私立中学校選択 氷山モデル(10)心理的安全を大事することは大切だが、弱さを受け入れられる関係性に偏るのは危険 そこをマネジメントするスーパーモデルに学ぶ
★学校の教育の質が豊かになっていくには、何と言っても対話型組織であることが肝心なのです。そのとき心理的安全性をベースにする学校が多いですね。それはとてもよいことなのですが、何でも使い方を間違えると意図しない方向にいきます。工学院大学附属中学校の教頭田中歩先生は、英語の教師でもありますが、ベースに心理学の素養を持っています。だから、心理的安全性のデザインには大いに気にかけます。
★心理的安全がある意味人気があるのは、「弱さを受けいれられる」環境をデザインするからですが、弱さとかその逆の強さとは、誰かに比べてで、あまりよい表現ではありません。自分が弱いと思っているのだけれど、そこに配慮の視点があるというのはその人にとって価値観が横たわっています。それを受け入れられる環境をデザインすることのほうがポイントです。
★田中歩先生は、2027年から東京大学がCollege of Designという新しいコースをつくるときの入試問題を、おそらく東大の今までの帰国生や留学生の入試の小論文のような内容が出題されるだろうと考えています。
★同校ではAレベルを取得できるシステムがありますが、これに挑戦している生徒は真摯に思考に没入し、必死に表現をするそうです。この環境をデザインずるとき、弱さや強さを受け入れるというのではなく、その生徒の燃えるような情熱や没入挑戦の行動プロセスにエールを贈り、受け入れる物理的空間や対話の空間のデザインマネジメントこそ大切なのだと語るのです。
★世の中は、そのような前向きの人間に対しルサンチマンを発動し、そうでない自分を弱い(弱いのではなくそのように感じるセンサーや視点という重要な感覚を持っているのにそれをリフレクトせずにるだけ)と感じ、その弱さを受け入れるところを探しがちです。もちろん、ルサンチマンは人間の本性みたいなものですから、それを受け入れる環境はとても大事です。
★しかし、ルサンチマンという精神の構造=メンタルモデルにマスクをかけて受け入れるというのは心理的安全ではなく、むしろじわじわとメンタルを崩していきますから、危険なのです。
★心理的安全性を対話によって担保できると語る方もいます。私もそう語っています。しかし、その対話がクリティカルシンキングや自由に発言することを規制する安全担保を行っては元の木阿弥です。わかりやすさ、心地よさのパラドクスですね。
★あらゆるものには、次元やレイアーがあります。異次元や一つのレイヤーの中で安心安全でいるのは、むしろ閉塞状況を生み出します。
★心理的安全のマネジメント力の高さこそ教育の質を豊かにする力の1つです。心理的安全基盤装置をマネジメントする静かな情熱。田中歩教頭がスーパーモデルです。
| 固定リンク
「中学入試」カテゴリの記事
- 中学受験 学校の選び方の変化(5)将来どんな起業家になるのか 私立学校によって違う(2026.09.04)
- 中学受験 学校の選び方の変化(4)品川女子学院の起業マインド ONETESの記事が気づいたこと(2026.09.01)
- 中学受験 学校の選び方の変化(3)大学の多様な改変にますます接続しやすくなる私立中高一貫校(2026.08.31)
- 2026東京都私立学校展 2日間で 参加者45,000人超える(2026.08.30)
- 駒沢学園女子 9月5日(土)中学説明会でAI体験!大切なアイデンティティ問題をAIを通して(2026.08.30)
「創造的対話」カテゴリの記事
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
- 本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る(2026.08.19)
- 本質ベース教育(2)圏論がIBLと集合と関数を結び付けるコア・ループを見つける(2026.08.17)



最近のコメント