グローバル教育3.0

2025年12月 2日 (火)

工学院の中1のIBL 種を蒔く時期

★昨日、工学院大学附属中学の1年生のIBL授業研究会がありました。同校教頭の田中歩先生の授業です。東京私立中高協会の私学教育研究所の研修委員の一つフュージョン教育研究会のプロジェクトリーダーである田中歩先生が、同研究会の先生方と次期学習指導要領の実施前に、生成AIをパートナーにして生徒が活用する授業の在り方を研究する研究会です。ちょうど、中1が1年間学んできたIBLの学びのまとめの授業ということでした。

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★まとめは何をするのかと思いましたら、リフレクション授業でした。しかも学年全体で学んできた教科や体験学習などを全部結び付ける授業だったのです。どんな「はてな?」を身近な生活と八王子という地域を結び付けた経験から見つけたのかを思いめぐらしていました。おもしろいのは、ICT環境が整っている工学院ですが、最初は今までのトピックの写真を見ながら何を思ったか今思うのか問答が続き、オープンマインドができた段階で、一枚のA4の白紙が配布され、そこに自分が発見したはてな?を書き込む個人で考える時間が設けられました。

★中1の段階では、身近な自分の生活と八王子プロジェクトが中心です。中2になると神戸や鎌倉など、他の自治体でも学びます。政治、経済、産業、医療ケアなど総合的に学ぶのは、八王子プロジェクトと同じです。中3になったら、オーストラリアなどに全員が行きます。文献を調べたり、地域の人や大学の先生などに学び、日常と違うフィールドにでかけるのは同じです。

★しかし、はてな?は経験が拡張されるとまた広がっていくのだから、まだ経験はしていないけれど。経験が広がっていくにしたがって、どんなはてな?が発見できるのか予想するという思考が行われていきました。本に学び、人に学び、旅に学ぶ。学びの基本です。

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★そして、チームに分かれ、ピアラーニングにシフトしました。それぞれどんな「はてな?」を見つけたのか共有する時間です。おもしろかったのは、チームは自分たちでつくりなさいということで、自然にチームができたことです。とにかく田中歩先生は、細かい指示はださないのです。問いもふわっとした問いで、条件は自分たちで考えるという習慣が1年間でできているようでした。

★対話は当たり前で、話し合いながら自分の思いや考えを豊かにしていく。自分の思いや考えなのだけれど、そこには仲間や外で出会った方々の思いや考えかたも融合されています。I as WEとして自分が豊かになっていく実感が大切にされています。

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★そして、最終的には、パソコンに自分の「はてな?」を打ち込んでいきます。Googleクラスルームを活用しているので、すべて田中歩先生は見守ることができます。場合によっては、生徒同士も共有できます。その最中に、田中先生は、自分の「はてな?」や行動の信頼性や効果はどうやって測るのか?問いを挿入しました。いわゆる定期テストのようなスコアではないよなあと生徒はふと立ち止まります。少し意見がでました。

★歩先生は、それを拾って、みんなの考え方はルーブリックという考え方に相当すると投げかけました。工学院はすでにそれを使っているけれど、中1の段階では、それを教え込むことはしないから、まずルーブリックとは何か調べてごらんと。生徒は、パソコンに打ち込みながらも、ちょっとGeminiで調べながら、ああでもないこうでもないと対話しながら、また作業に向かっていました。

★生成AIはプロンプトという実は問いを投げかける作業です。I as WEという自己が、常に問い続けている環境を仕掛けているのが田中歩先生のIBLでした。しかも学年全体の教育活動の体験を丸ごと「省察」する次元のリフレクションを行っていたのです。

★歩先生は、この段階では、とにかくたくさん種を蒔くことですと語りました。棚は小さいけれど、葉や花や果実を生み出す潜在力があるわけで、種が芽吹き、葉を広げ、開花し、実るのは、結局環境と種自身のエネルギーの相互関係性が最適化されるからだということでした。

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2025年11月30日 (日)

2026年中学入試(05)八雲学園 アイビー大学ロードマップシステム構築

★先日、八雲学園の副校長近藤隆平先生と毎年ラウンドスクエア国際会議に生徒と参加しているボッサム先生のお話を伺いました。八雲学園と言えば、昨年、海外大学30合格し、そのうち世界大学ランキング100位以内21人という実績が出て一躍注目されている学校です。そして、今年パブリックアイビー大学の一つペンシルバニア州立大学にはやくも合格しました。80周年に共学化し、C1英語を目指し海外大学にも合格できるグローバルリーダーを育成してきました。そして、アイビー大学ロードマップシステムが完成したのです。

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★今や帰国生からも注目されていますが、一般の中学受験生でもアイビー系列の大学に合格できるロ-マップシステムが上記のようにできているのです。

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★そして、このロードマップを進むにあたり、知性と感性とポジティブシンキングを培う教育の総合力であるリベラルアーツ教育の拡充にチャレンジしてきました。

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★さらに、このリベラルアーツとロードマップの道程で生徒が学ぶ脳内運動は、上記のようなダブル5Eの運動が起こるようにデザインされています。

★ここまでダイナミックでかつ緻密なグローバル教育のデザインが構築されてきたとは圧巻です。とても複雑ですから、私ではまとめきれません。じっくり動画をお聞きください。

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2025年11月29日 (土)

AI時代の判断力

★AI時代は、AIにすべて任せるか、AIをサポートの道具として使うのか見極める判断が大切だと言われています。AIと人間が協働して取り組むと、実はAIだけでやるより成果などが劣ってしまうという場合もあるようです。まるで、大人が子供の学びに介入すると思わしくなくなるというのと似ていますね。

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★そこで、そのように見極める「判断」を人間がしていくことが重要になるというわけです。では、その判断はどうやってできるのか?

★基本は、大所高所から眺め、具体的な状況を見定め、近視眼的にならず展望を持ちながらも、いまここで、最優先に状況を改善する道を選択判断する。

★問題は、個人の判断は、主観とその主観が集めた限定的な情報を客観的に扱い、論理的合理的に考えながら、倫理的な価値や審美観的な価値という感情をどうマネジメントするのかも合わせて判断する必要があります。

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★しかし、一方で、社会という組織もまた論理的合理的思考をするし、社会で広がる感情にも対応していく。組織によって主観的な要素もあるし、個人以上に収集集積した客観情報もあります。SNS上では、それがかなかうまくいかないで炎上することがあるわけです。これは、個人の判断と社会の判断がつながることによって、平衡関係を生み出すことがなかなか難しいことを象徴しています。

★なんとか平衡関係をつくりたいのです。そのためには、個人と社会=主観と客観という図式を調整する必要がありそうです。つまり、この思考と感情、主観と客観の座標を個人も組織も持ち、両者が個人と社会という軸と思考と感情という軸で構成する座標系を作り出すと考えてみてはどうかというわけです。これは、京大の出口康夫教授の「WEターン」という発想から考えてみたことです。

★このI as WEという考え方は、アリストテレスが人間は社会的存在だといったときから、ずっとあったのですが、ポスト資本主義にあっては、WEがぬけおちたIというイメージが広がったかもしれません。それにWEのリアルな範囲や関係性が、ギリシア時代、中世、近世、近代、現代ではずいぶん変わりました。

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★立ち戻ってこの座標で考えてみる価値はあるかなと考えています。その座標系でどのような関数方程式を創造するのか。これが最終的な判断方程式になるのではと。判断はIという個人が行っているようでもその背景にはWE(人間だけではなく自然も含める)と相互に関係しあっている。WEとしてのIが判断するメカニズムを構築することが複雑で予測不能なAI時代には必要になりますが、どうやって方程式を生み出すのか?結局省察(デカルトいう意味でのmeditation)付き対話を続けることで。

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2025年11月25日 (火)

2026年中学入試(03)工学院大学附属 今年も風が吹く

★11月23日工学院大学附属中学校は、説明会と入試予想問題体験会を行いました。会終了後、田中歩教頭は言葉にメッセージを込めました。グッとくる言葉です。工学院の生徒中心主義の学びの環境がリアルに伝わってきます。このような力がこもった言葉の背景には、前日帰国生入試を行い、海外入試を合わせて、中学は昨年と変わらず、高校は増えたという実感があったからでしょう。

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★多摩エリアで、昨年と変わらぬ勢いがあるということだけでも奇跡的ですが、高校で帰国生入試が増えるということは、いよいよ海外に工学院の魅力が伝わってきたということでしょう。海外から見れば、海外大学にも通用する教育の質があるところは、エリアに関係なく志望校になるのです。物理的距離感が違うので、都心から遠いかどうかはさほどの問題ではないでしょう。魅力的な学校に通うために、住居を考えることができるからです。

★工学院に今年も風が吹いています。田中教頭は海外も国内も生徒のプロジェクトが行われているところを飛び回っています。また自分の学校だけではなく東京の私学のためのプロジェクトのリーダーも務めています。工学院の理念「挑戦・創造・貢献」をご自身が果たしています。

ぜひ田中教頭のメッセージをお読みください。

★田中教頭の話を聞いた受験生の保護者は、次のように感動して、不安な気持ちでいる自分に元気をもらえたと思ったでしょう。受験を結果だけでなく過程として捉え、子どもが課題に向き合いながら成長していく姿勢を大切にするという言葉に励まされ、模試を前向きに受け止める視点に安心を覚えたことでしょう。さらに、工学院での学びが日々の「なぜ?」を積み重ね、確かな力へと変わっていくという説明に、子どもの未来を信じて支えたいという思いが強まったと推察します。

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2025年11月21日 (金)

2026年中学入試(01)帰国生入試始まる 文大杉並次元があがる 帰国生の新しい動き 希望の兆し

★文大杉並の入試広報部長西田先生から、第1回目の帰国生入試の受験状況の一報がありました。12月の第2回目の発表と合わせてまたコメントしたいと思いますが、第1回目の段階からたくさんの応募がありました。中学入試と高校入試共に帰国生に注目されている文大杉並。そして、次元がまたあがっただろうなあと推察できます。

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★というのも、帰国生入試の市場は、首都圏中学入試では、一般入試の市場の2%のニッチ市場です。高校入試になるともっと狭い市場でしょう。しかし、日本で学んでいる私たちには想像を超える英語力とグローバルな広い視野や文化理解度が高い知見を備えた生徒が大半を占めています。特に文大杉並を受ける帰国生は、そのような高い資質能力を潜在的に持っている生徒ばかりです。

★カナダのBC州のDDコースが高校からあり、中学段階でそこに希望する生徒のコースもあります。このコースは、海外大学の学部1年・2年で学べる実践的で教養豊かな教育がなされています。説明するまでもなく授業はすべて英語を使います。それに耐えられる英語力と洞察力が必要です。その高いレベルにチャレンジしようという帰国生が、文大杉並の帰国生入試にこんなに集結するというのは日本の未来は明るいですね。

★それに、2027年以降、東大、東京都立大学、東北大学など英語で講義をするコースを創っていきます。ますますDDコースの腕の見せ所です。一方ですでに一橋大学で話題になりましたが、各大学がデータサイエンス関連の学部学科を新設していきます。青山学院大学、津田塾大学なども新設していきます。データサイエンスコースでも英語を活用する機会が増えざるを得ません。

★中高段階でのグローバル教育とイノベーション教育の2つは、必須の時代がやってくるではなく、すでにそうなっているのです。しかし、文大杉並のようにその準備が高いレベルでできている中高は首都圏の私立中高一貫校のうち10%ぐらいでしょう。

★高いレベルのグローバル教育だけなら30%はあるかもしれませんが、両方そろっているとなると10%だと思います。

★学校教育は、今や社会や世界とつながっています。多くの学校の先生方が越境して学校も社会や世界に目を向けなくてはと認識しています。したがって、グローバル教育とイノベーション教育は急務なのです。しかし、思いと実践が一つになって進むには、学校の教職員が一丸となる必要があります。学校に限らず組織というのは、ここが難しいのです。

★ですから、「グローバル教育」と「イノベーション教育」と「エンパワーメント組織」の3つが揃っている学校が2030年次期学習指導要領が実施されるときに注目されています。次期学習指導要領は、日本社会が世界の中で生き残れる教育を果たせるかどうかという試金石になるからです。

★豊かな頃の日本においては、学校は偏差値競争していても世界の問題性は教育にまで襲いかかってきませんでしたが、状況はがらりと違う日本社会です。不透明で秒で変わるAI時代でもあります。絶望を希望に変えるのは教育だと各界の指導者が言っています。そのロールモデルの一つが文大杉並であることは間違いありません。

★そのことに気づいている慧眼の帰国生が文大杉並にチャレンジします。その証拠に、2026年新設の高校のイノベーションリーダーズコースに帰国生が受験しているのです。こんな帰国生入試史上初です!帰国生はグローバル教育のコースを受験するというのが今までの定番でした。それがイノベーションリーダーズコースを受験する帰国生が現れたのです。このコースを設定したことが、この潜在的な帰国生の新たな市場を掘り起こしたのでしょう。

★もちろん、最初はまだ小さな動きです。しかし、だからこそ大きな動きが生まれる兆しが文大杉並で起こっているのです。2026年中学入試始まりました。そして、また新しいページが開かれたのです。

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2025年11月 3日 (月)

文大杉並 再び新しい学びを創出 高校入試を大きく変えるレバレッジポイント

★今年4月、文化学園大学杉並の校長青井静男先生は、こう語っていました。「本校は常に社会の実情を見つめ、その先を見据えた新しい学びの創出を目指しています。2015年度にはダブルディプロマコースを立ち上げ、日本のグローバル教育のあり方について新しいビジョンを共有しました。その立ち上げから10年が経った今、本校はさらなる挑戦を始めます。これまで取り組んできた、STEAM教育やプロジェクト型学習、グローバル教育などの次世代教育ビジョンの集大成です。ぜひご注目ください。」と。

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★青井校長こそが、ダブルディプロマコース立ち上げのリーダーですから、この言葉の重みにグッときます。この集大成が2026年4月から新しく設定される「ILコース(イノベーションリーダーズコース)」です。「ぜひご注目ください」の言葉通り、学内外で注目を浴びました。

★同コースの立ち上げのリーダーは理事長補佐の染谷昌亮先生ですが、先日大学通信の取材で、すでに行われた学内の応募状況についてこう公開しています。「ILコースの入試では一般的な学力検査ではなく、プロジェクト審査を実施。事前に授業体験会も行う。定員は30人で、内部生と高入生が混在するクラスになる。すでに、39人の内部生が応募し、16人が合格。」と。

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★4月から7か月が経ち、早くも2026年の高校入試が間近んきなりました。青井校長が予言したように「注目を浴びて」いるのです。内部生だから進めるのではなく、チャレンジングなまさにイノベーターの選抜が成立しています。入試要項によると、外部の高校入試のILコースの募集人数は20名強ですから、これもまた激戦になるでしょう。

★ただ、いわゆる一般入試ではなく、3時間のプロジェクト型入試です。グループワークを行い、思考力・判断力・表現力、何より東大の2027年開設予定のCollege of Designが重視する「創造的思考」を診るのでしょう。それに協働はイノベーションの重要な足場ですから、チームワークも組み立てられるかも大事になるでしょう。何せイノベーションリーダーズですから。

★このような画期的な高校入試は、PBLをベースに行っているほかの学校でもなかなかチャレンジできません。すでにかえつ有明や聖学院は同じような高校入試をやってはいますが、両校とももともと高校入試はやっていなかったところなので、経営よりも新しい学びの確立に軸足を置いて創ったために、中学からの内部生がコースの実現の中心でした。そのため、高校入試では両校だからできると、高校入試市場に広まる契機にはなかなかなっていませんでした。

★ところが、文大杉並は、DDコースの成果が広く国内外の受験市場で支持され、中学も高校も応募者は右肩上がりの人気校です。しかも、DDコースは高校だけではなく、そこに接続する中学からのDDコースへのロードナップが明瞭になっていますから、DDコースの学びそのものの仕組みの有効性が受験市場に広まったのです。

★そして、このDDコースは、ある意味先進的カナダの教育そのものですから、たんに英語教育が充実しているというだけでないことは、もはや周知の事実です。そこには当然コンピュータサイエンスの学びがベースです。このベースは、DDコース以外にも共有されてきました。そこで満を持して、DDコース以外にもう一つコンピュータサイエンスベースのしかもスタートアップも視野に入れたILコースを作ったのでしょう。

★ですから、受験市場は文大杉並のILコースがどんな学びをやり効果的なチームを作りながら興味深い成果を出すか期待値大なわけです。

★このように教育の質だけではなく私学経営の戦略(理事会の大胆な戦略と緻密なプランニング力に脱帽なのです)が合力を生み出したとき、応募者を獲得できるだけではなく、その新しいILコースとその入試が受験市場に社会的インパクトを生み出します。世の中は、大学入試や中学入試が大きく変わっているときに、高校入試がなかなか変わらないので、半ばあきらめてきたのですが、もしかしたら、今回の文杉のILコース入試は、高校入試を変えるレバレッジポイントになるかもしれません。

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2025年11月 1日 (土)

秋田の聖霊学園高等学校 白鳥に変容するとき

秋田の聖霊学園高校の校長工藤保代先生にいざなわれ、先日見学させていただきました。ちょうど創立117周年の記念ミサが行われる日でした。ミサは、神言会の神父様がとりおこないました。ここ秋田は神言会のルーツです。南山学園も神言会の学校です。神父様は、聖霊高校は今年、創立117周年を迎え、創立以来、キリスト教の精神に基づく「人間教育」を大切にし、「聖霊」という名にふさわしい教育を続けてきたことを教職員と生徒と共に確認し、祝福しました。

★その後、工藤校長と少し対話をしました。校長は、「聖霊は人と人を結び、共に生きる喜びをもたらす存在ですから、急速に変化する社会の中で、教職員と生徒は共に本当に大切なものを見失うことなく探し求めていくつまりトランスフォーメーションしていくことも大事なのです。117周年を迎え、伝統を守りつつ、新しい価値を創造することを教職員とプロジェクトを動かしているところです」と語ります。そして、「生徒一人ひとりが柔軟で創造的に行動できる“光の子”として育つことを全うしたい」と。

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★その後、学校のリーダーメンバーと対話をしたのですが、先生方と事務長みな光輝いていました。秋田県で唯一のカトリック学校、市内唯一の女子校として、社会に新しい教育的価値を生み出そうとするミッションとビジョン、モチベーションが満ち溢れていました。そして、実にリアリズムでもありました。その新しい価値を生み出すには、イノベーションが必要なのだというのです。授業を見学してなるほど、生徒一人一台自分の好きなラップトップを活用し、フォームで教師とデジタルで情報や学びのプロセスと成果をやりとりしていました。

★しかし、聖霊学園でのイノベーションとは、テクノロジーだけの話ではないのです。ルーブリックがしっかりしていて、それを授業の中でしっかり根付かせ、それを生徒も共有し、振り返りができるシートもできています。つまり知のイノベーションを起こしているのです。学びの状況、学びのプロセス、学びの成果を可視化するわけですから、学校全体の取り組みとなっているのです。

★知のトランスフォーメンションですから、2027年以降の大学入試の変化に対応するべく、英語の教育もハイレベルでした。対話や小論文を編集するスキルも、授業はピアインストラクションやPBL型で対応できるようになっています。そして「情報」教科の充実。

★しかし、そのベースには「共感」を大切にする人間関係の心理的安全を生み出す環境がDE-SIGNされていました。音楽の時間やミサのときのコーラスは言葉では尽くせないほどすてきな響きでした。

★何より教え込むのではなく共に学ぶファシリテーターとしての教師の役割が充実していました。

★シンガポール大学の田村耕太郎教授が、日本の地方こそ白鳥になれる潜在的可能性があり、そのことは、外国の方々のほうがよくわかっていると言っています。そのためには、新たな価値を生み出す経済も大事ですが、新たな価値を生み出す人間力を養う教育力も極めて重要です。

★聖霊に光を浴び、同時に自分の内側から光を放つ教職員と生徒。ここに秋田の未来、日本の未来、そして世界の未来があると感じたし、工藤校長は宇宙まで含めて光が満たされるようにしたいと語ります。最後に先生方とミニWS型スピーチをさせていただきましたが、ミッション、ビジョン、イノベーション、そしてパッションを共感することができました。1時間目のミサから授業終了後の会議の時間まで、あっという間の光の体験でした。ありがとうございました。

★そうそう、聖霊ドミトリーがあります。キャンパス同様快適なホテル並みの空間だと聞き及びます。寮生活もまた素晴らしい体験になるでしょう。

★それから、聖霊学園にとって、光というのは、目に見えない大切なものを明るみにすることでもあります。実は授業の中で、学びのスタイルと学びのプロセスを支え動かす教師と生徒の内面の思考メカニズムとメタ・ルーブリック(カナダからの先生は、ドラフトルーブリックと呼んでいました。軌道修正しながら授業がデザインされます)が可視化されていました。これは、やはり先生方同士が普段から対話を行っているからこそ互いに深いところにまで光が届くようになっているのだなと感動しました。

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2025年10月29日 (水)

八雲学園 グローバルリーダーへの強いロードマップをDE-SIGN

★八雲学園は、グローバルリーダーを育てることを明快に宣言しています。グローバルリーダーとは、国や文化の垣根を越えて人々を導き、国際的な課題に取り組む力を持つ人物です。ビジネス分野での活躍が注目されがちですが、その力は社会、教育、文化、環境など多岐にわたる分野でも発揮されるのです。これを実現するための大きな仕掛けが、中3が全員サンタバーバラにある八雲レジデンスを拠点とする海外研修、高1のUCサンタバーバラでの3カ月海外プログラム、イエール大学との国際音楽交流、ラウンドスクエアの国際会議への参加、ラウンドスクエアの加盟校との交換留学が挙げられます。

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★そのような海外でのあるいは海外との交流体験は多くの学校は真似はできません。もちろん、国内にあっても、レシテーションコンテストやスピーチコンテスト、英語際、イングリッシュ・ファン・フェアなどたくさんの英語だけではなく異文化理解のプログラムが積み上げられています。そして、C1英語を目指す英語の授業が毎日のように行われていて、グローバルリーダーになっていくロードマップが大胆にそして緻密にDE-SIGNされているのです。

★このように、語学力や異文化理解、コミュニケーション力などの基礎スキルを習得し、次に、広い視野と柔軟性を持つグローバルマインドセットを確立し、協調性と共感力を高める緻密なロードマップを実施するには、教師が一丸となって取り組まねばなりません。そして、さらに、イエール大学やラウンドスクエアと協力する海外プロジェクトへの参加や国際チームでのリーダー経験は、戦略的思考や意思決定力を強化します。何より、このような継続的な学習と自己研鑽を重ねられるには、教師や先輩メンターとの対話する機会をチューター制度としても確立しているのは傑出しています。

★このようなダイナミックで細心の注意を払ったグローバルリーダーへのロードマップの重要性に気づきはじめた受験生が徐々に増えてきました。また、中3で、サンタバーバラにある姉妹校でもあるケイトスクールに訪問して、1クラスが15人程度であるのをみて、八雲の中学校のクラスが1クラス20人前後なのは、海外のエスタブリッシュスクールの教育環境と同質だと改めて感じて帰国してくる生徒もでてきました。

★未来の八雲のグローバルリーダーは、単なるビジネスの成功者になるだけではなく、世界をより良くする変革者として、多様な分野で活躍する存在となるミッションを、イエール大学の学生やラウンドスクエアの加盟校との交流の中で気づき、成長していくのです。このことに魅力を感じる受験生が現れてきたと副校長の近藤隆平先生と副校長の菅原久平先生は口をそろえて語ります。

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2025年10月17日 (金)

富士見丘 中2のSTEM教育 テクノロジーカンパニー4社と連携

★富士見丘の中学2年生は、5月から5か月間、テクノロジーカンパニー4社と連携してエンジニアリングの技術や創造的なプロジェクトチームの作り方など、STEM教育の一環として探究を行いました。そして先日「中学2年生 Girls Meet Stem 企業訪問 成果発表会」が行われました。このプログラムは女子校の理系人材育成を推進する公益財団法人山田進太郎D&I財団の協力のもと行われました。

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★結論から言って、すばらしいプレゼンでした。富士見丘は高校生になるとその多くのイベントで英語でグローバル探究の成果がその都度発表されます。模擬国連部などの英語での交渉術はすさまじく、そのグローバル教育は、世界大学ランキング100位以内の海外大学に多数合格していることからも明らかなように、きわめて大きな成果をあげていると評判です。

★帰国生に人気があるだけではなく、小学校で英語を学んできたり、これから学ぼうとする意欲に満ちた生徒が入学してくる学校として多くのメディアから注目を浴びています。

★今回の中2生のプレゼンがもしすべて英語で行われたら、もうそれは同校の高校レベルのプレゼンに肩を並べるくらいのクオリティでした。もちろん、企業訪問によるリサーチの報告会ですから、同校が高校で行っているデザイン思考ベースの探究とは違います。つまり、社会課題の問題解決のための実装プロトタイプまでは行っていません。

★しかし、大事なことは、同校の高校のこのデザイン思考にすでにつながっている、あるいは中2生が高校になったら先輩同様大輪の花を咲かせるだろうと予想ができたということです。いや、もしかしたらそれ以上かもしれません。というのも、同校のグローバル教育は突出していて他の追随を許さない環境デザインがされていますが、STEAMに関しては、他行に比べてかなり行ってきたものの、同校の実施している破格のグローバル教育に比べると発展途上でした。

★それが、今回メルカリ、オイシックス、サイバーエージェント、IBMという大手テクノロジーカンパニーと協働探究を始めたのです。中学2年生が世界のイノベーションを丸ごと把握し、自分たちの才能を開く好奇心を旺盛にしているモチベーションが、プレゼンで明快に伝わってきました。

★挑戦・創造・貢献という3Cマインドにあふれていました。

★プレゼン自体も、スライドの論理的構成とデザイン力はかなりのクオリティです。さらに論理構成をプレゼン用にインパクトある順番に変えるなど聡明な編集がなされていました。スピーチも中2生でありながらペーパーを持参せずものの見事に物語っていたのです。

★審査員が2人、質問したり講評をフィードバックしたりしました。山田財団の方と大変光栄でしたがなぜか私もその一人でした。山田財団の方は、内容に深く迫る質問をしていました。それにすぐに熟慮しながら明快に簡潔に答えていました。山田財団の方も私もそして聞いている仲間も感銘を受けていました。

★私は、この日初めてこの活動を知ったので、質問は今回の発表に至るプロセスで重視した方法や価値について問いかけました。すると、エンジニアの方やスタッフの方にインタビューしたことを根拠に新しく気づいた価値にについて即答でした。すでに世界を創るセンスや視点が生まれています。

★4年前から、今のように富士見丘は注目を浴びはじめました。しかし、この破格のグローバル教育は10年前から行われていたのです。注目を浴びるまでに6年かかっています。その理由が、今回よくわかりました。その6年間、今回の中2のようなしっかりとした探究的学びとグローバル教育をしっかりと積み上げてきたということでしょう。

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2025年10月10日 (金)

2026年度中学入試(07) グローバル教育の大転換を推進する私立中高一貫校 しゅとも9月号特集記事

★首都圏模試センターが発行している「shuTOMO9月号」の特集記事は「グローバル教育の大転換」。グローバル教育の変遷をまず5つのステップに分けています。

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(同記事の図を参考に本間が描いてみました。デザイン力がまったくなく、きちんとしたものは同誌をお読みください)

★2011年ころから、私立中高一貫校では、国際理解教育からグローバル教育という言葉が使われるようになりました。現行学習指導要領が立ち上がる時、CEFRやタキソノミーという基準が話題になり、世界標準とか海外大学で学べる語学力とかが注目を浴びました。しかし、パンデミックと生成AIが突如として現われ、そこを起点にグローバル教育の大転換が起こったのだというのが首都圏模試編集部のポイントのようです。

★その象徴が、偏差値の高低に関わりなく、グローバル教育の大転換を推進している学校が、海外大学に飛躍的に合格させていることだと。同記事では2024年度卒業生の海外大学合格者数順に一覧を掲載しています。ここでは、そこから3人以上合格した学校をたんに五十音順で並べます。

青山学院
桜美林
大妻
大妻中野
海城
開成
開智
開智日本橋
かえつ有明
関東六浦
暁星
公文国際
光塩女子
工学院大学附属
佼成学園
駒場東邦
桜丘
サレジオ学院
渋谷教育学園渋谷
渋谷教育学園幕張
湘南白百合
昭和女子大学附属
女子学院
聖学院
成蹊
聖光学院
聖ドミニコ学園
成立学園
洗足学園
玉川学園
桐光学園
桐朋
東洋英和
ドルトン東京学園
広尾学園
富士見丘
文化学園大学杉並
三田国際科学学園
武蔵野大学附属
茗渓学園
八雲学園
横浜女学院
立教女学院 

★ここに挙がっているだけでも、首都圏私立中高一貫校の15%もあります。このシェアを小さいとみるか大きいとみるかわかりませんが、1人以上も加えるともっとすごいシェアになります。しかも、サレジアン国際グループのように新たに立ち上がっているところも、あと3年もするとこのリストに加わり頭角を現してくることでしょう。

★したがって、グローバル教育の大転換を推進する私立中高一貫校はますます増えるでしょう。

★その本当の意味は、この特集記事では、実はフェーズ6にシフトするというところにあるようです。フェーズ5の哲学的思考や倫理的探究の段階の次にグローバル教育はいったい何があるというのでしょう?それいついてはまた別の機会に考えてみたいと思います。2027年以降の大学の変容も関係しますから。

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