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2025年8月

2025年8月31日 (日)

工学院の宇宙 AWE体験「挑戦・創造・貢献」を体現

★工学院に訪れると、天文台があるのにいつも何か憧れを感じます。この夏、100人以上いる同校サイエンスクラブのうちの宇宙班が天体合宿に行ったようです。そのブログの写真を見ただけで、脳の島皮質が反応してしまします。AWE体験ができます。リアルならもっとすごい島皮質の化学変化が起こったことでしょう。

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(写真は同校ブログから)

★それにしても、島皮質の鍛錬は、まさに工学院の校訓である「挑戦・創造・貢献」の体現なのです。AWE体験という、大きな自然や宇宙の中に浸ることで、挑戦心や創造性が刺激されるし、なんといっても畏敬の念をもって謙虚に貢献する精神が生まれてくると脳科学者は語っています。

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(写真は同校ブログ)

★この写真も感動です。山の向こうの地平線に広がる宇宙や海の向こうの水平線に広がる宇宙が描く太陽のダイナミックな演出や星々の輝き。感動しない人はほとんどいないでしょう。

★しかし、それなのに、イルミネーションや高層ビルによって宇宙を感じることを妨げられて、いつしか私たちはそのAWEの感覚を忘却してしまっています。工学院はそこを覚醒させてくれます。これぞ本物の地球という意味でのグローバル教育なのかもしれません。

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2025年8月30日 (土)

私立学校の表現(08)本郷 キートピックで学校のイメージを膨らます

★本郷のブースの表現は、キーワードを並べているシンプルなものです。しかし、どのキーワードも受験生が聴きたくなるキートピックです。

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★しかも、受験生の意志や意欲を喚起する手法。これが凄い!意識をかきたて、本郷の世界に巻き込んでいく力。OST(オープンスペーステクノロージー)にも通じるような仕掛けです。

★本郷の学園生活や学びに前のめりになって入学していく。兵庫県のある有名な学校に見学に行ったとき、授業中の教室で、教師の話に生徒全員が前のめりになている姿勢を見て驚いたことがありますが、それと似た感覚を、ブースの前に立った時感じました。

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私立学校の表現(07)国学院久我山 男女別学のそれぞれの魅力を検証

★国学院久我山は、同じキャンパスに男子と女子の学校があります。共学校ではありませんが、それぞれ全く別の学校でもありません。互いに協働する教育活動もあります。そのうえで男女別学というそれぞれの魅力ある独自のカリキュラムの検証を詳細にブースの壁面に表現しています。

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★男子校でもなく、女子校でもなく、共学校でもない、稀有な存在である男女別学の学校。学校教育のスタイルとして重要な役割を果たし続けています。

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2025年8月29日 (金)

私立学校の表現(06)かえつ有明 教育理念の現代化

★かえつ有明のブースは、今までとは違うような気がしました。もしかしたらここ数年そこを見ていなかったのかもしれませんが。私のイメージする同校の雰囲気とはちょっと違いました。バーンと目に入ってきたのは「自由と対話が、君を強くする」でした。

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★自由と対話は、イメージ通りですが、それが「君を強くする」というストレートな表現がいままにない感じです。

★たしかに、混とんとした時代です。自由を確保するには強さが必要です。対話をするのも強さが必要です。

★同校が新たなステージにまたシフトしているのかもしれませんね。

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私立学校の表現(05)巣鴨 写真で語る ギャラリー戦略

★巣鴨のブースは、同校の教育の魅力の動きを写真で表現しています。順天堂大学の医学部の小論文も写真を見て多角的に自分の思いを書く問題が出題されます。写真は、語る側も聞く側もイメージを膨らませながら言語を交換できます。感動。これが大事ですね。

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★ギャラリー風のブース。そこに佇むと、イメージがバーンと膨らむかもしれません。もしそうなったら、その受験生は巣鴨を選択するでしょう。

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私立学校の表現(04)工学院 ターゲティング戦略

★工学院のブースは実に興味深かったですね。工学院といえば、インターナショナルスクール並みのグローバル教育と生成AIをはじめとする本格的なICTで課題解決するための実装プロトタイピングまで生徒がやってのけるSTEAM教育が行われています。それが東京国際フォーラムのブースの壁面はラウンドスクエア加盟校とケンブリッジインターナショナルスクール加盟校であることを前面に押し出しています。

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★2日間連日中野校長はプレゼンテーターをやりのけているパワフルな様子を見せてくれていました。この夏同校の中学3年生はオーストラリアとバリに海外異文化研修に3週間行っていました。中野校長は、つい先日バリの引率から帰国したばかりです。ダイナミックです。

★もちろん、プレゼンテーションの中で、理数系の話や医学部進学の話や工学院大学進学の話やSTEAM教育の話も丁寧にされていましたが、すぐに目につくブースの壁面には、突出したグローバル教育を表現しつくしていました。そして、ちょこんと新宿からシャトルバスの直行便で通学できるという情報も掲げていました。

★これは、完全にブースを見て回っている帰国生をターゲットにしているパフォーマンスです。

★工学院は八王子ですから、東京の東エリアの受験生が通学するのは多くの場合難しいわけです。ところが、帰国生にとっては、そもそもインターナショナルスクール的な教育やそれに匹敵する突出したグローバル教育を行っている学校は限られています。

★ですから、帰国生は通学エリアを広げて学校を探すのが当たり前になっています。そのため、帰国生の目にとまりやすい表現をしたのだと思います。

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2025年8月28日 (木)

私立学校の表現(03)私学としてのブランド力

★慶應グループはブランド力があります。蹴翁義塾中のブースの壁面は、まさにそのブランド力を表現する校旗を掲げていました。実に分かりやすいといえるほど認知度が高いわけです。

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★しかし、私立学校にとってブランド力とは、偏差値や設備の充実度だけでなく、教育理念や文化、卒業生の社会的活躍、地域との関係性など、複数の価値が重なり合って形成される象徴的な力です。それは学校が発信する世界観や哲学として機能し、生徒や保護者の選択に影響を与えるとともに、社会的信頼や共感を生み出す源となります。

★このような社会てインパクトを明治開国以来世の中に与えてきた歴史的にも意義のある学校です。

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2025年8月27日 (水)

私立学校の表現(02)聖学院 建学の精神の未来型

★聖学院のブースは遠くからでも<Only One for Others>という同校の建学の精神の現代的表現がすぐに目に入ります。建学の精神とか教育理念とかは、ミッション×ビジョン×パッション×イノベーション×トランスフォーメーションの5つの要素が化学変化を生み出し続けています。ですから、建学の精神は現代的な表現となると同時に、聖学院の表現は生徒の存在のあり方の未来も映し出しています。

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★この精神を実現すべく、変わらぬ聖書の教育からグローバルでイノベーティブな学びもあります。特にリベラルアーツでは、哲学的だし探究の学びのメカニズムは多様にあるのですが、その中でも最も社会全体を俯瞰できるシステム思考を取り入れているところは聖学院自身がOnly One ですね。

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私立学校の表現(01)昭和女子大学附属 新しい教育のスタイル

★今年も4万人を超える参加者があった東京の私立学校展。東京私学が200校以上集結するため、会場の東京国際フォーラムが広いとはいえ、各校のブースの容積は狭いのです。しかし、その限られた空間と時間で、各私学の表現は強烈に創意工夫されています。そして、その創意工夫こそその学校の独自性であり魅力ですね。

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★昭和女子大学附属のブースは、一目で同校の新しいスタイルの教育が何であるかがわかります。

グローバルー海外大学

サイエンスーSTEAM

医学部進学ーMMI

★これらが図として前面にでていますが地であるその意義や価値は先生方が参加者と共に対話するわけです(図と地はルビンの壺で有名です。あるいは氷山モデルで言えば、見える部分と見えない部分となるかもしれません)。

★いずれの教育もPBLやデザイン思考がベースにあることがわります。医学部進学準備にはMMI対策は欠かせません。この多角的なミニインタビュー入試は、デザイン思考やPBLがなければなかなか培われないものですね。たしかにこのような学びのメカニズムは文字としてはブースの壁面に書かれていませんが、その大事な見えない部分は先生方が柔らかい情熱をもって参加者と対話をすることで共感を生み出していきます。

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2025年8月25日 (月)

第50回福島県私学教育研修会の3つの部会で生成AI活用

★先週福島県の郡山で、第50回福島県私学教育研修会がりました。そこで私と日私教研の伊東さんとでWS型研修のファシリテーターを行う機会を得ました。私たちは教育課程部会で、多様な教育活動を生徒が自ら融合していくにはコンセプトレンズが必要。そのコンセプトレンズを生徒自身が自ら発見する3種類の問いの循環のデザインを、生成AIをパートナーにしながら参加された先生方と協働作業しました。

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★生成AIを使い慣れていた先生方も多く、楽しく深く共に学びました。AI時代にあって、自分の思いや考え方を抱き、それを小論文や対話ができる力を生成AIをパートナーにしていくと、多くの生徒が身につけられる実感を共有できたと思っています。

★そして驚いたことに、イノベーション部会にも、英語教育部会にも、首都圏からお二人の先生が招かれ講演されたのですが、お二人とも生成AIを活用した講演をされていました。

★これからの講演やWSの景色には、生成AIが当たり前の道具になっていくのでしょう。

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2025年8月24日 (日)

2025東京都私立学校展 8月23日・24日実施 私学の景色がまた変わる

★2025東京都私立学校展が、昨日と今日、東京国際フォーラムで開催されています。2027年から急激に少子化を迎えるので、どの私学も教育のクオリティアップを全方位に行っています。従来は、どの教育活動に力を入れているかをアピールし、それに賛同する生徒を獲得する戦術でしたが、少子化になった時、それでは多様な生徒に共感を得られません。

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★それに東京の私立中学と私立高校がほぼすべて集結しているので、各学校のブースの容積は小さいわけです。学校説明会のように1時間1回説明するというわけにはいきません。ですから、シンプルな対話とシンプルな資料で受験生がその学校の教育の雰囲気や質を鷲づかみできるように創意工夫がなされていました。

➊基礎学力

➋探究

❸英語とグローバル教育の関係

➍イノベーション(ICTベース)

❺国内外及び医学部の大学合格実績

❻➊から❺を反映する学校の顔としての入試制度

❼➊から❻を通して現れる在学中の生徒像と卒業後の人間像とそれが生まれる学校文化

➑全体を通して伝わる教師の対話力とその学校の教師のメンタルモデル

★これらすべてが、10分前後の対話で行われます。それぞれの項目の意義やプログラムデザインは各学校違います。私学の先生方の力量はさすがです。

★もちろん、これらをすべて均等に話すことはできません。どこかに重点を置きながら、あとは実際に学校説明会でということになるでしょう。

★そして、ここにきて、大学進学は極めて重要になってきました。

★今までは、受験指導と教育は一致してこなかったのです。受験指導は予備校でもできるが、教育は学校だという考え方が通説でした。

★しかし、大学入試が大きく変わってきました。学校の教育活動の中で、どのように成長してきたのか、そして大学入学後どのような活躍をするのかその見通しをみる入試も現れたのです。その割合も年々増えています。生成AIの登場はそれを加速させています。

★これによって、受験指導と教育活動は一致してきたわけです。ですから教育活動と大学合格実績は相関性が高まっているのです。

★したがって、すでに多くのメディアが扱っているように受験業界の在り方もおのずと変わってきています。その教育活動をサポートし、学校と共生ができるかどうかがカギになってきています。

★本日も2万人以上の参加者が予想されています。まだまだ猛暑は続いています。熱中症対策には互いに心配りをし、大いに私学の雰囲気に浸りましょう。

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2025年8月22日 (金)

東京私学教育研究所 初任者研修を終えて 「希望」②

★ある意味、偏差値競争の次元は、ディストピア的な状況になってきています。経済格差、体験格差、ハラスメント、不登校、いじめ、学校の法化現象、教師不足など巷に溢れています。格差をつくる人と格差をなんとか突破できる人と格差の抑圧を被る人と遠くの話ではなく、身近な話です。そして同時に世界的な問題でもあります。このディストピアをプロトピアの次元に変える動きが2015年に1stStageで生まれ、それが私立中学や私立高校だけではなく、大学や政府の中にも広まってきたわけです。したがって、SDGsの達成年である2030年に向け、次元は2edStageに移行しつつあるわけです。

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★しかし、まだ全国私学がそうなっているわけではありません。まして全国公立学校がそうなっているわけではありません。一方で世の中は2050年の3rdStageへの動きも生まれています。

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★それは、上記の3冊の本などで描かれています。国>自治体から国<自治体という動きです。そして、その自治体の意味も変容するのが3rdStageです。そのとき教育はどう変容しているか。

★そんな25年も先のことをと思う方もいるかもしれません。しかし、私立中学や私立高校の今目の前の生徒が2050年には30代後半から40歳を超える立派な大人になっています。今目の前の生徒たちが、2050年年というプレ22世紀社会を構想しつくっているのです。

★どんな社会を?ディストピアかプロトピアか?

★一部の層がハッピーであるディストピアか多くの人がハッピーなプロトピアか、全員がハッピーと感じるユートピアか。

★それを踏まえていまここで教育をどうするのか?

 

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★そんな思いを共有した初任者研修だったと思います。答えは何も出ていません。しかし初任者の先生方が、共に私学教育をDE-SIGNしていこうという気運が生まれる可能性を感じました。「希望」の醸成。初任者研修委員の先生方そして応援に駆けつけてくれた学校づくり研究会の先生方ありがとうございました。

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東京私学教育研究所 初任者研修を終えて 「希望」①

★今週は木更津アカデミアホールで2泊3日の初任者研修を行いました。そして今福島にいます。こちらは福島県私立中学高等学校協会の研修会です。4つの部会のうちの1つ「教育課程部会」で日本私学教育研究所の伊東竜さんといっしょにWS型講演を5時間くらい行います。日本私学教育研究所は、全国を13ブロックに分け、それぞれ初任者研修を行っています。東京もその一つのブロックで、東京私学教育研究所に実施を任せられています。そんなわけで、伊東さんは東京の初任者研修にも、両方の研究所の所長である平方邦行先生のサポートも兼ねて参加していたのです。

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★日本全国の私学と東京の私学とでは、私学教育市場の状況がかなり違うので、初任者プログラムのデザインが違います。全体の傾向は、どうしても公立優位のエリアにあって、私学の魅力を打ち出し、教育の質を向上させていくか、そのための技術を磨くのかというデザインになります。

★その方向性は、東京も同じなのですが、その質のあり方が以前と違っているのです。それは公立優位のエリアで質を向上させるという時の質は、どうしても偏差値競争の中で優位性をどうつくっていくかということになります。ところが東京は2015年前後から、脱偏差値路線が生まれ、グローバル教育(2011年より前は国際理解教育で、グローバル教育とは言わなかったのです)を行うことによって、次元を変えてきました。

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★すべての私学がそれぞれの偏差値を超える魅力の光を放つ動きに転じたのです。少し強引ですが、戦略的に行ったのは、偏差値に関わらず東大を超える大学に合格するグローバル教育をDE-SIGNしたのです。東大や従来の早稲田・慶應(今はかなり違います)に合格する勉強は、海外大学に進学する勉強とは違います。

★前者は知識と論理的思考を鍛えるということです。後者はボランティア(世界のボランティアは日本のボランティアイメージでは捉えられないインパクトがあります)などの自己と他者の関係性の世界を作り上げるイニシアチブと論理的のみならず批判的・創造的思考力を身につける必要があります。つまり、建学の精神に基づいた先見性・先進性のある独自の教育環境DE-SIGNがストレートに海外大学進学準備教育になるのです。この教育は、現状の学習指導要領にはないものです。

★ところが、東大、従来の早稲田・慶應などへの進学準備は、学習指導要領に盛り込まれている知識と論理的思考の枠組みの中での競争です。私学の教育の一部の教育で競争するのです。するとシビアな状況では、私学の教育の魅力よりもその大学受験勉強でできるだけ難問を解けるようにする職人的技術の磨きが必要になるのです。

★ところが、この職人的技術は、それは世界の仕事の歴史を見ればわかるように、栄光盛衰があります。残念ながらこのすばらしい強力な職人的な受験技術は世界ではあまり重要ではなくなりつつあります。従来の受験領域における偏差値(偏差値自体は統計処理の道具ですから使い方によては、才能を見出すこともできるのです)とはこの職人的技術力の差分というわけです。

★東京の私学は偏差値に関係なく、私学の独自の魅力で東大や早稲田・慶應以上の力があるとみなされている世界の大学に大量に合格するようになりました。だからといって、海外大学がよくて国内大学がよくないなどとは言っていないのです。ただ、偏差値競争の次元から抜け出る戦略的教育環境DE-SIGNなのです。

★しかし、戦略ではなくそれを支えることができた本質的な教育が大事で、やはり私学全体がそして各私学がすてきなチームとして在り続けることが大切なのです。そこで、チーム作りの基本である心理的安全に基づいた対話とその対話によって自分事としての課題意識や発想がブレイクスルーする対話環境の1つとしてOST(Open Space TechnoLogy)をベースに初任者研修を東京私学教育研究所は初任者研修委員の先生方(各私学の先生方から公募で委員になってくれる方々)とプログラムのストーリーを作成・実施したわけです。OSTは本当に希望を生み出す場の力があるというのを今回も実感しました。次元を超える希望ですね。

★そして、この次元を変える作業を日本全国の私学で行うミッションを抱いて、平方所長率いる日本私学教育研究所は動いているのです。その研究所のメンバーの一人が伊東さんであり、平方所長は東京私学教育研究所の所長でもあり、そのメンバーの1人である私もたまにこうしておせっかいをやいている次第です。私もトリムタブでありたいと。

※デザインとDE-SIGNの両方の表現を使っていますが、後者に破壊的創造のデザインコンセプトを込めています。DEは「脱」という意味もあります。

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2025年8月19日 (火)

プロトピアスクールモデル(04)新しい考え方をアップデートしていかざるを得ない

★今の世の中、通念としての倫理を平気で踏みにじる事態が頻繁に起きています。倫理を犠牲にすることを厭わない人に対して、倫理が大事だと指摘してもなす術がない状態が続いているわけです。ウクライナやガザの事態はまさにそうです。しかし、身近なところでも多くのハラスメントが起きているわけです。これに対し倫理は大事だけれど、それを説いていても押し切られるだけです。ですから、押し切られないようなシステムや道具、制度などをDE-SIGNすることがポイントになります。そのためには、まず世の中どんな考え方があるのか?相手の考え方に対してDE-SIGNしていくわけです。

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★世の中の思想潮流にどういうものがあるのか?リバタリアンとかリベラリズム、コンサバなどの従来の教科書にある考え方では収まりきれない状況なので、生成AIにまとめてくれるようにプロンプトしました。それが上記の一覧です。

★それぞれの思考の社会リスクや思考システムの特徴を生成AIなりにまとめてくれるわけです。STEAM教育を推進している私などは、その背景にテックライトがあると気づかされ、ちょっと驚きつつ、なるほど情報倫理だけでは防ぎようがないものがあると再認識した次第です。

★しかもテックライトには批判的思考が前面に出てきていないので、「情報」という教科には、情報倫理の授業は大事だけれど、批判的思考を養う授業が必要だとも気づきました。

★しかし、よくよく考えると日本の学習指導要領では論理的思考は前面に出てきますが、批判的思考はあまりでてこないですね。創造的思考は最近でてきましたが、創造するには批判的な視点は欠かせないはずです。ですから、学習指導要領にないのではなく、論理的思考や創造的思考のプロセスででてくるから暗黙知としてスルーされているのでしょう。

★テックライト以外は批判的思考が重視されていますが、日本の教育では、明快にそれが学習の項目になっていない可能性があります。イギリスでは、クリティカルシンキングというのはロジカルシンキング以上にでてきます。

★上記の表ではユートピア主義の潮流は少ないですが、ディストピアとプロトピアと生成Aiが判断する潮流は多いですね。プロトピアは、ディストピアとユートピアの両義性を持っているので、クリティカルシンキングは必要です。

★クリティカルシンキングの教育システムは、倫理を犠牲にされない一つのこれからのDE-SIGNになるかもしれません。

★私立学校におけるプロトピアスクールは、かくして一つの潮流を主張するのではなく、すべての潮流をクリティカルシンキングしながら、信頼性のある正当な道を探しながら進むということになります。結果的にアップデートが頻繁に起こるということです。もちろん、建学の精神は根底にあるので、核になるものは変わりません。このことが倫理ということになるのでしょう。

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2025年8月18日 (月)

プロトピアスクールモデル(03)立命館慶翔の話を聞いて

★7月後半から8月いっぱいにかけて、日本私学教育研究所(全国私学対象)と東京私学教育研究所(東京私学対象)は、多様な研修を実施しています。両研究所の所長は平方邦行先生。したがって、所長は全国を飛び回って講演活動を一年中行っています。明日からは、東京私学教育研究所の初任者研修が2泊3日で行われます。東京の研究所も、すでに理事長校長部会と教頭部会の宿泊研修は終えています。ですからその都度研修の背景ビジョンの一貫性を確認するために、平方所長とは対話をするわけです。

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★この理事長校長部会、教頭部会、初任者研修のうち初任者研修は、全国の初任者研修とも関連しています。前者2つは東京私学教育研究所独自で行うのですが、初任者研修は、日本私学教育研究所と東京私学教育研究所が東京の独自性を前提にしながら協働します。そのため、平方所長以外に東京の初任者研修担当の日本私学教育研究所の所員伊東さんとも対話をしていきます。

★その対話の中で、北海道地区研修会で行われた初任者研修の話がでました。伊東さんは札幌の研修会もサポートに行ったそうです。平方所長の札幌での講演と明日以降の東京で行う講演の内容の調整をするのが対話の目的だったのですが、お二人は、その研修会の分科会の1つで立命館慶翔中学校高等学校の講義も興味深かったというのです。聞いた限りでは、相当おもしろいなあと感じました。

★というのも、2027年以降少子化が激しくなり、今以上に私立学校の募集状況は厳しくなります。東京も急激に厳しくなると予想されています。しかし、北海道はすでに厳しい状況に置かれています。しかも、札幌は北嶺など勢いのよい私立学校もありますが、まだまだ札幌南や札幌北など公立高校が優位で、私立学校全体では決して順調とは言えないのです。

★その中で、立命館慶翔は、定員充足率は100%を超え、東大や京大にも合格者を出し、医学部医学科には65名も出しています。これだけ言うと、難関大学に合格するための教科別学力を集中している勉強をする体制のように思えるかもしれませんが、実は学際的な学びやグローバルな学びも充実していて、上記の座標でいえば、Ⅰ象限もⅡ象限もⅢ象限もⅣ象限も全部やっているのです。

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★ですが、北海道の進路観は、まだまだ第Ⅲ象限です。ⅠからⅣ象限全体を見回す視座はあまりないわけですね。北海道の各自治体は、札幌南や北のような大学合格実績がよい公立高校が存在していて、北大か医学部というのが道内エリートのコースです。このエリートのイメージは、上記のマトリクスのように、ざっくりではありますが、日本的です。

★ところが、立命館慶翔は欧米のようなエリート観もあるのでしょう。明快にあるかどうか聞いた限りではわかりませんが、ⅠからⅣ象限すべて行っているということは、世界で通用するエリート像もあると言えます。ただ、エリートはいずれにしても支配層になるので、そこはジェントルマン教育が欠かせないとなります。渋谷教育学園幕張のいうノーブレスオブリージュですね。

★なぜ全部やるのか?受験生・保護者は先の座標のすべての象限にいるのですから、それぞれのニーズをリサーチして、入試制度を柔軟につくっていくわけです。

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★東京では、2011年から生まれてきた21世紀型教育が2015年からパンデミックを経てその存在を受験市場で支持されるよういになりました。上記の座標でいえば、第Ⅲ象限を20世紀型教育とし、第Ⅰ象限を21世紀型教育とする認識が広まりました。2021年には21世紀型教育を行っているところの多くは世界大学ランキング100位内や200位以内の海外大学にたくさん合格するようになり、脱偏差値を標榜しました。

★ただし、これは東京の受験生がまだいるという事情だから、市場をそのように分ける戦略ができたわけです。ですが、日本全国では、そうはいきません。ですから立命館慶翔のようにすべての象限を行うというダイナミックなことが必要になります。

★東京も23区以外は、すでに北海道のような状況になりつつあります。特に西エリアである多摩地区ですね。そこで勢いを維持しているところは、やはり立命館慶翔のようにすべての象限を行うダイナミズムを起こしています。工学院や明星、駒沢学園女子などがそうです。

★ただ、東京のそのような学校は、2030年に向けて2ndStageに進んでいます。もはや20世紀vs21世紀という感覚はありません。おそらく立命館慶翔もそうなのでしょう。

★今目の前の中高生は、2050年には、40歳近くになっています。その時、21世紀後半、つまり22世紀に向けて新しい社会を構想し構築しているのは、今目の前の中高生なのです。ですから、上記の座標のどの象限を教育するかという選択戦術の話ではなく、すべてやる。インテグレートするという2ndStageに進み始めているのでしょう。

★そんな感じを平方所長と伊東さんと対話して感じましたが、インテグレートでは、上記の座標は固定化されたままです。そこで平方所長は東京で3rdStageを構想し始めました。ただ、研究所は思想として構想することはしないのです。東京の研究所は東京私立中学校高等学校協会に所属する部署なので、東京の私立学校全体の具体的状況をリサーチしながら、ユートピアではなくプロトピアを構想するというやり方です。インテグレートからフュージョンへとなると新しい化学変化が起こるであろうという予想を立てながら、どう融合していくか、目には見えない多様な教育活動要素をつないでいく作業が始まります。

★明日からの初任者研修は、その見通しとを立てる意味でも手ごたえを感じ取る意味でも大切な機会です。初任者の先生方と2ndStage、3rdStageを共創していくわけですから。

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2025年8月17日 (日)

プロトピアスクールモデル(02)湘南白百合 夏の活動 生徒の発信の魅力

★湘南白百合の夏も、すてきな多様な活動が満載だったようです。お茶大との化学実験をテーマにした高大連携や東京農大と逗子開成、カリタス、関西の学校などと拡大高大連携によるオホーツクまで旅をして探究する活動。出発時、ちょうどあのカムチャッカの地震があり、心配でしたが、探究は無事終えたようです。自然を学ぶ研究の意味を改めて学ぶ瞬間でもあったでしょう。順天堂大学とは本郷ともコラボして体験型の医療教育の学びも行っています。マルタ島に旅立ったチームもあります。何より毎日のように校内では、部活動や文化祭への準備が展開していたようです。

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同校サイトを訪れると、このような活動のファクトだけではなく、その意義やどんな気づきや成長があったのかなど臨場感ある文章を、在校生が頻繁に表現していることに驚かされます。400字から600字くらいの字数でコラムさながら執筆しています。

★主張と根拠と裏付けが明快で同校の教育活動の魅力が目の前にパッと現れてきます。論文ではないので、異論反論に対する反駁要素はあえて控えている気づかいがあり、そこもまた魅力的です。たとえば、文化祭のいざないの文章では、文化祭に興味のない受験生もいるかもしれませんが、そのような生徒も来てみたくなるようなトリガーを仕掛けています。こんなふうに。

「聖ポーロ祭では、生徒による公演や展示、体験などを楽しめるだけでなく、普段は気づきにくい生徒の雰囲気や学校の魅力に触れることができると思います。」

★こんなところにも目に見えないものを大事にしたり、目からウロコを示したりした聖ポーロ=使徒パウロの精神が根付いているのかと湘南白百合の教育の奥行きの深さを感じ入りました。そもそも使徒である聖パウロは、新約聖書の半分に相当する部分を書いている聖人で、パウロなくしてキリスト教の布教は広がらなかったと語り継がれています。湘南白百合もまたその系譜なのですね。

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2025年8月16日 (土)

プロトピアスクールモデル(01)工学院大学附属 教師も生徒も何といっても校長も毎日ライティング発信

★ユートピアとは、今のところ実現できない夢のような理想郷。それに対し真逆は自由で楽しそうに見えるけれど背後で抑圧されていてそうさせられているのに気づかないディストピア組織。さらにもっとひどいのは、終戦80年のいまあのときを振りかえればよくわかるし、ウクライナやガザの状況をみれば、胸がひき裂かれる思いをしている自分だけれど、結局なにもできないでいるみじめな自分。そんなことを思っているときに、工学院のサイトを見たときに、はっとしました。

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★工学院の生徒たちは、国内外で真剣に自由に楽しんで探究しています。その様子を毎日ブログで更新しています。一人の教員が行っているのではなく、同行した教員がみな表現しているのです。また、生徒自身も表現しています。さらにバリのグローバル探究MoGに同行している中野校長もnoteに毎日のように表現しているのです。

★事実だけを書いているわけではありません。短いけれど感情や共感、未来への見通しを綴っています。いまここで起こっていること実現していることをエッセイライティングよろしく綴っているのです。

★いまここから未来が開かれる現実態。これをプロトピアといいます。中野校長は日々1ミリでよいから変わっていることを見逃さないことですと語り、田中歩教頭は、その変化がセレンディピティを生み出している。そのことを大切にしようと語っています。

★最近は、世界中で今ここから予想もしないことが起こってしまうことに不安が高まっています。にもかかわらずそれを前向きに変えていくには、互いに痛みを共有し、それを解消することを今この瞬間に思考の深みにダイブし、そこから光を生み出すストーリーを共にデザインする挑戦を論より証拠行動に移すという構えが大事なのでしょう。

★なぜそんなことをするのか?哲学対話も工学院ではし続けています。問いが大事なのですが、問い作りで立ち止まっているわけではないのです。正解のないより良き世界を創り続けるストーリーを編集することは人間の証明なのかもしれません。

★ストーリーを創り続ける作業こそ心をゆさぶる喜怒哀楽すべてを生み出す感動体験です。

★これを教師と生徒とそして校長もライティングという同じ地平で共に「手仕事」をしているのです。AI先進校であるからこそ、この「手仕事」を大事にし、この小さなストーリーをそれぞれの内面に大きな物語として生成していくのでしょう。プロトピアスクールのモデルです。

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2025年8月15日 (金)

茶道を愛する私立中高一貫校が考えるグローバル教育 柳宗悦流儀

★湘南白百合の茶道部が自分たちの活動を同校の公式サイトや公式SNSで発信しています。カトリックと茶道。ミサの聖餐式が茶道のお点前と類似していると言われたりするときもありますが、要は文化を超えて普遍的な心のカタチというものがあるのかもしれません。工学院の茶道部、富士見丘の茶道部、駒沢学園女子の茶道部、共立女子の茶道部の話を拝見したり聞いたりした時がありますが、やはり同じ感覚を得ました。いずれも破格のグローバル教育を行っているところです。

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(写真は湘南白百合のこうしきSNSから)

★ドイツの哲学者であるマルクス・ガブリエルがこの茶道をはじめとする日本の道の哲学は、東洋の世界と西洋の世界を融合する可能性があるというような趣旨を最近語っています。

★実は1928年に柳宗悦は著書「手仕事の日本」で、次のようなことを語っています。

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吾々はもっと日本を見直さねばなりません。それも具体的な形のあるものを通して、日本の姿を見守らねばなりません。そうしてこのことはやがて吾々に正しい自信を呼び醒まさせてくれるでありましょう。ただ一つここで注意したいのは、吾々が固有のものを尊ぶということは、他の国のものを謗るとか侮るとかいう意味が伴ってはなりません。もし桜が梅を謗ったら愚かだと誰からもいわれるでしょう。国々はお互に固有のものを尊び合わねばなりません。それに興味深いことには、真に国民的な郷士的な性質を持つものは、お互に形こそ違え、その内側には一つに触れ合うもののあるのを感じます、この意味で真に民族的なものは、お互に近い兄弟だともいえるでありましょう。世界は一つに結ばれているものだということを、かえって固有のものから学びます。       柳 宗悦. 手仕事の日本 (pp.185-186). 青空文庫. Kindle 版.

★日本におけるグローバル教育の精神は、すでに柳宗悦がちゃんと語っていたようです。マルクス・ガブリエルによってまさに呼び醒まされつつあるのかもしれません。

★柳宗悦の「道具」観は、手段とか物という意味を超えて、たとえばメガネがその人にとってはすでに身体化しているように、存在の延長であるように考えていると思われます。

★東洋と西洋の架け橋かどうかはわかりませんが、唯名論と実在論などの普遍論争に身体化という文化システムで新たな道を開いているという意味で興味深い考え方かもしれません。

★そして、ノミナリズム的AIに対して身体化システム文化の道の哲学は新しいデジタルネイチャーの考え方(これについては落合陽一さんのアイデアに近いのでは)を広めそうです。その起点が私立中高一貫校の道の学びにある可能性が大です。

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2025年8月14日 (木)

駒沢学園女子 新タイプ入試とグローバル探究の結合

★この夏、理事長校長研修会で、駒沢学園女子の土屋校長に、何気なく貴校の英語入試やプレゼンテンション入試などの新タイプ入試が入学後の教育とどんなつながりになるのか尋ねたところ、翌日丁寧なメールをいただきました。わかりやすく詳しく書かれています。土屋校長は日頃から校長ブログも書かれていて、書く力を校長自ら教員や生徒と共有しているリーダーです。そのままご紹介します。

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 英語による入試およびプレゼンテーション入試を導入している目的

本校は、地球市民としての使命を果たし、世界の平和のために行動できる力を育んでいくことを大切に考えています。
それには単なる知識量で測ることはできない、「考え、伝える力」が必要不可欠です。入試から、その力を重視し、入学後も探究活動やプレゼンテーションを中心とした授業を通して幸せに生きる力(社会を幸せにする力)をつけていく教育を実施していきます。

① 中学3年生で全員がいくシンガポールとマレーシア修学旅行
生徒の気づき、例えば、
・「シンガポールのトイレは綺麗だったけれど、マレーシアのトイレは汚かった」という気づきから、「なぜ?」と探究していく。そこにはシンガポールの国家戦略があるということ、またマレーシアのイスラム教文化に水洗いの文化(ホース利用)があって、それが影響しているのかもしれない、といったことに、どんどん気がついていく。(生徒の発表より)
・シンガポールで、「影がない!」と、喜ぶ生徒。影の長さ、という身近な発見を、三角比と太陽高度の計算にあてはめて考えてみる。また、日本とシンガポールの自然環境の違いから、エネルギーの持続可能性について考える、といった探究の入り口となっていく。(生徒の発表より)
生徒たちは、生成AIも活用しながら、学びに広がりを持たせて、新しい知を獲得していきます。

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② 4年目の高校1年生からは、ライフデザインと、コマジョクエストという2つの探究授業があります。
そのうちのライフデザインは、女子教育に焦点を当てた、生き方を考える学びです。仕事、結婚、出産、子育て……人生のターニングポイントで、後悔のない選択をしてほしい、ライフデザインの隠れたテーマは「これが私の生きる道」です。
生徒一人一人が「自分がどのようにいきたいのか」を深く考え、将来の人生設計、ライフデザインを構築していきます。
社会課題やグローバルな視点をあわせ、環境問題やジェンダー、金融教育等を探究し、地球市民として自分が社会とどうかかわり、どのように生きていくかを、考えていきます。

例:社会人として現役で働いている卒業生から、働くうえで性差の違い、働きやすさ、働きにくさについての話を聞く体験を通して。
・バスガイドとして働く卒業生から、バスの運転手(男性)優位の理不尽な暗黙のルールを聞き、今でもそのような社会があることに、生徒は驚いたようだった。(我々教員も知らない世界であるため、いろいろな学びを卒業生から得ている。)バスガイドの服装についてもパンツを可とする取り組みについて、どのような活動をしたか等の実体験を聞いた。

例:社会を変えた憧れの女性、というテーマで人物を選んで、探究し、今、自分の生き方を考える、例えば(生徒のレポートより)
・「マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)」
女子にも教育を受ける権利がある、と訴え、社会は教育によって変えられる、というメッセージを発信している。
・緒方貞子
世界の難民支援に尽力し、日本人女性として初めて国際連合の要職を務めた人物であり、日本女性のグローバルリーダーとしてテーマに選ぶ生徒は多い。「一人の行動が世界を動かす」ということばを残している。
上記のような女性の生き方、その発信力、その影響について、生徒たちは感銘を受けたり、深く疑問をもって考えたりを繰り返す。そして、自分事として、「今、この瞬間自分の立ち位置で、何ができるのか、」を考えていく。
自分がするべきことを、国境を越えた広い視野で考えてもらいたいと思っています。

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③ このように、世界的規模で自分の考えを持ち、世界に発信していくために欠かせないのが、英語によるディスカッションやプレゼンテーション力です。
英語クラスは、英語での探究を実施しています。スピーチ発表で、外部のChange Maker Awardに挑戦する予定です。

高校1年生の3学期に英語クラスの生徒全員が行く、海外(NZ)ターム留学で、生徒の世界観は確実に変わっていると感じます。担任の話では、なお一層、批判的思考をする生徒が増えてきているという話ですが、担任はそれこそが良いチャンスで、学びであると考えているようです。
視野が広がることで得られる、いろいろな揺らぎも経験させたいと考えています。(担任談)実際には、英語クラス設置2年目で未知の世界ですが、生徒の成長は大きく、進路についても新しく道が開けてきていると感じています。

英語探究で培った学びを生かし、英語力とプレゼンテーション力を使った大学入試(海外大学の進学も視野に入れて)に挑戦しようという生徒が増えてきています。

英検準1級に合格し、1級狙いの生徒もでてきています。英語クラスは現高2からが第一期生ですが、今後がとても楽しみです。

★先生方と生徒が一丸となってグローバル探究と海外研修を創りあげている勢いを感じます。この文章以外に精緻なプランも一覧になっているものもいただきました。いずれ同校の先生方が発信するでしょう。楽しみに待ちたいと思います。

★大胆かつ緻密に計画がたてられ、さらにそのプロセスで生徒一人一人が成長している姿を温かい眼差しで包み込んでいる教育。土屋校長先生、お忙しい中本当にありがとうございました。

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2025年8月13日 (水)

AIをマネジメントできる人間力を生み出す教育をさがす・つくる・おこなう

★2050年に孫が30歳になった時、彼らには、どんな社会が待っているのか、あるいは彼らはどんなふうに社会を良き方向に進めるのか、そして新しく創る楽しみと苦労をするのか。それはわからないのです。ですから、せめて2050年にできるだけ善き社会を用意しておきたいし、良き方向を見定める柔軟で強い意志と感性を持ってほしいし、新しいものを生み出さるイノベーションとソフトパワーを鍛える環境をさがしたいし、つくりたいし、おこないたいわけです。現状でどんな教育や学びができているのか、すでにインターネットの世界には山ほど智慧が蓄積されています。

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★私がとやかく言うよりは、生成AIがどこまで情報を蓄積しているのか、それを活用してみようと思い、「ハワードガードナーのマルチプルインテリジェンス(MI)の8つの知の<体験>をすることが好奇心・共感性を生み創造的思考・論理的思考が豊かになっていく図を作成してください」とプロンプトを書き込んだら(claude)、上記のような図を描いてきました。

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★そしてこのMI体験を教育デザインしたり、子供が学んだりする体験を私たち地球市民がデザインしたりするとどうなるのか、「教師による本質的教育デザインと生徒の本質的学びのプロセスの相乗効果が生徒一人一人の進路の見通しを生み出し、その結果大学合格実績が飛躍する図を描いてください」とプロンプトを書き込んだら、また上記のような図を描いてくれました。

★つまり、私が考えるようなことは、すでに世間知となっているわけです。これを実行している教育機関をさがし、なければつくり、おこなうだけなわけです。生成AIは良きパートナーになるでしょう。というかそのようにマネジメントするわけです。

★各家庭が全部つくり、おこなうのは難しいので、有効な教育機関を探すことも必要です。2050年を担うことになる目の前の子供たちの教育と学びの環境をデザインするのは、学校と各地球市民の協働作業です。教育はある意味公共知です。研究もやはり公共知です。このような公共知を求め、共創していくことにつながる進路選択とその結果としての進路実績を生み出す協働作業を行う教育機関を探すことが肝要です。

★でも、その教育機関に丸投げするのではなく、あくまで協働していく姿勢が大切な時代になってきました。忙しくてできないという家庭もあるでしょう。実は地域の図書館の施設空間では、自治体が動けば、そこを補完できます。実際行われ始めていますが、言語と創造性とイノベーション(特に生成AI)をベースにしたMI学習環境には至っていません。ここは進化させていきたいところです。

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2025年8月11日 (月)

インターナショナルスクール化する私立中高一貫校の次 3rdStageから今を(了)ムーンショット計画の背景にあるコンセプト広がる

★5年後の2030年は、SDGsの達成年。達成しないかもしれないし、達成したとしても、それでグローバルゴールズの方向性が完成することにもならないでしょう。そのことはすでに予想されていて、その先の2050年までに、このSDGsにデジタルネイチャー要素を前面に出して、社会と自然と精神の循環社会を構築する多様なテクノロジーの開発計画が実施に移されています。その計画の1つがムーンショット計画です。

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★このことについては、首都圏模試センターの取締役・教育研究所長北一成さんが、同社発刊の情報誌をはじめ、いろいろなところで解説しています。中学受験業界ではすでに2030年後の時代を読むビジョンとして広まっています。

★また、その方向は学者の世界でもいろいろな角度から論じられています。代表的な書籍は次の3冊です。

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★国連は2050年までの予想を次のように描いています。

2009年まで、農村部で暮らす人々の数は都市住民を上回っていました。現在では、世界人口の55%程度が大小の都市に暮らしており、都市化率は2050年までに70%近くに達すると見られています。都市人口増大の大部分は中国、インド、ナイジェリアをはじめ、出生率が依然として高いアジアとアフリカで生じることになります。

移住と同様、都市化についても国と地方自治体による効果的な管理が必要です。現時点で、都市は世界の陸地面積全体の2%未満しか占めていないにもかかわらず、全世界の国内総生産(GDP)の80%と、炭素排出量の70%以上を占めています。都市化の速さと規模は、十分な住宅やインフラ、輸送の確保だけでなく、紛争や暴力という点でも課題を突きつけています。「都市貧困層」に分類される人々は10億人に迫っていますが、そのほとんどは都市部のインフォーマルな居住地で暮らしています。 (国際連合広報センターのサイトによる)

★SDGsの目標とは真逆の姿です。SDGsの目標達成をユートピアとすると、この状況はディストピアまっしぐらです。そのため、当然見識者の皆さんはプロトピアという現実的な理想郷をつくる多様なテクノロジーと哲学を実装する啓蒙とプロトタイピングを実践しているわけです。

★実際にムーンショット計画も多様な研究とその成果の実装が進んでいます。

★しかし、その計画だけですべてがうまくいくわけはありません。2050年に向けて、田園×都市の関係性をどのように構築していくかは、2050年の社会を実際にマネジメント、プロデュース、創造的破壊を行っているのは、今の中高生です。ですからそれを自覚的に教育環境をデザインしている私立学校の教育がカギになるわけです。

★ですから、2030年以降は、3冊に込められているような哲学とテクノロジーを自分なりの価値創造を生み出せる教育環境デザインが進むことになります。もちろん、このようなムーンショット計画や啓蒙書が生まれているわけですから、3rdStageへ私立学校は創造的破壊のダイナミズムを生み始めています。2026年中学入試は、ここが受験生(時事問題や新タイプ入試で)・保護者(実際のビジネスの中で)に意識され始めるようになっていくはずです。

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★実際に、幼稚園の選択で、ここを考える保護者が増えています。バリのグリーンスクールのサマーキャンプ体験やマレーシアのインターナショナルスクール体験などをしたりもしています。このような保護者は、当然インターナショナルスクールと同質のグローバル教育を行っている私立学校を探しています。しかも、海外に行ったときに、今抹茶などが人気なように、意外と日本の文化の重要性にも気づくので、東洋と西洋の架け橋になるような日本文化も融合させたグローバル教育を行っているところを探しています。

★グローバル教育を行っている学校も、実は、「東大・早慶・医学部・海外大学」に明快に寄っている学校もでてきました。一方で海外大学・早慶に多く入学させながら2050年の新しいテクノロジーと社会の構想を考える研究やスタートアップを中高時代に体験できる3rdStageにいち早くシフトチェンジしている学校もでてきました。富士見丘、工学院大学附属、文化大学杉並、聖学院、八雲学園、和洋九段女子、駒沢学園女子が代表的な3rdStage先進校です。

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2025年8月 9日 (土)

インターナショナルスクール化する私立中高一貫校の次 3rdStageから今を(04)2ndStageへ 大学入試も変わる

★2027年9月に東大が開設するCollege of Designの入試問題は決定的に大学入試を変化させる可能性大です。総合型選抜とか学校推薦とか一般選抜の区別が問題の質でもはやなくなるときが来てしまいます。総合型選抜とか学校推薦型入試とかは、単に年内入試という位置づけです。難度は違いますが、一般選抜と何ら変わらなくなります。

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★上記の図は、College of Designの入試の基本要素を抽象化したものです。日本の学習指導要領と外国の学びの環境の違いによって、入試の条件は変わりますが、それは大学入学共通テストかIBやAレベルなどのスコアかの違いで、あとの基本要素は変わりません。

★これは2027年の1月に行われますから、時期としては一般選抜のカテゴリーに入ります。

★2026年以降の大学入試は、それぞれの要素の難度は、大学によって違うでしょうが、ともあれ、これらの要素の組み合わせによってつくられます。

★今までの一般選抜は、この要素のうち大学入学共通テストを難しくした大学の独自入試が行われてきたわけですが、これらの6つの要素のうち1つの要素の難度で偏差値が決まってきたというのが実情で、そのような入試では、もはや未来を創る研究者やスタートアップ人材を育てることはないという認識が確定してしまったということでしょう。

★もちろん、今までは大学に入ってからこのような人材を育てようだったのですが、18歳成人の時代です。高校からそのような学びをやってきてよということです。生成AIの登場で、デジタルと学びはもはや融合するのだから、何とかなるでしょうということなのです。東大の藤井総長をはじめ、DLX Design Labの教授陣は、高校生に呼び掛けて、すでにこの路線のプロジェクトを動かしはじめました。

★東大は別にどうでもよいのですが、影響力はありますから、追随する国公立、Beyondしようと早稲田・慶應に続く私立大学がでてきます。

★もう大学入試のために勉強するのは教育ではないという馬鹿げた時代は終わるのです。学ぶに値する価値ある入試問題を出題する大学が増えればよいだけなのです。

★それによって、学校も働き改革がうまくいくわけです。シンプルに骨太の思考力と真善美を学ぶ教育をするとよいわけです。それだと皆画一的になってしまうと言われるかもしれません。創造的思考をちゃんとやれば、それぞれ学校の魅力がでてくるから大丈夫です。

★複数言語と数学と哲学と美学とAIを広く深く学ぶ中高時代がやってきます。こうして2ndStageは完成するでしょう。そして2030年からいよいよ3rdStageです。

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インターナショナルスクール化する私立中高一貫校の次 3rdStageから今を(03)2ndStageへ

★こうして、2ndStageに進むわけですが、1stStageは実は2015年に出現しました。このころ思考コードや21世紀型教育というのが生まれた時期でもあり、偏差値という一つの指標から多角的な指標で生徒一人ひとりの才能を生み出す学びが生まれてきた時期です。そのときはまだAO入試で、今のように総合型選抜のような認知度が高くない時期です。中学入試でも新タイプ入試(医学部のMMIのような)が生まれた時期でもあります。

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★だいたい創造的思考や4技能の英語力など大学に行ってからでよいと受験業界も考えていた時代です。それがパンデミックによって一変しました。またAO入試も総合型選抜に変更になり、急激に創造的思考や協働的学びが行われるようになりました。探究が始まったのも影響大だったでしょうが、オンライン授業が広がったのが大きかったのは無視できない事実です。

★そして、本質的には、エッセンシャルワーカーとしての医療関係者へのリスペクトが医療関係の仕事の新たな存在意義を掘り起こしたことも確かです。MMIが増えたのもパンデミックの影響は大きかったでしょう。

★そこに生成AIの誕生と東大のCollege of Design新設の話です。すでに早稲田や慶應は帰国生入試を縮小して、海外での学びや国内での国際的な学びの経験者を等しく対象とする入試を始めています。

★グローバル、イノベーション、そして何より創造的思考のベースになる哲学的思考が学びの前面にでてきました。当然2021年には、偏差値の高低関係なく、海外大学合格者がCreativeグループからたくさん出るようになりました。しかも、Advanceグループの中の開成や海城からも当然のように輩出されるようになりました。

★したがって、AdvanceグループとCreativeグループの図と地の交差が起こり始めたのです。そして、ここにインターナショナルスクールの数が増えたり、海外からやってきたり、オンラインでダブルディプロマを提供する海外の学校が増え、ますます私立中高一貫校はこの動きに対する対応戦略を練らなくてはならなくなりました。

★はじめは、インターナショナルスクールなど海外のカリキュラムや学びに学んでいましたが、海外大学に大量に入るようになった私立中高一貫校は、自ら1条校でありながらインターナショナルスクール以上の教育を充実させていきました。日本の坐禅や茶道をはじめとする道の哲学が、東洋の文化と西洋の文化の架け橋になる可能性が見えてきてもいます。欧米では、「西洋の敗北」という本がベストセラーになるぐらいです。

★そういう意味では、私立中高一貫校のインターナショナルスクール化が進んでいます。しかし、その逆転が2050年までに進むことでしょう。

★その象徴的な動きは、あのイギリスのレッチワースの田園都市計画の現代版が日本で進み始めていることや落合陽一さんのデジタルネーチャーという発想や安宅和人さんの最新刊である<「風の谷」という希望>という書籍の出版です。

★私立中高一貫校は、すでに3rdStageに動き始めていますが、2030年から加速するでしょう。

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インターナショナルスクール化する私立中高一貫校の次 3rdStageから今を(02)医学部合格の意味

★前回「互いに図と地が交差し始めているのが1stStageの現状です。Advanceグループは、英語に力を入れるだけで、実はCreativeグループにもなれるのです。実際地の領域で、相当英語をやっています。巣鴨や本郷はその典型的な例です。」と書きました。図と地の交差の話をもう少ししましょう。

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★この表の中で開成と海城、渋谷教育学園グループ、巣鴨、攻玉社は、Advance型であると同時に、「東大、早慶、医学部+国際教育(端的に海外大学準備教育も射程範囲)」というBalance型グループです。ルビンの壺の「図」の部分にこのキーワードが明快にはっきり表れています。巣鴨は、最近生徒が東大よりも医学部志向だし、国際教育の力の入れようが、首都圏男子校の中では聖学院、佼成学園に負けず劣らずです。ですが、基本Advance型です。

★本郷は、「東大、早慶、医学部」が図として見えている典型的なAdvance型に見えますが、実は中学までにかなり英語の教育にも力を入れています。受験英語以上の英語教育がなされています。骨太の論文編集も中学までに終えます。完全中高一貫教育になったこともあり、そこらへんは中学までにみっち行うわけです。本数検など、数学にも力を入れています。AI時代に数学的思考は必須です。

★また、順天堂と高大連携もしていますから医学部への進路指導も充実しています。そして、この医学部進学の準備というのには、今後ますますMMI対策が必要ですから、この教育が本郷で行われていないはずがないのです。

★このことの重要性は、MMIは、論理的思考力かつ発想力、そして何よりケアとコミュニケーション能力を求めていて、小論や面接は、いわゆる総合型選抜や東大の外国学校卒業生対象入試、2027年開設のCollege of Designで課される入試問題の質とほぼ同じなのです。

★ですから、ルビンの壺でいう地の部分は、Creative型の教育を着々と実施しているのです。

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★逆に広尾学園は、Creative型であると同時に、Balance型のグループです。Creative型の学校は今やたくさん現れていますから、その中から広尾学園のようになっていくところは今後増えていくでしょう。

★このAdvanceとCreativeの図と地が交差している段階が現状の1stStageです。

★ここにインターナショナルスクールが立ち上がったり、海外からやってきたり、オンラインでダブルディプロマを提供する動きが加わってくるのです。2030年までに、この動きを迎えうつ動きが私立中高一貫校側でも加速します。これが2ndStageの始まりです。

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2025年8月 8日 (金)

インターナショナルスクール化する私立中高一貫校の次 3rdStageから今を(01)

★2050年、私の孫は30歳になっています。またいとこたちもそのくらいになっています。そのとき私自身はとっくに80を過ぎていますから、存在していないかもしれません。どんなふうに成長するのかそれは本人の私事の自己決定ですから私がとやかくいうことではありません。ただ、大変な時代ではありそうです。せめてディストピアにはしたくないのですが、とはいえ、私に何ができるわけでもないのです。トリムタブになれればそれでよいでしょうが、それも難しいかもしれません。しかし、プレトピアとして2050年は小さな希望の光を輝かせていてほしいと思います。

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★そして、その希望の光を生み出すのも孫たちですから、せめて孫たちが希望の内なる光を放てるような何らかの力を身につけられるような準備はしておきたいなあと。それもおせっかいといわれるかもしれませんが。

★いずれにしても、現状の首都圏の私立中高一貫校(1stStage)が、5年たった段階で、2ndStageに移行するでしょうから、その場を孫たちが楽しみ有意義に暮らせるような力が生まれる環境が現状必要です。

★!stStageの首都圏私立中高一貫校は、現状では「東大・早慶・医学部」というキーワードが図に出てくるグループと「Global・Innovation・Philosophy」が図に出てくるグループとにわかれます。

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★しかし、これは2015年より以前とは様相が違います。それまでは、両方のグループは、それぞれの地が見えなかったのです。ところが、総合型選抜や医学部でMMIが行われるようになると、Philosophyの部分は、デザイン思考やシステム思考やSELなどという名称でPhilosophyの現代化が行われるようになっています。

★ですから、互いに図と地が交差し始めているのが1stStageの現状です。Advanceグループは、英語に力を入れるだけで、実はCreativeグループにもなれるのです。実際地の領域で、相当英語をやっています。巣鴨や本郷はその典型的な例です。

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2025年8月 7日 (木)

聖学院の相互存在の価値を生みだすイノベーション教育

★聖学院の山本周先生(情報・数学教諭・GIC担当)のfacebookの投稿を拝見しました。北区という地域とデジタルクリエイターの方と小学生のロボット作りの地域連携ワークショップを行ったようです。高2(たぶんGIC)の生徒が中心となって行ったようですが、中2の姿もあったということですから、チーム聖学院で実施したのでしょう。

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(イメージはbing)

★周先生によると、「中2の生徒がどうやって声かけようか、サポートしようか悩みながら頑張っていました」とあります。周先生の教師の眼差しが温かいし、生徒の主体性を見守るその眼差しによるファシリテーションがさすがです。

★また、「生徒たちが地域をはじめとして外の世界と接続しながら、自らの言葉と技術で問いに向き合っていく姿に大きな可能性を感じました。
こうした実践が学校の枠を超え、地域や社会と連動する学びの核になっていくことを目指し、今後も各分野との連携を一層深めていきたいと考えています」と生徒の姿に触発もされています。ファシリテーションも、教師と生徒の相互ファシリテートになっているのが、聖学院の教育の強みですね。

★さらに「DX教育ユニットは、単なるデジタル化ではなく、「つながり」を軸にした新たな価値創造の土台です。これからも、生徒とともに、その先の未来をかたちにしていきます!」とあります。チーム聖学院からグローカルチームへの拡張を見通しているわけですが、聖学院のチーム作りは、SELだけではなく、周先生のようなイノベーション側からのチーム作りの流儀が融合しています。

★おそらく、周先生のチーム作りはGoogleのプロジェクトアリストテレスのリサーチ成果も織り込み積みでしょう。

★それから、「生徒間での連絡・連携が不十分なところもあり、ご迷惑をおかけしているところもありますが、それも寛大な対応をして頂けるジェイトエルさんに感謝です」とあります。タレント・テクノロジー・トレランス(寛容)の3Tもまたクリエイティブな力の源ですね。

★それにしても、「価値創造」を大事にしているとは!さすがです。学びのゴールは、自分と他者が互いに存在の息吹を豊かにしていく「価値創造」です。

★アントレプレナーシップとしては、その価値は「交換価値」でしょう。あるいは商品のバリューでしょう。哲学的にはかけがえのない存在価値でしょう。キリスト教的には、「隣人愛」ということになるのでしょう。

★礼拝から始まる聖学院は、哲学的・文学的・文化人類学的な国語やりべラルアーツやイマージョン英語授業などなどとつながっているこのようなイノベーション教育の土台となっています。実にブドウの樹液のように循環する生態系(聖体系)として年々豊かになっています。

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2025年8月 5日 (火)

インターナショナルスクール化する私立中高一貫校

GLICC Weekly EDU 第224回「2027年以降に変わる中高生の学び」で、GLICC代表鈴木さんと対話をしました。2027年東大が開設するCollege of Designの影響について語りました。あるいは、すでに時代の流れがあってそれを東大が受けとめている可能性があり、その流れは何かについて語り合いました。

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★私立中高一貫校を選ぶ時、どのキーワードで選ぶかは、最近では大きく2つに分かれています。「東大・早慶・医学部」Aグループ、「Global・Innovation・Philosophy」Cグループ。そしてもちろん、その両方を収めているBグループもあります。

★Aグループは言うまでもなく、「東大・早慶・医学部」へのキャリアデザイン教育が学校文化として根付いています。Cグループは、新興勢力が多いため、東大レベルの海外大学進学準備教育がまず優先的に構築されています。

★しかし、College of Designの出現によって、Aグループも、大学の英語による講義に対応できる言語能力を身につけられるカリキュラムをつくる(これはAグループであっても意外とすぐにできるところもあります。オンライン英会話や生成AI英語授業をすでに行っているからです)ようになります。いわば、どちらもインターナショナルスクール的な教育が広がります。

★また、哲学については、Aグループも、「哲学」という言葉は使っていなくても、すでに授業の中で展開されているところもあるのです。「思考のデザイン」「深堀りの思考」「知の探究」「世界のルールを創る」「正解のない問いに向き合う冒険」などのコンセプトを授業に埋め込んでいる先生方も多いでしょう。これはまさに哲学なのです。

★したがって、インターナショナルスクールの日本上陸が多くなっていますから、AグループもBグループもCグループも結果的にそれを向かいうつ動きになるのかもしれません。これは競争というより共創ということになるでしょう。

★それから、早稲田大学や慶應義塾大学は、すでにインターナショナルスクール的な学びを体験している生徒を受け入れる流れをつくってきていますから、実質私立中高一貫校はインターナショナルスクール化しつつあるのだと思います。

★そして、日本独特の私立教育文化と融合するので、もしかしたら、今度は逆に海外の教育に影響を与える知のインフラを生み出す可能性がでてきました。

★この独自のそれでいて世界に通じる知のインフラを生み出すことが、未来の教育の新局面をつくることになるかもしれません。

★対話の中で話題にした具体的な学校名などについては、動画をご覧ください。

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