工学院の中1のIBL 種を蒔く時期
★昨日、工学院大学附属中学の1年生のIBL授業研究会がありました。同校教頭の田中歩先生の授業です。東京私立中高協会の私学教育研究所の研修委員の一つフュージョン教育研究会のプロジェクトリーダーである田中歩先生が、同研究会の先生方と次期学習指導要領の実施前に、生成AIをパートナーにして生徒が活用する授業の在り方を研究する研究会です。ちょうど、中1が1年間学んできたIBLの学びのまとめの授業ということでした。
★まとめは何をするのかと思いましたら、リフレクション授業でした。しかも学年全体で学んできた教科や体験学習などを全部結び付ける授業だったのです。どんな「はてな?」を身近な生活と八王子という地域を結び付けた経験から見つけたのかを思いめぐらしていました。おもしろいのは、ICT環境が整っている工学院ですが、最初は今までのトピックの写真を見ながら何を思ったか今思うのか問答が続き、オープンマインドができた段階で、一枚のA4の白紙が配布され、そこに自分が発見したはてな?を書き込む個人で考える時間が設けられました。
★中1の段階では、身近な自分の生活と八王子プロジェクトが中心です。中2になると神戸や鎌倉など、他の自治体でも学びます。政治、経済、産業、医療ケアなど総合的に学ぶのは、八王子プロジェクトと同じです。中3になったら、オーストラリアなどに全員が行きます。文献を調べたり、地域の人や大学の先生などに学び、日常と違うフィールドにでかけるのは同じです。
★しかし、はてな?は経験が拡張されるとまた広がっていくのだから、まだ経験はしていないけれど。経験が広がっていくにしたがって、どんなはてな?が発見できるのか予想するという思考が行われていきました。本に学び、人に学び、旅に学ぶ。学びの基本です。
★そして、チームに分かれ、ピアラーニングにシフトしました。それぞれどんな「はてな?」を見つけたのか共有する時間です。おもしろかったのは、チームは自分たちでつくりなさいということで、自然にチームができたことです。とにかく田中歩先生は、細かい指示はださないのです。問いもふわっとした問いで、条件は自分たちで考えるという習慣が1年間でできているようでした。
★対話は当たり前で、話し合いながら自分の思いや考えを豊かにしていく。自分の思いや考えなのだけれど、そこには仲間や外で出会った方々の思いや考えかたも融合されています。I as WEとして自分が豊かになっていく実感が大切にされています。
★そして、最終的には、パソコンに自分の「はてな?」を打ち込んでいきます。Googleクラスルームを活用しているので、すべて田中歩先生は見守ることができます。場合によっては、生徒同士も共有できます。その最中に、田中先生は、自分の「はてな?」や行動の信頼性や効果はどうやって測るのか?問いを挿入しました。いわゆる定期テストのようなスコアではないよなあと生徒はふと立ち止まります。少し意見がでました。
★歩先生は、それを拾って、みんなの考え方はルーブリックという考え方に相当すると投げかけました。工学院はすでにそれを使っているけれど、中1の段階では、それを教え込むことはしないから、まずルーブリックとは何か調べてごらんと。生徒は、パソコンに打ち込みながらも、ちょっとGeminiで調べながら、ああでもないこうでもないと対話しながら、また作業に向かっていました。
★生成AIはプロンプトという実は問いを投げかける作業です。I as WEという自己が、常に問い続けている環境を仕掛けているのが田中歩先生のIBLでした。しかも学年全体の教育活動の体験を丸ごと「省察」する次元のリフレクションを行っていたのです。
★歩先生は、この段階では、とにかくたくさん種を蒔くことですと語りました。棚は小さいけれど、葉や花や果実を生み出す潜在力があるわけで、種が芽吹き、葉を広げ、開花し、実るのは、結局環境と種自身のエネルギーの相互関係性が最適化されるからだということでした。
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