聖書・宗教の授業・礼拝 聖ドミニコ学園・聖学院・桜美林・恵泉・湘南白百合・女子学院・普連土など 自己を見つめ世界の痛みに向き合い対話し言葉を紡ぐ
★キリスト教系の学校では、聖書の授業とか宗教の授業とか、毎朝の礼拝などがあります。偉い学者が聖書の解釈について聖書学的あるいは神学的に講ずる聖書の授業や宗教の授業もあります。受験生・保護者の皆さんのイメージだと、なんだか厳かで眠たそうな授業と思うかもしれません。実際そういうケースも少なくありません。
(聖ドミニコ学園:左手は校舎、右手は聖堂)
★ところが、聖ドミニコ学園、聖学院、桜美林、恵泉、湘南白百合、女子学院、普連土などの聖書の授業、宗教の授業、礼拝は、実にロゴスの活動が多いのです。
★もともとマックス・ウェーバーやシュンペーターは資本主義経済の光の部分をキリスト教の教えや修道院の活動に見出しています。最近の金融教育で、贈与の問題などとか共助の問題とか議論されていますが、これも聖書の中にあるのです。商品価格の設定がどうして決まるのか、そのことについてアリストテレスと聖書を結合して論じているトマス・アクイナスは欧米ではよく引き合いに出されます。市場の規制と緩和の議論もここに由来しています。ICT分野におけるコモンズの悲劇についての話も聖書をきっかけに考えることができます。
★法律だって聖書から由来していることが多く、京都大学や慶應義塾大学の法学部の論述式の問題で、自然法と実定法の違いや共通点を具体的な事例で考える問題が出題される時もありますが、自然法論の源は、啓蒙思想だけではなく聖書だったりします。欧米では、サマリア法というのがありますね。パンデミックでメディアで取り上げられたトリアージの解決のルールですが、これも聖書の中の善きサマリア人の話から由来しています。
★教育でいえば、ファシリテーター論や才能開発の話やPBLで使われる小さく始めて大きく育てる方法論も聖書に由来します。
★自然と社会と精神のサーキュレーションについても実はそうなのです。ぶどうの木のたとえ話ですね。
★ですから、先に挙げた学校の聖書や宗教の授業は、社会の問題や世界の痛みを考えるきっかけを聖書の文言から導き出すPBL型が多いのです。はじめにロゴスありきという聖句を大切にするし、タラントの話も重要です。言葉とアクションと社会貢献を身近な問題に結びつけ、世界を変えるにはどうしたらよいのか。そもそも自分を見つめ、自分のミッションやビジョンを生み出すリフレクションはこのような授業や礼拝が大きな役割を果たしています。
★キリスト教に限らず、仏教やイスラム教などはグローバル教育におけるロゴスとしての智慧の基礎です。AI時代にあって、この智慧は大切です。倫理の基礎でもあります。本来倫理とはウェルビーイングを生み出す生き様を規定するアイデアの源泉です。
★よき宗教や聖書の授業に巡り会えた生徒の内省的成長は本当にウェルビーイングです。
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