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2026年8月19日 (水)

本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る

★今も昔も、子どものみならず大人も、自分と向き合うことは、当たり前のように行っています。PDCAサイクルの活用がかなり広まっているのは、それを物語っています。企業が「カイゼン」を大事にしているのもそうです。教育現場では、偏差値だけではなく、ルーブリックによるリフレクションも定着してきました。

★そして、これらの振り返りとか内省とか言われている行為には、基準が必要なわけですが、その基準は、各人、各団体によって違います。ところが、偏差値は、数字としては同じなので、本当は母集団の状況によって違うのですが、その違いを考えず使ってしまいがちです。これでは、子どものそれぞれの才能は見えてきません。子ども自身、自分で他者との相対的な基準を自分にあてがって評価してしまいます。いつの間にか、自分で思考や判断や行動の基準を他者との比較でしか考えなくなるというおともあります。それを続けていくと、しかも意識しないで続けていくと、人生のどこかで、いったい自分って何だったのだろうと得体のしれない壁に直面する可能性が高いわけです。

★自律分散協働系の生き方をするには、自分でリフレクションの基準を作ることが大切なわけです。そこで、前回からご紹介している先生方は、まずは授業で使うリフレクションのためのルーブリックをそれぞれ作っています。もちろん、それは独りよがりのものではなく、他者との共有できるか共感できるか学内で試行錯誤し続けています。

★最初は、生徒は先生方がつくったルーブリックを使ってみますが、どこかのタイミングで、自分でも作ってみます。もちろん、そのルーブリックの正当性、信頼性、妥当性を知るためには、仲間と対話をしたり、先生からのフィードバックをもらいながら、自己調整していくわけです。

★そうしたルーブリックは、教科の学びをはじめとして様々な教育活動の中でもつくっていくわけですが、毎回具体的に作り続けているだけでは、単独の作業をうまくこなすだけで、すべての活動が自分の人生の糧としてどうつながっているのかが実感できません。

★そこで、メタルーブリックというリフレクションのコンパスをつくることになります。

★子供も私たちも、それぞれの活動ごと具体的なルーブリックをつくるわけですが、それら全体を高次のルーブリック、つまりメタルーブリックに結び付けることによって、自分の知が、今自分のどんな人生に影響を与えているのかなど見えてきます。

★この仕組みは、生成AIを活用することで、作りやすくなります。

★偏差値や5段階評価という「総括的評価」は、処理がしやすく、多面的な観点から評価する「形成的評価」は、時間がかかります。1クラス12人くらいであるなら、形成的評価は可能ですが、それ以上になると物理的にはなかなか難しいわけです。

★ですから、大学入試など、多くの受験生の合否をなるべく早く処理するには、総括的評価で行うのが現実的ということです。一般入試が重宝される大きな理由はこれなのです。総合型選抜は、ルーブリック型のつまり形成的評価型のため、時間がかかります。現場における指導はたいへんです。

★しかし、生成AIによってルーブリックを作り、対話しながら行っていけば、その手続き的なプロセスの時間は短縮できます。

★もちろん、生成AIの生み出すルーブリックによる評価は、鵜吞みにはできません。最終的には自分の「判断力」が大事です。では、この判断力はいかにして育まれるのか。その正当性、信頼性、妥当性はいかにして保証されるのか。どこか権威のあるルーブリックにすがりたくなるのは世の常です。しかし、どこまでも、最終的には自分で判断する私事の自己決定を大事にすることが希望を生み出していきます。

★ルーブリック作りに取り組んでいる教師が多い学校は、その希望が生徒1人ひとりの内面から生まれてくる環境デザインをしています。大学進学も、その希望が生み出す一つの「出来事」です。しかし、人生における「出来事」はこれだけではありません。もっとたくさんあるから人生はおもしろいのです。

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