海外大学進学準備教育の意味(04)筑駒の合格実績が、逆に海外大学進学の意味が映し出される
★筑波大附属駒場(以降「筑駒」)は、すでに2026年大学合格実績を公表しています。現役と既卒を分けて公表しているし、それぞれの進学状況もわかるよういになっています。
★2026年春卒業生158名の中で、東大進学者は77名、医学部進学者は20名。東大の理Ⅲに7名進学するので、東大と医学合わせて90名が進学です。2026年春卒業生シェア57%ですから、半分以上が東大と医学部に進学するということになります。
★私大進学は20名で、そのうち医学部は4名です。ですから、東大・医学部・私大を合わせて106名。国公立大学は、9名(東大・医学部を除く)。全部で卒業生の中で進学者は115名。43名は浪人。ちなみに2026年春卒業生の合格総数は230名。
★興味深いのは、東大理Ⅰに合格して東大進学をしない生徒がいます。海外大学パデュー大学に1名、南洋理工大学に2名合格(両大学ともQS世界大学ランキングで100位以内。最先端の理工系関連の研究が進んでいる)していますが、進学はしていません。ということは、私大の医学部に進学ということでしょうか。慶應義塾大学の医学部に2名進学していますから、そのうちの一人かもしれません。
★いずれにしても、浪人する理由は、多くが東大と医学部に再チャレンジということでしょうから、筑駒の大学選択志向性は8割が東大か医学部ということでしょう。
★東大・医学部に進めば、在学中、あるいは大学院で、あるいは社会に出てからでも、海外留学はできるので、まずは国内大学でよいという認識なのだと思います。
★私立中高一貫校で、海外大学にはたくさん入るけれど、東大・医学部はそこまでは進学していないというところがあります。大学を出て社会において、筑駒出身者も海外大学合格者をたくさん輩出する私学出身者も、活躍ぶりは変わらないというケースが多々あります。
★いったい何が進路の違いを生み出すのかというと、大学入試制度なのです。東大の入試の数学や共通テストの高スコアは、知識・理解の能力がものをいいます。知識だけではないのだけれど、俗にいう「客観的かつ論理的」な理解力が必要なのです。
★筑駒や開成の生徒は、この領域は普段使いで、Creativeな才能も豊かですが、東大や医学部に入るのには使わないだけです。この知識・理解の能力は普段使いで、創造的才能もあるという生徒は、ある意味「特別」です。
★ところが、知識・理解の領域は平均的で、創造的才能は豊かという生徒は、海外大学だと東大と肩を並べる大学に行けてしまうのです。
★知識・理解も創造的才能もという生徒と創造的才能が優位という生徒の違いは、制度の違いによって進路が違ってくるわけです。
★2015年くらいまでは、この東大・医学部と海外大学の2つの進路は当たり前ではありませんでした。したがって、東大・医学部を頂点とするピラミッド型の大学の確固たる階層構造が出来上がってきました。今もまだまだありますが、海外大学に行く創造的才能豊かな生徒の社会に出てからの活躍、創造的才能はあるけれど、海外大学に行けず、階層構造に一見屈しているように見えるのですが、偏差値に関係なく創造的才能を生かす小規模の大学が誕生してきていて、そこを卒業した生徒が活躍するという時代がもうすぐそこにやってきています。AI時代のパラダイムシフトが起こすということなのでしょうが。
★筑駒の生徒は「特別」だと述べました。それはそれで大いによいのです。むしろ大事です。ただ、すべての子どもたちは才能者です。その創造的才能を開き、生かす大学は高偏差値の国内大学だけではなくなっていることも事実です。
★地球規模で考えるならば、大学の階層構造が崩れていくのはやむを得ないでしょう。グローバルイノベーション教育は、結局すべての子どもたちの才能を開くのです。そうすることで、階層構造がもたらしてきた、地政学的リスク、気候変動リスク、ハラスメントリスクを払しょくすることができるのです。私が言うまでもなく、そういう世界に歴史は突入しています。そして、完全に移行するまで、恐ろしい事態が起きているわけです。。
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