« 2025中学入試動向(22)千葉エリア私立中学入試始まる | トップページ | 2025中学入試動向(24)駒沢学園女子生の応援メッセージ 柔らかく温かい »

2025年1月21日 (火)

2025中学入試動向(23)生徒が成長し続ける私立中学の仕掛け 今だからこそ「PBL×X」

★学校選択に関して、すでに志望校は決まっている時期であるが、まだ迷っているということもあるかもしれない。学校選択において、いろいろな視点があるが、その中でも自分の子どもが中高で成長し続け、卒業もそれを続けられるような学校で、自分の子どもに適いそうだという視点は重要だ。入学後、マッチングがうまくいかなかったかもしれないと思う場合もあるかもしれないが、それは他者と比べて色々判断する習慣がついているとそうなりがちだ。選択する時に、「自分の子どもの成長に適合するか」と「子どもの内面のその子ども以上の子どもの姿を見つめること」が大切なのかもしれない。もちろん、すべては出会いだから、これこそだという選択視点はない。だから多角的にみることが必要になる。

Photo_20250120091901

★ここでは、その中の成長という視点で考えてみたい。というのも、認知能力だけではなく非認知能力が大事だと最近よく言われているが、これは成長にとても大事な視点である。

★では、どうやって非認知能力や認知能力が豊かになっていくのか。それは達人としての教師との出会いがあることが重要であるが、それは全ての教師がそうであることは現実難しい。ベテランもいれば新卒の教師もいる。だからといってベテランが達人かといえばそうとも限らないし、新卒の教師が達人ではないとは限らないのだ。いっしょに走りながら生徒が成長していく姿を見守る新卒の教師だって実際いる。そして、その過程で急速に成長する生徒と教師。

★世代にかかわらず、そのような教師を採用するシステムという仕掛けを持っている学校かどうかは「成長」の学校選択視点にとって重要だ。

★それともう一つは、日々の学園生活の中に生徒が成長し続ける仕掛けとか仕組みが巧まれているかだ。それが「PBL型授業×X」なのである。PBL型授業だけでは、仕掛けとしては少し不足していることがある。とはいえ、PBL型授業を行っていると自然とXなるものが生徒の内面から生まれてくるのだが、そのPBL型授業という体験を通してでてくるものだから、気づく生徒とそうでない生徒に分かれてしまう。気づかなければ、一方通行型の授業の方がためになると思ってしまう生徒も出てしまう。

★したがって、PBL型授業を通してどの生徒も成長していく仕掛けとして、いくつかの言葉がある。「メタ認知」「心理的安全」「学習者中心主義」「マインドフルネス」「礼拝」「坐禅」「フィードバックループ」「リフレクションループ」「メタ対話」「瞑想」「茶道」「道」「チャレンジ」「共感」「チームワーク」「メンタルモデル」「自己マスタリー」「ミッション×パッション×クエスチョン×イノベーション」などなど。

★これらは、言葉や意味は違うが、幾つか組み合わせて、PBL型授業のプロセスの中に埋め込まれている学校がある。たとえば、文大杉並はDDコースで有名で、これはわかりやすいから実に人気の高い学校だ。すでに昨年を超える勢いの出願数。そして、このDDコースやそのエッセンスを学内に広めているのはPBL活動だ。「ミッション×パッション×イノベーション×感動」を埋め込んでいる。

★工学院も今年の入試で、出願数は日に日に多くなっている。学習者中心主義のPBL型授業と探究論文、グローバルプロジェクトという世界各地でアントレプレナーシップを発揮する活動は有名だが、学習者中心主義、心理的安全、対話、そして、ミッション×パッション×クエスチョン×イノベーション×コミュニティシップなどが埋め込まれている。

★和洋九段女子も今年の入試で、出願数は日に日に多くなている。PBL体験授業は毎回好評で、同校のすべての授業はこのPBL型授業。心理的安全、対話、そして、ミッション×パッション×クエスチョン×イノベーション×マインドフルネスなどが埋め込まれている。

★聖学院もやはり出願数は日に日に多くなっている。「礼拝」「聖書」という自らの内面を宇宙から観る視座が養われるのが背景にあり、そのうえでICEモデルPBL型授業を確立。「ミッション×パッション×クエスチョン×イノベーション×コンパッション」などが埋め込まれている。

★そして、このPBL型授業を通して、この4つの学校の教師も生徒も成長し続ける魂が生まれてくるファシリテーターやメンターやプロデューサーとしても育っていく。特に、フラット、フリー、フレンドシップという3f精神を内面からこんこんと生み出し、世界の痛みをクエスチョンとして鷲づかみにし、解決への道を世界を巻き込んで歩んでいく。肩書きリーダーではなくナチュラルリーダーして羽ばたいていく。

★この3f精神をリフレクションループによって内面に燃やし、世界の痛みをクエスチョンとして鷲づかみにする「ミッション×パッション×クエスチョン×イノベーション×n」を「世界制作知」と呼んだり「生命知」と呼んだりする。それが図の個人と宇宙をも含む全体を観る視座。この視座が、常に人間の周りを囲むそれぞれの世界層を一つ一つ乗り越えて、宇宙から自分を眺める世界を創出する智慧を生み出していく。

★ちょっと壮大だが、そのくらいイメージをワクワクとして膨らませるようになるとウェルビーイングは訪れる。入試直前の不安な気持ちをポジティブな気持ちに変換することを祈っている。

|

« 2025中学入試動向(22)千葉エリア私立中学入試始まる | トップページ | 2025中学入試動向(24)駒沢学園女子生の応援メッセージ 柔らかく温かい »

中学入試」カテゴリの記事