中学入試

2025年5月22日 (木)

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(10)聖学院 生成AIをパートナーに広く深く俯瞰して思考する生徒たち

★聖学院は、男子生徒が好きなことから広く深くアカデミックに学びながら社会に貢献する活動をしていくOnly One for Othersを人生をかけて全うする教育文化が根付いています。好きなことの発見は、次々と連鎖していくので、結局は社会や国、そして国を超え地球全体に視野が広がり、物理的には小さな身体だけれど、精神的には地球を経めぐる知と地球を守る思いやりというダイナミックな心の化学変化が起こるのです。

Img_9316

★ですから、聖学院は、変わらぬOnly One for Othersの軸の周りに化学反応が生まれ続ける新しい教育がトルネードのような現象を起こしています。サイトを見ると、学内の教育の日々の多様な様子が発信されています。

ついこの間も、広報部長の早川先生の理科の授業が丁寧に紹介されていました。生徒たちが生成AIをパートナーとして定期テストのシミュレーション問題を作成し、自分で解いて、リフレクションするプロンプトを連打している授業です。

★しかも、仲間でディスカッションしながら行うので、メタ認知や批判的思考などのコンピテンシーも開発されていく授業です。

Photo_20250522191001

★生成AIをグローバルプレインとしてみなせば、世界中の見識とつながりながら、自分の好きな視点からアプローチできます。そして、仲間とディスカッションすることにより、お互いの偏りを最適化できるようになります。

★人間の精神、心、人間関係だって健全であるように自己適用していく必要があるのですから、生成AIの活用も健全な活用方法をすればよいわけです。

★あらゆるものは、メリットとデメリットがあります。デメリットを調整しながらメリットを生かしていくチャレンジ精神と仲間の協力こそが大切です。まさにOnly One for Othersの精神が広がっています。

★ぜひ聖学院のサイトを堪能していただきたいし、説明会や入試のための多様なセミナーにも参加していただきたいと思います。自分の好きなことを深め、多くの人に発表する挑戦する機会があるアドベンチャースクールでもありますよ。

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(09)駒沢学園女子 世界が注目する禅と道の文化をベースにしたグローバル探究

★駒沢学園女子のブースに立ち寄ると、広報部長の中野早苗先生が、受験生・保護者と丁寧に対話していました。多摩エリアの女子校ですが、世界が注目する日本文化をベースにしたグローバル探究を行っている学校で、徐々にその重要性に気づかれている学校です。特に中野先生は茶道部の顧問でもあります。あのジョブズは禅や茶道に魅了され、引き算の美学を学んであの流線型のシンプルなiPhoneが誕生したといわれているようです。ジョブズだけではなく、そのサムライスピリットはトム・クルーズも大好きなようです。

Img_9355

★茶道は、日本庭園の中の茶室にあって、その小宇宙は、環境にやさしい都市創りの発想に影響を与えている程です。2050年までに、世界の70%は都市化するとあります。もちろん、今の自然環境破壊を防ぐ、災害にも強いシンプルでスマートな都市創りが、東京都でも構想されているほどです。

★世界のCEOや建築家、ランドスケープデザイナーなど、茶室や禅の小宇宙には興味津々です。茶道のみならず、華道もそうです。弓道もそうです。そのような活動ができる学校が駒沢学園女子です。もちろん野球部もあります。

★豊かな体験が日々の学園生活に溢れ、その体験即世界ですから、駒沢学園女子のグローバル探究はまさに宇宙的学びの真骨頂です。

★ところで、他のブースのように校長先生がブースで説明することはありません。それは土屋校長先生はこの相談会の運営主催者である東京私立中高協会の役員で、相談会全体を運営する側にいたからです。場内で響いていた進行司会の声は土屋校長の声だったのです。

★自分の学校だけではなく、東京私学のためにも大いに活躍しているのが同校の校長土屋先生です。これはとても大変なことです。これができるのは、信頼できる学内の教員が、ここは私たちが行いますから、先生は東京私学のために頑張ってくださいと支えているからです。つまり、すてきな組織が駒沢学園女子です。これは教師間の関係性だけではなく、教師と生徒、生徒と生徒の関係性も同様です。

★このような信頼関係が生まれる道の文化がある学校ともいえるでしょう。

★当日、広報担当の山口貴史先生も説明されていました。山口先生は、協会の研究所が運営している25の委員会の1つ「フュージョン教育研究会」のメンバーで、生成AIをパートナーにして実施する私学の未来型の授業をつくる研究員です。同校のいまここでの瞬間に未来が拓ける学びが豊かなわけですね。

★山口先生のことについては、今度打ち合わせに同校に立ち寄りますから、そのときにまたご紹介します。

|

2025年5月21日 (水)

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(08)国士舘 10年間一貫教育の気概

★国士舘のブースは、壁いっぱいに広がる横長のアートポスターを貼り付けていました。神山優子教頭先生は常々こう語っています。「本校の先生方は、生きることに対し、すぐに解答を出す必要はないという確信を持っています。物理的な時間では6か年一貫教育ですが、生徒の生き様を支えるという点では、10年間一貫教育を行っているという覚悟を持っているのです」と。

Img_9357

★ですから、大学卒業のOG・OBをずらりと並べたアートポスターにしたということです。ここまで、先生方が生徒を丁寧に支えている学校です。それをアート表現をして、瞬間的に受験生・保護者が了解できる空間をデザインしたのです。さすがだなあと。

★今年自己PR入試を初めて行ったのですが、神山先生は、手ごたえがあったと。これほどインパクトある表現を追究している学校に入りたいと思う生徒がでてくるのは納得でした。

★剣道、柔道、空手、書道という道を説明会で体験できるのです。そりゃあ、身体中、感動と興奮が駆け巡るでしょう。

★今年も説明会参加申し込みは順調だそうです。吉田松陰の未来を拓く覚悟の心意気を10年後発揮する教育。たしかに魅力的です。

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(07)校長自らがブースで説明をする学校が多い

★今年はいつもより校長自らがブースに立って、説明をする学校が多かったように感じます。田園調布学園の清水校長も、直接受験生・保護者と語ります。校長が、時代の流れや理念ばかりはなく、具体的な普段の授業のあり方や探究のシステムについて話されると、理念と実践がつながっていることがしみじみ伝わってきます。経営と教育の両輪を回しているリーダーシップが伝わってくるのは、学校の魅力を輝かせます。

Img_9343

★桜美林の堂本校長も米国留学に自ら引率して帰国したばかりにもかかわらず、ブースに立ちました。同校のグローバル教育の臨場感が伝わったことは言うまでもありません。

Img_9349

★トキワ松の躍進は、全国を駆け巡り、毎朝走り続けている田村校長の尽力と鋭い叡智と軽快な関西弁によるものであることは受験業界では定評があります。

Img_9358

★明治学院のキリスト教教育を支える真理と本質の塊である穏やかな大西校長の語りは、心理的安全が広がっている学校であると受験生。保護者に感動を与えていました。

Img_9360_20250521082101

★写真は撮れませんでしたが、大妻中野の諸橋校長も最前線で熱く語っていました。やはり海外から帰国したばかりです。破格のグローバル教育やWWLの拠点校として日本の教育を背負って頑張っている校長です。

★校長が前面に立って話すと、受験生・保護者は感動するだけではなく、自分たち家族のこれからに強い支えになる学校教育がそこにはあると実感できます。改めて私学のリーダーの存在に感服しました。

|

2025年5月20日 (火)

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(06)文大杉並 多次元偏差値で見ると72

★東京私立中学相談会では、偏差値だけで学校をリサーチする参加者はほとんどいないでしょう。多様な価値志向の参加者が集結するので、それは当然ですが、そうはいっても偏差値は気になります。総合案内にいたときに、ある帰国生の保護者がやってきて、どうしてこれらの学校の偏差値が高くないのですか?と質問をされました。偏差値ではないですからと回答しようと思いましたが、それでは納得していただけなさそうでしたので、こう回答しました。

Img_9311

★偏差値は学校の評価ではないというのはご理解いただけますか?はい、わかりますが、ランキング表があるので、ついそうみてしまう場合もあります。そうですよね。この偏差値が間違っているとかいうことではなくて、2科4科の模擬試験の結果がでているだけなのです。新タイプ入試とか英語入試とか帰国生入試とかの模擬試験の結果ではないのです。それに入試が複数回数ある学校の場合、各回数で偏差値が違いますよね。

★ここまで言うと、本当にそうですね。偏差値で測ることができないとよく言われるのですが、計る道具が違えば、偏差値も変わるということですね。うちの子の偏差値が測ることができないというより、計る道具がないのに、別の道具で測ったものを活用しても意味がないということですね。と明るい表情でまた学校のブースにもどっていかれました。

★その質問でふと思ったのは、確かに偏差値ってそれそれのレンジの割合を示しているから、たとえば、いつも話題になる東大合格10人以上の学校数を調べました。すると65校ぐらいです。現在、全日高校は4774校あるのですから、それを母集団にすると、65校は約1.4%です。偏差値72の集団だということになります。

★だとすると、世界大学ランキング100位内の海外大学に10人合格している文大杉並の偏差値は、世界大学ランキング100位以内は東大と同格と考えてみれば、偏差値72のパワーはあると考えてもよいのではないかと。

★もちろん、世界大学の数や世界の高校の数ははるかに多いのです。そういう意味では、72どころではなく、ぶっち切ることになります。

★一体何を言っているのか?と思う方もいるでしょう。母集団の中での位置づけと考えると、いろいろな母集団に分けることができますから、偏差値は多次元になるだろうと。したがって、脱偏差値とは、偏差値とは、一つの母集団の偏差値という統計的な処理にすぎず、母集団が多様であれば、それだけ違う偏差値スコアがでるとメタ認知することなのです。

★このように脱偏差値とは、多様な母集団の存在に気づき、それぞれ生徒自身が気に入った場所で切磋琢磨するときの参考になる程度のものでしかありません。まして、自分が属さない母集団のスコアで自分を観るのは、意味がないのです。

★昨今の入試は、中学入試に限らず、多様な方法の入試が開発されています。どれが正しいかではなく、自分が選択する母集団を何にするかだけだし、どれにもあてはまらない独自の道を選択するもよしぐらいの感性が大切な時代だなと、ふと思ったのです。

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(05)工学院 23区でも評判

★工学院は、東京最西の八王子にありますが、新宿からシャトルバスがでていて、23区からでも通えるのです。そして、何よりその突出したグローバル教育やそれによる成果である海外大学合格の実績が、帰国生やインターナショナルスクールの生徒に注目されています。

★また、生成AIをベースにした最先端のICT教育を確立しています。この総合的なICT教育をK-STEAMと呼びリーダーシップを発揮しているのが中野由章校長(情報教育界の重鎮)です。

Kgi2_20250520073701

(左から田中歩教頭、中野由章校長)

★そして、このグローバル教育を中1から発展させているリーダーが田中歩教頭(ラウンドスクエアやケンブリッジインターナショナルスクールに加盟の道を開いたリーダー)です。歩教頭は中学のすべてのクラスの道徳の時間をIBL(Inquiry based Learning)で行い、自然と社会と精神の最適な循環を探究する授業を展開しています。インターナショナルコースの生徒には英語で。

★したがって、多様なグローカルな探究の経験を、<IBL—探究論文—グローバルプロジェクト―K-STEAM>という軸によってトルネードを生み出すトータルな教育システム「KGI」が完成しています。

Kgi_20250520074601

(学校案内に掲載されているKGIマルチスパイラルシステム グルグル上昇していくたびにセレンディピティが生まれる感動の教育)

★Kは工学院、Gはグローカル、IはICT、IBL、Innovationなどをフ―ジョンさせたイニシャルということです。

★10年前は、東京国際フォーラムで説明会を行っても受験生はブースに来ないのではないかと先生方はぐっと不安を抑えながら行っていたということですが、近年はたくさん訪れてくれありがたいと。今回はKGIをプロデュースしている中野由章校長と田中歩教頭がブースに立ちました。盛り上がったのは言うまでもありません。

 

|

2025年5月19日 (月)

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(04)八雲学園 教育の総合力で成果

八雲学園のブースにも受験生・保護者が集まっていました。同校の広報は、今まで奥ゆかしく、大学受験勉強に特化することなく、教育の総合力という本物教育力で、結果的に成果をだすという道を歩んできました。一般選抜の場合、特化したほうが効率よく出るのですが、総合力と本物を追究してきました。そして、今、海外大学や総合型選抜という生徒がいかに多角的に複眼的に思考し世界の痛みを解決する経験を積んできたのか、それを高度な英語力で表現できるのかという時代になるや、合格実績は飛躍的にでたのです。

Img_9325

★しかも、今までは帰国生入試を積極的に実施してこなかったにもかかわらずです。もちろん、今では、帰国生や英語が得意な生徒(国際生とよびましょうか)に注目され始めています。

★そんな破格な実績が出るには、秘密があるに違いないからです。多くの人はIBを知っていますが、同校が加盟しているラウンドスクエアの凄さを知りません。IBもラウンドスクエアも同じくクルト・ハーンが創設にかかわっています。ただ、IBは学習プログラムです。ラウンドスクエアは教育です。しかも世界の私立学校だけのコミュニティです。

Yakumo_20250519172401

★八雲学園がIBではなくラウンドスクエアの加盟校になったのは、教育の総合力を大切にしていたからです。

★このことに気づいた帰国生や国内生は、八雲学園のリサーチを開始したのです。

★2026年八雲の中学入試の行方が楽しみです。ちなみに、3回目の5月31日の説明会の申し込みもすでに満席です。

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(03)富士見丘 女性だからこそできることがある

★グローバル教育を行っている学校に、多くの参加者が足を運んでいるシーンもここ数年の大きなトレンドです。最近ではインターナショナルスクールが増えてきて、日本人の生徒も通うようになってきました。そこでは、特にIBが注目されています。しかし、IBと同質以上の独自のグローバル教育を行っているところはどこか1時間で、6校以上の学校をリサーチしている受験生・保護者がたくさんいました。富士見丘も多くの受験生が訪れていました。

Img_9322

★たしかに、富士見丘は、英語教育型グローバル教育ではなく、「突出型グロ―バル教育」を実施しています。帰国生や英語の得意な生徒には大人気です。しかし、一方でテニス部に入りたい、英語はまったくできないけれど早稲田大学にはいって大学で留学できるよういになりたいという意欲的な生徒もたくさんいます。海外大学世界大学ランキング100位以内の大学に多数合格している一方、早稲田、慶應、上智、ICUなどいったん国内大学にはいり、在学中あるいは大学院などで留学するという構想を立ててる生徒もいます。

★実際今年も中学のテニス部は、優秀な成績を収めています。

Photo_20250519152801

★そして、論より証拠、富士見丘でアルファベットから学び、模擬国連部で活躍し、早稲田大学政治経済学部政治学科に進み、ドイツ留学を経て、テレビ局の報道番組のディレクターになっているOGの動画を見てください。印象的な言葉は、「女性だからこそできることがあると学んだ」。

★富士見丘の突出型グローバル教育は、個々の才能に応じたグローバルな進路を自分で選択し、実現していくコンピテンシーを身につけられるということでしょう。

 

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(02)多様な価値観があふれる

★これだけ多くの参加者が私立学校のブースを訪れると、価値志向の多様さがくっきりと表れていました。明治大学や早稲田大学などの大学附属や系列校やいわゆる難関大学合格実績が凄まじい学校には黒山の人だかりでしたが、それ以外の多様な価値志向性が広がっていました。

Jyosibi

★ブースは五十音順に並んでいるので、女子学院と女子美は同じ列です。女子学院のブースにはもちろん多くの参加者が集結していましたが、視線を右にずらして、同じくらい受験生と保護者が集まっているブースがありました。

★見ると女子美術大学附属中学でした。校長先生が生徒と目が合うと、絵が好きですかと問い、生徒がはいと答えると、ではいっしょに語り合いましょうと楽しくてアーティスティックな道具を手渡しながら、ゲーム感覚で説明していました。

★そこだけ、インスタレーションの空間になっていて、さすがだなと。女子学院と女子美。意外にもアートという点では共通しているのだけれど、完全アートベースの教育環境の女子美とは、やはり大きく価値観は違うでしょう。

★両校ともに参加者が集結している様子は、学校選択における価値の多様性の象徴的シーンです。

 

|

2026年中学入試に向け東京私学本格スタート(01)24000人参加

★昨日18日、東京国際フォーラムで、東京私立中学合同相談会が開催されました。24000人強が参加する盛況な相談会となりました。昨年は22000人強ですから、2026年中学入試に向け東京私学に良い風が吹いています。

Img_9338

★しかし、開会式で、私立学校の先生方と心を一つにした近藤会長は、政治団体が掲げる教育政策はいいときもそうでないときもあるのだから、翻弄されることなく、東京私学は教育の内容、教育の質を磨き上げ続けていくほか道はない。共にがんばりましょうと語りました。

★少子高齢化、経済の乱高下、地政学的危機など正解のない時代が本当に来てしまい、それが初等中等教育にダイレクトに影響を与えるようになりました。私学の経営のかじ取りは、1985年以降最大の難局にぶつかっています。

★タイタニック号にならぬよう、互いに多角的に時代を読み、多様な情報を収集し、私立学校の教育の質を磨き続ける環境を守り抜こうという合同説明会になったことは間違いありません。

|

より以前の記事一覧