通信制高校をめぐる状況 個別最適化と協働的学びの一体化や主体的・対話的で深い学びの設定をメタ認知するサインを送っている
★次期学習指導要領に向けて通信制を巡る状況について整理をしようという動きがあります。このことはこれからの日本の教育の在り方を考えるうえでとても重要です。学習指導要領では、個別最適化と協働的学びの一体化や主体的・対話的で深い学びが推進されていますが、よくよく考えるとすべての生徒が学ぶ枠組みが学習指導要領という同じもので、個別最適化を行うことや、与えられた教材で主体的であれとか、検定教科書で限られたコンテンツを設定していながら、それを超えて深い学びを行いなさいとは、ミニマムの基準を示したものであるといいながら、なかなかの矛盾でもあります。
★通信制に通う子供たちは、発達障害や自閉症の側面から語られることが多いのですが、私自身は、ハワード・ガードナー博士の多重知能の理論で理解しようと試みてきました。多重知能は8つに分かれていますが、博士自身そのカテゴライズは迷っていたわけです。
★ですから、この8つの知能が必ずしも正解ではないと思っています。
★全日制高校に通う多くの子どもは、この8つの知能のどれもが優れているというわけでもなくどれも極端に不得意だというわけでもない生徒が多いのです。それを前提にしながら、その平均的な段階からどれか1つか2つ自分の得意な才能を開花するのが中高時代の学びの経験の重要なポイントです。これに応じて、進路も決まっていくというわけです。
★中には、その一つがぶっちぎり優れているいわゆるギフテッドがいます。万能者というギフテッドもいます。後者は全日制の中でいわゆる優等生として認められることが多いでしょう。前者は、全日制ではあまり居心地が良くないという生徒もいます。そういう生徒は通信制高校に通うことが確かにあります。しかし、このタイプの通信制高校生はそれほど多くはないでしょう。にもかかわらず、通信制を巡る話は、このタイプの生徒を想定しているかのような議論が多いのです。
★しかし、実態は、8つのの能力のほとんどがうまく表現されていない生徒が多いのです。その原因はいろいろあります。その原因のいくつかが発達障害とか自閉症とかパーソナリティー障害という身体現象として現れてきますが、これは本当の原因ではないのではないかと私は仮説を立てています。
★というのも、学習指導要領が設定した枠組みからはみ出ているだけで、設定外の才能はある可能性があるのです。多重知能なのですから8つではなく100であってもよいのです。
★ただ、現状それが見つかっていないだけだというのが私の仮説です。
★私が理事として経営をサポートしている学校も通信制コースを持っています。そこで奮闘している先生方は、学習指導要領で設定された学力の個別最適化もサポートしますが、フッサールの現象学的な哲学の研修を日大文理の先生方に定期的に受けながら、学力というものや才能というものや性格というものなどを現象学的還元をしながら、世の中ではなかなか認められていない生徒独自の才能を見出すサポートをしています。
★制度上週に3日通学するとか、オンラインで行うとかありますが、それはそれぞれの生徒の全日制の生徒のようにはいかない身体的・心理的な状況に合わせてカリキュラムの時空も個別最適化し、さらにその生徒の持っている才能を発見する個別最適化もサポートしています。
★次期学習指導要領に向けていくら審議がなされても、ミニマムのカリキュラムコンテンツを前提にしていると、まったく見えないものが現場にはあることを見落としてしまう可能性があるのです。
★ギフテッドと2Eギフテッド以外にもまだ見ぬ才能者であるギフテッドというのが、本当は全日も通信も関係なく全員の生徒が当てはまるのです。ただ、全日制は、身体的にも精神的にも人間関係的にも、今の学習指導要領が設定している時空で生活することが困難ではないということだけなのです。もちろん、収まりながら個々には微妙な違和感があるわけですが、そこは自己調整機能が働いているわけです。
★ところが、ギフテッドや2Eギフテッドや発達障害という状況にある生徒は学習指導要領が前提とする時空に収まることができないのです。しかし、それは学習指導要領の設定自体に問題があるという見方をするほうがよいでしょう。プロクルーステースの神話を思い浮かべなさいというメタ認知を示唆しているのが通信制を巡る状況でしょう。
| 固定リンク
« デジタル教科書 10年をかけて制度化がみのるも、生成AIの登場で時代錯誤になる可能性大 | トップページ | 聖学院 GICのリベラルアーツ システム思考が展開している その意味は重要 自分ごとが生み出す世界を変える意志 »
「創造的才能」カテゴリの記事
- 2026年のビジョン ポスト・メタモダニズム?(2026.01.05)
- 問いは命がけ トゥーランドットの3つの問いともう1つの問い(2026.01.04)
- 【謹賀新年】判断のコンパスは変幻自在だけれどフレームは変わらない(2026.01.01)
- 【今年を振り返って➋】グリコのおまけにヒントあり?旧友がお前の話は「おまけ」の比率が高すぎるぞと。(2025.12.30)
- 【今年を振り返って】学校選択の決め手:対話をするとき3タイプの理解方法を柔軟に融合する教師がどれくらいいるか?(2025.12.29)
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 問いは命がけ トゥーランドットの3つの問いともう1つの問い(2026.01.04)
- 2026年中学入試(15)富士見丘 慶応義塾大学とコラボする画期的デザイン思考ワークショップ(2025.12.24)
- 2026年中学入試(12)工学院 学びの桃源郷(2025.12.23)
- 2026年中学入試(11)和洋九段女子 新しい女子校姿(2025.12.22)
- 2026年中学入試(08)富士見丘の帰国生応募者数増加の理由(2025.12.20)
「高校入試」カテゴリの記事
- 2026年中学入試(22)富士見丘 コロンビア大学合格 アイビーリーグの大学(2026.01.13)
- 【今年を振り返って➋】グリコのおまけにヒントあり?旧友がお前の話は「おまけ」の比率が高すぎるぞと。(2025.12.30)
- 【今年を振り返って】学校選択の決め手:対話をするとき3タイプの理解方法を柔軟に融合する教師がどれくらいいるか?(2025.12.29)
- 2026年中学入試(17)昭和女子学附属 パワフルガールススクールとして新たらしい女子校のマインドとシステムをデザイン 受賞される(2025.12.28)
- 2026年中学入試(16)国立音楽大学附属「KUNIONミライ探究」 学際的プログラムのエンジンに音楽の響き(2025.12.28)
「聖パウロ学園」カテゴリの記事
- 縄文式土器と弥生式土器と生成AI(2025.12.16)
- 通信制高校をめぐる状況 個別最適化と協働的学びの一体化や主体的・対話的で深い学びの設定をメタ認知するサインを送っている(2025.06.14)
- 聖パウロ学園の20%ルール授業 目からウロコ!(2025.06.12)
- 聖パウロ学園 森の教室と探究と20%ルールの授業の希望(2025.06.12)
- 聖パウロ学園 グローバル×探究(PBL)×生成AI×パウロの森(2025.05.25)



最近のコメント