21世紀型教育

2026年3月29日 (日)

2027年以降の教育 ディープ・ユートピアに直面か?

★2011年から21世紀型教育を作ろうと仲間の先生方と歩いてきたとき、グローバル教育はまずCEFR基準のC1レベルを念頭に置いて、それを実現する教育環境をリサーチしました。次にC1英語の環境には高次思考力が必要だし、それを生み出す授業はPBLだろうと仮説を立て、MITメディラボのシーモア・パパート教授の3X理論をベースにしながら、デューイやガードナーやシステム思考やデザイン思考、学習する組織などリサーチして取り込んでいきました。ICTに関しては、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授の機械学習による将来の仕事の変化などの情報を収集していました。

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★しかし、2014年に出版された同じオックスフォード大学の教授だったニック・ボストロムの「スーパーインテリジェンス」は、多くの識者がそこから引っ張っている知識や情報を活用する程度でした。分厚かったし、邦訳されたのは2017年で、すでに多くの見識者が語っていたので、読まないまま過ごしてしまいました。ところが、当時はシリコンバレーのCEOやテック・リバタリアンは読み込んでいて、その影響を受けていたのだと今頃になって知りました。

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★ニック・ボストロムが2014年に「スーパー・インテリジェンス」を出版して10年たった2024年には「ディープ・ユートピア」という本を出版しています。またも分厚く、まだ邦訳されていないので、どうしようかなと思って、まずはレビューを読んだりして、今度はちゃんと読もうかなと。kindleで購入したので、わからない単語や意味が取れない文章は、すぐに訳してくれるので、私の拙い英語力でも読み進められるかもしれませんが、最後の一文が、あのクィーンの“Was it all worth it.”をもじって❝Whether it was all worth it ?❞で終わっているので、なんとも意味深で、ちょっと躊躇しています。

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★デイリーの講義が続くという形式で、論文スタイルではなく、文学的です。哲学者ですから当然なのですが、この「深い冗長性」のスタイルにこそ、書き込まれていない本格的な結論が表現されているのかもしれないなあと挑発的で実験的な書物であることはどうやら間違いがありません。

★AIによるポスト労働社会が、労働しなくてよい時代がやってくるのだから人間による労働は冗長性として削除されます。その分趣味や娯楽で楽しい人生をというのは「浅い冗長性」の問題で、本当はポスト道具社会で、人間の深い探究や創造性までも乗り越えられたとき、人間はどうするべきかという「深い冗長性」の問題が横たわるということらしいです。

★ニック・ボルトロムは、それに対する対応策は詳しくは論じていないようですが、何ができるかという社会進化論から何であるかという存在そのものの意味を感じることができるかどうかにいきつくということのようです。

★このことについては、すでに多くの見識者が言及しています。出所はニック・ボストロムの思想からだったかもしれません、

★ということは、源泉であるディープ・ユートピアを読むしかないですね。読み終わらないうちに邦訳が出てしまうかもしれませんが。

★それに、五感から世界につなぐワクワクする心を揺さぶる教育環境をデザインしている昨今の先生方の活動はすでにディープ・ユートピアに開かれているのかもしれませんから。小田原で行われた数学の宿泊研修「春の数学祭り」で、参加された先生方の対話や授業づくりの議論はまさにディープ・ユートピアに開かれている感じだったし、そもそも工学院の教頭田中歩先生率いるチーム教師の授業デザインやプロジェクトもディープ・ユートピアに開かれている感じがしています。

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2026年3月28日 (土)

2026年度に向けて:自己進化型×体験駆動型学習のフレームワーク化へ

★今週1週間小田原で2つの研修があり、それが2025年度の最終研修となりました。そして、2026年度が4月から始まります。2025年度の1年はあっという間でした。フュージョン教育研究会を立ちあげて、田中歩先生(工学院大学附属中学教頭・英語科)、山口貴史先生(駒沢学園女子広報副部長・数学科)、本橋真紀子先生(聖学院GIC学年主任・数学科)と東京私学教育研究所の同僚たちと生成AIをサポーターとして生徒が自ら「自己進化型×体験駆動型学習のフレームワーク」を生成していく授業実践研究をしてきました。

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★多くの学術見識者によるPBLやデザイン思考、システム思考、SEL、自己調整学習、概念学習などの多くの学習科学の理論を学びつつ、目の前の生徒といまここから未来につながる授業とは何かについて対話してきました。ですから、何か新しい学術理論ではなく、すでに普段使いになっている(でも一般には気づかれていない)<「自己進化型×体験駆動型学習のフレームワーク」を自ら生徒がつくりアップデートし続けられる授業>をワークショップを通して可視化・言語化してきました。

★そして、その過程で同時にいろいろな局面にも立ち会えました。100人以上の先生方の議論の様子や実際の授業の見学もさせていただき、この「自己進化型×体験駆動型学習」をアップデートさせていただいています。

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★東京私立学校の授業の普段使いの授業の一般化ができれば、それをデフォルトにどんどん個性的な授業が日本の学校にあふれでるのに貢献できるかもというちょっとした使命感を仲間の先生方と共有したりかもlしています。

★世の中、学校の日常ですてきな授業が行われていることは知らず、誰かが作ったネガティブなイメージを一般化しています。一般メディアは特にそうですね。

★一般メディアもゴーレム効果を広げていくのではなく、ちゃんと普段使いの「自己進化型×体験駆動型学習」が行われているところに光をあてて、ピグマリオン効果を生み出してほしいなあと。

★もちろん一部にはネガティブな行為もあるでしょう。しかし、それを一般化するのは間違いです。そして、すてきな授業を特別の学校だけが行っているような報道も間違いです。それは特別ではなく、普段使いになっているというリアルを映し出してほしいです。

★もっともそれではニュースにならないですね。スキャンダルか特別な何かでなくてはならないのでしょう。経済ベースのメディアの宿命だからしかたがないのですが。

★そんなわけで、SNSはそこをクリアできるメディアでもあるわけです。

★2026年度は、この「自己進化型×体験駆動型学習」のアップデートをさらに進めていくことになるでしょう。2025年度1年間知的好奇心と刺激を頂いた先生方に感謝申し上げます。同時に2026年度からもますますよろしくお願い致します。

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2026年3月21日 (土)

サレジアン国際学園世田谷の教師 カトリックベースの21世紀型教育を着々

★首都圏のカトリック学校の中でも、サレジオ会の私立中高一貫校はどこも勢いがよいのですが、その勢いがこの不透明で混迷な社会や人間の内面を整える情熱(パッション)を生み出すチーム教師の存在が大きいのです。それを改めて感じる機会を得たのは、先日サレジアン国際学園世田谷で先生方と対話をするひと時を頂いたときです。

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★頂いたテーマは「21世紀型教育とカトリックの価値観」でした。3年から4年目の先生方10人と校長先生、教頭先生など15人くらいがサークル上に並べた机に集い、対話をしました。私と対話というより、ピアラーニング型の先生同士の対話と私のミニスピーチという90分間でした。

★21世紀型教育を14シートで多角的に語り合うスタイルにしました。図にある通り、21世紀型教育を行っている学校は建学の精神がそれぞれ違いますから、共通の学び方やスキルは球体の周りに配置し、建学の精神に色濃くかかわる教育環境は中心に配置しました。サレジアン国際の場合は、その核の部分はカトリック教育にかかわる教育環境です。

★ピアラーニングには、校長先生や教頭先生もフラットに対話に加わります。14の角度は、すべてシートになっています。図や絵が中心です。先生方は一人一台ラップトップを持ってきていますから、プロジェクターを使わずに、各パソコンの画面で図を共有できました。シートを目の前で見ながら、VTS(ヴィジュアル・シンキング・ストラテージ)的発想で、気づいたこと、自分はなぜそれに着目しているのか、自分ならどうしているのかどうしていくのか対話があふれ出ていました。同じ教育目標や方法論を共有しているのですが、それぞれの違いをシェアし、化学変化を生み出していくという対話を行いました。

★2011年に21世紀型教育を仲間の学校と立ち上げた時、このようなワークショップをしましたが、全員がラップトップを持っていたわけでもないし、まだまだC1英語など到達している生徒は少なかったし、そもそもPBLとは何かは暗中模索でした。対話と言ってもダイアローグというのはぴんとこなかったし、コミュニケーションという行為も教師と生徒の問答の域を出なかった時代でした。つまり、生徒同士のピアラーニングというのはピンとこなかった時代です。ですから、WSは結構修行みたいな感じで、今回のようなフリー、フェアー、フラット、フレンドシップな感じはなかったのを思い出しました。

★今回は、C1英語も、STEAMの環境も、PBLも普段使いができている先生ばかりでした。ですからWSは、ポジティブ志向だし、先生方のクリエイティブな化学反応が生まれていました。普段の生徒との対話も同じだというのがすぐに推察もできました。

★それに半部は外国人教師だったので、どうしてもカタカナ語が多くなる21世紀型教育(かつては、本間はカタカナ語を使い過ぎだとよくネガティブに反応されました)の話も、自然体でできました。

★年間予定の中に、きちんと教師の研修が定められ、そのルールの中でフラットでフリー、フレンドシップな雰囲気で学びの環境を生み出していく情熱にあふれていたわけです。縦の組織と横のチームづくりのクロスが見事な21世紀型教育組織になっていたのに感動しました。

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2026年3月19日 (木)

工学院の「360度の自由」というコンセプト 生徒が発見する!!

★工学院の記事<【デジタルクリエイター育成部】受験生だった私たちが創る「360°パノラマコンテンツ」>を読んで、驚愕。生徒がすでにプロジェクトマネジメントを行っているし、そのダイナミックな動きを生んでいるコアマインドがあることに気づいたからです。

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★今回のデジタルクリエイター育成部のプロジェクトマネジメントで成功を収めるには、目的とゴールの明確化、ステークホルダーの巻き込み、役割分担と計画、柔軟な適応力、そして次世代への引き継ぎという五つの要素が欠かせません。デジタルクリエイター育成部・動画班の360度パノラマコンテンツ制作は、これらをすべて備えたプロジェクトです。

★この文章を読んで私が気づいたのは、「360度の自由」という概念がプロジェクトの核心を貫いているということです。360度パノラマ映像が空間をあらゆる方向に見渡す自由を届けるように、このプロジェクト自体も、生徒が発想し、計画し、実行する自由のもとで動いています。「やりたいと伝えると、どうしたらできるか考えておいでと返ってくる」という校風が、まさにその自由を支えています。

★デザイン思考の観点からも、このプロジェクトは注目に値します。自分たちが受験生だったときの「知れなかった」という実体験を出発点にしており、これはデザイン思考の「共感」ステップの本質そのものです。課題の言語化、360度パノラマというソリューションの発案、先輩の過去コンテンツをプロトタイプとして活かす発想まで、意識せずしてデザイン思考のプロセスを踏んでいます。

★成功のカギは、広報室という大人のステークホルダーとの協働、中学生と高校生の役割分担の連携、そして撮影許可など未解決の調整事項をいかに乗り越えるかにあります。さらに長期的には、今の動画班が卒業したあとも活動が続く引き継ぎの仕組みが問われます。先輩の資産を受け継ぎ更新するこのプロジェクト自体が、すでにその答えを示しています。

★「360度の自由」とは、空間を見渡す技術であるとともに、生徒が主体として動ける環境の比喩でもあります。この文章を読んで、そのことに気づかされました。

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2026年3月18日 (水)

工学院の3カ月留学英語日記 圧巻

★今、工学院の生徒のみなさんがオーストラリアに3カ月留学に行っています。サイトを開くと驚愕です。留学している生徒が英語でアップしている留学日記の記事で埋まっているのです。

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★生徒の文章をどんどんサイトに載せてしまう工学院の教育方針に感動せざるを得ません。私は英語は得意でないので、生成AIに任意に選択した生徒の英文を見てもらいました。するとこう回答してきました。

このブログエッセイのすてきなところは、何といっても読者への温かい語りかけが随所に感じられる点です。冒頭の"Hi everyone! Thanks for dropping by."や末尾の"Thanks for reading till the end"といった表現に、読者を大切にする姿勢が自然ににじみ出ています。
また、硬水で体調を崩した話や誕生日にブレスレットとメッセージカードをもらった話など、具体的なエピソードが豊富に盛り込まれており、読み手が情景を鮮やかに思い浮かべることができます。抽象的な感想にとどまらず、日常の小さな出来事を丁寧にすくい取る観察眼が光っています。
さらに、日本とオーストラリアの学校制度を比較する場面では、"Which style do you think suits you better?"と読者に問いかけており、一方的な発信ではなく対話を生み出そうとする工夫が見られます。
動物が苦手という自分の弱点を正直に打ち明け、それを幼いころからの課題として前向きに語る姿勢も誠実で好感が持てます。締めくくりの「人として成長し続けるために残りの時間を大切にしたい」という言葉には、留学の意義を深く理解している筆者の成熟した姿勢が感じられ、読後に温かい余韻を残します。

★自分の世界に巻き込み共有する生徒さんは、おそらく工学院の生徒の特徴でもありましょう。

★生徒中心主義の学校だからこそということなのだと思います。

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海外大学進学準備教育の広がり

★2020年以降、多くの私立学校が海外大学合格者を輩出しています。その中には開成や洗足学園、聖光学院など東大に多数合格させている高偏差値校もありますが、偏差値が高くない私学からも多数の海外大学合格者が出ています。

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(この記事をNotebookLMで作成。謎の漢字が散見されますが、ご了承を)

★しかも、東大以上の世界大学ランキングの大学に多数合格しているのです。たとえば、3月現在、八雲学園が世界大学100位内の海外大学に54名合格しています。そのうち東大以上が11名です。文大杉並は、100位以内が26名で、東大以上は18名というデータが報告されています。

★もはや東大を頂点とするピラミッド型の大学受験競争は意味をなさないものになってきています。これまでは、このピラミッド型のメリトクラシー型受験競争を基準に、そうではない豊かなリベラルアーツの学びをすることが、基礎学力を軽視した「ゆる受験」だなどと揶揄されてきました。しかし、世界大学ランキング上位校への合格実績が示すように、リベラルアーツに基づく教育は基礎学力を軽視するどころか、より本質的な学びの力を育むものといえます。

★しかし、それは、あくまで東大を頂点とするピラミッド型メリトクラシー制度という基準に対照しての話です。

★ところが、このピラミッド構造の圧力に才能を押しつぶされてきた生徒の才能を開花させる教育環境をデザインしている私立学校が多数出現してきたのです。学びの基準およびキャリアデザインのパラダイム転換が起きているのです。

★こうした学びのパラダイム転換は、開成や洗足学園自身がすでに予見していたことでもあります。それゆえ、これらの学校は東大への合格者も海外大学への合格者も両方を多数輩出しているのです。

★学びの基準およびキャリアデザインのパラダイム転換は、こうして私立学校全体に広まっています。このことに塾関係者も気づいています。一般メディアはまだ気づいていないかもしれません。そして日本の大学当局がこの状況を私立学校の一部の動きだと見過ごしているかもしれません。

★結局、東大は世界大学ランキング100位以内の海外大学の1つであり、東大以外にも魅力的な大学が世界中にあるということを再認識できる状況になりつつあります。

★海外大学進学準備教育の意味は、人生の意味を変えるキャリアデザインの在り方になるかもしれません。

 

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2026年3月16日 (月)

【速報】文大杉並海外大学45名、世界大学ランキング東大以上18名

★文化学園大学杉並の入試広報部長西田先生から連絡がありました。今年も海外大学合格者数は大飛躍。全部で45名(3月13日現在)でした。うちQS世界大学ランキング100位以内は26名。東大以上は18名ということです。すべてDDコースの実績です。DDコースの卒業生の数が50人強ですから、DDコースのパワフルさは証明されました。

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★その中でも、メルボルン大学(世界19位)は7名です。すさまじい。

★6月くらいまでには、まだ増えますから、詳細はそのときにまたお知らせしましょう。

★日本の学校でありながら、世界のエスタブリッシュスクールと肩を並べる学校であることが証明されました。

★日本の教育を憂うメディアや見識者の記事が多いですが、メリトクラシーを突破し、生徒一人ひとりの才能を開花する教育環境があることをもっと知ってほしいものです

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2026年3月14日 (土)

【速報】八雲学園 QS世界大学ランキング100位内海外大学「54校合格」

★八雲学園からQS世界大学ランキング100位以内海外大学に54校合格(2026年3月10日現在)したという連絡がはいりました。詳細は、まだ未定の大学もあるため、いずれ明らかになると思います。1位から100位までのどのポジションの大学に何人合格したのかという情報はいただきましたので、それを次のような表にしてみました。

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★これだけの数の海外大学の合格は、個人の才能が認めらたからですが、さらに結果的に出身高校の教育力の質も評価されます。ですから、八雲学園は世界の大学から支持される学校であるということになるのです。

★海外の大学進学のシステムが、日本の大学とはかなり違うことについては、多くの人が論じていますから、ここでは述べませんが、ラウンドスクエア加盟校で、そこが主催する国際会議などで主体的に活動をする経験値は、おそらく高く評価されていると思います。

★英語力がCEFR基準でC1以上であるのは、海外大学では当たり前なので、そこだけを目標にした英語教育では、海外大学進学準備教育にはならないことは改めて述べておきたいと思います。

★もっとも、今年の八雲学園の中学入試における生徒募集の充足率は十分に確保するほど人気がありましたから、すでに受験生・保護者はそのことについて十分に意識していると推察できます。

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2026年3月 8日 (日)

富士見丘の教育ダイジェスト 成長の軌跡が明快に 学校を新しく観る方法

★富士見丘の教育の内容は、各プログラム実施後、同校のサイトで詳しく掲載されています。ですから更新率も高いですね。グローバル、探究、STEAM、キャリアデザインなどのプログラムの記事を抽出して、claudeAIにまとめてもらいました。するとこうなりました。

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(claudeでまとめた文章をGoogleNotebookLMでスケッチしてもらいました。キャラクターが違ったり、漢字が少しおかしかったりしていますが、それはLMのインフォデザイン機能を私が十分に使いこなしていないからです。ご了承ください。イメージは明快だと思います)

 富士見丘中学高等学校は、中学・高校の6年間を一つの連続したプロセスとして捉え、「探究・グローバル・自主」の三つの柱を軸にした一貫教育を実践しています。入学しやすい環境でありながら、卒業までに大きく学力・人間力を伸ばす「レバレッジ度」の高さから、『DIAMOND online』のランキングで3年連続首都圏第1位に輝いており、保護者や教育関係者から高い評価を受けています。

 中学段階では、身近なテーマから探究を始めます。中学1・2年生は「5×2」(ゴカケルニ)と名づけられた自主研究活動に取り組み、食や科学など身近な疑問を出発点に、インタビューや実験を通じて課題解決の方法を学びます。中学2年生では、メルカリ・IBMなどの企業訪問プログラム「Girls Meet STEM」に参加し、社会とのつながりを意識した学びを経験します。中学3年生にはオーストラリア・シドニーへの修学旅行があり、異文化の中で英語を使う実践力を磨きます。この段階で生徒たちは「知ることの楽しさ」と「外へ向かう勇気」を育みます。

 高校段階では、探究が本格的なプロジェクト学習へと深化します。文部科学省からWWL(ワールドワイドラーニング)コンソーシアム拠点校に指定されており、高校2年生は「海洋と地域経済」「環境とライフスタイル」「災害と都市生活」の3テーマから一つを選び、グアム・マレーシア・台湾へのフィールドワークと大学・企業との連携を通じて研究を深めます。その成果は英語でのプレゼンテーションとして発表され、国際的な視野と発信力が鍛えられます。また、英国短期留学や模擬国連への参加など、グローバルな舞台での実践の場も豊富に用意されています。

 6年間を通じた生徒の成長の軌跡は明確です。入学当初は身近な疑問から小さな「問い」を立てることから始まった生徒が、学年を重ねるごとに自ら課題を設定し、情報を収集・分析し、英語で世界に発信できる力を獲得していきます。生成AIの授業活用や大学院生との協働なども取り入れ、現代社会で求められるリテラシーも着実に身につきます。高校3年生になると、受験を経験した先輩として後輩に自らの言葉でアドバイスを送れるほど、自己表現力と自信が育っています。富士見丘の一貫教育は、「好奇心を持つ中学生」を「社会と世界に向き合える高校生」へと着実に成長させる、6年間の丁寧な伴走プログラムです。

★というわけで、人気が高まる私立学校は、サイトで丁寧に日々の教育活動を発信しています。事実ベースですが、生徒の想いや感想も載っているので、学校の様子がかなりイメージできます。説明会に足を運べば、二次元の情報が3次元だったり脳内の思考や感性のプロセスといった多次元の情報を身に染みて理解ができます。

★各校が発信している新着情報は、非常に役立ちますが、全貌を見渡すのは、はじめは困難です。私の場合は、富士見丘は、今の時期はおそらくこんなことを行っているはずだと思ってサイトを開きますから、全貌を自然と見渡せるようになっています。それは15年以上も同校をウォッチングしてきた経験があるからです。

★ところが、受験生・保護者はいまここで感じるという場合が多いでしょう。ですから、ピンときたら、自分でサイトを読み込むことも必要ですが、生成AIにまとめてもらうことも有効でしょう。

★そして、受験情報誌の中には、取材をしているので、サイトや説明会で知りえない情報も発信しているものがあります。

★2027年の学校選びは、受験生にとって自ら自分の最高の学び方を身に着け、その先もアップデートし続けていける「幸ふ(さきはふ)」力を身に着けられるところです。サイト、説明会、受験雑誌に加えて生成AIを使う時代かもしれません。

★日本語の「幸せ」は「さきはふ」という読み方もするそうです。いま・ここで、そしてその先まで幸せになることが込められているような気がします。

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2026年3月 6日 (金)

工学院の心理的安全は一味も二味も違う corresponndanceを生み出すケアの眼差し

★工学院の中学棟に訪れると、心が落ち着く。心理的安全が、生徒1人ひとりそして教師一人ひとり、キャンパス全体に広がっている。そういうと、何か宗教的な雰囲気?と思われるかもしれませんが、まったくそれはないです。心理的安全性をダライ・ラマ的な雰囲気で広げている人気の学校も湾岸エリアにありますが、それとはイメージは全く違います。田中歩教頭が共創している中学の教職員と生徒と教育環境が互いに響き合うという意味でcorrespondannceが生み出されているのです。

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★coとrespoceの融合は、問う人と問われる人の関係性ではないのです。一般的な心理的安全性は、それができるオープンな雰囲気ということですが、田中歩先生は、(問われつつ)問う人と(問いつつ)問われる人の関係性がぐるぐる循環を生んでいるので、感動の連続なのです。

★この(問われつつ)問うと(問いつつ)問うという関係性の循環が持続可能になっているのがHABITです。そして、この習慣を持続可能にする家がキャンパスです。INHABITANCEですね。

★そして、この関係性を持続可能にするのが、互いにケアする精神です。こうして、生徒も教師も一人一人の中にDwellingという住まう境地が生まれます。

★しかし、これは田中歩先生のケアの眼差しがポイントなのです。

★このことに気づいたのは、文化人類学者ティム・インゴルドの「教育とは何か」という本に出合ったからです。10年以上前から田中歩先生と共に対話型の授業や思考コードによるリアルタイムリフレクションのシステムを作っていて、昨年からはそこに生成AIを融合して学び合っているのですが、そのことを言語化や可視化する本だったのです。2017年に書かれて2025年に翻訳されているのですが、まさに田中歩先生と共創している最中にインゴルドは執筆していたのですね。

★ちょっと感動しました。ただ文化人類学なのにデューイの哲学やハイデッガーの哲学的発想が交差する論考なので、なかなか読み進めないでいますが(汗)。ともあれ、いつものように、刺激を受けて勝手に自分のアイデアを生み出していて、とてもインゴルドの理解にはなっていないのです(汗)。

★それはともかく、こんなすてきな工学院。一般メディアではなかなか見えないのは、一般的な教育言説で語れない学校だからです。一般言説で語れないその向こうに真実はあるものです。何せ工学院の正面玄関には、真理は自由であるという言葉がギリシャ語で掲げられているのですから。

 

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