東京の私立学校の信念(2)マインドベースラーニング
★マインドの時代を提唱するマルクス・ガブリエル。京都大学の哲学アドバイザーになっています。ドイツ哲学界の若き俊英で、日常生活で使われる日本の精神の意味とドイツの精神の意味が含んでいるsomethingがどこか親和性があると感じていて、日本によく訪れています。そんなわけで京都大学と結びついたのでしょう。最近「倫理資本主義」を日本から発刊しています。脱資本主義とか、社会主義や共産主義とかにユートピアを見つけるのではなく、資本主義の中のユートピアを考案しています。なんといっても「自由=民主主義」が人間1人ひとりが有している価値を無限に創出する泉ですから。
★教育の世界では、実はとっくに精神の時代です。ただ、世間的には、教育の世界における精神は、どちらかというと「不安」に置換えられて行政政策が講じられています。不安は人間の根源的な存在の声ですが、それをうまく聞き取れないのが現実社会における人間関係やその関係が織りなすシステムです。ですから、不安が生まれる人間関係やシステムのエラーを修復する政策が日々目白押しです。
★不安の生まれる大きな原因の一つに、何かと何かのジレンマや葛藤です。その「何かと何か」がはっきりしないまま、ジレンマや葛藤が生まれる物事を排除するあるいは抑えるというのが、行政の仕事です。行政の担当者は、1人ひとりの心の中の「何かと何か」を知る由もないからです。ですから自ずと対症療法となるわけです。その集積に現場の先生も翻弄され、大変です。
★一方で、東京の私立学校は、建学の精神のメカニズムをもっています。その明らかにされていない「何かと何か」の内容を対話によって解明し、生徒1人ひとりのアイデンティティと世界のアイデンティティの合力を生み出す対話をします。これは建学の精神という世界精神軸を持っているからできるわけです。これが建学の精神のメカニズムのシンプルなシステムです。
★ただ、この対話は一足飛びに自分のアイデンティティと世界のアイデンティティの合力ベクトル(これがよく自分軸といわれているののですね。men for othersとかともいわれています。)にはならないのです。現実社会が生み出すジレンマを認識し、その生み出す原因をまず回避するところからはじめます。それが心理的安全の場をつくるということです。
★そのために、宗教系の学校は、祈ったり、坐禅をしたりするのですが、宗教系の学校でないにしても、瞑想やマインドフルネスなど自らの世界に没入する多様な機会を作っているし、そのための空間も作っています。
★そして、そのようなマインド=建学の精神を授業や部活や生徒会活動、探究などあらゆる教育活動に浸透させています。それゆえ、現実社会が生み出すジレンマや困りごとを解決する学びを通して、新しい社会の着想が生まれてきます。そのとき、ジレンマが新しいより良き社会へ転換するエネルギーになります。
★こうして、建学の精神のメカニズムは生徒の発達を生み出す働きもするわけですが、学校自体が常になんらかの過剰なこだわりや保守的な鎧で固めないようにいつもシステムの枠をモニタリングし、頑迷頃になったらそれを破壊的に想像するdeフレームマインドを大切にしています。それが建学の精神を大切にする本意でしょう。
★そのような建学の精神に基づいた学びを「MBL:マインドベースラーニング」と呼んで起きましょう。「PBL:プロジェクトバースマインド」の大前提にこのMBLがあるのが東京の私立学校です。
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