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2026年6月 6日 (土)

聖学院本橋先生の授業 世界は数学でできている 文部科学省は必見です

★先日東京私学教育研究所のフュージョン教育研究会の委員である本橋先生の授業を見学しました。先生はその日連続して授業を持たれていたため、わざわざ放課後、市ヶ谷の研究所まで来てくださいました。帰り道の途中だからと。ありがとうございます。

★さて、授業実践研究がわたしたちの目的ですから、授業のリフレクションをしたわけです。その対話の中で、本橋先生のコンセプト「世界は数学でできている」という私には思いも及ばぬ話に感動しました。

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★昨年は、虚数の数学授業の実践研究をしました。三角関数の授業は拝見できませんでしたが、やはり同じ授業デザインで行ったということです。今回は微積の単元です。聖学院は、大学合格実績が年々上昇していて注目男子校の一つです。ですから、理数系の数学は難問の演習も欠かせません。

★しかし、本橋先生は、その中に数学的ものの見方や世界観を生徒と対話する時間を中学の数学授業から設けています。たいていは、単元の最終の2時間くらいを当てますが、今回は定期テストの返却の時間を使って、微積の授業に入る前に設定しました。無限とか極限とかをどうとらえるか対話することによって、微積の問題を解く準備だけではなく、微積が世界にどうかかわっているかがイメージしやすくなるだろうという仮説があるようです。

★無限や極限の捉え方は、実はいくつかあるのですが、それを生徒の対話から生み出していく授業はさすがです。0‣9999....は1であるか?についてから対話が始まりました。生徒は、直感的に現実世界には合わないのではないか、数式的には証明できてしまうとかすぐに反応していました。

★そこから科学と数学は違うだとか、本橋先生の日ごろ言っている数学の世界の崩壊につながるのではないかと議論がだんだん盛り上がっていきました。これらの発想は、歴代の数学者が疑問に思いそれを解決すべく様々なアイデアをだしていった入り口にたっていることを本橋先生は語っていきます。つまり、どれも否定しないのです。数学の時間だというのに、正解が一つではない。。。衝撃でした。

★自分の考えが、あっているとかばかげているとか即断するのではなく、その疑問や発想は歴代の数学者と同じ立ち位置にあったという話は、生徒の内面に何かがわきあがっていく躍動を感じました。

★そして、自分で考え、仲間と対話した後に、チャッピーで自分の考えをリフレクションする時間もとっていました。自分とは違う考えや自分の考えはニュートン時代には使われていた無限小の話につながるという確認もできました。しかも、今は使われなくなったはずの無限小の話が再び見直されているという現実も知り、教科書のようにまとまっている話だけでは世界は語れないという気づきも得ていたようです。

★振り返りの対話の中で、大学入試問題を解くのに、今回の極限の捉え方は直接役立たないのではないかと尋ねると、数学はそもそも大学入試問題を解くためだけにあるのではないのだからよいのですよと。もちろん授業の大半は技術的なトレーニングに時間をかけますが、大事な数学的ものの見方もセットで授業はしていきますと。

★たしかに、無限や極限の捉え方は、ナノマテリアルの製法で活用されています。トップダウン方式とボトムアップ方式の両方のアプローチは、極限の捉え方にもあるわけです。むしろ、その発想が科学に応用されていると。しかも、無限や極限はフラクタルな図形にも応用できるわけですが、フラクタルという発想は、生物の細胞増殖にも応用可能だというのです。なるほど世界は数学でできている。。。

★文部科学省は、理系人材の育成拠点を大学などに作る計画を発表していますが、理系人材がスタートアップやAI時代に活躍するには、本橋先生のような中高時代の数学の授業の在り方を再構築することも考えるとよいのではと思います。

★そういえば、本橋先生は、教科書では扱わないトポロジーの領域にも触れ、固い幾何以外に柔らかい幾何もあるというプログラムも作っていました。化学でよく話題になる新物質の生成では、このトポロジー的発想も影響していると聞きます。

★本橋先生は、数学のだいご味は「変形」ですからと。たしかに、世界は数学でできている!と納得しました。

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