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2024年9月21日 (土)

和洋九段女子 グローバル教育とSTEAM教育とPBLのフュージョン教育

昨日GWEで和洋九段女子の校長中込先生と理科教諭の小仲井先生とオンライン上で対話しました。同校はPBL型授業をベースにしてグローバル教育が充実していることで有名ですが、一方でSTEAM教育も注目されているのです。中込校長は教科書も執筆していますし、大学でも教えています。東京都の都立高校の先生方がSTEAM教育を学ぶ会にも、お二人は招かれ、リーダーシップを発揮しているぐらいのその道の重鎮なのです。

Thinking-handson-mechanism

★今回お話をお聞きして、驚愕したのは、グローバル教育とSTEAM教育とPBLが越境という次元をさらに超えて融合しているということでした。

★グローバルコースの生徒がPBLやSTEAMと親和性があるのを、中込先生は、グローバルマインドがあるからだと仮説を立てています。ですからサイエンスコースでも、本科コースでもPBL型授業がすべての教育活動で展開しているわけですから、帰国生子女でなくてもグローバルマインドが養われるという循環が起こっているようです。

★そして、このグローバルマインド(それが何であるかは動画をご視聴ください)に基づいて、小仲井先生が実験を生徒と共に行いながら科学的思考活動を行っていくのですが、その実験がSTEAM活動になっているように組み立てているのです。

★摩擦や水平飛行の物理現象を観察し分析し考察するのに、手を使いながら実験用の道具を実際に作りながら考えていくのです。

★科学者やエンジニアがそして哲学者なども、実は仮説を証明するために思考実験を行います。たとえば、有名な思考実験は囚人のジレンマとかチューリングテストとかシュレディンガーの猫とかいうものです。しかし、これは頭の中で組み立てています。ところが、小仲井先生の場合は、実際に手でつくることができる思考の実験装置なのです。

★こういう表現は私の造語ですが、Thinking hands-on Mechanismとでも呼べそうです。

★中込先生が和洋九段女子のSTEAMはEが中心ですということはこういうことだったのですね。ロボットをつくるというのは、発想というテクノロジーとプログラミングとかデータサイエンスとかたしかに、SやTやAやMは使うのですが、実際にロボットを組み立てる多様な要素である道具をつくることはしません。エンジニアリングとはこのロボットという道具の道具をつくるところからはじめるわけです。

★人間の身体全体がロボットだとすると、iPS細胞を生み出すのが道具の道具をつくるエンジニアリングということでしょうか。

★ロボットコンテストなどもSTEAM教育の一環ですが、それはマクロのSTEAMで、和洋九段女子の場合はミクロのSTEAMです。目に見えない部分に入り込んでいくわけです。これぞPBLや探究の妙技です。

★iPS細胞は、たしかにプリミティブですが、その能力は万能です。和洋九段女子のフュージョン教育おそるべしです。

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