、社会課題をグローバル政府と話し合っているでしょう。

★そのための道具立ての準備として、C1英語×PBL×コンピュータサイエンス×リベラルアーツ(ないしは哲学)×リーガル&モラルマインドが必要です。この準備ができているところは日本の教育にはほとんどありません。ホンマノオト21で紹介している学校ぐらいです。何せ、本サイトのコンセプトは“for the Children of Men(人類の子どもを救うために)”ですから、そのための学校をリサーチしているのです。

★さて、スーマートシティ、スマートライフ、スマートスクールというように、地球上の社会課題を解決するサバイバル生活でチームワークリーダーシップを発揮できるス-パーコンピテンシーがポイントです。新学習指導要領では、追いつきません。学習指導要領は一部のファーストクラスを生むシステムです。スーパーコンピテンシーを有するクリエイティブクラスを生み出せません。

★スーマートシティのアッパー層(この表現を使わざるを得ないのは残念です)は、クリエイティブクラスなのです。移民によって、このCクラスが中国から押し寄せてくるでしょう。いや、すでに中国の友人はスタッフとして私の隣でてきぱき仕事をしていますね。めちゃくちゃ優秀です。今までの偏差値優秀性が、この準備をしなければ、プアホワイトカラークラスに転落します。放置しておくと、プア日本人クラスができてしまいます。

★トランプ大統領に象徴されるようにそこを煽って分断世界を造ってはいけません。そのためにもチームワークリーダーシップを有したスーパーコンピテンシーをもつサバイバーを輩出する必要があります。

★クリエイティブクラスというCクラスのCは、C1英語とクリティカル&クリエイティブシンキング、コンピューターサイエンスとコントリビューション&ケアとリーガルマインドを持ちえています。リーガルミンドはCじゃないじゃないかといわれるかもしれません。リーガルは実はCodeをベースにしています。Codeの意味は、記号であり、暗号であり、法典です。言語と思考と協働とコンピューターと法のすべてを貫き通す共通言語です。

★クリエイティブクラスの公用語は、このC語だったのです。八雲学園はこのクリエイティブクラスのスーパーコンピテンシーを生み出す言葉<Cword>を身につける準備を着々と進めているというわけなのです。

★この八雲の準備について詳しくは次のサイトをご覧ください。

私立中高進学通信10月号「一人ひとりの英語力を伸ばすeラーニングシステム『YES』」

 

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新しい教育社会(10)首都圏私立中高一貫校の革新性の3つのベクトルと学習観の違い。

前回、首都圏私立中高一貫校の革新的教育の大きな3つの流れが広がっていることについて述べました。コンサバ教育も含めて、教育に対する価値志向が4つあることを述べたわけです。ここでは、その革新的教育のそれぞれの価値志向がどんな学習観を求めているのかあるいは生み出しているのかというのを考えてみましょう。

【図1:教育の価値志向と学習観】

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★一般に、学習観は、「知識と理解」という「基礎」をしっかりして、「応用と論理的思考」を身につけるというものが多いでしょう。入試問題は学校の顔ですから、入試問題を分析すればわかります。中学入試の2科・4科入試、公立の高校入試、大学入学共通テストをみれば納得がいくでしょう。

★カリキュラムというのは、この入試問題に接続するものであるからです。よく大学入試問題を超える学びが必要だという話を聞きますが、それは本来おかしな話なのです。

★というのも、入試問題は、多様な才能を評価できるものでなければならないからです。思想・表現や学問の自由を制約するものであっては民主国家ではいけないのです。その自由を制限できるのは、危害原理や不快原理ぐらいなのに、日本の文化だとか称して家父長的なパターナリズムで制限をかけているのが、日本の入試問題です。

★学校教育は、民主主義を学ぶ場所なのに、民主主義について語ることは政治的中立をはみ出るからしないことになっています。民主主義はあくまで、教科書の中の客観的な知識として覚えるのが勉強だったということなのです。

★もちろん、私立学校はここはさすがに少しはみでていますが、コンサバの枠内での自由の表現であったのです。競争して自由に階層構造の椅子取りゲームすることが保守されてきたのです。しかし、階層構造をどうしたらよいのかという議論はタブーでした。

★そんなわけで、革新的教育はそこを脱しようとしたわけです。ですから、それには「批判的思考や創造的思考」を組み込まなくてはならないと、「知識と理解」という基礎力を土台に「応用と論理的思考」「批判的思考と創造的思考」の両方を乗せる動きがでてきました。もっとも、ブランディング、つまりマーケティングが基本的発想ですから、目に見えない本質は語りません。それはマスにはウケないからです。

★もちろん、マスは「本質」という言葉は大好きです。ですから、「批判的思考と創造的思考」こそ「本質」だというわけです。

★一方コンサバをぶち破るもう一つの流れは、GAFAの影響を受けていますから、そもそも「本質」という考えそのものが自由を制限するではないか、自由を制限することは楽しくない、ワクワクするには徹底的に自由を!というわけです。かくして自由を制限するものを徹底的にとっぱらうという過激なリバタリアンですから、学習指導要領でやらなければならない最小限のことを学習アプリに任せて、あとは自由に興味と関心のあるものを徹底すればよいのだという学習観です。

★ですから、基礎を何にするかは、生徒1人ひとりの興味と関心に任せ、本来なら既成の教科書的知識もいらないのだけれど、つまりHTHのようにやりたいのだけれど、ナショナルカリキュラムがあって、一条校はそれを守るということになっているので、最小限にとどめ、あとは最大限自由にという学習観です。

★コンサバからみれば、基礎である知識と理解は権威の象徴です。それをたくさん仕入れて使える能力が高いことが知識階級の本質ですから、そこをワクワクしないからいらないといわれると頭にくるわけですね。ブランディング主義のリバタリアン志向性は、本質は市場が決めるから、市場のニーズに従うことが本質です。批判的思考と創造低思考を欲していると思えば、それを本質とすればよいわけです。生徒ファーストではなく、市場ファーストです。

★コンサバは、権威市場のニーズ、ブランディングリバタリアンは、新規市場のニーズを本質としています。GAFAリバタリアンは、生徒ファーストで、生徒の興味と関心が本質と言えば本質ですが、個別最適化ですから、普遍的な本質はどうでもよいのです。

★そういうと本間は何かこのリバタリアンを認めていないのではないかと誤解する方がいます。しかし、誤解する方は、権威市場のニーズという本質か新規市場のニーズという本質を唯一正しいと思っているから、そのメガネでホンマノオト21を読んでいるからです。

★このGAFAリバタリアンのお話は、ギリシアの哲学が生まれて以来、ずっと議論されてきて、中世で普遍論争という葛藤の一端をになっていて、未だに解決がついていない価値論争の延長の話です。もし文化論を語るのなら、ここはおさえておく一つの流れです。専門的には極めて複雑で、それを整理して、一つの提案を語ることなど私には無理です。

★ただ、唯名論(ノミナリズム)か実在論(リアリズム)かというざっくり二つの論争があるというのはわかります。本質なんてないよあるのは個物だけ、だから名前があるだけで、本質は実在しないよというのが唯名論です。いや本質は普遍的に実在するんだよというのが実在論です。これをめぐって、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカの若き新進気鋭の哲学者やアーティストらは再定義しようとダイナミックな展開をしていますね。NHKも欲望の資本主義という特集を流していましたが、その中で、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルが度々登場してきたのは、そうした壮大なグローバル文脈を追っているからですね。

★さて、もうおわかりですね。実はコンサバにしてもブランディングリバタリアンにしてもGAFAリバタリアンにしても、唯名論的価値志向であることは変わりなく、普遍的本質は必要としていないのです。コンサバ本質かブランディングリバタリアン本質かGAFAリバタリアンとして本質を認めないかの違いはありますが、いずれも普遍的本質を排除しているのです。

★かくしてDAVOS型革新教育は、普遍的な本質があるという立場です。ですから、「知識・理解」という思考にも、「応用と論理的思考」にも「批判的思考と創造的思考」にも共通する本質があるという学習観なわけです。しかも、それらはクリエイティブシステム思考として全部結びついていてシナジー効果を生み出す掛け算になっているわけです。

★この本質的な部分が「基礎」なわけですね。とはいえ、この「本質=基礎=普遍」が何かは、またいろいろなのです。キリスト教精神だったり、リベラルアーツだったり、IBでいうTOKだったり、哲学だったり、知の横断だったり、サイエンスだったり、マインドフルネスだったり。しかし、いずれにしても生徒ファーストであることは一致しているのです。

★「思考スキル」というのが、たんなるツールだとするか、本質だとするかはこの普遍論争的な価値観の違いが反映しています。IBのプログラムの中では、スキルは本質を生成する媒介項です。哲学的には形相というものです。ですから、IBを探究している先生方とはスキルの話は盛り上がります。IBはもともとリベラルアーツがベースですから、リベラルアーツを実践している先生方ともスキルの話は盛り上がります。

★スキルなんてツールだよ受験テクニックだよという価値観の先生と話しているとスルーされてしまいます。ロイロノートで使っている思考チャートは、ツールでしょと。

★いずれにしても、この多様な学習観が顕れてきたということが極めて重要なことなのです。日本にも未来が見えてきたのは、この学習観の多様性がでてきたということです。それを一つの価値観にしようという話をするのは権威主義的な一つの価値観であり、その価値観を認めはするけれど、一色にしようというのは危険です。

★コンサバあり、ブランディングリバタリアンあり、GAFAリバタリアンあり、普遍主義ありでよいのです。学歴社会のまずいのは、コンサバ色一色になっていることですね。

★いずれにしても、この普遍論争は、アリストテレスの形而上学に端を発しているのはたしかです。サンデル教授が頻繁に引用する哲学者がアリストテレスというのもおもしろいですよね。

★私自身は普遍主義者ですから、この価値が認められるには、多様な価値観が顕れることによってのみ可能だと思っています。コンサバ一色の学歴社会が多様な価値によって、one of themになることは、普遍主義的な人間の生きる自由を認めるうえで重要だと思っています。マックス・ヴェバーではないですか、この価値の神々の闘いという価値自由の社会を持続可能にすることこそ大切だと私は願っています。

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2020年10月18日 (日)

新しい教育社会(09)首都圏私立中高一貫校の革新性のベクトルが3方向に拡張。その背景で、教師の新しい生き方が生まれている。

★私立学校は、基本コンサバです。多くの学校が「自由」を標榜していますが、経済的自由は重視しますが、階層構造を維持する権威は大事にしています。最近、このコンサバは、グローバリズムの中で、ゆらぎハイエクやコトラーのようなリバタリアンやブランディング主義に基づく学校がでてきています。

【図1:首都圏私立中高一貫校の学校の価値志向性分類】

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★その象徴が、広尾学園と三田国際です。両校とも高人気校で、この流れをしっかりつくりました。ブランディング主義ですから、階層構造は維持するので、大手塾の70%は応援します。大手塾の中でも、真正という意味で伝統的な私学の在り方を支持する大手塾は、距離をあけています。

★一方、この階層構造から抜け出そうとする革新的な学校も人気をあげてきています。聖学院の思考力入試や海外大学の実績は、メディアでも取り上げられています。工学院も同様ですが、中学入試の応募者人数は少ないので、目立ちませんが、高校の人気は半端ないのです。コンピュータサイエンスの学びと破格のグローバル教育の評判も高いのです。

★工学院同様ランドスクエア加盟校で、この加盟のIB以上の重要性に気づき始めた保護者が八雲学園を注目しています。偏差値階層構造ではなく、生徒1人ひとりの潜在的才能を開花する環境があります。

★その環境で大事なことは教えない授業という場ですが、この点で傑出しているのが新渡戸文化学園ですね。

★そして、この正義と才能主義の領域を切り拓いている老舗は桐朋女子です。ダボス会議のボードの日本代表も桐朋女子のOGというのもなるほどです。

★IBをベースにしている開智グループ、特につくばの開智望は、PYPとMYPをしっかり根付かせています。IBスクールはDPからというより、PYPやMYPからしっかり土台をつくっているかどうかがポイントです。

★かえつ有明は、このIBのエッセンスをとり入れながら、独自のマインドフルネスの学校として確固たるポジションを築きました。

★今大ブームのN高校は、あらゆる壁をぶち壊すグローバルな動きをしています。リバタリアンだし、階層構造もぶっ壊します。武蔵野大も同じように動きます。両校ともGAFAの動きを参考(TTP)にしていますね。スケールがデカイのです。

★さて、保護者とよく話すのは、この革新的な動きは持続可能になるのか?ということです。校長が変われば元の木阿弥ということはないのか?ということですね。それは、理事長―校長―革新教師―保守教師の勢力割合を考えればよいという話をします。

【図2:革新勢力と保守勢力の割合イメージ図】

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★組織というのは、すべて革新勢力とかすべて保守勢力とかということはそうあるものではありません。その方が偏らない判断テンションがあり続けるので、経営マネジメントとしては、両方を取り込みます。ただ、どちらの勢力を多くするのかは、経営判断です。

★とはいえ、理事長と校長が革新的教育を実行するとなると、革新的教師が多くなり、改革路線は持続可能になり安定的です。

★理事長が保守的であるけれど、経営上革新的校長を起用すると、確かに革新的な教育は実行されていくのですが、それが過激だと、理事長の思惑を超えるので、任期が来たら継続ではなく、そこで新しい校長と交代です。当然揺り戻しが起こりますね。

★校長が保守勢力で、理事長が革新的な場合、革新教師が盛り上がりますが、校長と保守教師がサイレントキラー的な壁をつくります。学内の雰囲気がよくならないまま、改革路線が動きます。

★上記で挙げた例の中では、八雲学園は理事長校長が近藤先生ですから、理事長と校長の葛藤がありません。革新的なオーナー学校は、最も安定的で実際的な改革路線=伝統と革新の統合を持続可能にできます。

★今年立ち上がったばかりで、まだ実績がでていませんが、品川翔英は理事長と校長の連携が良い関係で、革新教師の勢力がどんどん大きくなっているので、将来性があると私は予想しています。

★このような動きは、サイトで調べれば概ねわかります。あとは実際に足を運んだりオンライン説明会などでリサーチをすればよいでしょう。

★それにしても、このような大きな革新的な流れは、自然にできたわけではありません。このウネリをつくった革新的な教師がグローバルに活動する中で、ニューパワーを増大しています。

★彼らは、パラレルワークやコンサルティング会社を起業したりしています。どういう方々が活動しているのかは、サイトの中では誰でも知ることができます。いずれ、具体的にご紹介しましょう。とにかくたくさんいます。

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