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2025年10月12日 (日)

神奈川私学のインパクト 個の独立と群の創造

★10月2日・3日の2日間、パシフィコ横浜とビジョンセンター横浜で、全国私学教育研究集会神奈川大会が実施されました。一般財団法人日本私学教育研究所が毎年各地域で全国研究集会を行っています。今年は関東地区私立中学高等学校協議会と一般財団法人神奈川県私立中学高等学校協会が実施しました。後援は神奈川県、横浜市、日本私立中学高等学校連合会で、本当に大規模な研修大会でした。参加都道府県は46で、参加した先生方は860人を越えていました。

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★初日は、全体集会で、参加者が一堂に会して一般財団法人日本私学教育研究所の会長吉田晋先生(日本私立中学高等学校連合会会長・富士丘学園理事長・校長)と同副理事長の山中幸平先生(学校法人山中学園学園長)から「教育政策と私学情勢について」報告がありました。

★全国私学大会のことだけあって、教育を取り巻く環境について語るお二人の先生の視野が実に大きかったのに改めて感銘を受けました。日頃は、東京エリアの私学のことについて考えを巡らしているので、自分の視野を広める刺激を受けました。

★私立学校は社会との関係をつくり、その関係がより良きものになることによって、その社会で活躍するように巣立っていく生徒の教育に貢献できるし、またその生徒がさらに社会をより良きものにしていく。このような考えくらいはわたくしも持っていますが、問題はその社会の中身です。

★社会といっても複合的で一つのビジョンに基づいて同心円状になって、学校→街→自治体→国→国際社会と広がっていくわけではありません。たしかに、異なるミッションやビジョンが競合しあい、衝突もし、危機的な状況が生まれる場合もあります。そして、そこに気候変動などの地球のダイナミズムが加わります。また、個人のミッションやビジョンも違いますから、それぞれの組織や社会の中で人間関係も複雑です。特に最近は、SNSに象徴される個人が自在に使えるテクノロジーが発達し、良い方向性と悪い方向性同時に影響を与えています。

★この複合的で複雑な関係性の中で、多様な問題が生まれていて、それらの矛盾をどうするのか?全国私学の経営陣が集結して、国や自治体と私学の世界を守り創っていく教育と人間育成の意味を対話し、いかに協力関係を作っていくか、その精神と戦略方法について1年間全国私学が実行してきたことについて情報共有し、さらに近未来を予測しながら今後の動きについて確認をされていました。ネガティブケイパビリティーという矛盾やパラドクスを乗り越える高邁な精神に感じ入りました。

★少子高齢化時代、経済が不安定の時代、政権も一寸先もわからない状況下で、助成金をどのように確保していくか、そのためには、日本にとって重要な役割を果たす教育を今後も磨き上げ、日本の教育をけん引していくだけではなく、世界から憧れられる教育を創出していくのだというミッションとビジョンを共有したのです。

★その意味で、異文化理解だけではなく、国際的な政治や経済、文化をしっかり見据えたグローバル教育のシステムを築いていこうということです。また、テクノロジー分野でDXハイスクール構想を広げていこうと。その実績を積み上げていくことによって、各自治体や国に補助金の協力を引き出せるのだと。もちろん、引き出すには、政治家の理解が必要です。直接文科行政に要望しても官僚は動けないのです。

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★国民や市民の信任を得た政治家が動くことによって、法案や省令となって初めて動けるのです。そのためには、国民や市民の代表である政治家が法案という根拠を作る法創造の作業をしなくてはなりません。

★法を創造するには、国民や市民の生活の課題情報を収集し、事実を把握し、打開策を講じる必要があります。そのための知恵を吉田先生をはじめ、日本私立中学高等学校連合会は行政や議員に要望を対話によってなんとか構築し続けているのです。

★そして、行政や政治家が集結するのは東京ですから、東京私立中高協会の会長近藤先生(八雲学園理事長校長)をはじめとする役員の皆さんも、父母の会の皆さんと吉田会長とともに運動しています。

★そして、その根拠は、やはり生徒一人ひとりがウェルビーイングになる教育なのです。それゆえ、全国の私学の各地域の協会で教育研修が創意工夫されて行われています。東京も協会の中に東京私学教育研究所が設置されていて、そこのメンバーが各学校の先生方と協力して、年間50を越える研修を開催しています。

★したがって、神奈川大会の2日目は、「私学経営部会」「教育課程部会」「法人管理事務運営部会」「生徒指導部会」「グローバル教育部会」「ICT・AI教育部会」が行われたのです。

★全体集会では、吉田先生と山中先生の報告後、次のキーノートスピーチの演者を迎えるにあたり、神奈川私学のクラブ活動の紹介がありました。光明学園相模原高等学校の和太鼓部による「和太鼓」の迫力はすさまじかったです。参加した先生方の脳神経身体全体に響きが伝わり、私学が大事にしている共感とそれを生み出す各学校の独自の教育活動がしっかりと響きました。

★そして横浜女学院中学高等学校チアリーディング部による「チアリーディング」のパフォーマンス。会場は広いとはいえ、普段のスポーツ大会で行われるようなスペースはありません。同校の平間宏一副理事長・校長は、目を細めながら、それをコンパクトにアレンジした生徒たちの発想力と技術力を讃えていました。

★その話を聞いて、これでコンパクトなのかと逆に驚嘆しました。多くの部員がぶつかることなく、スムーズに縦横無尽に動き、空中で生徒が何度も回転したのですが、そのたびに、天井に届いてしまうのではないかと思いました。普段ならその天井を軽々と超えていたことでしょう。女性にとって見えない社会の天井を越える意志のパフォーマンスとして改めて感動でした。

★それが終わると、いよいよキーノートスピーチ。演者は俳優の紺野美沙子さん。カリタス女子中学から慶應の高校・大学に進んでいるので、神奈川私学ゆかりの方ということもあるのですが、長年国連開発計画親善大使を務めあげていて、国際協力分野で活躍された貴重な経験から世界や社会の課題をリアルに語ることができるという点で神奈川私学が初任者研修の講師として迎えているという普段の研修の象徴としてお招きしたようです。

★また、広島のあの体験をつづったある母親の本を動画にして、それを背景に「紺野美沙子の朗読座」も主宰していて、神奈川大会当日その朗読を披露され、深い感動が広がりました。そして参加者に平和を守る教育を共にさらに行っていこうという意志を新たにさせたキーノートスピーチでした。

★それにしても、全体集会の司会が、すばらしく、はじめ企業などでは、このような大規模なイベントでは、プロのアナウンサーに依頼するので、今回もそうなのだなあと勝手に思っていたところ、実はカリタス時代紺野さんと同じ演劇部で切磋琢磨していたカリタス女子の校長萩原千加子千先生だったのです。紺野さんのスピーチの過程の中でも、当時の仲の良い友人関係がこうして今も続いていることを思わせる会話もありました。

★神奈川私学のエネルギーと芸術性の高さのインパクト。さすがは個の独立と群の創造というビジョンを遂行している工藤誠一先生(一般財団法人神奈川県私立中学高等学校協会理事長・聖光学院中学高等学校理事長校長)がリーダーシップをとっている大会でした。

★来賓あいさつに神奈川県の黒岩祐治知事も駆けつけていましたし。

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