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2025年7月26日 (土)

グローバルリーダー育成とは実は2050年社会のリーダー育成(01)どんな学校がモデルになるのか?

★グローバルリーダー育成とは、東京の私立学校なら、文言は違っても、どこの学校も使命感を抱いています。とはいえ、もしも東大をはじめとする超難関大学が2015年前の段階の組織づくりをしていた場合、その使命を必ずしも実現する場ではなくなるかもしれないという不安は膨らむ一方でしょう。ですから、2015年から私立学校の中には海外大学進学準備教育を大胆に進めてきた学校も多かったのです。海外の大学も射程に入れるキャリアデザインか、国内超難関大学だけを射程に入れるキャリアデザインか?

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★しかし、東大が2027年9月からCollege of Designという学部を新設することによって、この不安は払しょくされる道が急激に開けたのです。その理由は何であるのか?それは東大の総長藤井教授が多くで語っているので、私が説明するまでもないでしょう。

★東大のサイトで、この Collegeの目的を見てみると、次のようにあります。

 A new kind of college for our changing world

社会は、これまでの枠組みを超え、世界の人々とともに、未来を創造していくリーダーを求めています。UTokyo College of Designはデザインを、様々な学問分野から得られる知識を融合して社会貢献へとつなぐ効果的な手法と考えています。人や社会に接して共感すること、ビジョンを構想すること、プロトタイプを作って現実世界でテストすること、チームワークで多様な意見を生かすことなど。

デザインにはイノベーションを生むための多様な方法論が含まれます。 UTokyo College of Designは、深い知的好奇心と、実践的な行動力を備えた、次世代のイノベーターを育成します。UTokyo College of Designは、秋入学を採用し、授業をすべて英語で実施します。そうすることで、世界中から意欲ある多様な学生が集まる場所を目指します。

★多様な分野の知識を「融合」して世界を変える未来を創造していくリーダーを育成するというのです。これは東京私学教育研究所所長平方先生が3年前から、上記のような図を描きながら、私立学校の未来のビジョンを説いてきた考え方にほぼ一致します。

★平方所長は、2013年に工学院大学附属の校長に就任して2020年まで在職している間に、まだ日本の大学がこの域に達していないこと、つまり「論理的思考」だけではなく「創造的思考」も入試で問うアドミッションポリシーが前面にでてこないこと、英語の4技能を前面にうったえていないこと、PBLがまだ行われていないこと、ICTの重要性が見えていない点などを見抜き、これらを前面に中高の段階で打ち出す21世紀型教育を実施し、海外大学進学準備教育を押しすすめ、実績を出してきました。

★そして、東京私学教育研究所所長に就任してからは、このビジョンを東京の多くの私立学校の理事長校長と議論し、共有してきました。しかし、生成AIが登場し、内閣府主導のムーンショット計画が現れることによって、新しい22世紀型教育を模索するようになり上記のような図でビジョンを表現してきました。

★そして、東大のCollege of Designの登場です。今後この流れは日本の各大学に波及していきます。いやすでに、早稲田大学や慶應義塾大学は、先に進めているかもしれません。

★しかも、College of Designのアイデアは、日本の大学進路指導で、国内大学×海外大学準備教育の「融合」キャリアデザインを果たしてしまうという優れものです。世界レベルの研究機関が日本に広がり、しかも、AIによって、ムーンショット計画にあるように、すでに時間も場所も超えて活動できるようになるのですから、生成AIの社会実装以前と今では、グローバル教育やSTEAM教育、アントレプレナーシップ教育など、2015年から現れてきた教育の在り方がまるで変わります。

★英語と数学と生成AIを自在に使うことによって、専門的知識を学際的に「融合」する創造的知性=ワールド・メーキング・ウィズダムを育てることが、新しい2050年社会のイニシャチブをとる22世紀型社会リーダーを育成することになるでしょう。

★そんな遠くの話と思いますか?今目の前の中高生が2050年になると、その生徒はみな40歳前後に成長しています。つまり2050年社会のリーダーになっているはずなのです。「いまここで」このような22世紀型社会リーダーを育てる教育は、即「未来」につながっています。青年即未来とは、麻布の創設者江原素六の言葉です。私学人とは本当に凄いですね。

★さて、ではどんな学校がそのような教育を実施しているのでしょうか?グローバル教育に力を入れている学校は、言うまでもありません。しかし、実に興味深いのは、東京の男子校はすべてこの未来を切り開くリーダー育成の教育をすでに行っていたのです。足立学園や佼成学園、巣鴨、本郷が人気があるのは、受験生・保護者がそこに気づいているからですね。もっとも、本郷は、御三家や駒東、海城のように男子校ブランドという理由で選ばれている要素もありますが、足立学園や佼成学園、巣鴨のように、進歩主義的男子校というイメージも兼ね備えています。

★グローバル教育推進校は共学校が多いですね。女子校は、グローバル教育路線と男子校路線と伝統型路線の3つに分かれていますが、苦戦している女子校の中で人気のある女子校の共通点は、山脇、三輪田、湘南白百合のように3つとも「融合」した新しい教育を実現しています。

★グローバル教育と探究とSTEAM教育の三本柱は、確かに進歩主義的教育で人気を獲得していますが、2026年からは、それだけではない新しい教育の在り方が生まれてきます。いやすでに生まれています。夏の間は、ここら辺を思いめぐらし、メモしていこうと思います。

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