21世紀型教育

2024年2月28日 (水)

22世紀型教育準備へ(21)私学のWMWがジェントリフィケーション世界をなんとかする

★昨夜、池袋のジュンク堂書店4回のBook Cafeで、トークイベントがありました。満席でした。「ブルックリン化する世界~ジェントリフィケーションを問いなおす」の著者森千賀子さん(同志社大学教授)と安田菜津紀さん(フォトジャーナリスト)との対話でした。1時間30分くらい対話があったあと、質疑応答があるかなと思いましたが、すぐに著作のサイン会になってしまいました。主催者側が何かを察知して予定を変更したのだと思います。私は視力の問題でkindleで本を購入しているので、サイン会は出ずに帰途の道につきましたが、モヤモヤリフレクソロジーは続いています。

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★というのも、「ジェントリフィケーション」というコンセプトレンズは、見えすぎるのです。抑圧と被抑圧を生み出す分断とそれが生み出す新たな共生的絆。この「ジェントリフィケーション」というレンズは、美しすぎるベールで誰もが気づかない抑圧のシステムを築いているということと、被抑圧側の多様な人々が団結するという新たな共生が生まれるのですが、その共生が、ニュースを見ている側に、分断を見えなくするという美しいショートカット世界をメディアが広げるというダイナミズムを作ってしまうということを映し出してしまいます。

★到る所で、抑圧と被抑圧の互いが生きる力関係を持続可能にしているということが見え過ぎるのです。

★これはもう、一気呵成に阿頼耶識の平原に行き着いてしまう感じです。

★社会課題を解決するのではなく、その過程で、新たな対話のコミュニティが生まれては消え、再び生まれては消えていく持続可能性。世界の美しい花は、平和とかではなく、抑圧と被抑圧がぶつかり合って生み出すそれぞれの共生の花だなのだと。

★社会学もフォトジャーナリスムもグローバルな目が見えなくしているローカルのいまここでの事実を汲み上げることはできます。そこで起こっているダイナミズムを紹介することはできます。

★それはものすごく大事なことだけれど、そのような共生の花ではなく、平和が欲しいと医療従事者をはじめとするNGOの人々が、ケアフルなボランティアの行動をしていますが、それを事実としてしかとらえられないその境界線を突破できないものかと。ふとモヤモヤリフレクソロジー状態になっているわけです。

★私たちは、おそらく誰しもが無意識のうちでしょうが、阿頼耶識の平原に立ち臨んでいますから、どの領域にいてもジェントリフィケーションの世界に所属しています。

★しかし、そのレンズを私立中高のグローバル教育では生徒たちが自ら持ち始めています。どのようなキャリアを選択するかは多様ですが、それぞれの役割において、このジェントリフィケーションの世界をなんとかしようとすでに活躍しています。

★中学受験市場と中学入試市場という微差異を気遣うのは、この領域においてもジェントリフィケーションが起きているのを見落とさないためでもあります。塾歴社会などという言葉は、まさにジェントリフィケーション社会と同義でしょう。ですから、中学受験市場の中でそれについてリフレクションし問い返し、何とかしようという個別最適化塾がまさにコミュニティを生み出しつつあります。

★中学入試市場も、私立学校自体がそのジェントリフィケーションを生み出さないようにするにはいかにしたら可能か?日々リフレクソロジーをしています。ジェントリフィケーションの解消は、グローバルでもローカルでもものすごく複雑です。言葉の多義性がなぜか巧みに組み合わされていて、核になる信念が見えるようで見えないのです。

★今回のトークイベントで学問やジャーナリズムの重要性と限界を共有しました。私たちは学問を生きるのでもジャーナリスムを生きるのでもないと。つまり職業を生きるのではないのです。存在の叡智という存在そのものが生きるのです。その存在そのものの叡智=WMW(World Makig Wisdom)を私学の教師と生徒とエンパワーする学びを着々と進めていくしかないかなあと。

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2024年2月27日 (火)

22世紀型教育準備へ(20 )2030年までのスモール・パラダイム転換

★昨日、湘南白百合の教頭水尾先生と対話をしました。結構じっくり。今の中学受験市場及び中学入試市場の実用的かつ本質的的な動きを突きとめようというグルグル旋回する対話でした。そして、その本質は生徒の存在そのものであることに変わりはなく、その存在の幸せの持続可能性を連綿と未来から今に生み出していくのはいかにして可能か。なかなかの哲学シンキングでした。そして、私のアンコンシャスバイアスを崩すことができました。水尾先生ありがとうございます。

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★ここのところ、工学院の田中歩先生や首都圏模試センターの山下社長とか一般財団法人私学教育研究所の伊東氏をはじめ多くの先生方と対話をしてきて、WMWについて、モヤモヤリフレクソロジーをしていたのですが、みなと共感しているようで、私がどこか置いていかれているような気がしていたのです。爺やだからと歳のせいにしていましたが、昨日水尾先生と対話をしていて、自分がまだまだ3Rから3Xの21世紀初頭のパラダイムにいたことを思い知らされました。

★水尾先生との対話で、学びのビッグバーンから始まるというのは、3Rと5Xの融合なのだと。3Xに2Xを新たに足すことによって、そして田中歩先生の哲学シンキングと伊東氏のクロスクエスチョンをその融合を生み出すメタローグにしていくことで、2030年までのWMWとしての教育のビジョンがくっきりと見えたのです。

★もちろん、まだ2050年にどうなるかは、見えません。ここは生成AIとかムーンショット計画とスマート社会のイメージが私の中ではっきりしないといビジョンイメージが降りてはこないでしょう。

★当面は、上記のスモール・パラダイム転換で、いこうかなと。WMWの方向性なので、そうズレはしないだろうと思います。

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2024年2月25日 (日)

22世紀型教育準備へ(18)WMWを生成していくシステム 21世紀型教育研究センター

★先日の21世紀型教育機構のカンファレンスの開会あいさつで平方邦行理事長が22世紀型教育の準備というのは、WMW(World Making Wisdom)を生徒の成長の核となるようなシステムを創っていく道のりであると述べました。C1英語とかPBLとかSTEAMとかグローバル教育は、一定水準のレベルまでできあがったので、次は、大学に行って学問を学ぶにしても起業するにしてもNPOで活躍するにしても政治家になるにしても何になるにしても、地球市民として当然のWMWを身につけようと。地政学リスク、気候変動リスク、ハラスメントリスクなどがグローバルクライシスとなっている今、そしてそれはまだまだ続くと予想がされているわけで、それを回避したり解決したりするのは、学者だけではないし、企業人だけでもないし、政府だけでもないし、NPOの方々だけでもないし、医療従事者の方々だけでもなく、私たち一人ひとり地球市民としての叡智と言動が重要なわけです。この叡智や言動は、学問知よりもタフで幅広いダイナミズムを持っています。もちろん専門的深さは学問知に任せる以外にほかはありません。

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★そして、そのカンファレンスのディスカッションのセクションで、工学院の教務主任田中歩先生は、平方先生の話を受け、もう一度それをやっていくのだとさらりと宣言していました。歩先生は、21世紀型教育研究センターの主席研究員でもあるので、センターでWMWセミナーを21会加盟校の若手教師(SGT)と共に行っていこうとしています。アプリ的なところは一般財団法人日本私学教育研究所の伊東竜さんもサポートしてやっていくということです。

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★上記の図は、21会の学校の先生方がグローバル教育、PBL、STEAMでやってきたことを、私の独断と偏見で抽象化してみた図です。オレンジの環以外の部分は先生方がすでに行ってきました。ですから、オレンジの環、つまり哲学シンキングとクロスクエスチョンの循環をシステム化することで、このWMW創発の持続可能性が生み出せるという発想です。

★哲学シンキングは、おそらくトウールミンモデルと思考コードの内生的技術のシステム化になると思います。クロスクエスチョンはグッドマンモデルと思考コードの内生的技術のシステムになり、その両システムは当然融合します。極めてシンプルな発想ですが、世界初となるでしょう。しかも、21会の加盟校は、グローバルと言ったとき、欧米とアジアや他の文化も融合した発想を目指しています。このWMWはそんな位置づけになっていけばよいなあと思っています。

★実際にセミナーが始まったら、私も見学に行くので、いずれ報告します。

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2024年2月23日 (金)

22世紀型教育準備へ(14)22世紀型教育を創る地球市民の出現の持続可能性

★21世紀型教育を創るコミュニティ(現「21世紀型教育機構」)を先生方と立ち上げたとき、つまり13年前ですが、当時出会った20代~30代の先生方は、今では21世紀型教育を創る学校の要職に就いています。先生方は肩書きリーダーではなく、ナチュラルな地球市民リーダーです。目の前の子どもたちが困っていたらすぐサポートに入ります。そして組織やシステムやチームなどをつくり、その支援環境デザインを可視化し持続可能にするスキルやタレントを持っています。学習者中心主義と言っていますが、オーセンティックな生徒中心主義です。

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(市ヶ谷で7:00からの早朝ミーティングで)

★それぞれの世代でこのような肩書きリーダーの前に地球市民リーダーというナチュラルリーダーはちゃんといるもので、巧まずして出会える私は本当に幸せです。今まで、田中歩先生、染谷先生、太田先生といった今では要職に就いている若い先生方に出会え、いっしょに仕事ができたのは本当に楽しかったし、今も楽しいのですが、みなやはりそれなりに歳をとり、次世代を育成する役割を担っています。

★すると、不思議なことにそういう若き俊英にすぐにまた出会えます。私が聖パウロ学園の校長だったころ、本来は私が支えなければならないのですが、多くの局面で支えられ、今も仕事の場所が全く違うのに、仕事に行く前とか終わった後とか、よくアイデア出しに付き合ってくれる優れた地球市民に出会っているのです。

★それは、一般財団法人日本私学教育研究所の伊東竜さんです。数学の教師だったし、広報部長だったし、企画戦略室室長だったり、探究ワークショップのファシリテーターも共にやったりしてきました。昨年は福島の私学協会でもワークショップを一緒にしました。

★思考コードやクロスクエスチョン、生成AIの活用による新しい学びのシステム、22世紀型教育のビジョン、フォームでグッドマンモデルの数学的思考を文理関係なく共有できるプログラム作りなど、実に才能者です。

★今の田中歩先生ぐらいの歳になると、確実に22世紀型教育の基盤を企画運営実施していることでしょう。そのときには、歩先生も染谷先生も太田先生も最前線で大きなリーダーシップを発揮しているでしょうし、伊東さんも日本の私学のために未来の教育をデザインするリーダーになっているでしょう。

★それは10年以上先のことで、私自身はただでさえ爺やなのに、どうなっているのでしょう。孫が成人するまでは、元気な頭脳でいたいと思っていますが、そればかりは神のみぞ知るです。

★日本の未来や世界の未来は、たしかに紆余曲折あるでしょうが、私たち昭和の人間に比べてはるかに有為な地球市民の大勢の登場によって明るいでしょう。1930年、世界大恐慌の時、多くの見識者がネガティブな発言や心境を吐露して大騒ぎをしていたとき、ひとりケインズだけは、2030年を孫のために予測して、極めてポジティブな推論を展開しました。新たなリスクやクライシスは生まれ続けていますが、人間の営みは確実に進歩しています。リスクやクライシスの問題を解決することは不可能などということはないのです。目の前の彼ら地球市民と対話したら、それはすぐに了解できます。

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22世紀型教育準備へ(13)21世紀型教育研究センターの先生方の魅力という「魂」が22世紀を開く

学校越境型のディスカッション形式のカンファレンス(前半は基調講演)を終え、つくづく越境の気概や気持ちがケミストリーやシナジーを生み出すなあと目頭が熱くなりました。文大杉並、聖学院、工学院、和洋九段女子の生徒の皆さんのディスカッションは、誰がみても圧倒的に魅力的でした。これについては以前書きましたね。先生方のディスカッションも魅力的で、先生方の魂が化学変化を起こす瞬間に立ち会えたことそのものがウェルビーイングでした。感謝です。幸わは感染するので、参加された方々やライブ配信をご覧いただいた方々にも幸せが染みわたっていることと思います。

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★ディスカッション①:「2050年の教師像~SGTと共に」では、新井誠司先生(和洋九段女子教頭)、 染谷昌亮先生(文化学園大学杉並次世代教育開発部長)、早川太脩先生(聖学院広報部長)、 小仲井浩先生(和洋九段女子)、 菅谷真由先生(和洋九段女子)、宮井瞭先生(工学院)、 渡辺翔大先生(文化学園大学杉並)が、教える授業とか教えない授業とかがどうのこうのではなくて、第一義的には「支える」「自由な発想力が生まれる環境をアフォードする」というところに焦点を当てて議論していました。そして実は自分が「支えられている」のだというなんとも共感的な雰囲気は感動的でした。

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★ディスカッション②:「22世紀型教育を予感させる2050年のグローバル教育」では、本邦初のIB以上のグローバル教育を行っている21世紀型教育機構会員校のそれぞれの特色あるシステムを語ってくれました。菅原久平先生(八雲学園副校長)、 近藤隆平先生(八雲学園副校長)田中歩先生(工学院教務主任)は、ラウンドスクエアという世界のエスタブリッシュな私学の同盟コミュニティに所属している教育力について語ってくれました。染谷昌亮先生(文大杉並次世代教育開発部長)はカナダのブリティッシュコロンビア州との連携教育DDで世界と内面の両方の成長を果たす生徒について熱く語ってくれました。佐藤一成先生(富士見丘副教頭)は、SGHとWWLという文部科学省肝いりのグローバル教育コンソーシアムのリーダー校としての教育力について語ってくれました。

★日本のグローバル教育は、数々の世界標準の教育を行っています。世界標準と日本独自の建学の精神を融合させた実は世界が憧れる教育をつくるチャンスは、21世紀型教育機構が歩んでいる道にあると思います。

★なぜ、日本が近代をアジアの中で最初に切り拓いたのか。その答えはまだわかりませんが、日本の大名庭園と茶室という外生的技術進歩と内生的技術進歩の融合された「精神」は、マルクス・ガブリエルに言わせるとインパクトがあるし、欧米のマインドとは違う質のものだそうです。ZENや坐禅、マインドフルネスがGAFAMなどに顧みられているのは、そんなところにヒントがあるのかもしれません。

★21世紀型教育研究センターの皆様、それから事務局としてセンターの主席研究員の田中歩先生を事前の話し合いなどからサポートしてくれた日本私学教育研究所の伊東さん、本当にありがとうございました!

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2024年2月20日 (火)

22世紀型教育準備へ(10)生徒の対話力 「チャット→メタ認知→弁証法のマルチスパイラル」

★先週18日(日)、和洋九段女子のFuture Roomで、21世紀型教育機構(以降「21会」)のカンファレンスが開催。リアルスペースとライブ配信の両方を合わせると多くの方が参加され、久々の対面型カンファレンスということもあり盛況でした。

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★テーマは、「22世紀型教育の準備は始まっている」でした。今の中高生が22世紀にはもう私たちの年齢以上になっています。ですから、21会の生徒自身が、カンファレンスの中で「自分たちが22世紀の社会をデザインしていく自覚を持っています。今日はその第一歩を踏み出していることを皆さんと共有したいと思います」と高らかに宣言しました。

★文化学園大学杉並、聖学院、工学院、和洋九段女子の4人の高校生が22世紀の教育は自分たちが創っていくのだけれど、いまどうすればよいのかというアドリブ型というかナチュラルな対話を披露しました。

★このようなパネルディスカッション風のものには、一般には教師が司会などするものですが、今回はありません。生徒自身がナチュラルでカジュアルでラディカルでそれでいてディープな弁証法的対話を展開していくのです。

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★最初は、感覚的で主観的なチャットから始まり、次に問題を客観的な視点(メタ視点)で、ロジカルシンキングの問い合いをしていきます。しかし、で、自分たちはどうするのか?と弁証法という意味でのダイアローグ(対話)にブレークスルーしていくわけです。

★このようなソクラテスやヘーゲルに代表される弁証法的実装ができるのは、21会校が破格のグローバル教育を行っているという文化が共通しているからです。そして、生徒が教師の目を意識せず、自分の言葉を見せることができる仲間をつくり、ともに対話できる場をつくる教師がいるからです。そのような教師は21会ではSGT(スーパーグローバルティーチャー)と呼んでいます。

★それから、SGTのグローバルな教育観の肝は、もちろん、日本的な文化と世界の文化の融合をどう学びで展開していくかです。このへんの理屈については21会校のSGTが対話をしました。いずれご報告します。

★それにしても、登壇した4人の生徒を支え見守るべく、各学校から仲間がやってきていました。先生方の対話の途中、飛び入りで語った生徒もその中にはいました。マインドセットという言葉がよくつかわれます。シンプルには、教師も生徒も表現で自分を開いていける状況が生まれるような場の設定ということでしょう。

★SGTは、本当にそのようなアートプロデュース力がありますね。

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2024年2月18日 (日)

22世紀型教育準備へ(07)21世紀型教育機構のカンファレンス 新年の覚悟を共有して

本日18日(日)、和洋九段女子で21世紀型教育機構のカンファレンスが開催されます。コロナ禍でしばらくオンラインで機構会員校限定の勉強会を行ってきました。しかし、ようやく対面で行うことができるようになりました。もちろん、アフターコロナですから、対面で小さくそしてライブ配信で大きく同じ気概を持った方々と共有する無料イベントです。22世紀型教育への準備という教育アクションによって社会に貢献するアテンションをあげることによって、機構会員校のみならず日本のこれからの教育のブランドを創っていく動きです。ブランドアクティビズムの手法をとっています。一般的な広報活動とは違い、私立学校の覚悟と気概の教育が軸になっています。

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(同機構理事長平方邦行先生:富士見丘のグローバル探究の成果発表会に出席されていたとき撮影)

★21世紀型教育機構では、会員校宛に、新年の挨拶として、機構の理事長平方邦行先生から、次のような文章が配信されました。本日のカンファレンスの前提の覚悟になります。ご参考にしてください。

21世紀型教育機構 新年のメッセージ
2024年1月10日
21世紀型教育機構
理事長 平方邦行

2024年は、自然と社会と精神が分断されることによって大惨事が起き、その痛みは遠くの出来事ではなく私たち一人ひとりに重くのしかかってくることを改めて受けとめなければならない覚悟の時代を迎える瞬間から始まりました。

思えば、私たち「21世紀型教育機構」は、2011年の東日本大震災の時にその覚悟を自覚し、「21世紀型教育を創る会」から始まりました。5年の歳月を経て、21世紀型教育の土台を同盟校は鋭意努力し、日本ではどこも行っていていない「アクレディテーション」によって21世紀型教育の持続可能性と質的進化を果たすシステムを作り、2015年に「21世紀型教育機構」としてバージョンアップしたのです。

2020年には、パンデミックに直面しましたが、本機構の同盟校は速やかにオンライン授業で対応し、生徒の命と精神と学びを守る21世紀型教育の持続可能性を証明し、「21世紀型教育」を行っている私立学校の存在が価値あることを示しました。一般財団法人日本私学教育研究所及び一般財団法人東京私立中学高等学校協会においても、全国に21世紀型教育を行うミッションを共有するに至りました。

そして2024年、再び東日本大震災と同レベルの能登半島地震に見舞われたのです。自然というのは、自然と社会と精神の循環を持続可能にするように、人間に畏敬の念を抱かせながら根源的な言動をかくも促すものなのだと感じない日はない今日を迎えています。多くの老若男女の命が失われるニュースを日々目にしています。また、こうしている間にも、ウクライナやガザをめぐる自然と社会と精神の分断が激しく、多くの人が貴重な命を落としています。もはやこの悲惨な有様と痛みは、遠くの出来事では済まされないのです。ですから、目の前の生徒の命と学びの機会を今まで以上に守ることが私たち21世紀型教育機構の使命であることを皆様と共有させて頂きたいのです。

2024年は、もし元号が昭和のままだとしたら昭和99年です。いよいよ時代は本格的に質量ともに21世紀型教育に移行すると同時に、目の前の生徒が100歳を迎えるときには、すでに22世紀になっていることに思いを馳せ、「22世紀型教育の準備をしていく転換点」でもあります。

地政学リスク、気候変動のリスク、精神不安のリスク、人工知能リスク、あらゆる局面での社会的結合のリスクなどを乗り越え好転に変換する知(知性・感性・身性・社会性・宇宙性などの包括知)はいかなるものか、自然と社会と精神の循環を修復し持続可能にし、人類の新しい平和と新結合を生み出す子供たちの叡智と行動と新しい価値を生成する「22世紀型教育」へ共に邁進していきましょう。

追伸:「22世紀型教育のモデル」を本機構の21世紀型教育研究センターの皆様に創発して頂きたいと思います。そして「22世紀型教育プロジェクト」を加盟校に広めて頂きたく、よろしくお願い致します。 

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2024年2月17日 (土)

22世紀型教育準備へ(06)富士見丘の圧倒的グローバル探究力 全員が英語を公用語として探究活動②

★現在の富士見丘の高2が、40歳になるのは2046年です。2101年、つまり22世紀が始まる時95歳です。確実に高2の皆さんが22世紀社会を創り上げていくリーダーとして活躍します。「2023年度SGH・WWL課題研究発表」は、同校の理事長・校長もその期待と希望を胸に、高2生にエールを開会の言葉として贈るところから始まりました。そして、高2生の未来の活躍の様子が目に浮かぶようなパフォーマンスが繰り広げられたのです。2年弱かけてきた「台湾」「マレーシア」「グアム」のフィールドワーク・グローバル探究の成果を15チームが発表し合うコンクール形式のイベントです。

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★予め生徒も共有しているルーブリックに基づいて、上杉恵子先生(明海大学ホスピタリティーツーリズム学部教授)と歌野寧先生(池田高等学校 広報主任・英語科教諭)が審査をしました。チームのプレゼンが終わるたびに、質疑応答が展開。2年弱の探究の成果を5分でプレゼンしますから、各チームは、いかに包括的な言葉や図、グラフなどで全体像を表現するか、具体を抽象化しつつも、イメージを膨らませる高度なシンボリックな表現をしています。

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★お二人の先生の問いかけは、聴衆者にイメージの補強をする意味で教養ある問いだなあと感心させられました。リーサーチの場所はもっと他の場所もいったのではないか?提案を広める具体的なアクションは何か?インタビューの相手の反応に他にどのようなものがあったのか?探究のテーマの重要性や信頼性についてどのくらいの人が興味を抱いたのか?など。

★すると生徒の皆さんは、間髪を入れずに、質問に感謝し、インタビューや文献リサーチやアンケートの結果から回答していました。確かに、5分のプレゼンで、そのような膨大なデータを示すことはできませんが、質問されたらいつでもいろいろな角度から応えられるほど、エビデンスを用意していたのです。

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★したがって、ルーブリクにある評価観点、たとえば、explore(インタビュー、フィールドワーク、アンケート、文献リサーチなど)、exchange(議論をしなが論理的構成、視聴者を世界に巻き込む表現や演出の編集工程)、トゥールミンモデル(意見、根拠、データ論拠、反駁など)など甲乙つけがたかったでしょう。

★特に問題解決の提案は、リーフレットやTikTokなどですでに実装しており、インパクトがみなあるのです。

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★そんな中で、ハンドメイドの防災グッズをつくるワーックショップを各所でやって、リアリティのある防災教育を行っていくという提案をし、実際に保育園で実践した事例も報告するところもありました。サイバースペースとリアルスペースの交差が、さすがはSTEAN教育も行き届いている富士見丘だと感心しました。

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★コンクールの結果は、本当に甲乙つけがたかったと思います。吉田理事長は、今までは、前もって選抜したチームの発表をしてきたが、今回は全チームが出場した。それだけ、英語の力においては本当に甲乙つけがたく、立派なものに今年はなっているのです。」と目を細めていました。何せ、理事長自身青年時代に留学しており、英語堪能ですから、そのことがよくわかるわけです。そういう意味で、帰国生は海外で経験した教育環境と何ら変わらないのです。理事長校長と英語で対話できるのですから。

★最後に、優勝賞の発表がありました。審査員の先生方は、論理展開、効果的表現、英語力ではおそらく点差がつかなかったのでしょう。最終的に1位になったのは、台湾フィールドワークの❝SDGs×Disaster Prevention~No one left Behind❞のチームでした。災害が起きたときの障がい者の防災について研究し、本当の問題は何か、解決するにはどうするかアクションプランイング、そして解決策を広めるリーフレット作成と実際の広報活動まで5分でプレゼン。

★審査員の先生方は、おそらく問題意識の信頼性、妥当性、深さなど、実際に能登半島地震でも大きな問題になっている緊急性など合わせて、このチームを優秀賞にしたのでしょう。しかし、それとて僅差だったと思います。

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★最後に富士見丘の理事長補佐・校長補佐の吉田成利先生か富士見丘の生徒と池田高等学校の生徒にエールを贈る言葉がありました。成利先生自身、イギリスやアメリカの大学院で研究しPh.D.を取得しています。法学博士です。現在明海大学の准教授でもあります。

★ご自身のグローバルな経験や大学院での経験、何より本物の探究方法を生徒と共有しています。もちろん英語でです。

★そんな成利先生が、ご自身のことも含めて、探究という究める行為は一生かけて終わらないのだという意味のことを福沢諭吉の言葉から引用して語りました。

★私立学校は気概と理念を不易流行として継承していくことが求められそれは並大抵のものはではないのです。人気があって入ってみたものの、校長が変わって元の木阿弥という事態だって少なくありません。

★その意味で、富士見丘の今年の人気は22世紀にかけて安泰だと感じ入りました。

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2024年2月14日 (水)

22世紀型教育準備へ(03)三田国際 MITaへ

★三田国際学園の副校長今井誠先生から、教育関係者に、2024年度の中学入試の結果データがリリースされました。今井先生によると、今年の入試の特徴としては、同時出願回数を5回から3回にする募集要項の内容変更により1)延べ出願数は若干減少したものの、実出願者数は増加。2)受験率の上昇 特に2/1第1回は最大で92.7%と平均しても90%を超えているということです。しかし、何より驚愕なのは、さらりと次の声明を出しているところです。

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(イメージはbingが作成)

★来年度にはサイエンス環境をさらに充実させるために「ラボ棟(仮称)」を増築するというのです。そこでは、ロボット開発やデータサイエンスといった、これまでのラボとは異なるサイエンスの新しい拠点とするのだと。ロボティクスやビッグデータ解析に精通した教員も生徒たちとともに学べることを楽しみにしているということです。

★もう、大学になってしまおうということですね。

★これは22世紀型高大連携です。大学が高校に何か教えるという関係ではなくて、三田国際がある一定の大学の研究領域を学んでしまうということです。それに大学がついてくるという逆ベクトルが作用するわけです。資金調達はどうするのか?ハーバード大学流儀でいけばよいのでしょう。

★ともかく、医療系とコンピュータサイエンス、国際政治経済などは、高校生段階でどこまでも研究できるのです。

★三田国際は中高でありながら、MITaになるわけです。そんなことができるのか?AI時代とは、大学入試自体をショートカットするということを意味します。22世紀のビジョンが三田国際にあります。三田国際の中学生が人生百年時代ですから、22世紀でクリエイティブリーダーとして大活躍しているのが想像できますね。

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22世紀型教育準備へ(02)新しいプロジェックト World Making Wisdomを求めて

★工学院大学附属教務主任田中歩先生や一般財団法人日本私学教育研究所の伊東竜さん、ノイタキュード代表の北岡優希さんとまだ現段階では言えない(4月中頃に告知)のですが、教育関係者の方々と新しいプロジェクトが始まります。このプロジェクトはいろいろな方と自然と社会と精神の循環を実装するWMW(World Making Wisdom:世界制作の智慧)を教師と生徒のみならず地球市民が共有します。そしてこのWMWは地球市民にとってNew Commonsになります。

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★このプロジェクトを運営実施していくというかメンバーと対話する時に、WMWコードを共有します。このコードはいわゆるルーブリックではなく、それぞれの内的な問いの生成の基盤です。

★対話とは、dialogueの訳語ですが、日本で最初に訳された時は「問答」だったそうです。

★「対話」は外から見える話している時の姿を映し出しますが、「問答」は内的な知恵の発動です。dialogueのイメージがいわゆる外生的技術と内生的技術の両面をもっていて、今この両面を融合するときがきました。その媒介がWMWになるでしょう。

★「問い作り」はたいへんだと、世の中では言われていますが、本当はそんなことはありません。少し瞑想して「空」にすると、すぐに問いたくなります。一人でいると対話したくなります。つまり問答したくなります。

★その問いがWMWコードのどの領域にあるのかメタ認知し(自分だけではできないので対話なのですが)、そこを深堀していく問いの構造はいろいろありますが、トウールミンモデルでいけるでしょう。この深堀する問いを、DQ(Deep Questions)と呼んで起きましょう。

★また、各領域を越境する問いもあります。ここはたぶんシンプルにグッドマンモデルでいけます。このような領域越境型の問いをCQ(Cross Questions)とプロジェクトメンバーは呼んでいます。

★DQは、最初はまず事実確認の問いが発動しますが、そこからその事実に関係する背景やつながりをめぐる問いが発動します。やがて、深く行き着くと他の事実につながる領域横断のCQが立ち上がるところまでいくときがあります。

★一方、CQは体験的直観で、深堀する前に直感的生まれる場合もあります。DQはロジカルですが、CQはカジュアル・ラディカルの場合が多いですね。

★初等中等教育では、学問知より、世界制作叡智をベースに持っておくのが先行します。みんなが学者になるわけではないからです。あらゆる活動の基盤であるWMWといニューコモンズを持続可能にすることが、新たなプロジェクトのミッションです。

21世紀型個教育機構のカンファレンス 2024年2月18日(日)「22世紀型教育へのレバレッジポイントを創る」の中でも、プロジェクトメンバーが話すので、少しWMWについて話されるかもしれません。

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