工学院 <社会課題—教科―学びの根っこ>のフュージョンな学び(FBL)
★昨日、工学院にお邪魔しました。教頭の田中歩先生と新しいリサーチ研究会を創発することに関しての対話です。歩先生の未来への理想は、学校現場の中から生まれてくるものです。現場では生徒一人ひとりの喜怒哀楽が湧き出ています。そこからモチベーションやクリエイティブティ、アクションが飛び出てきます。
★教頭歩先生は、それを仲間の先生方とすばらしい学びの泉にすべく日々奮戦しているわけです。その泉は、生徒一人ひとりの命の水です。人はパンだけでは生きていけないとは誰かが言った言葉ですが、まさに命の泉は、身体脳神経全体に流れるエネルギーです。
★歩先生は、この命の泉が生まれる環境を先生方がデザインするだけではなく、そのデザインをする知の仕組みを生徒全員一人ひとりが自ら身体脳神経全体に内蔵できるようにしたいと先生方と対話型組織をつくりながら計画を立て実行しています。
★先生方一人ひとりが身体脳神経全体に内蔵しているそのような環境デザインの智慧は、ふだんは見えません。ですから、対話型組織は、それを言語化・記号化して共有しています。それを生徒にもというわけですが、ただ言語化・記号化したものを見せるだけでは身体脳神経全体に内蔵(血肉になるという意味)されないのです。
★それには、社会課題と結びつく学びの外部環境をデザインして、多様な体験を生徒ができる学びの外部環境状況をつくる必要があります。モチベーションは非日常の時空から生まれてくる可能性があるのは、誰もが経験済みでしょう。
★そして、そのモチベーションが好奇心にシフトし3F(フラット・フリー・フレンドシップ)精神と3T(タレント・テクノロジー・トランスフォーメーション)スキルで探究心旺盛になっていくには、学校の内部環境である教科の授業同士の巻き込みデザインが必要になってきます。この内部の巻き込みを仕組みに変えるまでに工学院は10年かけてきました。
★この外部環境と内部環境のデザインの仕組みの持続可能には、毎年リフレクションして修正をかけていくところまでしなくてはなりませんが、そこは対話型組織ですから先生方は情熱的にイノベーションを展開しています。
★何より、歩先生は10年前から学習者中心主義というよりむしろ生徒中心主義者ですから、そのようなデザインの中で生徒が気づきを生んでいるだけでは理想ではないと。理想は、生徒全員一人ひとりが教師の外部や内部を巻き込んで学びの環境をつくる知恵そのものを身体脳神経全体に内蔵することなのです。そのためには、外部と内部を巻き込んだ多様な気づきの学びの環境デザインが必要だったのです。
★この<外部環境—内部環境―内蔵環境=社会課題—教科―学びの根っこ>のフュージョンベースな学び(FBL)を他校の先生方も巻き込んで日本の生徒一人ひとりが内蔵できるようにしようというのが、目の前の現場を通して未来に映し出される歩先生の理想だと対話しながら明快に気づきました。
★シンガポールやフィンランドの教育はたしかにすばらしいのですが、全人口が両国とも600万人いかないのです。日本は少子化と言えども、小中高生だけで600万人をこえます。この生徒一人ひとりの身体脳神経全体にこのような知が内蔵され、多彩な経験を通して、それぞれの知に変容していくわけです。日本の未来は希望に満ちているではないですか。
★歩先生のミッション・パッション・イノベーション・トランフォーションに感銘を受けました。
★そして、東京23区に比べ、多摩エリア、特に西の端である私立中学校群は、みな苦戦しています。工学院もその例外ではないのですが、受験生・保護者は中野校長と教頭歩先生とその仲間の先生方及び生徒の3F精神と3Tスキルが創り出すステキな雰囲気にセレンデピティを感じ、これだと思ったといいます。
★このエリアの中学入試において定員充足を導く学校運営ができるリーダーシップは、実に貴重なケースです。もし工学院が港区にあれば、一気に高人気になるでしょう。地理的条件とブランド力だけで生徒は集まらない時代がもうすぐやってきます。工学院に学ぶことに気づいた人は幸いです。もっとも、点だけ見ていても何も見えないのですが。。。
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