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2026年8月 1日 (土)

開成に学ぶ 受験生も保護者も教育関係者も(2)学習の転移が普通に広がっている

★開成の授業や多くの先輩及び東大の教授などによる講演会は特徴的です。それは「学習の転移」を生徒たちは生み出す能力を身に着ける場になっていると推察できるからです。というのも、先輩は、みな各界で活躍していて、専門を究めることによって異分野でも活躍しているからです。20世紀初頭から、心理学者によって唱えられてきた「学習の転移」というトランスファー能力がある証でもあります。

★教科横断的な学びとか学際的な学びとかいわれていることが探究においてあるいはSTEAMにおいて求められていますが、これは何も新しい考え方ではなく、一つの分野を究めて学んだ方法論や概念を一般化して異分野に適用していくという「学習の転移」ができているかどうかの話です。

★たとえば、同校のサイトを見ると、こんな記事が載っています。

 「6 月 23 日(火)、数学科の有志教員主催による数学特別セミナーを開催しました。本年度は、物理学者の村山斉先生(カリフォルニア大学バークレー校 MacAdams 冠教授・東京大学 Kavli IPMU 初代機構長)にお越しいただきました。講義は「時間と空間の数学」というタイトルで、古代から現在までかけて空間および時間に対する理解がどのように進んできたか、そしてそれが現在の宇宙論にどのようにつながっているかについて、村山先生にじっくりお話いただきました。」

★このような特別セミナーは、同校では頻繁に行われています。東大にあれだけ進学させているのですから、東大ネットワークは当然あるわけです。創立155年の同校の歴史が蓄積している人材リソースや各界に張り巡らされたグローカルな人材ネットワークは、新興の私立中高一貫校では太刀打ちできません。

★しかし、「学習の転移」の能力を身に着けることが重要なのであって、ここはどこの学校でも学ぶことができます。受験生も早めにこの能力の重要性に気づくことが肝心です。その能力は、思考=知識×論理×創造/想像なのですが、どうやって身に着けるか?

★まずは、その重要性を感じることからはじめるとよいのです。おそらく、村山教授が書かれた下記の中高生むけの本は、そのきっかけになるかもしれません。

Murayama

★村山教授は本書のはじめに、こう書いています。<私も研究者のひとりとして宇宙の謎に挑んでおり、難問に突き当たって頭を悩ませることはいくらでもありますが、「もっと知りたい、もっと理解したい」という好奇心に突き動かされる仕事は、実に楽しいものです。もしかしたら、宇宙は人間にそんな知的興奮を与えるために存在しているのかもしれない。そんなふうに思えてくるほど、宇宙は謎の宝庫なのです。>

★こんな知的興奮が開成の生徒たちにも鼓動しているわけです。さりげなく鼓動と言いましたが、「学習の転移」能力を持っているから共鳴し合うのだと思います。

★実際、なぜリンゴは地球に向かって落ちるのに、天界の星々は落ちてこないのだろうという疑問について、ガリレオ、ケプラーは論理的整合性を考えたけれど、万有引力という法則をニュートンが見つけることによって解決に至るという村山教授の解説は、実にスリリングです。地球で起きている自然現象と宇宙で起きている現象を結び付けてしまうところはまさに知的興奮を感じます。

★中学受験生には少し難しいですが、4つの力が統合される仮説も、このニュートンの発想に似ています。村山教授によるとビッグバンを適用させるのです。

★「学習の転移」の能力を中高生の間に身に着け、自分なりの世紀の大発見ができるかもしれません。すてきですね。中学受験の学びもワクワクしてきませんか。

 

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