創造的才能

2022年5月16日 (月)

Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会 変化と普遍 本質と革新(03)建学の精神の新しい意味付け 

★Discover2022のガイドブックは、見事なまでにコンセプトブックになっています。その象徴的なが第1章「建学の精神と黄金律」です。東京私立中学184校が集結する合同相談会ですから、各学校の建学の精神をすべて並べるか、一切具体例は挙げないで語るかのどちらかなのですが、平方先生は各学校の建学の精神一覧は掲載しませんでした。それは、保護者が興味のある学校のサイトをスマホで開いてすぐに知ることができるからです。また、一部の学校の建学の精神を例として挙げれば、公平性を欠きます。

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★したがって、書くとしたら、建学の精神の本質部分を書く以外にないわけです。建学の精神は大切ですが、その本質を2000字強で記述するものは、今までに語られたことはありません。個々の学校の建学の精神は語られることもあるし、それが抽象的に教育活動に反映しているという言説はよくあることです。

★しかし、東京私立中学の建学の精神の本質を包括的に記述することはなかなか困難です。

★ところが、平方先生は、次の3つのセクションに分けて物語っていきます。

・共通の世界を抱くことの大切さ

・建学の精神は、生徒自身の成長物語のテーマ

・建学の精神と黄金律

★学校選択の際に、受験生のメンタルモデルが学校の雰囲気に合うか合わないかは重要だというアプローチから始まります。そして、1人ひとりの自分の物語を歩んでいくのだけれど、通奏低音にあるテーマはそれぞれの学校の建学の精神なのが私立学校なのだと。だからこそ卒業後も私立学校の同窓力は勢いがあるのだと。

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★建学の精神が、1人ひとりの才能を開き、個性的な技術を身に着ける。そして社会貢献へという物語編集の通奏低音であるという生徒個人に向けて語る記述はあまりみたことがないし、それこそ本質的です。

★そして、その本質があるからこそ、ニューヨーク国連本部のギャラリーにディスプレイされているノーマン・ロックウェルのモザイク画に刻まれている黄金律に結びついているのだと。

★建学の精神の1人ひとりの才能に染みわたることが世界性を豊かにしていくことにつながるのだという建学の精神の物語。

★ここまで明快に語ることができるのは、受験市場のライター側からはなかなか語れません。能力の問題ではなく、目の前の生徒に建学の精神が反映していく過程を経て卒業していく姿全体を共経験していないので、確信をもって書けないのです。私立学校が学習指導要領をミニマムとしかとらえないのは、この普遍的で具体的で個別最適な建学の精神があるからです。残念ながら、従来型のコンサルタントやライターは、客観的事実にこだわらざるをえません。したがって、学習指導要領を金科玉条のように持ち出すのです。それは仕方がありません。よりどころは、そこしか見当たらないのですから。

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(大正自由教育の本質は今も生き続けているし、これから再び出番がきます。成城学園の青柳先生が熱心に語っています)

★しかし、私学人にとっては、建学の精神が生徒1人ひとりの中で物語を展開していくのは、確信をもって客観的な事実なのです。この確信が映し出されている部分を引用紹介します。

「中高6か年で、建学の精神を軸に自分の物語を描くのですが、実はそれは卒業後も生涯続きます。自分の未来は誰も予測ができません。描くのは自分です。立ちはだかる壁は、未来も現れます。その壁は自分の内側から不安や悩みとして出てくるときもあります。自然の猛威や社会的事件に対する恐れや他者との関係の間に立ちふさがる壁などもあるでしょう。

しかし、大丈夫です。不安や恐れ、苦悩を解決する判断の指標は、<建学の精神>です。自分の物語は、当然自分ひとりの物語ではありません。自然や社会そして他者の精神とのかかわりすべてが詰まっています。生徒が描き続ける、その関係性の中で壁を乗り越えていく行き先は、その都度well-being(幸せ)でなければならないはずです。保護者の方々はそう祈り見守り続けるはずです。

well-beingとは、他者との関係の中で、自分の才能や言動が他者に貢献できていると実感した時訪れます。その一見小さな行為が、気象変動で猛威を振るう自然を穏やかにし、紛争や格差を生み出すような行き過ぎた利益主義を公正な社会活動に回復することになります。

それは、今回のパンデミックショックや国際秩序の揺らぎに見舞われた私たち人類が思い知ったことです。

そして、そのエゴを廃し、磨き上げた自分の才能を他者に貢献するというメンタルモデルが、中高時代に身に着けた<建学の精神>であることは、私学出身者はみな自覚しています。なぜなら、人生の壁に直面し、乗り越えるたびに、母校の<建学の精神>を思い起こすことになるからです。 」

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Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会 変化と普遍 本質と革新(02)表現の変化 本質を重視 

★今回の東京私立中学相談会は、言うまでもなく高校だけの私立学校は参加していません。勤務校は高校だけですから、私は行く必要はなかったのですが、今回のイベントの本質的なコンセプトの部分について、委員長である東京私学教育研究所の所長平方邦行先生のお手伝いを少しさせていただいたということもあり、具体的な状況に浸りたいと思い参加しました。

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★また同僚の企画戦略室室長伊東竜先生(入試広報部長)ともいっしょに行き、私立中高一貫校と私立高校の違いと共通点を見出し、今後の経営戦略のアイデアをリサーチをするというのももう一つの目的でした。PBLとしては、まずはフィールドワークです。

★さらに、首都圏模試センターの情報誌「shuTOMO」の編集者・表現者の1人北岡優希さんとも合流し、私がお世話になている先生方を紹介するというのも目的でした。北岡さん自身、取材の新たな視点を探索するフィールドワークリサーチだったと思います。

★今、首都圏模試センターは、取締役代表の山下一さんと取締役・教育研究所長北一成さんが、新しい情報誌を発刊しています。かなり斬新な情報誌で、中学入試動向の確固たるデータを基盤に、新しい教育展開のみならず、従来の教育の中にある目に見えない本質を可視化する新しい表現に挑戦しています。

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(生徒と共に未来をwell-beingにする教育を行っている強烈な私立男子校の聖学院の様子)

★そのために中学入試情報のチェンジメーカーを集めています。北岡さんはその1人です。本質をどのようにわかりやすく表現するか。今までの文字ベースの表現だけでは、本質部分を書き込んでいくと小難しくなります。それゆえ、短絡的に難しいからと拒絶され、わかりやすく表現するために本質部分を切り離す表現になりがちです。正解のない時代に、正解のあるわかりやすい表現をするという、編集の矛盾をいかに乗り越えるか、首都圏模試センターはそこにチャンレンジしています。

★そして、実に興味深いのは、東京私学教育研究所が、今回のイベントのDiscoverのガイドブックをパンフレットからコンセプトブックに切り替えたということです。

★従来は、広告代理店に依頼して、監修するというやりかたでしたが、今回は文章それ自体から、平方邦行先生を中心に書き下ろし、デザインから細部に至るまで、平方先生がデザイナーに事細かく編集フィードバックしていきました。

★そのため、今回のコンセプトブックは、私立学校の教師、広報部長、校長、文部科学省のワーキンググループの委員という経験を重ねた平方先生の広く高い視座が反映しています。

★中学入試市場で、私学の各学校の情報を校長や広報部長が語ってきたということはありますが、コンセプトブック丸ごと私学人が書くということは画期的なことです。しかも、東京私立中学全体の教育のコンセプトですから、具体的な学校に偏る部分が一切ないのです。ザ・東京私立学校のコンセプトブックになっているのです。

★受験市場のライターが取材しても、外から見えることしか表現できません。しかし、今回は、学校の日常を知らなければ、見ることができない内容が詰まっています。氷山モデルでいえば、海面下のことも踏まえて書かれているところが随所にあります。

★私立学校は、経営と教育の両輪によって成り立っています。どんなに新しい教育をやりたくても、経営の枠組を知らなければ、何もできません。多くのコンサルタントは、意外にも私学の経営の論理を知らないかのように、無視した発言が多く、現実的ではないことが多いのです。生徒募集が成功すれば何でもできると思っているかのようです。学校の経営者が理想的で、コンサルタントが現実的だとすてきな協力関係が生まれるのです。

★しかし、学校経営者が理想と現実の一致を模索しているのに、教育コンサルとの多くは、空虚な夢を押し付けてくるということも多いのです。その点首都圏模試センターの山下さんは、経営者ですから学校経営者とシンクロする洞察力をもち、その洞察力をベースに理想と現実を一致させる企画を立案実施していくのが北さんです。

★私学と共に未来を創る本質を大切にする教育コンサルト人材が首都圏模試センターに集結しています。

★表面的に新しい教育・古い教育と分断するのではなく、新しくても本質が軽んじられていては生徒の未来はありません。古くても本質が大切にされていれば生徒の未来はあります。その見極めの洞察力と判断力が、私立学校の市場では重要になってくると思います。

★最近北岡さんとコラボしているのは、北岡さんは思考コードを活用したPBLのファシリテーターができる方だからです。ああ、それから押し付けるのではなく、寛容です。寛容こそクリエイティブクラスに必要なのですが、才能と技術があっても、寛容の精神がないコンサルタントは多いですね。ともあれ、才能、技術、寛容性が揃てちるところが北岡さんを尊敬するところです。勤務校の伊東先生も思考コードとPBLを自在に使うクリエイティブクラスです。このような若いコンサルタントと教師が出現する時代であるとういことでもありましょう。

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Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会 変化と普遍 本質と革新(01)私学の教師の仕事は本質的

★昨日、東京国際フォーラムで、「Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会」が開催されました。ウィズ・コロナの開催とあって、参加者は申込制でした。時間指定人数指定です。1万人定員のところ4万人を超え、抽選となったということです。2014年以来、大学入試改革、学習指導要領の改訂、パンデミック、ウクライナと続く国際社会秩序の動揺、高インフレによる衝撃にもかかわらず私立中学入試の受験生は増え続けています。不安定な世の中だからこそ、不測の事態に対応できる学習環境を選ぶというコトなのかもしれません。

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★開催10時の30分前、相談会の準備をしていた東京の私立中学184校の先生方に、一般財団法人東京私立中学高等学校協会の会長近藤彰朗先生(八雲学園理事長・校長)から挨拶としてのエールがおくられました。

★パンデミックをはじめ、この予測不能な事態の中で、先頭に立って私立中学の先生方は、創意工夫して、生徒の命を守り学びの機会を守り続けている。いかなる事態にあっても屈しないで、未来をつくる生徒の精神と知恵が育つ環境を創意工夫して乗り切っている。このような本質的な仕事をしている先生方は、医療従事者の方々と同じように、エッセンシャルワーカーであると確信していると。

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★たしかに、オンライン授業で乗り切らざるを得ない時は、オンラインで、しかしリアルな体験がなければ、多感な時代の人間の成長は豊かにならない。そのため、感染症対策を厳しくしながらも。ぎろぎりのところで創意工夫しながら行事や部活や体験授業を行っているのだと。

★現場で、教師は生徒共にリスクをマネジメントしながら、知識のみならず、感性や知恵も豊かにする総合的な教育を実践しています。いかなる事態にも屈せず、勇気をもって正しい言動を大切に生きる体験をしています。もしかしたら、このような状況のデメリットを自分たちを生徒と一緒に強くする経験値を高めているといっても過言ではないでしょう。

★こうして、私立学校は時代の要請に応じて、創意工夫をするがゆえに、新しい教育を展開していきます。しかし、時代の要請は、時代の不安を何とかせよという要請ですから、その不安に屈することなく勇気をもって世界を巻き込み生きていくという建学の精神が時代を超えて存在し続ける普遍的根っこは変わりません。

★コロナ、ウクライナ、フクシマなどの世界の問題が身近な問題と一致しているVUCA時代の真っ只中で行われたのは歴史的な意味があるのだと思います。

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2022年5月14日 (土)

八雲学園の教育の総合力は、ROUND SQUAREを抱え込んでいる。(1)

★まずは、次のイギリスの4つの私立高校の紹介動画を見て頂きたい。このような高校の生徒と八雲の生徒が英語でコミュニケーションをとれるのです。いずれの学校もエスタブリッシュだし、日本の私立学校の学費にくらべると、5倍から10倍です。

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★この4校は、今年イギリスで行われる、ROUND SQUARE(RS)の国際会議に参加するRSの加盟校の生徒が立ち寄る学校です。この動画が出来たときは4校でしたが、現在では5校に増えています。RSは、すでに有名になってきていますから詳しい説明はもうよいと思いますが、世界のエスタブリッシュ私立学校200校の国際私立学校連盟です。

★八雲学園は、その加盟校です。したがって、毎年それぞれの加盟校が属している国や都市で開かれる国際会議に、八雲学園の代表生徒も参加します。ここ2年間ほど、コロナ禍であったため対面型のカンファレンスはありませんでしたが、今年は実施する予定です。

★最初の3日間は、オックスフォード大学に集結し、キーノートの講演を聴いたり、各学校やその国の文化などのパフォーマンスを披露します。キーノートのテーマについて、チームに分かれて対話をします。バラザと呼ばれています。問題解決をするためではなく、もっと多様性を尊重して、互いの感じ方や考え方に耳を傾け、自分の想いを伝え合うという共感の時間です。

★4日目からは、5つの学校の内一つを選び、その学校のアドベンチャープログラムやサービス(奉仕)プログラムを体験したりします。このRSの国際会議に参加する生徒の様子をこの動画で確かめることができます。

★このような生徒とディスカッションし、それぞれの学校の文化や教育に触れることができる経験は、RSでなければできないことは説明するまでもないでしょう。どこの学校でもこのようなっ国際会議に参加できるわけではないのですから。

★そして大事なことは、八雲学園の教育とRSの教育理念やPBLなどの教育方法論が一致しなければ、加盟校として認定されないということです。認定には3年も厳しい審査を受けるのです。

★いくらお金を出しても、加盟校でなければ、参加できないのです。このようなRSの教育は、もはや八雲学園の教育とシンクロしているわけです。したがって、加盟校同士の交換留学は、渡航費以外はかりません。一般の海外研修の場合、コーディネーターに頼みますから、渡航費や宿泊費、生活費以外に、コーディネート料やプログラム企画料がかかります。

★もちろん、国際会議に参加するには、相当な英語力と英語でロジカルにかつクリティカルに考える力、それと芸術や文化、歴史に関する教養も必要です。八雲学園が文化体験を重視していることは、認定の条件として重要なマッチングポイントだったということでしょう。

★それにしても、すごいのは、中1のときに帰国生としてはいってきたわけでなく、初めて英語を学ぶという生徒が、英語で困ることなく、RSの国際会議で、上記の動画にでてくるよな生徒とディスカッションができるようになっているということです。

★どうして、それが可能か?それは中1の時からスモールステップの巧まれたプログラムが目白押しで、小さく始めて大きく育てるようにシステム化されているからです。このことについて、昨日菅原先生と対話をしました。ぜひご視聴ください。

 

 

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2022年5月13日 (金)

数学と情報のクロスオーバー 大事なことは物の見方の交差 聖パウロの数学ミーティングから気づいたこと

★聖パウロ学園の数学科は、月に1,2度MM(Math Meeting)を開催。大学入試問題を通して数学の学び方を分析する対話をしています。解き方を検討することもしますが、生徒がその解法に接近するまでの前提情報とか前提知識とか前提思考スキルとかをポストイットで出し合います。

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(左から伊東先生、松本先生、佐藤先生)

★パウロの授業はPBL20%ルールというのがあり、最低20%は思考を巡らす問いを考えるということになっています。思考を巡らすとは何でしょう。解き方とどう違うのでしょう。

★なかなかそれは分けにくいですね。

★ところが、数学科の中には情報の教師でもある佐藤先生がいます。

★順次分析と解法分岐に分けて、アルゴリズムを作ります。作っては主任の松本先生と詰める対話もしています。

★伊東先生は、東京私立教育研究所の研究委員でもあるので、そのような知見を他校の先生方と対話します。

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★こうして、より広い視野で数学科は、授業を形づくっていくわけです。

★現場と広い視野とを結びつけるものは、実はアルゴリズムという思考のバックステージと思考の踊り場を可視化する発想でした。

★毎回MMで大学入試問題1題を扱います。その対話のまとめを佐藤先生がアルゴリズムにしていきます。

★これが積もり積もれば、凄いことになりますが、松本先生は、だからといってマニュアルではない。なぜなら、あくまで出発点は、現場の生徒だから、その生徒が違えば、アルゴリズムも変わるからだと。

★一方、伊東先生は、その変容を関数化できれば、数学科でそのようなアルゴリズムの発想を共有できると。

★実におもしろいのです。

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2022年5月 8日 (日)

湘南白百合のトランジションモデル 過去問から見えるコト

湘南白百合が今年の過去問を公開しました。帰国生入試の過去問をみて、これはなるほど新しい学びの体験値を積んでいくことが前提になっているなあと感じ入りました。偏差値を伸ばすという意味の学力成長論ではなくて、多角的で奥深い学びの体験値の密度を上げていくという成長論を湘南白百合は明快に採用しているということが了解できます。後者の成長論を私はトランジション教育と最近呼んでいます。極端な対比になりますが、偏差値成長教育とトランジション教育という違いを今後意識することは、学校選びではとても重要です。

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★偏差値成長教育では必ずしも進路先や社会に出たときにVUCA時代に対応できるリーダーシップを発揮する活躍をするとは限らないのは、今までの日本の状態を見ていて明らかです。そこで最近、経営学の組織開発論や人材開発論、社会学、心理学などで、PBLに代表されるクリティカル&クリエイティブシンキング、コラボレーション、コントリビューションなどの資質能力を養う新しい学びの体験値を積むトランジションを経てきた生徒がどうなるか研究が進められてきました。結果は、やはり大活躍というわけですね。

★湘南白百合が、このトランジション教育(この言葉を使ってはいませんが)を最近ダイナミックに展開しているのは、進路先でも活躍できる総合的な人間力を育成する目的があるはずです。

★それを予感させる問題が、帰国生入試で出されています。上記の算数問題をみてください。ペン落としゲームで勝敗を決めるルール創りをする問題です。5回ペンを落として、5つの点が紙につく状態を比較して順位付けをするというわけです。2通り考えて、どちらが公平なのか、主張+理由で記述するというのです。

★確率論的に考えるのか、幾何的に考えるのか、トポロジー的に考えるのか、美学的に考えるのか、正解のない問いかけです。そして、それを算数的にというか数学的に理由付けするわけです。となると客観性と公平性が結びつくのか、主観性をどのように公平に解決するのか、まったくあの大哲学者フッサール問題が現われてきます。こんな素敵な問いを入試段階で考えるわけですから、入学後の授業や教育活動の豊かさがすぐに想像できます。実際ダイナミックでかつ繊細な教育が行われています。それは水尾教頭先生がふだん説明会や広報活動の中で物語る中で十分に了解できます

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★英語も強烈です。2問出題されていて、1問目は課題文付き小論文で、パラグラフライティングの要領が詳しく説明されていて、その条件に沿って書いていくエッセイライティングの問題です。2問目は上記の絵を見て、二人の冒険物語を創作するクリエイティブ・ライティングが出題されています。

★いずれもパラグラフライティングというロジックをベースに、生徒自身のクリエイティビティを発揮する学びの体験を入試段階でするわけです。

★国語も、佐藤淑子さんの『イギリスのいい子日本のいい子』(中公新書)の文章を読んで、まずは「自己主張」についてのイギリスと日本の比較スタディをするところから始まります。そして、海外経験によってコミュニケーションの自己変容がどのように起こったか論述するわけです。

★入試問題の傾向と対策についても同校サイトには掲載されていて、この問題の論述の仕方については、次のように説明されています。

<作文は書き出す前に、まず「全体の構成」を考え、いくつかの「段落」に分けて書くことが大切です。これは読み手に自分の考えをわかりやすく伝えるための工夫の一つです。


「具体的な自分の体験・経験」を交えながら書き、その体験・経験から得られた「考え」や「思い」を伝えましょう。


主語・述語や修飾語・被修飾語など、それぞれの対応関係が正しいかどうかに注意しましょう。また、漢字・語句などは正しく表記しましょう。>

★段落構成やデータや根拠を書くという点で、英語のパラグラフライティングと共通しています。

★このようなトレーニングは、入学してから一般には行っていくのですが、同校の場合は、その素養が入試段階ではやくも引き出されるわけです。

★一般入試のほうもかなりおもしろく、思考力問題は、帰国生入試と共通するコンセプトでデザインされています。

★湘南白百合のトランジション教育は、同校の中学入試問題を学ぶところから始まるのですね。

★このような視点で、今度水尾先生と対話ができればと思います。ホンマノオトの書き込みでは、不足している部分が多すぎますが、水尾先生との対話では、全貌が見えるからです。オンラインとリアルのハイブリッド時代になって、学校の先生の生の声=本物の情報をシェアできる時代になったのは、学校選択の時に大いに役立ちます。そんなところにも、新しい時代の風が吹いているわけです。

★保護者の方の選択眼も豊かになってくるわけです。その眼差しに対応するように学校も教育の質を向上させていくわけです。市場の原理の光の部分ですね。

★とにもかくにも、今後の湘南白百合のトランジション教育の展開は注目していきたいと思います。

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2022年5月 7日 (土)

GWEで伊東先生が聖パウロ学園について語る パウロモデルの役割

今年の5月の連休の初日29日の夜、GLICC代表鈴木裕之さんに、GWEで聖パウロ学園の教育のエッセンスについて、同学園入試広報部長・企画戦略室長伊東竜先生と対話する機会を頂きました。想像を絶する多忙な鈴木さんが、久々にゆっくり過ごせる大事な時間をシェアしていただきありがとうございました。伊東先生とは、言うまでもなく聖パウロ学園の教育の真髄をいかに広報するのか、その戦略について毎日のように語っています。そして、話が盛り上がるのは、そのパウロモデルともいえる教育の真髄は、聖パウロ学園の生徒にとってのみ有益なのではなく、日本の高校生300万人にとっても有益なはずだという点です。

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★もちろん、聖パウロ学園だけで300万人を背負うというわけではありません。そうではなく、パウロモデルとしての教育の広報が、高校受験生とシェアするだけではなく、もっと広範囲に浸透させることによって可能になるわけです。パウロモデルをきっかけに多くの高校生が不安や悩みを脱して幸せな生き方ができる教育環境空間がたくさんできることを期待するわけです。その意味で、今回の<GLICC Weekly EDU 第77回「聖パウロ学園 伊東先生との対話ーZ世代に役立つパウロ・モデル」>という番組は大いに助かります。

★GLICCのGWEに登壇する先生方は、私立中高一貫校の先生方がほとんどです。この私立及び公立中高一貫校に通う生徒は、日本全国の中高生600万人の10%である60万人です。中高一貫を経験する高校生は30万人です。

★しかし、聖パウロ学園は高校だけの共学校ですから、残りの270万人の高校生が対象なのです。教育でメディアが大学進学実績で一喜一憂する情報を流していますが、対象は、中高一貫校と公立の進学重点校などに限られます。

★そして、そのような学歴社会的な価値観が教育格差を生んでいるわけですが、その格差を聖パウロ学園は、なくす奇跡を起こしているわけです。そんな大上段に構えるような話は、ふだんの説明会では時間の都合もあるし、知りたい情報の優先順位から言えば低いので、しませんが、教育における社会課題は、270万人の高校生にふりかかっているのですから、GWEのような番組では少し触れさせていただきました。

★そのようなパウロモデルを、プラグマティックにいかに実践しているかについて、伊東先生が語ってくれました。とはいえ、やはり説明会では詳しく触れない点についても伊東先生は丁寧に語ってくれました。

★探究ゼミのシステムや研究者と教科の教師と伊東先生のようにコンサルテーションができる教師のコラボレーションの探究コミュニティが出来ているという話は、そこまで学校説明会では語れません。

★また、パウロの森を活用したプログラムで生徒がどのような刺激を受けたり好奇心を旺盛にしたりするか目に浮かぶような具体的な話が聞けました。体育の乗馬プロラムは、もちろん鈴木さんも驚いてくれましたが、馬と生徒のコミュニケーションの状態についてもふだんは聞けないような心温まる話に思わず聞き入ってしまいました。

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★それから、夜のパウロの森を彷徨うシカの映像もちょっとおもしろいですよ。

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★さらに、鈴木さんは、伊東先生の「PBL授業」と「放課後学習のヴェリタス、カリタス、100分学習」の明快な比較に大いに興味を持っていただけました。PBL授業は、教科の授業ですが、教科書を超えて、常に社会課題や自然現象の課題を意識しながら課題解決の深い学びになっていきます。一方で進学のための自己陶冶として自己マスタリープロジェクトしての放課後学習のスイッチの切り替えのバランスのよさについて、鈴木さんは質問を伊東先生に投げかけていました。

★なぜそんな両方の合力を導くことができるのかという驚きだったようです。それについて伊東先生は丁寧に具体的な状況を挙げて語っていました。

★もともと寮制学校だったいうこともあり、自律分散協働系はある意味パウロの文化だし。スクールモットーが、「人にしてもらいたいことは何でも人にしなさい」という黄金律が日常化しているということだなと、ふだんは自分たちでは当たり前になっていて気づかないのですが、鈴木さんの視点に改めてここは形式知化をしておこうと気づきました。ありがとうございます。

★それから、伊東先生は数学科でもあり、MM(Math Meeting)において入試問題と思考コードとPBLを結び付けた対話や議論をしているという授業のバックステージについても語りました。これも鈴木さんは興味を抱いたようです。

★工学院の教務主任田中歩先生とお互いの学校のPBLの話についてよく語るのですが、工学院は、グローバル教育やPBLは最高を目指しますが、聖パウロ学園は20%を目指します。これが中高一貫校と高校だけの学校の典型的な違いだなと思います。

★中高一貫校は、市場の原理で競争が激しいわけです。最高レベルの鎬を削るわけです。ところが高校だけだと、市場の原理はあまり働かないので、誰もが手が届くというレベルからはじめて最終的に高いハードルを生徒自身がいつの間にか飛んでしまうという状況をつくることが大切です。

自律分散協働系というのは、寄り添いながらも手放して生徒自身が偏差値などの囚われ人から解放される状況を創り出すということです。このパウロモデルが思わぬ成果を生み出します。伊東先生は、それを、八王子・多摩エリアの教育関係者からパウロミラクルと呼ばれていると語りながら、具体的な教育の仕組みを語っています。このパウロモデルは、学校選びのみならず、日本の教育が幸せを作らないシステムではなく幸せをつくるシステムになることのヒントになればと思います。

★今、世界は軍事力と政治経済力と教育力の不均衡状態になっています。軍事力に頼らない幸せなシステムはいかにして可能か。教育に携わる私たちは、そのために、知恵を出し合いたいものです。鈴木さん主宰のGWEは、そのコミュニティ空間になっていると改めて実感しました。いつも本当にありがとうございます。

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2022年5月 2日 (月)

起業家の思考法 教育に逆転換してみるとおもしろい

<起業家の思考法――「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法 ダイヤモンド社>はおもしろい。この「別解力」とは思考コードでいえば、C3領域。起業家精神は「思考コード」に置換えることは可能で、教育と起業は脱偏差値的なトランジションを描けるなあと直感したそのとき、ふと著書平尾丈さんのプロフィールをググりました。すると、海城学園→SFCというまさに新しい学びのトランジションを歩んでいるということがわかりました。

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★前回ご紹介したように、C3思考力を有して、高邁な精神という理想と現実化する力の両立をするタイプは、年収が5000万以上は可能なわけです。年収という言う言い方はわかりやすいから使ったまでで、C3思考力を中等教育時代に身に着け、社会に出たら、年間5000万以上のひと・もの・かね・情報のネットワークをマネジメントしているよということです。5000万どころではないと思いますが。。。

★平尾さんが海城を卒業するころというのは、同校が激しく改革を行っている(このときから今もアップデート持続)ころでしたから、体験値を上げるPAプログラムや骨太小論文を編集するチャンスやコミュニケーション能力を高めるプログラムなどが矢継ぎ早に実現していた時代です。

★東大進学という優れたプログラムと別のプログラムも行い、多様な学びが並行進化し始めていました。そして平尾さんはSFCですから、そのころから別解力を発揮していたのでしょう。

★平尾さんの人生のトランジションを垣間見るだけで、中等教育と起業の結びつきは、東大進学プログラムとは別解のプログラムも存在していることが重要だということが了解できます。

★そして、この本を通して、思考コードは、学びのコンパスであると同時に資産・資本のコンパスでもあることが了解できます。

★well-beingと平和が希求されている喫緊の事態が起きている状況下では、理想の教育は平和を象徴する新しい経済社会を現実化する別解力=C3思考が必要だと理解できます。

★平尾さんは、同書のいろいろなところで、「誰もが思いつく実現可能な選択肢では人は無価値になる時代だ」「 誰もやらないような創造的な打ち手を繰り出さなければ、勝負にならなくなる」と語っています。同感です。ですから、教育の現場でも、学習指導要領の言説を振り回しているようでは、起業家は生まれないということです。

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2022年4月30日 (土)

成城学園 生徒が自分で自分の学びをデザインする

4月22日(金)、成城学園の広報部長の青柳圭子先生が、GLICC Weekly EDUにZoom登壇。同番組主宰の鈴木裕之さん(GLICC代表)と対話しました。成城学園は、大正自由教育のスタースクールであるのはあまりにも有名ですが、今国際秩序がゆらいでいる事態が対岸の火事ではない状況下にあって、大正時代のお話で終わらない、現代的価値を示唆する重要拠点です。そのことがよくわかる対話が行われています。

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 (GLICC Weekly EDU 第76回「成城学園 青柳先生との対話ー成城学園の魅力をつくる先進的で豊かな授業」)

★というのも、青柳先生が語る言葉が、いわゆる文部科学省が学習指導要領で使っている言説をただ振り回すのではなく、すっと自然に青柳先生ご自身の言葉で置換えて、成城学園の建学の精神の泉で浄化して語っているからです。

★新学習指導要領は、あたかも未来の教室に向けて学びを変えていく意欲をみせた言説をたくさん使っています。そのことは、私立学校にとっては、とてもやりやすいわけですが、私立中学に通う生徒は全国の中学に通う生徒の7%にすぎません。93%は、公立で、公立では、なかなか転換が難しいのです。

★なぜかというと、成城学園は、105年前に、当時文部官僚だった澤柳政太郎が、新教育を施行する実験学校として設置した学校です。ジョン・デューイなどをはじめとする民主主義を生み出す教育を実践しようと新しい教育観・教育実践がはじめて導入されたのです。

★一般に新しい教育といったとき、そうでない教育についてあまりはっきり言及されないのですが、デューイは「民主主義と教育」の中で、インストラクショニズム的な合理的な指導案に基づいた(=マスプロダクションの象徴であるT型フォード・モデルに重なる)近代教育を徹底的に批判しています。

★澤柳政太郎は、文部官僚でしたから、日本の近代教育が、このヘルバルト主義の流れを汲むことを知っていたはずです。国力を高める労働力を生み出す教育が、当時の先進国に追いつけ追い越せという優勝劣敗主義に突っ走っていることの危うさに気づいたはずです。この官僚主導の近代国家づくりは、民主主義を成熟させないということを身に染みていたはずです。

★成城学園で行われているPBLは、たしかにデューイなどの当時の進歩主義的な教育哲学者や実践家に今も基づいています。しかし、それは決して古いことではないのです。よくデューイを持ち出すと、そんな昔の学習理論はと言い出す人いますが、そのようなことを語る方のベースは、もっと古いヘルバルト主義に基づいているのです。

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★したがって、古いとか新しいとか言う話ではなく、今繰り広げられている世界のデモクラシーの危機を見て、デューイが提唱した「民主主義と教育」は、未完であって、まだ実現していないのだと考えたほうが適切でしょう。そして、なぜ未完なのか?デューイの発想が絶対的で完成されたものではないのです。現代化していく必要があるわけです。

★それを成城学園は今も実践しています。青柳先生は、デューイの時代にヘルバルト主義に対して「学習者中心主義」が唱えられたわけです。それは、学習指導要領でも「主体性」とかかわれています。OECD/PISAのエージェンシーという言葉に影響されてもいます。

★しかし、この「主体性」をどのように創っていくのでしょうか。ヘルバルト主義のわかりやすい事態は、学年、クラス、教科時間割の一連のシステムです。このシステムは今も厳然としてあります。これに則っていくと、「主体性」はなかなか生まれません。

★では、この時間割に象徴される教科主義を、全部探究にしてしまえばよいのか。そういう学校もあります。成城学園も105年前は、ドルトンプランを取り入れていましたから、そのような発想があったかもしれません。

★しかし、この発想は、時間概念が、デノテートで、コノテーションを深く考える発想が学習デザインを行う側にないのです。ミウラオリなどの茶室発想が加わることで、つまりアート発想が加わることで、ヘルバルト主義のはずが、全く違う価値観に転換するということが可能です。

★それを成城学園は実現しています。デノテーションというのは形式的表現です。ですから、「学習者中心主義」というのはデノテートな表現です。青柳先生は、デノテーションとコノテーションはコインの表裏なので、「学習者中心主義」や「主体性」を「生徒が自分で自分の学びをデザインする」とコノテーションを引き出す表現に置換えます。

★そして、今回の対話の中で、この「デザイン」をさらに「デザイン思考」プログラムを生徒自身が探究していく教育実践をしているのだという話を展開していきます。

★つまり、成城学園の先生方と対話するとすぐに了解できますが、青柳先生のように、デノテート(外延的)な表現を、1つひとつ丁寧にコノテーション(内包)を引き出す創造的な転換を果たしている先生が多いのです。

★このデノテーションとコノテーションの往復ができるレトリック(修辞法)は、リベラルアーツの基本の1つです。ヘルバルト主義は、このリベラルアーツを実用的な教育を優先して斬り捨てていくことになります。もちろん、ヘルバルト自身はそこまで考えていなかったでしょう。

★このヘルバルト主義の系譜については、最近教育学の中でも研究され始めています。日本の近代社会、現代社会を下支えしてきた教育の中に織り込まれているヘルバルト主義の痕跡を見出したときに、ようやく日本の教育のどこを変えるとよいのか問題の所在が明らかになるでしょう。

★現状の教育改革(?)は、ここが明らかになっていないので、表面的な変化になってしまっている可能性もあります。

★成城学園は、105年前の建学当時から、この問題の所在を認識し、その解決に向けて教育実践を新しいイノベーションを取り入れながら積み重ねています。そこを見出す受験業界の編集者が現われてくると、成城学園の現代的価値を受験生と共有できるでしょう。すでにノイタキュード代表の北岡優希さんがそこにチャレンジしています。そもそもGWEそれ自体が主宰者の鈴木さんの新たな着想によって成り立っています。

★教育の新しい価値は、学校のチャレンジングな実践とその実践の価値を見出す編集者のコラボレーションが欠かせません。そういう時代がいよいよやってきたと実感できた青柳先生の表現でした。(つづく)

 

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2022年4月17日 (日)

shuTOMO 4月号(01)日本の教育は変わるのか、変わらないのか?

★本日17日、首都圏模試センターは今年度第1回目の合判模試を開催します。同センターは、中学受験情報誌「shuTOMO」を同時発刊します。受験生には配布され、受験生以外はAmazonなどでも購入できます。私も少し協力させていただいているため、今年度の第1回本、中学受験情報誌「shuTOMO2022年4月号」を頂きました。特集がインパクトあります。「日本の教育は変わるのか、変わらないのか?」。初回から飛ばしています。そして、このような特集を学校側ではなく、受験業界側が提示するというのは、ちょっと他国では考えられない動きです。首都圏模試センターの教育関連企業としての価値はグローバルな視野からみても相当なものです。

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★特集は、首都圏模試センターの取締役・教育研究所長北一成氏が、企画編集しています。まずは巻頭言として、2050年ごろからバックキャストして日本の教育が変わらざるを得ない根拠付けをし、子どもたちが生きる未来により良く生きる力を育てる教育を説きます。それを証拠づけるかのように3人の教育改革者にインタビューをしています。

★まずは教育政策を制度設計する官僚側から、GIGAスクールコ構想などで大活躍している経済産業省の浅野大介さんにインタビュー。

★次に、私立学校側から、日本私立中学高等学校連合会の会長吉田晋先生にインタビュー。私立学校に通う生徒が全国に占める割合は33.6%であり、先進的教育のほとんどはほぼここから生まれていると言っても過言ではないのですが、その全国の私立学校の経営面と教育面の両方をサポートしているのが吉田先生です。政財界の広大なネットワークを生かし、文部科学省にも未来の教育のための教育政策について助言もしています。

★最後に、現場で教育改革を成功させている横浜創英の校長工藤勇一先生にインタビュー。工藤先生は公立と私立両方で改革を成功に導いています。日本の教育を変える行政政策も大事です。しかし、そのマクロの改革は、結局は現場というミクロの領域で動かなければ大山鳴動して・・・ということになります。その意味で、工藤先生のチャンレンジングな現場の教育改革モデルは重要です。

★特集の企画やインタビューのナビゲーター、執筆は北一成所長です。撮影はノイタキュード代表北岡優希さんです。感性豊かな北岡さんのシャッターの眼差しは、それぞれのペルソナ表情をいい感じで映し出しています。

★いずれにしても、この特集、相当気合がはいっています。北所長の時代を俯瞰する認識に沿って、それぞれの立場の共通点がわかるようになっています。

★公立と私立の軸とマクロとミクロの軸が巧みに交差して、日本全体のこれからの教育の変化を一望できます。ぜひお読みいただきたいと思います。

★私もしばらく、同書を読んで、簡単なコメントを書き込んでいきたいと思います。

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