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2025年3月24日 (月)

これからの教育(08)私立中高における主体的というコト 前提が「建学の精神ー寄附行為」という基準

★前回紹介した主体的というコトに関しての前提となる「学校」は私立公立問わず一般的な学校イメージで語りました。しかし、私立は公立と違って、学校ガバナンスは、「寄附行為」によって定められそれを遵守しながら組織運営をします。今回の私立学校法の改正によって、文科省が無意識なのか意識してなのかはわからないのですが、結果的に規制強化につながる点に関しては、私立学校がきちんと要望し続け、簡単に言うと交渉して、なんとかバランスが取れたのですが、この事実は意外と中学受験生や高校受験生は知らないし、塾関係者もあまり気にしないと思います。それが結構悲劇を生んでいるのですね。なぜ私立学校が脱偏差値を掲げるのかというと建学の精神を運営する基準である寄附行為があるのに、それを偏差値の基準に置換えられることは、文科省が無意識のうちに規制をかけてくるのと同じだからです。

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★そして、残念ながら私立学校の先生方の中にもあまり気にしないというケースがあります。それはなぜかというと大学の教育学部や教員免許を取る際に、個々の私立学校の寄附行為について学ぶということはありません。つまり、これらの機関はほとんどが公立学校の知識の伝授なのです。ですから、私立学校の先生の能力の問題ではなく、日本の教育学上、私立学校を専門に研究する人はほとんどいないのです。

★ですから、東京私学教育研究所とか日本私学教育研究所というのがあるわけです。私立学校研究家という存在は、日本のこの現状を補完するおせっかいということかもしれません。

★寄附行為というのは、企業で言えば定款のようなものですが、企業は出資者や株主が主体です。私立学校は、創設者が私財をなげうってつくるためにその寄附行為をそのまま名前にしている可能性があります。そして、理事会や評議委員は株主ではなく、理事長や校長のみならず、いろいろな見識者や同窓生、保護者からも成り立ちますから、実は受験生や保護者も広くその寄附行為の協力者だと考えてよいのです。

★もちろん、作ることにすべての受験生や保護者がかかわることはできませんが、協力するよという意思表明が、寄附行為の象徴である建学の精神を尊重するということなのです。

★学費は、法律上は、たしかにサービスと交換する代金と変わりませんが、文化人類学的には寄附とか贈与という商品交換以外に存在する経済のやりとりの行為が背景にあります。ですから、偏差値基準ではなく、「建学の精神ー寄付行為」の基準で学校を選ぶというのが本意なのです。

★というわけで、私立学校は、互いに学び舎を未来に永続するように作っていこうというお金だけではなく建学の精神を守っていこうという寄附行為によって成り立ち、この学び舎を守るためにリスクマネジメントとして国の定める教育関連法規と共に、独自の学校のルールがあるのです。

★ですが、その学校のルールは命令ルールではなく、教職員、生徒、保護者が互いに学び舎を守るリスクマネジメントする相互承認及び共有するルールなのです。そこが、世の中が批判する理不尽な校則とすり替わって議論されると私立学校現場は、圧力を受けることになるのです。

★今、私立学校でリーガルマインドやリベラルアーツとして法的思考が研修で学ばれているかというと、世の中がなかなか気づかなくても、この法的成り立ちの私立と公立の違いを自己認識しなくてはならないからです。

★ですから、このような私立学校における生徒の主体性の考え方は公立学校とは相違点と共通点を認識しながら議論をしていく必要があります。

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