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2025年2月 8日 (土)

2026中学入試準備(01)私立学校選択に<ななさんの風>が吹く

★2025年中学入試は、2月11日麻布・開成・武蔵・筑駒などが一斉に新入試向け説明会を開催した時だいたい繰り上がりの動きは収まってきます。そして、すぐに2026年の中学入試の準備が各学校は始めます。たとえば、駒沢学園女子は2月22日にはやくも中学説明会・授業見学会を行います。グローバル探究×ZENの学校で、徐々に人気がでてきています。2026年に向け風が吹くでしょう。工学院も3月8日に入試報告会を行います。同校の入試はすべてが多様な才能の生徒に開かれた「才能発掘入試」です。強烈なファン層との絆が広がっています。新しい風が吹く準備を開始しています。多くの学校が、2月3月中に中学入試報告会など開始するのが、高校入試のイベントスケジュールとは違う点の1つかもしれません。

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★さて、この新しい風の正体は一体何でしょう。それは私立学校選択の新しい指標が確立したということだと思っています。上記の図のように、70%の中学受験市場と30%の中学入試市場という境界線が明確になったということです。この7:3の割合で中学入試市場に新しい風が吹いているということで、この風を<ななさんの風>と呼びたいと思います。

★昨日GLICC代表鈴木裕之さんと『GLICC Weekly EDU 第202回「2025年中学入試を振り返るー学校選びの”やばい”新指標」』で、この新しい指標を「やばい新指標」と題して対話しました。11時間前に公開したのですが、すでに400人弱の視聴者の方がいるのに驚いています。いつもは、1年間で200人くらいの方がご視聴している番組で。サレジアン国際グループや広尾学園の先生方がご登壇される時はたくさんの方にご覧いただきますが、私たち2人が対話する時は、何せいわゆる中学受験の話はしないし、ウダウダ話しているので、知る人ぞ知る動画なのです。だから、一日mたたずに2倍の方がご視聴されているということに驚かないわけにはいかないのです。

★鈴木さんは、GLICCという学習塾を経営していて、英語をベースにした学びに興味と関心がある生徒が入塾します。わかりやすい言い方をすると、帰国生入試、国際生入試、英語資格利用入試を受験したいという生徒が学んでいます。豊かな言語能力と高次思考力と非認知能力をトレーニングできる場です。スタッフは、鈴木さんをはじめ、みな英語が堪能で、ネイティブスピーカーの教員が多いですね。ケンブリッジ大学など出身のイギリス人の哲学英語の講座なども人気です。要するに鈴木さんの教育観は海外志向です。

★もともとは、大学の帰国生入試の準備講座からはじまったのですが、最近は大学もグローバル入試にシフトしてきて、それが中学入試に拡張してきたので、中学入試と大学入試のグローバル入試の領域がGLICCのコア事業だと思います。

★私は、広く日本の教育とこれからの世界の教育を眺めながら私立学校の動向リサーチをライフワークしているので、世の中の価値観の転換のところは鈴木さんと共感しています。ただ、鈴木さんの領域は、中学入試の領域では30%の市場ですから、70%の動向も考えにいれている私とは見方が違うところがあります。だからこそ2人で対話が、202回も続いているのだと思います。

★そんなわけで、鈴木さんとの対話を通して<やばい新指標>は<ななさんの風>だと気づきました。そこで、対話の時に用意した図に、気づいたことを加えて再編集しました。図の説明については、動画をご覧いただければお分かりいただけると思います。

★70%市場と30%市場のラインは、しばらく固定すると思います。30%の中学入試市場を形成している学校の教育の質がどんどん豊かになる時期が続きます。30%の中学市場で舞い始めた<ななさんの風>が<ななさんの嵐>になったとき、そのラインは動き始めるでしょう。それは2027年をまたなければなりません。

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