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2024年9月22日 (日)

東京の私立学校の信念(1)社会と教育を考える次元が違う

★先週木曜日、市ヶ谷の私学会館で、一般財団法人東京私立中学高等学校協会は、「理事長校長会」を開催しました。東京の私立中学校と高等学校424校の理事長校長が一堂に会しました。現状の人口動態、私学をめぐるガバナンスをはじめとする法改正問題、高校入試における公私協議会で何を論点に議論をしているか、文部科学省が考えている教育行政、都が私学を支援してくれる進捗状況など多肢にわたる情報が共有され、そのうえで、さらに東京私学が官民と適切な協力関係をつくりながら、建学の精神に基づいてさらなる先見性・先進性を発揮し独自の教育を発展させていくことを誓いあったわけです。

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★文科省が次期学数指導要領で実施しようとしていることは、東京私立学校は、すでに着手済みで、同省の各ワーキンググループが課題として取り上げていることも、すでに東京私学教育研究所の各委員会の研修ですでに織り込み済みで、それをどう解決していくか着実に歩を進めています。

★そのうえで、プロジェクト部会などでは、新しい社会像をリサーチしています。文科省が提示している社会像は、現実社会の改善点をあげ、それを一つ一つ解決していくやり方で、もちろんそれは重要で、東京私立学校もそれには協力しています。

★しかし、現状の社会のあり方が生み出している問題は、その根本的な課題は、それを生み出す社会の仕組みそのものを改善しなくてはならないというのを、探究などで、すでに生徒自身が気づいていて、そこを大切にするところ(建学の精神の構え)から、先見性・先進性が生まれてきます。

★ですから、今協会の役員及び委員会の先生方の中の理事長・校長とそこらへんを時々対話しています。

★すると、教育が変われば社会が変わるというのは、現実社会の改善という次元だけではなく、新しいパラダイムの社会の到来(建学の精神の中にすでに在る)を研究し、その社会を実現する教育をやっているという自負があるということがわかってきました。

★そこに向けて、私学経営権を保守する法律問題、財務問題など理事長校長は話し合っているわけです。そこに向けて先生方は独自の教育環境デザインを行っているのです。グローバル、探究、STEAM、産官学・非民間セクターなどとの協働はすでに当たり前です。

★DXやGXのベクトルも当然歩んでいますが、そのベクトルの先が現実社会の改善というB軸(ロジカル知)レベルにとどまるのではないのです。

★新しい社会を構築するC軸(クリエイティブ知)レベルに立っています。

★そして、A軸(理解知)レベルからC軸(クリエイティブ知)レベルを柔軟に体現できるX(トランスフォーミング知)レベルを内包しているのが東京私立学校の経営と教育です。

★私たち仲間が、多くの教育関係者と話す時、相手の方がA、B、C、Xのどの次元の視点で話しているのかまずは耳を傾けます。Aであれば、そこから対話して、次元を開いていく対話をしていくわけです。もちろん、その作業はそう簡単ではありません。受験市場における私学の経営者の顔と教育形成コミュニティで見せる顔は、当然違います。

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