私学経営研修会 青翔開智を見学 ボトムアップ型組織の探究
★鳥取で開催された私学経営研修会(一般財団法人日本私学教育研究所主催)のフィナーレは2つの私立学校の見学。私はオール探究を行っているとメディアでも注目されている青翔開智を見学しました。「探究」「共成」「飛翔」が建学の精神のキーワードの学校です。すべての授業を「探究」的なものにし、そこで協働活動の中で生徒1人ひとりが成長していく(共成)、そしてブレークスルー(飛翔)するという、建学の精神と授業がダイレクトに結びつく教育活動を見て、こうのような教育活動がいよいよ広まってきたという実感を持ちました。
★一般には、建学の精神>学校の3ポリシーに基づいたグランドルーブリック>授業のルーブリックとなるのですが、同校の理事長と校長は、自由の相互承認のために、グランドルーブリックは、学校があえて作らないということのようです。ダイレクトに建学の精神=探究のルーブリック。そして、学校のつくる建学の精神に基づいたグランドルーブリックは、その活動の中で、生徒1人ひとりが自分の中に生み出していく。それが青春時代の自分の学びの故郷の母校のイメージを主体的に創ることなのだということでしょう。
★要するにボトムアップ型学校組織ですね。トップダウン型学校組織が、ボトムアップ的なパーツを埋め込みながら、組織改革を行っていくのに対して、ダイレクトにボトムアップ型にしてしまうということでしょう。
★今回多くの校長先生方と対話をしましたが、さすがは校長先生方です。組織の在り方と探究のあり方の相互関係をどうチューニングしていくかという議論が展開されていました。最近は外部の探究コンサルタントがトレンドですが、名コンサルタントは、組織と探究のチューニングを学校全体で洞察し行動できるようにしています。逆に「探究」単体のシステムを持ち込み、この最強の「探究」システムを導入しなければならない(探究では「ねばならない」はカッコにいれるにもかかかわらず)と提案するコンサルタントもいます。最強ではない普通以下の「探究」を導入してくださいというよりはよいかもしれませんが。
★外部リソースを活用することは大いによいのですが、選択眼をどう鍛えるか。この私学経営研修会に参加する校長先生は、このようなご自身の選択眼を互いに対話しフィールドワークリサーチをし自己トレーニングしているわけです。選択眼のアップデートですね。
★それにしても、工学院大学附属の校長中野由章先生の質問力はすばらしかったです。見学が終わった後、質問シェアタイムがあったのですが、中野校長の質問は、ファシリテーター型の問いかけでした。たいていは自分の知りたいこと(What)やどのように組み立てていったのか(How)、どうしてそう考えたのか(Why)なのですが、中野校長は、参加者全員がその質問を聞いてインスピレーションを爆発させる問いかけです。
★問いとは、参加者全員に貢献するものがいいかなあという中野校長らしい気遣いです。さすが。
★会場は、メディアセンターを中心に回廊型の教室の配置です。そしてプレゼンテーションスペースはその中心にあります。重要な点は、図書の配置とそこに探究的な教科横断というか学際的な図書を生徒の目線に合わせて配列していところがすごいですねと。この知のアフォーダンスを仕掛けている先生はすてきですねと。すると各教科に司書教諭の免許を持った教師がいてその仕掛けを先生方と話し合って配置しているのですよと。
★一気に探究の発火点を生み出す「ギミック」を引き出したわけです。教科と探究の接点はいつも議論になります。しかし、それは実は簡単なことなはすです。かっこよくいえば文献リサーチをしたくなるようなギミックです。でも、最近の生徒は本を読まなくなったからとそこを避け、探究型動画やAIアプリを使うということもあります。
★なんでもありなのです。内発的動機付けや好奇心旺盛な躍動感が生まれれば。しかし、先生方はわかっています。書籍の情報の豊かさや深さを。だって、洞察した作家やチームがしあげたものです。何年もかけて積み上げてきたものを言語化したものです。そしてなぜか他の学習ツールより安いのです。であれば、間接的な環境をスルリと超えて、ダイレクトに書籍に向き合う瞬間をつくればよいわけです。でもそこに教師がこれを読みなさいといえば、それは介入することになるので、ダイレクトではないわけです。ところが、青翔開智は、あくまで生徒と本のダイレクトな出会いを仕掛ける。知のアフォーダンス型建築設計と司書教諭のコーディネートなどなどその出会いに密度の高い関係性が仕掛けられているのです。そういうことを中野校長は、参加者全員に一瞬にしてシェアする問いを投げかけたのです。
★くどくどと書きましたが、こんなことを一瞬にしてインスパイアーさせる中野校長のシンプルな問い。刺激的な学びとなりました。感謝です。
★今回も、なぜか示し合わせたわけでもなく、互いに自由に探索していたのですが、朝食時や移動バスの中で隣どうしになっていました。当然、おもしろい知のネットワーク満載の話を中野校長は話してくださいました。充実した研修!本当にありがとうございました。
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