2025年中学入試 次の次元に進む私学(04)女子美と世田谷学園と日駒
★本日の日本経済新聞の春秋で、戦後79年を美術教育を通して語るエッセイが掲載されていました。ある展覧会で、小学生の優秀作品が展示されていましたが、自由な表現が評価されていたのを見て、明治からの歴史を振り返っています。日本の美術教育は、明治初期に欧米の影響を受けて始まり、産業に役立つ実用性が重視されました。太平洋戦争中は軍国主義的な教育が行われました。それが戦後は自由な表現が重視されるようになったと。おそらく平和な社会における教育とは何かを問い続けたいということでしょう。
★私学展で、中学から美術のカリキュラムがしっかりしているところはありますかと受験生・保護者から問われるケースがたびたびありました。女子受験生の場合は、女子美が第一志望なんだですが、併願としてという質問でした。男子の受験生は、女子美のような美術のカリキュラムがある男子校もしくは共学校はないですかという質問が多かったですね。
★女子美は、明治以降まだまだ男性中心社会に女性の感性を世の中に発信し、芸術マーケットに寄与してきました。もちろん、芸術のマーケットがそもそも日本では英米や東南アジアの国々ほどないので、ジェンダー問題と学力偏重教育という二重のジレンマの中で逞しく道を拓いています。しかし、ストイックな本質的な心性はカワイイデザインやアートの背景の奥に置いて、めちゃくちゃ楽しく、それでいて集中した自分の時間を過ごせる教育環境デザインになっています。そこが人気なのでしょう。
★世田谷学園は、再来年に美術と工芸を融合した新しい「アトリエ」棟が建設される程、男子校では美術教育がしっかりしています。内面の静かなる炎を表出する自由が、世田谷学園の坐禅とシンクロしている雰囲気の人気の学校です。
★そして、共学校としてアートに力を入れられる贅沢な環境を持っているのが、日本工業大学駒場です。かつて工業系のコースもあったので、その当時の専門的な施設が今も活用されています。今は普通科で、グローバル教育や探究教育にもこのところ力を入れていますが、STEAM教育はもとから行っているという雰囲気です。そもそもすてきな空間の校舎自体がOBによる設計です。
★歴史に翻弄されながらも、自由と平和を持続可能にする教育とは何か、建学の精神を軸にブレずに問い続け、実践しているのが私立学校です。
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