2026中学入試準備(14)問いの循環思考が行われる授業 すてきです。
★前回は私立学校の先生方がどんな授業をしているか?について触れました。それは生徒自身による「問いの循環思考」が行われる授業だと。では、その「問いの循環思考」とは何か、私なりのイメージを図式化してみました。
★昨日は理数系の先生方でしたから、このブラックボックスである現象は、自然現象だったり、数理的せかいだったりします。まずAの段階では曽於現象を理解する問いを生徒共に考えていきます。知識のつなぎがわるいとエラーを起こすので、そこを調整していきます。
★しかし、なぜ調整できるかというと、その現象を生み出している「原理」があるからで、現象の中に矛盾が起きていることを問うことによって、その調整ができる原理を帰納推理と仮説推理で考えていきます。このBの段階では、帰納的にはカテゴリー分けと具体と抽象の関係ですね。そのとき、もしもこう分けたらとか、もしもこう抽象化できたらとかなどと仮説を立てていきます。
★検証は現象の中で起きている矛盾が解消することでひとまず原理にたどりつきます。あとは演繹的にその原理を具体に適用していくことになるわけです。この問いの循環思考ができれば最高なのですが、ここでとどまりません。
★その原理を生成する条件はさらに何か?といなるわけです。このC段階は、理数系では超難問です。すでに存在している原理ですから、それがなぜあるのかを問うのは、哲学の領域に入ってしまいます。
★今回は、理数系の授業から問いの循環思考を抽出したのですが、おそらく文系にもこの問いの循環思考は転移できると思っています。この転移によって文理融合の道が開けるのではないかと。
★ただ、文系的世界の社会現象や文学的現象を生み出す原理は多様です。ですから、それらをどうまとめるのかさらにメタ的にみる視点が必要になります。理数系では難しかった世界制作視点を見つけていく問いが立てられます。
★ところが、おもしろいことにこの世界制作の視点は理数系から提供されるものでもあるのです。世界は当たり前ですが文理融合的思考でできているわけです。文理融合ってこのように考えると、幼児期の非認知能力と認知能力の融合ということです。幼児期ははじめからこれらは未分化状態だったのが、成長するにつれ分裂し、そのままではなく、どこかで融合するのが人間的だったのでしょうが、どこかでそれができなくなったのかもしれません。
★AIの出現で、その融合という本来の人間回復が希求されてきたという時代かもしれません。
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