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2024年10月 1日 (火)

2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(6)いわゆる高偏差値学校の教育と筑駒湘白型教科教育

★前回ご紹介したように筑駒は入学段階で創造的才能を開花することに抵抗を感じない生徒がはいってくる入試問題の仕掛けがあるわけです。入学後も当然そうなるわけですが、高大連携や多次元の経験は、湘南白百合に比べれば限定的です。しかし、創造的才能の素養があることが前提になっています。一方湘南白百合は、丁寧で高頻度で行う説明会で、そのような生徒に期待をかけると同時にそうでない場合も入学後自分で創造的才能を開花できるのだという証明をしていきます。

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★ですから、湘南白百合の場合は、国語と算数の一教科入試や英語入試、4科目入試など多様な入試のラインナップを用意しています。筑駒湘白型の教科教育は、上記のような図で示せると思います。筑駒の場合は、湘南白百合と比べると媒介項として「高大連携」と「多次元の経験」については限定的で、もっとやりたければ、生徒が自分で探してやればよいという感じですね。ここは国立と私立の差異かもしれません。

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★一方いわゆる高偏差値校の教育は、教科教育がメインですね。筑駒湘白型の教科教育と比べると微妙なそして大きな違いがあります。フレームのうち媒介項が違います。高大連携も経験もやはり手厚く実施しますが、湘南白百合に比べるとやはり限定的です。筑駒よりは多様だと思います。ここが国立と私立の差異だし、私学同士の差異でもあるわけです。

★また、思考方法も、ロジカルシンキングが中心です。理数系が中心で、まだ文理融合というところまでは越境しようとはしないので、そうなります。文理融合を実践するには、思考方法を三角ロジックに切り替える必要があります。しかし、ロジカルシンキングで東大は十二分に合格できます。

★湘南白百合は、教科教育以外は、超先進4校と同じようなプログラムを多次元に設定しています。ここがフェリスや横浜共立、横浜雙葉と違うところです。いわゆる高偏差値校で、そこまでやる必要はないのではと思われがちですが、いわゆる高偏差値校は筑駒のように在校生全員が創造的才能を発揮するようにはなっていないのです。それは入試問題が筑駒のようになっていないからです。

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★したがって、上記のような図になります。つまり、筑駒湘白型もいわゆる高偏差値型も、在校生の偏差値は高いのですが、在校生全員が創造的才能を開花させているかさせようとしているかは違いがでてきます。

★もちろん、生徒1人ひとり創造的才能者です。しかし、植物と同じように条件がそらわなければ、創造的才能は開花しません。ですから大学に行ってから花開く場合もありますから、それは初等中等教育の役割ではないのだと考えることもできますが、幼児期からに非認知能力を育てることが必要だという言われる時代です。

★そして、リチャード・フロリダ教授や落合陽一さんが語っているように産業構造が第4の産業としてクリエイティブクラスが誕生している時代です。それをうけてSOCIETY5.0の時代が着々と進んでいる時代です。東大をはじめ経団連など高度人材の素養を持った学生を大学入学時から求めている時代です。

★超先進校や筑駒湘白型学校のように、私立中高一貫校が進化していくのは止められないでしょう。

 

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