グローバル教育3.0

2022年12月28日 (水)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(22)帰国生入試動向 データ更新 大妻中野などの凄さの理由

★帰国生入試の志願者数のデータを更新しました。広尾グループとかえつ有明、開智日本橋、都市大グループが著しく志願者を集めています。グローバル教育をある意味教育の中核においていることがはっきり表明されていて、そのマーケティング戦略が引き続き成功しているというわけでしょう。そんな中で大妻中野は、たしかにグローバル教育に力を入れていますが、それを大妻のコア教育として位置付けているわけではありません。にもかかわらず、志望者数も多く、前年対比も伸びています。帰国生入試の保守本道という感じでしょうか。

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★海城学園、洗足学園、聖光学院、攻玉社、山脇も志願者数は多いですが、一見するとこれらの学校は同じカテゴリーにはいっているように見えますが、海城は少し意味合いが違います。グローバルな環境を、自前でプログラムしているという感じです。

★洗足学園は、国際学級以外に、留学制度が完備しています。海城とは少し違います。聖光学院や攻玉社、山脇において、帰国生入試の目的は独自のグローバル教育というより多様性を中心にした教育を重視しているという感じですね。

★いずれにしても、帰国生入試の志願者が多い学校は、そうとう強烈な特色を言語化あるいは見える化しているといえるでしょう。

★一般生も含めて定員がもともと少ない湘南白百合は、一見すると目立ちませんが、その小規模定員を考慮すると、志願者数も多いし、前年対比も伸びています。湘南白百合の特色は、学校全体が、すでに英語教育という意味ではないグローバルな教育を行っていること。もちろん、英語教育が充実していることは言うまでもありませんが、グローバル教育プログラムが多様でプログレッシブであること。one earthに対するケアリングの精神が必ずある未来のグローバル教育のモデルであることが実感できるプレゼンテーションやパフォーマンスが行われていることです。

★このようなプレゼンテーションやパフォーマンスは、いわゆる広報宣伝用のものではなく、ふだんのありのままの教育そのままを表現しているのです。そこが凄いですね。

★さて、本物のグローバル教育とは、海外大学進学実績を競うものではありません。英語教育の凄さでもありません。2030年、2050年のAI未来社会にあって、その未来をディストピアに導くのではなくwell-beingに導けるリーダーシップを発揮して主体的関係性をデザインできる人間力を生み出す誠の道を切り拓くのみです。

★ディストピアに導く可能性の高い人というのは、well-beingに進んでいると信じて疑わない無自覚な人です。2023年の中学入試は、そういうことが議論される時代になるでしょう。

 

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2022年12月26日 (月)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(20)帰国生入試の動向から見える新しい動き

★2023年度帰国生入試の志願者数が出そろってきました。まだまだ中間澎湖港段階ですが、大まかな傾向は見えます。日能研倍率速報2022年12月23日現在のデータを使って、志願者数順位と前年対比順位を出してみました。志願者数10人以上の学校に絞ってみました。慶應義塾中等部や三田国際など未公開のところもありますから、あくまで中間報告です。

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★常連の学校が45校という感じですが、この45校の志願者総数は、前年より減少しています。なぜでしょう?帰国生乳牛人気が減退というわけではなく、あくまで予想ですが、パンデミックとロシアのウクライナ侵攻などのグローバルクライシスの影響があるのだと思います。

★にもかかわらず、三輪田、湘南白百合、大妻中野、海城、順天など21世紀型教育をしっかり推進している学校は順調ですね。

★森村学園が帰国生の志願者を伸ばしているのは、大胆な体制変更によるものと予測します。注目していきたいと思います。

★かえつ有明は相変わらず志願者は多いですが、前年対比は減っています。これは敬遠されているということもありますが、おそらく帰国生の条件を少し絞っているのだと思います。さらにハイクオリティを静かに目指しているというわけでしょう。

★中央大学付属もグローバル教育に力を入れているのでしょうが、他校と違い、大学で実施しているELSI関連のグローバルプロジェクトが影響しているのかもしれません。ELSIは、医学部で話題になっていますが、倫理と法制度の側面からは、文系も大いに参加できる社会課題解決プロジェクトなのです。

★このプロジェクトは文理問わず全学部で研究できるし、実用的な研究になります。2050年のムーンショット計画にもつながる可能性があります。

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2022年12月 3日 (土)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(09)グローバル教育を捉え返す shuTOMO12月号特集記事から

★昨日は、GLICC代表鈴木裕之さんからグローバル教育を中学入試という視点から捉え返すアイデアを聴くことができました。「shuTOMO 第12号(2022年11月3日発行) 」の特集記事「グローバル教育3.0」を鈴木さんが丁寧に取材し執筆していたこともあり、その記事に沿って対話をすることができました。グローバル教育の意義とかグローバルとは何かという話ではなく、世界をone earthとして越境しながら生きていくためのマインドとスキルを身に付けざるを得ないリアリティを「記述」するような対話でした。

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( GLICC Weekly EDU 第106回「2023年中学入試のポイントー中等教育のグローバル教育の質について考える」)

★かつてグローバル教育というと、ネイティブスピーカーの先生が多いとか、英検1級取得者何人とか、英検ではなくIELTSだTOEFLEだとかいう話題がメインでした。しかし、鈴木さんが取材した学校のグローバル教育は、そのような話は、日常化していて、その日常の中で、世界の学校とつながっているという話がメインストリームです。

★たとえば、八雲学園は、たしかに目黒区にありますが、もしもそのままカリフォルニア州のサンタバーバラに移動したとしても通用してしまうというレベルがグローバル教育3.0なのだということでしょう。

★それぞれ特徴がありますが、one earthで<boundary crosser>としての知と愛とスキルと言語力を身に付けられるようになる教育がグローバル教育だということでしょう。鈴木さんは、海城学園、八雲学園、三田国際、順天、工学院、富士見丘、文化学園大学杉並、広尾学園、開智日本橋などのグローバル教育について語ってっくれました。本当にそれぞれ特徴があり、グローバル教育の満開の花が私立中高一貫校でも咲き始めた動きが了解できます。

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★そして、私の方で、これは12月23日に詳しく話しますが、そのなグローバル教育を行っている21世紀型教育のカテゴライズをして、それぞれどんな学校があるのか少し紹介しました。40校強あるので、詳しくは23日にしたいと思います。人気の進学重視校が40校くらいありますから、それを合わせると、首都圏私立中高一貫校の30%シェアです。

★進学重視校については、この番組で話さなくても、皆さん熟知しているでしょうから、この番組の話と合わせると、結局人気校すべての情報をゲットできるということになります。グローバル教育について、ここまで俯瞰した話ができるのは、鈴木さんしかいないので、ぜひご視聴ください。

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2022年10月16日 (日)

水都国際モデル いまここで必要な教育の完成間近 思考コードで見える。

先週金曜日、GLICC代表鈴木裕之さんが主宰するGWEで、大阪府立水都国際中学校&水都国際高等学校(以降「水都国際」)の教頭太田晃介先生と対話しました。新校舎もほぼ完成し、今春1期生も輝かしい成果を出して卒業しました。太田先生は、高偏差値の生徒が必ずしも入学しているわけではないにもかかわらず、そんな基準はおかまいなしに、生徒1人ひとりが豊かに成長する教育について大いに語られました。

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GLICC Weekly EDU 第99回「水都国際ー課題探究型授業の進化」 

★もっとも、人気校になってしまったので、偏差値も上昇してしまうのが、痛しかゆしですが。

★それはともかく、新校舎は、とてもユニークで、個別最適な学びと協働的な学びの両方ができるようにデザインされています。お話をお聴きしていると、かなり余白があって、自己を見つめ、深く思考する空間や、ホワイトボードウォールが随所にあって、まるでGAFAなどの空間にある創造的思考やインスピレーションを協働で刺激するアフォーダンスが埋め込まれているようです。

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★GWEの番組の中では、時間がなくて整理できなかったのですが、部活と文化祭をかっこにいれても、豊かな体験活動が満載という感じです。もともと入学時から、自己変容型マインドの素養をもっている生徒ということですから、生徒の皆さんは、下記のような一般論的な発達段階を示していないようです。

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★太田先生によると、高校2年次より、①グローバルコミュニケーションコース、②グローバルサイエンスコース、③国際バカロレアコース、に分かれるということですから、それまでは、IBのエッセンスを21世紀型教育で、全生徒が共有しているわけです。

★ですから、IBの10の学習者像は共有しているはずです。その学習者像を了解して入学検査準備をするわけです。なるほど、はじめから自己変容型マインドの素養をもっている生徒が集結するはずです。ただ、はじめから完成しているわけではありません。6年間かけて完成していくわけです。あくまでイメージですが、水都国際の場合、次のような自己変容型マインドの成長過程を経るのでしょう。

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★最初から自己変容型マインドの素養がある生徒は、思考コードのA軸がそれほど充実しているわけではありません。偏差値は、このA軸の充実度ですから、B軸とC軸の素養があるにもかかわらず、偏差値では測られないために、このような才能者が無視される文化が、今までの大学入試にはありました。それゆえ、そこから逆算して、高校入試や中学入試が作成されてきました。

★入試に向けて、カリキュラムが作成されがちなので、教育がA軸育成に偏ってきたことは否めません。

★今回の高大接続改革や学習指導要領改訂は、B軸C軸の学びの過程を重視しています。それゆえ、大学入試では総合型選抜が増え、中学入試では新タイプ入試が増えています。

★高校入試は、高校進学率が97%以上である今日、水都国際のように自己変容型マインドの素養をもった生徒ばかりではありませんから、一般論的な発達段階を活用するのが王道です。

★しかし、これだと、18歳までにすべての生徒が自己変容型マインドを完成させることができません。

★どうしたらよいのか?実は、本当は、すべての生徒がはじめから自己変容型マインドの素養をもっているのです。ただ、偏差値という尺度に物象化されたA軸教育が習慣化してしまったために、最初の入口の段階で、A軸レベル差で、振り分けられてしまい、自分は自己変容型マインドなどもっていないという幻想が物象化あるいは凍てついてしまって、本来の自分ではないメンタルモデルが造られてしまったのです。

★すべての公立学校が水都国際のモデルを受け入れるならそのようなA軸教育によって格差をつけられた自分を解除できるでしょう。

★そんなことをいっても、IBをすべての学校が導入することなどできないといわれるかもしれません。

★そりゃそうです。しかし、IBのエッセンスを英語のレベルを英検2級に設定して行うことはできます。そして、総合型選抜で問われる創造的思考能力は、多くの体験プログラムで育成することができます。もちろん、TOKもできます。哲学対話を総探に導入すればよいし、国語では小論文、英語ではエッセイを、他の教科ではミニ探究型論文を書く機会を入れます。

★そのためには、膨大なデータや情報が必要です。文献だけではなく、インターネットで研究論文を読むことができます。データは、山ほどダウンロードできます。

★高校生にkindleなどで購入できるクーポンを1人10000円/年を文科省や教育委員会が配布すれば、高校時代に最低限必要な思考力を育成する土壌をつくることができるでしょう。学校や自治体の図書館が電子図書を備えれば、さらに才能を進化させることができます。

★水都国際のようにスーパーハイスペックでなくても、以上のような教育環境を整えれば、日本の生徒は、世界大学ランキング300位くらいまでの大学に入学できる自己変容型マインドⅡは身に付けられます。A3ワンピース足りないですが、それは大学に行けば自ずと埋められます。

★水都国際モデルの自己変容型Ⅲに近い自己変容型Ⅱに成長する学校モデルは、未来型教育ではなく、いまここで必要な教育です。日本の経済成長の再生ができるだけではなく、日本の生徒が、未来世界において叡智と寛容性で牽引できるでしょう。牽引というより、世界を物心両面でサポートする人材の宝庫となるでしょう。

★太田先生との対話を通して、未来をいまここから生み出す希望を見出した気持になりました。ぜひご覧ください。

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2022年9月13日 (火)

サレジアン国際学園世田谷(3)インターナショナルクラス オールイングリッシュ授業×世界中の兄弟校

サレジアン国際学園世田谷のインターナショナルクラスについては、インターナショナル指導部長上田先生が話されました。現状、スタンダードとアドバンストの英語の習熟度に合わせて分けていくようです。アドバンストは入学時に英検2級以上というのですから、二つに分けるのは理に適っています。一方、スタンダードは、英語のレベルは問わず、英語で学びたいという意志を重視するというのはポイントです。アドバンストの方は、英語のみならず、数学、理科、社会もオールイングリッシュ授業だというのですか、一条校でありながらインターナショナルスクールが埋め込まれているというのが際立ちます。そして、意志があれば、世界の学びにチャレンジできる機会が開かれているのはサレジアンシスターズらしいコンセプトです。

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★インターナショナルクラスにおける探究は、サレジアン・アカデミック・プログラムというデザインがなされていて、オールイングリッシュで行われます。

★そして、これがグローバルな広がりを持っていると確信がもてるのは、世界中にあるサレジアン姉妹校や兄弟校と国際交流ができるという知のグローバルリソースを修道会を介して活用できるからです。

★これは、多くの学校が、IBのディプロマやカナダやアイルランド、オーストラリアなどの学校と連携してダブルディプロマを取得しようとする想像を絶する交渉と準備をしているのですが、同校はそれをすることなく、したがって即そのレベルのリソースと連携できるということです。目からウロコの驚きでした。

★詳細は、Youtube動画をぜひご覧ください。

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2022年8月24日 (水)

私学展から~八雲学園の意志決定と強力なサポート体制

★私学展最終日午後5時、会場の入口をはいってすぐ左に設置してある本部席が少し空いたので、お邪魔しました。あと30分で閉幕という時間帯です。ようやく問い合わせや本部席の執行委員の先生方への挨拶も終わりかけの時でした。

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★平方先生(日本&東京私学教育研究所所長・工学院大学附属中学校・高等学校前校長)と対話していました。偏差値だけで学校選びや子どもの資質や能力を捉える時代でないという認知度は広まったが、理解度はまだ広まっていない。現実は偏差値スコアがまだまだ機能している。

★偏差値は統計的なものだから、それ自体に問題はないが、そこに付加される価値づけが問題。まだまだ優勝劣敗発想が前面にでているし、社会課題を自分事としてとらえようとする動きは少ないかもしれない。

★それを払拭するには、たしかに思考コードなどの多角的な指標が必要。だが、社会そのものの価値観の変化も必要。すでに変化しているけれど、見ようとしないあるいは見ても見えないという状態も横たわっている。砂漠に水をまくような話かもしれないけれど、諦めずに発信していくしかない。もう1つは、準制度的な仕掛けも必要。文科省レベルの制度的改善に私学協会は、努力しているけれど、それは時間がかかる。全国の初等中等教育の合意形成なども難しい。手前の準制度的、つまり、共同体的ルールの市場における認知というのを広げていく。

★などなど、要は倫理とルール、つまりマインドとスキルの組み合わせや仕掛けの話になっていました。

★そんな折、私学展主催者の一般財団法人東京私立中学高等学校協会の会長近藤先生(八雲学園理事長・校長)が、会場の巡回から戻ってきました。近藤先生の周りはいつも黒山の人だかりです。学校関係者や私学のステークホルダーの方々が、ひっきりなしに挨拶に訪れているからです。

★ですが、このタイミングで、いつもの5倍以上の時間、お話をお聴きする機会を得ました。八雲学園は、今年コロナ禍にあっても、7月半ばから8月半ばにかけて、高1、中3と二つにわけて、カリフォルニア州サンタバーバラの八雲レジデンスをベースに2週間の研修旅行を決行しました。

★いつもは、中3の卒業旅行を兼ねて、3月に行くのですが、今回のパンデミックで行けなかったのです。共学校にしたとき、女子生徒だけではなく、男子生徒も楽しみにしていた2週間サンタバーバラ研修旅行です。それがなくなることは、中1から積み重ねてきた多様な英語のイベントの目標が宙に浮きます。

★何より、海外体験のインパクトはものすごく、生徒それぞれが、自分の世界を覚醒するものです。この体験は生徒にとって、八雲学園の6年間の成長過程で、大きなジャンプをするチャンスでもあります。多様な体験を重視し、その中でも生徒全員が、海外で体験することがいかに重要か、説明する必要はないでしょう。

★この2年間、八雲学園は、国内の体験については、コロナ禍にあっても、できるだけ実行してきました。しかし、海外は、まだまだリスクが大きいのです。近藤先生が決意するに至るその過程の苦労は凄まじいのですが、2学年の海外研修を無事終えて、その苦労は、学園全体での喜びに変わりました。本当に得難い体験です。この積み上げをずっと行ってきた八雲学園。毎年ファンが増えているのはそういうことでしょう。

★近藤先生のお話をお聴きして、感じ入ったことは、新型コロナ感染状況の情報を収集分析するプロセス、リスクマネジメントの体制を幾重にも整える事が大切だということです。

★私が勤務する学校のように少人数規模の学校は、この重厚なリスクマネジメントがなかなかできません。教師の人数が足りないのは、支援者を外部に頼めばよいのですが、それは海外の場合、受益者負担が大きすぎます。それに今回のコロナの場合は、現地で感染した場合、教師もいっしょに残らなければなりません。すると、帰国後の授業の時間割に長期間穴があきます。

★そのようなことをあれこれ考えて意思決定をして、その代替案をねん出するわけです。

★その点、八雲学園は、行事など様々な体験ができる適性の規模だなと。定員というのは、それぞれの学校の理念が実現につながるように設定されなければならないということをひしひしと感じました。

★したがって、いろいろな学校が創意工夫して実施しているプログラムをよいものだから、なんでも取り入れようとするのは、大間違いだということも改めて身に染みました。

★建学の精神と適性定員。まさに私学は教育と経営が好循環するように設計・運営する必要があるのです。

★話は、20年くらい前の思い出話にもなりました。私がロサンゼルスからサンフランシスコにかけてPBLを実施しているプレップスクールの視察を終えて帰国するためLAX(ロサンゼルス空港)を1人歩いていた時のことです。どこからともなく「本間さ~ん」という声が聞こえてきたのです。

★仲間はトーランスの事務所で仕事をしているはずだし、知人がいるはずはない、空耳かなと思っていたら、声が近くになってきたので、振り返ると、なんと近藤先生がいらしたのです。

★近藤先生もサンタバーバラの研修に同行して一足先に仕事で帰国するとのことでした。互いに航空会社が違い、フライト時間もあったので、本当に瞬間の出会いでした。ただ、こうして未だに思い出話になるぐらいインパクトがあるのも海外での出会いの体験です。

★偏差値というのは分かりやすい指標だから、なかなか手ごわい、そう簡単に世の中は変わらない。にもかかわらず、それぞれが独自の創意工夫をしてがんばっていくのが私学だよ。そしてそのことを励まし合う仲間がいればこわくはないはずだと。

★その気概を自ら実践しているのが近藤先生と八雲の先生方です。もう少しお話をお聴きしたかったのですが、閉幕前の駆け込み訴えよろしく多くの方が近藤先生のもとにやってきたので、私は同僚とリフレクションするためにフォーラムを後にしました。

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2022年8月22日 (月)

私学展から~順天の魅力

★私学展に参加している順天中学校・高等学校(以降「順天」)のブースは多くの受験生・保護者が訪れていました。校長長塚先生によると、今順天の先生方は、各教科の授業の中に探究的なプロセスをどう取り込むか、頑張っているということでした。

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★順天は、2014年にいちはやくSGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校になっています。久しい間、世界的視野でボランティア活動を行ってきたし、国際交流や、イギリスの大学生がギャップイヤーを活用して日本にやってきたとき、チューターとして受け入れる独自の体制を整えてきました。そのような教育活動が評価されたからでしょう。

★パンデミック後も、オンラインで国際交流は行われ、気候変動など世界共通の喫緊の課題について議論し、提案しています。

★また、毎年行われるグローバルウィークも定着し、その1週間は、順天は大学さながらに変わります。

★そういう長い歴史の中で積み上げてきた土壌があるため、生徒は、帰国生であるかどうかにかかわらず、議論や探究、プレゼンなどにおいて魅力的な成果を上げています。

★同時に、大学合格実績も大きな成果を出しています。

★受験勉強以上の深く広く新しい学びへの挑戦と結果が結びついている。それにより、卒業生は、大学入学後もグローバルリーダーシップやコミュニティシップを発揮する活躍をしているわけです。順天が魅力的なのは、そのような背景が生成され続けているからではないでしょうか。

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私学展で~工学院の教頭奥津先生に会う

★今回の私学展は、完全予約制。随分多くの方が申込まれましたが、抽選で参加できる人数は限られました。新型コロナウィルス感染症対策のため、やむを得ませんが、はやく多くの方が自由に参加できる日を望みます。そういうわけですから、入れ替え制で行われました。その入れ替わりの時、一瞬ですが、ブースが空きます。それで、工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)の教頭奥津先生と少し対話する機会を得ました。

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★奥津先生は、工学院教育の頭脳です。数学科教諭でもあるということもあり、データ分析とその分析をアルゴリズム的ストーリーに変換してすっきりそれでいて感動的に語ります。

★つまり、数学的発想と物語レトリックの複眼頭脳を持っています。同校は、共感的コミュニケーションを大切にしています。大切にと言うより、日常化しています。

★生徒中心主義的な信念が共有されているからですが、その信念を持続可能にするには、その背景に、数学的計算力と柔らかい説得力ある表現力が緻密に働いています。

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★9月29日(木)、工学院大学新宿キャンパスで、帰国生(中学入試・高校入試)対象の学校説明会が開催されます。ビジョンは中野校長、学校全体の教育は奥津先生、グローバル教育や帰国生入試の要項に関する話は岡部先生で、90分行われます。

★中野校長は、DX人材育成の重鎮です。奥津先生は同校の頭脳。岡部先生はUCLA卒業のグローバルDX教育のスペシャリスト。必見です!

★工学院が、帰国生に人気があるのも実によくわかりますね。

★奥津先生とは、もう少し対話したかったのですが、八王子でまたゆっくりとと約束して別れました。今回のイベントの主役である受験生・保護者が入ってきたからです。

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2022年6月25日 (土)

富士見丘のグローバル教育の本質的意味 21世紀の究極の女子校教育だからこそ

昨日、富士見丘の副教頭佐藤先生(広報責任者)、英語科主任田中先生(広報副部長・模擬国連部顧問)と対話をしました。なんと2時間12分15秒も。次の日合同説明会なので、はやめに切り上げましょうという話でしたが、富士見丘のグローバル教育の本質を深堀する話になっていき、お2人の先生の情熱は高まっていきました。それもそのはずです。田中先生が担任や部活でいっしょに学んできた生徒が今までにない成果を出し同時に高い志を有したわけですから、教師冥利につきる内容だったのです。とはいえ、謙虚に、同校の教職員全員が一丸となって進んだからだという点を何度も確認されていました。実るほどこうべを垂れる稲穂かなとはまさにお二人の先生のことをいうのでしょう。教師の鑑です。

【図1】

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★田中先生はさりげなく語るのですが、一般の中高一貫校ではありえない教育プログラムやネイティブスピーカーの教員の数があったりして、その凄さに大いに驚かされます。

★【図1】のスライドにさりげなく「文学」の講座があるわけです。英語で「文学」というのは、国内の一般の中高ではないわけです。昨今では国語の大学入試において「文学」軽視という流れなのに、英語で「文学」とはすばらしすぎます。「文学」は、VUCAの時代に翻弄される人間の生き様と自分をどのように折り合いをつけるかとても大事な学問領域です。

★社会課題を解決できるような人材をというのが今の教育の流れですが、その社会課題はなかなか解決できないジレンマ、パラドクス、トレードオフの状況までつきとめなければ表面的で対症療法的な解決しかできないのです。そして、その根本的問題を汲み取り共感し、なんとかしようという志こそがグローバル教育の本質的意味でしょう。凄すぎます。

【図2】

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★そして、そのような授業のプロセスや内容の話を聴いて、さらに驚いたのは、【図1】や【図2】にあるように「現地校のクオリティやスタイルを富士見丘の授業で」とこれまたさりげなく語るのです。先生方にとってはもはや日常当たり前のことだからです。ところが、よくよく話を聴いてみるとその「現地校」というのが、スーパーハイレベルの海外私立学校の話だったのです。

【図3】

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★そのようなハイレベルな環境で学んでいるわけですから、【図3】のような結果にいたるのはこれまた当然です。今では、中学から入学した生徒は、高校に進級する際に、76%が準2級以上を取得するわけです。そして高校卒業時には、79.4%が、2級以上を取得するのです。当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、凄すぎるといえば凄すぎるでしょう。

★この時点では、私はまだ気づいていなかったのですが、1時間37分辺りで、さらに衝撃的なすてきな話を聴くことになります。そこから私は、富士見丘の究極の教育の本質に降りていくことになり、対話に参加できない沈思黙考状態になってしまったほどです。いったいこれはどう理解してよいのかと。その回答については、2時間3分53秒あたりから、鈴木さんに諭されて話すことになります。興味がありましたら、そこも視聴してみてください。

【図4】

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★【図4】は、中学時や高校入学時の英検のスコアと卒業時にどこまで伸びるかという学習歴の一端です。一端と言ったのは、学習歴は結果ではなく、プロセスですから、そのプロセスの話は、ぜひご視聴ください。

【図5】

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★ぞして、【図5】です。昨年に続き、進学実績伸び率№1の学校としてメディアが取り上げているのです。ここのシーンの話は、感動的です。在校生・卒業生が自ら購入してきて、この結果の意味を田中先生と語り合ったというのですから。自分たちがいかにチェンジメーカーであったのか。その志を再共有し、共感共振している様子が目に浮かびます。

【図6】

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★さて、私が沈思黙考マヒ状態に陥ったのは、【図6】の話の途中からです。帰国生ばかりではなく、「思考力入試」「2教科入試」「Will入試」で入学してきた生徒も、英語力や探究力、論文力、プレゼン力を身に着けて大きな実績をだしているのです。今までの教育環境は帰国生だけではなく、そのエッセンスを富士見丘生全員が共有し、みなグローバルコースのメンバーなのだという同校のコンセプトが実現しているわけですから、それは当然です。

★しかし、話はそれだけではなかったのです。てっきり、模擬国連部やハワイ大学のラッセル教授の探究授業は、帰国生が中心だと思ていたのですが、そうではなかったのです。帰国生の英語力と中学に入るまで民間英語資格を取得してこなかった生徒がちゃんといっしょに活動しているのです。その様子を何度も見たことがある私は、そこでアクティブにリーダーシップをとっている生徒を目を細めて眺めていましたが、その生徒が帰国生ではなかったというのをはじめて知ったのです。

★田中先生は、そんな話をさらりとされるのですが、その状況がどんなに凄いことか少し想像してみてください。私はそこから、このことの意味に想いを馳せ、沈思黙考状態になったのです。凍てついたり睡魔に襲われていたのではありません。ライブですから、そういうこともあるのだなあと今更ながら思います。

★これは英語を勉強したいとか部活をがんばりたいという話だけでは、そこまではいかないでしょう。そうなるには、もっとインパクトのある本質的な動機に富士見丘の生徒は行き着いているから、やり遂げるのは当たり前という状態になっているはずです。その本質的な動機。生きる根源的理由とは何か。。。

【図7】

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★その回答は、【図7】のスライドの話を聴きながら、だんだん確信に変わっていきました。うなるより仕方がないし、感動のため涙がでてきてしまったほどです。富士見丘が女子校を続けていく本質的理由にかかわる話でもありました。

★もちろん、私の妄想としか言いようがないのですが、その話をしたら、佐藤先生が、否定するどころか、実際にそういう具体的なことが起きているのだと語ってくれたのです。

★女性の未来のみならず、世界の未来を根本的なところから見直す国際的な女性リーダーの系譜が富士見丘に流れ込んでいます。このアイデアを証明・検証する話は、いずれまた第2弾の対話を鈴木さんが仕掛けてくれると期待しております。まずは第一弾をぜひご視聴ください。

 

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2022年4月 2日 (土)

Gのチカラ(01)GLICC代表鈴木裕之氏 eduJUMP! に登場!

★2089年から21世紀型教育を見通すと、これからは3G×Dの時代であることは間違いありません。3G×Dとは、グローバル・グリーン・グリット・デジタルということです。Dは3Gの中内包されていますから、Gのチカラと総称してよいでしょう。Gのチカラは21世紀型教育の駆動力です。

このGのチカラを育成している21世紀型学習塾GLICCを経営しているのが鈴木裕之代表です。21世紀型の学習塾を標榜している唯一の学習塾です。そして、Gのチカラが作用している多様な拠点を取材している岩辺みどりさんが、鈴木さんにインタビュー。その記事がeduJUMP!に掲載されました。

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★記事のタイトルは「インター生、帰国子女…… グローバルキッズの中高選び」で、グローバルキッズが日本社会においてどのような中高選択ができるか、最近の潮流の情報が語られている貴重な記事です。

★さらに、まだ見え隠れして前面にはでていませんが、あるインパクトが内包されている記事です。記事執筆の岩辺みどりさんのプロフィールは、同記事でこう記載されています。

「一橋大学社会学研究科地球社会専攻修士課程修了。日経系列の出版社で雑誌編集記者とし て経験を積んだ後、退社し、独立。学生時代にオーストラリア、アメリカ、イギリスなど に留学し、20カ国以上を旅する。多様性のある社会をテーマに、ビジネスからライフスタ イル、教育まで幅広く取材、執筆する。二児の母。」

★岩辺さん自身グローバルキッズの先駆けだったのです。Gのチカラの側からみると、日本の強みも弱みも明快に見えます。岩辺さんは、その弱みを強みに転換すべく、いろいろ仕掛けています。

★その一環として、21世紀型教育機構の加盟校も注目し、私立中高一貫校のアップデートインパクトを生み出す記事も幾つか手掛けています。

★しかし、今回は、学校以外にもそのような転換拠点(トランスフォームセンター)を見出したようです。

★さりげなく、国際生・帰国生が進む中高のカテゴリーがデザインされた図が掲載されていますが、これはグローバルキッズの選択カテゴリーと置き換えたらどうなるかという話が背景にあります。

★コロナ、ウクライナ、フクシマが象徴する転換への痛みがニューノーマル時代の生活と密着している今日、国際生・帰国生<国内生という既成概念は崩れています。もはやZ世代はグローバルもデジタルも当たり前です。これからの中学受験生はα世代ですが、この世代はGのチカラが当たり前の世代です。

★ということは、国際生、帰国生、国内生はすべてグローバルキッズとして包摂されます。

★しかし、このような新概念を今の中高の制度カテゴリーでは、収まり切れません。

★というわけで、いずれ文科省あるいは大学は、公立学校と私立学校以外に、インターナショナルスクールを1条校に相当するとみなすカテゴリーを作成せざるを得なくなるでしょう。

★小学校5年、6年で英語を教科化したがゆえに、そうなるのは、文科省も大学も織り込み済みなのかもしれません。すでにTPPの議論が盛り上がっていた2011年ごろから、その目論見はありましたから、ようやくという感じです。

★実際イギリスのパブリックスクールやインターナショナルスクールも日本にやってきています。

★従来は日本の大学を考えるとインターナショナルスクールから日本の中高という流れにならざるをえなかったのです。もしインターナショナルスクールからIBのディプロマなどで大学に行くとなると、それは誰にでも行けるわけではない狭き門でもあります。

★ところが、今は多くのグローバルキッズが英語でも学べる拠点の一定量を欲求しています。公立学校、私立学校、インターナショナルスクールとはまた違うGコミュニティーが出現するでしょう。その一つがGLICCです。GLICCは、学習塾ですがイナターナショナルスクールの機能も活用できるのです。

★多様性の時代とはそのような流れが生まれるものですね。GLICCに限らずどんどん生まれてくるでしょう。

★岩辺さんの眼はそのようなオールタナティブなG拠点を見通しているわけです。

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