2025年中学入試動向(4)工学院 傑出の理由 ケンブリッジインターナショナル×ラウンドスクエア×ムーンショット目標
★昨夜、GLICC Weekly EDU 第192回「工学院大学附属中学校・高等学校ーグローバル教育の広がり」で田中歩教頭からお話を伺いました。まさに進化するグローバル教育×STEAM教育を豊かに生徒たちと歩んでいるという感じが伝わってきました。
★高2の時に行われるグローバルプロジェクトがきっかけで、バングラディシュの高校と同国で野球というスポーツを新興するプロジェクトが立ち上がり、そこに工学院の野球部の生徒がアドバイスにいく交流まで行われています。スポーツは国全体への健康の善き影響を与えます。すると国全体の都市創りの経済基盤だけではなく、公衆衛生の基盤づくりにも一役買います。
★スポーツ科学という大学での学問もさらに発展するでしょう。スポーツ科学は身体の健康だけではなく、メンタルヘルスや人間関係づくりの学びも生み出します。工学院のグローバルプロジェクトの動きが、こんな大きな動きにつながっていくのです。工学院の野球部の生徒は、自分の才能でまさに世界を変えるアクションをおこしていることになります。
★しかし、この動きは、一般的な学校のグローバル教育だと限られた生徒たちの話になるでしょう。ところが工学院の場合は全員がこのようなグローバル教育の恩恵に浴することができるのです。
★そしてさらに、海外大学に行きたいと思えば、インターナショナルコースで学んでいけばよいのです。このコースは中学入学段階で相当高い英語力をもっていますが、高校になるともはや50%以上が準1級以上です。要するに英検2級以上は全員ということでしょう。
★しかし、海外大学進学で英語ができるのは大前提で、それだけで合格できるわけではありません。グローバルな探究やSTEAM体験がたくさんあるからこそ、自分の世界を広げ深めていくことができるし、何よりフラット・フリー・フラタニティ―(公平・自由・友愛)という世界各国のエスタブリッシュスクールのグローバル教育に共通する3F精神を学べます。田中教頭が生徒中心主義で対話ベースの環境を創っているというのはそういうわけです。
★そして、さらに驚くのは、インタナショナルコースだけではなく、工学院の生徒全員が、ケンブリッチインターナショナルスクール提携校としてAレベルの試験に挑戦できるのです。生徒がどのようにAレベルに挑戦しているのか、今回詳細に田中歩先生が説明してくださっているので、ぜひ動画をご覧ください。
★それにしても、Aレベルで物理を選択すると、実験やレポートだけではなく、丸ごとセオリーを学ぶというのが、本格的なSTEAMです。日本の教育では、実験やレポートや知識・公式を学び、その前提のセオリーについては少し触れるだけです。さすがはイギリスのサイエンス教育ですね。ニュートンというロールモデルがあるからなのでしょう。
★このSTEAMに関しては、ほとんどの学校でまだ気づいていない内閣府のムーンショット目標について田中歩先生はいつも語っています。SDGsの次に来る画期的な未来社会のテクノロジーとエンジニアリングの話ですが、工学院の生徒の才能は中学入学当初から、ムーンショット目標につながる創造的才能があると田中由美先生は、生徒のアウトプットした表現から見出しています。
★生徒の日ごろからブツブツ湧いてくる才能を見出し、そのつながりを未来のパーパスに結びつけるリーダーシップ。ここが重要なのだ田中歩先生の教頭としてのリーダーシップに期待が高まりました。
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