21世紀型教育

2026年8月 9日 (日)

海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(3)首都圏中学受験市場に拮抗する2つのカテゴリー市場

★従来の首都圏中学受験市場は、東大・医学部・難関校進学の実績の競争がメインの市場でした。ところが、海外大学進学準備教育校が増え、仮に準備教育を行っていなくても、在校生自身が対策を講じることで一人でも海外大学に合格する学校を含めると、首都圏私立中高一貫校の約40%強は、海外大学に合格させています。したがって、東大・医学部・難関大学進学校と海外大学進学準備教育校の二つのカテゴリー市場が、首都圏私立中高一貫校受験市場に併存するようになったと言えます。そのことは、サンデー毎日という従来国内大学合格のランキングばかり掲載していた雑誌もが海外大学合格に強い100校のランキングを掲載するようになったことからもうかがえます。

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★もちろん、開成や海城、渋谷教育学園グループのように、両カテゴリーの共通集合に位置する学校もあります。

★それぞれのカテゴリーには、上記の図のように、魅力が際立っているブランディングの細分化ができます。そのことについては、以前も本ブログで紹介しています。

★広尾学園や三田国際科学学園は、一見すると海外大学合格数が圧巻なために、海外大学進学準備校のカテゴリーに入る感じますが、教育環境は、むしろ共通集合に属しています。そして、東大・医学部・難関大学への教育もしっかり行っていますが、この領域はすでに大量に合格させている私立学校が多く、レッドオーシャンのため、徐々に浸食する形になっているため、今のところ目立たないのですが、それも時間の問題でしょう。

★それは、開成が、圧倒的に東大・医学部をメインに進路指導しているように見えますが、実は海外大学進学準備教育も魅力的で、ただ東大以上の世界大学ランキングの海外大学を志望する傾向にあるため、量的には目立たないだけです。ですから広尾学園や三田国際科学学園と開成は目に見える量の多い大学のカテゴリーが真逆なだけです。

★2030年以降は、上記の共通集合の領域が増えていくことになるでしょう。

★現状では、東大・医学部・難関大学の入試は、まず知識が大事で、そのうえで思考力を育成するという学びで対応できます。海外大学進学準備教育では、経験から学んだ情報を自ら新しい知識に仕立て上げる創造的思考力とその正当性・信頼性・妥当性を検証する論理的思考力が求められます。

★2030年以降は、両方の学びを統合する形になっていくので、自ずと2つのカテゴリーは融合されていきます。

★どちらの道からアプローチしても、最終的には融合されるので、今は子供たちは自分にとって適合する学びをしていればよいだけです。

★ただ、そのときに自分の学びが、未知の分野にも適用できる「転移学習」の方法を体得しておくことが将来差がつくことになるので、そこは注意しておきましょう。そのためには、哲学的な対話が大事になってきますが、これについてはまた。哲学対話というと難しそうですが、実は哲学者という専門家がいなくては哲学的対話はできないという規制主義の哲学的対話ではない、市民に開かれたアプローチも最近開発されているのです。

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2026年8月 8日 (土)

海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(2)海外大学合格20名以上の首都圏私立中高一貫校

★前回ご紹介したサンデー毎日に掲載されている海外大学合格に強い100校の中から首都圏の私立中高一貫校を抜き出してみました。20名以上合格させている学校は次の通りです。なお、海外大学合格は7月くらいまで未定のところもあるため、同誌のランキングの中に入ってくる私立中高一貫校もいくつかありますが、今回は同誌のランキングの中から抜き出しました。合格者数多い順に並べています。

 
321:広尾学園
167:三田国際科学学園
73:渋谷教育学園渋谷
63:八雲学園
60:北豊島
58:文化学園大学杉並
56:渋谷教育学園幕張
50:茗溪学園
43:佼成学園
37:かえつ有明
33:浅野
32:公文国際
24:開智日本橋
23:学習院
20:工学院
20:芝国際
20:玉川学園
20:横浜女学院

★渋谷教育学園グループ、浅野、公文国際、学習院などは、「東大・医学部・難関進学校」と「海外大学進学準備校」の両カテゴリーの共通集合に入っています。多くの「学校は、今後この共通集合に属するようになっていくでしょう。

★というのも、すでに、インターナショナルスクールやIB校、ケンブリッジ国際教育認定校など海外からの波がやってきているため、教育における国際競争力を各学校が模索しているからです。

 

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海外大学進学教育がメディアで取り上げられる時代(1)~中学受験進路の自由の時代到来

★サンデー毎日 2026年8/16・23合併号で、「2026年 海外名門大学に強い学校世界大学ランキング トップ100 合格高校一覧」が掲載されました。かつて、国内大学合格校のランキングばかり掲載されていましたが、ようやく海外大学合格校のランキングも掲載されるようになりました。受験市場で、海外大学合格の意義が支持されるようになったのです。

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★また、「シン・名門校ルポ 海外大合格者が倍増! 八雲学園 驚異的伸びの真実」という記事も出ました。東大・医学部合格校ランキングの特集だと開成をはじめとする高偏差値校の記事が載るのですが、海外大学合格ランキングの特集になると、海外大学合格の伸びが驚異的な八雲学園が取り上げられるのです。

★この海外大学にたくさん合格する学校が増えたことは、従来の偏差値という一つの価値で選ばれてきたのが、多様な選択価値で選ばれる時代になった象徴なのです。

★つまり、「東大・医学部・難関進学校」と「海外大学進学準備校」という大きな二つのカテゴリーが受験業界で認識されるようになったわけです。そして、前者が学力向上駆動型教育であるのに対して、後者は好奇心駆動型教育です。もちろん、両カテゴリーともこのように単純にわけられません。ルビンの壺です。どちらが「図」として前面に現れるかの違いですが、好奇心駆動型教育が前面に出るグループの方が、2科4科入試以外に多様な才能発見のための新タイプ入試が実施される傾向にあります。

★そういう意味で、受験生の側からとってみれば、自分の好きなことややりたいこと、自分の潜在的才能を生かせる学校選びが可能になったということです。

★今までもそうだったのすが、そのためには、世の中の偏差値神話主義の流れに確固たる意志をもって抗うストレスが高かったのですが、今後は、そのストレスはある意味軽減されるわけです。

★「中学受験進路の自由の時代」の到来ともいえるでしょう。

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2026年7月20日 (月)

私立中高一貫校は信頼される学校の存立基盤の質の時代に突入

★2030年に少子化の時代に本格的に突入するため、お受験から大学受験まで各学校は多様な戦略を打ち出してきています。中学受験もその例外ではなく、ここにきて目立っている戦略は、ブランドやプレミアムの水平展開です。カトリック学校がカトリック校でなくなるというケースもでてきました。MARCHクラスの大学の系属や系列になるというのもその水平戦略の典型です。

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★各学校がサバイバルするのに知恵を絞るということは、望ましいことであると同時に、結果的にもともとの建学の精神を守ってきた学校としてサバイバルできない学校もでてきます。受験生の保護者は、これまで以上に自分の目で説明会でしっかり観察していったり、情報を集めたりする必要があります。そのとき、今までとは違う学校の経営的な戦略を読み解くということもポイントになります。そこで、次のようにまとめてみてみました。参考になればと思います。

1. 学校を支える4つの要素

私立中高一貫校が「選ばれ続ける学校」であり続けるためには、まずは次の4つの要素が関わっています。

・ メンバーシップ(帰属意識とコミュニティ)
・ ブランディング(学校の独自性と社会からの評価)
・ プレミアム(選抜性や進学実績などの付加価値)
・ 知的誠実さ(インテグリティ)

ここでいちばん伝えたいのは、「メンバーシップ・ブランディング・プレミアムがどれだけ立派でも、知的誠実さがなければ、すべて土台から崩れてしまう」ということです。

◆メンバーシップと誠実さ
卒業生・在校生・保護者が共有する「誇り」や「一体感」がメンバーシップです。学校側が宣伝文句と実際の教育内容にズレなく向き合い、先生方が成績や属性で生徒を差別せず、一人ひとりの人間性を尊重して誠実に接することで、初めて強く健全な仲間意識が育ちます。

◆ブランディングと誠実さ
他校との違いを打ち出し、「この学校で学ばせたい」と思わせるためのイメージ戦略がブランディングです。ただし、実態の伴わない見栄えだけの発信は「誇大広告」にすぎません。学校が自校の強みだけでなく、改善すべき課題も含めて正直に発信することが、結果として長く続く本物の信頼につながります。

◆プレミアムと誠実さ
入試の難易度や高い進学実績、独自のカリキュラムといった「高い価値」がプレミアムです。進学実績や推薦枠の数字を実態以上に見せるような行為は、誠実さに反します。本当の意味でのプレミアムは、生徒の知的好奇心を偽りなく満たし、自分から学ぶ姿勢を育てているかどうかの上に、初めて成り立つものです。

◆知的誠実さが果たす役割
知的誠実さとは、事実をありのままに受け止め、自分の利益や見栄のためにごまかしをしない姿勢のことです。学校運営や教育の場でこうした「ごまかし」を排除することが、保護者や社会に対する説明責任を果たすことにつながります。また、先生が自分の間違いを認めたり、学問に真摯に向き合う姿を見せたりすること自体が、生徒にとって最高の倫理教育となり、学校の教育的価値を高めます。

2. 受験生の「やる気」との関係

4つの要素は、受験生の学習意欲(外的な刺激から、自分から学びたいという内的な動機への成長)を支えるエンジンとしても働きます。

◆ブランディング → 期待と憧れ
華やかなカリキュラムや社会的な評価は、「この学校の生徒になりたい」という入学前の強い憧れを生み、やる気の着火剤になります。

◆プレミアム → 自己効力感と競争心
高い進学実績や大学への内部推薦枠は、「努力が報われる環境にいる」という安心感を与えます。周囲と切磋琢磨する競争心が生まれる一方、確実な推薦枠があることで、目先の受験勉強にとらわれず、本当にやりたい研究や留学に挑戦する余裕も生まれます。

◆メンバーシップ → 心理的安全性と持続性
「この仲間と一緒なら頑張れる」という帰属意識は、やる気を長く支える「心の安全基地」になります。行き詰まったときに孤立せず、仲間と乗り越えようとする粘り強さが育ちます。

◆【最重要】知的誠実さとやる気
他の3つの要素がどれだけ優れていても、知的誠実さが欠けていると、生徒のやる気は一瞬で冷めてしまいます。偏差値の操作や見せかけの取り組みといった「ごまかし」に、多感な中高生はすぐに気づきます。「大人は口先だけで、結局は学校の実績のために利用されている」と感じた瞬間、やる気は「やらされる勉強」へと変わってしまいます。

反対に、先生が自分の過ちを認めたり、わからないことを一緒に調べたりする姿勢を見せる環境では、生徒も失敗を恐れずに挑戦できるようになります。これが、探究学習やPBL(課題解決型学習)における、もっとも大切なやる気の源泉です。

3. 4要素がかみ合ったときの生徒の姿

ブランディングに憧れて入学し、プレミアムな環境に刺激されて背伸びをし、メンバーシップ(最高の仲間)に支えられて安心して失敗し、知的誠実さ(嘘のない教育)に触れることで、損得抜きに学問を愛するようになる。これが、4つの要素がかみ合ったときに描かれる好循環です。

学校を選ぶ際は、パンフレットに並ぶ言葉(ブランド)だけでなく、「この学校の環境は、我が子の本気の学習意欲を本当に引き出してくれる誠実さがあるか」という視点を持つことが大切です。

4. 学校説明会・見学で「知的誠実さ」を見極めるチェックポイント

① 数字の出し方が具体的か
「難関大学合格者多数」のような曖昧な表現だけでなく、母数(卒業生全体の人数)や、実際にどのコースの生徒がその実績を出しているのかを、質問したときにきちんと答えてくれるかを確認してみてください。はぐらかされる場合は注意が必要です。

② 弱みや課題を語れるか
説明会や個別相談で「本校の課題は〜です」「まだ改善の途中です」と、良い面だけでなく正直に話す学校は、誠実さの現れといえます。良いことしか語らない学校には、少し警戒しておくとよいでしょう。

③ 先生の言葉に実感がこもっているか
パンフレット的な決まり文句ではなく、先生自身の言葉で、生徒とのエピソードや失敗談を話してくれるかどうかも一つの目安になります。

④ 在校生・卒業生の様子が「作られていない」か
文化祭や説明会での在校生の話しぶりが、台本通りではなく自然かどうかを見てみてください。生徒に直接質問したときの反応にも、その学校の空気が表れます。

⑤ 推薦枠やコース分けの説明に透明性があるか
指定校推薦や内部進学の条件を聞いたときに、条件や実態をぼかさずに説明してくれるかどうかも確認しておきたいポイントです。

5.それでもなお注意すべき点~5つ目の条件

それでもなお注意すべき点があるのです。それは学校の校長をはじめとする教職員の「言葉の選び方」です。言葉はどんなに巧んで選んでも、いつもの癖がでます。誠実に相手のことを配慮して使っているとしても、そうではないことがあります。コミュニケーション力の本来性は、人間の存在をどうとらえているかという考え方や感じ方、価値観と一致してしまうということです。

ここを見ぬけるかどうか?「哲学の目」が必要になるかもしれません。信頼される学校の存立基盤の条件の5つ目は「学校の中にあるコミュニケーションの質」です。これは、上記の図の中であえて表現しませんでした。4つの条件が発動しているときの内側で作用している質なので、見えないからです。

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2026年7月13日 (月)

学校説明会で、その学校の対話の質がわかる

★AI世界は、AIに代替されない自分の独自の発想や提案を思考し、判断し、最終的には解決のシステムや技術を実装する能力が必要です。このような人材のレベルを落合陽一さんは、クリエイティブ・クラスと言っています。では、どのような環境から、そのクラスは生まれるのでしょう。今では、グローバル教育もSTEAM教育も、多くの私立中高一貫校は行っています。しかし、必ずしもそのような学校すべてからクリエイティブ・クラスの創造的才能者がたくさん生まれるとは限りません。それはなぜ?

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★その秘密は、対話の質にあります。対話はミクロがゆえに外から見ているとなかなかわかりにくいので、どんな教育環境デザインをしているかというカタチを比較することで、学校選びをしたくなります。もちちろん、第1段階はそれでよいのです。

★第2段階は、その環境がどんな成果を生み出すかです。これも外から見ていてわかります。

★しかし、その成果がクリエイティブなものはそんなに多くないので、クリエいティブ・クラスが生まれる可能性の多寡は実はなかなかわかりません。

★では、どうするのか?

★それは学校説明会の時に、教師がどういう言葉を使っているかで、わかる場合が、意外と多いのです。

★教師が、生徒の選択判断について語るときに、面倒見がいいとはどこの学校でも語るのでしょう。

★しかも、コーチングだとかファシリテーションだとか、生徒と伴走するという話もよくするでしょう。

★しかし、問題は、その伴走の時の対話のスキームなのです。

★教えるとか教えないとかという表現もありますが、それは程度問題なので、惑わされないようにします。

★実は、丁寧にでもマイクロアグレッションという気づきにくいネガティブなフレーミングを語っている場合があります。

★これが、多くの生徒に自己肯定感やモチベーションを高められないもやっとした壁を感じさせます。先生は丁寧に君はこの点ができないから、こっちを選びなさいというのは、丁寧だし、その生徒のことを思っているけれど、どこか違います。

★こういう点が強みなのだから、ここを活かすとしたら?そして生徒が選択判断をしたら、そのときそれを実現するために、強みと弱みを、一緒にリフレクションしようと。自分で選択した目標を実現するために、強みをもっと活かし、弱みを強化するリフレーミングを生徒と共に作っていく対話をする先生をたくさん知っています。本ブログでも紹介している先生方はまさにそうです。

★そのような先生は、学校説明会でも同じです。ポジティブなフレーミングを設定し、それに対しネガティブな状況が生まれれば、それを書き直すリフレーミングの対話をしていきます。

★大事なことは、やがて、生徒自身がポジティブなフレーミングをしたり、自分でリフレーミングをできるようになっていくことです。このような生徒自身の成長物語を書き換えながら作っていく能力こそクリエイティブ・クラスの力であり、このような対話ができるチーム教師こそが、クリエイティブ・クラスが生まれるマインドの泉なのです。

 

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2026年7月 8日 (水)

工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校

工学院大学附属中学校・高等学校(以下「工学院」)といえば、今やグローバル教育とSTEAM教育の最先端校というイメージが思い浮かびます。もちろん、その通りなのですが、本当はハワード・ガードナー教授の「多重知能理論(Multiple Intelligences)」をベースにした創造的才能者が生まれる、つまりクリエイティブクラスがどんどん生まれる学校なのです。

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★その多重知能とは、知能は一つの物差しでは測れず、論理数学的知能や言語的知能、身体運動的知能、対人的知能など、複数の独立した知能から成り立っているという理論です。この多重知能理論を土台として、ガードナー教授は創造性についても独自の考えを展開しています。

★その考えの中で、まさにこれぞ工学院のクリエイティブクラス育成のコンセプトだと思えるのは、<創造性は「超天才」だけのものではない>という言葉です。なるほど、同校の教育理念は「挑戦・創造・貢献」なのですが、その創造の意味は、一部の突出した天才だけが持つ特別な才能ではなく、誰にでも発揮できる可能性があるものだというガードナー教授の考え方に重なります。

★生徒中心主義の学校ですから、たとえある知能が平凡であっても、別の知能で高い創造性を発揮することを大いにサポートする教師がたくさんいます。先生方は、一つの知能だけで人の創造性を測ることはできないと考え行動しています。

★また、多様な多角的な経験プログラムが豊富です。ですから、いくつかの「そこそこ高い」知能を掛け合わせることで、独自の創造性を生み出せる機会が山ほどあります。単独では突出していなくても、複数の知能を組み合わせることで、他の誰も思いつかなかったユニークなアプローチが生まれます。この生徒たちのユニークな活動が、工学院のサイトには満ちています。

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★そして、ここが肝心なところですが、ガードナー教授は、創造性は「才能(知能)」「取り組む分野(ドメイン)」「それを評価する社会(フィールド)」の3つがうまく噛み合ったときに生まれると説いています。どれだけ優れた才能があっても、それを活かせる分野や、評価してくれる環境がなければ、創造性として発揮しにくいということです。ところが、工学院にはそれらがあるのです。

★私立中学に進学する生徒は、偏差値にかかわりなく、自分の才能を持っています。その才能を発揮できる教育活動が多様に生み出されているかがまず大事です。工学院はその活動が各学年本当に豊富です。同校の毎日のように更新されるブログを観れば、それは明らかです。そして、それを評価してくれる環境は、いろいろなイベントがあるたびにプレゼンテーションの機会が学内を満たしているし、学外でも活躍する機会を先生方は探しまくります。ラウンドスクエアの国際会議や高2が全員参加するグローバルプロジェクトなどは最高最大のものでしょう。

★教頭の田中歩先生は、このクリエイティブクラスがどんどん生まれる工学院の教育のクオリティや生徒に対する愛深き教師陣の存在を支持してくれる受験生の保護者が増えてきていると手ごたえを感じています。実際、学校説明会で語る田中歩先生の生徒中心主義の教育に感動したと中学受験生の保護者から私もメールを頂いたほどです。新しい私立中高一貫校のブランドが八王子の地に生まれ広がり始めています。その評判は新宿までは確実に届いています。

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2026年7月 5日 (日)

【速報】文化学園大学杉並 海外大学合格者数更新46名から58名に

★文大杉並の入試広報部長西田真志先生から連絡がありました。「今年3月に卒業したDD9期生51名の3月時点での海外大学合格は46でしたが、7月4日時点で58まで数値が伸びました。海外大学のレベルも過去最高を更新しました。今年もこの数値を越えられるように頑張ります。」と。


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★つまり、DDコース9期生の卒業生数に対し、海外大学合格者数の割合は、114%ということになります。その中で世界大学ランキング100位以内が27名ですから凄まじいのですが、他は200位以内です。これは、日本の大学に比べると非常にレベルが高い集団だということになります。しかも、イノベーティブで超優秀大学として評価されるWURIでは、世界大学ランキング1位のミネルバ大学にも合格しています。

★海外大学の合格者数は、日本の大学合格者より価値があるのは、生徒自身が豊かな教養と高い専門性を学び続けていることの証であると同時に、出身高校の教育環境の質も評価されたということなのです。

★日本の大学では、一般入試の場合、まだまだ高い教養はなくても高度な知識活用力でなんとかなりますし、出身高校の教育環境の質は全く関係がありません。ある意味、環境に左右されない公平な学力主義の入試ですが、それはドメスティックな枠の中だけの話です。

★ソフトパワーの国際競争力を考えた時、これからは、文大杉並のような教育環境が世界を変えるレバレッジポイントになるでしょう。DDコースの生徒がこれだけ海外大学に合格するということは、同校が世界基準で相当質の高い教育環境を作っていることの証です。

★その教育環境から日本の大学に進学した生徒は、そうでない環境から進学した生徒とは、一味も二味も違う活躍をすることになるでしょう。たしかに、大学合格実績の数は、ある程度学校選択の時に重要です。しかし、どのような教育環境で学んで大学に進学したかということが最も注視されなければならない時代がやってきました。

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2026年6月18日 (木)

成功する学校組織 4つの質の循環をつくる5つの対話

★学校は、私立公立を問わず、幼小中高大どこでも、激減する少子化が押し寄せてくる状況に日々経営と教育をどうするのか議論が絶えません。私は私立中高の先生方と毎日対話することが中心になっていますが、サバイバルできる学校は、武器としてはAIとグローバルの教育を世界を巻き込みながら構築し経営していく学校というのはもはや当たり前になっています。

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★しかし、どこの学校も同じ武器を使っても、サバイバルできるかどうかは同じではないのです。では、何が違うのでしょうか?それは組織の質です。そんなこともあって、MITで、ピーター・センゲといっしょに学習する組織研究センターを立ちあげたダニエル・キムの著作が今年4月に邦訳され発刊されました。

★私は「学習する組織」の理論の根底にあるシステム思考を2人の著作から学びました。SDGsの生みの親ともいえるドネラ・メドウズのシステム思考や彼女が悲しくも亡くなった後、友人のピーター・センゲがひきついだ理論を読み漁っていました。邦訳されていたからです。ところが、ダニエル・キムの今回邦訳された本は、原典は2001年に書かれているのです。25年たって邦訳。なぜでしょう、

★おそらく企業にとっては、ダニエル・キムは、直接企業の現場に近い事例を挙げてシステム思考を展開してくれているし、4つの質が循環する組織が成功するのだと論じているからでしょう。ドネラは世界システムの大きな話になっていくし、ピーター・センゲはスピリチュアルなところもあるので、プラグマティックな色は薄いと感じられるかもしれません。ですから、二人は逆に学校で多くの先生方に読まれてきたのでしょう。

★ダニエル・キムは、企業のコンサルタントが部分的によく引用していますから、ますます教育から遠かったのかもしれません。しかし、学校も、特に私学は経営が大事です。ダニエル・キムの本はシンプルに役に立つと思います。

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★私は、最近、学校の先生方と対話しながら、ダニエル・キムの4つの質の循環に、思考コードという基準を使って長年向かい合てきたと気づきました。

★そして、これが循環している学校の先生方は、5つの対話をこの4つの質を生み出し、つなげるときに自在に選択したり組み合わせていることに気づきました。

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★4つの質が循環するとき、放っておいても循環しません。常にあらゆるシーンで対話が行われているのです。その種類は次の5つです。

❶共感的対話

➋論理的対話(トウールミンモデルなのでロジカルとクリティカルが融合)

❸物語的対話

❹創造的対話

❺交渉的対話

★これらを巧みに使い分けしたり融合したりして対話していきます。もちろん、パーパースに向かっていくのですが、実はパーパスは表現が同じでも、パーパスの質も無限に豊かになっていくのです。ここは企業と私学教育の違いかもしれません。

★サバイバルしていく学校は、4つの質の循環を5つの対話でつくり、そこからパーパスに到達するのですが、そのパーパス自体の質が滾々と豊かさを生成しているのです。

 

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2026年6月14日 (日)

学校法人OCC 教育テック大学院大学の提言書 標準的な教育改革視点を共有

★学校法人OCC 教育テック大学院大学が教育改革について提言書を出版しています。「教育テック 教育問題の見方・考え方の大転換」(教育テック大学院大学 編集 学事出版 2026/6/5)がそれです。帯に「教育DXとは、授業改革ではない。あらゆる教育機関の『生存戦略』である。」とあったので、経営者はやはり「授業」に興味がないのかと思って購読してみることにしました。目が不自由なので、kindle版が出るのを待ちたかったのですが、次期学習指導要領や都教委の2040年に向けた教育戦略が実施され始めているため、それらとの関連性を考えるためにもと思い紙で読んでみることにしました。ルーペで見ながらは、しんどいので、結局次にあげる目次が提示しているテーマや問いを読む前に、自分で考えるということになりそうです。

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★とはいえ、目次を見ると、市民がクリティカルシンキングをする重要なそれでいて標準的なテーマや問いが設定されています。これは、多くの人が読んだり、考えたりすることは、とても大切であると思います。

★最終章の3段階の教育テックロードマップに、各章の議論が集約されていくわけですから、私の想いとはそう違いはないよな気が今はしています。

【第I部】 生存への決断──危機編
第1章 「学費依存」から抜け出すための財務革命 植草 茂樹
第2章 公教育の再設計──「新しい公共」としての学び 木岡 一明
第3章 デジタル変革を支える「教育行政」の新たな役割 合田 隆史

【第II部】 学習者中心の革命──解決編
第4章 AIは「第二の先生」になれるのか? 秋田 次郎
第5章 LLM(大規模言語モデル)が実現する「自分専用の家庭教師」 大和田 茂
第6章 デジタルネイティブのこどもたちが選ぶ「未来の教室」 松田 孝
第7章 遊びの中にこそ「本物の学び」が隠れている 河﨑 雷太
第8章 学校は「リアルな場所」である必要があるのか? 竹村 治雄

【第III部】 組織の再定義──実装編
第9章 先生は「スーパーマン」でなくていい 妹尾 昌俊
第10章 保育現場を「持続可能」にするDX人財戦略 山本 淳子
第11章 AIカメラが可視化する「教室の熱量」と教育CIOの役割 原山 青士
第12章 「学び」を数値化し、教育の質を証明する技術(EBE) 秋田 次郎
第13章 大学・学校の「評判」をデータで守り、高める新戦略(IR) 山田 礼子
第14章 選ばれる学校になるための「信頼」の作り方 柴山 慎一

【第IV部】 社会的共通資本への道──希望編
第15章 学びの「生態系」を創り、教育をアップデートする 山田 恒夫
第16章 大学は「終わった」のか? 生涯続く学びの未来 織田 竜輔
第17章 世界市場を視野に入れた「教育の届け方」改革 藤本 典裕
第18章 学校を地域と地球の「幸せの拠点」にする方法 大和田 順子
第19章 産学官連携DXが描き出す、2030年・2040年のシナリオ 都築 稔
第20章 教育データ活用の「舵取り」をどう担うか? 林 正幸

【終章】
第21章 教育テックロードマップ2035──その先へ 根岸 正州

★ただ、教育DXは、授業改革ではないということは実際にはどこに書かれているかは、読んでみなければわからないなあと。授業改革は、3つの段階があります。

❶授業方法の改革

➋生徒の学び方の改革

❸コミュニケーションのメカニズムの改革

★たしかに、第2段階までは、教育DXにおける改革から見ればミクロの話かもしれません。しかし、ミクロはマクロにつながっています。授業の中で行われる対話を動かす内的なコミュニケーションのメカニズムの改革はマクロに通じるのです。

★ただ、これは本質的な話なので、大学などの生徒獲得という意味での戦略には直接結びつかないかもしれません。

★とはいえ、コミュニケーションのメカニズムの変容は、アンコンシャスバイアスを見破ったり社会の階層構造を把握したり、社会課題の背景などを知り、新しい知識を創出し、問題解決の実装を生み出したりして社会を善くするエネルギーの源泉です。

★グローバル教育であれ、都市経済プロジェクトであれ、多様な探究であれ、このコミュニケーションのメカニズムをどのように変容させていくかにかかっています。学習者中心主義というなら、ここは外せません。

★この点について、どの章で論じられているのか、読んで確認してみたいと思います。

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2026年6月 5日 (金)

G5(超私学5校) 工学院の場合

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★G5は中学受験市場においては、御三家のようなポジショニングブランディングを大手塾や予備校が作ったものとは違い、自らがグルーピングブランディングを創出し、受験生や保護者、塾、予備校に共感を勝ち取る戦略をとっているのです。

★G5の5つの学校は、教師同士が生徒の世界標準の学びについて研究し合い、そのうえで独自の教育環境をデザインしています。ベースは学び合いますが、それぞれの学校の入試にチャレンジしてくる生徒の価値志向性が違うので、生徒中心主義が原則ですから、当然教育の環境デザインは異なってきます。

★論より証拠、工学院の場合の5つの条件をみていきましょう。

➊生徒:論理的思考×批判的思考×創造的思考
 普段の授業がすべてIBL(Inquiry Based Learning)で、探究論文や様々な高大連携や海外研修などはPBLスタイルになっています。この学びの特徴は、知識を使う際に、論理的思考のみならず、批判的思考や創造的思考を使える環境になっているということです。
 しかも、ケンブリッジインターナショナルスクールと提携していますから、オックスブリッジの学びがベースです。この学びは論理的思考×批判的思考×創造的思考を身につけるプログラムシステムになっているので、工学院のすべての生徒がこの学びの環境にどっぷり浸っているのです。

➋生徒:コアループの学びを生徒自身がアップデートし続けるリフレクション力(キラーコンピテンシー)
 IBLやPBLは学びの作法として外的なプロセスであると同時に、その学び全体がコアループとして生徒自身の内的な学びのエンジンになっているわけです。外的なプロセスをたどっているうちは主体的な学びにはなっていません。学び全体をリフレクションしながら思考や発想を深め判断の材料を自分のリソースとして内面に蓄電していく必要があります。このリフレクションの座標軸が工学院の思考コードで、ルーブリックとしても使いますが、コアループのパフォーマンスを高める羅針盤です。

❸教師:海外大学合格潜在能力の生成教育環境デザイン力
 海外大学に行くには、当然CEFR基準でB2以上の英語力を身につけられるファシリテーションとコーチングを行える教師が潤沢にいます。そして、英文学や哲学などリベラルアーツも学ぶ環境をデザインする教師もいます。ケンブリッジのAレベルのプログラムがない日本のプログラムだけだと、この力は生徒全員に機会が開かれていないのですが、工学院は、全員に開かれているのです。インターナショナルコースの生徒だけがケンブリッジ国際教育の恩恵に浴しているのではないというフラットでフリーでフレンドシップな学びの環境が在校生全員に開かれているというのは日本の1条項では希少価値です。

➍教師:倫理的経営能力×創造的才能開発授業デザイン力(キラーコンピテンシー)
 ポジショニングブランディングという勝ち組負け組という市場競争を目的にするのではなく、学びの自由を保障する市場の倫理感覚をもった教師が工学院の特徴です。ですから、ポジショニングブランド戦略というレッドオーシャンでしのぎを削るのではなく、ブルーオーシャンとなる1人ひとりの才能を開発する学びの新市場を創出する能力を教師は持っています。中学入試が、2科、4科、1科目、英語入試だけ、思考力入試などバラエティに富んだ入試を行っています。英語だけが得意だという生徒が入って来て、中高の教育において困るということはないのです。なぜならコアループを生徒が内面で回せるようになるからです。
 生徒の脳神経の中では、国語の領域、数学の領域、英語の領域など別々になっていません。そのような多様な知的体験や非認知体験などすべて生徒自身が引き受けながら融合していくコアループの学びのエンジンがあるので、得意な教科やスキルを他の科目や体験にトランスフォーム(転移)していくことができるのですから。

❺組織:不易流行×世界制作×貢献のミッションをパッションとイノベーションで実現(キラーコンテンツ)
 工学院は、私立の工学大学のルーツです。イギリスの建築工学やデザイン工学に初めから出会っているのです。その分岐点を不易として時代に合わせて変化してきたのです。工学とは、日常を世界標準の生活体験に結びつける学問です。工学院の根っこには常に世界制作の感覚が文化遺伝子として引き継がれているのです。そして、それはまたウェルビーイングな生活世界をデザインする、つまり社会貢献型の学問なのです。

★このような学校は、公立学校では構築しようがないし、私立学校でも希少価値です。超私学と呼ぶに価する学校です。

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