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2026年4月 3日 (金)

2027年に向けて躍動する学校(01)AからBへではなく、A∞Bの循環というコンセプト

1.「3Rから3Xへ」は出発点であって、ゴールではありません

2011年に20世紀型教育から21世紀型教育にシフトすることを表明した時、私自身も、当時のMITメディアラボのシーモア・パパート教授に倣って「3Rから3Xへ」という表現を使いました。教育のパラダイムシフトをわかりやすく伝えるためのレトリックとしてです。Reading(読み)・Writing(書き)・Arithmetic(算術)を中心とした20世紀型の知識習得教育から、Explore(探究)・Exchange(対話・交流)・Express(表現)を核とする21世紀型の学びへ──この言葉は、その転換を端的に示すものとして機能したと思います。

しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。この「シフト」を「3Rを捨てて3Xに乗り換える」と読むなら、それは本質を見誤ることになります。そして、実際にこのような極端なことをいう方が現場で現れました。また3Rが大事だ、いや3Xだとかいう議論も今も続いています。

21世紀型教育を3Rから3Xへではなくて・・・・といったところで、伝わらないので、22世紀型教育ではどうかというカタチで語ることにしたいと思います。するとそれは、3Rと3Xが互いを補い合いながら循環し続けることであり、この循環こそが、人間の学びをより深く、より豊かにする源泉なのですと。

3r3x

 

3R Reading / Writing / Arithmetic (知識の習得・処理・再現) Doing ⇄ 3X Explore / Exchange / Express (探究・対話・表現) Being この二つは対立するものではなく、互いを深め合うサイクルなのです。

2.循環とはどういうことか

たとえばこういう場面を想像してみてください。子どもが「なぜ川の水は海に流れるのに、海は溢れないのだろう?」という問いを持ったとします(Explore)。その答えを調べようとするとき、文章を読み(Reading)、データを読み解き(Arithmetic)、その結果を誰かに伝えるために言葉を選んで書きます(Writing)。そしてその成果を他者に語り(Exchange)、図や文章として表現します(Express)。

この学びの過程で、3Rは手段として生き生きと機能しています。そして3Xは、その3Rに意味と方向性を与えています。どちらかが欠ければ、学びは浅くなります。両者が循環することによって、知識は「使える力」へと変容するのです。これが、22世紀型教育における「循環」の意味です。

3.DoingとBeingもまた、循環する

同じことは、DoingとBeingの関係にも当てはまります。
「Doing(何をするか・何ができるか)」と「Being(いかにあるか・何者であるか)」は、しばしば対立的に語られます。しかし本来、この二つは別々に存在するものではありません。

Doingを深めることで、人は自分の「できること」を知ります。できることが増えると、「自分はどんな人間になりたいのか」「何のために学ぶのか」というBeingの問いが生まれます。そのBeingの問いが、次のDoingをより意味のあるものにします。この往復運動こそが、成長の本質です。

たとえばAIが「Doing」のほとんどを代替できる時代になったとしても、「何のためにその力を使うのか」「自分はどのような存在として世界と関わるのか」というBeingの問いは、依然として人間にしかできない問いです。そして、その問いに向き合い続けるためにも、具体的なDoingの経験が必要です。

4.「循環する学び」が22世紀型教育の本質です

まとめると、次のように言えます。

「3Rから3Xへ」は、覚えやすく伝えやすいスローガンです。
しかし、22世紀型教育の本質は、3Rと3Xが循環することにあります。
DoingとBeingも同様に、どちらかがあ重要なのではありません。
この循環を繰り返しながら、人は深く、しなやかに成長し続けることができるのです。

変化の激しい時代において、知識を持つことは依然として大切です。同時に、その知識をいかに問い・対話し・表現するかも不可欠です。Doingの力がBeingを豊かにし、Beingの深さがDoingに意味を与える──このダイナミクスの中にこそ、これからの教育の姿があります。

5.とはいえこのビジョンだけでは教育の現場は変わらない

とはいえ、このようなことは、21世紀だろうが22世紀だろうが、実施している教師はいるのです。重要なことは、現場で、このビジョンを実現するための授業のメカニズムと思考のメカニズムと学び方のメカニズムの整理と融合なのです。これは20世紀型教育は明快でした。記憶のメカニズムは脳科学的にもわかりやすいものでした。授業は記憶の環境づくりであり、思考は記憶を促進する創意工夫であり、学び方は記憶の習慣化と直結していました。

ところが、3Xは、作法のプロセスで、そこで起きているメカニズムははっきりしないのです。しかもプロセスも人によって違い、メカニズムの可視化などまだまだできません。そこで生成AIを使い、reflection in actionのメカニズムをリサーチしていくという段階に入りました。ここの話は、仲間の先生方と話して、まだまだ広くは伝わらないだろうと。もちろん、諦めずに解明していきますが!

★仲間というのは、22世紀型教育研究センターのセンター長田中歩先生(工学院 教頭)をはじめとする所員メンバーの先生方や田中歩先生の所属する別の研究会のメンバーなどを示しています。

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