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2024年11月 2日 (土)

ZEN大学開設認可の衝撃 ミネルバ大学と力点が逆

★NHK(2024年10月29日)によると、「IT大手などが開校を目指していたインターネットですべての授業が受けられる通信制の大学が来年4月に開設されることになりました。入学定員は3500人で18歳人口が減るなか、通信制大学としては、異例の大規模校となります。」通信制大学はすでにありますが、ポストコロナ以降に開設されるZEN大学の意味は革命的なのです。文部科学省が認可するとは!次期学習指導要領に大きな影響を与えますね。

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(bing作成)

★ミネルバ大学のようにリアルスペースとサイバースペースのハイブリッドですが、ミネルバ大学は海外の拠点を巡るフィールドワークがベースで、オンライン上でアクティブラーニングを行っていきます。それに入試は難しいですね。

★ZEN大学は、サイバースペース上での学びや研究が中心で、リアルスペースは主ではありません。それに入試もそれほど難しいというわけではないでしょう。通信制のN高等学校の卒業生が概ね学ぶのでしょう。ただ、規模は東京大学並みです。

★パンデミックによって、ミネルバ大学はフィールドワークは困難だったと思います。しかし、ポストコロナに誕生したZEN大学はそのようなときにも学びや研究を十全にできます。

★そんな対面でなくて学びはできるのか?という方もいるでしょう。たしかにコロナ禍においては、それは問題になりました。

★しかし、今、対面型の研修や講義が復活していますが、DXが学習ツールとして媒介しない研修や講義は、効果的でしょうか。1人1台端末を有している時代に、DXをうまく使えない研修や講義は、オンライン講義や研修に比べ、実は効果がでていないのです。そんな馬鹿な、データエビデンスを出せと言う人もいるでしょうね。

★でも、実は、対面型が巧みな人ほどDXを巧みに使いこなします。生成AIの時代です。それも同じように使いこなしながら対話もします。

★対話が大事なのですが、同時に対話が難しいということはよくわかっているから、その難しいところをDXを媒介してクリアしています。

★だいたい、双方向に話をしていれば対話が成り立っているかというと、LOT(Lower oder Thinking)はできていても、HOT(Higher orde Thinking)は出来ていない可能性があります。対話には安心安全が必要だと言われます。マインドフルネスが必要だと言われます。なぜかというと、安心安全だったりマインドフルネスがあると、自由な発想やアウトプットする勇気が出てくるからです。つまり、マインドフルネスとHOTは相乗効果が生まれます。

★それに、3人以上になると、アウトプットと内面の気持ちがアンバランスになります。100人を超える研修や講義では、参加型にしないと、このアンバランスを修復することができません。そこでハーバード大学のマズール教授はPI(ピアインストラクション)を開発しました。かつてはクリッカーを1人1台用意しなくてはならなかったので、金銭的コストもバックオフィスの準備コストも高かったのです。

★今ではグーグルフォームやもっと便利なスライドなどのアプリがあって、だれでもがスマホでできてしまします。

★ポストコロナの授業も見た目は一方通行ですが、実際にはオンラインを併用しているので、参加型授業になってきています。

★老眼である私には眼鏡が欠かせません。眼鏡は道具ですが、今となっては体の一部です。そんな道具は人によっていろいろあるでしょう。サイボーグ人間の初期段階と捉えることもできるかもしれません。

★ZEN大学は、そんな感じで、日本の学びや研究のあり方を決定的に変えます。特にオンラインで海外との連携を行っていくことになりますから、このようなスタイルにシフトチェンジしない大学や初等中等教育は淘汰されていくでしょう。

★高大連携や企業などの団体との連携は進みますが、学習指導要領の教科授業の補完程度で活用していては、先がないのです。もちろん、それも重要なのですが、2040年、つまり次期「次期学習指導要領」では、文理融合が進みますから、74単位のうち、基礎知識は30単位分でいいということになるでしょう。共通テストも資格試験化しているでしょう。

★44単位は、10個のムーンショット目標が教科化し、そのうち2教科ぐらい選択すればよいということになるでしょう。2050年には、74単位すらあるかどうかわかりません。

★そんなあ!基礎知識はどうするんだあ!と。大丈夫それはあります。ただ、それは言語リテラシーと理数リテラシーと社会課題リテラシーぐらいになるでしょう。言語のロジカルとメタファーの性質、理数の変化率と確率を様々な現象で認識し応用するリテラシー、社会課題を見出し、ヤヌスプロセスで解き明かしていくリテラシーがあれば、現状の大学入試レベルの問題はクリアできるでしょうから、そもそもそのような大学入試問題も必要ありません。

★決定的なことは、ZEN大学のような新しいタイプの大学にシフトしていくことによって、学びや研究の度合いに応じてベーシックインカムの度合いも変わるでしょう。学びや研究が特許ベースになるので、同時に学生は働くことにもなります。ジョブ型のベースを大学でつくっていけるのです。

★フュージョンの時代です。働き方改革は24時間の時間配分だけではなく、同一時間に学びも仕事も出来てしまうということになります。

★実際にそのような兆しはいっぱいありますが、まだ微分化状態で政策として積分化されていないだけです。そこに気づいている人は、学生だけれど、ラップトップとスマホを持って、やっていけています。スタートアップと今は呼ばれていますが、すでにWeb3.0の世界は開かれています。

★なぜ私のような70代前後の老人がダメなのかは、多くは、DXを自分で使って稼いでいないからです。私たちは、若者にエールをおくり、昔の話でも価値あるものはあるものですから、それを短い言葉で伝えていくことぐらいです。

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