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2024年9月30日 (月)

2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(2)受験生・保護者のみなさんの二通りの学校選択の志向性

★現在、受験生・保護者のみなさんが学校を選ぶ際の根本的な選択志向性は2通りです。どちらを選ぶも私事の自己決定です。志向性の価値のどちらがよいかは自由です。それを前提に、1つの志向性は、東大をはじめとする難関大学や医学部合格を目指し、2050年までは止まらない新しい封建制の中で勝ち組になることを目指すというものです。もう一つの志向性は、同時並行で進んでいるのですが、新しい封建制度に代わるウェルビーイングな善き社会を自らが創っていく進取の気性に富んだ創造的才能を発揮していき、新しい封建制の中の上位層に従属して自分の価値を抑えていく人生から脱出する道を拓くというものです。

★今、東大をはじめとする難関大学を目指し、あるいは医学部を目指すことを固い決意をもって中学受験に臨んでいる受験生・保護者は本ブログを見る必要はないし、おそらく見ていないでしょう。それで、いやそれが良いと思います。今後の社会は2050年までは、そう簡単に格差社会がなくならないですから、その中で上位のポジションを獲得しようという価値観はあって当然だからです。

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★しかし、いわゆる偏差値で55に満たない受験生・保護者でそれ以上の中学を受けようとする受験生と大競争をするのははたしてよいのかどうか少し立ち止まって考えてもよいかもしれません。もちろん、偏差値が50でも果敢にチャレンジしてそのような学校に入り、中学に入ってから英語と数学という別世界で花開く生徒もいます。ですから、それを信じて立ち臨むのももちろん構いません。私事の自己決定が民主主義であり資本主義の世界の大原則ですから。

★でも、偏差値に関係なく、東大とか難関私大も含めて海外大学という選択肢にチャレンジでき、また今目立たなくても2050年にはあのミネルバ大学や国際大学、APUのように力を見せつける大学もでてくる情報をしっかりリサーチしている私立中高があれば、そのような中高を視野に収めておくことも必要だと思うのは私のおせっかいでしょうか。いやまさに、そうかもしれませんね。

★しかし、人生というのは、計画的偶然性とか偶然の必然という言葉がある通り、何かに向かって真剣に臨んでいると、自分が気づいていなかっただけのすばらしい才能が開花するということは大いにあるのです。そんな事例は周りを見ればあふれるほどあります。ただその自覚はない控えめな方が多いし、学歴社会によるゴーレム効果は凄まじいですからそうなってしまうわけです。

★むしろ、東大に合格する話なんて、全国の同学年の0.3%の話です。もちろん希少価値ですが、それに比べて自分のような自分がほかにいないないことの方がよほどレアケースなのです。東大に合格した人間とそうでない人間は、その点において等しくかけがえのない価値があるわけです。こんな当然の権利の話を無視する価値観が学歴主義ですね。

★ですから、その自分の価値を無限に広げられる学校を探すのもよいのではないでしょうか。そのことに徐々に受験生・保護者が気づき始めていて、だんだん難しくなっている4校の超先進校は前回紹介しました。この4校の先生方の授業を実際に見たりヒアリングをしたりリサーチを長年してきた結果、超先進校の条件を仮説としてですが見つけました。

★なかなか説明会だけでは見えないし、具体的な授業をみているだけではいい雰囲気は伝わってきますが、その良い雰囲気の次元の違いはなかな可視化しにくいですよね。ですから、私なりに仮説を立ててみました。このスコープで超先進4校以外もみていけば、2050年社会までに新しい封建社会の中で上位層に従属して、自らの無限の価値に気づかないまま生きていく人生から脱出できると思います。

★それにすでに新しい封建性とウェルビイングな善き社会は並行進化的に形成され始めています。2011年くらいまでは、圧倒的に新しい封建制を目指す動きが大勢を占めていたのですが、2011年3.11の根源的人間の存在の共通体験から徐々にウェルビーイングな善き社会を目指す人々が多くなってきました。

★マイケル・サンデル教授の白熱授業ショックはその動きを反映しています。システム思考やSELやデザイン思考やアート思考などのベースにあるPBLというデューイルネサンスも影響があったでしょう。IB200校計画も逆説的ですが一翼を担ってはいます。落合陽一さんやマルクス・ガブリエルさんが表舞台にでてきたということもその動きを象徴しているかもしれません。

★遠くあの時代モーツアルトが脚光を浴びましたが、それは一つの象徴であって、多くのモーツアルトが同時に生まれています。同じように、今挙げた方々の背景には少しずつ違いますが、ウェルビーイングな善き社会を目指す人々がたくさん存在しているものです。

★そしてこの動きを決定づけたのはパンデミックでしょう。

★いつものように枕が長くなってしまいました。次回からはその超先進校の条件を図を描きながらいっしょに考えていきましょう。

★いずれにしても新しい封建制を引き受けているのに教育改革だと語っている方もいます。それは、その枠組みの中で勝ち組になるための教育改革です。もう一つの教育改革は、そのようなシステムに巻き込まれないように生徒自身が自ら考え意思決定し、仲間と共感して行動できる才能や価値を拡大できるという意味での教育改革です。一般メディアが中学受験過熱だと報道する時、自分たちがどちらのシステムを広報活動しているか明らかにしていないのですが、最近メディアとして自戒をこめて襟を正していきたいというキャスターが多いですよね。それはどういう意味か「主体的・対話的で深い学び」を行うならば、いやそんなことを行うまでもなくわかってしまうことでなのですが。。。。

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