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2024年11月29日 (金)

2025年中学入試動向(20)異なる分野の2冊のスクランブルに建学の精神があることを実装している学校が重要か?ロールモデルあるなあ。A.T 先生とK.O先生

★文芸評論家の三宅香帆さんの本とReskilling Camp Company代表の柿内秀賢の本をザッピング読みをしました(時間もないというより集中力がないので。。。著者の方には申し訳ない想いです)。三宅さんの本は、「読書生活と価値観」の明治時代からの変遷史で、サブカルチャーの変遷史の本はよくあるのですが、読書ベースの教養文化の変遷史というのは目からウロコでした。柿内さんの本は、多くの企業のリスキングコンサルという生々しい経験値から抽出された視点に基づいたリベラルアーツが必要なんだというリスキングリーダーシップ論は組織脱構築リーダーシップ論という汎用性のある考え方だなあと感動しました。

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★三宅さんは、明治から今にいたるまで、私なりにすっ飛ばして理解すると、教養読みから対症療法的読みに変遷してきたから、新教養読みを提案しています。たしかにバグやノイズを排除して自分の仕事にすぐ役立つ情報収集読書に特化しているのが現代社会の読書のトレンドかもしれません。

★柿内さんは、あるシンクタンクのデータから、日本人はなぜ学ぶなくなったかと分析し、リスキリングする学びを構築することの大事さを説き、それにはリベラルアーツも必要なのだと。

★さらにおもしろいのは、三宅さんは紙の本にこだわっていず、タブレットで電子書籍を読むことも推奨し、学術的な本も文学もサブカルチャーものも全部フラットに扱っています。

★お二人の現代の読書や仕事に対するトレンドの分析と批判による新しい提案は、私立学校の精神に基づいた先見性・先進性・多様性を発揮して独自の教育を実装している動きと共感・共振するなと私は感じたのです。というのも、教養やリベラルアーツのような人間の本来性を問い続けるマインドとそれを持続可能にするべく時代のイノベーションを学びのツールとして活かしていく教育を私立学校は実装しているからです。

★「探究」で、文献リサーチ、フィールドワーク、生成AI検索などをしながらのディスカッションを介して論文編集や多様なパフォーマンス創作を当たり前のようにしている学校もあります。その学校の基本のテクノロジーやエンジニアリングは読書とSTEAMですね。この両方がバランスよく実践されている学校もそう多くはありません。

★このような建学の精神リーダーシップ=組織脱構築リーダーシップを発揮しているロールモデルとして、すぐに思い浮かぶのは、英語が堪能なA.T先生とK.O先生です。

★英語という教科にこだわらず、心理学や社会学、哲学、サブカルチャーなど幅広い教養を読書や広いネットワークとの対話によって蓄積し、STEAMという領域のツールも使いこなして教育を実装しています。

★教科を超えて広く深い見識ある対話ができる先生というのは、意外と多くないのです。そういう意味では、このようなリーダーがいる学校を探すことは重要ですね。精神論者でも技術合理主義者でもなく、その両歩をフュージョンしているリーダーのいる学校がポイントです。

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