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2024年11月22日 (金)

聖学院の教育宇宙(2)すべての教育活動をつなぐものが生まれる仕組み化

★聖学院は、仕組み化が巧です。同校の教育活動すべてをつなぐものは、Only One for OthersというトリプルOのマインドですが、そのマインドは見えないものですから、実感するには仕組み化が大切です。その象徴が思考力入試やGICなのですが、それはシンボル的存在ですから、そのシンボルの背景にはブドウの木のごとき豊穣な循環があります。しかし、それはなかなか見えないですね。私はラッキーでした。

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★というのは、たくさんの授業を見ているうちに、国語と社会がSTEAMのSやMそしてAのレベルの授業を行っているのを目撃したからです。

★理科や数学は、ある意味教科書の枠内だとしても、授業は数理関連の学問的理論を使っています。教科書を超えるというのは、教科書にある問題以上に難しい問題を解くというということではなく、数学的科学的理論に結びつくということです。

★聖学院の理科や数学はそのレベルに到達するので、GICのSTEAMが破格のプログラムを展開できるのは、そもそもその土壌が中学から日常化しているということです。

★一方、国語や社会は、なかなか人文科学や社会科学の理論的リソースを活用するところまではいきません。日常言語で理解が足りるように教科書ができているからです。

★哲学や社会学、人類学など文系の学問的見識が使われたとしたら、どうなるでしょう?そうです。理科や数学のレベルになるのです。

★聖学院の国語は、言語哲学や文化人類的見識をダイレクトに授業で展開する優れた教師がいます。社会には、政治経済学や社会学、経営学、文化人類学などの見識をやはりダイレクトに授業に結びつけることができる優れた教師がいます。

★英語は、言語学の意味論や語用論を駆使したオールイングリッシュ授業が展開しています。ネイティブスピーカーだけではなく、日本人の英語の先生も同様です。ですが、驚いたことに音楽の教師も英語が得意な国際生には、英語で授業をサポートしてあげてもいるのです。

★もちろん、知識や論理中心の授業もあります。しかし、それはこのような学問的な授業が必要とする知識や論理的思考を供給する重要な役割を担っています。この授業間の連携循環が聖学院の教育活動の仕組み化です。そしてだからこそOnly Onr for Othersが生成されるのです。

★が、これだけではまだ聖学院独自のOnly Onr for Othersが生まれてはきません。

★ここまでだと。他校でもできる可能性がありますね。しかし、聖学院でしか生まれてこない独自のOnly One For Othersが生まれる仕組みがあるのです。

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