2025中学入試動向(15)はやくも昨年比113.6%の立教女学院、はやくも出願を締め切る女子学院
★2月1日に実施される立教女学院の入試の出願数は昨年を上回り、1月15日現在段階で113.6%(首都圏模試センター調べ)。この段階では他校はまだまだここまで追いついていない。一方、女子学院の出願は早くも締切り、昨年比99.7%。2名減少しただけ。他校のように出願締め切りを1月25日以降に設定していれば、昨年を超えるはずだが、そこはあっさり。実は立教女学院の帰国生入試も2月1日だから、他校のようにそれほど多くはない。かつてのように2月1日以前に実施していたらたくさん出願しただろうに。そこはやはりあっさり。要は両校とも複数試験はせず1回しか設けていないので、第一志望者を待っているよというメッセージが込められているのだろう。
(bing作成。両校とは無関係のチャペルのイメージ)
★それにしても、両校とも超然とした人気。立教女学院は米国聖公会にルーツがあり、女子学院は米国長老派にルーツがある。キリスト教学校の合同説明会などを行ているのだから、それぞれの派の色は前面にはでていない。
★プロテスタントの派を分類するのは、複雑で無理だし、日本にいるとクリスチャンスクールとしてまとめて区別はあまりしない。しかし、これがアメリカとなるとなかなか政治的にも複雑だ。そして、日本ではあまり区別はしないものの、学校文化としては同じプロテスタントでも違いはある。
★立教女学院は米国聖公会。米国の多くの大統領は聖公会に所属。長老派はカルヴァン派だから、改革派である。女子学院では宗教改革に想いをを馳せる礼拝があるぐらいだ。
★そういう意味では、世界の痛みの引き受け方が絶妙に違う。社会貢献に対する考え方が、それぞれの生徒によって違うのだが、グルーピングすると大きな違いがあり、その中で生徒ぞれぞれの個性が生かされている。
★両校とも独自の根源的な学びのベースが確固としてある。それに基づいてキャリア教育が行われている。立教女学院は60%強が立教大亜g区に進み、30%強が他大学に進学する。この30%は、女子学院の生徒に引けをとらない大学に合格していく。
★だから、教育とその成果をみるだけでは、本当はあまり違いはわからない。
★やはり両校の濃厚な建学の精神の違いが創り出している学校の雰囲気の違いが重要なのであるが、客観的に測りようがない。最も重要なところはやはり語り得ない。ただ、この重要なところを持続可能にしているということはとても重要である。
★特にこの2校については、この教育理念の部分を話すことができるから重要なのだ。受験市場は、経済合理性が働くから、虚郁の質の競争を生み出す力もあるが、一方で理念の価値をニュートラルにしてしまう危うさもある。説明会では宗教の話はしない方がよいとか、教育理念の話ではなくパーパスを話して欲しいと受験市場から暗黙の要望があるのも否めない。
★その様な中で、教育理念の話を前面にだしても、両校の高人気は続いている。とても重要な役割を果たしている学校だ。
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