2025中学入試動向(51) 教科の中学入試問題が安定的な問題に。新タイプ入試や大学の総合型問題の質に並ぶ市川の教科の問題
★毎年2月1日東京の中学入試の問題を観て、このような思考を喚起する問いに立ち臨むのは、小学6年生にとって幸せなことだ思うのが常だった。今回、市川の入試問題がワクワクするような思考を喚起する問題だったため、東京でもとワクワクしていたのだが、極めて安定した問いで、文句のつけようがないのだが、きちんと枠に収まる問題だった。ロジカルシンキングや記述はしっかりあるのだが、クリティカルシンキングという思考のコンピテンシーをみるような問いがあまりなかったように見えた。ざっと見たので本当は違うのかもしれない。
(作成はbing)
★思考のコンピテンシーであるクリティカルシンキングなどは、新タイプ入試、中でも思考力入試やエッセイライティングのある英語入試ではむしろ当たり前。
★最近の大学入試で総合型選抜だけではなく、総合型問題が個別入試で設定されるようになったが、ここではやはりクリティカルシンキングが必要になる。
★入試問題とその学校で学びたいと志望する生徒のタイプはある程度親和性がある。だから、生徒の才能のタイプの柔らかさがなくなるのは困るはず。
★最近は、模擬試験が本物以上に本物にできてしまうから、まるで模擬試験が入試問題で出されているような錯覚に陥ってしまう入試問題がある。受験勉強はやりやすくなるし、塾の指導もやりやすくなる。どことは言わぬが、これぞ中学入試というのに東京では今のところ出会ってない。
★学校は、その安定性にマッチングさせるのではなく、むしろその安定的な勉強の枠を外して広げる役割をもっていたはずだ。模擬試験が追いついたのか、学校が安定的になったのか。
★ちなみに、思考力入試のような新タイプ入試は、なかなか塾では対応できない。本質的な思考を喚起するから、そもそもマニュアル化できない。そのような問題を教科の入試問題でも出題するとよいのだが、ここは時代が変わったのか。
★もし変わったのだとしたら、その変化をどう読み解くのか。
★もしかしたら、教科入試のタイプが、共通テスト型タイプと総合問題型タイプの2つにわかれていくということなのかもしれない。そして新タイプ入試は総合型選抜タイプという感じになっていくのかもしれない。中学受験準備の学び方の変化が起きるのが2025年からなのか。今後入試問題をしっかり見ていきたい。
| 固定リンク
「中学入試」カテゴリの記事
- これからの教育(07)主体的というコト(2025.03.23)
- 2025東大合格者発表のシーズン(12)足立学園 4年連続東大合格者輩出(2025.03.21)
- これからの教育(05)聖学院 創発型教育活動②(2025.03.21)
- これからの教育(05)落合陽一さんの「第3のてこ」ヒントにアービトラージ学習(2025.03.21)
- 2025東大合格者発表のシーズン(11)筑駒117名合格、116名進学 公表される 聖学院の意義が光りだす(2025.03.21)
最近のコメント